1 00:00:02,202 --> 00:00:06,506 (沢嶋雄一)<緊迫の戦国時代。 決死の作戦が行われる> 2 00:00:12,446 --> 00:00:14,948 <籠城する 味方の軍勢> 3 00:00:17,951 --> 00:00:21,255 <味方の命を救う道は ただ一つ> 4 00:00:23,624 --> 00:00:27,294 <城の人々の運命は たった一本の矢に託された。➡ 5 00:00:27,294 --> 00:00:29,296 その一部始終を記録する> 6 00:00:43,744 --> 00:00:50,984 え~ アブソリュートポジション N352 W601 E638 S546。 7 00:00:50,984 --> 00:00:53,887 ポジション確認。 8 00:00:53,887 --> 00:01:00,594 アブソリュートタイム B1864537年 31時55分29秒。 9 00:01:00,594 --> 00:01:02,930 西暦変換しますと➡ 10 00:01:02,930 --> 00:01:07,267 1552年5月17日 7時3分18秒。 11 00:01:07,267 --> 00:01:09,202 無事 タイムワープ 成功しました。 12 00:01:09,202 --> 00:01:11,138 コードナンバー 834652➡ 13 00:01:11,138 --> 00:01:13,607 これから 記録を開始します。 14 00:01:13,607 --> 00:01:18,946 沢嶋雄一。 彼は タイムスクープ社より 派遣された ジャーナリストである。 15 00:01:18,946 --> 00:01:21,615 あらゆる時代に タイムワープしながら➡ 16 00:01:21,615 --> 00:01:26,620 時空を超えて 名もなき人々を 記録していく タイムスクープハンターである。 17 00:01:37,164 --> 00:01:40,634 <山道を急ぐ 一人の男がいる。➡ 18 00:01:40,634 --> 00:01:44,504 彼は ある任務を託された 武士である。➡ 19 00:01:44,504 --> 00:01:48,308 時は戦国。 各地で 大小の紛争が繰り返され➡ 20 00:01:48,308 --> 00:01:52,179 社会は 混迷を深めていた。➡ 21 00:01:52,179 --> 00:01:55,649 危険と隣り合わせの戦闘地域。➡ 22 00:01:55,649 --> 00:01:59,987 敵地に乗り込む武士に 私は 密着取材を敢行した> 23 00:01:59,987 --> 00:02:04,591 え~ この時代の人々にとって 私は時空を超えた存在となります。 24 00:02:04,591 --> 00:02:07,494 彼らにとって 私は 宇宙人のような存在です。 25 00:02:07,494 --> 00:02:10,263 彼らに接触するには 細心の注意が必要です。 26 00:02:10,263 --> 00:02:13,934 私自身の介在によって この歴史が 変わる事も ありえるからです。 27 00:02:13,934 --> 00:02:15,869 彼らに 取材を許してもらうためには➡ 28 00:02:15,869 --> 00:02:17,804 特殊な交渉術を用います。 29 00:02:17,804 --> 00:02:20,607 それは極秘事項となっており お見せする事はできませんが➡ 30 00:02:20,607 --> 00:02:24,311 今回も 無事 密着取材する事に成功しました。 31 00:02:31,251 --> 00:02:33,954 <男の名は 島木三郎太。➡ 32 00:02:33,954 --> 00:02:38,659 若い武士は ある重要な 任務を任されていた> 33 00:02:41,294 --> 00:02:45,165 <人目を避けながら 目的地を目指す。➡ 34 00:02:45,165 --> 00:02:49,469 山に入ってから 3時間が たとうとしている> 35 00:02:51,938 --> 00:02:56,243 ちょっと よろしいでしょうか。 何用かな? 36 00:02:59,980 --> 00:03:02,683 いや… 37 00:03:32,379 --> 00:03:34,948 <三郎太が仕えているのは 山奈家。➡ 38 00:03:34,948 --> 00:03:39,286 半年前 山奈家の同盟国である 武永家と木戸家との間で➡ 39 00:03:39,286 --> 00:03:41,221 戦が勃発した。➡ 40 00:03:41,221 --> 00:03:44,624 大軍で押し寄せた木戸軍に 劣勢となった武永軍は 後退。➡ 41 00:03:44,624 --> 00:03:48,295 城に立て籠もる。 籠城戦となって 既に3か月。➡ 42 00:03:48,295 --> 00:03:51,965 敵に包囲されたまま 完全に孤立している状態だった。➡ 43 00:03:51,965 --> 00:03:54,634 城が落ちるのは 時間の問題と見られた。➡ 44 00:03:54,634 --> 00:03:58,638 武永家を救うため 山奈家は 三郎太に手紙を託していた> 45 00:04:15,589 --> 00:04:17,591 もう よいであろう。 46 00:04:19,459 --> 00:04:21,461 あっ はい。 47 00:04:21,461 --> 00:04:23,930 <城の周りは 敵が支配している。➡ 48 00:04:23,930 --> 00:04:27,267 その間をかいくぐり 城へ 入り込むのは 極めて難しい。➡ 49 00:04:27,267 --> 00:04:30,604 そこで三郎太は 矢文を使う事にした。➡ 50 00:04:30,604 --> 00:04:33,507 矢に手紙を結び付け 弓で射る。➡ 51 00:04:33,507 --> 00:04:36,476 遠く離れた相手に 送り届ける方法である。➡ 52 00:04:36,476 --> 00:04:39,613 戦場で矢文を使った記録は 数多く残っている。➡ 53 00:04:39,613 --> 00:04:42,282 関ヶ原の合戦における 大垣城では➡ 54 00:04:42,282 --> 00:04:44,618 籠城中の 山田去暦一家に向けて➡ 55 00:04:44,618 --> 00:04:46,820 脱出を促す矢文が 届けられたという> 56 00:04:48,955 --> 00:04:54,261 <茂みを抜ける。 すると 三郎太の足が止まった> 57 00:04:57,964 --> 00:04:59,100 はい。 58 00:04:59,100 --> 00:05:03,236 <眼下には 町があった。 城に近づくには➡ 59 00:05:03,236 --> 00:05:06,239 どうしても この町を 通り抜けなければならない> 60 00:05:27,093 --> 00:05:29,596 <三郎太は 狩人に変装していく。➡ 61 00:05:29,596 --> 00:05:34,768 これならば 弓矢を持っていても 不審には思われない> 62 00:05:34,768 --> 00:05:36,770 はい。 63 00:05:38,605 --> 00:05:41,942 <斜面を下りて 慎重に 町へ近づいていく。➡ 64 00:05:41,942 --> 00:05:45,812 私は カムフラージュ機能を作動。 三郎太に同行する事にした。➡ 65 00:05:45,812 --> 00:05:49,616 至る所に 敵兵の姿が。➡ 66 00:05:49,616 --> 00:05:55,956 更に 兵士たちを商売相手にした 行商人や遊女たちの姿もある。➡ 67 00:05:55,956 --> 00:05:59,292 町は 完全に 木戸軍に占領されている。➡ 68 00:05:59,292 --> 00:06:01,228 三郎太を不審に思う者はいない。➡ 69 00:06:01,228 --> 00:06:06,900 無事 町の外れに さしかかった。 だが その時だった。➡ 70 00:06:06,900 --> 00:06:10,904 兵士たちに呼び止められる> 71 00:06:13,773 --> 00:06:15,909 (三郎太)よろしければ お安くしておきます。 さようか。 72 00:06:15,909 --> 00:06:20,580 お前は誰だ? 何だ これは。 いや 私は…。 73 00:06:20,580 --> 00:06:24,584 <執拗に絡んでくる 兵士たち。 三郎太が必死に取り繕う> 74 00:06:31,591 --> 00:06:34,594 ここでで ございますか? そうだ。 75 00:06:40,600 --> 00:06:44,304 <そして…> 76 00:07:09,396 --> 00:07:12,198 <見破られた!> 77 00:07:14,567 --> 00:07:19,239 <追い詰められた三郎太が 強行突破> 78 00:07:19,239 --> 00:07:26,913 ♬~ 79 00:07:26,913 --> 00:07:30,917 <隙をついて 路地裏に入る> 80 00:07:35,922 --> 00:07:39,592 <一緒に 空き家に逃げ込む> 81 00:07:39,592 --> 00:07:42,262 ⚟(木戸兵)どこへ行った⁉ 82 00:07:42,262 --> 00:07:46,566 <なんとか 敵兵をやり過ごす。 だが…> 83 00:07:48,935 --> 00:07:50,870 うっ… うう…。 84 00:07:50,870 --> 00:07:53,807 <三郎太は 腕から大量の出血。➡ 85 00:07:53,807 --> 00:07:58,111 先ほどの乱闘によるものか 腕を斬られていた> 86 00:08:04,417 --> 00:08:07,420 行くぞ。 はい。 87 00:08:09,556 --> 00:08:12,225 <痛みをこらえ 空き家を出る。➡ 88 00:08:12,225 --> 00:08:15,895 まずは 町を脱出する事が先決だった。➡ 89 00:08:15,895 --> 00:08:18,565 計画を切り替え 城の裏側➡ 90 00:08:18,565 --> 00:08:21,234 茂みの中から 矢を放つ事にした。➡ 91 00:08:21,234 --> 00:08:25,105 城までは 想定していたより かなり距離がある。➡ 92 00:08:25,105 --> 00:08:29,109 だが 選択の余地はなかった。 速やかに矢文の準備に入る。➡ 93 00:08:29,109 --> 00:08:32,245 その間にも 腕からの出血は 止まらない。➡ 94 00:08:32,245 --> 00:08:34,547 状況は芳しくない> 95 00:08:37,584 --> 00:08:41,588 <手紙を 矢に結び付ける> 96 00:08:46,593 --> 00:08:51,898 <狙いを定めて 弓を引いた。 が その時だった!> 97 00:08:57,604 --> 00:09:00,507 <敵兵からの矢が 頭の上を…。➡ 98 00:09:00,507 --> 00:09:04,511 身を低くしながら 後退した> 99 00:09:09,215 --> 00:09:12,552 現在 敵からの攻撃を受けてます。 100 00:09:12,552 --> 00:09:15,455 <木の陰に隠れて 態勢を立て直す。➡ 101 00:09:15,455 --> 00:09:19,893 腕から流れ落ちる血で 手が滑る。➡ 102 00:09:19,893 --> 00:09:26,599 手紙を結び直し 再び 矢文をセットする。 そして…> 103 00:09:28,234 --> 00:09:32,572 <無念にも 放たれた矢は 木に阻まれてしまった。➡ 104 00:09:32,572 --> 00:09:35,875 敵兵が近づいてくる> 105 00:09:40,914 --> 00:09:44,250 <三郎太の出血は止まらない。 苦しそうだ。➡ 106 00:09:44,250 --> 00:09:47,921 更に ニューロ粒子が微弱で 本部との通信も遮断。➡ 107 00:09:47,921 --> 00:09:51,591 カムフラージュ機能も ダウンしてしまった。 最悪の状況!> 108 00:09:51,591 --> 00:09:54,594 大丈夫ですか? ああ…。 109 00:09:59,265 --> 00:10:03,269 <前方に 敵兵の姿が…> 110 00:10:14,280 --> 00:10:17,584 <矢文が見つかってしまった> 111 00:10:19,152 --> 00:10:24,290 <私は モスキートカメラを放って 彼らの動向を探る事にした> 112 00:10:24,290 --> 00:10:33,299 ♬~ 113 00:10:33,299 --> 00:10:36,970 <敵に内容が知られれば 全ては水の泡となる。➡ 114 00:10:36,970 --> 00:10:41,274 作戦は失敗に終わろうとしていた。 しかし…> 115 00:10:42,842 --> 00:10:46,312 <手紙は血に染まり 読めない。➡ 116 00:10:46,312 --> 00:10:48,648 血だらけの手で 手紙を矢に結んでいた事で➡ 117 00:10:48,648 --> 00:10:50,650 逆に 救われる結果となった> 118 00:10:57,991 --> 00:11:01,261 (木戸兵たち)おう! 119 00:11:01,261 --> 00:11:03,196 ああっ! うわっ! 120 00:11:03,196 --> 00:11:05,932 <不意打ちを食らった。➡ 121 00:11:05,932 --> 00:11:09,235 とっさに 三郎太は 敵に飛びかかる> 122 00:11:13,273 --> 00:11:16,276 <そして…> 123 00:11:32,625 --> 00:11:36,496 <全速力で走り抜け 敵兵をまく> 124 00:11:36,496 --> 00:11:56,482 ♬~ 125 00:12:03,590 --> 00:12:05,892 その腕で…。 126 00:12:14,934 --> 00:12:18,271 そんな事したら 敵兵に見つかってしまいます。 127 00:12:18,271 --> 00:12:20,607 <それは 決死の行動だった。➡ 128 00:12:20,607 --> 00:12:24,611 できるかぎり 城に近づいて 矢を放つつもりである> 129 00:12:40,293 --> 00:12:42,962 知らぬぞ…。 130 00:12:42,962 --> 00:12:48,635 <私は危険を覚悟で 彼の姿を 最後まで見届ける事にした。➡ 131 00:12:48,635 --> 00:12:52,972 三郎太は 森を抜け出た。➡ 132 00:12:52,972 --> 00:12:56,976 辺りを 不気味な静けさが覆う> 133 00:12:58,645 --> 00:13:01,547 <そして…。➡ 134 00:13:01,547 --> 00:13:06,252 午後5時36分。 矢は 城の内部に 吸い込まれていった。➡ 135 00:13:06,252 --> 00:13:09,155 果たして 矢は無事 武永軍に届いたのか?➡ 136 00:13:09,155 --> 00:13:11,124 と その時だった> 137 00:13:11,124 --> 00:13:14,127 (木戸兵)おい! 138 00:13:14,127 --> 00:13:19,265 <私の存在に気付いた敵兵が 襲いかかってくる。➡ 139 00:13:19,265 --> 00:13:23,136 本部に連絡を取るため ニューロ粒子が 検知できる場所を探し➡ 140 00:13:23,136 --> 00:13:26,139 森の中を走り回る。 そして…> 141 00:13:26,139 --> 00:13:28,274 こちら沢嶋。 本部 応答願います。 142 00:13:28,274 --> 00:13:31,177 はい こちら本部 古橋です。 沢嶋さん どうしました? 143 00:13:31,177 --> 00:13:34,614 緊急にワープ要請 お願いします。 これから座標を入力します。 144 00:13:34,614 --> 00:13:36,949 了解しました。 ワープ準備に入ります。 145 00:13:36,949 --> 00:13:39,952 カムフラージュ機能をオフにします。 了解。 146 00:13:41,821 --> 00:13:43,823 あっ! 147 00:13:45,625 --> 00:13:48,628 (五郎兵衛)おのれ 何者だ~⁉ 148 00:14:00,907 --> 00:14:04,243 沢嶋さん 沢嶋さん 応答願います。 149 00:14:04,243 --> 00:14:06,179 はい こちら沢嶋。 150 00:14:06,179 --> 00:14:09,916 そちら 異常ありませんか? 大丈夫です。 151 00:14:09,916 --> 00:14:13,586 無事 タイムワープできたようです。は~…。 152 00:14:13,586 --> 00:14:18,925 沢嶋さん 何度も言いますが むちゃな取材は やめて下さい。 153 00:14:18,925 --> 00:14:21,260 ああ… すいません。 154 00:14:21,260 --> 00:14:26,599 機材トラブルも ありませんし これから取材を続行します。 155 00:14:26,599 --> 00:14:29,268 くれぐれも 気をつけて下さい。 156 00:14:29,268 --> 00:14:31,270 分かりました。 157 00:14:32,939 --> 00:14:37,610 <私が タイムワープした場所は 4時間前の 城の敷地内だった。➡ 158 00:14:37,610 --> 00:14:41,948 状況が変化し 私は 矢文を送る側 受け取る側➡ 159 00:14:41,948 --> 00:14:44,617 双方の視点から 取材を行う事にした。➡ 160 00:14:44,617 --> 00:14:48,287 三郎太が 矢文を放った瞬間から 4時間前に遡り➡ 161 00:14:48,287 --> 00:14:51,190 城の中の状況を カメラに収める。➡ 162 00:14:51,190 --> 00:14:55,061 長引く籠城戦で 凄惨を極めていた。➡ 163 00:14:55,061 --> 00:14:57,630 村から逃げ込んだ村人や 兵士たち➡ 164 00:14:57,630 --> 00:15:00,500 ケガのためか 飢えのためだろうか➡ 165 00:15:00,500 --> 00:15:06,239 生きているのか 死体なのか 見分けがつかない。➡ 166 00:15:06,239 --> 00:15:08,908 と その時…> 167 00:15:08,908 --> 00:15:11,210 あっ いや…。 168 00:15:15,081 --> 00:15:17,383 いや ちょっと待って下さい。 169 00:15:45,144 --> 00:15:47,146 そうですか…。 170 00:15:47,146 --> 00:15:50,283 <城は 味方からの救援を待っていた。➡ 171 00:15:50,283 --> 00:15:53,953 ところが この城の城主 武永経房は➡ 172 00:15:53,953 --> 00:15:55,955 既に 覚悟を 決めているようだった> 173 00:15:58,624 --> 00:16:01,627 と 言いますと? 174 00:16:06,899 --> 00:16:10,203 敵から…。 175 00:16:22,248 --> 00:16:25,151 <敵からの矢文が 届いていたからだ。➡ 176 00:16:25,151 --> 00:16:28,154 降伏を勧告する最後の通告である> 177 00:16:35,595 --> 00:16:38,931 <戦国時代 城を包囲している軍から➡ 178 00:16:38,931 --> 00:16:41,834 城内に 降伏を勧告するために 矢文を使う事は➡ 179 00:16:41,834 --> 00:16:43,836 よくある事だった> 180 00:16:57,617 --> 00:17:00,620 と なれば… 181 00:17:02,455 --> 00:17:04,757 (兵庫)何たる 仰せか。 182 00:17:06,425 --> 00:17:09,729 では いかがせよと申すのじゃ。 183 00:17:12,899 --> 00:17:16,903 さような事は ございませぬ! いかな事があろうと… 184 00:17:19,572 --> 00:17:22,575 とは 申せ… 185 00:17:30,283 --> 00:17:33,586 <籠城して 3か月。 既に限界がきていた。➡ 186 00:17:33,586 --> 00:17:36,489 これ以上 籠城を続ければ 家来たち➡ 187 00:17:36,489 --> 00:17:39,792 そして 城に逃げ込んだ村人たちが 全滅となる> 188 00:17:59,278 --> 00:18:02,281 <武永は 覚悟を決めた> 189 00:18:08,087 --> 00:18:10,089 兵庫。 190 00:18:35,081 --> 00:18:37,283 開城…。 191 00:18:39,251 --> 00:18:41,253 御意。 192 00:18:44,590 --> 00:18:49,462 <僅かな食料が 生き残った人々に 振る舞われた。➡ 193 00:18:49,462 --> 00:18:53,599 戦国時代の城は 軍事目的に造られた要塞である。➡ 194 00:18:53,599 --> 00:18:58,471 敗戦が濃厚になった時に 籠城して 味方の救援を待つ拠点であり➡ 195 00:18:58,471 --> 00:19:02,775 また 地域の住民たちにとっては 最後の避難場所になっていた> 196 00:19:09,882 --> 00:19:14,887 <武永経房が 兜を脱いだ。 自害する準備に入る> 197 00:19:19,558 --> 00:19:24,864 <つつましやかに 水杯を交わす 武永と奥方> 198 00:19:32,905 --> 00:19:37,243 <武永は 開城の旨を矢文に託し 射る事にした。➡ 199 00:19:37,243 --> 00:19:41,580 城内の人々を救うため 自らの首を差し出す覚悟だ。➡ 200 00:19:41,580 --> 00:19:48,888 城主の夫に付き添う妻。 そして 侍女たちも 共に死を覚悟した> 201 00:20:09,642 --> 00:20:11,644 はい。 202 00:20:17,483 --> 00:20:19,485 はい。 203 00:20:22,221 --> 00:20:24,957 (兵庫)はっ。 204 00:20:24,957 --> 00:20:32,965 ♬~ 205 00:20:58,624 --> 00:21:07,333 ♬~ 206 00:21:07,333 --> 00:21:12,304 <武永から 矢文を託された 島木兵庫が 本丸を出る。➡ 207 00:21:12,304 --> 00:21:15,608 私は 彼らの最後の姿を 見届けるべく➡ 208 00:21:15,608 --> 00:21:17,943 マイクロカメラを セットした。➡ 209 00:21:17,943 --> 00:21:23,949 兵庫は 弓組頭を伴って 城壁に向かう> 210 00:21:29,955 --> 00:21:34,293 <矢文が準備されていく。➡ 211 00:21:34,293 --> 00:21:38,297 殿と女性たちは 一斉に刀を抜いた> 212 00:21:44,937 --> 00:21:50,643 <この 一本の矢文が放たれれば 武永軍は 全面降伏する事になる> 213 00:21:56,315 --> 00:21:58,617 <しかし…> 214 00:22:01,587 --> 00:22:03,923 <三郎太の矢文だ> 215 00:22:03,923 --> 00:22:07,593 殿ぉ~! 殿!➡ 216 00:22:07,593 --> 00:22:11,597 殿! 殿! 217 00:22:13,933 --> 00:22:15,935 なに? 218 00:22:18,604 --> 00:22:20,606 いかな事じゃ。 219 00:22:25,277 --> 00:22:27,279 なんと…! 220 00:22:32,618 --> 00:22:34,553 (武永)兵庫! 221 00:22:34,553 --> 00:22:36,555 島木様! 島木様! 222 00:22:42,294 --> 00:22:44,997 さような事をされては… 223 00:22:50,970 --> 00:22:53,672 島木様! 島木様! 224 00:22:55,641 --> 00:22:59,812 <兵庫は 矢文を取るため 屋根の上にのぼる事に。➡ 225 00:22:59,812 --> 00:23:02,781 だが それは 命懸けの行動となる。➡ 226 00:23:02,781 --> 00:23:07,319 屋根の上は 敵の格好の 標的となってしまうからだ> 227 00:23:07,319 --> 00:23:26,605 ♬~ 228 00:23:26,605 --> 00:23:30,609 <なんとか 矢文を手にした> 229 00:23:35,948 --> 00:23:38,951 <だが…> 230 00:23:42,288 --> 00:23:45,190 島木様! (武永)兵庫!➡ 231 00:23:45,190 --> 00:23:47,960 兵庫!➡ 232 00:23:47,960 --> 00:23:50,663 兵庫…。 233 00:23:52,298 --> 00:23:54,233 兵庫…。 234 00:23:54,233 --> 00:23:57,636 島木様…。 (武永)しっかりしろ 兵庫! 235 00:23:57,636 --> 00:24:05,911 ♬~ 236 00:24:05,911 --> 00:24:10,215 <三郎太が放った矢文。 そこに書かれていたのは…> 237 00:24:22,461 --> 00:24:25,464 <と その時だった> 238 00:24:27,199 --> 00:24:40,512 ♬~ 239 00:24:42,614 --> 00:24:45,284 <地面から顔を出した 黒ずくめの男。➡ 240 00:24:45,284 --> 00:24:49,488 森から 地面を掘り進んできた 山奈軍からの特殊部隊だった> 241 00:24:51,957 --> 00:24:54,960 (兵庫)疾く お逃げ召されい…。 242 00:24:56,628 --> 00:24:59,932 <すぐに脱出を開始する> 243 00:25:01,467 --> 00:25:03,469 (山奈兵)急ぎましょうぞ! 244 00:25:09,575 --> 00:25:13,445 (武永)急げ! 皆 続け! 245 00:25:13,445 --> 00:25:17,249 (武永)急げ!➡ 246 00:25:17,249 --> 00:25:21,086 急げ! 皆 急ぐのじゃ!➡ 247 00:25:21,086 --> 00:25:26,458 兵庫! 兵庫 しっかりせい! 248 00:25:26,458 --> 00:25:29,261 <城の内部まで トンネルを掘る 作戦の記録は➡ 249 00:25:29,261 --> 00:25:31,196 数多く残っている。➡ 250 00:25:31,196 --> 00:25:34,133 特に 甲斐国 武田の金堀衆は有名であり➡ 251 00:25:34,133 --> 00:25:36,602 もぐらのように 地下道を掘り進み➡ 252 00:25:36,602 --> 00:25:38,937 城に攻め入ったという> 253 00:25:38,937 --> 00:25:42,608 ぐっ…。 ハァ ハァ…。 254 00:25:42,608 --> 00:25:45,277 殿… 255 00:25:45,277 --> 00:25:47,980 ならぬ! ならぬぞ 兵庫。 256 00:25:58,624 --> 00:26:01,927 (山奈兵) 早く参りましょう。 257 00:26:07,900 --> 00:26:10,202 兵庫…。 (山奈兵)武永殿! 258 00:26:22,247 --> 00:26:25,150 すまぬ…。 259 00:26:25,150 --> 00:26:28,120 (山奈兵)武永殿。 260 00:26:28,120 --> 00:26:43,435 ♬~ 261 00:26:49,942 --> 00:26:54,112 <生き残りの人々 全ての脱出を完了させた。➡ 262 00:26:54,112 --> 00:26:56,915 そして…> 263 00:26:59,284 --> 00:27:05,090 <それは 忠義にあつい兵庫の 最後の務めだった。➡ 264 00:27:05,090 --> 00:27:11,096 敵の総攻撃が迫っている。 日没まで あと僅か> 265 00:27:14,566 --> 00:27:17,236 <兵庫は 最後の力を振り絞り➡ 266 00:27:17,236 --> 00:27:22,107 一人 誰もいなくなった城で 穴を埋め続けていく。➡ 267 00:27:22,107 --> 00:27:24,109 たった一本の矢文。➡ 268 00:27:24,109 --> 00:27:27,579 それには たくさんの人々の命が 関わっていた。➡ 269 00:27:27,579 --> 00:27:30,482 今回の取材で 命懸けで生命をつなごうとする➡ 270 00:27:30,482 --> 00:27:32,918 人間の壮絶な姿を見た。➡ 271 00:27:32,918 --> 00:27:35,587 彼らが 歴史の教科書に載る事はない。➡ 272 00:27:35,587 --> 00:27:41,360 だが 名もなき人々の命が 歴史を 作っていったのは事実である> 273 00:27:41,360 --> 00:27:56,608 ♬~ 274 00:27:56,608 --> 00:28:01,213 え~ 以上… あっ! コードナンバー834652 アウトします。 275 00:28:01,213 --> 00:28:23,201 ♬~