1 00:01:32,136 --> 00:01:50,136 ♬~ 2 00:01:53,124 --> 00:01:55,126 <徳川の中期> 3 00:01:55,126 --> 00:02:00,131 <紀州家の三男 吉宗は 生まれて間もなく捨て子となり➡ 4 00:02:00,131 --> 00:02:05,136 不思議な運命をたどって 藩主の座に就いた> 5 00:02:05,136 --> 00:02:09,140 <そのころ 御三家筆頭 尾張 徳川家は➡ 6 00:02:09,140 --> 00:02:13,144 水戸家と秘密同盟を結び 将軍の座を狙うが➡ 7 00:02:13,144 --> 00:02:17,148 吉宗は初恋の人 佐和➡ 8 00:02:17,148 --> 00:02:23,087 正室 おしまの方を失うという 悲運を乗り越え➡ 9 00:02:23,087 --> 00:02:26,090 根来忍者たちの活躍➡ 10 00:02:26,090 --> 00:02:31,095 剣客 柳生新六郎の助けによって 尾張の野望を粉砕➡ 11 00:02:31,095 --> 00:02:36,100 八代将軍に就任した> 12 00:02:36,100 --> 00:02:40,104 <しかし あくまでも 徳川政権転覆の執念に燃える➡ 13 00:02:40,104 --> 00:02:43,107 山内伊賀介は➡ 14 00:02:43,107 --> 00:02:46,110 策謀家の公家 鳥羽大納言を後ろ盾に➡ 15 00:02:46,110 --> 00:02:52,116 最後の切り札を投じて 吉宗に挑戦しようとしていた> 16 00:02:52,116 --> 00:02:54,118 (男性)いらっしゃい 面はいかがですか 面は 17 00:02:54,118 --> 00:02:59,123 <綱吉 家宣 家継 そして吉宗と続いた➡ 18 00:02:59,123 --> 00:03:02,126 しれつな継嗣争いには 全く関係なく➡ 19 00:03:02,126 --> 00:03:06,130 江戸庶民は誠に天下太平である> 20 00:03:06,130 --> 00:03:11,135 <しかし 吉宗が将軍職に就いた 享保元年の末➡ 21 00:03:11,135 --> 00:03:14,138 早速 2度の大火に見舞われた> 22 00:03:14,138 --> 00:03:17,141 <年が明けると それはいよいよ 頻発の度を加え➡ 23 00:03:17,141 --> 00:03:21,078 翌2年には 実に十数回にも及ぶ大火で➡ 24 00:03:21,078 --> 00:03:24,081 江戸の大半を焼き尽くした> 25 00:03:24,081 --> 00:03:27,084 <出火の多くは放火の疑いが強く➡ 26 00:03:27,084 --> 00:03:33,090 幕府は市中取締りを強化し 徹底した無宿人狩りを断行した> 27 00:03:33,090 --> 00:03:36,093 <しかし それはかえって 人々の不安をかきたて➡ 28 00:03:36,093 --> 00:03:42,093 けんか 殺人 盗賊 押し込みなど 目に余る犯罪を誘発した> 29 00:03:48,105 --> 00:03:52,109 <混乱した世情の中で 吉宗の信任厚い➡ 30 00:03:52,109 --> 00:03:57,114 大岡忠相が 江戸 南町奉行に抜てきされた> 31 00:03:57,114 --> 00:04:00,117 (吉宗) 断固とした手を打たねばならん 32 00:04:00,117 --> 00:04:02,119 (忠相)御意 33 00:04:02,119 --> 00:04:05,122 将軍職にある余への 試練かもしれん 34 00:04:05,122 --> 00:04:10,127 (忠相)上様 これは ただの災禍とは考えられません 35 00:04:10,127 --> 00:04:12,129 (忠相)目に見えぬところで➡ 36 00:04:12,129 --> 00:04:16,133 人の意思が働いているように 思えてなりません 37 00:04:16,133 --> 00:04:21,072 では 天下を覆す 陰謀だと申すのか 38 00:04:21,072 --> 00:04:24,075 (龍玄)どうじゃ 市中の様子は 39 00:04:24,075 --> 00:04:28,079 (左平次)大岡忠相め 南町奉行に着任以来➡ 40 00:04:28,079 --> 00:04:32,083 警備がますます厳しく 41 00:04:32,083 --> 00:04:38,083 成り上がりの奉行めが フフフ… 42 00:04:41,092 --> 00:04:44,095 今が千載一遇の好機 43 00:04:44,095 --> 00:04:48,099 我らが甲賀宮飛脚を軸に➡ 44 00:04:48,099 --> 00:04:52,103 尾張のお土居下衆➡ 45 00:04:52,103 --> 00:04:55,106 水戸の藤林党以下➡ 46 00:04:55,106 --> 00:05:00,111 吉宗に遺恨を持つ 各派が集結して立ち向かえば➡ 47 00:05:00,111 --> 00:05:05,116 必ずや 吉宗の天下を 打ち崩すことができようぞ 48 00:05:05,116 --> 00:05:08,119 (雲切)いかにも まずは我ら➡ 49 00:05:08,119 --> 00:05:12,123 元尾張お土居下衆が乗りだそう 50 00:05:12,123 --> 00:05:32,076 ♬~ 51 00:05:32,076 --> 00:05:34,078 ♬~ 52 00:05:34,078 --> 00:05:43,087 (男性たちの悲鳴) 53 00:05:43,087 --> 00:05:45,087 (女性の悲鳴) 54 00:05:50,094 --> 00:05:53,097 (水野)見よ 万民の声を聞くために➡ 55 00:05:53,097 --> 00:05:57,101 上様が御設置になられた 目安箱にまで このようなものが 56 00:05:57,101 --> 00:06:02,106 (継友)全て町奉行としての その方の怠慢だぞ 57 00:06:02,106 --> 00:06:05,109 名奉行の評判高い 大岡忠相も➡ 58 00:06:05,109 --> 00:06:08,112 義賊 雲切仁左衛門には 歯が立つまいと➡ 59 00:06:08,112 --> 00:06:11,115 江戸中があざ笑っておる 60 00:06:11,115 --> 00:06:14,118 存じております (継友)ならば何とする 61 00:06:14,118 --> 00:06:18,122 襲われたのは幕閣をはじめ 公儀御用達のあきんどばかり 62 00:06:18,122 --> 00:06:20,057 さよう (継友)忠相!➡ 63 00:06:20,057 --> 00:06:24,061 そう悠長に構えておる場合では あるまい➡ 64 00:06:24,061 --> 00:06:27,064 早々に手を打て➡ 65 00:06:27,064 --> 00:06:32,069 それができぬとあらば 即刻 お役を返上することだ 66 00:06:32,069 --> 00:06:34,071 尾張に手ひどく やられたそうじゃのう 67 00:06:34,071 --> 00:06:39,076 ハハッ 事あれば 御公儀の失態を暴き立て➡ 68 00:06:39,076 --> 00:06:42,079 騒ぎを城中にまで 持ち込もうとする所存と➡ 69 00:06:42,079 --> 00:06:46,083 見受けました ならば すぐにも召し捕り➡ 70 00:06:46,083 --> 00:06:49,086 見せしめのために処罰せい 上様 71 00:06:49,086 --> 00:06:52,089 それは得策とは思えませぬ 何? 72 00:06:52,089 --> 00:06:56,093 皮肉なもので 雲切仁左衛門なる賊➡ 73 00:06:56,093 --> 00:07:01,098 庶民の中にあっては 今の上様よりも人気がございます 74 00:07:01,098 --> 00:07:05,102 されば 公儀の手で断罪するよりは➡ 75 00:07:05,102 --> 00:07:08,105 闇から闇へ 葬り去るべきかと存じます 76 00:07:08,105 --> 00:07:12,109 しかし… 臨機応変 77 00:07:12,109 --> 00:07:18,115 それが 政治というもので ございましょう 78 00:07:18,115 --> 00:07:21,051 よし その方に任せる 79 00:07:21,051 --> 00:07:24,054 公儀のお庭番を使うがよい 80 00:07:24,054 --> 00:07:27,057 <公儀お庭番> 81 00:07:27,057 --> 00:07:31,061 <八代吉宗が城中に 初めて置いた役向きで➡ 82 00:07:31,061 --> 00:07:33,063 ふだんは庭の手入れを 旨とするが➡ 83 00:07:33,063 --> 00:07:38,068 事あらば将軍の身辺警護や 陰謀の探索に走る➡ 84 00:07:38,068 --> 00:07:43,073 根来衆を中心とした 秘密組織である> 85 00:07:43,073 --> 00:07:48,078 お庭番衆か 皆 根来の者だな 86 00:07:48,078 --> 00:07:51,081 (大伍)はっ 上様の命により➡ 87 00:07:51,081 --> 00:07:54,084 今は このように 相務めてございます 88 00:07:54,084 --> 00:07:56,086 それは何より 89 00:07:56,086 --> 00:07:58,088 実は その方たちの身柄は➡ 90 00:07:58,088 --> 00:08:00,090 しばらく わしが預かることになった 91 00:08:00,090 --> 00:08:03,093 (大伍)は? (忠相)頼みがある 92 00:08:03,093 --> 00:08:09,099 雲切仁左衛門なる賊 ひそかに よいか ひそかに➡ 93 00:08:09,099 --> 00:08:11,101 抹殺してもらいたい 94 00:08:11,101 --> 00:08:13,103 雲切仁左衛門 95 00:08:13,103 --> 00:08:16,106 (忠相)江戸随一の両替商 大和屋には➡ 96 00:08:16,106 --> 00:08:20,044 いつも金蔵に 小判がうなっておる➡ 97 00:08:20,044 --> 00:08:23,047 世を騒がすのが目的ならば➡ 98 00:08:23,047 --> 00:08:27,047 雲切一味が ここを襲わぬはずはない 99 00:08:37,061 --> 00:08:41,065 (男性たちのおびえる声) 100 00:08:41,065 --> 00:08:43,067 (男性)お助けを! (雲切)雲切仁左衛門だ 101 00:08:43,067 --> 00:08:46,070 (大和屋)どうぞ 命ばかりは➡ 102 00:08:46,070 --> 00:08:48,070 うわっ! 103 00:08:51,075 --> 00:08:53,077 (解錠音) 104 00:08:53,077 --> 00:08:55,077 うっ… 105 00:09:00,084 --> 00:09:03,087 謀ったな! (配下)おのれ! 106 00:09:03,087 --> 00:09:18,102 ♬~ 107 00:09:18,102 --> 00:09:20,037 (配下)おのれ! 108 00:09:20,037 --> 00:09:31,037 ♬~ 109 00:09:33,050 --> 00:09:35,050 触るな! 110 00:09:37,054 --> 00:09:41,058 面目次第もござらぬ 不意をつかれてしまった 111 00:09:41,058 --> 00:09:45,062 恐らく 一味は全滅 112 00:09:45,062 --> 00:09:47,064 何者の仕業か 113 00:09:47,064 --> 00:09:51,068 あの動きからみて 根来衆 (配下)根来衆… 114 00:09:51,068 --> 00:09:55,072 公儀お庭番に相違あるまい 115 00:09:55,072 --> 00:09:57,074 お庭番 116 00:09:57,074 --> 00:10:03,080 すると 裏で大岡が 糸を引いておるやもしれぬな 117 00:10:03,080 --> 00:10:08,085 おのれ この恨み 必ずそそいでくれる 118 00:10:08,085 --> 00:10:10,085 待て 119 00:10:13,090 --> 00:10:16,093 同じ手は通用せぬ 120 00:10:16,093 --> 00:10:21,031 次なる策を講じてあるのじゃ (雲切)と申されると? 121 00:10:21,031 --> 00:10:27,037 城中にて じかに吉宗の命を狙う 122 00:10:27,037 --> 00:10:30,040 左平次 (左平次)はっ 123 00:10:30,040 --> 00:10:34,044 刺客どもの手配りは できておろうな 124 00:10:34,044 --> 00:10:40,050 表 奥 いずれにも手だれの者を 125 00:10:40,050 --> 00:10:47,057 甲賀宮飛脚の意地に懸けても 吉宗を葬り去れ 126 00:10:47,057 --> 00:10:50,060 うん <諸大名の江戸城登城は➡ 127 00:10:50,060 --> 00:10:55,065 五つ時 午前8時> 128 00:10:55,065 --> 00:11:00,070 <四つ時 午前10時に 大名の謁見が始まる> 129 00:11:00,070 --> 00:11:05,070 <身分 格式別に行われる謁見は 昼まで続く> 130 00:11:10,080 --> 00:11:16,080 <昼からは 御休息の間に入り 精力的に政務決裁を進めてゆく> 131 00:11:19,089 --> 00:11:22,092 <吉宗が大奥に入るのは➡ 132 00:11:22,092 --> 00:11:26,096 徳川家代々の霊を祭る この部屋に来るときだけである> 133 00:11:26,096 --> 00:11:30,100 <それは毎朝の欠かせぬ しきたりである> 134 00:11:30,100 --> 00:11:44,114 ♬~ 135 00:11:44,114 --> 00:11:46,114 (浦川)待ちゃ 136 00:11:48,118 --> 00:11:51,121 (浦川)その方 何をしておった 137 00:11:51,121 --> 00:11:53,123 その袋を出しなされ 138 00:11:53,123 --> 00:11:57,127 あっ おのれ 乱心しおったか 139 00:11:57,127 --> 00:11:59,129 (女性)えい! (浦川)あっ… 140 00:11:59,129 --> 00:12:03,129 誰か 誰か! 誰かおらぬか! 141 00:12:05,135 --> 00:12:08,135 早く 早くこの女子たちを 引っ立てるのじゃ 142 00:12:10,140 --> 00:12:12,140 うっ… 143 00:12:20,084 --> 00:12:23,087 (お麻)登幾 144 00:12:23,087 --> 00:12:25,089 (登幾)お麻 145 00:12:25,089 --> 00:12:27,089 (一同)やー! 146 00:12:46,110 --> 00:12:52,116 ♬~ 147 00:12:52,116 --> 00:12:54,118 (女性たち)えい! 148 00:12:54,118 --> 00:13:14,138 ♬~ 149 00:13:14,138 --> 00:13:18,142 ♬~ 150 00:13:18,142 --> 00:13:21,142 (配下)登幾様 逃げて! 151 00:13:26,083 --> 00:13:28,083 (配下)おのれ! 152 00:13:46,103 --> 00:13:50,107 ジュザツコウの猛毒 153 00:13:50,107 --> 00:13:56,113 <吉宗は正室 おしまの方が 世継ぎ 長福丸を残し➡ 154 00:13:56,113 --> 00:14:02,119 若くして病死した後 寵愛する側室も全くなかった> 155 00:14:02,119 --> 00:14:22,072 ♬~ 156 00:14:22,072 --> 00:14:42,092 ♬~ 157 00:14:42,092 --> 00:14:44,094 ♬~ 158 00:14:44,094 --> 00:14:48,098 《たとえ 四面に敵のやいばを 受けましょうとも➡ 159 00:14:48,098 --> 00:14:53,103 この吉宗 断固生き抜きまする》 160 00:14:53,103 --> 00:14:57,107 《相続争いなど 二度と再び起こすことなく➡ 161 00:14:57,107 --> 00:15:01,111 天下万民を安んぜしめるため➡ 162 00:15:01,111 --> 00:15:04,111 吉宗は天運尽きるまで 戦い抜きまする》 163 00:15:07,117 --> 00:15:10,120 <この静かなたたずまいの中に➡ 164 00:15:10,120 --> 00:15:17,060 王政復古を狙う公家一派の 積年の悲願が燃え続けている> 165 00:15:17,060 --> 00:15:20,063 <京都朝廷に隠然たる勢力を持ち➡ 166 00:15:20,063 --> 00:15:25,068 先に老中 柳沢吉保や 尾張家を使そうして➡ 167 00:15:25,068 --> 00:15:29,072 権力の奪取をたくらんだ 黒幕である> 168 00:15:29,072 --> 00:15:31,074 (鳥羽)それだけかのう 169 00:15:31,074 --> 00:15:35,078 江戸の土産話にしては 少々 物足らぬのう 170 00:15:35,078 --> 00:15:38,081 これは手厳しい 171 00:15:38,081 --> 00:15:44,087 吉宗の心胆を寒からしむるには あれで十分と自負しております 172 00:15:44,087 --> 00:15:47,090 ふーん そうかのう 173 00:15:47,090 --> 00:15:52,095 ただし 敵もさるもの 町奉行の大岡が➡ 174 00:15:52,095 --> 00:15:56,099 厳重な警備態勢を取っております 175 00:15:56,099 --> 00:16:00,103 これからは ただ 騒ぎ立てるだけでは➡ 176 00:16:00,103 --> 00:16:04,107 どうにもなりません 177 00:16:04,107 --> 00:16:13,116 何かもっと 決め手となる 火種が欲しいものです 178 00:16:13,116 --> 00:16:15,116 火種か 179 00:16:19,056 --> 00:16:22,059 (鳥羽)実を申すとな➡ 180 00:16:22,059 --> 00:16:26,063 八代将軍の座に就いた 吉宗を取りひしぐ➡ 181 00:16:26,063 --> 00:16:31,068 またとない獲物があることはある 182 00:16:31,068 --> 00:16:36,073 それは? (鳥羽)山内伊賀介じゃ 183 00:16:36,073 --> 00:16:39,076 伊賀介 184 00:16:39,076 --> 00:16:43,080 出世前の吉宗が 契りを交わした女子が産んだ➡ 185 00:16:43,080 --> 00:16:47,084 隠し子がおじゃった 186 00:16:47,084 --> 00:16:52,089 伊賀介は その女子を斬って 赤子を奪い去ったはず 187 00:16:52,089 --> 00:16:57,094 その子が 今もあやつの 手の内にあるやもしれぬ 188 00:16:57,094 --> 00:17:01,098 ほう またとない火種ですな 189 00:17:01,098 --> 00:17:04,101 うん 190 00:17:04,101 --> 00:17:07,104 その子を人質にすれば➡ 191 00:17:07,104 --> 00:17:11,108 面白い企てが立てられよう 192 00:17:11,108 --> 00:17:30,060 ♬~ 193 00:17:30,060 --> 00:17:34,064 <この家は 吉宗の初恋の人 佐和が➡ 194 00:17:34,064 --> 00:17:38,068 幼子と2人 隠れ住んだ所である> 195 00:17:38,068 --> 00:17:50,080 ♬~ 196 00:17:50,080 --> 00:17:52,082 (赤ん坊の泣き声) (佐和)《うっ…》 197 00:17:52,082 --> 00:17:58,088 (赤ん坊の泣き声) 198 00:17:58,088 --> 00:18:02,092 (伊賀介) 《登幾 赤子を連れていけ》 199 00:18:02,092 --> 00:18:04,094 《登幾!》 200 00:18:04,094 --> 00:18:24,047 (赤ん坊の泣き声) 201 00:18:24,047 --> 00:18:27,050 (赤ん坊の泣き声) 202 00:18:27,050 --> 00:18:47,070 ♬~ 203 00:18:47,070 --> 00:19:07,090 ♬~ 204 00:19:07,090 --> 00:19:14,097 ♬~ 205 00:19:14,097 --> 00:19:20,036 どうじゃ その子を 麻呂の手によこさぬか 206 00:19:20,036 --> 00:19:22,038 それはお断りしよう 207 00:19:22,038 --> 00:19:26,042 何 断る? (鳥羽)伊賀介 208 00:19:26,042 --> 00:19:29,045 企てもことごとく ついえた今➡ 209 00:19:29,045 --> 00:19:33,049 立場を変えていただきたい 210 00:19:33,049 --> 00:19:37,053 これから先 手前勝手な指図は 御免被る 211 00:19:37,053 --> 00:19:40,056 それから 龍玄殿 212 00:19:40,056 --> 00:19:45,061 登幾は帰してもらうぞ (龍玄)何? 213 00:19:45,061 --> 00:19:50,066 一旦 養女にやった身だが やはり実の兄のそばがよいらしい 214 00:19:50,066 --> 00:19:52,068 ならん! 215 00:19:52,068 --> 00:19:55,071 それでは 甲賀宮飛脚のおきてを 破ることになる 216 00:19:55,071 --> 00:20:00,071 あれだけの働きをすれば もう十分 恩返しはしていよう 217 00:20:02,078 --> 00:20:05,081 <そのころ 柳生新六郎は➡ 218 00:20:05,081 --> 00:20:11,087 とどまることを知らず旅を重ね 孤独な剣の道を究めていた> 219 00:20:11,087 --> 00:20:30,040 ♬~ 220 00:20:30,040 --> 00:20:32,040 (天一)キエー! 221 00:20:34,044 --> 00:20:36,046 (天一)この山は俺の領分だ 222 00:20:36,046 --> 00:20:38,048 (新六郎)待て 223 00:20:38,048 --> 00:20:41,051 お前には 一度 会ったことがある 224 00:20:41,051 --> 00:20:45,055 え? 思い出したぞ 225 00:20:45,055 --> 00:20:47,055 天一と名乗っていた 226 00:20:51,061 --> 00:20:53,063 (天一)《えい!》➡ 227 00:20:53,063 --> 00:20:55,065 《離せ》➡ 228 00:20:55,065 --> 00:20:58,065 《いって…》 229 00:21:00,070 --> 00:21:03,070 (天一)《もういい 紀州丸 腹ごなしは終わった 行くぞ》 230 00:21:09,079 --> 00:21:12,082 《天一》 231 00:21:12,082 --> 00:21:14,082 《天下に一人か》 232 00:21:16,086 --> 00:21:19,089 (天一)あのときの侍か 233 00:21:19,089 --> 00:21:22,092 大きくなったな 234 00:21:22,092 --> 00:21:24,094 一緒にいた犬はどうした 235 00:21:24,094 --> 00:21:28,098 紀州丸は死んだ そうか 236 00:21:28,098 --> 00:21:32,102 それにしても急に襲いかかるとは どういう了見だ 237 00:21:32,102 --> 00:21:34,104 追い剥ぎにでも成り下がったか 238 00:21:34,104 --> 00:21:38,108 ケッ 腕を試してみたまでよ 239 00:21:38,108 --> 00:21:44,114 俺は物心ついてから今まで この山ん中で自分を鍛えてきた 240 00:21:44,114 --> 00:21:47,117 めったなやつには 負けるはずはない 241 00:21:47,117 --> 00:21:49,117 たー! 242 00:21:52,122 --> 00:21:56,126 ハハハ… 243 00:21:56,126 --> 00:21:59,129 くそ 244 00:21:59,129 --> 00:22:01,131 山中で野獣と化し➡ 245 00:22:01,131 --> 00:22:04,131 牙をむくだけでは 強いとは言えんぞ 246 00:22:06,136 --> 00:22:09,139 待て 待ってくれ! 247 00:22:09,139 --> 00:22:12,142 俺に剣術を教えてくれ 弟子は取らん 248 00:22:12,142 --> 00:22:15,145 頼む! 俺は強くなりたいんだ 249 00:22:15,145 --> 00:22:19,082 強くなってどうする 俺は天涯孤独の身だ 250 00:22:19,082 --> 00:22:22,082 一人生き抜いていくには どうしても強くなければならん 251 00:22:26,089 --> 00:22:30,093 嫌だと言っても 俺はついていくぞ 252 00:22:30,093 --> 00:22:32,093 勝手にしろ 253 00:22:34,097 --> 00:22:39,102 (天心)それがのう 寺を出て もう8日にもなりますのじゃ 254 00:22:39,102 --> 00:22:41,104 (伊賀介)いつもそうなのか? 255 00:22:41,104 --> 00:22:44,107 (天心)まあ 大抵は3日ほどで ひょいっと舞い戻りますが➡ 256 00:22:44,107 --> 00:22:48,111 今度ばかりは 何をしておりますやら 257 00:22:48,111 --> 00:22:52,115 それで 行き先の見当は? (天心)まあ 天一のことじゃから➡ 258 00:22:52,115 --> 00:22:57,120 この山中を駆け巡っておるとは 思いますが 259 00:22:57,120 --> 00:23:02,125 剣の修行は厳しいぞ 覚悟の上さ 260 00:23:02,125 --> 00:23:07,130 師匠 お願いだ 一緒に江戸へ連れてってくれ 261 00:23:07,130 --> 00:23:11,134 生きてこの地には 戻れんかもしれんぞ 262 00:23:11,134 --> 00:23:14,137 麓の里に1人 会っておきたい人がいる 263 00:23:14,137 --> 00:23:17,137 ここで待っていてくれ すぐに戻る 264 00:23:26,082 --> 00:23:29,082 (お美津)天一さん (天一)お美津 265 00:23:33,089 --> 00:23:37,093 別れを言いに来た (お美津)え? 266 00:23:37,093 --> 00:23:39,095 お前のおとっつぁんは➡ 267 00:23:39,095 --> 00:23:43,095 どうせ俺たち2人のことを 認めてくれねえんだ 268 00:23:47,103 --> 00:23:53,109 貧乏坊主のなれ損ないと 庄屋のお嬢様だからな 269 00:23:53,109 --> 00:23:58,114 天一さん お願い 行かないで もう一度 お父さんに頼んでみる 270 00:23:58,114 --> 00:24:00,116 無駄だよ 271 00:24:00,116 --> 00:24:04,116 俺は江戸へ出て武芸者になる (お美津)天一さん 272 00:24:11,127 --> 00:24:14,130 天一さん やめて 天一さん 273 00:24:14,130 --> 00:24:19,068 お美津 もう二度と 会えねえかもしれねえんだ 274 00:24:19,068 --> 00:24:23,072 (お種)お嬢様 (為吉)お嬢様 275 00:24:23,072 --> 00:24:25,074 ≪(お種)お嬢様 276 00:24:25,074 --> 00:24:27,076 (男性)お嬢様 277 00:24:27,076 --> 00:24:32,081 お嬢様 旦那様がお呼びです 278 00:24:32,081 --> 00:24:35,084 (お美津)天一さん 天一さん (天一)お美津 お美津 279 00:24:35,084 --> 00:24:39,088 (為吉)こら 庄屋様のお嬢様に なれなれしくすんな 280 00:24:39,088 --> 00:24:42,091 身の程を考えろ (天一)何!? 281 00:24:42,091 --> 00:24:44,093 お… 俺が言うんじゃねえ 庄屋様のお言葉だ 282 00:24:44,093 --> 00:24:46,095 よく肝っ玉に たたき込んどけ 283 00:24:46,095 --> 00:24:49,098 (お美津)天一さん (天一)何だよ この野郎! 284 00:24:49,098 --> 00:24:53,102 (お美津)天一さん 嫌 やめて!➡ 285 00:24:53,102 --> 00:24:56,105 天一さん! お願い やめて! 286 00:24:56,105 --> 00:24:58,107 (お種)いけません (お美津)やめて!➡ 287 00:24:58,107 --> 00:25:02,111 お願い やめて 天一さん 天一さん! 288 00:25:02,111 --> 00:25:22,065 ♬~ 289 00:25:22,065 --> 00:25:24,067 山内さん 290 00:25:24,067 --> 00:25:31,074 歳月人を待たずというが 胸にこたえる言葉だな 291 00:25:31,074 --> 00:25:33,076 (天一)何だい それ 292 00:25:33,076 --> 00:25:38,076 お前も女子と思い思われる年に なったかということだ 293 00:25:40,083 --> 00:25:44,087 ちくしょう こうなったら➡ 294 00:25:44,087 --> 00:25:47,090 庄屋の屋敷に火を放って お美津を奪い取ってやる 295 00:25:47,090 --> 00:25:49,090 (伊賀介)やめとけ 296 00:25:53,096 --> 00:25:56,099 お前のこれからの 身の振り方について➡ 297 00:25:56,099 --> 00:26:00,099 話しておきたいことがある 来い 298 00:26:02,105 --> 00:26:05,108 どうした 299 00:26:05,108 --> 00:26:09,108 俺は江戸へ行かねばならん 300 00:26:11,114 --> 00:26:14,117 何? 301 00:26:14,117 --> 00:26:17,053 俺は武芸の修行をする 302 00:26:17,053 --> 00:26:21,053 どうしても強くなりたいんだ そして やつらを見返してやる 303 00:26:24,060 --> 00:26:27,063 じゃ 行くぜ 師匠が山で待ってる 304 00:26:27,063 --> 00:26:30,066 (伊賀介)誰だ それは 305 00:26:30,066 --> 00:26:33,069 柳生新六郎様よ 306 00:26:33,069 --> 00:26:35,071 柳生新六郎? 307 00:26:35,071 --> 00:26:38,074 世話になったが 悪く思わんでくれ 308 00:26:38,074 --> 00:26:41,077 じゃあ あばよ 309 00:26:41,077 --> 00:26:43,079 (伊賀介)待て 天一➡ 310 00:26:43,079 --> 00:26:46,079 お前は わしの元を 離れることはできん 311 00:26:49,085 --> 00:26:51,087 俺はもう子供じゃない! 312 00:26:51,087 --> 00:26:56,092 よし じゃあ言おう 313 00:26:56,092 --> 00:27:01,097 お前の母親を殺したのは このわしだ 314 00:27:01,097 --> 00:27:03,099 何だと? 315 00:27:03,099 --> 00:27:06,102 それでも行けるか 天一 316 00:27:06,102 --> 00:27:09,105 わしが憎くはないのか 317 00:27:09,105 --> 00:27:24,105 ♬~ 318 00:27:27,123 --> 00:27:37,133 ♬~ 319 00:27:37,133 --> 00:27:41,137 俺が… 俺が将軍の御落いんだと? 320 00:27:41,137 --> 00:27:43,139 そのとおり 321 00:27:43,139 --> 00:27:47,143 もはや 卑屈になることはない 322 00:27:47,143 --> 00:27:50,146 (天一)だからといって どうするのだ 323 00:27:50,146 --> 00:27:55,151 名乗りを上げて 将軍 吉宗に目通りさせる 324 00:27:55,151 --> 00:27:57,153 フフフ… 325 00:27:57,153 --> 00:28:01,153 天下がひっくり返るような 大騒ぎになるぞ 326 00:28:08,164 --> 00:28:12,164 フンッ 何が将軍だ 327 00:28:15,104 --> 00:28:19,108 <天一は そのまま伊賀介と共に 京へ上り➡ 328 00:28:19,108 --> 00:28:23,108 ここ 洛北常楽院に居を定めた> 329 00:28:29,118 --> 00:28:31,120 <御落いん出現に どぎもを抜かれた➡ 330 00:28:31,120 --> 00:28:33,122 所司代以下 諸役は➡ 331 00:28:33,122 --> 00:28:37,126 とりあえず 江戸へ 早馬の急報を送る一方➡ 332 00:28:37,126 --> 00:28:43,132 昼夜にわたる きゅう首会議で 天一坊への対応に苦慮した> 333 00:28:43,132 --> 00:28:47,136 天一坊がいよいよ 御落いんの名乗りを上げました 334 00:28:47,136 --> 00:28:52,141 うん あやつもなかなか やりおるのう 335 00:28:52,141 --> 00:28:55,144 天一坊を こちらに奪い取りましょうか 336 00:28:55,144 --> 00:29:03,144 いや しばらくは伊賀介の お手並み拝見とまいろう 337 00:29:19,102 --> 00:29:24,107 (登幾)いかがでございます 上座の座り心地は 338 00:29:24,107 --> 00:29:27,110 あまりいいもんじゃない 俺は本当に… 339 00:29:27,110 --> 00:29:29,110 (登幾) お言葉にお気をつけなさいませ 340 00:29:32,115 --> 00:29:36,119 わしは本当に将軍の子か? (登幾)間違いはございません 341 00:29:36,119 --> 00:29:41,124 証拠の書きつけと短刀を 御覧になりましたでしょ 342 00:29:41,124 --> 00:29:45,128 登幾 お前は一体何者だ 343 00:29:45,128 --> 00:29:47,130 伊賀介とは どういう関わりがある 344 00:29:47,130 --> 00:29:53,136 伊賀介様同様 あなた様のお味方 345 00:29:53,136 --> 00:29:59,142 あいつは味方ではない 母の敵だ 346 00:29:59,142 --> 00:30:03,146 わしは好んで将軍家落いんの 名乗りを上げるわけではない 347 00:30:03,146 --> 00:30:08,146 母の恨みを晴らしたい一心で 伊賀介についてきたのだ 348 00:30:10,153 --> 00:30:15,091 やがては武門の頭領たる若君に お仕え申すそなた 349 00:30:15,091 --> 00:30:20,096 風体ぐらい改めたらどうじゃな 350 00:30:20,096 --> 00:30:25,101 いや これで結構 飾り立てるのは天一坊だけでよい 351 00:30:25,101 --> 00:30:32,108 しかし 江戸へ乗り込むためにも 無位無冠ではかなうまい 352 00:30:32,108 --> 00:30:35,111 よって 天一坊殿には従二位 353 00:30:35,111 --> 00:30:40,111 その方には 従五位の下の官位を授けよう 354 00:30:43,119 --> 00:30:45,121 それで このわしを操るつもりか 355 00:30:45,121 --> 00:30:51,127 いやいや 麻呂はあくまで後ろ盾 356 00:30:51,127 --> 00:30:56,132 御落いんを世に出す方策と手順は そなたの才覚に任す➡ 357 00:30:56,132 --> 00:31:01,137 思うがままに計ろうがよい 358 00:31:01,137 --> 00:31:06,142 それから この者じゃが なかなかの切れ者 359 00:31:06,142 --> 00:31:10,146 よき片腕になると思うて 連れてまいった 360 00:31:10,146 --> 00:31:14,150 (藤井)藤井左京と申します 361 00:31:14,150 --> 00:31:17,150 何とぞ よしなに 362 00:31:31,167 --> 00:31:33,169 天一 363 00:31:33,169 --> 00:31:36,172 伊賀介 覚悟! 364 00:31:36,172 --> 00:31:39,175 母の敵か 性懲りもなく 365 00:31:39,175 --> 00:31:41,175 (天一)ちくしょう 366 00:31:44,180 --> 00:31:46,182 まだ死ぬわけにはいかんのだ➡ 367 00:31:46,182 --> 00:31:49,185 お主を将軍家と 対面させるまではな 368 00:31:49,185 --> 00:31:52,188 俺は会いたくもない 369 00:31:52,188 --> 00:31:56,192 妻子を捨てて 将軍の座に ぬくぬくとしておるような男を➡ 370 00:31:56,192 --> 00:31:58,194 父とは思わん! (伊賀介)それが➡ 371 00:31:58,194 --> 00:32:04,200 将軍家というものだ 公儀の冷たさよ のう 372 00:32:04,200 --> 00:32:08,204 だから俺は 一泡吹かせてやりたいのさ 373 00:32:08,204 --> 00:32:10,204 座れ 374 00:32:18,147 --> 00:32:24,147 俺はな この賭けは 五分と五分とみている 375 00:32:26,155 --> 00:32:32,161 もし お主が 気性優しき 凡庸な若者だったら➡ 376 00:32:32,161 --> 00:32:36,165 俺はこんな命懸けの 大仕事なんぞに手は出しはせん 377 00:32:36,165 --> 00:32:42,171 強い業力を備えた若者だからこそ 賭けてみる気になったのだ 378 00:32:42,171 --> 00:32:44,171 勝てばどうする 379 00:32:46,175 --> 00:32:53,182 そのときは この命 お主にくれてやる 380 00:32:53,182 --> 00:32:57,186 念のために聞いておこう (伊賀介)何だ 381 00:32:57,186 --> 00:33:01,190 賭けに負ければ どうなる 382 00:33:01,190 --> 00:33:09,190 偽者として評決されたことゆえ そのときは潔く命は捨ててもらう 383 00:33:12,201 --> 00:33:15,137 <疾風迅雷 二報 三報と 江戸にもたらされた➡ 384 00:33:15,137 --> 00:33:21,143 天一坊の知らせは 幕閣 御三家をしんがいさせた> 385 00:33:21,143 --> 00:33:27,149 (水野)徳川天一坊なる者につき 上様にお伺い申し上げたところ➡ 386 00:33:27,149 --> 00:33:33,155 その者の真偽は別として 確かにお覚えありと仰せられた➡ 387 00:33:33,155 --> 00:33:38,160 従って この件につき いかが取り計らうべきか➡ 388 00:33:38,160 --> 00:33:40,160 御存念を伺いたい 389 00:33:45,167 --> 00:33:48,170 (忠相)せん越ながら申し上げます 390 00:33:48,170 --> 00:33:50,172 事は天下の大事 391 00:33:50,172 --> 00:33:55,177 世上に知れ渡っては 人心の動揺を招くおそれもあり➡ 392 00:33:55,177 --> 00:33:59,181 ここはひとまず その者を京にとどめ置き➡ 393 00:33:59,181 --> 00:34:01,183 とくと調べ直したうえで… 394 00:34:01,183 --> 00:34:04,186 (継友)いや それはならぬ 395 00:34:04,186 --> 00:34:07,189 上様が覚えありと 仰せられた以上➡ 396 00:34:07,189 --> 00:34:13,129 無用に時を費やすのは かえって公儀にあらぬ疑いを招く 397 00:34:13,129 --> 00:34:18,134 この上は速やかに江戸へ呼び寄せ 上様にお引き合わせいたすが➡ 398 00:34:18,134 --> 00:34:20,134 至当と存ずる 399 00:34:24,140 --> 00:34:28,144 その方 今を限りに 当家と縁なき者になってくれ 400 00:34:28,144 --> 00:34:30,144 (赤川)はっ 401 00:34:32,148 --> 00:34:37,153 京に将軍家実子を 名乗る者の現れたこと➡ 402 00:34:37,153 --> 00:34:39,153 聞き及んでおろう 403 00:34:41,157 --> 00:34:43,159 その者の手助けをいたせ 404 00:34:43,159 --> 00:34:47,163 しかし 殿 その者はまだ 真偽の程が定かではないとか 405 00:34:47,163 --> 00:34:49,165 そのようなことは かまわぬ 406 00:34:49,165 --> 00:34:54,165 あくまで 将軍家の み子として 押し通すのだ 407 00:35:03,112 --> 00:35:06,115 どうだ 忠相 408 00:35:06,115 --> 00:35:09,115 佐和が産んだ子に 相違ないと思うか 409 00:35:12,054 --> 00:35:17,054 どうやら 誠 余の子らしいのう 410 00:35:21,063 --> 00:35:27,069 (佐和)《新之丞様は 父におなりなさいます》 411 00:35:27,069 --> 00:35:29,071 《父?》 412 00:35:29,071 --> 00:35:31,071 《はい》 413 00:35:33,075 --> 00:35:37,079 (佐和)《あなた様の わこでございますわ》 414 00:35:37,079 --> 00:35:39,079 《この子がわしの》 415 00:35:41,083 --> 00:35:44,086 《苦労をかけたのう》 416 00:35:44,086 --> 00:35:47,086 《あなた様を慕うた 報いでございます》 417 00:35:51,093 --> 00:35:55,097 どのような育ち方をしたか 418 00:35:55,097 --> 00:35:58,100 心ばえのよい子であればよいが 419 00:35:58,100 --> 00:36:03,105 それにつけても 後ろ盾が京の鳥羽大納言 420 00:36:03,105 --> 00:36:10,045 それに 山内伊賀介が用人格とは それが気がかりでなりませぬ 421 00:36:10,045 --> 00:36:14,049 それを見越してか尾州様までが 422 00:36:14,049 --> 00:36:18,053 よいわ 尾州の言い分 通してやれ 423 00:36:18,053 --> 00:36:21,056 それは上様 火中の栗を拾うようなもの 424 00:36:21,056 --> 00:36:25,060 京の公家や素浪人の1人や2人➡ 425 00:36:25,060 --> 00:36:29,064 どのような悪才を巡らそうとも それを取りひしげぬようでは➡ 426 00:36:29,064 --> 00:36:32,067 天下は保てぬ 427 00:36:32,067 --> 00:36:36,071 余が隠し子を持ったは 紛れもない事実 428 00:36:36,071 --> 00:36:38,073 小細工は やめにせい 429 00:36:38,073 --> 00:36:42,077 恐れ入りました 早速そのように取り計らいまする 430 00:36:42,077 --> 00:36:44,079 うん 431 00:36:44,079 --> 00:36:49,084 それにつけて 忠相 そちの考えを聞いておこう 432 00:36:49,084 --> 00:36:54,089 その天一の扱いを どのようにいたすつもりだ 433 00:36:54,089 --> 00:36:56,089 さあ そこでございます 434 00:36:59,094 --> 00:37:04,099 筋目を正せば 余の嫡男 435 00:37:04,099 --> 00:37:08,103 将軍世子とするか 436 00:37:08,103 --> 00:37:13,103 それとも紀伊 尾張 水戸の 御三家並みの家を興すか 437 00:37:15,044 --> 00:37:17,044 どうだ 438 00:37:21,050 --> 00:37:24,050 将軍とは つらいものよのう 439 00:37:26,055 --> 00:37:31,060 まだ見ぬ我が子に ようやく巡り会えようというに➡ 440 00:37:31,060 --> 00:37:34,063 扱いも決められんとは 441 00:37:34,063 --> 00:37:40,063 誠に 申し上げる言葉もございませぬ 442 00:38:03,092 --> 00:38:06,095 お客人でございます 443 00:38:06,095 --> 00:38:08,095 わしにか 444 00:38:25,047 --> 00:38:29,047 お美津 お前どうして 445 00:38:33,055 --> 00:38:35,057 天一坊様のおうわさを聞き➡ 446 00:38:35,057 --> 00:38:39,057 美濃の里から 逃げ出してきたそうにございます 447 00:38:43,065 --> 00:38:48,070 よく来てくれた 会いたかったぞ 448 00:38:48,070 --> 00:38:51,073 もったいのうございます (天一)何を言う 449 00:38:51,073 --> 00:38:56,078 見かけは変わったが 元のままの天一だ 450 00:38:56,078 --> 00:39:01,083 なあ お美津 ずっとそばにいてくれるな? 451 00:39:01,083 --> 00:39:03,083 はい 452 00:39:12,027 --> 00:39:15,030 明朝 出立と相なりました 453 00:39:15,030 --> 00:39:17,032 江戸にか 454 00:39:17,032 --> 00:39:21,036 それについて いま一度 念を押しておきたいと思うてな 455 00:39:21,036 --> 00:39:24,039 は? 456 00:39:24,039 --> 00:39:31,046 そちと赤川とか申す尾張者 それに伊賀介 457 00:39:31,046 --> 00:39:34,049 ともに天一坊を担ぎ上げるのに➡ 458 00:39:34,049 --> 00:39:37,052 力を合わせて もらわねばならぬが➡ 459 00:39:37,052 --> 00:39:44,059 そのあとのことでは それぞれに思惑が違うぞ 460 00:39:44,059 --> 00:39:48,063 赤川は尾張に将軍の座を狙い➡ 461 00:39:48,063 --> 00:39:51,066 伊賀介は天一坊を操り➡ 462 00:39:51,066 --> 00:39:55,070 己が権力を握ろうとするに 違いない 463 00:39:55,070 --> 00:39:57,072 分かっております 464 00:39:57,072 --> 00:40:01,076 こちらは 将軍継承の争いを起こさせ➡ 465 00:40:01,076 --> 00:40:06,081 その隙に乗じて 京の宮家を跡目とする 466 00:40:06,081 --> 00:40:08,083 そのとおり 467 00:40:08,083 --> 00:40:14,022 いずれにせよ 伊賀介には心を許すな 468 00:40:14,022 --> 00:40:18,026 あやつは麻呂の上を行く したたか者 469 00:40:18,026 --> 00:40:22,030 万が一のときは➡ 470 00:40:22,030 --> 00:40:25,030 油断を見澄ましてな 471 00:40:29,037 --> 00:40:36,044 伊賀介様 藤井左京と赤川大膳には お気を許してはなりません 472 00:40:36,044 --> 00:40:41,049 心配無用 既に見抜いておるわ 473 00:40:41,049 --> 00:40:43,051 一人は鳥羽大納言 474 00:40:43,051 --> 00:40:47,055 もう一人は 尾張の息がかかっておる 475 00:40:47,055 --> 00:40:51,059 では 今のうちに (伊賀介)まあ慌てることはない 476 00:40:51,059 --> 00:40:55,063 いずれ 事成就した暁に しかるべき手を打つ 477 00:40:55,063 --> 00:40:59,063 されば 大納言様を 478 00:41:02,070 --> 00:41:04,072 フフッ 479 00:41:04,072 --> 00:41:09,077 (男性たち)下に 下に 480 00:41:09,077 --> 00:41:14,082 <程なく 徳川天一坊の行列は 京を出立> 481 00:41:14,082 --> 00:41:17,082 <一路 江戸へ向かった> 482 00:41:19,087 --> 00:41:25,087 (男性たち)下に 下に 483 00:41:27,095 --> 00:41:34,102 (男性たち)下に 下に 484 00:41:34,102 --> 00:41:39,102 <行列は刻一刻と 江戸に近づいている> 485 00:41:42,110 --> 00:41:44,110 ≪(青地)お奉行 486 00:41:46,114 --> 00:41:48,116 (青地)お庭番の者どもが 487 00:41:48,116 --> 00:41:50,116 おう 来たか 488 00:41:53,121 --> 00:41:57,125 (忠相)天一坊の一行は 今どの辺りかな 489 00:41:57,125 --> 00:42:01,129 恐らくは 浜松から掛川 490 00:42:01,129 --> 00:42:05,133 今から向かえば 沼津辺りでつかまえられるかな 491 00:42:05,133 --> 00:42:07,133 (大伍)は? 492 00:42:09,137 --> 00:42:15,137 天一坊は偽者として 断罪せねばならんのだ 493 00:42:17,079 --> 00:42:19,081 本物かもしれん 494 00:42:19,081 --> 00:42:24,086 いや 本物なればこそ公儀としては それを認めるわけにはいかんのじゃ 495 00:42:24,086 --> 00:42:29,091 上様には 先年 紀州にて 御病死なされた御正室➡ 496 00:42:29,091 --> 00:42:33,095 おしまの方様との間に お世継ぎ 長福丸様がおられ➡ 497 00:42:33,095 --> 00:42:35,097 既に西の丸に入っておられる 498 00:42:35,097 --> 00:42:40,102 今更 御落いんなる者が現れては 災いのもととなろう 499 00:42:40,102 --> 00:42:42,104 しかし 上様は 500 00:42:42,104 --> 00:42:46,108 上様の御心中は察するに余りある 501 00:42:46,108 --> 00:42:52,108 だが 将軍家安泰のためには 心を鬼にせねばならんのじゃ 502 00:42:55,117 --> 00:42:59,121 御落いんの証拠たる お墨付きと短刀を奪い去るのじゃ 503 00:42:59,121 --> 00:43:04,126 それができぬとあらば 天一坊を斬り捨てい 504 00:43:04,126 --> 00:43:07,129 責めは わしが取る 505 00:43:07,129 --> 00:43:09,131 さあ 行け 506 00:43:09,131 --> 00:43:12,067 (大伍)はっ 507 00:43:12,067 --> 00:43:14,067 (多三郎)誰だ! 508 00:43:18,073 --> 00:43:20,075 俺だよ 509 00:43:20,075 --> 00:43:22,077 久しぶりだな 510 00:43:22,077 --> 00:43:24,077 新六郎様 511 00:43:26,081 --> 00:43:30,085 随分 物騒な話が聞こえたが 512 00:43:30,085 --> 00:43:34,089 (忠相)聞かなかったことに していただきたい 513 00:43:34,089 --> 00:43:37,092 そうはいかん 514 00:43:37,092 --> 00:43:42,097 天一坊なる男を 多少 存じよりでな 515 00:43:42,097 --> 00:43:46,101 ならば 私にお力添えを 願えませぬかな 516 00:43:46,101 --> 00:43:49,104 天一を抹殺しろというのか 517 00:43:49,104 --> 00:43:55,104 公儀のため ひいては 吉宗公御自身のためにです 518 00:44:02,117 --> 00:44:05,120 それほどまでに言われると➡ 519 00:44:05,120 --> 00:44:08,123 俺も久しぶりに 天一と会いたくなった 520 00:44:08,123 --> 00:44:28,076 ♬~ 521 00:44:28,076 --> 00:44:48,096 ♬~ 522 00:44:48,096 --> 00:45:08,116 ♬~ 523 00:45:08,116 --> 00:45:28,070 ♬~ 524 00:45:28,070 --> 00:45:48,090 ♬~ 525 00:45:48,090 --> 00:45:50,090 ♬~ 526 00:45:55,130 --> 00:46:00,130 天一様は 誠 上様の御実子であった 527 00:46:03,138 --> 00:46:07,075 そうまでして… そうまでして将軍になりたいか! 528 00:46:07,075 --> 00:46:11,079 なぜ 落いんを名乗り 将軍対面を願い出たと思う? 529 00:46:11,079 --> 00:46:15,079 刺し違えてでも 母と子の恨みを晴らすためだ