1 00:01:22,195 --> 00:01:24,195 2 00:01:44,083 --> 00:02:04,103 ・~ 3 00:02:04,103 --> 00:02:24,057 ・~ 4 00:02:24,057 --> 00:02:43,076 ・~ 5 00:02:43,076 --> 00:02:48,081 ・~ 6 00:02:48,081 --> 00:03:00,093 ・~ 7 00:03:00,093 --> 00:03:04,097 (玉次郎) 高貴な姫様とやらを抱くなんて… 8 00:03:04,097 --> 00:03:06,099 ハァ 9 00:03:06,099 --> 00:03:09,102 夢でも見てるようだぜ 10 00:03:09,102 --> 00:03:24,050 ・~ 11 00:03:24,050 --> 00:03:27,050 (お万)失礼いたします 千姫様 12 00:03:31,057 --> 00:03:34,060 もうじき夜が明けまする 13 00:03:34,060 --> 00:03:38,064 殿御には お引き取り願わしゅう存じまする 14 00:03:38,064 --> 00:03:42,068 (玉次郎)お前さんが 本当に千姫様なのかい? 15 00:03:42,068 --> 00:03:44,070 ♪(芸者)人の 16 00:03:44,070 --> 00:03:52,078 ♪ 憎まれ口な 17 00:03:52,078 --> 00:03:58,084 ♪ あれ鳴くわいな 18 00:03:58,084 --> 00:04:02,088 ♪ 聞かせともなき 19 00:04:02,088 --> 00:04:10,096 ♪(嵐)高い山から谷底見れば 20 00:04:10,096 --> 00:04:13,099 どっこいしょ (千代乃太夫)もう 邪魔しないでよ 21 00:04:13,099 --> 00:04:15,101 (嵐)久しぶり (千代乃太夫)嵐! 22 00:04:15,101 --> 00:04:18,104 何よ 私の胴抜きを 23 00:04:18,104 --> 00:04:22,041 あっ… 私 千姫 24 00:04:22,041 --> 00:04:24,043 そんなことより ちょっとちょっと ねえ 聞いた? 25 00:04:24,043 --> 00:04:27,046 千姫様の噂 (千代乃太夫)聞いてるわよ 26 00:04:27,046 --> 00:04:31,050 あの吉田御殿に 男を次々に 引っ張り込んでるって噂でしょ? 27 00:04:31,050 --> 00:04:35,054 (雲)そんなの嘘よ ねえ? (霞)嘘に決まってるわよ 28 00:04:35,054 --> 00:04:38,057 千姫様は 幻之介様の姪御さんよ 29 00:04:38,057 --> 00:04:40,059 そんなバカなこと するわけがないでしょ 30 00:04:40,059 --> 00:04:43,062 ところが 噂には まだ あとがあるのよ 31 00:04:43,062 --> 00:04:46,065 寝たあとで 男の人が殺されちゃうんですって 32 00:04:46,065 --> 00:04:49,068 きゃあ どうしましょ… (千代乃太夫)嵐 やめなさいよ 33 00:04:49,068 --> 00:04:53,072 さっ お稽古 続けましょ (男性たち)へい 34 00:04:53,072 --> 00:04:56,075 嵐 邪魔よ (嵐)あっ… ちょっと! 35 00:04:56,075 --> 00:04:59,078 チェッ 知らねえぞ 大変なことになっても 36 00:04:59,078 --> 00:05:02,081 (人々のざわめき) 37 00:05:02,081 --> 00:05:05,084 (ナレーター)<柳生十兵衛三厳> 38 00:05:05,084 --> 00:05:08,087 <将軍家 指南役 柳生の嫡男でいながら・ 39 00:05:08,087 --> 00:05:14,093 なぜか家光に追放され 吉原で用心棒として生きている> 40 00:05:14,093 --> 00:05:16,095 (才次の声)千姫と寝た・ 41 00:05:16,095 --> 00:05:20,099 千姫様といやあ 先の将軍 秀忠公の娘 42 00:05:20,099 --> 00:05:22,034 つまり 神君 家康公の孫娘って方ですぜ 43 00:05:22,034 --> 00:05:24,036 そんなことは分かってらあ 44 00:05:24,036 --> 00:05:26,038 (喜久造) 7歳で豊臣秀頼に嫁入りし・ 45 00:05:26,038 --> 00:05:29,041 今を去ること12年前の 大阪の夏の陣 46 00:05:29,041 --> 00:05:33,045 落城の炎の中から 坂崎出羽守に 救い出されたってえ・ 47 00:05:33,045 --> 00:05:37,049 極めつきの お姫様ですよ いくら兄ぃでも そんな… 48 00:05:37,049 --> 00:05:39,051 どきやがれ! 49 00:05:39,051 --> 00:05:41,053 誰にも見せねえつもりだったが・ 50 00:05:41,053 --> 00:05:44,056 これだけコケにされたんじゃ 黙っちゃいられねえや 51 00:05:44,056 --> 00:05:47,059 ヘッヘッヘ… こいつを見な (カネの音) 52 00:05:47,059 --> 00:05:51,063 (嵐)あっ! ちょっと… 53 00:05:51,063 --> 00:05:54,066 小判5枚! やっぱりホントなのよ 54 00:05:54,066 --> 00:05:56,068 ホホホ… (玉次郎)お付きの女がくれたんだ 55 00:05:56,068 --> 00:05:59,071 姫様 心ばかりの土産だとよ ヘヘヘ… 56 00:05:59,071 --> 00:06:01,073 はっ… (玉次郎)どうだい! ハハハハ… 57 00:06:01,073 --> 00:06:03,075 ほら ほら ほら… (才次)ホントかねえ? 58 00:06:03,075 --> 00:06:07,079 (おゆき)へえ (嵐)あら 十兵衛さん 59 00:06:07,079 --> 00:06:09,079 (十兵衛)貸してみな (嵐)ん? 60 00:06:11,083 --> 00:06:13,085 丸に立葵は 本多家の紋所 61 00:06:13,085 --> 00:06:16,088 千姫様 2度目の嫁入り先だ 62 00:06:16,088 --> 00:06:18,090 うん 「千」と名前も入ってる 63 00:06:18,090 --> 00:06:21,093 <廓幻之介> 64 00:06:21,093 --> 00:06:25,031 <実は 徳川家康の一子 六男坊である> 65 00:06:25,031 --> 00:06:30,036 <なぜか 権力の座から追放され 生まれながら鬼っ子と呼ばれた> 66 00:06:30,036 --> 00:06:34,040 <その名は 松平忠輝である> 67 00:06:34,040 --> 00:06:37,043 (忠輝)よいしょ! 68 00:06:37,043 --> 00:06:39,043 フゥー 69 00:06:42,048 --> 00:06:46,052 何? 千姫? 70 00:06:46,052 --> 00:06:49,055 千姫は そんな女ではない 71 00:06:49,055 --> 00:06:54,060 もっとも 大阪の夏の陣以来 10年以上も会ってはおらんが… 72 00:06:54,060 --> 00:06:57,063 幻さん でも 私は 玉さんを信じてる 73 00:06:57,063 --> 00:07:00,066 そりゃ 姪御さんをかばいたい 気持ちは よく分かるけど・ 74 00:07:00,066 --> 00:07:03,069 歳月は 人を変えるわ ん? 75 00:07:03,069 --> 00:07:06,072 大体ね 徳川には 好色の血が流れてるのよ 76 00:07:06,072 --> 00:07:08,074 幻さんは 人も知る女好きでしょ 77 00:07:08,074 --> 00:07:12,078 権現様も 秀忠公も 将軍 家光様も 78 00:07:12,078 --> 00:07:14,080 フッ 千姫様だって… 79 00:07:14,080 --> 00:07:18,084 嵐 言い過ぎよ (雲)そうよ 幻さんに失礼だわ 80 00:07:18,084 --> 00:07:20,086 ハハハハハ… 81 00:07:20,086 --> 00:07:23,022 嵐の言うとおりだ 82 00:07:23,022 --> 00:07:27,026 徳川家も その道じゃ 褒められたもんじゃねえ ハッハ 83 00:07:27,026 --> 00:07:31,030 だが 千姫にかぎり そんなことはない 84 00:07:31,030 --> 00:07:34,033 お前たちも この件については動くな 85 00:07:34,033 --> 00:07:37,036 動き損だ 放っておけ 幻さん… 86 00:07:37,036 --> 00:07:41,040 だって 千姫様の悪い噂は もう町じゅうに流れてるんですよ 87 00:07:41,040 --> 00:07:43,042 放っておいたら… 放っておけ 88 00:07:43,042 --> 00:07:48,047 万が一 千が そんな女に成り果てていたら・ 89 00:07:48,047 --> 00:07:50,047 わしが斬る 90 00:07:54,053 --> 00:07:58,057 実は ゆうべ 一杯やりに 町に出かけたんでさあ 91 00:07:58,057 --> 00:08:01,060 帰り道 こっから いっちょ先の・ 92 00:08:01,060 --> 00:08:05,064 浅草橋のたもとで いい女が飛び出してきたんですよ 93 00:08:05,064 --> 00:08:07,066 (お万) お仕えする高貴なお方が・ 94 00:08:07,066 --> 00:08:11,070 下々の殿御と一夜を共にしたいと 仰せなのじゃ 95 00:08:11,070 --> 00:08:13,072 (玉次郎の声) それから駕籠に乗せられ・ 96 00:08:13,072 --> 00:08:16,075 半時の後にゃ 立派な お屋敷の寝間で・ 97 00:08:16,075 --> 00:08:19,078 千姫様のお相手を してたってわけで ヘヘヘ… 98 00:08:19,078 --> 00:08:22,014 (十兵衛の声)フフフ… 本物の千姫だと思うのかい? 99 00:08:22,014 --> 00:08:24,016 (玉次郎の声)アハハ… 正直言って あっしも・ 100 00:08:24,016 --> 00:08:28,020 本物 偽者の見分けがつかねえんで (十兵衛の声)フフ… 101 00:08:28,020 --> 00:08:31,023 で 夜明けに帰るときも 目隠しをされたのか? 102 00:08:31,023 --> 00:08:35,027 へえ で どこの屋敷へ行った? 103 00:08:35,027 --> 00:08:37,029 まさか吉田御殿じゃあるまい 104 00:08:37,029 --> 00:08:39,031 目隠しされてて 分かるわけねえでしょうに 105 00:08:39,031 --> 00:08:43,035 玉次郎 お前も ひとかどの吉原者だ 106 00:08:43,035 --> 00:08:46,038 抜け目なく 盗み見ぐらいしたはずだぞ 107 00:08:46,038 --> 00:08:48,040 かなわねえなあ 十兵衛さんには 108 00:08:48,040 --> 00:08:51,043 へえ おっしゃるとおり 見当ぐらいは 109 00:08:51,043 --> 00:08:54,043 よし ご苦労だが 案内してもらおう 110 00:08:57,049 --> 00:09:02,054 確かに ここなのか? へえ 間違いなく ここなんですが 111 00:09:02,054 --> 00:09:05,054 しかし 人が住んでる気配がないな 112 00:09:11,063 --> 00:09:13,065 玉次郎 113 00:09:13,065 --> 00:09:17,065 こいつは空き家だぜ ええっ? そんな… 114 00:09:23,008 --> 00:09:25,010 んっ 玉次郎 えっ? 115 00:09:25,010 --> 00:09:27,012 い… いえ あっしは ここで へえ 116 00:09:27,012 --> 00:09:29,014 どうも ゾッとしませんや どうぞどうぞ 117 00:09:29,014 --> 00:09:31,016 どうぞ… ハァ… 118 00:09:31,016 --> 00:09:50,035 ・~ 119 00:09:50,035 --> 00:10:09,054 ・~ 120 00:10:09,054 --> 00:10:12,057 なるほど 121 00:10:12,057 --> 00:10:15,057 この部屋だけは 人がいた気配があるな 122 00:10:17,062 --> 00:10:22,062 ひょっとすると ありゃ… キツネだったのかな? 123 00:10:26,005 --> 00:10:28,007 あっ… 124 00:10:28,007 --> 00:10:30,009 うわあっ! うっ… 125 00:10:30,009 --> 00:10:35,014 (うめき声) 126 00:10:35,014 --> 00:10:37,016 おっ 玉次郎! 127 00:10:37,016 --> 00:10:40,016 しっかりしろ! 十兵衛さん… 128 00:10:42,021 --> 00:10:45,024 (玉次郎の悲鳴) 129 00:10:45,024 --> 00:10:47,026 (才次)兄貴! 兄貴! (玉次郎)あー イテえよー 130 00:10:47,026 --> 00:10:50,029 ああ… 泣き声 出してもかまわねえが・ 131 00:10:50,029 --> 00:10:53,032 しばらく動くんじゃねえ へえ 132 00:10:53,032 --> 00:10:57,036 助平をして とんだ罰が当たりやした… ハァ 133 00:10:57,036 --> 00:11:00,039 よし… こいつを噛みな 134 00:11:00,039 --> 00:11:02,041 (玉次郎)んっ… 135 00:11:02,041 --> 00:11:04,043 いくぜ 136 00:11:04,043 --> 00:11:09,043 (玉次郎のもがき声) 137 00:11:14,053 --> 00:11:16,055 (嵐)許さない! 138 00:11:16,055 --> 00:11:18,057 本物の千姫だろうと なんだろうと・ 139 00:11:18,057 --> 00:11:22,061 こんなことする女なんて 絶対に許さない! 140 00:11:22,061 --> 00:11:28,061 (玉次郎のもがき声) 141 00:11:34,073 --> 00:11:50,089 ・~ 142 00:11:50,089 --> 00:11:52,091 (男性)わっ! 千姫だ! 143 00:11:52,091 --> 00:11:56,095 (男性)えっ? 千姫? (男性)えっ? 千姫? 144 00:11:56,095 --> 00:11:58,097 (一八)おい おい おい 言ってやれ 言ってやれ! 145 00:11:58,097 --> 00:12:01,100 あいつは人殺しよ! おい おい 146 00:12:01,100 --> 00:12:03,102 みんな 言ってやれ! (女性)人殺し! 147 00:12:03,102 --> 00:12:05,104 (男性)尻軽女! (男性)恥知らず! 148 00:12:05,104 --> 00:12:08,107 (女性たち)人殺し! (松阪局)無礼は許しませぬ! 149 00:12:08,107 --> 00:12:10,109 無礼だと? けっ! 150 00:12:10,109 --> 00:12:15,114 男殺し 男漁りは 無礼じゃねえのかよ 151 00:12:15,114 --> 00:12:17,116 (男性)何を気取ってんだよ! 152 00:12:17,116 --> 00:12:20,052 おっ 何しやがんだい! (一八)俺たちも殺す気か? 153 00:12:20,052 --> 00:12:24,056 それ やっちまえ! やめろ! 154 00:12:24,056 --> 00:12:26,056 乱暴をするな 155 00:12:30,062 --> 00:12:34,062 その男 どっかで会ったな 156 00:12:40,072 --> 00:12:42,072 (千姫)叔父上 157 00:12:47,079 --> 00:12:49,079 千 158 00:12:52,084 --> 00:12:54,086 会いたかった 千 159 00:12:54,086 --> 00:12:56,088 私も 160 00:12:56,088 --> 00:13:03,095 私も同じ思いで 叔父上を訪ねて 吉原とやらへ参るところでした 161 00:13:03,095 --> 00:13:06,098 うるさいわね どいて (禿)教えてよー 162 00:13:06,098 --> 00:13:09,101 (禿たちの笑い声) (嵐)これは男だ! ハハハ! 163 00:13:09,101 --> 00:13:11,103 (嵐たちの笑い声) (禿)嵐さん 嫌ね 164 00:13:11,103 --> 00:13:15,107 (嵐)うるさいわよ ホントに (禿)アハハハハ… 嫌だ 165 00:13:15,107 --> 00:13:17,109 (男性)いや あの… えっ… 166 00:13:17,109 --> 00:13:20,045 やだ… やだ あの… そういうんじゃない… 167 00:13:20,045 --> 00:13:25,050 (雲たちの笑い声) (雲)ちょっと ちょっと… 168 00:13:25,050 --> 00:13:28,053 ああ いい仲間たちだ (嵐)どうも ハハハ 169 00:13:28,053 --> 00:13:32,057 (雲たちの挨拶) (男性)あっ あっ… ど… どうも 170 00:13:32,057 --> 00:13:37,057 (人々のざわめき) 171 00:13:39,064 --> 00:13:41,064 だ… 誰ですか? 172 00:13:47,072 --> 00:13:50,075 叔父上が羨ましい 173 00:13:50,075 --> 00:13:55,080 こんな楽しい所で 気ままに 暮らしていらっしゃるのですね 174 00:13:55,080 --> 00:13:59,084 いや… ハッハッハ… 175 00:13:59,084 --> 00:14:02,087 我ながら・ 176 00:14:02,087 --> 00:14:07,092 父 家康に鬼っ子と言われ・ 177 00:14:07,092 --> 00:14:10,092 捨てられ そして追放 178 00:14:12,097 --> 00:14:16,101 我慢できずに こんな所まで 飛び出してきてしまったが・ 179 00:14:16,101 --> 00:14:18,103 千 180 00:14:18,103 --> 00:14:25,103 そちも徳川に生まれたばかりに 見なくてもよい地獄を見たな 181 00:14:27,045 --> 00:14:31,049 千は 徳川の人身御供 182 00:14:31,049 --> 00:14:36,054 政のために操られた人形でした 183 00:14:36,054 --> 00:14:41,054 祖父も父も 私の幸せを踏みにじった 184 00:14:43,061 --> 00:14:47,065 恨みは 終生 忘れませぬ 185 00:14:47,065 --> 00:14:49,067 そんな お前に・ 186 00:14:49,067 --> 00:14:54,072 何一つしてやることが できなかった自分が恥ずかしい 187 00:14:54,072 --> 00:14:58,076 千… 許せよ 188 00:14:58,076 --> 00:15:02,080 いいえ 叔父上は お優しかった 189 00:15:02,080 --> 00:15:05,083 覚えて… おられまするか? 190 00:15:05,083 --> 00:15:09,087 幼いころ お城の天守へ 連れていってくださいました 191 00:15:09,087 --> 00:15:13,091 んー 千は 高い所が大好きだったな 192 00:15:13,091 --> 00:15:15,093 はい 193 00:15:15,093 --> 00:15:19,031 天守からは 青い海が見えました 194 00:15:19,031 --> 00:15:23,031 広くて深ーい… 伸びやかな海が 195 00:15:25,037 --> 00:15:27,037 千 196 00:15:29,041 --> 00:15:34,046 ちまたに聞こえる噂のことだがな 197 00:15:34,046 --> 00:15:37,049 お訪ねしたのも そのことでした 198 00:15:37,049 --> 00:15:39,051 身に覚えなき このたびの一件 199 00:15:39,051 --> 00:15:42,051 言われなき そしりを受けて 悔しゅうございます 200 00:15:48,060 --> 00:15:51,063 安心いたした 201 00:15:51,063 --> 00:15:54,066 千 202 00:15:54,066 --> 00:15:57,069 そなた 誰かに 恨みを買ってはいないか? 203 00:15:57,069 --> 00:16:00,072 恨まれる? うん 204 00:16:00,072 --> 00:16:04,076 誰かが そなたを 陥れようとしているような・ 205 00:16:04,076 --> 00:16:06,078 そんな気がしてならん 206 00:16:06,078 --> 00:16:18,090 ・~ 207 00:16:18,090 --> 00:16:22,027 (千姫) 屋敷も ほど近ければ これにて 208 00:16:22,027 --> 00:16:25,027 ありがとうございました 209 00:16:27,032 --> 00:16:29,034 千 210 00:16:29,034 --> 00:16:32,037 広くて透き通った海のように・ 211 00:16:32,037 --> 00:16:36,041 そんな伸びやかな心を 取り戻してくれ 212 00:16:36,041 --> 00:16:40,045 祖父や父への恨みなど忘れて・ 213 00:16:40,045 --> 00:16:44,049 新しい夢を見てくれ 214 00:16:44,049 --> 00:16:48,053 今更 どんな夢を… 215 00:16:48,053 --> 00:16:53,053 それは そなたが捜し出すより他はない 216 00:16:55,060 --> 00:17:00,065 松阪 くれぐれも千のこと頼むぞ 217 00:17:00,065 --> 00:17:18,065 ・~ 218 00:17:22,020 --> 00:17:24,022 黒鍬者 219 00:17:24,022 --> 00:17:27,022 いつまで付きまとう? 220 00:17:32,030 --> 00:17:34,030 フフフフ… 221 00:17:36,034 --> 00:17:38,036 才次か はっ 222 00:17:38,036 --> 00:17:40,038 頼みがある 223 00:17:40,038 --> 00:17:44,038 坂崎出羽守の国元まで飛んでくれ かしこまりました 224 00:17:47,079 --> 00:17:50,079 今夜も無駄足だったか… 225 00:17:59,091 --> 00:18:01,091 申し 226 00:18:04,096 --> 00:18:06,096 目隠しを取られよ 227 00:18:17,042 --> 00:18:20,042 千姫様であらせられる 228 00:18:22,047 --> 00:18:24,049 (志乃)苦しゅうない 229 00:18:24,049 --> 00:18:27,052 今宵は無礼講 230 00:18:27,052 --> 00:18:29,054 楽しゅう過ごそうぞ 231 00:18:29,054 --> 00:18:32,057 その前に 顔が拝みてえ 232 00:18:32,057 --> 00:18:34,059 (志乃)お万 233 00:18:34,059 --> 00:18:43,068 ・~ 234 00:18:43,068 --> 00:18:46,071 お前さんが千姫様かい? 235 00:18:46,071 --> 00:18:49,074 フッ… 冗談は よしてくれ 236 00:18:49,074 --> 00:18:54,079 偽者になるってのは 千姫に遺恨でもあるのか? 237 00:18:54,079 --> 00:19:03,088 ・~ 238 00:19:03,088 --> 00:19:07,092 わらわは千姫じゃ 239 00:19:07,092 --> 00:19:09,092 抱いてたもれ 240 00:19:14,099 --> 00:19:16,034 お断りだ 241 00:19:16,034 --> 00:19:18,036 (お万)無礼な! 無礼講と言ったぞ 242 00:19:18,036 --> 00:19:21,039 千姫の名をかたる訳 聞かせてもらおうか 243 00:19:21,039 --> 00:19:23,041 (志乃)んっ… 244 00:19:23,041 --> 00:19:27,045 くせ者じゃ! 出合え 出合えー! 245 00:19:27,045 --> 00:19:29,047 (侍の力み声) 246 00:19:29,047 --> 00:19:31,047 (侍のうめき声) 247 00:19:34,052 --> 00:19:37,055 貴様か… 248 00:19:37,055 --> 00:19:40,058 柳生十兵衛と知ってのことか 249 00:19:40,058 --> 00:19:42,060 (平四郎)柳生十兵衛… 250 00:19:42,060 --> 00:19:44,062 生かして帰すな! 251 00:19:44,062 --> 00:19:46,064 (侍たちの力み声) (侍のうめき声) 252 00:19:46,064 --> 00:20:06,084 ・~ 253 00:20:06,084 --> 00:20:11,089 えい お前たちは どこの家臣だ? あの女は何者だ・ 254 00:20:11,089 --> 00:20:13,091 (侍)ううっ! 255 00:20:13,091 --> 00:20:24,035 ・~ 256 00:20:24,035 --> 00:20:26,037 ・(才次)失礼します おお 才次か 257 00:20:26,037 --> 00:20:28,039 遠いとこ ご苦労だった 258 00:20:28,039 --> 00:20:30,041 (才次)いえ 石見の国なんざ ひとっ飛びでさあ 259 00:20:30,041 --> 00:20:32,043 ねえ 才次 260 00:20:32,043 --> 00:20:36,047 偽の千姫について 何かつかめた? (才次)ああ 261 00:20:36,047 --> 00:20:39,050 坂崎出羽守様には 許嫁がいたそうです 262 00:20:39,050 --> 00:20:42,053 ん? 御家中の娘で 名前は志乃 263 00:20:42,053 --> 00:20:45,056 ですが 大阪夏の陣のあとで・ 264 00:20:45,056 --> 00:20:48,059 大御所様の千姫様を嫁にという お約束をし・ 265 00:20:48,059 --> 00:20:53,064 自ら身を引いて 国を出てったとか (嵐)はっ… かわいそう… 266 00:20:53,064 --> 00:20:58,069 でも その人なら千姫様を恨んでも 不思議はありませんよね 267 00:20:58,069 --> 00:21:01,072 で その志乃とやらの行方は 分からんのか? 268 00:21:01,072 --> 00:21:03,074 へい 志乃さんには・ 269 00:21:03,074 --> 00:21:08,079 出羽守様の家臣で 福島主水正という叔父がいます 270 00:21:08,079 --> 00:21:12,083 お家廃絶の後 江戸へ出たそうで 271 00:21:12,083 --> 00:21:15,086 (千代乃太夫)幻さん 272 00:21:15,086 --> 00:21:18,089 では 志乃さんも 叔父さんを捜して 江戸へ… 273 00:21:18,089 --> 00:21:22,093 皆で手分けして そのお方を捜し出しましょう 274 00:21:22,093 --> 00:21:24,095 そう来なくっちゃ 275 00:21:24,095 --> 00:21:26,097 気をつけろよ 276 00:21:26,097 --> 00:21:29,097 この一件 黒鍬者が動いてるぞ 277 00:21:31,102 --> 00:21:33,104 なるほど 278 00:21:33,104 --> 00:21:37,108 坂崎出羽守の許嫁か 279 00:21:37,108 --> 00:21:41,112 ありえるな 幻さん んー 280 00:21:41,112 --> 00:21:45,116 あってほしくは… ないもんだ (碁石を打つ音) 281 00:21:45,116 --> 00:21:47,118 んっ あっ 待った! 282 00:21:47,118 --> 00:21:49,120 待ったなしだぜ ハハハハ… 283 00:21:49,120 --> 00:21:51,122 んー… 284 00:21:51,122 --> 00:21:53,124 幻さん おー 285 00:21:53,124 --> 00:21:55,126 福島主水正の行方が知れました おっ 286 00:21:55,126 --> 00:21:59,130 神田明神下で 「天眞館」という 町道場を開いています 287 00:21:59,130 --> 00:22:02,133 よし 俺が行こう 十兵衛 288 00:22:02,133 --> 00:22:04,133 次の手を考えときな あっ 幻さん… 289 00:22:06,137 --> 00:22:10,141 ・(門下生たちの力み声) 290 00:22:10,141 --> 00:22:16,081 (主水正)昨夜 邪魔立ていたしたは 確かに柳生十兵衛殿か? 291 00:22:16,081 --> 00:22:18,083 はい 292 00:22:18,083 --> 00:22:24,089 あの新陰流の太刀筋と腕前 間違いありません 293 00:22:24,089 --> 00:22:30,095 十兵衛は 将軍家 指南役を追われ・ 294 00:22:30,095 --> 00:22:33,098 今や 孤立無援の浪々の身と聞く 295 00:22:33,098 --> 00:22:36,101 恐れるに足りぬ輩よ 296 00:22:36,101 --> 00:22:38,103 御意 297 00:22:38,103 --> 00:22:42,107 志乃 ひるむなよ 298 00:22:42,107 --> 00:22:46,111 心を凍らせ 復讐の夜叉となるのだ 299 00:22:46,111 --> 00:22:50,115 叔父上 御念には及びませぬ 300 00:22:50,115 --> 00:22:54,119 必ず 千姫様に 思い知らせてやりまする 301 00:22:54,119 --> 00:22:56,121 うん 302 00:22:56,121 --> 00:23:01,126 亡き殿も 草葉の陰で お喜びであろう 303 00:23:01,126 --> 00:23:04,129 (門下生)先生 道場破りです! (主水正)んっ・ 304 00:23:04,129 --> 00:23:07,132 (忠輝と門下生の力み声) 305 00:23:07,132 --> 00:23:10,132 (門下生)うっ… 参りました! 306 00:23:14,139 --> 00:23:17,139 平四郎 待て 307 00:23:20,078 --> 00:23:23,081 参られよ 308 00:23:23,081 --> 00:23:25,081 お願いいたす 309 00:23:37,095 --> 00:23:39,095 (主水正の力み声) 310 00:23:43,101 --> 00:23:45,101 (力み声) 311 00:23:49,107 --> 00:23:51,107 (力み声) 待った 312 00:23:54,112 --> 00:23:56,114 参りました 313 00:23:56,114 --> 00:23:58,116 いやー お強い 314 00:23:58,116 --> 00:24:01,119 身共には とてもとても… 315 00:24:01,119 --> 00:24:04,122 (主水正)お主 名は? 316 00:24:04,122 --> 00:24:07,125 廓幻之介と申す 317 00:24:07,125 --> 00:24:10,128 廓殿? 318 00:24:10,128 --> 00:24:12,130 風変わりな名前よな 319 00:24:12,130 --> 00:24:15,133 アハハハハ… 320 00:24:15,133 --> 00:24:17,068 福島殿 321 00:24:17,068 --> 00:24:21,072 折り入って 話がある 322 00:24:21,072 --> 00:24:25,076 お国は 石見 津和野とか 323 00:24:25,076 --> 00:24:29,076 亡くなられた坂崎出羽守の 家臣でござろう 324 00:24:31,082 --> 00:24:36,087 主人を亡くし 禄を離れ 浪々10年余り 325 00:24:36,087 --> 00:24:43,094 さぞかし ご苦労なさったことと お察しいたす 326 00:24:43,094 --> 00:24:48,099 なれど 己に降りかかった災いを・ 327 00:24:48,099 --> 00:24:54,105 他人のせいと恨むは 詮なきことではござらぬか? 328 00:24:54,105 --> 00:24:56,107 ほう 329 00:24:56,107 --> 00:25:00,111 されば廓殿は 泣き寝入りせいと言われるのか? 330 00:25:00,111 --> 00:25:02,113 ハッ… いやいや そうは申さぬ 331 00:25:02,113 --> 00:25:09,120 ただ 無縁の者に災いを振りまくは 無法でござろう 332 00:25:09,120 --> 00:25:12,123 おっ ところで福島殿には・ 333 00:25:12,123 --> 00:25:16,061 確か 美しい姪御がおられると聞いたが 334 00:25:16,061 --> 00:25:21,066 不躾だが ぜひ会わせていただきたい 335 00:25:21,066 --> 00:25:23,066 さような者は おらん 336 00:25:29,074 --> 00:25:32,077 偽りを申されるのは・ 337 00:25:32,077 --> 00:25:34,079 何か やましいことが おありかな? 338 00:25:34,079 --> 00:25:36,079 無礼な! 339 00:25:41,086 --> 00:25:43,088 フフフフフ… 340 00:25:43,088 --> 00:25:47,092 何を探りに来たかは知らぬが・ 341 00:25:47,092 --> 00:25:49,094 廓殿… 342 00:25:49,094 --> 00:25:53,098 いや 松平忠輝殿 ここで死んでもらおう! 343 00:25:53,098 --> 00:25:57,102 フッハッハッハ… 344 00:25:57,102 --> 00:26:01,106 とうとう本性を現したな 345 00:26:01,106 --> 00:26:04,106 (爆発音) 346 00:26:09,114 --> 00:26:12,117 無用の血は流したくはない 347 00:26:12,117 --> 00:26:15,120 さあ どうする? 348 00:26:15,120 --> 00:26:17,120 手出しするな 349 00:26:19,057 --> 00:26:21,059 さて 福島殿 350 00:26:21,059 --> 00:26:24,062 お見送り願おうか 351 00:26:24,062 --> 00:26:35,073 ・~ 352 00:26:35,073 --> 00:26:46,084 ・~ 353 00:26:46,084 --> 00:26:49,084 フフッ お見送り ご苦労 354 00:26:51,089 --> 00:26:53,089 追え! (平四郎たち)はっ! 355 00:26:58,062 --> 00:27:01,062 (志乃)我が望み かなえたまえ 356 00:27:04,068 --> 00:27:06,070 志乃さん 357 00:27:06,070 --> 00:27:10,074 ハッ いや 千姫様 358 00:27:10,074 --> 00:27:12,076 (力み声) (お万)うっ… 359 00:27:12,076 --> 00:27:14,076 いやいや すまんな 360 00:27:17,015 --> 00:27:20,018 私は松平忠輝 361 00:27:20,018 --> 00:27:22,020 千姫の叔父だ 362 00:27:22,020 --> 00:27:24,020 (力み声) 363 00:27:26,024 --> 00:27:31,029 千姫様への恨み 晴らさではおきませぬ! 364 00:27:31,029 --> 00:27:34,032 なぜ 千を恨む? 千姫様は・ 365 00:27:34,032 --> 00:27:40,038 出羽守様に嫁ぐ約束を反故にして 本多家へ お輿入れなされた 366 00:27:40,038 --> 00:27:42,040 うっ… 367 00:27:42,040 --> 00:27:47,045 出羽守との約束は 家康公が勝手にしたことだ 368 00:27:47,045 --> 00:27:51,049 千は知らぬ 言い訳は聞かぬ! 369 00:27:51,049 --> 00:27:54,052 なんの罪もない出羽守様を失い・ 370 00:27:54,052 --> 00:27:59,057 路頭に迷った我らの苦しみ 分かるはずもない 371 00:27:59,057 --> 00:28:03,061 のうのうと栄耀栄華の日々を 送っている千姫様とは・ 372 00:28:03,061 --> 00:28:07,065 無縁の地獄に 我らはいるのです 373 00:28:07,065 --> 00:28:11,065 ・ その思い 千姫に ぶつけてみちゃどうだい 374 00:28:15,006 --> 00:28:17,008 どうした? 十兵衛 375 00:28:17,008 --> 00:28:20,008 この娘とは ちょいと顔見知りでな 376 00:28:22,013 --> 00:28:24,015 志乃 377 00:28:24,015 --> 00:28:27,018 千姫に会いたくはねえのかい? 378 00:28:27,018 --> 00:28:29,020 望むところなれど・ 379 00:28:29,020 --> 00:28:32,023 身分違いの姫様に 会う手だてはない 380 00:28:32,023 --> 00:28:34,025 いいや 381 00:28:34,025 --> 00:28:38,029 そなたが望むならば いつでも会ってもらおう 382 00:28:38,029 --> 00:28:40,031 俺が付き添ってやるが どうだ? 383 00:28:40,031 --> 00:28:42,033 案じるな 384 00:28:42,033 --> 00:28:45,033 お前の無事は 俺が保証してやるぜ 385 00:28:47,038 --> 00:28:49,038 さあ 386 00:28:56,047 --> 00:28:59,050 千姫様に会わせてください 387 00:28:59,050 --> 00:29:01,052 うん 388 00:29:01,052 --> 00:29:20,004 ・~ 389 00:29:20,004 --> 00:29:38,022 ・~ 390 00:29:38,022 --> 00:29:42,022 志乃殿… ですね? 391 00:29:44,028 --> 00:29:46,028 千です 392 00:29:48,032 --> 00:29:54,038 私のために つらい思いをさせました 393 00:29:54,038 --> 00:29:57,041 許してたもれ 394 00:29:57,041 --> 00:30:00,044 そなただけではない 395 00:30:00,044 --> 00:30:03,047 お家改易で 禄を失った・ 396 00:30:03,047 --> 00:30:07,051 出羽守様の 御家中の者たちのご辛苦・ 397 00:30:07,051 --> 00:30:10,054 察するにあまりあります 398 00:30:10,054 --> 00:30:12,056 ハッ… 聞かぬ! 399 00:30:12,056 --> 00:30:13,991 叔父上 400 00:30:13,991 --> 00:30:16,991 留めだて無用です 401 00:30:25,002 --> 00:30:38,015 ・~ 402 00:30:38,015 --> 00:30:51,028 ・~ 403 00:30:51,028 --> 00:30:53,030 ハッ… 404 00:30:53,030 --> 00:31:01,038 ・~ 405 00:31:01,038 --> 00:31:03,040 うっ! 千! 406 00:31:03,040 --> 00:31:06,043 叔父上 いいのです! 叔父上 407 00:31:06,043 --> 00:31:14,051 ・~ 408 00:31:14,051 --> 00:31:17,054 姫… 409 00:31:17,054 --> 00:31:20,057 志乃殿 410 00:31:20,057 --> 00:31:23,060 この血の一滴で・ 411 00:31:23,060 --> 00:31:27,064 そなたの恨みが晴れるとは思わぬ 412 00:31:27,064 --> 00:31:33,064 千の罪が償えるとも思いはせぬ 413 00:31:35,072 --> 00:31:39,076 出羽守様の無念を思えば・ 414 00:31:39,076 --> 00:31:42,076 胸 塞がる思いです 415 00:31:44,081 --> 00:31:51,088 千は この10年余り 心で詫びて・ 416 00:31:51,088 --> 00:31:57,088 出羽守様の菩提を ひそかに弔ってきました 417 00:32:00,097 --> 00:32:02,099 (力み声) 千! 418 00:32:02,099 --> 00:32:05,102 ハァ ハァ… 419 00:32:05,102 --> 00:32:07,104 志乃殿 420 00:32:07,104 --> 00:32:10,107 遠慮は いらぬ 421 00:32:10,107 --> 00:32:17,107 さあ… 思いのまま 恨みを晴らすがよい 422 00:32:21,052 --> 00:32:23,054 志乃 423 00:32:23,054 --> 00:32:26,054 これで分かったろ 424 00:32:31,062 --> 00:32:35,066 千… 千! 425 00:32:35,066 --> 00:32:39,070 千! 千! 426 00:32:39,070 --> 00:32:41,070 千! 427 00:32:45,076 --> 00:32:47,076 お嬢様 428 00:32:49,080 --> 00:32:51,080 ご無事で… 429 00:32:54,085 --> 00:32:56,087 千姫様に会いました 430 00:32:56,087 --> 00:32:58,089 なんと・ 431 00:32:58,089 --> 00:33:01,089 それでは討ち果たしたのか? 432 00:33:04,095 --> 00:33:10,101 私に… 千姫様は討てませぬ 433 00:33:10,101 --> 00:33:12,101 志乃 434 00:33:14,038 --> 00:33:16,040 (志乃)私は この10年・ 435 00:33:16,040 --> 00:33:20,040 千姫様を恨み続けて 生きてきました 436 00:33:22,046 --> 00:33:27,051 千姫様に災いあれと 我が身を辱めてもきました 437 00:33:27,051 --> 00:33:30,054 ですが・ 438 00:33:30,054 --> 00:33:33,057 今日 千姫様にお会いして・ 439 00:33:33,057 --> 00:33:37,057 初めて 己の愚かさに気付きました 440 00:33:39,063 --> 00:33:42,066 恨みに恨みを重ねたとて・ 441 00:33:42,066 --> 00:33:45,069 詮ないことです 442 00:33:45,069 --> 00:33:47,071 志乃! 443 00:33:47,071 --> 00:33:49,073 千姫に たぶらかされたな? 444 00:33:49,073 --> 00:33:52,076 いいえ 叔父上 445 00:33:52,076 --> 00:33:56,080 千姫様に敵をなすのは おやめください 446 00:33:56,080 --> 00:34:02,080 今までの罪を 潔く償ってください 447 00:34:06,090 --> 00:34:09,093 ・ 私は 御公儀に名乗り出て・ 448 00:34:09,093 --> 00:34:13,030 全てのことを明るみに出します 449 00:34:13,030 --> 00:34:16,033 待て 志乃 450 00:34:16,033 --> 00:34:21,038 訴えずとも 御公儀は すでに承知よ 451 00:34:21,038 --> 00:34:24,041 聞け 志乃 452 00:34:24,041 --> 00:34:28,045 我らは 御老中 松平伊豆守様の 指図で動き・ 453 00:34:28,045 --> 00:34:31,048 事をなしてきたのだぞ 454 00:34:31,048 --> 00:34:34,051 (主水正の声)上首尾なれば・ 455 00:34:34,051 --> 00:34:38,055 我らに禄を遣わすとの約束なのだ 456 00:34:38,055 --> 00:34:40,055 なんと… 457 00:34:42,059 --> 00:34:45,062 亡き殿の ご無念を晴らすためでは なかったのですか? 458 00:34:45,062 --> 00:34:50,062 そう思い込んでいたのは 志乃 お前1人よ 459 00:34:54,071 --> 00:34:57,074 叔父上 460 00:34:57,074 --> 00:35:01,078 初めから 志乃を欺かれたのですね 461 00:35:01,078 --> 00:35:04,081 やっと得心したか 462 00:35:04,081 --> 00:35:07,084 お前は役に立ったが・ 463 00:35:07,084 --> 00:35:09,086 心変わりしたからには 用はない! 464 00:35:09,086 --> 00:35:11,088 (志乃のうめき声) 465 00:35:11,088 --> 00:35:13,088 (主水正の力み声) (志乃のうめき声) 466 00:35:15,026 --> 00:35:19,030 (刀を抜く音) ハッ… 467 00:35:19,030 --> 00:35:23,034 ハッ… ハァ… 468 00:35:23,034 --> 00:35:31,042 ・~ 469 00:35:31,042 --> 00:35:33,044 なんだと 志乃が・ 470 00:35:33,044 --> 00:35:35,046 (嵐)斬ったのは その志乃さんの叔父貴よ 471 00:35:35,046 --> 00:35:38,049 そいつが 全てを仕組んでたの 許せない! 472 00:35:38,049 --> 00:35:41,052 俺もだ 473 00:35:41,052 --> 00:35:45,056 10年の恩讐を越えて ようやく立ち直った娘を… 474 00:35:45,056 --> 00:35:49,060 幻さん こいつは俺に任せてもらうぜ 475 00:35:49,060 --> 00:36:00,071 ・~ 476 00:36:00,071 --> 00:36:05,076 (千姫)私は 自分の罪の深さを知りました 477 00:36:05,076 --> 00:36:09,080 志乃殿を こんな目に遭わせた人たちへの・ 478 00:36:09,080 --> 00:36:14,080 いさめの思いを込めて 髪を切ります 479 00:36:16,020 --> 00:36:18,022 松阪 480 00:36:18,022 --> 00:36:27,031 ・~ 481 00:36:27,031 --> 00:36:29,031 姫様… 482 00:36:47,084 --> 00:36:51,088 一歩なりとも通すわけにはいかん 483 00:36:51,088 --> 00:36:56,093 (一八)鬼っ子殿 今夜こそ決着をつけるぞ 484 00:36:56,093 --> 00:37:00,093 フフフフ… 望むところだ 485 00:37:04,101 --> 00:37:06,103 (一八)来い! 486 00:37:06,103 --> 00:37:11,103 斬れ! (黒鍬たちの力み声) 487 00:37:32,062 --> 00:37:35,065 柳生十兵衛三厳 488 00:37:35,065 --> 00:37:37,065 お命 頂戴に参上 489 00:37:40,070 --> 00:37:44,074 (門下生)己! てめえたちに用はねえ 490 00:37:44,074 --> 00:37:46,074 あるじを出せ! 491 00:37:52,082 --> 00:37:54,084 よくぞ参られた 十兵衛 492 00:37:54,084 --> 00:38:00,090 その首所望 置いていかれるがいい やかましい 493 00:38:00,090 --> 00:38:04,094 元 坂崎出羽守 家臣 福島主水正 494 00:38:04,094 --> 00:38:06,096 かわいい姪御 志乃を・ 495 00:38:06,096 --> 00:38:08,098 てめえの出世のために 千姫に仕立て上げ・ 496 00:38:08,098 --> 00:38:14,038 その たくらみが露見すりゃ 志乃を亡き者にした 497 00:38:14,038 --> 00:38:17,041 許せねえ 498 00:38:17,041 --> 00:38:20,044 この柳生十兵衛… 499 00:38:20,044 --> 00:38:22,046 貴様を斬る 500 00:38:22,046 --> 00:38:24,048 ほざけ 十兵衛 501 00:38:24,048 --> 00:38:28,052 皆の者 相手は1人ぞ 斬れ! 502 00:38:28,052 --> 00:38:30,052 (門下生たちのうめき声) 503 00:38:33,057 --> 00:38:35,059 てめえら… 504 00:38:35,059 --> 00:38:37,059 (門下生の力み声) (門下生のうめき声) 505 00:38:40,064 --> 00:38:42,066 雁首そろえて… 506 00:38:42,066 --> 00:38:44,066 (門下生の力み声) (うめき声) 507 00:38:46,070 --> 00:38:49,073 地獄へ行け! 508 00:38:49,073 --> 00:38:52,076 (門下生たちの力み声) 509 00:38:52,076 --> 00:39:11,028 ・~ 510 00:39:11,028 --> 00:39:13,030 嵐! 511 00:39:13,030 --> 00:39:15,032 (力み声) 512 00:39:15,032 --> 00:39:35,052 ・~ 513 00:39:35,052 --> 00:39:55,072 ・~ 514 00:39:55,072 --> 00:40:15,025 ・~ 515 00:40:15,025 --> 00:40:27,025 ・~ 516 00:40:29,039 --> 00:40:33,039 てめえら 今日は許さねえ 517 00:40:39,049 --> 00:40:41,051 (黒鍬の力み声) (力み声) 518 00:40:41,051 --> 00:40:44,054 (黒鍬たちのうめき声) 519 00:40:44,054 --> 00:40:49,054 (黒鍬の力み声) (うめき声) 520 00:40:55,065 --> 00:40:59,065 (一八の力み声) (力み声) 521 00:41:05,075 --> 00:41:10,075 (息遣い) 522 00:41:18,088 --> 00:41:20,090 (侍の力み声) 523 00:41:20,090 --> 00:41:24,094 (侍たちのうめき声) 524 00:41:24,094 --> 00:41:43,113 ・~ 525 00:41:43,113 --> 00:41:46,116 (お万の力み声) (うめき声) 526 00:41:46,116 --> 00:41:54,124 ・~ 527 00:41:54,124 --> 00:41:57,127 (平四郎のうめき声) 528 00:41:57,127 --> 00:42:08,138 ・~ 529 00:42:08,138 --> 00:42:12,076 (力み声) 530 00:42:12,076 --> 00:42:16,080 (うめき声) 531 00:42:16,080 --> 00:42:18,080 (十兵衛と主水正の力み声) (主水正のうめき声) 532 00:42:20,084 --> 00:42:23,087 ああっ… 533 00:42:23,087 --> 00:42:26,090 帰るぜ 534 00:42:26,090 --> 00:42:28,090 酒が飲みてえ 535 00:42:48,112 --> 00:42:51,115 千… 536 00:42:51,115 --> 00:42:53,117 その姿… 537 00:42:53,117 --> 00:43:01,125 ・~ 538 00:43:01,125 --> 00:43:04,128 叔父上 539 00:43:04,128 --> 00:43:10,067 私は犠牲になった人たちを 弔っていきます 540 00:43:10,067 --> 00:43:13,070 千 541 00:43:13,070 --> 00:43:16,073 お前という女は… 542 00:43:16,073 --> 00:43:26,083 ・~ 543 00:43:26,083 --> 00:43:31,088 ♪(謡) 544 00:43:31,088 --> 00:43:50,107 ♪~ 545 00:43:50,107 --> 00:44:09,126 ・~ 546 00:44:09,126 --> 00:44:12,062 (男性) 嵐さん あっしらの出番ですよ 547 00:44:12,062 --> 00:44:14,064 私? 私? ハハハ (男性)そう! 548 00:44:14,064 --> 00:44:17,067 そう! (嵐)うれしい… さあ いくわよ 549 00:44:17,067 --> 00:44:19,069 さあ みんな みんな… せーの (男性)せーの 550 00:44:19,069 --> 00:44:29,079 ♪(嵐・男性)高い山から谷底見れば どっこいしょ 551 00:44:29,079 --> 00:44:35,085 ♪~ 552 00:44:35,085 --> 00:44:37,087 (嵐たちの笑い声) 幻さん 553 00:44:37,087 --> 00:44:39,089 おっ 554 00:44:39,089 --> 00:44:41,091 さあ 555 00:44:41,091 --> 00:44:50,100 ・~ 556 00:44:50,100 --> 00:44:55,105 <男心を男が知って 花の吉原が さんざめく> 557 00:44:55,105 --> 00:45:01,105 <この日 千姫は出家して その名を「天樹院」と号した> 558 00:45:03,113 --> 00:45:09,119 ・『黄昏を見たことがない』 559 00:45:09,119 --> 00:45:15,058 ・ 黄昏を知らない人に 560 00:45:15,058 --> 00:45:22,065 ・ いつからかなってしまい 561 00:45:22,065 --> 00:45:28,071 ・ 心の中の悲しい影を 562 00:45:28,071 --> 00:45:34,077 ・ みんな気づいていない 563 00:45:34,077 --> 00:45:40,083 ・ しあわせを待ちきれない 564 00:45:40,083 --> 00:45:50,093 ・ 昼と夜の真中あたり 565 00:45:50,093 --> 00:45:56,099 ・ だけど あなた もう泣かないで 566 00:45:56,099 --> 00:46:03,106 ・ このぼくがそばにいる 567 00:46:03,106 --> 00:46:08,111 ・ 黄昏が 黄昏が 568 00:46:08,111 --> 00:46:15,052 ・ あなたの心を透かして見せる 569 00:46:15,052 --> 00:46:17,052 ・~ 570 00:46:21,058 --> 00:46:24,061 <千代乃太夫が 殿様に惚れた> 571 00:46:24,061 --> 00:46:29,066 <かなわぬ恋と知りつつも 一途に尽くす花魁を 刺客が襲う> 572 00:46:29,066 --> 00:46:31,068 <千代乃を救う十兵衛> 573 00:46:31,068 --> 00:46:35,072 <吉原を舞台に お家乗っ取りの陰謀が渦巻く> 574 00:46:35,072 --> 00:46:37,074 <陰謀を暴く幻之介> 575 00:46:37,074 --> 00:46:40,077 <ご存じ 幻之介 十兵衛が活躍する> 576 00:46:40,077 --> 00:46:44,081 <次回 『徳川無頼帳』 「悲恋で染めた七夜月」> 577 00:46:44,081 --> 00:46:46,081 <ご期待ください>