1 00:00:02,603 --> 00:00:05,939 (沢嶋雄一) <空前のアイドルブーム 到来。➡ 2 00:00:05,939 --> 00:00:09,810 今の事ではない。 それは 江戸時代から始まっていた。➡ 3 00:00:09,810 --> 00:00:14,615 人気抜群。 男たちの心を わしづかみにする娘がいた。➡ 4 00:00:14,615 --> 00:00:17,284 一体 どんな女性なのか。➡ 5 00:00:17,284 --> 00:00:20,621 その裏には ブームを作り出す 仕掛け人がいた。➡ 6 00:00:20,621 --> 00:00:24,958 200年以上前の アイドルビジネス。 その戦略とは…。➡ 7 00:00:24,958 --> 00:00:30,264 私は その実態をカメラに収めるべく 江戸時代へ タイムワープした> 8 00:00:42,976 --> 00:00:50,851 え~ アブソリュートポジション N514 W119 E625 S751。 9 00:00:50,851 --> 00:00:53,987 ポジション確認。 10 00:00:53,987 --> 00:01:00,260 アブソリュートタイム B7946051年 41時87分32秒。 11 00:01:00,260 --> 00:01:02,596 西暦変換しますと➡ 12 00:01:02,596 --> 00:01:06,934 1783年6月13日 7時18分33秒。 13 00:01:06,934 --> 00:01:08,869 無事 タイムワープ 成功しました。 14 00:01:08,869 --> 00:01:10,804 コードナンバー 921832➡ 15 00:01:10,804 --> 00:01:12,806 これから 記録を開始します。 16 00:01:12,806 --> 00:01:18,278 沢嶋雄一。 彼は タイムスクープ社より 派遣された ジャーナリストである。 17 00:01:18,278 --> 00:01:20,614 あらゆる時代に タイムワープしながら➡ 18 00:01:20,614 --> 00:01:26,320 時空を超えて 名もなき人々を 記録していく タイムスクープハンターである。 19 00:01:36,630 --> 00:01:40,300 <店の前で 呼び込みをしている男がいる。➡ 20 00:01:40,300 --> 00:01:42,636 ここは 水茶屋。➡ 21 00:01:42,636 --> 00:01:47,507 だんごや お茶などを提供する いわば 江戸時代のカフェである。➡ 22 00:01:47,507 --> 00:01:50,978 お客が入っている様子はない。➡ 23 00:01:50,978 --> 00:01:54,648 経営不振の水茶屋が仕掛けた ある秘策とは何か。➡ 24 00:01:54,648 --> 00:01:57,985 その人気挽回作戦を ドキュメントする> 25 00:01:57,985 --> 00:02:02,823 え~ この時代の人々にとって 私は時空を超えた存在となります。 26 00:02:02,823 --> 00:02:05,792 彼らにとって 私は 宇宙人のような存在です。 27 00:02:05,792 --> 00:02:08,595 彼らに接触するには 細心の注意が必要です。 28 00:02:08,595 --> 00:02:12,265 私自身の介在によって この歴史が 変わる事も ありえるからです。 29 00:02:12,265 --> 00:02:14,601 彼らに 取材を許してもらうためには➡ 30 00:02:14,601 --> 00:02:16,536 特殊な交渉術を用います。 31 00:02:16,536 --> 00:02:18,939 それは 極秘事項となっており お見せする事はできませんが➡ 32 00:02:18,939 --> 00:02:22,242 今回も無事 密着取材する事に 成功しました。 33 00:02:31,284 --> 00:02:35,155 <留吉は この店の主 いわば オーナーである。➡ 34 00:02:35,155 --> 00:02:37,624 従業員は 女性一人のみ。➡ 35 00:02:37,624 --> 00:02:40,961 客が入らず すっかり やる気をなくしている様子だ。➡ 36 00:02:40,961 --> 00:02:44,297 水茶屋は 江戸の庶民の間で 流行していた。➡ 37 00:02:44,297 --> 00:02:46,233 道端や 寺の境内などに店を構え➡ 38 00:02:46,233 --> 00:02:49,636 手軽に お茶が飲めるとあって 人気があった。➡ 39 00:02:49,636 --> 00:02:53,507 この街角でも 水茶屋ブームに便乗しようとした。➡ 40 00:02:53,507 --> 00:02:57,310 だが 店が乱立し 互いに客を食い合うという➡ 41 00:02:57,310 --> 00:03:00,614 過当競争に陥っていた> 42 00:03:03,917 --> 00:03:09,423 <ここ あけびやは もう何か月も 赤字状態が続いている。➡ 43 00:03:09,423 --> 00:03:12,926 そんな ある日 一人の男性が現れた> 44 00:03:15,595 --> 00:03:19,466 (大山)こんにちは。 おい お茶だ。 お茶 出してくれ。 45 00:03:19,466 --> 00:03:23,770 <店の隅々まで チェックしている。 この男の正体とは?> 46 00:03:29,142 --> 00:03:34,614 <男の名は 大山権左衛門。 人を紹介する 口入れ屋で➡ 47 00:03:34,614 --> 00:03:37,517 その人脈を利用し 手広く事業を行っている➡ 48 00:03:37,517 --> 00:03:39,953 いわゆる コンサルタントだ。➡ 49 00:03:39,953 --> 00:03:43,657 主の留吉が 必死に 大山に 店の立て直しを依頼した> 50 00:03:54,301 --> 00:03:56,603 (留吉)確かに。 51 00:04:02,909 --> 00:04:05,912 接待? うん。 52 00:04:25,932 --> 00:04:28,935 ちっとも よくありませんぜ。 いや…。 53 00:04:36,276 --> 00:04:39,579 (留吉)いいんですか? 54 00:04:49,823 --> 00:04:54,628 <大山が提案したのは なんと 店の看板娘をつくり出し➡ 55 00:04:54,628 --> 00:04:58,632 集客を図る作戦だった。 アイドルビジネスである> 56 00:05:02,235 --> 00:05:06,573 <まずは 従業員のカメを 美しく変身させる事に。➡ 57 00:05:06,573 --> 00:05:10,443 店の2階には 大山が呼び寄せた 髪結いと呉服屋が待っていた。➡ 58 00:05:10,443 --> 00:05:14,147 ヘアメークと スタイリストである> 59 00:05:19,586 --> 00:05:23,590 (呉服屋)見て下さい。 60 00:05:26,459 --> 00:05:30,463 <そこには 花魁風に変身した カメの姿があった> 61 00:05:32,165 --> 00:05:35,135 <江戸時代のアイドルといえば 花魁であった。➡ 62 00:05:35,135 --> 00:05:39,272 トップクラスの花魁は 江戸の人々の憧れの的だった。➡ 63 00:05:39,272 --> 00:05:44,978 だが… 大山の駄目出し> 64 00:05:58,959 --> 00:06:02,562 <江戸っ子の興味の対象は 変化しつつあった。➡ 65 00:06:02,562 --> 00:06:06,900 トップクラスの花魁は 庶民にとって 高根の花。 手が届かない。➡ 66 00:06:06,900 --> 00:06:10,570 それに代わり ブレークしたのが 茶屋などの看板娘。➡ 67 00:06:10,570 --> 00:06:12,906 いつでも 気軽に 会いに行く事ができる➡ 68 00:06:12,906 --> 00:06:15,575 身近なアイドルとして 人気が高まっていたのだ。➡ 69 00:06:15,575 --> 00:06:19,246 花魁風の濃い化粧から 素人っぽい ナチュラルメークに。➡ 70 00:06:19,246 --> 00:06:22,582 そして 着物も 親しみやすいものに替えていく。➡ 71 00:06:22,582 --> 00:06:27,454 テーマは 「近所にいそうな かわいい女の子」だ。➡ 72 00:06:27,454 --> 00:06:30,757 水茶屋 看板娘の出来上がり> 73 00:06:32,592 --> 00:06:35,595 うん いいんじゃないか。 74 00:06:38,265 --> 00:06:40,567 えっ… まだ 何か? 75 00:06:57,284 --> 00:07:00,287 留吉さん 留吉さん。 76 00:07:03,556 --> 00:07:05,859 (大山)関係ある。 77 00:07:09,896 --> 00:07:14,200 まあ これも 一つの手だてだから。 だから 聞け。 お前は… 78 00:07:20,240 --> 00:07:23,576 <つまりは 芸名である。➡ 79 00:07:23,576 --> 00:07:26,479 早速 見違えるようになったカメ➡ 80 00:07:26,479 --> 00:07:32,986 いや うめを店先に立たせる事に。 果たして…> 81 00:07:35,188 --> 00:07:38,491 (留吉)いらっしゃいまし。 82 00:07:41,962 --> 00:07:46,599 寄ってって下さいまし。 どうぞ こちらへ。 どうぞ。 83 00:07:46,599 --> 00:07:50,303 <効果は すぐに現れた> 84 00:07:52,472 --> 00:07:57,477 <2人とも 新しい看板娘が 気になっている様子だ> 85 00:07:59,179 --> 00:08:01,881 <ところが…> 86 00:08:04,084 --> 00:08:10,390 <客の顔色が一変する。 原因は うめの接客態度にあるようだ> 87 00:08:12,225 --> 00:08:14,894 お代 ここ置いとくよ。 88 00:08:14,894 --> 00:08:19,566 (留吉)ありがとうございました。 また ごひいきに。 89 00:08:19,566 --> 00:08:25,572 <いくら美しく変身しても 愛想がなければ 客は逃げる> 90 00:08:31,911 --> 00:08:34,247 <コンサルタントの大山が動く。➡ 91 00:08:34,247 --> 00:08:37,250 一人の女性を連れて 店に やって来る> 92 00:08:39,586 --> 00:08:42,489 どうも はじめまして。 (留吉)こいつは どうも。 93 00:08:42,489 --> 00:08:46,192 <うめの態度を 改めるための 接客研修だ> 94 00:08:48,928 --> 00:08:51,598 <若い女性たちは 芸事の師匠に➡ 95 00:08:51,598 --> 00:08:54,300 芸と一緒に 行儀見習いを 教わる事が多かった> 96 00:09:03,877 --> 00:09:06,880 ちょっと。 97 00:09:11,551 --> 00:09:15,255 ほら こっち向いて。 なに? 98 00:09:16,890 --> 00:09:20,760 ほら! 「いらっしゃいまし」だよ。 (大山)いいから やれ。 99 00:09:20,760 --> 00:09:22,762 いらっしゃいまし。 100 00:09:22,762 --> 00:09:25,899 <ところが…> 101 00:09:25,899 --> 00:09:28,234 この だらけた態度で…。 102 00:09:28,234 --> 00:09:31,938 <あきれ返った師匠が ついに…> 103 00:09:33,907 --> 00:09:37,610 ちょいと 待って! 104 00:09:40,780 --> 00:09:43,783 じゃあ。 ちょっと待って下せえ。 105 00:09:53,259 --> 00:09:58,565 <必死になって頭を下げる 留吉> 106 00:10:00,600 --> 00:10:03,603 (留吉)頼みます! 107 00:10:30,296 --> 00:10:32,232 いらっしゃいまし。 108 00:10:32,232 --> 00:10:35,635 <再び 接客研修が始まる> 109 00:10:35,635 --> 00:10:37,971 ほら 手を組んで。 はい 姿勢よくして。 110 00:10:37,971 --> 00:10:40,306 <なぜか依怙地になっている うめ。➡ 111 00:10:40,306 --> 00:10:43,009 その訳は 彼女の過去に原因があった> 112 00:11:30,623 --> 00:11:32,959 いらっしゃいまし。 113 00:11:32,959 --> 00:11:35,295 どうですか? 114 00:11:35,295 --> 00:11:40,967 <接客の猛特訓を終えた うめは 別人のようになっていた。➡ 115 00:11:40,967 --> 00:11:44,270 店は 次第に 活気を取り戻しつつある> 116 00:11:46,306 --> 00:11:48,308 ええ。 117 00:11:53,813 --> 00:11:57,016 <だが 大山の仕掛けは ここでは終わらない> 118 00:12:02,255 --> 00:12:05,558 ごちそうさん。 119 00:12:09,128 --> 00:12:12,131 何だい? これ。 120 00:12:14,601 --> 00:12:17,503 えっ? タダって事? はい! 121 00:12:17,503 --> 00:12:19,472 ありがとうございます! 122 00:12:19,472 --> 00:12:22,942 <大山が提案した 独自のアイデア ポイント商法だ> 123 00:12:22,942 --> 00:12:25,945 これですか。 124 00:12:29,282 --> 00:12:31,985 <更に…> 125 00:12:33,953 --> 00:12:37,957 さあ こちらでございます。 寄ってらっしゃいませ。 126 00:12:42,295 --> 00:12:45,632 <うめの名前が書かれた 手ぬぐいの売り出し。➡ 127 00:12:45,632 --> 00:12:48,301 看板娘グッズの販売である。➡ 128 00:12:48,301 --> 00:12:52,171 作戦は大当たり。 予想以上の売れ行きを見せた。➡ 129 00:12:52,171 --> 00:12:55,975 快進撃は 更に続く。➡ 130 00:12:55,975 --> 00:12:58,645 彼らが向かった先は 旅籠。➡ 131 00:12:58,645 --> 00:13:02,915 一体 次は 何をしようとしているのか> 132 00:13:02,915 --> 00:13:07,253 (大山)お~ 北英さん!➡ 133 00:13:07,253 --> 00:13:10,590 遠いとこ 悪いね。 ああ いいえ。 134 00:13:10,590 --> 00:13:14,594 いいネタがあれば 私は どこへだって行きますよ。 135 00:13:18,931 --> 00:13:21,834 <大山の幅広い人脈が 力を発揮する。➡ 136 00:13:21,834 --> 00:13:24,604 遠くから 浮世絵師を呼んでいた。➡ 137 00:13:24,604 --> 00:13:28,908 うめの錦絵 つまり ブロマイドを売り出そうという作戦だ> 138 00:13:31,944 --> 00:13:34,247 聞いております。 139 00:13:36,816 --> 00:13:39,118 こら。 140 00:13:42,288 --> 00:13:45,591 私の名前は カメって…。 141 00:14:05,511 --> 00:14:09,449 (大山)よろしくお願いします。 お願いします。 142 00:14:09,449 --> 00:14:14,921 <早速 うめの錦絵制作が始まる> 143 00:14:14,921 --> 00:14:17,924 ちょっと つらいだろうけど そのままで。 144 00:14:20,793 --> 00:14:24,263 <新進気鋭の浮世絵師 及川北英。➡ 145 00:14:24,263 --> 00:14:28,568 真剣な まなざしで 紙に 筆を走らせる> 146 00:14:30,937 --> 00:14:34,607 <どんな錦絵が出来上がるのか> 147 00:14:34,607 --> 00:14:38,277 (うめ)はい ありがとうございます。 148 00:14:38,277 --> 00:14:43,149 <店先は うめの錦絵を 買い求める客で 大繁盛> 149 00:14:43,149 --> 00:14:49,856 ♬~ 150 00:14:55,294 --> 00:14:57,230 おうめ様々だね。 151 00:14:57,230 --> 00:15:01,100 <大山の仕掛けは 次々と はまり 大成功となった。➡ 152 00:15:01,100 --> 00:15:03,569 私は 1か月後にタイムワープ。➡ 153 00:15:03,569 --> 00:15:07,874 店が その後 どうなったか 更に追跡調査をする事にした> 154 00:15:10,910 --> 00:15:13,579 え~ あれから1か月後に タイムワープしました。 155 00:15:13,579 --> 00:15:15,515 あけびやと うめは どうなってるんでしょうか。 156 00:15:15,515 --> 00:15:17,450 その後を追ってみたいと思います。 157 00:15:17,450 --> 00:15:21,454 <そこには 信じられない光景が待っていた> 158 00:15:24,590 --> 00:15:27,293 あっ そちら。 159 00:15:34,267 --> 00:15:39,138 <商魂たくましい大山。 攻めの姿勢は まだまだ続く。➡ 160 00:15:39,138 --> 00:15:43,609 再び 浮世絵師 及川北英の登場だ。➡ 161 00:15:43,609 --> 00:15:46,612 その 新たな商売とは…> 162 00:15:48,948 --> 00:15:51,951 ちょいと これ 見て頂けますか。 163 00:16:05,231 --> 00:16:08,234 さすがですね。 いやいや。 164 00:16:12,572 --> 00:16:16,909 <実は 彼の戦略には 元ネタがあった> 165 00:16:16,909 --> 00:16:19,812 本部 こちら沢嶋。 応答願います。 166 00:16:19,812 --> 00:16:22,582 (古橋ミナミ) はい こちら本部。 167 00:16:22,582 --> 00:16:25,251 古橋さん 江戸で 一番有名だったという➡ 168 00:16:25,251 --> 00:16:28,588 「笠森お仙」について 追加情報をお願いします。 169 00:16:28,588 --> 00:16:31,257 笠森お仙ですね。 了解しました。 170 00:16:31,257 --> 00:16:35,561 こちらをご覧下さい。 この女性が 笠森お仙です。 171 00:16:40,600 --> 00:16:43,936 もともと 美人で 人気のあった お仙でしたが➡ 172 00:16:43,936 --> 00:16:47,273 1768年 浮世絵師 鈴木春信が➡ 173 00:16:47,273 --> 00:16:50,176 お仙の姿絵を出版した事から 人気に火がつき➡ 174 00:16:50,176 --> 00:16:54,046 茶屋には お仙目当ての客が 殺到したと言われています。 175 00:16:54,046 --> 00:16:56,282 なるほど。 176 00:16:56,282 --> 00:17:00,152 姿絵の他にも お仙の手ぬぐい すごろく 絵草紙など➡ 177 00:17:00,152 --> 00:17:03,089 これらのグッズが売り出され 大ヒットしたそうです。 178 00:17:03,089 --> 00:17:06,893 この時代にも そういう商法を 盛んに行っていたんですね。 179 00:17:06,893 --> 00:17:10,229 はい。 更に面白い データがありまして➡ 180 00:17:10,229 --> 00:17:12,164 笠森お仙のブームの時には➡ 181 00:17:12,164 --> 00:17:15,101 あちこちに 人気の看板娘が 現れたそうです。 182 00:17:15,101 --> 00:17:18,571 お仙と競わせ 数十人の看板娘の人気投票➡ 183 00:17:18,571 --> 00:17:21,607 「美人くらべ」が 実際に 行われていたようです。 184 00:17:21,607 --> 00:17:24,911 了解しました。 ありがとうございます。 185 00:17:24,911 --> 00:17:29,415 <ブームは繰り返す。 大山は 笠森お仙の戦略をまねて➡ 186 00:17:29,415 --> 00:17:32,451 すごろくや 小説を売り出そうと もくろんでいたのだ。➡ 187 00:17:32,451 --> 00:17:35,221 全ては順調に進んでいるかに 思えていた。➡ 188 00:17:35,221 --> 00:17:40,226 だが このあと 彼らは思わぬ形で 足をすくわれる事になる> 189 00:17:50,269 --> 00:17:53,105 <旅籠の入り口にまで 追いかけてきた うめのファンたち。➡ 190 00:17:53,105 --> 00:17:55,041 一体 何が…> 191 00:17:55,041 --> 00:17:58,244 (奉公人)実は やつら… 192 00:18:03,549 --> 00:18:06,852 <きっかけは 瓦版であった> 193 00:18:11,223 --> 00:18:15,528 <うめと浮世絵師が恋仲である という ゴシップ記事である> 194 00:18:33,913 --> 00:18:36,916 謝る事ないですよ。 (大山)何だ? 195 00:18:39,585 --> 00:18:42,888 前から言ってたけど… 196 00:18:44,924 --> 00:18:47,226 私は 私。 197 00:18:55,267 --> 00:18:58,971 これから お前… 198 00:19:32,104 --> 00:19:35,408 大山さん…。 何でですか? 199 00:19:47,520 --> 00:19:52,525 <看板娘に恋人がいるとなれば 人気は がた落ちだ> 200 00:19:54,260 --> 00:19:59,131 <大山は スキャンダルの火消しに 躍起となる> 201 00:19:59,131 --> 00:20:02,134 はい かしこまりました。 あ ちょっと待て。 202 00:20:06,272 --> 00:20:10,276 くれぐれも頼んだ。 はい。 203 00:20:16,615 --> 00:20:21,320 <駕籠に隠れて ファンの間を突破する作戦> 204 00:20:22,955 --> 00:20:28,260 (駕籠かき)急ぎの客 運んでんだよ。 どけ こら! 205 00:20:30,830 --> 00:20:35,534 <だが 真相を聞き出したい ファンたちに囲まれ 立往生> 206 00:20:38,971 --> 00:20:41,974 <それは カムフラージュだった> 207 00:20:43,843 --> 00:20:48,147 <大山は 裏口から うめを 脱出させる事にしていたのだ> 208 00:20:59,291 --> 00:21:03,596 <駕籠に殺到しているファンを尻目に 旅籠を離れていく。➡ 209 00:21:03,596 --> 00:21:06,599 しかし その時だった> 210 00:21:09,468 --> 00:21:12,772 <目ざといファンが うめを見つける> 211 00:21:20,946 --> 00:21:23,949 (ファン)おうめちゃん! 212 00:21:31,290 --> 00:21:34,593 <追いかけてくるファンをまいて 店に向かう> 213 00:21:36,162 --> 00:21:40,833 <店先にも うわさを聞きつけた ファンたちが集まっている> 214 00:21:40,833 --> 00:21:54,313 ♬~ 215 00:21:54,313 --> 00:21:58,317 <裏口に回り なんとか 店の中に入った> 216 00:22:11,597 --> 00:22:13,899 あ~ くそっ…。 217 00:22:15,467 --> 00:22:20,606 <このままでは 事態の収拾は つきそうもない。 大山は決断する> 218 00:22:20,606 --> 00:22:23,609 こうなったら… 219 00:22:54,506 --> 00:22:58,510 <そして うめも覚悟を決めた> 220 00:23:09,922 --> 00:23:12,925 みんな… 221 00:23:15,794 --> 00:23:19,798 ああ いいって事よ。 222 00:23:45,291 --> 00:23:48,594 (ファンたち)えっ? 223 00:23:52,631 --> 00:23:54,566 (大山)ちょっと待て…。 224 00:23:54,566 --> 00:23:59,571 <それは 彼女が初めてカメラに見せた 偽りのない姿だった> 225 00:24:53,959 --> 00:24:56,962 (大山)もういい。 やめてよ! 226 00:25:03,569 --> 00:25:06,872 (ファンたち)カメ…。 227 00:25:19,585 --> 00:25:29,895 ♬~ 228 00:25:37,603 --> 00:25:40,606 大したもんだよ。 229 00:26:00,225 --> 00:26:03,128 (留吉)すいません。 230 00:26:03,128 --> 00:26:09,134 <江戸時代のアイドルビジネスは こうして 意外な形で幕を閉じた> 231 00:26:13,572 --> 00:26:16,275 <翌朝> 232 00:26:18,911 --> 00:26:23,782 <後片づけに現れたのは うめではなく カメだった。➡ 233 00:26:23,782 --> 00:26:29,555 店には もう売る事はない うめのグッズだけが残されていた。➡ 234 00:26:29,555 --> 00:26:32,925 きらびやかな時間は あっという間に終わってしまう。➡ 235 00:26:32,925 --> 00:26:35,227 だが その時だった> 236 00:26:41,934 --> 00:26:43,869 おカメちゃん! おカメちゃん! 237 00:26:43,869 --> 00:26:46,805 <なんと 外には 開店を待ちかねた客たちが➡ 238 00:26:46,805 --> 00:26:48,807 たくさん詰めかけている> 239 00:26:48,807 --> 00:26:51,110 でも…。 240 00:26:53,545 --> 00:26:56,949 <皆 本当の事を 正直に話してくれた➡ 241 00:26:56,949 --> 00:27:00,652 カメの心意気に ほれたという> 242 00:27:06,558 --> 00:27:09,895 <店は 前と変わらずの 繁盛となった。➡ 243 00:27:09,895 --> 00:27:13,232 明和年間に人気となった 笠森お仙は➡ 244 00:27:13,232 --> 00:27:17,569 幕府の役人と結婚し 突如 水茶屋を引退。➡ 245 00:27:17,569 --> 00:27:21,440 そのニュースに 江戸中が大騒ぎになった。➡ 246 00:27:21,440 --> 00:27:25,444 大山の仕掛けた アイドルビジネス。 歴史の中で忘れ去られても➡ 247 00:27:25,444 --> 00:27:28,914 一人の女性の人生を 大きく変えた事は間違いない。➡ 248 00:27:28,914 --> 00:27:32,584 現れては 消えていく アイドルという偶像。➡ 249 00:27:32,584 --> 00:27:35,487 そして それを追い求める人々の姿は➡ 250 00:27:35,487 --> 00:27:37,923 時代を超えても 変わらない。➡ 251 00:27:37,923 --> 00:27:40,826 それを強く実感する 取材となった> 252 00:27:40,826 --> 00:27:56,942 ♬~ 253 00:27:56,942 --> 00:28:01,213 え~ 以上 コードナンバー921832 アウトします。 254 00:28:01,213 --> 00:28:23,201 ♬~