1 00:01:55,629 --> 00:02:00,166 三代将軍 家光様の御台 孝子様は 2 00:02:00,166 --> 00:02:06,473 訳あって生涯 身ごもれぬお体に なられたのでございました 3 00:02:06,473 --> 00:02:10,510 孝子様への愛から 側室を持とうとされぬ家光様を 4 00:02:10,510 --> 00:02:13,680 説得するため 春日様は 5 00:02:13,680 --> 00:02:17,284 志摩においでの 大御所 家康様の御正室 6 00:02:17,284 --> 00:02:22,622 築山殿のお力を借りようと 使いの者を出されるのですが 7 00:02:22,622 --> 00:02:26,560 お館は炎上 ご他界との知らせのみが 8 00:02:26,560 --> 00:02:29,560 江戸に届いたのでございます 9 00:02:33,833 --> 00:02:37,771 ゆきは戻らぬか 10 00:02:37,771 --> 00:02:43,471 ゆきが帰れば 何もかも明らかになるというのに 11 00:03:06,266 --> 00:03:09,436 お方様 ただ今 七つ口より知らせがあり 12 00:03:09,436 --> 00:03:12,505 春日様の駕籠 帰城の由にございます 13 00:03:12,505 --> 00:03:16,242 何?戻ってまいった はっ 14 00:03:16,242 --> 00:03:20,180 駕籠は春日の物じゃが 中に乗っているのは 15 00:03:20,180 --> 00:03:23,783 春日の侍女に間違いないな? はっ 16 00:03:23,783 --> 00:03:27,487 忠長様の ご報告のとおりとすれば… 17 00:03:27,487 --> 00:03:31,291 何とかならぬか はっ? 18 00:03:31,291 --> 00:03:35,161 その侍女 物言わせてしまっては 19 00:03:35,161 --> 00:03:38,965 この度のこと すべて明らかになる 20 00:03:38,965 --> 00:03:44,638 春日に会う前に口を封じる手は ないかと聞いているのじゃ 21 00:03:44,638 --> 00:03:48,975 七つ口を 入ってしまわれてからでは… 22 00:03:48,975 --> 00:03:52,479 無理と申すか はい 23 00:03:52,479 --> 00:03:55,915 よいわ わらわが行く 24 00:03:55,915 --> 00:03:57,917 行って その者の口… 25 00:03:57,917 --> 00:04:00,487 お方様 なりませぬ そのようなこと 26 00:04:00,487 --> 00:04:05,058 ご自身の首を ご自身の手で 絞めることになりましょう 27 00:04:05,058 --> 00:04:07,327 それよりは… 28 00:04:07,327 --> 00:04:09,329 何じゃ 29 00:04:09,329 --> 00:04:13,199 春日様 お通り 30 00:04:13,199 --> 00:04:16,099 ゆきじゃ ゆきが帰ってきた 31 00:04:27,614 --> 00:04:30,414 そなたたちは下がってよい 32 00:04:36,389 --> 00:04:39,889 ゆき ご苦労であった 33 00:04:42,395 --> 00:04:45,565 ゆき殿 あっ 34 00:04:45,565 --> 00:04:48,368 ゆき! 35 00:04:48,368 --> 00:04:50,468 ゆき 36 00:04:53,006 --> 00:04:56,676 旦那様 おお 気がついたか 37 00:04:56,676 --> 00:04:59,179 ひどいケガを 38 00:04:59,179 --> 00:05:02,682 東堂 急いで良庵を はい 39 00:05:02,682 --> 00:05:07,253 ゆき ここは大奥 春日の部屋じゃ 40 00:05:07,253 --> 00:05:09,789 気を安んずるがよいぞ 41 00:05:09,789 --> 00:05:14,994 では九重は 駿府にいる忠長に書状を書いて 42 00:05:14,994 --> 00:05:18,865 たとえ江戸から どのような下問があろうとも 43 00:05:18,865 --> 00:05:23,203 駿府には遠乗りのついでに 足を止めたまで 44 00:05:23,203 --> 00:05:26,606 志摩のことなど 何一つ知らぬと答えよと 45 00:05:26,606 --> 00:05:30,076 言ってやれというのじゃな? はい 46 00:05:30,076 --> 00:05:32,779 相手は春日じゃぞ 47 00:05:32,779 --> 00:05:37,784 九重 そのようなごまかしが 通ると思うか 48 00:05:37,784 --> 00:05:41,321 春日様の代わりに 志摩に行った侍女 49 00:05:41,321 --> 00:05:43,323 忠長様よりの書状には 50 00:05:43,323 --> 00:05:45,692 取り逃がしたと 書いてございますが 51 00:05:45,692 --> 00:05:48,862 はっきりと 顔を合わせたかどうかは 52 00:05:48,862 --> 00:05:51,431 書いてございません 53 00:05:51,431 --> 00:05:54,868 万一 顔を合わせていたにせよ 54 00:05:54,868 --> 00:05:58,404 築山殿殺害の下手人が忠長様との 55 00:05:58,404 --> 00:06:01,708 侍女の発言が通りますかどうか 56 00:06:01,708 --> 00:06:06,012 問題は上様でございましょう 57 00:06:06,012 --> 00:06:10,950 世上一般では 築山殿は すでに過去のお方 58 00:06:10,950 --> 00:06:15,155 されど現実に 命 永らえておられたものを 59 00:06:15,155 --> 00:06:19,025 孫に当たられる忠長様が 斬られたとあっては 60 00:06:19,025 --> 00:06:21,461 上様とて 61 00:06:21,461 --> 00:06:25,361 黙って見過ごすわけには まいりますまい 62 00:06:27,834 --> 00:06:30,637 知らぬこととして押し通すが 63 00:06:30,637 --> 00:06:33,637 上様の御ためでもございます 64 00:06:41,114 --> 00:06:44,918 良庵 ゆきに 物問うてはならぬか? 65 00:06:44,918 --> 00:06:48,087 はっ… ゆき殿は 66 00:06:48,087 --> 00:06:51,524 全身のほとんどに 火を浴びておられます 67 00:06:51,524 --> 00:06:55,195 よくぞ戻られたと思うほどの重傷 68 00:06:55,195 --> 00:06:57,363 いましばらくは 69 00:06:57,363 --> 00:06:59,563 助かるであろうのう 70 00:07:01,568 --> 00:07:07,207 良庵 ゆきには どうあっても尋ねたいことがある 71 00:07:07,207 --> 00:07:11,578 天下のためじゃ 助けてたも 72 00:07:11,578 --> 00:07:15,478 はい できうる限りのことは いたします 73 00:07:40,240 --> 00:07:45,011 九重 忠長への書状 74 00:07:45,011 --> 00:07:47,547 誰に持たせたらよい? 75 00:07:47,547 --> 00:07:50,049 そうでございますね 76 00:07:50,049 --> 00:07:53,620 権太は信頼できぬ はい 77 00:07:53,620 --> 00:07:56,089 家光を三代にするため 78 00:07:56,089 --> 00:07:59,292 築山殿を動かしたは春日じゃと 79 00:07:59,292 --> 00:08:03,263 証拠を握って 帰り新参になったはよいが 80 00:08:03,263 --> 00:08:05,531 褒美を乞うて 81 00:08:05,531 --> 00:08:09,569 あの者を身近に置いて使えと言う 82 00:08:09,569 --> 00:08:12,269 りんでございますね 83 00:08:16,075 --> 00:08:19,212 ねえ 何があったのかしら 84 00:08:19,212 --> 00:08:22,181 2人とも さっきから様子が変ね 85 00:08:22,181 --> 00:08:25,718 おりんちゃん ここでは たとえ 86 00:08:25,718 --> 00:08:28,454 お方様が 何をしておいでになっても 87 00:08:28,454 --> 00:08:32,254 私たちが何かを言うことは 許されてはいないのよ 88 00:08:34,961 --> 00:08:39,866 権太の真意も分からぬし 目つきも気に入らぬ 89 00:08:39,866 --> 00:08:44,537 それでは 別の忍びにいたしましょう 90 00:08:44,537 --> 00:08:47,640 今度ばかりは 万一 奪われでもしたら 91 00:08:47,640 --> 00:08:50,340 言い逃れが立ちませぬ 92 00:09:01,120 --> 00:09:04,357 (小石が落ちた音) お呼びで? 93 00:09:04,357 --> 00:09:07,427 駿府まで至急 使いに行ってもらいたい 94 00:09:07,427 --> 00:09:09,829 はっ お方様の御用 95 00:09:09,829 --> 00:09:13,266 誰に知られても困る 大切な御用じゃ 96 00:09:13,266 --> 00:09:17,570 あ… ゆき ゆき 春日じゃ 97 00:09:17,570 --> 00:09:21,207 おお 気がついたか 98 00:09:21,207 --> 00:09:23,710 気を確かにお持ちなさいませ 99 00:09:23,710 --> 00:09:25,712 良庵もいる 100 00:09:25,712 --> 00:09:29,649 何ぞ欲しいものがあったら 遠慮なく言うがよいぞ 101 00:09:29,649 --> 00:09:32,752 痛みますか? 102 00:09:32,752 --> 00:09:37,123 あ… 志摩のお館 103 00:09:37,123 --> 00:09:39,359 炎上 104 00:09:39,359 --> 00:09:43,596 話せるのか ゆき 話してたもれ 105 00:09:43,596 --> 00:09:46,733 病状に変わりがあれば呼ぶゆえ 106 00:09:46,733 --> 00:09:48,733 では 107 00:09:54,607 --> 00:09:56,709 今の話は聞いた 108 00:09:56,709 --> 00:10:01,214 大表の伊豆殿へ 内藤藩よりの知らせがあってのう 109 00:10:01,214 --> 00:10:04,951 あ… この目で見ました 110 00:10:04,951 --> 00:10:09,889 お館様の… ご最期 111 00:10:09,889 --> 00:10:14,394 お館様は今際の折に 112 00:10:14,394 --> 00:10:16,994 こう申されました 113 00:10:19,599 --> 00:10:23,102 「命 惜しいわけではない」 114 00:10:23,102 --> 00:10:26,702 「わらわは すでに過去の人」 115 00:10:29,909 --> 00:10:35,715 「だが わらわが夫 家康殿に」 116 00:10:35,715 --> 00:10:39,385 「命 縮められたのと同じ」 117 00:10:39,385 --> 00:10:43,056 「そなたが わらわを斬るは」 118 00:10:43,056 --> 00:10:45,456 「血で血を洗うこと」 119 00:10:47,527 --> 00:10:51,831 「そなたが わらわを斬ったなら」 120 00:10:51,831 --> 00:10:56,669 「必ずまた尾を引く」 121 00:10:56,669 --> 00:11:00,173 「そのようなやり方 もはや…」 122 00:11:00,173 --> 00:11:03,076 あっ あ… ゆき 123 00:11:03,076 --> 00:11:07,914 お館様の今の言葉 子細に聞くに 124 00:11:07,914 --> 00:11:13,019 お館様を斬ったのは 身近な者であろう 125 00:11:13,019 --> 00:11:18,024 お館様が 「そなた」と呼びかけたのが証拠 126 00:11:18,024 --> 00:11:23,029 「血で血を洗う」と言われたのも 証しじゃ 127 00:11:23,029 --> 00:11:28,067 お館様を 亡き数に入らせたもうたは 128 00:11:28,067 --> 00:11:30,236 誰ぞ 129 00:11:30,236 --> 00:11:32,236 あ… 130 00:11:35,408 --> 00:11:37,777 忠長様 131 00:11:37,777 --> 00:11:40,546 何? 132 00:11:40,546 --> 00:11:42,846 まことか 133 00:11:44,917 --> 00:11:48,117 まことのことにございます 134 00:11:50,089 --> 00:11:54,460 この… この目でしかと 135 00:11:54,460 --> 00:11:58,831 忠長様も わたくしを認められ 136 00:11:58,831 --> 00:12:02,001 「そなた 春日ではないな」 137 00:12:02,001 --> 00:12:04,601 そう申されました 138 00:12:06,939 --> 00:12:09,642 忠長様が… 139 00:12:09,642 --> 00:12:11,644 はい 140 00:12:11,644 --> 00:12:17,817 旦那様 お館様殺害の犯人が 忠長様ということは 141 00:12:17,817 --> 00:12:20,820 陰で糸を引かれ お命じになったのは 142 00:12:20,820 --> 00:12:23,923 お江の方様ということに なりましょう 143 00:12:23,923 --> 00:12:29,123 お方様を追い詰める よい機会が できたのではありませんか 144 00:12:42,708 --> 00:12:44,908 うおっ ぐおっ 145 00:12:57,123 --> 00:12:59,859 九重 146 00:12:59,859 --> 00:13:03,729 忠長への書状 届いたであろうか 147 00:13:03,729 --> 00:13:07,667 間もなく 何かご返事がございましょう 148 00:13:07,667 --> 00:13:10,703 侍女が帰ってきたというに 149 00:13:10,703 --> 00:13:14,974 春日が騒ぎ立てないのが 気にかかる 150 00:13:14,974 --> 00:13:18,411 それは… 151 00:13:18,411 --> 00:13:21,211 決着は要らぬというのか 152 00:13:27,353 --> 00:13:32,158 旦那様 一体どうされたと いうのでございます 153 00:13:32,158 --> 00:13:36,696 お館様を斬られたのは忠長様 154 00:13:36,696 --> 00:13:40,566 ゆき殿という生き証人が いるのでございますから 155 00:13:40,566 --> 00:13:42,835 上様に訴えて出れば 156 00:13:42,835 --> 00:13:46,439 お江の方様との決着が つくではありませんか 157 00:13:46,439 --> 00:13:50,643 したが証拠はない ゆき殿が… 158 00:13:50,643 --> 00:13:53,913 ゆきが見たことは事実であろうが 159 00:13:53,913 --> 00:13:59,785 ゆきを見知らぬと言われたら 何とする 160 00:13:59,785 --> 00:14:02,121 何よりも 161 00:14:02,121 --> 00:14:07,493 上様がお取り上げに なることこそが問題 162 00:14:07,493 --> 00:14:10,463 他にも倍して母上思い 163 00:14:10,463 --> 00:14:13,466 弟君思いの上様 164 00:14:13,466 --> 00:14:17,069 なまなかなことでは この度のこと 165 00:14:17,069 --> 00:14:21,340 表沙汰にされるようなことは なさらぬ 166 00:14:21,340 --> 00:14:24,243 では せっかくの機会も… 167 00:14:24,243 --> 00:14:26,812 無駄にしとうはない 168 00:14:26,812 --> 00:14:29,682 だからこそ こうして 169 00:14:29,682 --> 00:14:35,955 何ぞ よい工夫はないかと 身をもんでいるのだ 170 00:14:35,955 --> 00:14:38,224 わらわのすることに 171 00:14:38,224 --> 00:14:42,995 ことごとくに 異を唱えられるお方様 172 00:14:42,995 --> 00:14:46,966 お方様の口出しさえ 封じてしまえば 173 00:14:46,966 --> 00:14:52,471 大奥のことはすべて 春日の思うままじゃ 174 00:14:52,471 --> 00:14:55,841 上様のご側室のこととて そうであろう 175 00:14:55,841 --> 00:14:57,843 それはもう 176 00:14:57,843 --> 00:15:02,682 お館様は上様に ご側室をお勧めするには 177 00:15:02,682 --> 00:15:07,687 まず第一に御台様を 遠ざけられることこそ 178 00:15:07,687 --> 00:15:11,490 大切と申された由 179 00:15:11,490 --> 00:15:13,926 のう?ゆき 180 00:15:13,926 --> 00:15:15,961 はい 181 00:15:15,961 --> 00:15:21,667 御台様を大奥より外に お出しするためにも 182 00:15:21,667 --> 00:15:23,667 お方様は邪魔 183 00:15:25,671 --> 00:15:28,074 ハアー 184 00:15:28,074 --> 00:15:32,278 よい工夫は… 185 00:15:32,278 --> 00:15:34,513 ゆき 186 00:15:34,513 --> 00:15:39,018 犯人は忠長様という証拠は 187 00:15:39,018 --> 00:15:44,018 よもや持ち帰らなんだで あろうのう 188 00:15:50,996 --> 00:15:53,265 伊豆 189 00:15:53,265 --> 00:15:57,069 その後 春日からは 何も申してまいらぬか? 190 00:15:57,069 --> 00:15:59,869 はい いまだに 191 00:16:01,841 --> 00:16:05,411 志摩に遣わした侍女が 戻ってきたというに 192 00:16:05,411 --> 00:16:08,681 春日が黙しているのが気にかかる 193 00:16:08,681 --> 00:16:11,350 はい 194 00:16:11,350 --> 00:16:15,988 のう 伊豆 春日の先手を打って 195 00:16:15,988 --> 00:16:21,360 築山殿惨殺の犯人 消してしまうことはできぬか 196 00:16:21,360 --> 00:16:24,663 そなた 探索を命じたのであろう? 197 00:16:24,663 --> 00:16:27,500 実は 上様 198 00:16:27,500 --> 00:16:30,569 伊豆はすでに そのこと 考えております 199 00:16:30,569 --> 00:16:32,669 手を打ったと申すか 200 00:16:34,640 --> 00:16:37,443 斬れぬ相手でございました 201 00:16:37,443 --> 00:16:41,547 何?斬れぬ相手? 202 00:16:41,547 --> 00:16:45,718 闇から闇へ葬り去れぬ相手で あったと言うのだな? 203 00:16:45,718 --> 00:16:48,187 御意 204 00:16:48,187 --> 00:16:50,187 誰だ 205 00:16:53,559 --> 00:16:56,059 誰だと申すのじゃ 206 00:17:21,353 --> 00:17:24,523 上様 207 00:17:24,523 --> 00:17:28,093 どう… された… ので 208 00:17:28,093 --> 00:17:31,163 ございます? 209 00:17:31,163 --> 00:17:35,234 上様のそんな… お顔… を 210 00:17:35,234 --> 00:17:39,371 見るのは… 初めて 211 00:17:39,371 --> 00:17:44,671 孝子は胸が… 痛… みます 212 00:17:47,213 --> 00:17:51,817 ご… 心配事でしたら 213 00:17:51,817 --> 00:17:55,888 どうぞ 孝子… にも 214 00:17:55,888 --> 00:17:58,188 お話しください 215 00:18:00,226 --> 00:18:03,626 孝子は上様… 216 00:18:06,298 --> 00:18:08,298 御台 217 00:18:10,736 --> 00:18:13,072 すまぬのう 218 00:18:13,072 --> 00:18:17,943 病癒えぬ そなたにまで 気をもませて 219 00:18:17,943 --> 00:18:20,379 だがのう 孝子 220 00:18:20,379 --> 00:18:22,882 そなたなら何とする? 221 00:18:22,882 --> 00:18:26,752 何を… でございます 222 00:18:26,752 --> 00:18:28,854 うん 223 00:18:28,854 --> 00:18:32,358 例え言葉に こういうのがある 224 00:18:32,358 --> 00:18:38,631 泥棒を捕らえてみたら我が子なり 225 00:18:38,631 --> 00:18:44,837 泥棒を… 捕らえてみたら… 226 00:18:44,837 --> 00:18:47,137 我が子なり 227 00:18:49,141 --> 00:18:53,078 余が一番困ることを しでかしてくれたのが 228 00:18:53,078 --> 00:18:55,978 余の最も… 229 00:18:58,817 --> 00:19:01,887 上様 230 00:19:01,887 --> 00:19:03,989 心配するでない 231 00:19:03,989 --> 00:19:08,327 まだ将軍になって日は浅い余だが 232 00:19:08,327 --> 00:19:11,830 なった以上は困難な問題や 233 00:19:11,830 --> 00:19:15,930 つらいことから目を背けるような 将軍ではありたくない 234 00:19:30,916 --> 00:19:35,254 上様 早速に お目通りかなえさせていただき 235 00:19:35,254 --> 00:19:38,154 春日 うれしゅうございます 236 00:19:40,159 --> 00:19:44,863 折り入って余に話したい 大事な用件とは何だ 237 00:19:44,863 --> 00:19:51,003 築山殿殺害の件にございます 238 00:19:51,003 --> 00:19:53,939 伊豆殿より伺いました 239 00:19:53,939 --> 00:19:59,578 上様は「闇のものは闇から闇へ」と 申された由 240 00:19:59,578 --> 00:20:03,716 言った 今更 表立てることは あるまいからのう 241 00:20:03,716 --> 00:20:08,520 築山殿とて… お言葉 遮るようでございますが 242 00:20:08,520 --> 00:20:10,823 物事はすべて 243 00:20:10,823 --> 00:20:14,860 事と次第によりましょう 244 00:20:14,860 --> 00:20:20,432 殺害の犯人 春日 証拠を手に入れてございます 245 00:20:20,432 --> 00:20:24,103 何? 246 00:20:24,103 --> 00:20:27,773 これを 春日 247 00:20:27,773 --> 00:20:31,844 そなたは政というものを 何だと考える 248 00:20:31,844 --> 00:20:36,649 政? そうだ 政だ 249 00:20:36,649 --> 00:20:39,318 政は戦とは違う 250 00:20:39,318 --> 00:20:42,018 上様 春日 251 00:20:44,289 --> 00:20:48,360 いつか余が申したことは なかったか 252 00:20:48,360 --> 00:20:52,398 誰かが御台に水銀を飲ませ 253 00:20:52,398 --> 00:20:57,002 生涯 身ごもれぬ体に してしまった折のことだ 254 00:20:57,002 --> 00:20:59,738 余が犯人を捜さず耐えたのは 255 00:20:59,738 --> 00:21:02,741 知ろうとしたら罪人が出るため 256 00:21:02,741 --> 00:21:06,311 罪人の顔など見たくないからだと 257 00:21:06,311 --> 00:21:09,948 覚えております 258 00:21:09,948 --> 00:21:12,384 あの折のことに免じて 259 00:21:12,384 --> 00:21:14,984 この度のこと忘れぬか 260 00:21:18,123 --> 00:21:20,526 そなたの考えは分からぬではない 261 00:21:20,526 --> 00:21:24,329 だが ただひたすらに 筋目を通すだけが 262 00:21:24,329 --> 00:21:26,529 政ではあるまい 263 00:21:29,001 --> 00:21:32,504 慈悲も必要 264 00:21:32,504 --> 00:21:37,376 上様 上様のお目から ご覧になれば 265 00:21:37,376 --> 00:21:42,381 春日のやり方は ただただ筋目を通すためだけの 266 00:21:42,381 --> 00:21:45,681 無情なやり方と見えましょう 267 00:21:47,686 --> 00:21:50,355 そうではございませぬ 268 00:21:50,355 --> 00:21:52,458 どう違うのだ 269 00:21:52,458 --> 00:21:54,960 上様の未来のこと 270 00:21:54,960 --> 00:21:57,896 徳川家の御ため 271 00:21:57,896 --> 00:22:03,202 御政道のもっと深い 大切な事柄のためにございます 272 00:22:03,202 --> 00:22:05,202 あー! 273 00:22:07,206 --> 00:22:09,875 父上 274 00:22:09,875 --> 00:22:12,411 母上 275 00:22:12,411 --> 00:22:16,311 常正 愚か者でございました 276 00:22:25,491 --> 00:22:27,693 春日 277 00:22:27,693 --> 00:22:29,695 上様 278 00:22:29,695 --> 00:22:34,867 御政道に私情は禁物でございます 279 00:22:34,867 --> 00:22:37,503 これを 上様 280 00:22:37,503 --> 00:22:40,973 上御一人であられるはずの上様 281 00:22:40,973 --> 00:22:46,973 上様自ら掟をお曲げになるなど 論外でございましょう 282 00:22:49,782 --> 00:22:51,850 お呼びでございますか 283 00:22:51,850 --> 00:22:56,850 伊豆 駿府より忠長を呼んでくれ 284 00:22:59,258 --> 00:23:01,258 上様 285 00:23:06,632 --> 00:23:11,136 何?忠長が呼ばれる? 286 00:23:11,136 --> 00:23:14,039 フフフフフ 287 00:23:14,039 --> 00:23:16,241 うまくいきましたな 288 00:23:16,241 --> 00:23:21,046 まずは おめでとうございます 289 00:23:21,046 --> 00:23:24,750 褒美の件は何とする 290 00:23:24,750 --> 00:23:29,850 急ぐことはありませんや 折々に お力を 291 00:23:34,827 --> 00:23:38,564 旦那様 忠長様 明日夕刻 292 00:23:38,564 --> 00:23:42,164 駿府よりご到着の由にございます