1 00:01:32,154 --> 00:01:50,154 ♬~ 2 00:02:10,159 --> 00:02:17,166 <戦国期より 関ヶ原の戦い 大坂冬の陣 夏の陣を経て➡ 3 00:02:17,166 --> 00:02:23,166 ついに徳川家康が 名実ともに 天下の覇権を掌握した> 4 00:02:26,108 --> 00:02:30,112 <征夷大将軍となり 江戸に開幕した家康は➡ 5 00:02:30,112 --> 00:02:34,116 中央集権 幕藩体制の確立とともに➡ 6 00:02:34,116 --> 00:02:37,119 将軍世襲の伝統を作り上げ➡ 7 00:02:37,119 --> 00:02:42,124 徳川家が未来永ごう 太平の世に 君臨することを夢見た> 8 00:02:42,124 --> 00:02:46,128 <そのため 厳しい大名統制 配置換えが行われ➡ 9 00:02:46,128 --> 00:02:51,133 家康は その9男 義直に 尾張62万石➡ 10 00:02:51,133 --> 00:02:54,136 10男 頼宣に紀伊55万石➡ 11 00:02:54,136 --> 00:02:59,141 11男 頼房に水戸35万石を与え➡ 12 00:02:59,141 --> 00:03:02,144 要衝の地を徳川一族で固めた> 13 00:03:02,144 --> 00:03:06,148 <ここに 尾張徳川 紀伊徳川 水戸徳川の➡ 14 00:03:06,148 --> 00:03:10,152 いわゆる 御三家が成立したのである> 15 00:03:10,152 --> 00:03:14,156 <これを背景に 将軍家の力は いよいよ強大になったが➡ 16 00:03:14,156 --> 00:03:19,095 年を経るうちに 鉄の結束を誇った 徳川一族の絆にも➡ 17 00:03:19,095 --> 00:03:23,099 将軍の座を巡って 次第に亀裂を生じていた> 18 00:03:23,099 --> 00:03:28,099 <時に 五代将軍 綱吉の世> 19 00:03:52,128 --> 00:03:54,130 あっ! あ痛っ あ~! 20 00:03:54,130 --> 00:03:56,130 (侍たちのうめき声) 21 00:03:58,134 --> 00:04:01,134 (侍たち)野郎 おのれ! 22 00:04:05,141 --> 00:04:08,144 (侍)かごを守れ! 23 00:04:08,144 --> 00:04:13,149 (侍)かごを守れ! かごを守れ! 24 00:04:13,149 --> 00:04:16,152 (侍)かごを守れ! (侍)おのれ 25 00:04:16,152 --> 00:04:18,152 (侍)かごを守れ! 26 00:04:22,091 --> 00:04:25,094 (侍)ろうぜき者! ≪ もうよい 27 00:04:25,094 --> 00:04:37,094 ♬~ 28 00:04:39,108 --> 00:04:43,112 (安藤)久しぶりじゃのう 助左 29 00:04:43,112 --> 00:04:46,115 <附家老とは 家康が御三家に対し➡ 30 00:04:46,115 --> 00:04:50,119 後見として付け与えた 重臣であり 家老にして大名➡ 31 00:04:50,119 --> 00:04:56,125 安藤家も紀州 田辺に 3万8, 000石を領している> 32 00:04:56,125 --> 00:04:58,127 (助左衛門) お待ち申しておりました 33 00:04:58,127 --> 00:05:03,132 それにしても 派手な出迎えよのう 34 00:05:03,132 --> 00:05:08,137 (助左衛門)御家老じきじきに お越しなされるからには➡ 35 00:05:08,137 --> 00:05:13,142 我ら根来一族ならではの 使命ありとお見受けいたします 36 00:05:13,142 --> 00:05:15,142 うん 37 00:05:18,147 --> 00:05:22,084 <戦国の世に 雇われ忍者として 活躍した根来衆は➡ 38 00:05:22,084 --> 00:05:24,086 信長に抗して ついに屈せず➡ 39 00:05:24,086 --> 00:05:28,090 秀吉の全山焼き打ちによって 滅ぼされたが➡ 40 00:05:28,090 --> 00:05:33,095 その後 紀州家初代 頼宣の情けで ひそかに再興を許され➡ 41 00:05:33,095 --> 00:05:35,097 日夜 鍛錬に励みつつ➡ 42 00:05:35,097 --> 00:05:39,097 いつの日か 登用される機会を待っていた> 43 00:05:54,116 --> 00:05:56,116 (平助)とりゃ! 44 00:06:06,128 --> 00:06:09,131 うーん 使えるのう 45 00:06:09,131 --> 00:06:14,136 (助左衛門)血のにじむような 鍛錬に明け暮れておりますれば 46 00:06:14,136 --> 00:06:17,139 よし 助左 呼べ 47 00:06:17,139 --> 00:06:20,139 助八 これへ (助八)はっ 48 00:06:23,078 --> 00:06:27,082 (助左衛門)せがれめの 藪田助八にございます 49 00:06:27,082 --> 00:06:29,084 ほう せがれか 50 00:06:29,084 --> 00:06:32,087 大伍 (大伍)はっ 51 00:06:32,087 --> 00:06:34,089 (助左衛門)小三郎 (小三郎)はっ 52 00:06:34,089 --> 00:06:36,091 (助左衛門)平助 (平助)はっ 53 00:06:36,091 --> 00:06:38,093 (助左衛門)仁平 (仁平)はっ 54 00:06:38,093 --> 00:06:40,095 (助左衛門)お麻 (お麻)はっ 55 00:06:40,095 --> 00:06:43,098 うーん 皆 若いのう 56 00:06:43,098 --> 00:06:47,102 根来衆の次代を担う 若者どもにございますれば 57 00:06:47,102 --> 00:06:49,104 (安藤)うん 58 00:06:49,104 --> 00:06:51,106 よいか 59 00:06:51,106 --> 00:06:56,111 その方ら これより 御家老のお指図に従え 60 00:06:56,111 --> 00:06:58,113 (助八たち)はっ 61 00:06:58,113 --> 00:07:01,116 では申しつくる 62 00:07:01,116 --> 00:07:05,120 勢州 松阪の代官を務める 加納五郎左に➡ 63 00:07:05,120 --> 00:07:09,124 源六と申すせがれがおる 64 00:07:09,124 --> 00:07:13,128 手に負えぬ無法者と聞いておる 65 00:07:13,128 --> 00:07:18,133 このまま捨て置いては 藩の名に関わるゆえ➡ 66 00:07:18,133 --> 00:07:22,071 行って 始末をつけてまいれ 67 00:07:22,071 --> 00:07:24,073 始末と申しますと? 68 00:07:24,073 --> 00:07:26,075 知れたこと 69 00:07:26,075 --> 00:07:32,081 手に余れば 息の根を止めてもかまわん 70 00:07:32,081 --> 00:07:37,086 畏れながら たかが田舎者1人始末するのに➡ 71 00:07:37,086 --> 00:07:39,088 何故 御家老様がじきじき 72 00:07:39,088 --> 00:07:41,090 (細井)控えい! 73 00:07:41,090 --> 00:07:45,094 (細井)その方らは 指図どおり動けばいいのじゃ 74 00:07:45,094 --> 00:07:50,099 その源六なる者 何やら いわくありげでございますが➡ 75 00:07:50,099 --> 00:07:54,099 本当に殺してしもうても よろしいので? 76 00:08:00,109 --> 00:08:04,113 忍び風情に命を落とすようでは➡ 77 00:08:04,113 --> 00:08:09,118 所詮 天運に恵まれぬ者と 思うしかあるまい 78 00:08:09,118 --> 00:08:14,118 これも お家のためじゃ 79 00:08:50,092 --> 00:08:52,094 (利吉)あ~ 80 00:08:52,094 --> 00:08:54,096 源六様! 81 00:08:54,096 --> 00:08:57,099 こんなとこで何をなすってます 82 00:08:57,099 --> 00:08:59,101 (源六)海を見ている 83 00:08:59,101 --> 00:09:02,104 海というものは 人の心を和らげてくれる 84 00:09:02,104 --> 00:09:06,108 そりゃまあ結構ですが ここは 阿漕ヶ浦です 85 00:09:06,108 --> 00:09:10,112 うん 伊勢神宮の御神域です 86 00:09:10,112 --> 00:09:12,114 そうらしいな 87 00:09:12,114 --> 00:09:16,118 立ち入り厳禁です 人に見られぬうちに行きましょう 88 00:09:16,118 --> 00:09:22,057 しかし この浜なら 随分 魚が取れるだろうな 89 00:09:22,057 --> 00:09:25,060 そんな めっそうもない そんなことしたら 即刻打ち首です 90 00:09:25,060 --> 00:09:28,063 さあ 早く 91 00:09:28,063 --> 00:09:31,066 しかたがない 92 00:09:31,066 --> 00:09:35,070 帰るか そうしましょう 93 00:09:35,070 --> 00:09:39,070 ≪(八兵衛)お嬢様~! 94 00:09:43,078 --> 00:09:45,080 お前 助けてやれ そんなむちゃな 95 00:09:45,080 --> 00:09:48,083 源六様こそ どうぞ 助けてやれ 96 00:09:48,083 --> 00:09:51,083 (慌てる声) 97 00:09:57,092 --> 00:10:01,096 (八兵衛)お嬢様 お嬢様 お嬢様 大丈夫か しっかりしなさい おい 98 00:10:01,096 --> 00:10:03,098 お嬢様 お嬢様 99 00:10:03,098 --> 00:10:06,098 おい 大丈夫か 100 00:10:17,112 --> 00:10:20,048 (佐和)ありがとうございました 101 00:10:20,048 --> 00:10:22,050 いや それより無事でよかった 102 00:10:22,050 --> 00:10:25,053 本当に何てお礼を 申し上げてよいやら 103 00:10:25,053 --> 00:10:29,057 それにしても… どうやって馬を 104 00:10:29,057 --> 00:10:31,059 馬に言ってやったのさ 105 00:10:31,059 --> 00:10:34,062 ここは立ち入り厳禁 106 00:10:34,062 --> 00:10:38,066 たとえ馬でも 打ち首になるぞとな 107 00:10:38,066 --> 00:10:40,068 ハハハ… 108 00:10:40,068 --> 00:10:43,071 打ち首!? 109 00:10:43,071 --> 00:10:46,071 では 気を付けて行くがいい 110 00:10:49,077 --> 00:10:52,080 (佐和)あの… 111 00:10:52,080 --> 00:10:54,080 (佐和)お名前を 112 00:10:57,085 --> 00:11:02,085 私 佐和と申します 113 00:11:04,092 --> 00:11:06,092 加納源六 114 00:11:16,104 --> 00:11:20,108 <松阪牛で有名な 三重県 松阪市である> 115 00:11:20,108 --> 00:11:23,111 <当時この辺りは 紀州藩の飛び地として➡ 116 00:11:23,111 --> 00:11:26,114 和歌山より派遣された代官により 治められる➡ 117 00:11:26,114 --> 00:11:29,117 ひなびた漁師町であった> 118 00:11:29,117 --> 00:11:32,120 源六ってのは 手に負えねえ道楽息子らしいぜ 119 00:11:32,120 --> 00:11:36,124 (仁平)人のうわさじゃ めったに屋敷にも戻らねえそうだ 120 00:11:36,124 --> 00:11:39,127 (助八)ああ おやじ 腹減った 121 00:11:39,127 --> 00:11:42,130 何か食わせてくれ (店主)ああ これは源六様➡ 122 00:11:42,130 --> 00:11:44,132 ようこそ (利吉)源六様 123 00:11:44,132 --> 00:11:46,134 お食事だったら もう お屋敷に戻ってからだって 124 00:11:46,134 --> 00:11:49,137 俺は ここが気に入ってるんだ 125 00:11:49,137 --> 00:11:51,139 おやじ 湯漬けでいいぞ (店主)へい 126 00:11:51,139 --> 00:11:53,141 (利吉)ここは汚いと… うるさいな 127 00:11:53,141 --> 00:11:55,143 お前は先に屋敷に帰れ ええ… 128 00:11:55,143 --> 00:11:57,143 へい 129 00:11:59,147 --> 00:12:02,150 見慣れぬ顔だな 旅の者か? 130 00:12:02,150 --> 00:12:06,154 ええ へい あっ お伊勢参りか 131 00:12:06,154 --> 00:12:10,158 まあ そんなところで つまらん やめろやめろ 132 00:12:10,158 --> 00:12:14,162 それよりも この松阪には もっと面白い所があるぞ 133 00:12:14,162 --> 00:12:18,166 あっ 源六の旦那 旦那 捜しましたぜ 134 00:12:18,166 --> 00:12:22,104 これから始めるんだが どうです 一勝負 135 00:12:22,104 --> 00:12:25,107 よーし ゆうべの負けを取り戻してやる 136 00:12:25,107 --> 00:12:29,111 あとで泣き言 言わんでくださいよ さあ 行こう行こう 137 00:12:29,111 --> 00:12:31,113 おやじ すぐ戻ってくる (店主)へい ごゆっくり 138 00:12:31,113 --> 00:12:34,113 面白いぞ お前たちも一緒に来い 139 00:12:36,118 --> 00:12:38,120 (男性)三六の半だ ハハハ… 140 00:12:38,120 --> 00:12:40,122 (男性)頂きだ 頂き (男性)また頂いた 141 00:12:40,122 --> 00:12:44,126 旦那 どうします? もう手持ちはねえんでしょう 142 00:12:44,126 --> 00:12:46,128 借りにしとく いや そうはいきませんや なあ 143 00:12:46,128 --> 00:12:48,130 (男性)ああ そうだ そこを何とか 144 00:12:48,130 --> 00:12:51,133 駄目駄目 もう だいぶたまってんだよな 145 00:12:51,133 --> 00:12:55,137 (男性)ああ そうだよ 旦那 前のも払ってくんないと困るよ 146 00:12:55,137 --> 00:12:57,139 あっ 旅の人 147 00:12:57,139 --> 00:13:00,142 ひとつ 手慰みに 遊んでみませんか? 148 00:13:00,142 --> 00:13:03,145 いや 断る 149 00:13:03,145 --> 00:13:06,148 そうか あ~ 150 00:13:06,148 --> 00:13:10,152 あっ 近頃お前たち 不漁で困っているんだろ 151 00:13:10,152 --> 00:13:16,158 ああ 魚が取れりゃ こんなことで 暇潰しちゃいませんよ 152 00:13:16,158 --> 00:13:20,095 よし 俺が好きなだけ 魚を取らせてやるから 153 00:13:20,095 --> 00:13:22,097 (男性たち)えっ? 154 00:13:22,097 --> 00:13:24,099 もう一勝負させろ (男性たち)えっ?➡ 155 00:13:24,099 --> 00:13:27,102 どういうことだい そりゃ どうすんだ やろうか 156 00:13:27,102 --> 00:13:30,105 (男性たち) よーいしょ よーいしょ 157 00:13:30,105 --> 00:13:33,108 大漁 (男性たち)よーいしょ よーいしょ 158 00:13:33,108 --> 00:13:36,111 ほーら 引け もっと引け! 159 00:13:36,111 --> 00:13:38,113 そら! (男性たち)よーいしょ 160 00:13:38,113 --> 00:13:41,116 どうした どうした (男性)重たくて 重たくて… 161 00:13:41,116 --> 00:13:45,120 早くしろ 早くしろ (男性)でも大丈夫ですかい 旦那 162 00:13:45,120 --> 00:13:48,123 ぐずぐずしてると 木っ端役人が来るぞ 163 00:13:48,123 --> 00:13:50,125 さあ 取れるだけ取って 早く帰ろう 164 00:13:50,125 --> 00:13:56,131 (男性)へい (男性たち)よーいしょ よーいしょ 165 00:13:56,131 --> 00:13:58,133 (利吉)源六様! 166 00:13:58,133 --> 00:14:00,135 (男性たち)よーいしょ よっ 167 00:14:00,135 --> 00:14:03,138 なんということを 見つかれば打ち首です 168 00:14:03,138 --> 00:14:06,141 えっ!? 打ち首? (利吉)やめんか 169 00:14:06,141 --> 00:14:10,145 早く引け (利吉)源六様 源六様 170 00:14:10,145 --> 00:14:14,149 あれが源六? (平助)ケッ なんてやつだ 171 00:14:14,149 --> 00:14:17,152 久しぶりの大漁に 漁師たちも沸き立っていたぞ 172 00:14:17,152 --> 00:14:20,088 明日もまた来るか とんでもない 173 00:14:20,088 --> 00:14:22,090 命がいくつあっても足りませんよ 174 00:14:22,090 --> 00:14:26,090 (大伍)来た (助八)うん うん? 175 00:14:28,096 --> 00:14:31,099 何だ何だ! 加納源六と知っての ろうぜきか 176 00:14:31,099 --> 00:14:34,102 (忍者たち)ふっ! (飛来音) 177 00:14:34,102 --> 00:14:37,105 忍び猿か 178 00:14:37,105 --> 00:14:39,105 俺を斬って何の得になる 179 00:14:44,112 --> 00:14:46,114 (大伍)甲賀者だ 180 00:14:46,114 --> 00:14:48,116 (小三郎)俺たちが 手を下さなくても事は済みそうだ 181 00:14:48,116 --> 00:14:51,119 (助八)そうはいかん 使命は あくまでも使命➡ 182 00:14:51,119 --> 00:14:54,122 甲賀者を斬って 俺たちの手で源六を狙う 183 00:14:54,122 --> 00:14:56,124 (飛来音) 184 00:14:56,124 --> 00:14:59,124 (助八)くそ… 続け! 185 00:15:06,134 --> 00:15:09,137 源六様 今のうちに逃げましょう 186 00:15:09,137 --> 00:15:12,140 お前は逃げろ 俺は見物していく 187 00:15:12,140 --> 00:15:15,143 そんな… うわ~! 188 00:15:15,143 --> 00:15:28,089 ♬~ 189 00:15:28,089 --> 00:15:31,092 (助八)女か 190 00:15:31,092 --> 00:15:33,092 (登幾)引け! 191 00:15:42,103 --> 00:15:45,106 あの一味は お前たちを恐れて 逃げたのではない 192 00:15:45,106 --> 00:15:48,109 (助八)何? 193 00:15:48,109 --> 00:15:50,109 見ろ 194 00:15:54,115 --> 00:15:57,115 (池田)山田奉行所だ 控えい 控えい! 195 00:16:07,128 --> 00:16:11,132 そうかっかせず 少しは寝たらどうだ 196 00:16:11,132 --> 00:16:14,135 うるさい 197 00:16:14,135 --> 00:16:18,139 なぜ俺みたいな田舎侍を狙う 198 00:16:18,139 --> 00:16:20,075 言う必要はない 199 00:16:20,075 --> 00:16:23,075 俺は聞きたいな しつこいな 200 00:16:25,080 --> 00:16:29,084 こんな俺に 殺すほどの値打ちを 見つけてくれたやつに➡ 201 00:16:29,084 --> 00:16:31,084 礼を言いたい 202 00:16:33,088 --> 00:16:37,092 まあ 俺も この命を持て余しているから➡ 203 00:16:37,092 --> 00:16:39,094 お前たちに 預けてやってもいいんだが➡ 204 00:16:39,094 --> 00:16:42,097 こうなってしまっては それも無理だ 205 00:16:42,097 --> 00:16:45,100 諦めろ 206 00:16:45,100 --> 00:16:47,102 (小三郎)ここでだってやれるぞ 207 00:16:47,102 --> 00:16:49,104 いや できんな 208 00:16:49,104 --> 00:16:53,108 お前たち一人一人の顔を見れば 分かる 209 00:16:53,108 --> 00:16:57,112 牢の中で 人間1人 なぶり殺しにするほどの度胸を➡ 210 00:16:57,112 --> 00:16:59,114 まだ持ち合わせてはおらん 211 00:16:59,114 --> 00:17:02,117 やると言ったらどうする 212 00:17:02,117 --> 00:17:04,119 そう強がるな 213 00:17:04,119 --> 00:17:06,121 手出すな 214 00:17:06,121 --> 00:17:09,124 俺1人で十分 215 00:17:09,124 --> 00:17:12,127 ≪(池田)静まれ 静まれ! 216 00:17:12,127 --> 00:17:14,129 源六殿 217 00:17:14,129 --> 00:17:16,129 これよりお奉行が お取り調べなされる 出られい 218 00:17:19,134 --> 00:17:21,136 <大岡忠相は 1, 900石の旗本で➡ 219 00:17:21,136 --> 00:17:26,141 天領 伊勢山田の奉行を務める 秀才である> 220 00:17:26,141 --> 00:17:28,143 (忠相)申し上げておくが➡ 221 00:17:28,143 --> 00:17:32,147 お若いうちは 精いっぱい 世の不条理に刃向こうてみるも➡ 222 00:17:32,147 --> 00:17:34,149 修行のうち 223 00:17:34,149 --> 00:17:39,154 ですが いま少し 身を大切になさらぬと➡ 224 00:17:39,154 --> 00:17:41,156 行く末の御身分に障りまする 225 00:17:41,156 --> 00:17:44,159 行く末の身分だと? 226 00:17:44,159 --> 00:17:49,164 たかが300石 勢州飛び地の代官か 227 00:17:49,164 --> 00:17:53,168 いやいや 源六殿は そうは思うてはおりますまい 228 00:17:53,168 --> 00:17:55,170 うん? 229 00:17:55,170 --> 00:17:58,173 うすうすは感づいておられるはず 230 00:17:58,173 --> 00:18:00,175 うん 231 00:18:00,175 --> 00:18:06,181 俺はどうやら 加納家の嫡出子ではなさそうだ 232 00:18:06,181 --> 00:18:14,189 幼いころから 父母のよそよそしい 目の中で育てられてきた 233 00:18:14,189 --> 00:18:17,125 忠相 234 00:18:17,125 --> 00:18:20,128 お主 俺の素性を知っておるな 235 00:18:20,128 --> 00:18:22,130 はい 236 00:18:22,130 --> 00:18:25,133 言ってくれ 237 00:18:25,133 --> 00:18:28,136 俺は一体 何者なんだ 238 00:18:28,136 --> 00:18:31,139 捨て子にござります 239 00:18:31,139 --> 00:18:33,139 捨て子? 240 00:18:35,143 --> 00:18:38,146 やっぱりそうか 241 00:18:38,146 --> 00:18:41,149 ハハハ… 242 00:18:41,149 --> 00:18:44,152 道理で出来が悪いと思った 243 00:18:44,152 --> 00:18:46,154 ですが身元は分かっております 244 00:18:46,154 --> 00:18:49,157 どうせ 子を捨てるような親 245 00:18:49,157 --> 00:18:52,160 聞きたくもない 246 00:18:52,160 --> 00:18:55,163 はっ 247 00:18:55,163 --> 00:18:57,165 何のまねだ 248 00:18:57,165 --> 00:19:04,165 お父上は 紀州藩主 光貞公にござります 249 00:19:08,176 --> 00:19:10,178 何だと? 250 00:19:10,178 --> 00:19:13,181 母君は側室 お由利の方 251 00:19:13,181 --> 00:19:17,118 が 御正室 高子様の嫉妬から 庶子として認められず➡ 252 00:19:17,118 --> 00:19:20,121 たまたま 殿の厄年の二つ子に当たり➡ 253 00:19:20,121 --> 00:19:23,124 父の寿命を縮めるとの 言い伝えから➡ 254 00:19:23,124 --> 00:19:27,124 二の丸 御門そばに 捨てられたのでございます 255 00:19:33,134 --> 00:19:35,136 (忠相) 通りかかった100石の貧乏藩士➡ 256 00:19:35,136 --> 00:19:38,139 加納五郎左が拾いましたが➡ 257 00:19:38,139 --> 00:19:41,142 加納の家は その後 200石の御加増を受け➡ 258 00:19:41,142 --> 00:19:46,147 五郎左自身も 松阪の代官に任ぜられたのです 259 00:19:46,147 --> 00:20:02,163 ♬~ 260 00:20:02,163 --> 00:20:06,167 されば お心掛けと御運しだいでは➡ 261 00:20:06,167 --> 00:20:10,171 紀州55万石の御当主とも なられるお方 262 00:20:10,171 --> 00:20:15,176 今までの数々の御無礼 平に御容赦のほどを 263 00:20:15,176 --> 00:20:20,115 おいおい 今更 水くさいまねはやめろ 264 00:20:20,115 --> 00:20:24,119 それより 証拠はあるのか? 265 00:20:24,119 --> 00:20:28,119 証拠は ゆうべの刺客でござりまする 266 00:20:32,127 --> 00:20:36,131 源六様を 殿の隠し子と知ったればこそ➡ 267 00:20:36,131 --> 00:20:39,134 抹殺を謀ったのです 268 00:20:39,134 --> 00:20:42,137 何者の差し金かな 269 00:20:42,137 --> 00:20:44,139 それを探るために ゆうべ一晩➡ 270 00:20:44,139 --> 00:20:49,144 刺客どもと同じ牢に 入ったのでございましょう? 271 00:20:49,144 --> 00:20:53,148 うん 根来の忍びとだけは 分かったのだが 272 00:20:53,148 --> 00:20:56,151 おお 根来 273 00:20:56,151 --> 00:20:59,154 心当たりはあるのか? 274 00:20:59,154 --> 00:21:03,158 恐らくは附家老 安藤帯刀殿 275 00:21:03,158 --> 00:21:05,160 何? 276 00:21:05,160 --> 00:21:07,162 いやいや 帯刀殿は➡ 277 00:21:07,162 --> 00:21:11,166 藩の将来の禍根を絶とうと なされたのでございましょう 278 00:21:11,166 --> 00:21:16,171 で もう一組の刺客は? 279 00:21:16,171 --> 00:21:19,174 いや とんと見当がつかん 280 00:21:19,174 --> 00:21:21,174 ≪(佐和)失礼いたします 281 00:21:28,183 --> 00:21:31,183 朝がゆをお持ちいたしました 282 00:21:34,189 --> 00:21:37,192 あっ あなたは 283 00:21:37,192 --> 00:21:40,195 加納様 284 00:21:40,195 --> 00:21:44,199 何だ もう顔見知りですか➡ 285 00:21:44,199 --> 00:21:47,202 佐和は遠縁の娘でしてな➡ 286 00:21:47,202 --> 00:21:52,207 早うに父を亡くし 先日は母をも失いましたので➡ 287 00:21:52,207 --> 00:21:55,210 当家に引き取りました 288 00:21:55,210 --> 00:21:57,212 それはお気の毒に 289 00:21:57,212 --> 00:22:02,217 先日は 本当にありがとうございました 290 00:22:02,217 --> 00:22:05,217 いや… はっ 291 00:22:08,223 --> 00:22:10,223 (解錠音) 292 00:22:13,228 --> 00:22:18,166 何だい また来やがったのか 293 00:22:18,166 --> 00:22:21,169 別れを言いに来た 294 00:22:21,169 --> 00:22:24,172 その前に お前たちに聞いておきたい 295 00:22:24,172 --> 00:22:32,180 俺の命を狙わせたのは 附家老 安藤帯刀 296 00:22:32,180 --> 00:22:36,184 間違いないな 297 00:22:36,184 --> 00:22:40,188 加納源六 赤子のころに 一度捨てた命 298 00:22:40,188 --> 00:22:44,192 誰を差し向けようと 二度と捨てはせぬ 299 00:22:44,192 --> 00:22:47,192 帰って そう帯刀に伝えるがいい 300 00:22:54,202 --> 00:22:58,206 (池田)出ろ お前たちも解き放ちだ 301 00:22:58,206 --> 00:23:01,209 (仁平たち)えっ? (池田)加納源六様のお慈悲だ 302 00:23:01,209 --> 00:23:04,212 何? あいつが? 303 00:23:04,212 --> 00:23:06,212 ありがたく思え 304 00:23:09,217 --> 00:23:13,221 (八兵衛) お嬢様 どうかなさいましたか 305 00:23:13,221 --> 00:23:16,157 いえ 別に 306 00:23:16,157 --> 00:23:20,161 何か思い詰めてる御様子でしたが 307 00:23:20,161 --> 00:23:22,161 何でもありません 308 00:23:30,171 --> 00:23:36,177 あっ 降ってきやがった 309 00:23:36,177 --> 00:23:39,180 八兵衛 傘を用意してください 310 00:23:39,180 --> 00:23:41,182 (八兵衛) えっ? お出かけですか?➡ 311 00:23:41,182 --> 00:23:44,185 お使いなら私が… (佐和)いえ いいんです 312 00:23:44,185 --> 00:23:48,185 それより早く傘を 早く (八兵衛)はいはい 313 00:24:25,159 --> 00:24:28,159 ≪(佐和)加納様 314 00:24:31,165 --> 00:24:34,168 間に合ってよかった 佐和殿 315 00:24:34,168 --> 00:24:38,172 この雨で お困りになってると思って 316 00:24:38,172 --> 00:24:41,175 そのために わざわざ? 317 00:24:41,175 --> 00:24:43,175 いや それはすまん 318 00:24:50,184 --> 00:24:53,187 お前か 319 00:24:53,187 --> 00:24:55,187 しぶといやつだな 320 00:25:02,196 --> 00:25:07,201 ぬれるぞ これを持ってけ 321 00:25:07,201 --> 00:25:10,201 さあ 佐和殿 参ろう 322 00:25:20,148 --> 00:25:22,148 この雨… あの… 323 00:25:26,154 --> 00:25:30,158 なかなか やみそうにもないな 324 00:25:30,158 --> 00:25:33,161 ええ 325 00:25:33,161 --> 00:25:35,163 奉行所まで送っていこう 326 00:25:35,163 --> 00:25:39,167 いえ それでしたら 私が源六様をお送りします 327 00:25:39,167 --> 00:25:42,170 いや そうもいくまい 328 00:25:42,170 --> 00:25:45,173 弱ったな 329 00:25:45,173 --> 00:25:50,178 じゃあ しばらく このままでいましょう 330 00:25:50,178 --> 00:25:52,178 うん 331 00:25:58,186 --> 00:26:01,189 御迷惑ですか? 332 00:26:01,189 --> 00:26:03,189 感謝しておる 333 00:26:05,193 --> 00:26:07,195 この雨に 334 00:26:07,195 --> 00:26:09,197 まあ 335 00:26:09,197 --> 00:26:12,197 フフフ… 336 00:26:18,139 --> 00:26:21,139 雨は嫌いです 337 00:26:24,145 --> 00:26:33,145 父が亡くなった日も 母のときも 雨が降っていました 338 00:26:37,158 --> 00:26:41,162 独りっきりってのは つらいことだ 339 00:26:41,162 --> 00:26:46,167 俺も親なんて ないも同然 340 00:26:46,167 --> 00:26:48,169 えっ? 341 00:26:48,169 --> 00:26:53,174 いや こんな雨の中に 湿っぽい話はやめよう 342 00:26:53,174 --> 00:26:55,174 はい 343 00:27:00,181 --> 00:27:05,186 でも 今日の雨は とてもすてき 344 00:27:05,186 --> 00:27:08,189 うん? 345 00:27:08,189 --> 00:27:15,196 こうして 源六様と一緒にいられますもの 346 00:27:15,196 --> 00:27:18,132 佐和殿 347 00:27:18,132 --> 00:27:20,134 気を付けた方がいいぞ 348 00:27:20,134 --> 00:27:23,137 加納源六という男は 暴れ者の上に➡ 349 00:27:23,137 --> 00:27:27,141 女にも手が早いと すこぶる評判が悪い 350 00:27:27,141 --> 00:27:30,144 まあ 誰がそんなことを? 351 00:27:30,144 --> 00:27:33,147 自分で言うんだから間違いない 352 00:27:33,147 --> 00:27:38,152 アハハ… 353 00:27:38,152 --> 00:27:51,165 ♬~ 354 00:27:51,165 --> 00:27:54,168 ≪ 父上 母上 355 00:27:54,168 --> 00:27:58,172 ただいま帰りました 356 00:27:58,172 --> 00:28:00,174 これは一体 何事ですか 357 00:28:00,174 --> 00:28:02,174 (加納)ははっ 358 00:28:05,179 --> 00:28:09,183 (加納)あっ? あっ さあさあ さあさあ そちらの席へ 359 00:28:09,183 --> 00:28:11,185 いや そこは父上のお席 360 00:28:11,185 --> 00:28:13,187 いやいや… かまわぬ かまわぬ 361 00:28:13,187 --> 00:28:16,123 (末女)さあ 源六殿 早う 362 00:28:16,123 --> 00:28:19,126 (加納)さあさあ さあさあ あっ 363 00:28:19,126 --> 00:28:21,126 じゃ 364 00:28:24,131 --> 00:28:27,134 (末女)御立派なこと 365 00:28:27,134 --> 00:28:30,137 さすが 血筋は争えませぬ 366 00:28:30,137 --> 00:28:32,137 うん 367 00:28:38,145 --> 00:28:41,148 うーん… ところで➡ 368 00:28:41,148 --> 00:28:47,154 大岡忠相殿から 聞いてくれたと思うが 369 00:28:47,154 --> 00:28:50,157 何をです? えっ? 370 00:28:50,157 --> 00:28:52,159 あ… 371 00:28:52,159 --> 00:28:59,166 大岡殿は 何も申さなかったのか? 372 00:28:59,166 --> 00:29:01,168 アハハ… 373 00:29:01,168 --> 00:29:05,172 いや 御心配なく しかと聞き及びました 374 00:29:05,172 --> 00:29:09,176 しかし お二人の差し金とは 知りませんでした 375 00:29:09,176 --> 00:29:16,117 たとえ 大守の子であろうとも 生みの親より育ての親と申します 376 00:29:16,117 --> 00:29:19,120 お手前様方が 我が父 母であることには➡ 377 00:29:19,120 --> 00:29:22,123 これから先も変わりはないこと 378 00:29:22,123 --> 00:29:25,123 席を譲ります (加納)いや! そのまま そのまま 379 00:29:27,128 --> 00:29:32,128 今日よりは こうあらねばならん うん 380 00:29:36,137 --> 00:29:42,143 いずれ 殿の御前で 披露いたす日も来よう 381 00:29:42,143 --> 00:29:45,143 (助八)藩主の子か 382 00:29:53,154 --> 00:29:55,156 (助八)また甲賀者か 383 00:29:55,156 --> 00:30:14,175 ♬~ 384 00:30:14,175 --> 00:30:19,113 (助八)名を名乗れ! 甲賀の雌猫 385 00:30:19,113 --> 00:30:21,115 (登幾)雲隠れの登幾➡ 386 00:30:21,115 --> 00:30:25,119 根来の山猿 お前の名は? 387 00:30:25,119 --> 00:30:27,121 (助八)藪田の助八 388 00:30:27,121 --> 00:30:30,124 (登幾)狙う獲物は同じ加納源六➡ 389 00:30:30,124 --> 00:30:33,127 話によっちゃ 手を組んでもいいんだぜ 390 00:30:33,127 --> 00:30:38,127 (助八)ハハハ… 甲賀の助けなど借りるか 391 00:30:45,139 --> 00:30:51,139 (登幾)フン 強がり言って あとで後悔しないことだね 392 00:31:00,121 --> 00:31:03,124 若頭 今になって 何をためらっているんだ 393 00:31:03,124 --> 00:31:06,124 臆したのなら 俺に任せてくれ 394 00:31:08,129 --> 00:31:14,135 実は今日 意外なことを知った 395 00:31:14,135 --> 00:31:18,139 加納源六は 藩主 光貞公の隠し子なのだ 396 00:31:18,139 --> 00:31:21,142 (大伍たち)うん? 397 00:31:21,142 --> 00:31:27,148 それで安藤様は 行く末 藩のお家騒動の芽を摘むため➡ 398 00:31:27,148 --> 00:31:30,151 俺たちを刺客に差し向けたのか 399 00:31:30,151 --> 00:31:32,153 このまま逃げ帰っては 400 00:31:32,153 --> 00:31:34,155 (仁平) 根来一族のお城への登用が遠のく 401 00:31:34,155 --> 00:31:38,159 が しかし 俺たちはあいつに 牢から出してもらった借りがある 402 00:31:38,159 --> 00:31:41,162 あのままだったら 打ち首にされてたかもしれねえ 403 00:31:41,162 --> 00:31:46,167 そうよ 自分の命を狙う者と 知りながら解き放してくれたのよ 404 00:31:46,167 --> 00:31:49,170 みんな 何とも思わないの? 405 00:31:49,170 --> 00:31:53,174 とにかく あいつに借りを返そう 406 00:31:53,174 --> 00:31:56,177 (大伍)借り? (助八)うん 407 00:31:56,177 --> 00:32:00,181 甲賀者の隠れがを突き止めて 追っ払ってやるのさ 408 00:32:00,181 --> 00:32:02,183 (女性)お兄さん 飲んでかない? 409 00:32:02,183 --> 00:32:06,187 (女性)ねえ 飲んでってよ お兄さん 410 00:32:06,187 --> 00:32:09,190 (助八)あっ おうおう 悪い (女性)何すんのよ 411 00:32:09,190 --> 00:32:13,127 (女性)ねえ 飲んでって ねえ 412 00:32:13,127 --> 00:32:15,129 (女性) あっ お兄さん 飲んでかない? 413 00:32:15,129 --> 00:32:17,131 ああ 男はいらねえんだよ 414 00:32:17,131 --> 00:32:19,131 (女性)お兄さん 415 00:32:23,137 --> 00:32:26,140 根来のやつら 血眼になって嗅ぎ回ってる 416 00:32:26,140 --> 00:32:30,140 少しからかってやろうか (左平次)およしなさい 登幾様 417 00:32:32,146 --> 00:32:36,150 左平次 もうこんな田舎飽きた 418 00:32:36,150 --> 00:32:38,152 早く仕事済まして京へ帰ろう 419 00:32:38,152 --> 00:32:40,152 もうしばらくの辛抱ですよ 420 00:32:48,162 --> 00:32:52,166 登幾様は 代々 京の忍び御用を務める➡ 421 00:32:52,166 --> 00:32:56,170 甲賀宮飛脚の頭 茶利の龍玄様の娘 422 00:32:56,170 --> 00:32:58,172 このような役回りに お使い立てするのには➡ 423 00:32:58,172 --> 00:33:01,175 忍びないんですが (登幾)またそれを言う 424 00:33:01,175 --> 00:33:03,175 自分で望んだことだ 425 00:33:05,179 --> 00:33:07,179 どなたか? ≪(女性)御免ください 426 00:33:09,183 --> 00:33:13,183 あの 離れのお武家様が お呼びでございますが 427 00:33:20,127 --> 00:33:25,132 <素浪人ながら その底知れぬ 剣の技と知力によって➡ 428 00:33:25,132 --> 00:33:28,135 京の公家たちから 一目置かれていた> 429 00:33:28,135 --> 00:33:40,147 ♬~ 430 00:33:40,147 --> 00:33:45,152 (伊賀介)加納源六には だいぶ てこずっておるようだな 431 00:33:45,152 --> 00:33:49,156 いや 隙だらけに見えて なかなか その隙をつかません 432 00:33:49,156 --> 00:33:53,160 思いの外 手ごわい相手です 433 00:33:53,160 --> 00:33:55,162 ハハッ 434 00:33:55,162 --> 00:33:59,166 紀州の隠し子は やはり ただのならず者ではないか 435 00:33:59,166 --> 00:34:02,169 いかにも 436 00:34:02,169 --> 00:34:07,174 追ってくる根来の忍びを 手玉に取ったらしいが➡ 437 00:34:07,174 --> 00:34:10,177 お前ら 甲賀宮飛脚も同じことか? 438 00:34:10,177 --> 00:34:12,179 伊賀介様 お言葉が過ぎます 439 00:34:12,179 --> 00:34:15,115 だったら早々に始末せい 440 00:34:15,115 --> 00:34:20,120 大岡忠相と組んで 何やら動きだした気配だ 441 00:34:20,120 --> 00:34:22,122 紀州の庶子として 認められてからでは➡ 442 00:34:22,122 --> 00:34:24,124 容易に手が出せん 443 00:34:24,124 --> 00:34:26,124 いかにも 444 00:34:28,128 --> 00:34:32,132 俺としては 源六をもう少し 大物にしてからの方が➡ 445 00:34:32,132 --> 00:34:35,132 斬りがいがあるんだが 446 00:34:38,138 --> 00:34:41,141 大丈夫か はい 平気です 447 00:34:41,141 --> 00:34:43,143 あれ以来 もう馬にも慣れました 448 00:34:43,143 --> 00:34:47,147 また妙なことに やみつきになったものだな 449 00:34:47,147 --> 00:34:49,149 もっと飛ばすぞ 450 00:34:49,149 --> 00:34:51,151 はい 御存分に 451 00:34:51,151 --> 00:34:54,154 源六様がついていますから ちっとも怖くありませぬ 452 00:34:54,154 --> 00:34:56,156 申したな 453 00:34:56,156 --> 00:34:58,156 そら! 454 00:35:01,161 --> 00:35:04,161 お嬢様~! 455 00:35:07,167 --> 00:35:09,169 フン いい気なもんだ 456 00:35:09,169 --> 00:35:13,107 天下太平か 457 00:35:13,107 --> 00:35:16,110 だがそれも ほんのつかの間だ 458 00:35:16,110 --> 00:35:20,114 (八兵衛)お嬢様~!➡ 459 00:35:20,114 --> 00:35:24,114 お嬢様~! 460 00:35:26,120 --> 00:35:29,123 しぶといな あの男 461 00:35:29,123 --> 00:35:31,125 心配性なのです 462 00:35:31,125 --> 00:35:34,128 源六様が女に手が早いと聞いて 463 00:35:34,128 --> 00:35:37,131 ひどいな 誰がそんなこと言った 464 00:35:37,131 --> 00:35:40,134 あら 御自分で そうおっしゃいました 465 00:35:40,134 --> 00:35:42,136 そうだったかな? 466 00:35:42,136 --> 00:35:46,140 ハハッ ハハハ… 467 00:35:46,140 --> 00:35:51,145 (忠相)源六殿! 源六殿! 468 00:35:51,145 --> 00:35:53,147 うん? 469 00:35:53,147 --> 00:35:55,149 こっちにも 口やかましい邪魔者が1人 470 00:35:55,149 --> 00:35:57,151 まあ 471 00:35:57,151 --> 00:36:02,156 お楽しみのところ申し訳ないが 少々 話したきことがござる 472 00:36:02,156 --> 00:36:06,160 説教ならごめんだぞ 473 00:36:06,160 --> 00:36:09,163 (八兵衛)あっ ハァハァ… 474 00:36:09,163 --> 00:36:12,166 (佐和)八兵衛 475 00:36:12,166 --> 00:36:14,101 (八兵衛)ハァハァ… 476 00:36:14,101 --> 00:36:16,103 (佐和)八兵衛? 477 00:36:16,103 --> 00:36:19,106 あまり派手な振る舞いは お慎みください 478 00:36:19,106 --> 00:36:22,109 それでなくとも 狙われておるのですから 479 00:36:22,109 --> 00:36:24,111 まあ そう固いこと言うな 480 00:36:24,111 --> 00:36:27,114 俺は明日にも この地を出る 481 00:36:27,114 --> 00:36:30,117 出る? この5日 和歌山本城で➡ 482 00:36:30,117 --> 00:36:32,119 端午の節会がある 483 00:36:32,119 --> 00:36:35,122 そこに乗り込んで 名乗りを上げるつもりだ 484 00:36:35,122 --> 00:36:39,126 はあ しかし どういう名目で登城なさいます 485 00:36:39,126 --> 00:36:42,129 飛び地代官 加納五郎左の名代さ 486 00:36:42,129 --> 00:36:45,132 お父上は御承知ですか? 487 00:36:45,132 --> 00:36:47,134 いや だからお主➡ 488 00:36:47,134 --> 00:36:50,137 何か役向きの用事で 引き止めてくれ 489 00:36:50,137 --> 00:36:53,140 しかし 城に上がってどうします 490 00:36:53,140 --> 00:36:56,143 藩主の隠し子と うっかり口にすれば➡ 491 00:36:56,143 --> 00:37:00,147 乱心扱いはまだしも その場で切腹 492 00:37:00,147 --> 00:37:04,151 覚悟の上さ 493 00:37:04,151 --> 00:37:10,157 といって それを公言しなければ 世に出る機会は訪れぬ 494 00:37:10,157 --> 00:37:13,093 のるかそるかの大ばくちだ 495 00:37:13,093 --> 00:37:15,095 漁師どもの間では➡ 496 00:37:15,095 --> 00:37:19,099 源六様のばくちの弱さは 有名ですが 497 00:37:19,099 --> 00:37:23,103 なに 大きな賭けに勝つための布石さ 498 00:37:23,103 --> 00:37:25,103 なるほど 499 00:37:27,107 --> 00:37:31,111 このまま 加納家300石を継いで➡ 500 00:37:31,111 --> 00:37:36,116 この地で一生を終えた方が 気楽かもしれぬ 501 00:37:36,116 --> 00:37:39,119 だが 出生への秘密を知った以上➡ 502 00:37:39,119 --> 00:37:47,127 それを定めとして受け止め 道を切り開かねばなるまい 503 00:37:47,127 --> 00:37:49,129 分かりました 504 00:37:49,129 --> 00:37:51,131 あなたが そのお覚悟なら➡ 505 00:37:51,131 --> 00:37:55,135 及ばずながら この忠相 力になりましょう 506 00:37:55,135 --> 00:37:57,137 うん 507 00:37:57,137 --> 00:38:00,140 太平の侍というのは 悲しいもので➡ 508 00:38:00,140 --> 00:38:04,144 なすすべもなく 一生を終わらねばなりません 509 00:38:04,144 --> 00:38:10,150 されば忠相 この手で大名1人 つくってみとうなりました 510 00:38:10,150 --> 00:38:13,086 忠相 お主 このわしを➡ 511 00:38:13,086 --> 00:38:15,088 くぐつ師のように 操ろうというのか? 512 00:38:15,088 --> 00:38:18,091 ハハハ… とてもとても 513 00:38:18,091 --> 00:38:24,091 源六様がその程度の器なら 忠相 そんな野望は抱きませぬ 514 00:38:28,101 --> 00:38:32,105 刀を振り回して 一城を物にする時代が過ぎ➡ 515 00:38:32,105 --> 00:38:36,109 公儀が 秩序の府となったからには➡ 516 00:38:36,109 --> 00:38:40,109 私はひとつ 源六様に賭けてみたいと思います 517 00:38:43,150 --> 00:39:03,170 (鳴き声) 518 00:39:03,170 --> 00:39:11,170 (鳴き声) 519 00:39:13,113 --> 00:39:18,113 (小鳥の鳴き声) 520 00:39:21,121 --> 00:39:23,121 (鳴き声) 521 00:39:48,148 --> 00:39:51,151 ≪(八兵衛)お嬢様 522 00:39:51,151 --> 00:39:53,151 お嬢様… 523 00:39:58,158 --> 00:40:00,158 お嬢様! 524 00:40:12,105 --> 00:40:17,110 やはり さかやきをそらねばならんか 525 00:40:17,110 --> 00:40:19,112 当たり前ですよ 526 00:40:19,112 --> 00:40:22,115 そんな頭で お城へ 上がった人なんかいませんよ 527 00:40:22,115 --> 00:40:24,117 さっ 始めますよ 528 00:40:24,117 --> 00:40:26,117 ≪(小者)源六様 529 00:40:28,121 --> 00:40:32,121 (小者)今 裏口にこんな投げ文が うん? 530 00:40:36,129 --> 00:40:39,132 (佐和)「源六様 辰の刻➡ 531 00:40:39,132 --> 00:40:43,136 妙法寺境内にて お目文字いたしたく➡ 532 00:40:43,136 --> 00:40:46,139 お待ち申しております 佐和」 533 00:40:46,139 --> 00:40:49,142 (利吉)ヘヘヘ… 534 00:40:49,142 --> 00:40:52,145 源六様も隅に置けませんね 535 00:40:52,145 --> 00:40:55,148 しばしの別れだ 536 00:40:55,148 --> 00:40:58,151 会ってくるか 537 00:40:58,151 --> 00:41:01,151 ヘッ ごゆっくりどうぞ 538 00:41:05,158 --> 00:41:10,158 (馬のひづめの音) 539 00:41:14,167 --> 00:41:17,170 どうした 忠相 どこへ行かれます 540 00:41:17,170 --> 00:41:22,170 いやその… ちょっと やぼ用がな 541 00:41:25,178 --> 00:41:27,180 佐和殿から呼び出されたのでは ありませぬか? 542 00:41:27,180 --> 00:41:29,182 うん? うん… 543 00:41:29,182 --> 00:41:33,186 罠です 佐和殿は何者かに かどわかされました 544 00:41:33,186 --> 00:41:36,189 何だと? あなたをおびき出すための罠です 545 00:41:36,189 --> 00:41:39,192 行ってはなりませぬ ばか言え では佐和はどうなる 546 00:41:39,192 --> 00:41:41,194 私どもの手で取り戻します 547 00:41:41,194 --> 00:41:44,197 呼び出しの場所はどこです やつらの狙いは この俺だ 548 00:41:44,197 --> 00:41:46,199 俺が行かなければ 佐和の身が危ない 549 00:41:46,199 --> 00:41:51,204 源六殿 あなたは和歌山本城の節会で➡ 550 00:41:51,204 --> 00:41:53,206 御自身を 世に認めさせねばなりませぬ 551 00:41:53,206 --> 00:41:56,209 大事の前の小事 こらえてくだされ 552 00:41:56,209 --> 00:41:58,211 大事の前の小事か 553 00:41:58,211 --> 00:42:02,215 あいにく 俺はお主と違って 小事にもこだわるたちでな 554 00:42:02,215 --> 00:42:04,217 忠相 馬借りるぞ 555 00:42:04,217 --> 00:42:06,219 (忠相)源六殿! 556 00:42:06,219 --> 00:42:08,221 よし 557 00:42:08,221 --> 00:42:27,174 ♬~ 558 00:42:27,174 --> 00:42:30,177 源六だ (大伍)何か変事があったな 559 00:42:30,177 --> 00:42:33,177 行ってみよう お麻 つなぎを頼む 560 00:42:43,190 --> 00:42:47,194 佐和! ≪(佐和)源六様 来てはいけません 561 00:42:47,194 --> 00:42:51,198 加納源六 待っておった 562 00:42:51,198 --> 00:42:58,205 汚いぞ 俺を襲うならまだしも その娘には何の関わりもない 563 00:42:58,205 --> 00:43:01,208 さよう すぐに解き放とう 564 00:43:01,208 --> 00:43:05,212 ただし お主の命と引き換えにな➡ 565 00:43:05,212 --> 00:43:07,212 刀を捨てろ 566 00:43:13,153 --> 00:43:15,155 (佐和)源六様 やめて! 567 00:43:15,155 --> 00:43:17,157 私には構わず 早く逃げて 568 00:43:17,157 --> 00:43:19,159 佐和 569 00:43:19,159 --> 00:43:22,162 大望ある御身 こんな所で 犬死になされてはなりませぬ 570 00:43:22,162 --> 00:43:25,162 わめくな! やめろ 571 00:43:39,179 --> 00:43:41,179 よし (佐和)あっ! 572 00:43:44,184 --> 00:43:46,184 根来だ 斬れ 573 00:44:00,200 --> 00:44:02,200 (仁平)うわっ! 574 00:44:08,208 --> 00:44:10,143 佐和 575 00:44:10,143 --> 00:44:13,143 (佐和)源六様 大丈夫か うん? 576 00:44:21,154 --> 00:44:23,156 (左平次)引け! 577 00:44:23,156 --> 00:44:43,176 ♬~ 578 00:44:43,176 --> 00:45:03,196 ♬~ 579 00:45:03,196 --> 00:45:23,149 ♬~ 580 00:45:23,149 --> 00:45:43,169 ♬~ 581 00:45:43,169 --> 00:45:55,169 ♬~ 582 00:46:03,156 --> 00:46:05,156 (光貞)これを遣わす 583 00:46:08,094 --> 00:46:13,094 (光貞) 以後 紀州の名を辱めぬように励め