1 00:00:02,202 --> 00:00:04,605 (沢嶋雄一)<罪の有無や真偽を➡ 2 00:00:04,605 --> 00:00:07,941 神や仏に問う裁判 神判。➡ 3 00:00:07,941 --> 00:00:11,812 古くから 世界各地で 行われてきた 特殊な裁判方法。➡ 4 00:00:11,812 --> 00:00:15,916 かつて 日本にも 過酷な神判が存在していた> 5 00:00:24,391 --> 00:00:26,627 <その驚愕の実態とは。➡ 6 00:00:26,627 --> 00:00:29,429 私は 江戸時代の初頭に タイムワープをした> 7 00:00:42,976 --> 00:00:54,588 え~ アブソリュートポジション N231 W672 E921 S748 ポジション確認。 8 00:00:54,588 --> 00:01:02,296 アブソリュートタイム B1731345年 34時79分43秒。 9 00:01:02,296 --> 00:01:09,369 西暦変換しますと 1608年4月26日 7時9分42秒。 10 00:01:09,369 --> 00:01:12,072 無事 タイムワープ成功しました。 11 00:01:12,072 --> 00:01:15,943 コードナンバー 115493 これから記録を開始します。 12 00:01:15,943 --> 00:01:21,415 沢嶋雄一。 彼は タイムスクープ社より 派遣された ジャーナリストである。 13 00:01:21,415 --> 00:01:24,384 あらゆる時代に タイムワープしながら 時空を超えて➡ 14 00:01:24,384 --> 00:01:28,789 名も無き人々を記録していく タイムスクープハンターである。 15 00:01:39,900 --> 00:01:42,703 <山あいにある神社。➡ 16 00:01:42,703 --> 00:01:48,342 今 まさに 特殊な裁判が 執り行われようとしている。➡ 17 00:01:48,342 --> 00:01:51,144 火の中に 鉄の棒が くべられていく。➡ 18 00:01:51,144 --> 00:01:53,480 熱せられた この鉄を手で握り➡ 19 00:01:53,480 --> 00:01:56,683 やけどの有無や状態で 判決を下そうというのだ> 20 00:02:00,153 --> 00:02:03,824 これから 鉄火裁判が 行われるところです。 21 00:02:03,824 --> 00:02:06,727 この珍しくも恐ろしい 裁判の一部始終を➡ 22 00:02:06,727 --> 00:02:08,762 密着ドキュメントしたいと 思います。 23 00:02:08,762 --> 00:02:12,499 この時代の人々にとって私は 時空を超えた存在となります。 24 00:02:12,499 --> 00:02:15,402 彼らにとって私は 宇宙人のような存在です。 25 00:02:15,402 --> 00:02:18,238 彼らに接触するには 細心の注意が必要です。 26 00:02:18,238 --> 00:02:22,042 私自身の介在によって この歴史が 変わる事も ありえるからです。 27 00:02:22,042 --> 00:02:23,977 彼らに 取材を許してもらうためには➡ 28 00:02:23,977 --> 00:02:25,912 特殊な交渉術を用います。 29 00:02:25,912 --> 00:02:28,815 それは 極秘事項となっており お見せする事はできませんが➡ 30 00:02:28,815 --> 00:02:32,319 今回も 無事 密着取材する事に成功しました。 31 00:02:39,459 --> 00:02:42,996 <なぜ この特殊な裁判が 行われる事になったのか。➡ 32 00:02:42,996 --> 00:02:46,900 その きっかけを探るべく 私は 2週間前に タイムワープをした> 33 00:02:52,973 --> 00:02:57,377 <それは村境の良質な湧き水が出る 小川の近くから始まった> 34 00:03:00,247 --> 00:03:02,182 ずっと前から そうなっとった! 35 00:03:02,182 --> 00:03:04,584 おらが村の沢の水を おらが ひこうとして何が悪いだか。 36 00:03:04,584 --> 00:03:07,954 おのれが村の沢でねえからだ。 何べんも言わすな! 37 00:03:07,954 --> 00:03:10,891 <自分の村に水をひこうとしていた 西谷村の若者。➡ 38 00:03:10,891 --> 00:03:14,728 それに腹を立てたのが 東原村の村人たちだった> 39 00:03:14,728 --> 00:03:18,231 おのれらが言う沢の境はな この川の向こうだべ。 40 00:03:21,068 --> 00:03:23,970 <隣り合う2つの村は 川の領有権をめぐって➡ 41 00:03:23,970 --> 00:03:27,207 しばしば 対立していた。➡ 42 00:03:27,207 --> 00:03:29,876 それぞれに 権利の主張をして 10年がたつ。➡ 43 00:03:29,876 --> 00:03:32,779 だが いまだに解決の道が 見えなかった。➡ 44 00:03:32,779 --> 00:03:36,450 いずれ 村同士の大きな紛争に 発展するかもしれない。➡ 45 00:03:36,450 --> 00:03:40,754 それを案じた僧侶の和徳は 仲裁役を買って出る事にしたのだ> 46 00:03:45,759 --> 00:03:48,662 これで ええだろう? うん? 47 00:03:48,662 --> 00:03:51,565 <いま一度 双方から主張を聞こうと➡ 48 00:03:51,565 --> 00:03:54,801 まずは 東原村に出向く事にした。➡ 49 00:03:54,801 --> 00:03:58,305 集まる東原村の村人たち。➡ 50 00:03:58,305 --> 00:04:02,409 西谷村への長年の不満 鬱積が 爆発する> 51 00:04:05,112 --> 00:04:07,547 <この川をめぐる領有問題は➡ 52 00:04:07,547 --> 00:04:11,418 実は7年前 領地の役人により 裁決が下っていた。➡ 53 00:04:11,418 --> 00:04:15,021 川を 2つの村で折半する という事に決まったのだ。➡ 54 00:04:15,021 --> 00:04:17,958 だが 双方とも その裁きを 受け入れる事はなかった> 55 00:04:17,958 --> 00:04:23,497 沢は 「東原知行たるべきの事」と 書いてあるべよ。 56 00:04:23,497 --> 00:04:28,268 <それぞれに古くから伝わる証文が 存在していたからだ。➡ 57 00:04:28,268 --> 00:04:31,071 重い口を開いたのは 村のリーダー…> 58 00:04:40,480 --> 00:04:44,084 <長年 解決の糸口が 見えないでいる状況。➡ 59 00:04:44,084 --> 00:04:48,989 彼は ついに 最後の手段に 打って出る事にした> 60 00:04:54,795 --> 00:04:57,597 <話し合いによる解決を望んでいた 和徳にとって➡ 61 00:04:57,597 --> 00:04:59,533 それだけは避けたい事だった。➡ 62 00:04:59,533 --> 00:05:03,103 だが もはや 村人たちの勢いは 止める事ができなかった。➡ 63 00:05:03,103 --> 00:05:06,973 太郎右衛門は 早速 敵対する西谷村に宛て➡ 64 00:05:06,973 --> 00:05:11,244 鉄火起請の申し入れ状を書いた。➡ 65 00:05:11,244 --> 00:05:18,818 書状を託された和徳が しかたなく西谷村に向かう。➡ 66 00:05:18,818 --> 00:05:24,124 鉄火起請の申し入れに対して 西谷村も殺気立っていた> 67 00:05:24,124 --> 00:05:26,993 東原の言ってる 書付なんぞ➡ 68 00:05:26,993 --> 00:05:30,797 山奉行様より頂いた おれらが村の文書より➡ 69 00:05:30,797 --> 00:05:32,732 ず~っと 後の事ずら。 70 00:05:32,732 --> 00:05:36,636 <西谷村にも かつて 川の領有権を認める文書が➡ 71 00:05:36,636 --> 00:05:38,972 山奉行より交付されていた。➡ 72 00:05:38,972 --> 00:05:43,777 これでは 双方が納得いかないのは 無理もない事だった> 73 00:05:53,053 --> 00:05:55,555 <そして ついに…> 74 00:05:55,555 --> 00:05:57,858 ああ やるべ! やるべ。 75 00:06:14,774 --> 00:06:17,978 <村のリーダー 吉左衛門が その役を買って出た> 76 00:06:38,498 --> 00:06:42,369 <1619年の会津で起きた 鉄火起請では➡ 77 00:06:42,369 --> 00:06:45,872 取手を名乗り出た者に 手厚い補償を行ったという。➡ 78 00:06:45,872 --> 00:06:49,643 取手になるには かなりの覚悟が必要だった。➡ 79 00:06:49,643 --> 00:06:53,313 こうして 鉄火起請の開催が決まった。➡ 80 00:06:53,313 --> 00:06:56,950 10日後 寺の周辺が慌ただしくなる。➡ 81 00:06:56,950 --> 00:06:58,885 やって来たのは➡ 82 00:06:58,885 --> 00:07:01,788 この地域の領主から 派遣されてきた役人たち。➡ 83 00:07:01,788 --> 00:07:06,493 立会人として 鉄火起請を 見届ける役目を担っている> 84 00:07:12,098 --> 00:07:17,604 これは遠路お手間にございました。 さあさあ まずは 荷を中へ。 85 00:07:17,604 --> 00:07:19,906 かたじけない。 おい。 86 00:07:21,474 --> 00:07:24,444 <彼が この裁判を 取りしきる事になる。➡ 87 00:07:24,444 --> 00:07:27,180 神に審判を下される 鉄火裁判でも➡ 88 00:07:27,180 --> 00:07:30,116 このように 役人の立ち会いが 必要であった。➡ 89 00:07:30,116 --> 00:07:34,921 その2時間後 寺に 更なる訪問者が現れる。➡ 90 00:07:34,921 --> 00:07:38,425 東原村の名主 太郎右衛門である> 91 00:07:47,100 --> 00:07:52,505 <役人の勝村と話がしたいという。 一体 彼らの目的は…> 92 00:07:54,274 --> 00:07:56,576 あ… はい。 93 00:07:59,145 --> 00:08:01,147 ああ。 94 00:08:11,024 --> 00:08:12,959 (勝村)いいから帰れ! 95 00:08:12,959 --> 00:08:16,896 <太郎右衛門たちが 追い返されるように出てきた。➡ 96 00:08:16,896 --> 00:08:21,101 勝村に何かを渡そうとしている。➡ 97 00:08:21,101 --> 00:08:24,104 金の粒だ> 98 00:08:26,906 --> 00:08:29,309 <それは 賄賂であった> 99 00:08:39,486 --> 00:08:41,488 ああ…。 100 00:08:43,256 --> 00:08:45,191 <役人を金で釣り➡ 101 00:08:45,191 --> 00:08:49,729 自分たちが有利になるように 鉄火に 手加減を加えてもらう。➡ 102 00:08:49,729 --> 00:08:54,734 だが 立会人の勝村は その話に 決して乗らなかった> 103 00:09:05,111 --> 00:09:07,113 すいません。 104 00:09:21,227 --> 00:09:23,229 うん…。 105 00:09:57,964 --> 00:10:01,167 うん。 それがしが知るに…。 106 00:10:16,015 --> 00:10:18,785 こちら 沢嶋。 本部どうぞ。 107 00:10:18,785 --> 00:10:20,720 (古橋ミナミ) はい。 こちら本部。 108 00:10:20,720 --> 00:10:23,690 現在 鉄火起請の 取材最中なんですが➡ 109 00:10:23,690 --> 00:10:26,125 これより前に 湯起請というものが あったらしいんですが➡ 110 00:10:26,125 --> 00:10:28,628 詳細をお願いします。 湯起請ですね? 111 00:10:28,628 --> 00:10:31,631 はい。了解しました。 お待ち下さい。 112 00:10:31,631 --> 00:10:33,733 え~ 湯起請…。 113 00:10:37,871 --> 00:10:39,806 神判の一種です。 114 00:10:39,806 --> 00:10:44,644 鉄火起請より前に 日本各地で 多く行われていた裁判の方法です。 115 00:10:44,644 --> 00:10:46,646 鉄火起請と同じく… 116 00:10:50,083 --> 00:10:53,520 室町幕府 六代将軍の 足利義教が➡ 117 00:10:53,520 --> 00:10:55,522 好んで 湯起請を 行っていたようです。 118 00:10:55,522 --> 00:10:58,324 分かりました。 ありがとうございます。 119 00:10:58,324 --> 00:11:02,328 <そのころ 西谷村では 神の御加護があるように➡ 120 00:11:02,328 --> 00:11:06,900 巫女による祈とうが 行われていた。➡ 121 00:11:06,900 --> 00:11:09,802 あくまでも 神を信じて 神に頼む。➡ 122 00:11:09,802 --> 00:11:13,506 この村では そのスタンスが貫かれていた> 123 00:11:17,644 --> 00:11:21,147 <一方 東原村> 124 00:11:25,285 --> 00:11:30,023 <賄賂作戦が失敗し 焦りを隠しきれない太郎右衛門。➡ 125 00:11:30,023 --> 00:11:33,927 その時…> 126 00:11:37,830 --> 00:11:40,833 <村人が 何かを持ってきた> 127 00:11:47,307 --> 00:11:50,109 あ すいません。 128 00:12:00,954 --> 00:12:02,956 ああ…。 129 00:12:18,605 --> 00:12:21,274 <ニカワを お湯に溶かしていく村人たち> 130 00:12:21,274 --> 00:12:26,245 これで ほぼ完成ですか? ちょっと触ってみていいですか? 131 00:12:26,245 --> 00:12:29,983 ああ すいません。 あっ 湯気 出てますね。 132 00:12:29,983 --> 00:12:36,389 なんて言うか… 接着剤みたいな感じですかね。 133 00:12:54,474 --> 00:12:58,444 <誰が試すかで もめ始める。 実は まだ この村では➡ 134 00:12:58,444 --> 00:13:01,447 取手を誰がやるのか 決まっていなかったのである> 135 00:13:10,923 --> 00:13:15,261 いや~… 俺か? 136 00:13:15,261 --> 00:13:17,263 名主様! 137 00:13:19,999 --> 00:13:24,404 ああ… ああ! 138 00:13:26,773 --> 00:13:31,110 <結局 名主の太郎右衛門が 引き受ける事になった。➡ 139 00:13:31,110 --> 00:13:35,615 溶けたニカワを 手に塗っていく> 140 00:13:37,617 --> 00:13:41,321 <5分後 乾いたニカワが手にはりつき 膜ができた> 141 00:13:43,790 --> 00:13:47,126 <早速 焼けた石を使って 試してみる事に。➡ 142 00:13:47,126 --> 00:13:50,129 果たして うまくいくのか?> 143 00:13:57,770 --> 00:14:00,006 ここずら。 144 00:14:00,006 --> 00:14:02,642 いくずらよ。 お… おう。 おう! 145 00:14:02,642 --> 00:14:08,347 名主様 いくずら。 ああ…。 146 00:14:11,351 --> 00:14:13,352 あっ! 147 00:14:27,600 --> 00:14:29,602 (与作)はあ⁉ 148 00:14:34,073 --> 00:14:37,643 <誰も 取手をやりたがらない> 149 00:14:37,643 --> 00:14:40,413 え… ええ~っ⁉ おう。 150 00:14:40,413 --> 00:14:42,982 <その時だった。➡ 151 00:14:42,982 --> 00:14:45,785 与作が ある提案を持ちかけた> 152 00:14:49,088 --> 00:14:52,291 <平作とは 5年ほど前 落武者として流れ着き➡ 153 00:14:52,291 --> 00:14:56,295 以来 この村に住み着いている 浪人であった> 154 00:15:18,117 --> 00:15:22,388 <当時の村では いざという時 村人の身代わりにするため➡ 155 00:15:22,388 --> 00:15:24,323 浪人などを扶養していた。➡ 156 00:15:24,323 --> 00:15:27,894 誰もやりたくない仕事を その者に 押しつける事があったという。➡ 157 00:15:27,894 --> 00:15:30,830 平作も そんな村の扶養者の一人だった。➡ 158 00:15:30,830 --> 00:15:35,401 近隣の国で農業をしていたが 8年前の戦で足軽として戦った。➡ 159 00:15:35,401 --> 00:15:38,404 しかし敗戦で この村に 逃げ落ちたらしい> 160 00:15:55,455 --> 00:15:58,191 ああ 熱いずら。 でもよ… 161 00:15:58,191 --> 00:16:00,193 おら? ああ。 162 00:16:10,102 --> 00:16:13,105 20石⁉ おう。 163 00:16:13,105 --> 00:16:17,210 <鉄火の取手と引き換えに 莫大な報酬を提示する村人たち> 164 00:16:22,248 --> 00:16:25,251 断るわけにはいかねえべ。 165 00:16:25,251 --> 00:16:27,653 <更に…> 166 00:16:34,160 --> 00:16:37,163 俺 名乗ってもええんか? 俺が しかと計らうけぇ。 167 00:16:37,163 --> 00:16:41,467 <その破格の申し入れに 平作は ついに…> 168 00:16:47,173 --> 00:16:49,942 <東原村の取手も決まった> 頼んだぞ。 169 00:16:49,942 --> 00:16:54,113 <そして 鉄火起請 決行の日を迎えた。➡ 170 00:16:54,113 --> 00:16:58,484 鉄火起請は 江戸初期の20年間に 多く行われている。➡ 171 00:16:58,484 --> 00:17:03,089 まだ戦乱の尾を引く不安定な時代。 徳川幕府の権力は弱く➡ 172 00:17:03,089 --> 00:17:06,893 村同士の利権問題などを 解決する力を備えていなかった。➡ 173 00:17:06,893 --> 00:17:09,795 こうした状況から 神に審判を委ねるという➡ 174 00:17:09,795 --> 00:17:11,797 好ましくない事態となった。➡ 175 00:17:11,797 --> 00:17:16,002 鉄火起請は 窃盗など 事件の犯人捜しにも行われたが➡ 176 00:17:16,002 --> 00:17:19,305 多くは こうした 村同士の紛争解決に用いられた> 177 00:17:24,243 --> 00:17:26,245 へい。 178 00:17:29,582 --> 00:17:31,584 ならば まず… 179 00:17:34,220 --> 00:17:38,157 <それぞれの取手が 起請文に署名をする。➡ 180 00:17:38,157 --> 00:17:43,262 起請文を燃やして その灰を杯に入れ 酒で溶かす。➡ 181 00:17:43,262 --> 00:17:45,731 2人は 一気に それを飲み干し➡ 182 00:17:45,731 --> 00:17:48,134 自らに偽りのない事を神仏に誓う> 183 00:17:59,612 --> 00:18:01,614 へい。 184 00:18:16,062 --> 00:18:18,064 また… 185 00:18:23,602 --> 00:18:26,505 <焼けた鉄を手に取り 走って➡ 186 00:18:26,505 --> 00:18:28,908 神殿にある台にのせれば 勝者となる。➡ 187 00:18:28,908 --> 00:18:30,843 双方とも 成功した場合➡ 188 00:18:30,843 --> 00:18:33,546 やけどの度合いにより 勝敗が決まる> 189 00:18:46,926 --> 00:18:48,861 よいな? 190 00:18:48,861 --> 00:18:51,163 <そして いよいよ 鉄火起請が始まる> 191 00:18:54,100 --> 00:18:57,937 <先に行うのは 東原村 平作。➡ 192 00:18:57,937 --> 00:19:01,207 恐怖で足が動かない> 193 00:19:01,207 --> 00:19:05,211 来い。 ここへ立て。 194 00:19:15,554 --> 00:19:18,257 <手の上には お札がのせられる> 195 00:19:19,892 --> 00:19:23,229 <燃えたぎる炎の中から 鉄の棒が取り出され➡ 196 00:19:23,229 --> 00:19:27,233 ゆっくりと 平作の手の上に運ばれる> 197 00:19:31,570 --> 00:19:34,573 <思わず 手を引っ込める> 198 00:19:37,243 --> 00:19:41,113 <もう一度> 199 00:19:41,113 --> 00:19:53,793 ♬~ 200 00:19:53,793 --> 00:19:55,928 (平作)ああああ! 201 00:19:55,928 --> 00:19:58,831 <どうしても 手を出す事ができない平作> 202 00:19:58,831 --> 00:20:02,134 (勝村)それは神慮には及ばん! 203 00:20:09,275 --> 00:20:11,577 (太郎右衛門) 待ってくりゃんせ! 204 00:20:13,612 --> 00:20:18,617 <平作の棄権により 東原村は 失敗と判定された> 205 00:20:23,289 --> 00:20:25,991 おのれ! 206 00:20:28,961 --> 00:20:33,632 <極限状態の中 突如 よみがえった ふるさとへの思い。➡ 207 00:20:33,632 --> 00:20:36,936 平作は耐えられなかった> 208 00:20:43,976 --> 00:20:46,879 <だが まだ判決は下らない。➡ 209 00:20:46,879 --> 00:20:50,583 勝敗は 西谷村が 成功するかどうかに懸かっている> 210 00:20:54,620 --> 00:20:56,922 へい! 211 00:20:59,325 --> 00:21:03,329 <火の前に出る 吉左衛門> 212 00:21:09,135 --> 00:21:13,139 <緊張で震える> 213 00:21:19,945 --> 00:21:22,848 <焼けた鉄が 見事 台にのせられた。➡ 214 00:21:22,848 --> 00:21:24,850 ついに決着がついた> 215 00:21:34,960 --> 00:21:37,263 ついては… 216 00:21:40,633 --> 00:21:42,935 おい。 はっ。 217 00:21:47,506 --> 00:21:51,277 <敗者となった平作が 役人たちに連れていかれる。➡ 218 00:21:51,277 --> 00:21:54,280 一体 何が行われようとしているのか> 219 00:21:59,985 --> 00:22:02,888 <幕の中に押し込まれる平作> 220 00:22:02,888 --> 00:22:06,792 ⚟(平作)名主様 何とかしてけろ~! 221 00:22:06,792 --> 00:22:09,495 ⚟(役人)動くな! 222 00:22:11,263 --> 00:22:13,566 <そして…> 223 00:22:19,939 --> 00:22:22,608 <5分後。➡ 224 00:22:22,608 --> 00:22:26,278 血の付いた刀を持って 立会人の勝村が現れた。➡ 225 00:22:26,278 --> 00:22:29,615 それに続くのは 円筒形の容器を持った役人。➡ 226 00:22:29,615 --> 00:22:31,917 果たして その中身とは…> 227 00:22:33,485 --> 00:22:36,789 <負けた者は こうして 処刑されるのが通例だったという> 228 00:22:50,302 --> 00:22:54,640 <鉄火起請は こうして すさまじい形で幕を閉じた。➡ 229 00:22:54,640 --> 00:22:59,979 川の領有権は 西谷村となり 村の境が新しく決められた。➡ 230 00:22:59,979 --> 00:23:04,583 その場所に 平作の首が入った桶が 埋められていく> 231 00:23:04,583 --> 00:23:11,924 ♬~ 232 00:23:11,924 --> 00:23:15,261 <石を置き 目印として 柱を立てる。➡ 233 00:23:15,261 --> 00:23:19,932 こうした不気味な首塚や石碑は 今でも各地に残っている。➡ 234 00:23:19,932 --> 00:23:22,268 その残酷な結末に➡ 235 00:23:22,268 --> 00:23:27,273 双方の村人たちは やり場のない表情を浮かべていた> 236 00:23:29,141 --> 00:23:32,911 <その日の午後 村から遠く離れた 山道。➡ 237 00:23:32,911 --> 00:23:36,615 鉄火起請を終え 帰っていく 立会人の勝村たち。➡ 238 00:23:36,615 --> 00:23:39,918 いま一度 この裁判について 聞いてみる事にした> 239 00:23:49,962 --> 00:23:51,897 えっ? 240 00:23:51,897 --> 00:23:54,600 おい。 はい。 241 00:24:05,244 --> 00:24:07,179 あっ 平作さん! 242 00:24:07,179 --> 00:24:10,916 <そこにいたのは あの平作だった。 なんと 生きている!➡ 243 00:24:10,916 --> 00:24:13,819 一体 どういう事なのか 3時間前に タイムワープし➡ 244 00:24:13,819 --> 00:24:17,823 あの時 何があったのか カメラに収める事にした> 245 00:24:27,266 --> 00:24:30,169 (平作)名主様~! 246 00:24:30,169 --> 00:24:33,872 <神社の一角 幕の中の映像> 247 00:24:46,285 --> 00:24:49,955 <平作を桶に入れ 刀に血のりを付ける勝村。➡ 248 00:24:49,955 --> 00:24:52,958 これが トリックの 一部始終であった> 249 00:24:55,294 --> 00:24:59,298 <なぜ このような手の込んだ事を 実行したのか> 250 00:25:16,582 --> 00:25:19,284 うん? ハハハハハ…。 251 00:25:32,131 --> 00:25:35,834 されど それがしが思うに… 252 00:25:40,272 --> 00:25:43,575 実を申すとな… 253 00:25:55,621 --> 00:25:58,624 あ そうだったんですか。 フフッ…。 254 00:26:02,895 --> 00:26:05,564 <幕府の権力が弱い時代➡ 255 00:26:05,564 --> 00:26:09,234 閉鎖的な村の慣習を やめさせる事ができなかった。➡ 256 00:26:09,234 --> 00:26:13,572 敗者の命を救うには こうする以外 方法はなかったのだ。➡ 257 00:26:13,572 --> 00:26:16,909 このまま 平作を 東原村に戻しても➡ 258 00:26:16,909 --> 00:26:19,578 彼の身の安全は 保証されないだろう。➡ 259 00:26:19,578 --> 00:26:23,882 和徳は平作に ふるさとに帰るように促した> 260 00:26:30,589 --> 00:26:33,892 (和徳)気をつけろよ。 261 00:26:38,931 --> 00:26:41,600 <政治をつかさどる者たちに とって➡ 262 00:26:41,600 --> 00:26:45,270 鉄火起請は 受け入れ難いものに なりつつあった。➡ 263 00:26:45,270 --> 00:26:49,608 一つの権威の下に 裁判権を 行使したい幕府や藩にとって➡ 264 00:26:49,608 --> 00:26:53,612 神による裁判は邪魔な存在だった> 265 00:26:55,481 --> 00:26:57,783 それでは… 266 00:27:00,886 --> 00:27:03,222 さようで。 267 00:27:03,222 --> 00:27:05,924 ごめん。 268 00:27:07,893 --> 00:27:11,563 それでは。 269 00:27:11,563 --> 00:27:14,233 それでは 私も ここで失礼します。 270 00:27:14,233 --> 00:27:19,538 さようか。 はい。では 失礼いたす。 271 00:27:21,106 --> 00:27:24,877 <時代の犠牲者を救った 和徳や勝村。➡ 272 00:27:24,877 --> 00:27:29,581 人として 自分たちがやるべき事を 考え 行動を起こした。➡ 273 00:27:29,581 --> 00:27:33,452 歴史は 一人の権力者によって 作られるものではない。➡ 274 00:27:33,452 --> 00:27:37,923 彼らのように 一人一人の人間が 懸命に生きた事によって➡ 275 00:27:37,923 --> 00:27:39,858 作られていくのだ> 276 00:27:39,858 --> 00:27:55,941 ♬~ 277 00:27:55,941 --> 00:28:01,213 え~ 以上 コードナンバー 115493 アウトします。 278 00:28:01,213 --> 00:28:20,198 ♬~