1 00:01:22,110 --> 00:01:24,110 2 00:01:43,998 --> 00:02:04,018 ♬~ 3 00:02:04,018 --> 00:02:23,971 ♬~ 4 00:02:23,971 --> 00:02:42,990 ♬~ 5 00:02:42,990 --> 00:02:47,990 ♬~ 6 00:02:57,004 --> 00:03:00,007 (拍子木を打つ音) (喜久造)御用だ! 7 00:03:00,007 --> 00:03:02,009 御用だ! 8 00:03:02,009 --> 00:03:04,011 (嵐)ほっ (喜久造)やあ! 9 00:03:04,011 --> 00:03:06,013 (嵐)ほっ (喜久造)とうっ! 10 00:03:06,013 --> 00:03:08,015 ほっ (喜久造)よおっ 11 00:03:08,015 --> 00:03:11,018 んんっ 12 00:03:11,018 --> 00:03:16,023 五右衛門! あっ あ 召し捕った~ 13 00:03:16,023 --> 00:03:18,025 (十兵衛のあくび) 14 00:03:18,025 --> 00:03:21,028 あー つまんねえ芝居 あー… 15 00:03:21,028 --> 00:03:23,965 (ナレーター)<柳生十兵衛三厳> 16 00:03:23,965 --> 00:03:26,968 <将軍家 指南役 柳生の嫡男でいながら➡ 17 00:03:26,968 --> 00:03:32,974 なぜか家光に追放され 吉原で用心棒として生きている> 18 00:03:32,974 --> 00:03:35,977 (玉次郎)三十数年前に死んだ 大泥棒の話なんか… プッ 19 00:03:35,977 --> 00:03:37,979 今どき 流行らねえや 20 00:03:37,979 --> 00:03:41,983 (千代乃太夫)第一 下手すぎます 形にもなんにもなってやしない 21 00:03:41,983 --> 00:03:44,986 ひどい 喜久造がヘタクソだから そう見えるんでしょ 22 00:03:44,986 --> 00:03:48,990 あっ ヘタクソは あんたなの! (玉次郎)似たようなもんさ 23 00:03:48,990 --> 00:03:52,994 秋葉権現の秋祭りは 吉原じゅうが楽しみにしてるんだ 24 00:03:52,994 --> 00:03:54,996 お前たちが出ちゃ 場壊しだ 25 00:03:54,996 --> 00:04:00,001 けど 毎年毎年 芸者衆の踊りと 素人芝居だけじゃねえですか 26 00:04:00,001 --> 00:04:02,003 こちとら もう飽き飽き… 27 00:04:02,003 --> 00:04:04,005 だから威勢のいいやつ やらかそうってんで➡ 28 00:04:04,005 --> 00:04:06,007 わちきが大泥棒 石川五右衛門に ふんして パーッと… 29 00:04:06,007 --> 00:04:08,009 (雲)そんな場合じゃないわよ! 30 00:04:08,009 --> 00:04:10,011 (霞)わちきらのタンスに こんなものが… 31 00:04:10,011 --> 00:04:13,014 (嵐)えっ? なになに? 32 00:04:13,014 --> 00:04:17,018 「二代目 石川五右衛門 参上」 33 00:04:17,018 --> 00:04:20,021 盗まれたんですよ 大事なもの 大事なもの? 34 00:04:20,021 --> 00:04:23,958 脱いだばかりの真っ赤な腰巻き (嵐)はっ 35 00:04:23,958 --> 00:04:26,961 (五衛吉)んっ… 36 00:04:26,961 --> 00:04:29,964 さすが吉原~ 37 00:04:29,964 --> 00:04:31,966 いい腰巻きだぜ 38 00:04:31,966 --> 00:04:39,974 ♬~ 39 00:04:39,974 --> 00:04:42,974 痛っ… あっ… 40 00:04:45,980 --> 00:04:49,984 (天水桶が割れる音) (五衛吉のうめき声) 41 00:04:49,984 --> 00:04:52,984 イッテー… 42 00:04:57,992 --> 00:04:59,994 ここで転びやがったな 43 00:04:59,994 --> 00:05:02,997 瓦だって何枚も割れてるわよ ほら 44 00:05:02,997 --> 00:05:04,999 とうしろの ぬすっとってことですかね? 45 00:05:04,999 --> 00:05:07,001 吉原じゅうを荒らし回ってんだよ そんなはずはねえ 46 00:05:07,001 --> 00:05:12,006 腰巻きに興奮して 我を忘れたのかもしれないわねえ 47 00:05:12,006 --> 00:05:14,008 それにしても こんなものを残すとは➡ 48 00:05:14,008 --> 00:05:16,010 目立ちたがり屋のぬすっとだよ 49 00:05:16,010 --> 00:05:18,012 ≪(瓦版屋)さあ 大変だあ! 50 00:05:18,012 --> 00:05:21,015 ≪ 吉原に またまた 腰巻き泥棒が現れたよ 51 00:05:21,015 --> 00:05:24,952 その名は 言わずと知れた 二代目 石川五右衛門 52 00:05:24,952 --> 00:05:26,954 今度は いよいよ花房楼だ 53 00:05:26,954 --> 00:05:28,956 千代乃太夫の腰巻きは 無事だったが➡ 54 00:05:28,956 --> 00:05:32,960 再び狙わぬわきゃあない 今や風前のともし火だ 55 00:05:32,960 --> 00:05:35,963 いつ盗み出すか さあ 二代目 五右衛門と➡ 56 00:05:35,963 --> 00:05:39,967 日本一の千代乃太夫の 対決や いかに! 57 00:05:39,967 --> 00:05:41,969 さあ 続きは これを読んでくれ さあ こいつを読んでくれ 58 00:05:41,969 --> 00:05:44,972 さあ 1枚5文だ さあ 持っていきな さあ さあ… 59 00:05:44,972 --> 00:05:47,975 (おゆき) な~にが二代目 石川五右衛門よ 60 00:05:47,975 --> 00:05:51,979 肌着を盗むなんて 最っ低なヤツ! 61 00:05:51,979 --> 00:05:54,982 (平吉)そうかなあ 男なら誰だって➡ 62 00:05:54,982 --> 00:05:57,985 1度ぐらいは 女の肌着に 顔を埋めたいと思ってますよ 63 00:05:57,985 --> 00:05:59,987 ねえ 十兵衛さん えっ? アハッ 64 00:05:59,987 --> 00:06:02,990 俺は そんな趣味はねえよ (平吉)とかなんとか言っちゃって 65 00:06:02,990 --> 00:06:05,993 世の中には スケベじゃない男は いないんだから 66 00:06:05,993 --> 00:06:07,995 (おゆき)ちょいと! 十兵衛さんと腰巻き泥棒を➡ 67 00:06:07,995 --> 00:06:10,998 一緒にするんじゃないよ! (平吉)へいへい 68 00:06:10,998 --> 00:06:14,001 フフフ… あ~ やだ やだ 69 00:06:14,001 --> 00:06:17,004 どんな男なのかしら その最っ低な ぬすっと 70 00:06:17,004 --> 00:06:21,008 (玉次郎) 十兵衛さん そのことなんですがね んっ? 71 00:06:21,008 --> 00:06:22,943 (玉次郎) 瓦版屋が おもしろいことを 72 00:06:22,943 --> 00:06:26,947 ゴンタロウ長屋に最近 義賊が現れたんだそうで 73 00:06:26,947 --> 00:06:28,949 義賊? 74 00:06:28,949 --> 00:06:32,953 (お房)朝になって気付いたんだよ 土間に1両 放り込まれていたのを 75 00:06:32,953 --> 00:06:35,956 (お竹)こうやって洗濯やって 一日中 働き通しなんだもん 76 00:06:35,956 --> 00:06:39,960 ちょっとやそっとの物音じゃ 起きられやしないよ 77 00:06:39,960 --> 00:06:41,962 そいつは あんたのとこだけかい? 78 00:06:41,962 --> 00:06:44,965 いいや ここ何日の間に あっちにも こっちにも 79 00:06:44,965 --> 00:06:48,965 ああ… こんなものを 残しちゃいなかったですかい? 80 00:06:50,971 --> 00:06:52,973 (お竹・お房)ううん 81 00:06:52,973 --> 00:06:55,976 目立ちたがり屋が 残していかなかったってことは➡ 82 00:06:55,976 --> 00:06:59,980 二代目 五右衛門じゃねえっていう ことですかね 83 00:06:59,980 --> 00:07:02,983 ≪(子供たち)「子 曰わく➡ 84 00:07:02,983 --> 00:07:08,989 言を巧みにし 色を令くするは…」 ほう 85 00:07:08,989 --> 00:07:10,991 こんなとこに寺子屋があるのか 86 00:07:10,991 --> 00:07:13,994 はい 五衛吉さんとこでね 五衛吉? 87 00:07:13,994 --> 00:07:17,998 近所の子供たちを集めて 熱心に教えてくれるんですよ 88 00:07:17,998 --> 00:07:21,001 今どき珍しいねえ あんな堅物 (お房)うん 89 00:07:21,001 --> 00:07:22,937 ≪(弥吉)ここだ ここだーい! 90 00:07:22,937 --> 00:07:28,943 よーし やっちまえ! (弥吉たちの力み声) 91 00:07:28,943 --> 00:07:30,945 ちょっと待て! 待て! 92 00:07:30,945 --> 00:07:33,948 どうしようってんだ? ここには人が住んでんだぜ 93 00:07:33,948 --> 00:07:36,951 見て分かんねえかい? ぶっ壊すのさ! 94 00:07:36,951 --> 00:07:39,954 (権助)臭くてたまんねえからな この貧乏長屋は 95 00:07:39,954 --> 00:07:42,954 ≪(五衛吉) 臭けりゃ 鼻でも つまみなさい 96 00:07:46,961 --> 00:07:50,965 子 曰わく 君子は争う所なし 97 00:07:50,965 --> 00:07:53,968 むやみな争いは いけません 98 00:07:53,968 --> 00:07:56,971 ここの人たちは 江戸に出てきて この10年の間➡ 99 00:07:56,971 --> 00:07:58,973 必死に生きてきたんです 100 00:07:58,973 --> 00:08:03,978 その人たちに 思いやりの一つも 持てないようでは 人間のクズです 101 00:08:03,978 --> 00:08:05,980 何~!? (お房)そうだ そうだ! 102 00:08:05,980 --> 00:08:07,980 先生様の言うとおり! 103 00:08:11,986 --> 00:08:13,988 (弥吉)やかましい! おい やっちまえ! 104 00:08:13,988 --> 00:08:18,993 (弥吉たちの力み声) 105 00:08:18,993 --> 00:08:26,934 ♬~ 106 00:08:26,934 --> 00:08:29,937 (お房)先生… 107 00:08:29,937 --> 00:08:31,939 (お竹とお房の笑い声) (お房)やだわ! 108 00:08:31,939 --> 00:08:35,943 (お竹) ホントやんなっちゃうんだから… (お竹とお房の笑い声) 109 00:08:35,943 --> 00:08:37,945 「腰巻きを見る目つきは 異様だった」って➡ 110 00:08:37,945 --> 00:08:39,947 十兵衛さんが言ってたぜ 111 00:08:39,947 --> 00:08:41,949 けど 二代目 五右衛門ってわけは ねえでしょ 112 00:08:41,949 --> 00:08:45,953 あら 堅物ってえのは えてして 裏と表があるもんなのよ 極端に 113 00:08:45,953 --> 00:08:48,956 (玉次郎) お前さんにもあるよな 極端に (嵐)ないわよ フフッ… 114 00:08:48,956 --> 00:08:51,959 (玉次郎) だったら 一緒に大道具 作ろうぜ 主役やるんだろ? 115 00:08:51,959 --> 00:08:54,962 女に大工仕事やらせる気!? この人たち 116 00:08:54,962 --> 00:08:59,967 十兵衛さんは いかがお思いで? 117 00:08:59,967 --> 00:09:02,970 あの先生じゃないことを 願うだけだ 118 00:09:02,970 --> 00:09:05,973 随分 熱心な先生らしいからな 119 00:09:05,973 --> 00:09:08,976 まっ いずれにしても そのうち分かる 120 00:09:08,976 --> 00:09:12,980 二代目 五右衛門が お前さんのを盗みに来たときにな 121 00:09:12,980 --> 00:09:14,982 フッ… 122 00:09:14,982 --> 00:09:19,987 だが もうひとつだけ 気がかりなことがある 123 00:09:19,987 --> 00:09:22,923 えっ? 124 00:09:22,923 --> 00:09:24,923 長屋を襲った連中のことさ 125 00:09:31,932 --> 00:09:33,934 (石川屋)どんな邪魔が入ろうと どんな手を使おうと➡ 126 00:09:33,934 --> 00:09:37,938 あいつらを追い出して 長屋を取り壊すのが➡ 127 00:09:37,938 --> 00:09:41,942 お前さん方の仕事じゃないのか (弥吉)へい 128 00:09:41,942 --> 00:09:43,942 こんな手もあるんだよ 129 00:09:50,951 --> 00:09:52,953 (権助・弥吉)えっ!? 130 00:09:52,953 --> 00:09:56,957 (弥吉)ですが 石川屋の旦那 御公儀にでも… 131 00:09:56,957 --> 00:10:00,961 御公儀は こっちの味方 遠慮はいらん 132 00:10:00,961 --> 00:10:02,961 へい おい 133 00:10:07,968 --> 00:10:10,971 (石川屋) そうでございますな 浜野様 134 00:10:10,971 --> 00:10:13,974 (浜野)さよう わしが町奉行に返り咲けば➡ 135 00:10:13,974 --> 00:10:16,977 造作もないこと 136 00:10:16,977 --> 00:10:20,981 10年前も見事 もみ消してみせたではないか 137 00:10:20,981 --> 00:10:24,918 (石川屋)その分は たっぷり搾り取られました 138 00:10:24,918 --> 00:10:28,922 お前とて あの一件では 莫大な利益を得たではないか 139 00:10:28,922 --> 00:10:30,924 材木問屋としてなあ 140 00:10:30,924 --> 00:10:32,926 そのぐらい 儲けさせていただかないと➡ 141 00:10:32,926 --> 00:10:34,928 割が合いません 142 00:10:34,928 --> 00:10:38,932 女房 子供に見限られたくらいの 悪事ですからな 143 00:10:38,932 --> 00:10:42,936 ところで その後 あの2人は どうしておるのじゃ? 144 00:10:42,936 --> 00:10:46,940 女房のほうは 木曽の実家で 死んだらしいのですが➡ 145 00:10:46,940 --> 00:10:49,943 せがれのほうは どこで どうしていることやら 146 00:10:49,943 --> 00:10:51,943 (力み声) 147 00:10:57,951 --> 00:10:59,951 (拍子木を打つ音) 148 00:11:03,957 --> 00:11:06,957 (男性)大引けでござーい 149 00:11:09,963 --> 00:11:14,968 ≪(拍子木を打つ音) ≪ 大引けでござーい 150 00:11:14,968 --> 00:11:17,971 ≪(拍子木を打つ音) 151 00:11:17,971 --> 00:11:35,989 ♬~ 152 00:11:35,989 --> 00:11:38,989 (五衛吉) 《ちょっと見るぐらいなら…》 153 00:11:45,999 --> 00:11:50,003 《いかん いかん 目が潰れる》 154 00:11:50,003 --> 00:11:52,003 《腰巻き1筋でいいんだ》 155 00:11:55,008 --> 00:11:57,010 《んっ?》 156 00:11:57,010 --> 00:12:11,024 ♬~ 157 00:12:11,024 --> 00:12:23,971 ♬~ 158 00:12:23,971 --> 00:12:27,971 ≪ いいのかい? 先生が そんなことをして 159 00:12:29,977 --> 00:12:35,977 二面性は 人間の悲しい性なのだ 160 00:12:37,985 --> 00:12:40,988 どこ行きやがった!? よーし (喜久造)ああっ 161 00:12:40,988 --> 00:12:42,988 (玉次郎の力み声) (喜久造)待て こらー 162 00:12:47,995 --> 00:12:49,995 ハァ… 163 00:12:54,001 --> 00:12:59,001 そんなにまでして 欲しいものなのか? ん? 164 00:13:03,977 --> 00:13:07,981 (人々のざわめき) 165 00:13:07,981 --> 00:13:10,984 (五衛吉)さあさあ さあ 166 00:13:10,984 --> 00:13:13,987 私が噂の腰巻き泥棒 167 00:13:13,987 --> 00:13:16,990 二代目 石川五右衛門です! 168 00:13:16,990 --> 00:13:18,926 (人々の笑い声) 169 00:13:18,926 --> 00:13:22,930 (五衛吉)寺子屋の先生は 世を欺くための仮の姿 170 00:13:22,930 --> 00:13:25,933 いや~ 実に爽快だ! 171 00:13:25,933 --> 00:13:29,937 しゃちこばった仮面を脱ぎ捨て 本来の自分で生きるのです 172 00:13:29,937 --> 00:13:32,940 さあ 皆さんも… (雲)なんなの? あいつ 173 00:13:32,940 --> 00:13:36,944 全然 懲りないわねえ (玉次郎)困ったもんだぜ 174 00:13:36,944 --> 00:13:39,947 こうなったら次の手でいくしか ありやせんね 玉次郎兄 175 00:13:39,947 --> 00:13:41,949 よーし 来い (喜久造)へい 176 00:13:41,949 --> 00:13:44,952 (五衛吉)離しなさい 離しなさい 177 00:13:44,952 --> 00:13:47,955 子 曰わく 離しなさい 178 00:13:47,955 --> 00:13:50,958 (玉次郎の力み声) (喜久造の力み声) 179 00:13:50,958 --> 00:13:54,958 おい 今度は改心しろよ 分かったな!? 180 00:13:56,964 --> 00:13:58,966 ≪(蚊の羽音) 181 00:13:58,966 --> 00:14:01,969 ≪(五衛吉)あっ 蚊だ 182 00:14:01,969 --> 00:14:04,972 ≪ アイタッ… アイタッ… アイタッ… 183 00:14:04,972 --> 00:14:06,974 んっ… かゆい (もがき声) 184 00:14:06,974 --> 00:14:08,976 かゆい! あー かゆい! 185 00:14:08,976 --> 00:14:10,978 あー あー かゆい 186 00:14:10,978 --> 00:14:14,982 チクショウ! こうなりゃ とっておきの術だ 187 00:14:14,982 --> 00:14:17,985 だてに 二代目を 名乗ってるわけじゃねえんだ 188 00:14:17,985 --> 00:14:20,921 (関節が鳴る音) 189 00:14:20,921 --> 00:14:22,923 今頃きっと寡黙だよ 190 00:14:22,923 --> 00:14:24,925 肌着を盗んだ天罰 (嵐)いいえ 191 00:14:24,925 --> 00:14:27,925 わちきの盗まなかった天罰 192 00:14:33,934 --> 00:14:36,937 はっ 193 00:14:36,937 --> 00:14:40,941 関節外しの縄抜け こんなマネができるとは… 194 00:14:40,941 --> 00:14:42,943 ≪(五衛吉)あ… 195 00:14:42,943 --> 00:14:47,948 あははは… あ あ あ あ 196 00:14:47,948 --> 00:14:49,950 あー… んっ (力み声) 197 00:14:49,950 --> 00:14:52,953 さっ これでいい 198 00:14:52,953 --> 00:14:56,957 しかし縄抜けするのに 何も顎まで 外すことはないと思うんだがなあ 199 00:14:56,957 --> 00:14:58,959 フフフ… ハハハ… つい夢中になって 200 00:14:58,959 --> 00:15:02,963 まあ 熱心な先生と聞いていたが 見境がないらしいな 201 00:15:02,963 --> 00:15:04,965 なさすぎます 202 00:15:04,965 --> 00:15:09,970 腰巻きのために 吉原じゅうの女が どれほど嫌な思いをしたことか 203 00:15:09,970 --> 00:15:12,973 フフッ… すいません! 204 00:15:12,973 --> 00:15:15,976 ですが さすがは腰巻きの宝庫 205 00:15:15,976 --> 00:15:17,978 すばらしい肌触りでした~ 206 00:15:17,978 --> 00:15:19,913 最っ低 207 00:15:19,913 --> 00:15:22,916 そんなために盗んでたの? (五衛吉)はい 208 00:15:22,916 --> 00:15:25,916 それだけじゃあるまい 盗んだ理由は 209 00:15:30,924 --> 00:15:34,924 子 曰わく 欺くことなかれ 210 00:15:37,931 --> 00:15:41,931 おっかさんを思い出すんです 腰巻きは 211 00:15:43,937 --> 00:15:47,937 もう10年になるかなあ あっけなく死んでしまったのは 212 00:15:49,943 --> 00:15:52,946 土砂崩れで… 213 00:15:52,946 --> 00:15:55,949 土砂崩れ? ええ 214 00:15:55,949 --> 00:15:57,951 木曽の山あいに住んでいたんです 215 00:15:57,951 --> 00:16:00,954 おっかさんが 江戸に 嫁に来るまでは➡ 216 00:16:00,954 --> 00:16:05,959 緑が豊かで そりゃあ いいとこだったそうですよ 217 00:16:05,959 --> 00:16:07,961 けど 10年前に戻ってみると➡ 218 00:16:07,961 --> 00:16:11,965 木は全部 切り出されて 山は丸裸 219 00:16:11,965 --> 00:16:14,965 ちょっとの雨でも 斜面に水が流れ出す始末です 220 00:16:16,970 --> 00:16:20,907 (五衛吉の声) だから大雨の降った日に…➡ 221 00:16:20,907 --> 00:16:23,910 家も畑も 一飲みだった 222 00:16:23,910 --> 00:16:27,914 私は運良く助かったが… (五衛吉)((おっかさーん!)) 223 00:16:27,914 --> 00:16:29,916 ((おっかさん!)) (五衛吉の声)おっかさんは… 224 00:16:29,916 --> 00:16:33,920 (五衛吉) ((おっかさん! おっかさん!)) 225 00:16:33,920 --> 00:16:35,920 ((おっかさん!)) 226 00:16:38,925 --> 00:16:40,927 腰巻き1つ盗むにも➡ 227 00:16:40,927 --> 00:16:44,927 人には いろんな思いがあるってことか 228 00:16:48,935 --> 00:16:51,935 だが 盗みはやめろ 229 00:16:53,940 --> 00:16:55,942 恨みを買うだけだ 230 00:16:55,942 --> 00:16:58,942 でも 私は二代目 五右衛門を襲名… 231 00:17:02,949 --> 00:17:06,953 (真砂)そこの男を 黙って こちらへ渡してもらいたい 232 00:17:06,953 --> 00:17:08,955 訳を聞こう 233 00:17:08,955 --> 00:17:10,957 (真砂)ええい 面倒だ 斬れ! 234 00:17:10,957 --> 00:17:14,961 (侍たちの力み声) 235 00:17:14,961 --> 00:17:17,961 (侍の力み声) (うめき声) 236 00:17:19,900 --> 00:17:21,900 (真砂)引け! 237 00:17:29,910 --> 00:17:32,913 何者なんです? その侍たちは 238 00:17:32,913 --> 00:17:36,917 そいつを お前たちに調べてもらいたいんだ 239 00:17:36,917 --> 00:17:39,920 心当たりは? (五衛吉)いいえ 240 00:17:39,920 --> 00:17:41,922 男たちに 恨まれるようなことなど… 241 00:17:41,922 --> 00:17:43,924 ないというのか? はい 242 00:17:43,924 --> 00:17:45,926 ふんどしは 盗んだ覚えがないもんで 243 00:17:45,926 --> 00:17:47,928 あったら口など利くもんか 私らとて➡ 244 00:17:47,928 --> 00:17:51,932 母御の思い出じゃなかったら 許しはしないんですから 245 00:17:51,932 --> 00:17:53,934 すいません 246 00:17:53,934 --> 00:17:56,937 とにかく お前は命を狙われてる 247 00:17:56,937 --> 00:17:59,940 しばらくは ここにいたほうが いいだろう 248 00:17:59,940 --> 00:18:01,942 ありがとうございます よろしくお願いします 249 00:18:01,942 --> 00:18:03,942 (玉次郎)大変だ 十兵衛さん! 250 00:18:05,946 --> 00:18:07,948 長屋が また襲われた 何? 251 00:18:07,948 --> 00:18:09,950 今度のヤツら 長屋に火をつけに来やがったんで 252 00:18:09,950 --> 00:18:11,952 (千代乃太夫) 一体どういうことなんだい? 253 00:18:11,952 --> 00:18:13,954 詳しく話してごらん (玉次郎)へい 254 00:18:13,954 --> 00:18:15,956 (玉次郎の声)あっしと喜久造が➡ 255 00:18:15,956 --> 00:18:17,958 腰巻きを取り戻しに 長屋に行ったんです 256 00:18:17,958 --> 00:18:19,958 そしたら… 257 00:18:21,895 --> 00:18:23,895 (弥吉)((おい)) 258 00:18:25,899 --> 00:18:27,901 ((ヘッヘッヘ…)) 259 00:18:27,901 --> 00:18:30,904 ((何しやがんだ てめえら! 火付けは天下の御法度でさあ!)) 260 00:18:30,904 --> 00:18:33,907 (一同の力み声) 261 00:18:33,907 --> 00:18:36,910 (犬のほえ声) (喜久造)((火事だー 火事だよー)) 262 00:18:36,910 --> 00:18:40,914 (女性の悲鳴) 263 00:18:40,914 --> 00:18:43,917 で ヤツらの行き先は 突き止めたのかい? 264 00:18:43,917 --> 00:18:47,921 へい ヤツら 石川屋へ入っていきやした 265 00:18:47,921 --> 00:18:49,923 材木問屋の? へい 266 00:18:49,923 --> 00:18:53,927 元北町奉行 浜野タテワキ 267 00:18:53,927 --> 00:18:56,927 とかく噂のある男だ 268 00:18:58,932 --> 00:19:01,932 どうした? 五衛吉 顔が青いぞ 269 00:19:06,973 --> 00:19:08,975 腰入れなさいよ 腰を え? (玉次郎)うるさいんだよ 270 00:19:08,975 --> 00:19:10,977 なんてこと… 違うでしょ 271 00:19:10,977 --> 00:19:12,979 ねえねえ 聞いた!? 272 00:19:12,979 --> 00:19:14,981 ねえってば 五衛吉さんのこと! 273 00:19:14,981 --> 00:19:16,917 何よ 五衛吉が どうかしたのかい? 274 00:19:16,917 --> 00:19:19,920 五衛吉さんって 石川屋って大店の息子なんだって 275 00:19:19,920 --> 00:19:21,922 何? 石川屋の? (霞)ええ 276 00:19:21,922 --> 00:19:24,925 十兵衛さんに白状したんですって 今 2人 柳屋にいるわ 277 00:19:24,925 --> 00:19:27,928 親父とのことは 俺とて悩んだことがある 278 00:19:27,928 --> 00:19:30,931 だがな➡ 279 00:19:30,931 --> 00:19:33,934 父は父 子は子 280 00:19:33,934 --> 00:19:38,939 俺は そう割り切って 自分自身を生きている 281 00:19:38,939 --> 00:19:41,939 そうはいかないんですよ 私の場合 282 00:19:43,944 --> 00:19:45,946 おとっつぁんは 10年前➡ 283 00:19:45,946 --> 00:19:48,949 大きな罪を 2つも犯しているんです 284 00:19:48,949 --> 00:19:53,954 私が割り切って生きていたら 一体 誰が かばうんですか? 285 00:19:53,954 --> 00:19:55,956 かばう? 286 00:19:55,956 --> 00:19:59,960 あの長屋の人たちが 江戸で苦労しているのだって➡ 287 00:19:59,960 --> 00:20:04,965 元はといえば おとっつぁんの金儲けのせい 288 00:20:04,965 --> 00:20:08,969 あの長屋の人たちは 皆 木曽の山奥から出てきたんです 289 00:20:08,969 --> 00:20:10,971 おとっつぁんが 木を切りすぎたうえに➡ 290 00:20:10,971 --> 00:20:14,975 あとを ほったらかしにしたから 至る所で土砂崩れが起きて➡ 291 00:20:14,975 --> 00:20:16,910 家 田畑 押し流されて… 292 00:20:16,910 --> 00:20:19,913 やっぱり お前さんが義賊だったのか 293 00:20:19,913 --> 00:20:22,916 少しでも 罪滅ぼしができるならと 294 00:20:22,916 --> 00:20:25,919 だが 盗んだカネじゃ 誰も喜ばねえぜ 295 00:20:25,919 --> 00:20:29,923 カネは盗みません コツコツためたものです 296 00:20:29,923 --> 00:20:31,925 第一 盗まれた人は どうなると思います? 297 00:20:31,925 --> 00:20:34,928 その日の飯に ありつけないかも しれないじゃありませんか 298 00:20:34,928 --> 00:20:38,932 痩せても枯れても 私は 二代目 石川五右衛門なのです 299 00:20:38,932 --> 00:20:40,934 そんな名前は捨てろ 300 00:20:40,934 --> 00:20:43,937 と言われても 子供のころからの呼び名なもんで 301 00:20:43,937 --> 00:20:45,939 じゃあ 五衛吉って名は? 302 00:20:45,939 --> 00:20:47,941 はい 父親が付けてくれたんです 303 00:20:47,941 --> 00:20:49,943 石川五右衛門のように➡ 304 00:20:49,943 --> 00:20:52,946 弱い者に味方する 正しい人間になれと 305 00:20:52,946 --> 00:20:54,948 石川五右衛門に 石川五衛吉か 306 00:20:54,948 --> 00:20:57,951 ハハハハ… 確かに似てる 307 00:20:57,951 --> 00:21:01,955 それはそうと 親父さんの罪が 2つあると言ったが➡ 308 00:21:01,955 --> 00:21:07,961 土砂崩れを作った大元が 1つとすれば もうひとつは? 309 00:21:07,961 --> 00:21:10,964 それは言えません 310 00:21:10,964 --> 00:21:14,968 子 曰わく 子は親のために隠す 311 00:21:14,968 --> 00:21:16,968 んっ… 312 00:21:18,972 --> 00:21:20,974 なんなのでしょう… 313 00:21:20,974 --> 00:21:25,979 開けっぴろげな五衛吉さんが 隠すほどのことって 314 00:21:25,979 --> 00:21:27,981 ≪(足音) 315 00:21:27,981 --> 00:21:30,984 (才次)そのことなんですが➡ 316 00:21:30,984 --> 00:21:33,987 玉次郎の兄貴たちから 話を聞いたもんで 317 00:21:33,987 --> 00:21:35,989 才次 いつ戻った? 318 00:21:35,989 --> 00:21:38,992 へえ ついさっき草鞋を脱ぎやした そうかい 319 00:21:38,992 --> 00:21:41,995 で さっきのことですが➡ 320 00:21:41,995 --> 00:21:43,997 木曽に行ってきたんですよ 2人して 321 00:21:43,997 --> 00:21:45,999 山が荒れ果ててるって 聞いたもんですから 322 00:21:45,999 --> 00:21:48,001 (千代乃太夫)で 幻様は? 323 00:21:48,001 --> 00:21:52,005 浮橋太夫の遺骨を お父上のそばで 眠らせてあげたいと➡ 324 00:21:52,005 --> 00:21:57,010 途中から お一人で 越後高田のほうに向かわれやした 325 00:21:57,010 --> 00:22:00,010 こいつは 幻さんから うん 326 00:22:07,020 --> 00:22:10,023 「木曽では 至る所に土砂崩れの跡があり➡ 327 00:22:10,023 --> 00:22:13,026 かつての美林の面影もなく➡ 328 00:22:13,026 --> 00:22:17,964 川は濁り 池は土砂で押し潰され➡ 329 00:22:17,964 --> 00:22:21,968 人々の暮らしも 難渋いたしおり候」 330 00:22:21,968 --> 00:22:24,971 さすが大名を務めた幻さんだ 331 00:22:24,971 --> 00:22:27,971 人々の暮らし向きに 常に気を配っている 332 00:22:31,978 --> 00:22:35,982 「土砂崩れが起きるのも 江戸で大火があるたびに➡ 333 00:22:35,982 --> 00:22:39,982 おびただしい木が 切り出されるためで…」 334 00:22:41,988 --> 00:22:45,992 江戸で大火があるたび といえば➡ 335 00:22:45,992 --> 00:22:48,992 確か10年前にも大火事が… 336 00:22:55,001 --> 00:22:57,003 うん 337 00:22:57,003 --> 00:23:01,007 ご依頼の4000両 どうぞ お納めくださいませ 338 00:23:01,007 --> 00:23:04,010 いつも 相済まぬのう 339 00:23:04,010 --> 00:23:07,013 幕閣に これぐらい ばらまかねば➡ 340 00:23:07,013 --> 00:23:11,017 町奉行の職には 返り咲けぬからのう 341 00:23:11,017 --> 00:23:15,021 裏金が 幅を利かす世の中とは 嫌なものじゃ 342 00:23:15,021 --> 00:23:19,959 いやいや 私ども商人が こうして お近づきになれますのも➡ 343 00:23:19,959 --> 00:23:21,961 裏金があったればこそ 344 00:23:21,961 --> 00:23:24,964 4000両ぐらいは 安いもんでございます 345 00:23:24,964 --> 00:23:27,967 それに 私めが 今日こうして ありますのも➡ 346 00:23:27,967 --> 00:23:31,971 10年前に お目こぼしを頂いたからこそ 347 00:23:31,971 --> 00:23:35,975 なあに カネなどは いくらでも湧いてまいります 348 00:23:35,975 --> 00:23:39,979 材木の相場さえ上がれば (浜野)ハハハハハ… 349 00:23:39,979 --> 00:23:42,982 あー あの例の大火事の折のようにか? 350 00:23:42,982 --> 00:23:44,984 はい 目先を利かせて➡ 351 00:23:44,984 --> 00:23:47,987 木曽の木が安いうちに いち早く押さえ➡ 352 00:23:47,987 --> 00:23:51,991 値上がりとともに売り抜ける 353 00:23:51,991 --> 00:23:56,996 商人は 先が読めるか読めないか これが勝負でございます 354 00:23:56,996 --> 00:24:04,003 いつ火が出るのか分かっておれば 勝負は初手からついておるわ 355 00:24:04,003 --> 00:24:07,006 ≪ で 例の長屋からは いつ火が出るのじゃ? 356 00:24:07,006 --> 00:24:09,008 近いうちに 357 00:24:09,008 --> 00:24:12,011 証拠は残すなよ 358 00:24:12,011 --> 00:24:14,013 もしものことを考えて➡ 359 00:24:14,013 --> 00:24:17,951 火付けの下手人を 2人 用意いたしました 360 00:24:17,951 --> 00:24:21,955 それでも危ないときには お力添えを 10年前のように 361 00:24:21,955 --> 00:24:26,960 何しろ 一蓮托生でございますから (浜野)分かっておるわ 362 00:24:26,960 --> 00:24:28,960 では 363 00:24:34,968 --> 00:24:37,971 一蓮托生か… 364 00:24:37,971 --> 00:24:40,974 真砂 (真砂)はっ 365 00:24:40,974 --> 00:24:43,977 (浜野)例の生き証人 まだ始末ができぬのか? 366 00:24:43,977 --> 00:24:45,979 申し訳ございません 367 00:24:45,979 --> 00:24:50,984 五衛吉め あれ以来 吉原から 一歩も出てまいりませぬ故 368 00:24:50,984 --> 00:24:54,988 厄介な所に潜り込んだものじゃ 369 00:24:54,988 --> 00:24:57,991 したが 生き証人で ひっくり返った事件は➡ 370 00:24:57,991 --> 00:25:02,996 わしが奉行を在職中にも 山ほどあったわ 371 00:25:02,996 --> 00:25:07,000 災いの根は 一刻も早く絶たねばならぬ 372 00:25:07,000 --> 00:25:10,003 じゃあ 10年前の大火は➡ 373 00:25:10,003 --> 00:25:13,006 その浜野と あんたの おとっつぁんが? 374 00:25:13,006 --> 00:25:15,942 間違いないわよ この耳で ちゃんと聞いたんだから 375 00:25:15,942 --> 00:25:19,946 それに味を占めて 今度は長屋を… 376 00:25:19,946 --> 00:25:22,946 2つ目の罪は 火付けだったのか 377 00:25:24,951 --> 00:25:29,956 その現場を見た 生き証人なんだろ お前さんは 378 00:25:29,956 --> 00:25:33,960 悪事を黙って見過ごすから また同じことやろうとしてんのよ 379 00:25:33,960 --> 00:25:36,963 あんたの おとっつぁん 380 00:25:36,963 --> 00:25:40,963 「子は親のために隠す」か 381 00:25:42,969 --> 00:25:45,972 孔子様の その教えを 私は守ります 382 00:25:45,972 --> 00:25:49,976 だが 罪は償わねばならぬ はい 383 00:25:49,976 --> 00:25:54,981 だからこそ おとっつぁんには 長生きしてほしいんです 384 00:25:54,981 --> 00:25:56,983 火事で儲けた身上を ありったけ はたいて➡ 385 00:25:56,983 --> 00:25:59,986 二度と 土砂崩れが起こらないように➡ 386 00:25:59,986 --> 00:26:02,989 山に緑を植えてもらいたいのです 387 00:26:02,989 --> 00:26:04,991 たとえ1本1本でも➡ 388 00:26:04,991 --> 00:26:07,994 何年かかろうとも 生き続けるかぎり 389 00:26:07,994 --> 00:26:10,994 じゃあ おとっつぁんに そう言いなよ 390 00:26:14,000 --> 00:26:15,935 いいか 391 00:26:15,935 --> 00:26:17,937 悪事が いつまでも 栄えたためしは ねえ 392 00:26:17,937 --> 00:26:19,939 それに お前の話だと➡ 393 00:26:19,939 --> 00:26:22,942 親父さんも 心底 悪い人とは思えねえんだ 394 00:26:22,942 --> 00:26:26,946 どうだ 1度 会ってみちゃ 395 00:26:26,946 --> 00:26:29,946 このままだと地獄行きだぜ 396 00:26:31,951 --> 00:26:35,955 世話の焼ける男 (舌打ち) 397 00:26:35,955 --> 00:26:38,955 (千代乃太夫) 私に よい考えがあります 398 00:26:48,001 --> 00:26:50,001 (才次・喜久造)よっ 399 00:26:53,006 --> 00:26:55,008 (拍子木を打つ音) 400 00:26:55,008 --> 00:26:59,012 そうか 芝居で会わそうってんだな 401 00:26:59,012 --> 00:27:01,014 浜野だって許せないでしょ 402 00:27:01,014 --> 00:27:06,019 真砂って家来を使って 五衛吉さんを狙わせるなんて 403 00:27:06,019 --> 00:27:08,021 あっ ダメ ダメ 404 00:27:08,021 --> 00:27:11,024 見得は もっと大きく はっきりと 405 00:27:11,024 --> 00:27:13,960 いいですか? 406 00:27:13,960 --> 00:27:16,963 ぐ~っと 407 00:27:16,963 --> 00:27:18,963 はい 408 00:27:20,967 --> 00:27:23,970 もっと もっと ぐ~っ… 409 00:27:23,970 --> 00:27:25,972 よいしょ そう うん 410 00:27:25,972 --> 00:27:28,975 もっと間を持って いいですか? 411 00:27:28,975 --> 00:27:30,977 ばったり はい 412 00:27:30,977 --> 00:27:33,980 ばったり (千代乃太夫)そう その意気 413 00:27:33,980 --> 00:27:35,982 へい 414 00:27:35,982 --> 00:27:39,986 木曽の山々が緑に戻るのに どれぐらい かかります? 415 00:27:39,986 --> 00:27:42,989 まっ 何十年もかかるだろうな 416 00:27:42,989 --> 00:27:45,992 1度 失った緑を戻すのは 大変なことさ 417 00:27:45,992 --> 00:27:47,994 人手もありませんよ 418 00:27:47,994 --> 00:27:49,996 長屋の人たちが戻ったら? 419 00:27:49,996 --> 00:27:52,999 無一文で戻っても どうしようもありません 420 00:27:52,999 --> 00:27:58,004 住む家もなければ 土を耕す鋤 鍬もないんですから 421 00:27:58,004 --> 00:28:01,007 そりゃあ 皆 戻りたがってはいるんですけど… 422 00:28:01,007 --> 00:28:04,010 4000両あれば なんとかなります? 423 00:28:04,010 --> 00:28:08,014 そりゃあ なんとか… でも そんなカネ どこに? 424 00:28:08,014 --> 00:28:12,014 千両役者が 4人そろえば 4000両 425 00:28:13,953 --> 00:28:15,953 何をたくらんでんだ? 426 00:28:19,959 --> 00:28:22,962 (才次) 秋葉権現の御祭礼の前祝いに➡ 427 00:28:22,962 --> 00:28:25,965 千代乃太夫が お座興を催されまする 428 00:28:25,965 --> 00:28:29,969 つきましては 「浜野様にも ぜひに」との➡ 429 00:28:29,969 --> 00:28:32,972 千代乃太夫よりの お手紙にございまする 430 00:28:32,972 --> 00:28:42,982 ♬~ 431 00:28:42,982 --> 00:28:44,982 (男性たち)いってらっしゃいまし 432 00:28:51,991 --> 00:28:53,991 (陸尺の力み声) 433 00:28:55,995 --> 00:28:57,995 (男性)ご苦労さん 434 00:29:03,002 --> 00:29:05,004 ≪(嵐)ちょいと 435 00:29:05,004 --> 00:29:07,006 (弥吉)誰だ? てめえは 436 00:29:07,006 --> 00:29:09,008 あんたたちに ちょっと 話があんのさ 437 00:29:09,008 --> 00:29:11,010 顔 貸してくれる? 438 00:29:11,010 --> 00:29:13,946 (人々のざわめき) 439 00:29:13,946 --> 00:29:18,951 わざわざの お出まし うれしゅうありんす 440 00:29:18,951 --> 00:29:24,957 日本一の太夫の招きを 断る者なぞ おるものか 441 00:29:24,957 --> 00:29:28,961 男冥利に尽きるというもんで ございます 442 00:29:28,961 --> 00:29:31,964 ハハ… これは? 443 00:29:31,964 --> 00:29:33,966 (千代乃太夫)本日の お座興 444 00:29:33,966 --> 00:29:36,969 千両役者を呼んでありんす 445 00:29:36,969 --> 00:29:40,973 ほう 格別の趣向らしいなあ 446 00:29:40,973 --> 00:29:42,973 (拍子木を打つ音) 447 00:29:51,984 --> 00:29:53,984 (鳴子の音) 448 00:29:59,992 --> 00:30:01,992 (才次・喜久造)やあっ! 449 00:30:03,996 --> 00:30:06,999 (石川屋)ん? (拍子木を打つ音) 450 00:30:06,999 --> 00:30:15,942 絶景かな 絶景かな 451 00:30:15,942 --> 00:30:21,948 春の眺めは 値千金とは➡ 452 00:30:21,948 --> 00:30:25,952 小さなたとえ 453 00:30:25,952 --> 00:30:31,958 太夫を挟みし 悪人どもの➡ 454 00:30:31,958 --> 00:30:35,962 やりとる裏金 (石川屋)はっ お前は… 455 00:30:35,962 --> 00:30:43,970 この五右衛門の目からは 四千両 456 00:30:43,970 --> 00:30:47,974 山に緑を… (浜野)何? 457 00:30:47,974 --> 00:30:55,982 元手に頂戴いたーすー (拍子木を打つ音) 458 00:30:55,982 --> 00:30:57,984 (浜野)んっ… (千代乃太夫)お座興 お座興 459 00:30:57,984 --> 00:31:00,987 ただの千両役者 460 00:31:00,987 --> 00:31:05,987 中での騒ぎは 世間の物笑いの種でありんす 461 00:31:09,996 --> 00:31:12,999 (拍子木を打つ音) 462 00:31:12,999 --> 00:31:20,006 (嵐) 石川や 浜の真砂は尽きるとも➡ 463 00:31:20,006 --> 00:31:25,011 世に火付け人の種は➡ 464 00:31:25,011 --> 00:31:29,015 尽きまじ (拍子木を打つ音) 465 00:31:29,015 --> 00:31:33,019 (拍子木を打つ音) 466 00:31:33,019 --> 00:31:35,021 (才次・喜久造)御用だ! 467 00:31:35,021 --> 00:31:37,023 無礼者! 468 00:31:37,023 --> 00:31:41,027 元北町奉行と… (嵐)知ってて呼んだのさ 469 00:31:41,027 --> 00:31:44,030 あんたたちの悪だくみは 全て お見通しよ 470 00:31:44,030 --> 00:31:48,034 例の長屋から火は出ないわ ほら 471 00:31:48,034 --> 00:31:52,038 ここに生き証人が (石川屋)はっ… 472 00:31:52,038 --> 00:31:54,040 石川屋の旦那 (権助)聞いたぜ 473 00:31:54,040 --> 00:31:56,042 長屋に火をつけたあとは➡ 474 00:31:56,042 --> 00:31:59,045 俺たちを下手人として お上に突き出す算段だったってな 475 00:31:59,045 --> 00:32:01,047 知らん 知らん 476 00:32:01,047 --> 00:32:04,050 そのような者たちは わしは知らん (浜野)わしは なんの関わりもない 477 00:32:04,050 --> 00:32:07,053 それに お白州では 人別帳にない そのような➡ 478 00:32:07,053 --> 00:32:09,055 ならず者の証言など 誰も取り上げぬわ! 479 00:32:09,055 --> 00:32:13,055 寺子屋の先生だったら 取り上げてもらえますのかえ? 480 00:32:14,994 --> 00:32:17,997 (嵐)あっ ちょ… ちょっと ご… 五衛吉は? 481 00:32:17,997 --> 00:32:19,999 あの野郎 肝心なときに! 482 00:32:19,999 --> 00:32:22,001 (浜野)どこに おるのかのう? その者は 483 00:32:22,001 --> 00:32:24,003 無礼者めらが! 484 00:32:24,003 --> 00:32:26,005 (千代乃太夫)待ちなんし 485 00:32:26,005 --> 00:32:34,013 裏金の四千両は こちらで頂きとう… ござんすー 486 00:32:34,013 --> 00:32:36,015 (拍子木を打つ音) 何? 487 00:32:36,015 --> 00:32:40,019 千両役者4人分の ご見物料 488 00:32:40,019 --> 00:32:44,023 それを タダで帰ろうとは 虫がよすぎるではありんせんか? 489 00:32:44,023 --> 00:32:46,025 取れるものなら取ってみろ 490 00:32:46,025 --> 00:32:49,028 フッ… まあ うれしい 491 00:32:49,028 --> 00:32:54,033 では お言葉に甘えて あとで頂戴に上がります 492 00:32:54,033 --> 00:33:05,044 ♬~ 493 00:33:05,044 --> 00:33:07,046 どこへ雲隠れしやがったんだか 494 00:33:07,046 --> 00:33:09,048 十兵衛さん 呼んでこい (喜久造)へい あっ 495 00:33:09,048 --> 00:33:11,050 どうした? (嵐)十兵衛さん! 大変よ 496 00:33:11,050 --> 00:33:12,985 一体 何があったっていうんだ? 497 00:33:12,985 --> 00:33:14,987 五衛吉の野郎が 肝心なときに消えちまったんでえ 498 00:33:14,987 --> 00:33:16,987 何? 499 00:33:22,995 --> 00:33:24,997 ≪(犬のほえ声) 500 00:33:24,997 --> 00:33:28,000 「自首してくれ」なんて 俺は言わないよ 501 00:33:28,000 --> 00:33:30,002 口が裂けても言うもんか 502 00:33:30,002 --> 00:33:33,005 生き証人として名乗り出もしない 503 00:33:33,005 --> 00:33:35,007 そりゃあ 浜野みたいに➡ 504 00:33:35,007 --> 00:33:39,011 甘い汁ばかり吸う野郎は 許せないけど➡ 505 00:33:39,011 --> 00:33:43,015 名乗り出たら おとっつぁんは 火あぶりの刑 506 00:33:43,015 --> 00:33:46,018 親を訴えてまで 法に従うつもりはない 507 00:33:46,018 --> 00:33:49,021 孔子様も そうしろと おっしゃっている 508 00:33:49,021 --> 00:33:53,025 でも なぜ あのとき 火なんか つけたんだ? 509 00:33:53,025 --> 00:34:10,976 ♬~ 510 00:34:10,976 --> 00:34:12,978 ≪(半鐘) ((燃えろ 燃えろ!)) 511 00:34:12,978 --> 00:34:17,983 ((江戸の町を焼き尽くして 俺の商いの手助けをしろ!)) 512 00:34:17,983 --> 00:34:19,985 (笑い声) 513 00:34:19,985 --> 00:34:24,990 (五衛吉の声)あれさえなきゃ 親子3人 幸せに暮らせたのに… 514 00:34:24,990 --> 00:34:28,994 カネのない幸せなど 何が幸せなものか 515 00:34:28,994 --> 00:34:32,998 おっかさんや俺がいなくても カネのほうが大事だったのか!? 516 00:34:32,998 --> 00:34:36,001 わしを見限った女のことなど 二度と口にするな 517 00:34:36,001 --> 00:34:38,003 ふざけるな! 518 00:34:38,003 --> 00:34:41,006 あんたが殺したんじゃないか おっかさんを 519 00:34:41,006 --> 00:34:44,009 土砂崩れに巻き込まれたんだ 520 00:34:44,009 --> 00:34:48,013 あんたが木を切るだけ切って あとを そのままにしといたから 521 00:34:48,013 --> 00:34:54,019 うっ… 切ったあとまで面倒見て 商いが成り立つと思っているのか 522 00:34:54,019 --> 00:34:56,021 商いよりも 命のほうが大事だろうが 523 00:34:56,021 --> 00:34:59,024 こざかしい 命が どうしたというんだ 524 00:34:59,024 --> 00:35:01,026 人は どうせ1度は死ぬんだ 525 00:35:01,026 --> 00:35:05,030 そんなことに いちいち構っていられるか 526 00:35:05,030 --> 00:35:09,034 昔のおとっつぁんは そんな人じゃなかった 527 00:35:09,034 --> 00:35:11,971 俺が蚊をたたこうとしたら 止めたじゃないか 528 00:35:11,971 --> 00:35:13,973 「蚊にも命があるんだ」って 529 00:35:13,973 --> 00:35:16,976 (石川屋)お前に いいとこを 見せようとしただけだよ 530 00:35:16,976 --> 00:35:19,979 違う! (石川屋)違わん 531 00:35:19,979 --> 00:35:23,983 お前に わしの何が分かるんだ? 子供のころが分かるのか? 532 00:35:23,983 --> 00:35:26,986 大人になってからのことが 分かるのか? 533 00:35:26,986 --> 00:35:32,992 わしが何を考えて生きてきたか 分かるものか! 534 00:35:32,992 --> 00:35:37,997 所詮 所帯を持って お前ができてから数年のことだ 535 00:35:37,997 --> 00:35:41,000 おとっつぁんはな 貧乏から逃れて➡ 536 00:35:41,000 --> 00:35:44,003 のし上がることだけを 夢みてきたんだ 537 00:35:44,003 --> 00:35:48,007 どんなに汚い手を使ってもな 538 00:35:48,007 --> 00:35:50,009 嘘だ 539 00:35:50,009 --> 00:35:54,013 俺のおとっつぁんは… そんな人じゃない! 540 00:35:54,013 --> 00:36:01,020 そんな… (すすり泣き) 541 00:36:01,020 --> 00:36:04,023 来るんじゃなかった 542 00:36:04,023 --> 00:36:08,027 顔を見たばっかしに 里心がついて… 543 00:36:08,027 --> 00:36:14,027 10年前に ついていれば かわいげが あったものを… 544 00:36:15,968 --> 00:36:17,970 失せろ! 545 00:36:17,970 --> 00:36:22,975 木曽の山奥へ引っ込んで 二度と江戸へ舞い戻るな! 546 00:36:22,975 --> 00:36:25,978 命が どうなっても知らん 547 00:36:25,978 --> 00:36:28,978 それが せめてもの親心だ 548 00:36:31,984 --> 00:36:34,987 心配いらないよ 訴え出たりはしない 549 00:36:34,987 --> 00:36:39,992 どんな親でも 親は親 550 00:36:39,992 --> 00:36:41,994 火あぶりなんかに させるもんか 551 00:36:41,994 --> 00:36:45,994 俺は 孔子様の教えを 守ってるって言ったろ 552 00:36:50,002 --> 00:36:52,004 けど おとっつぁん 553 00:36:52,004 --> 00:36:55,007 もし まだ心のどっかに➡ 554 00:36:55,007 --> 00:36:58,010 おっかさんに悪いと思う気持ちが あるんなら➡ 555 00:36:58,010 --> 00:37:01,013 長生きしてくれ 556 00:37:01,013 --> 00:37:06,018 生きるだけ生きて 罪滅ぼしに1本1本 木を植えて➡ 557 00:37:06,018 --> 00:37:08,020 土砂崩れで 二度と おっかさんみたいな➡ 558 00:37:08,020 --> 00:37:09,955 哀れな人を出さないために 559 00:37:09,955 --> 00:37:22,968 ♬~ 560 00:37:22,968 --> 00:37:27,968 (息遣い) 561 00:37:34,980 --> 00:37:36,980 十兵衛さん… 562 00:37:40,986 --> 00:37:42,988 やっぱり ここだったか 563 00:37:42,988 --> 00:37:44,990 どうだった? 564 00:37:44,990 --> 00:37:47,990 親父さんは お前の言うことを 聞いてくれたか? 565 00:37:55,000 --> 00:37:57,000 ≪(石川屋のうめき声) 566 00:38:06,011 --> 00:38:08,013 (五衛吉)おとっつぁん! 567 00:38:08,013 --> 00:38:12,951 死んじゃダメだ! 長生きしなきゃ ダメだろうが おとっつぁん! 568 00:38:12,951 --> 00:38:14,953 五衛吉… 569 00:38:14,953 --> 00:38:20,953 おとっつぁんは… 悪かった… 570 00:38:22,961 --> 00:38:26,965 おとっつぁん! おとっつぁん! 571 00:38:26,965 --> 00:38:31,970 (泣き声) 572 00:38:31,970 --> 00:38:50,989 ♬~ 573 00:38:50,989 --> 00:38:52,991 元気を出しな 574 00:38:52,991 --> 00:38:57,996 これだけの連中が お前のために やろうとしてるんだ 575 00:38:57,996 --> 00:38:59,998 ハァ… (舌打ち) 576 00:38:59,998 --> 00:39:06,004 カネのなる木ではあったが 背に腹は かえられぬ 577 00:39:06,004 --> 00:39:10,943 石川屋さえ死ねば いかなる 生き証人が現れようとも➡ 578 00:39:10,943 --> 00:39:13,946 わしの所までは たどり着けぬ 579 00:39:13,946 --> 00:39:16,949 もはや気にすることは何もない 580 00:39:16,949 --> 00:39:19,952 商人の代わりとて➡ 581 00:39:19,952 --> 00:39:22,955 この4000両で 町奉行に返り咲けば➡ 582 00:39:22,955 --> 00:39:25,958 うようよと寄ってくるからのう 583 00:39:25,958 --> 00:39:27,960 (笑い声) 584 00:39:27,960 --> 00:39:32,960 ≪ その4000両 見物料として もらい受けるぜ 585 00:39:34,967 --> 00:39:38,967 (真砂)何者!? 柳生十兵衛三厳 586 00:39:40,973 --> 00:39:42,975 己の身のかわいさに➡ 587 00:39:42,975 --> 00:39:45,978 人の命を平気で奪うようなヤツに 使わしはしねえ 588 00:39:45,978 --> 00:39:47,980 何? 589 00:39:47,980 --> 00:39:49,982 五衛吉 590 00:39:49,982 --> 00:39:53,986 親父さんの敵だ しっかり討つんだぜ 591 00:39:53,986 --> 00:39:57,990 はい おとっつぁんを よくも あんな目に… 592 00:39:57,990 --> 00:40:01,994 黙れ! 飛んで火に入る夏の虫とは 貴様らのことよ! 593 00:40:01,994 --> 00:40:04,997 くせ者だ! 出合え 出合えー! 594 00:40:04,997 --> 00:40:09,001 (侍たち)はっ (浜野)斬れ! 斬って捨てろ! 595 00:40:09,001 --> 00:40:10,936 (侍の力み声) (力み声) 596 00:40:10,936 --> 00:40:12,938 (侍のうめき声) 597 00:40:12,938 --> 00:40:18,944 てめえら 雁首そろえて… 地獄へ行け! 598 00:40:18,944 --> 00:40:20,944 (侍のうめき声) 599 00:40:25,951 --> 00:40:27,953 (侍の力み声) 600 00:40:27,953 --> 00:40:32,958 (侍たちのうめき声) 601 00:40:32,958 --> 00:40:52,978 ♬~ 602 00:40:52,978 --> 00:41:12,998 ♬~ 603 00:41:12,998 --> 00:41:33,018 ♬~ 604 00:41:33,018 --> 00:41:49,034 ♬~ 605 00:41:49,034 --> 00:42:04,049 ♬~ 606 00:42:04,049 --> 00:42:07,049 (真砂のうめき声) 607 00:42:09,054 --> 00:42:10,989 (浜野の力み声) 608 00:42:10,989 --> 00:42:25,003 ♬~ 609 00:42:25,003 --> 00:42:28,006 くっ… (力み声) 610 00:42:28,006 --> 00:42:33,011 (うめき声) 611 00:42:33,011 --> 00:42:35,013 五衛吉! あ~っ! 612 00:42:35,013 --> 00:42:40,018 (浜野のうめき声) 613 00:42:40,018 --> 00:42:45,018 ハァ… ハァ… 614 00:42:52,030 --> 00:42:56,034 ハハハ… しかし まあ あのタスキが腰巻きだったとはな 615 00:42:56,034 --> 00:43:00,038 アハッ… あのタスキは 腰巻きだとは思わなかったんです 616 00:43:00,038 --> 00:43:04,042 そんなスケベ心なんて もう ありませんよ 本当に 617 00:43:04,042 --> 00:43:08,046 嘘に決まってる (霞)改心するわけないもん 618 00:43:08,046 --> 00:43:09,982 いや… (玉次郎)懲りないヤツだからな 619 00:43:09,982 --> 00:43:11,984 (十兵衛たちの笑い声) (五衛吉)本当ですってば! 620 00:43:11,984 --> 00:43:13,986 ただの だだっ広い➡ 621 00:43:13,986 --> 00:43:15,988 赤い布きれにしか 見えなかったんです 622 00:43:15,988 --> 00:43:18,991 腰巻きに こだわるのは きっぱり やめたんです 623 00:43:18,991 --> 00:43:23,991 第一 そのつもりで盗むんなら 千代乃太夫のにしてますよ 624 00:43:25,998 --> 00:43:28,000 じゃあ 誰のだったの? 625 00:43:28,000 --> 00:43:32,000 わちきのじゃないし (霞)わちきのでもないし… 626 00:43:34,006 --> 00:43:38,010 わ… 悪かったわね! ただの だだっ広い赤い布きれで 627 00:43:38,010 --> 00:43:42,014 でも だだっ広い布きれで 助かりました 628 00:43:42,014 --> 00:43:46,018 ほら 千両箱が このとおり 629 00:43:46,018 --> 00:43:49,021 チクショウ! 風呂敷代わりに使いやがって! 630 00:43:49,021 --> 00:43:53,025 (泣き声) (十兵衛たちの笑い声) 631 00:43:53,025 --> 00:43:55,027 五衛吉 632 00:43:55,027 --> 00:43:57,029 お前も これからが大変だ 633 00:43:57,029 --> 00:44:01,033 この4000両で 長屋の人たちと 力を合わせて➡ 634 00:44:01,033 --> 00:44:05,037 1本1本 大切に木を育てるんだ 635 00:44:05,037 --> 00:44:08,040 それが おとっつぁん おっかさんの供養になる 636 00:44:08,040 --> 00:44:10,976 腰巻きのことは忘れてな フフ… 637 00:44:10,976 --> 00:44:13,979 もう気になりません 腰巻きなんか 638 00:44:13,979 --> 00:44:17,983 皆さん 本当に ありがとうございました 639 00:44:17,983 --> 00:44:20,986 気をつけてな はい! 640 00:44:20,986 --> 00:44:22,988 行っちゃうの もう… 641 00:44:22,988 --> 00:44:24,990 (五衛吉)よいしょ… 失礼します 642 00:44:24,990 --> 00:44:27,993 (女性たち)気をつけてね (玉次郎)しっかり やんな 643 00:44:27,993 --> 00:44:29,995 (男性)達者で! (五衛吉)皆さんも お元気で! 644 00:44:29,995 --> 00:44:33,999 さよならー (雲)元気でー 645 00:44:33,999 --> 00:44:36,001 達者でなー! 646 00:44:36,001 --> 00:44:39,004 五衛吉 私の もう一枚 使う? ねえ 私の… 647 00:44:39,004 --> 00:44:44,009 <子 曰わく 我 いまだ徳を好むこと➡ 648 00:44:44,009 --> 00:44:48,013 色を好むがごとくする者を 見ざるなり> 649 00:44:48,013 --> 00:44:50,015 <だが 十兵衛は➡ 650 00:44:50,015 --> 00:44:54,019 五衛吉が 再び腰巻きに興味を示そうとも➡ 651 00:44:54,019 --> 00:44:58,023 山の緑の復活に 燃える思いのほうが強いことを➡ 652 00:44:58,023 --> 00:45:01,023 感じていたのであった> 653 00:45:03,028 --> 00:45:09,034 ♬『黄昏を見たことがない』 654 00:45:09,034 --> 00:45:14,973 ♬ 黄昏を知らない人に 655 00:45:14,973 --> 00:45:21,980 ♬ いつからかなってしまい 656 00:45:21,980 --> 00:45:27,986 ♬ 心の中の悲しい影を 657 00:45:27,986 --> 00:45:33,992 ♬ みんな気づいていない 658 00:45:33,992 --> 00:45:39,998 ♬ しあわせを待ちきれない 659 00:45:39,998 --> 00:45:50,008 ♬ 昼と夜の真中あたり 660 00:45:50,008 --> 00:45:56,014 ♬ だけど あなた もう泣かないで 661 00:45:56,014 --> 00:46:03,021 ♬ このぼくがそばにいる 662 00:46:03,021 --> 00:46:08,026 ♬ 黄昏が 黄昏が 663 00:46:08,026 --> 00:46:14,966 ♬ あなたの心を透かして見せる 664 00:46:14,966 --> 00:46:16,966 ♬~ 665 00:46:20,972 --> 00:46:23,975 <吉原に売られたはずの 女たちが消えた> 666 00:46:23,975 --> 00:46:27,979 <真相を突き止めるべく 十兵衛が 下総佐倉へ飛ぶ> 667 00:46:27,979 --> 00:46:30,982 <事件は 意外な悪をあぶり出す> 668 00:46:30,982 --> 00:46:34,986 <尾張光友の影密使として 千代乃が その陰謀を暴く> 669 00:46:34,986 --> 00:46:39,991 <中秋の名月に 幻之介 十兵衛の剣が 悪を斬る> 670 00:46:39,991 --> 00:46:42,994 <次回 『徳川無頼帳』 「花魁道中 修羅に舞う」> 671 00:46:42,994 --> 00:46:44,994 <ご期待ください>