1 00:02:15,942 --> 00:02:18,077 とき はい 2 00:02:18,077 --> 00:02:20,947 今日は どうしたというのです 3 00:02:20,947 --> 00:02:23,749 辺りがどことなく ざわめいて 4 00:02:23,749 --> 00:02:27,653 先から皆がひそひそ話 5 00:02:27,653 --> 00:02:29,655 何があったのです? 6 00:02:29,655 --> 00:02:32,758 お気がつかれましたか 7 00:02:32,758 --> 00:02:35,158 上様に関わることか? 8 00:02:37,697 --> 00:02:40,397 とき 話してたもう 9 00:02:42,435 --> 00:02:46,635 上様が お困りあそばしていたことか 10 00:02:48,674 --> 00:02:51,244 御台様にはご存じないでしょう 11 00:02:51,244 --> 00:02:53,813 わたくしたちも… いいえ 12 00:02:53,813 --> 00:02:56,282 お城の中で このことを知っていたは 13 00:02:56,282 --> 00:02:59,218 ほんの数人のようにございます 14 00:02:59,218 --> 00:03:02,922 大御所様御正室 築山殿が 15 00:03:02,922 --> 00:03:06,325 志摩に ご生存あそばしていたのです 16 00:03:06,325 --> 00:03:09,862 築山殿 17 00:03:09,862 --> 00:03:14,700 築山殿は お瀬名の方様と言われ 18 00:03:14,700 --> 00:03:19,305 大御所様に お命取られた方であろう? 19 00:03:19,305 --> 00:03:21,307 はい 20 00:03:21,307 --> 00:03:25,111 そのお方が どうかされたのですか? 21 00:03:25,111 --> 00:03:27,947 去る日 お館が炎上 22 00:03:27,947 --> 00:03:32,647 何者とも知れぬお方の手に掛かり 殺されました 23 00:03:34,754 --> 00:03:37,657 春日局様からの訴えで 24 00:03:37,657 --> 00:03:40,893 咎人が知れました 25 00:03:40,893 --> 00:03:43,129 春日様より? 26 00:03:43,129 --> 00:03:46,198 それで上様も 黙って見過ごすことが 27 00:03:46,198 --> 00:03:48,668 おできにならなく なったのでしょう 28 00:03:48,668 --> 00:03:52,271 今日がそのお裁き 29 00:03:52,271 --> 00:03:54,273 咎人は? 30 00:03:54,273 --> 00:03:56,742 忠長様 はっ 31 00:03:56,742 --> 00:04:00,580 まさか とき 32 00:04:00,580 --> 00:04:03,480 本当のことでございます 33 00:04:07,453 --> 00:04:11,891 ではこの間 上様が 34 00:04:11,891 --> 00:04:16,929 「泥棒を捕らえてみたら 我が子なり」と 35 00:04:16,929 --> 00:04:21,133 言うておられたのは そのことか 36 00:04:21,133 --> 00:04:24,003 上様がそのように 37 00:04:24,003 --> 00:04:28,703 上様は苦しんでおいでになった 38 00:04:30,743 --> 00:04:33,512 当たり前ですね 39 00:04:33,512 --> 00:04:40,112 弟君が お祖母様を お手に掛けられたのですもの 40 00:04:42,755 --> 00:04:45,625 上様は 41 00:04:45,625 --> 00:04:49,125 どのようなお裁きを なさるのでしょう 42 00:04:57,903 --> 00:05:01,173 上様 ご出座にございますれば 43 00:05:01,173 --> 00:05:04,610 ただ今より 築山殿お館炎上 44 00:05:04,610 --> 00:05:08,781 並びに 築山殿殺害の一件につき 45 00:05:08,781 --> 00:05:11,350 上様より お問いただしのこと 46 00:05:11,350 --> 00:05:15,087 伊豆 待て はっ 47 00:05:15,087 --> 00:05:18,787 余から ひと言 断っておきたいことがある 48 00:05:20,960 --> 00:05:26,460 母上も 春日も 忠長も 49 00:05:28,434 --> 00:05:32,638 本日のようなことは 異例なことである 50 00:05:32,638 --> 00:05:37,977 徳川家の歴史の中で 二度とあっては相ならん 51 00:05:37,977 --> 00:05:42,977 そのこと よく心得ておいてもらいたい 52 00:05:47,319 --> 00:05:49,319 では 53 00:05:51,924 --> 00:05:56,429 忠長 今も言ったとおり 54 00:05:56,429 --> 00:06:00,900 余は二度と このような席に座りたくはない 55 00:06:00,900 --> 00:06:04,904 余と忠長は血を分けた兄弟 56 00:06:04,904 --> 00:06:08,140 どのようなことを 語り合うにしても 57 00:06:08,140 --> 00:06:12,011 高い席からなど 言いたくはなかった 58 00:06:12,011 --> 00:06:16,816 だが聞かねばならぬ 59 00:06:16,816 --> 00:06:22,254 忠長 正直に答えるのだ 60 00:06:22,254 --> 00:06:26,192 築山殿殺害のこと そなたの仕業か 61 00:06:26,192 --> 00:06:31,430 春日 口出しは許さぬぞ 62 00:06:31,430 --> 00:06:35,568 今日は余が忠長に ただす日じゃ 63 00:06:35,568 --> 00:06:40,239 忠長 よく聞くのだ 64 00:06:40,239 --> 00:06:44,577 余は そなたがやったとは よもやのこと信じていない 65 00:06:44,577 --> 00:06:47,513 上様 言うなと言うに! 66 00:06:47,513 --> 00:06:49,682 気をつけて答えよ 67 00:06:49,682 --> 00:06:53,982 そなたの応答次第では そなた一人の罪では済まぬ 68 00:06:56,522 --> 00:06:59,122 そなた 駿府にいたのは何のためだ 69 00:07:01,127 --> 00:07:03,963 鷹狩りか? 70 00:07:03,963 --> 00:07:06,463 野駆けか? 71 00:07:10,736 --> 00:07:14,940 忠長 答えるがよい 72 00:07:14,940 --> 00:07:18,978 上様が聞いておいでになるのじゃ 73 00:07:18,978 --> 00:07:22,481 志摩へ参ったなど ぬれぎぬであろう? 74 00:07:22,481 --> 00:07:25,384 お方様 春日! 75 00:07:25,384 --> 00:07:29,522 いいえ 上様 お聞かせください 76 00:07:29,522 --> 00:07:31,624 上様の政とは 77 00:07:31,624 --> 00:07:35,828 このような なれ合いを言うのでございますか 78 00:07:35,828 --> 00:07:39,331 春日 上様に向かって無礼ぞ 79 00:07:39,331 --> 00:07:44,937 お方様 お方様こそ 母上であることをよいことに 80 00:07:44,937 --> 00:07:49,909 上様に間違った判断 強要するなど 無礼でございましょう 81 00:07:49,909 --> 00:07:53,546 わらわは… 上様のお手元には既に 82 00:07:53,546 --> 00:07:56,415 お方様より忠長様に 83 00:07:56,415 --> 00:07:59,718 「どんなことがあっても 知らぬと言って通せ」と 84 00:07:59,718 --> 00:08:04,190 命ぜられた書状を 差し上げてあるのでございます 85 00:08:04,190 --> 00:08:07,259 上様 なりません 86 00:08:07,259 --> 00:08:11,931 たとえご兄弟といえど 御政道は御政道 87 00:08:11,931 --> 00:08:16,569 何とぞ正しいご判断を 88 00:08:16,569 --> 00:08:18,569 ゆき 89 00:08:23,175 --> 00:08:26,011 そなた 恐れながら 90 00:08:26,011 --> 00:08:30,382 春日の代理として お館様に会いに志摩に出向き 91 00:08:30,382 --> 00:08:33,582 難に遭ったは このゆきにございます 92 00:08:35,855 --> 00:08:38,858 顔や首筋にある このケガ 93 00:08:38,858 --> 00:08:42,561 お館炎上の際に受けたもの 94 00:08:42,561 --> 00:08:47,161 忠長様 御身に覚えがございましょう 95 00:08:51,170 --> 00:08:54,073 忠長 忠長 96 00:08:54,073 --> 00:08:56,073 忠長様 97 00:08:59,211 --> 00:09:02,615 兄上 言うてはならぬ! 98 00:09:02,615 --> 00:09:04,884 この度のこと 99 00:09:04,884 --> 00:09:07,653 元はといえば すべて春日より出でしこと 100 00:09:07,653 --> 00:09:10,055 なんということを 101 00:09:10,055 --> 00:09:12,157 そうじゃ 102 00:09:12,157 --> 00:09:16,896 そなたが築山殿に つまらぬ知恵 借りなんだら 103 00:09:16,896 --> 00:09:23,135 今頃は家光ではなく 忠長が三代になっていた 104 00:09:23,135 --> 00:09:26,972 忠長が三代になっていれば 105 00:09:26,972 --> 00:09:30,976 わらわも このような思いをせずに 済んだものを 106 00:09:30,976 --> 00:09:32,978 母上 107 00:09:32,978 --> 00:09:35,114 兄上 108 00:09:35,114 --> 00:09:40,814 築山殿殺害は 忠長 この手で しでかしたこと 109 00:09:43,856 --> 00:09:47,693 その事実に 間違いはないことなれど 110 00:09:47,693 --> 00:09:54,099 忠長 誰から 命令されたことでもございません 111 00:09:54,099 --> 00:09:57,369 忠長一人 112 00:09:57,369 --> 00:10:00,306 一人の考えでございます 113 00:10:00,306 --> 00:10:04,406 この上は十分なご決定を 114 00:10:06,412 --> 00:10:10,049 上様の公平なご裁決を 115 00:10:10,049 --> 00:10:12,849 お願いいたします 116 00:10:29,835 --> 00:10:32,835 忠長の駕籠が城を出ていく 117 00:10:35,274 --> 00:10:38,744 伊豆 118 00:10:38,744 --> 00:10:42,444 余は何のために 将軍になどなったのだ 119 00:10:45,284 --> 00:10:47,984 たった一人の弟を 120 00:10:50,356 --> 00:10:55,856 手とも足とも 頼んでよいはずであったものを 121 00:10:59,565 --> 00:11:02,665 配流の地へ送らねばならん 122 00:11:12,911 --> 00:11:16,648 駕籠を止めてくれ 123 00:11:16,648 --> 00:11:18,650 いかがいたしました 124 00:11:18,650 --> 00:11:23,155 兄上に別れを言って行きたい 125 00:11:23,155 --> 00:11:28,355 許されよ 上様とて おとがめにはなるまい 126 00:11:36,668 --> 00:11:38,837 兄上 127 00:11:38,837 --> 00:11:42,975 忠長 愚か者でございました 128 00:11:42,975 --> 00:11:47,279 ですが これだけは信じてください 129 00:11:47,279 --> 00:11:49,681 忠長 130 00:11:49,681 --> 00:11:52,951 自分からは ただの一度も 131 00:11:52,951 --> 00:11:59,024 兄上を差し置いて将軍になろうと 望んだことはありません 132 00:11:59,024 --> 00:12:03,429 上様の器は生まれた時から 兄上に備わったもの 133 00:12:03,429 --> 00:12:07,299 兄上こそがふさわしい 134 00:12:07,299 --> 00:12:10,799 ただ母上のことが気にかかります 135 00:12:12,905 --> 00:12:18,377 どうか 母上を 憎まないであげてください 136 00:12:18,377 --> 00:12:21,947 では 兄上 137 00:12:21,947 --> 00:12:24,416 お別れいたします 138 00:12:24,416 --> 00:12:27,116 十分に堅固で 139 00:13:02,921 --> 00:13:04,923 とき 140 00:13:04,923 --> 00:13:08,327 とき 来てください はい 141 00:13:08,327 --> 00:13:10,796 千羽鶴が出来上がりました 142 00:13:10,796 --> 00:13:16,135 まあ 御台様には眠らずに とうとう仕上げられたのですね 143 00:13:16,135 --> 00:13:18,270 ええ 144 00:13:18,270 --> 00:13:21,540 わらわ お訪ねしたい 145 00:13:21,540 --> 00:13:23,742 えっ? 146 00:13:23,742 --> 00:13:27,246 こちらから お訪ねしては 失礼に当たるのですか? 147 00:13:27,246 --> 00:13:30,182 どなたをです? 148 00:13:30,182 --> 00:13:34,086 お心を痛められている上様 149 00:13:34,086 --> 00:13:38,457 そして母上様 150 00:13:38,457 --> 00:13:43,662 わらわ 2つ 千羽鶴を作ったのですよ 151 00:13:43,662 --> 00:13:47,262 まあ 御台様 152 00:13:56,341 --> 00:14:01,380 孝子 そなたの心遣い うれしく思う 153 00:14:01,380 --> 00:14:04,216 余ばかりでなく母上にまで 154 00:14:04,216 --> 00:14:07,719 孝子こそ上様にお褒めいただいて 155 00:14:07,719 --> 00:14:10,956 うれしゅうございます 156 00:14:10,956 --> 00:14:16,056 さっ とき 今度は 母上様をお訪ねしましょう 157 00:14:30,409 --> 00:14:36,048 りんという部屋子 見えぬな 今日は何をしている 158 00:14:36,048 --> 00:14:40,852 はっ あの… 先程まで その辺りにおりましたが… 159 00:14:40,852 --> 00:14:43,121 呼んでたも 160 00:14:43,121 --> 00:14:45,324 どうされるのです 161 00:14:45,324 --> 00:14:48,324 どうしても腑に落ちぬことがある 162 00:14:50,362 --> 00:14:52,831 忠長への書状 163 00:14:52,831 --> 00:14:57,236 上様の手元にあると 春日は言うたが 164 00:14:57,236 --> 00:14:59,972 まこととしたら 165 00:14:59,972 --> 00:15:03,408 なぜ春日の手にある 166 00:15:03,408 --> 00:15:06,345 お方様は春日様の言われたこと 167 00:15:06,345 --> 00:15:10,048 まことのことと考えておいでで いらっしゃいますか? 168 00:15:10,048 --> 00:15:15,548 まことのことでなくば 上様が あのような裁決を出すはずがない 169 00:15:17,556 --> 00:15:20,726 確かめねばならぬ 170 00:15:20,726 --> 00:15:22,928 そのために りんを? 171 00:15:22,928 --> 00:15:26,231 りんは権太の推挙になる者 172 00:15:26,231 --> 00:15:28,867 手紙を託せし忍び 173 00:15:28,867 --> 00:15:32,037 死骸となって堀に浮いたと 聞いたが 174 00:15:32,037 --> 00:15:38,110 あの忍びを殺せるのは 権太の他にはいるまい 175 00:15:38,110 --> 00:15:43,315 りんを おとりに使ったなら 権太は吐くであろう 176 00:15:43,315 --> 00:15:46,018 権太と春日 177 00:15:46,018 --> 00:15:49,955 どのような つながりがあるのか 178 00:15:49,955 --> 00:15:52,624 目障りな春日 179 00:15:52,624 --> 00:15:55,961 何としてでも尻尾をつかみたい 180 00:15:55,961 --> 00:15:58,361 呼んでまいりましょう 181 00:16:01,533 --> 00:16:04,836 申し上げます 御台様 お越しでございます 182 00:16:04,836 --> 00:16:08,106 何? 183 00:16:08,106 --> 00:16:10,106 御台様 184 00:16:16,148 --> 00:16:21,320 母上様 孝子 お見舞いに 参上いたしました 185 00:16:21,320 --> 00:16:25,724 見舞い?何の見舞いじゃ 186 00:16:25,724 --> 00:16:28,324 忠長様のことにございます 187 00:16:30,295 --> 00:16:35,033 孝子 詳しいことは存じませぬが 188 00:16:35,033 --> 00:16:39,004 さぞや お心を痛めておいで あそばすことと 189 00:16:39,004 --> 00:16:44,443 孝子 そなたが世間知らずな 公卿育ちなことは 190 00:16:44,443 --> 00:16:48,146 このわらわも 承知していたつもりであったが 191 00:16:48,146 --> 00:16:53,051 そこまで物知らず 人の心知らずとは思わなんだ 192 00:16:53,051 --> 00:16:55,751 その手にある物は何じゃ 193 00:16:57,789 --> 00:17:00,192 鶴に… ございます 194 00:17:00,192 --> 00:17:03,628 鶴? はい 195 00:17:03,628 --> 00:17:07,566 鶴とはどんな鳥か 知っておいでか? 196 00:17:07,566 --> 00:17:12,137 鶴は古来より何にも勝る瑞鳥 197 00:17:12,137 --> 00:17:14,139 めでたい鳥なのじゃ 198 00:17:14,139 --> 00:17:19,177 見舞いに来たと言いながら そなた わらわをからかうつもりか 199 00:17:19,177 --> 00:17:21,680 母上様 言うな! 200 00:17:21,680 --> 00:17:24,282 母上だなど 201 00:17:24,282 --> 00:17:29,588 わらわも人の子 忠長のことでは心を痛めておるわ 202 00:17:29,588 --> 00:17:32,457 ですから… うるさい! 203 00:17:32,457 --> 00:17:36,094 めでたい千羽鶴を持って 傷心のわらわに 204 00:17:36,094 --> 00:17:38,397 心にもない見舞い 205 00:17:38,397 --> 00:17:42,334 それとも そなた 春日の差し金か? 206 00:17:42,334 --> 00:17:47,606 母上様 どうぞ ご機嫌直してくださいませ 207 00:17:47,606 --> 00:17:51,209 孝子 そんなつもりは… 208 00:17:51,209 --> 00:17:53,845 千羽鶴は上様にも 209 00:17:53,845 --> 00:17:57,949 何じゃと 上様にも? 210 00:17:57,949 --> 00:18:00,852 して家光は受け取ったのか? 211 00:18:00,852 --> 00:18:04,456 上様は喜んでくださいました 212 00:18:04,456 --> 00:18:06,625 なんということ 213 00:18:06,625 --> 00:18:08,727 近頃の家光は 214 00:18:08,727 --> 00:18:11,527 物のけじめというものを 忘れてしまったのじゃ 215 00:18:13,565 --> 00:18:16,368 この度の裁決もそうよ 216 00:18:16,368 --> 00:18:19,604 春日ごときに言い募られて 217 00:18:19,604 --> 00:18:24,743 このままでは 徳川家の将来も真っ暗じゃ 218 00:18:24,743 --> 00:18:28,413 孝子 そなたにも原因がある 219 00:18:28,413 --> 00:18:31,116 えっ そなたがいるため 220 00:18:31,116 --> 00:18:34,352 家光は そばめも持とうとはせん 221 00:18:34,352 --> 00:18:36,922 母上様 222 00:18:36,922 --> 00:18:39,558 下がれ 下がるがよい 223 00:18:39,558 --> 00:18:44,062 そなたのような邪魔者 どこなと勝手に行くがよい 224 00:18:44,062 --> 00:18:46,762 二度と顔など見とうもない 225 00:18:57,576 --> 00:19:00,245 とき 226 00:19:00,245 --> 00:19:04,349 わらわ そのように邪魔者か? 227 00:19:04,349 --> 00:19:07,486 あんまりでございます あのような 228 00:19:07,486 --> 00:19:11,957 わらわ いっそ死んでしまいたい 229 00:19:11,957 --> 00:19:15,260 御台様 230 00:19:15,260 --> 00:19:17,529 とき 231 00:19:17,529 --> 00:19:21,366 行く所はないか? 232 00:19:21,366 --> 00:19:24,970 上様のお目に触れぬよう 233 00:19:24,970 --> 00:19:28,039 行く所はないか 234 00:19:28,039 --> 00:19:30,039 御台様 235 00:19:33,144 --> 00:19:35,680 えいっ 九重 236 00:19:35,680 --> 00:19:38,783 もっとじゃ もっと責めるのじゃ 237 00:19:38,783 --> 00:19:41,820 はっ えいっ! 言え 238 00:19:41,820 --> 00:19:45,156 言わぬか 強情な奴 239 00:19:45,156 --> 00:19:50,061 そなたと権太 どのような つながりがあるのじゃ 240 00:19:50,061 --> 00:19:53,798 権太を呼べ 大きな声を出せ 241 00:19:53,798 --> 00:19:58,603 権太は忍び 声を聞いて出てくるであろう 242 00:19:58,603 --> 00:20:01,373 えいっ えいっ うっ はあっ 243 00:20:01,373 --> 00:20:04,709 えいっ えいっ ううっ 244 00:20:04,709 --> 00:20:06,811 昼は御台を責め 245 00:20:06,811 --> 00:20:10,949 今は今で りんという部屋子を 責めているというのか 246 00:20:10,949 --> 00:20:14,549 はい どうして知った? 247 00:20:22,394 --> 00:20:26,598 この間の働き あっしへの手当 248 00:20:26,598 --> 00:20:28,700 助けてもらいたいんで 249 00:20:28,700 --> 00:20:32,437 お局様が そういうことを 信じるかどうかは 250 00:20:32,437 --> 00:20:34,773 あっしの知ったことじゃねえが 251 00:20:34,773 --> 00:20:39,511 あの娘の相には 天下人を産む相が出ていると 252 00:20:39,511 --> 00:20:42,013 ある偉い和尚様が言った 253 00:20:42,013 --> 00:20:45,617 何?天下人を産む相? 254 00:20:45,617 --> 00:20:49,354 そうなんで そればかりじゃねえ 255 00:20:49,354 --> 00:20:53,124 あの娘 あんたが 志摩へ忍んで行った時も 256 00:20:53,124 --> 00:20:57,524 あんたを見てるんだ 証拠の懐剣も持っている 257 00:20:59,598 --> 00:21:02,434 あの娘 バカじゃねえ 258 00:21:02,434 --> 00:21:05,170 ちょっとやそっとのことじゃ しゃべりゃしねえが 259 00:21:05,170 --> 00:21:07,539 助けておいたほうが 260 00:21:07,539 --> 00:21:11,039 いろいろと得になると 思うんですがね 261 00:21:13,912 --> 00:21:19,417 ハア… このように しぶとい女 見たこともない 262 00:21:19,417 --> 00:21:23,254 わらわも 伯父上 信長公の血を引く者 263 00:21:23,254 --> 00:21:26,224 わらわに盾突く者 なまなかなことでは 264 00:21:26,224 --> 00:21:28,627 許す気はないが 265 00:21:28,627 --> 00:21:31,262 権太もどうしたというのじゃ 266 00:21:31,262 --> 00:21:34,633 見殺しにする気か 267 00:21:34,633 --> 00:21:37,302 織田家の血筋の生まれを 268 00:21:37,302 --> 00:21:42,741 二言目には自慢するお方様 269 00:21:42,741 --> 00:21:45,543 織田家というは ただただ 270 00:21:45,543 --> 00:21:49,781 荒々しいだけのようで ございますな 271 00:21:49,781 --> 00:21:52,684 何をしに この中の丸に 272 00:21:52,684 --> 00:21:57,122 りんと申す そのおなご 頂戴にでございます 273 00:21:57,122 --> 00:21:59,124 何を言う 274 00:21:59,124 --> 00:22:02,327 そのおなごは わらわの部屋子 わらわが 275 00:22:02,327 --> 00:22:07,098 お方様は この間 作りました大奥の定め 276 00:22:07,098 --> 00:22:10,335 ご存じないと見えますな 277 00:22:10,335 --> 00:22:13,471 お方様とて例外ではございませぬ 278 00:22:13,471 --> 00:22:17,108 知らぬ そのようなこと 279 00:22:17,108 --> 00:22:20,645 それに ここは大奥ではない 280 00:22:20,645 --> 00:22:25,083 春日の職名は大奥総取締 281 00:22:25,083 --> 00:22:27,552 総取締のお役目は 282 00:22:27,552 --> 00:22:30,989 城中に勤めする女子全般 283 00:22:30,989 --> 00:22:36,161 しかとした理由のない 責め苦 折檻を加えた場合 284 00:22:36,161 --> 00:22:38,763 その者の訴えにより 285 00:22:38,763 --> 00:22:43,301 職を解くことができると なっております 286 00:22:43,301 --> 00:22:45,303 理由はある 287 00:22:45,303 --> 00:22:48,640 伺いましょう 288 00:22:48,640 --> 00:22:52,077 納得できるものであれば 289 00:22:52,077 --> 00:22:54,979 春日 代わって 290 00:22:54,979 --> 00:22:59,779 この者の口を 開いてさしあげましょう 291 00:23:02,187 --> 00:23:07,292 ご異論がなくば 身柄 預かってまいります 292 00:23:07,292 --> 00:23:12,130 「その者の訴えにより」と 言わなかったか? 293 00:23:12,130 --> 00:23:16,067 では聞いてみましょう 294 00:23:16,067 --> 00:23:19,838 りん そなた 何とする 295 00:23:19,838 --> 00:23:26,111 あたいを春日様の所へ 連れてっておくれよ 296 00:23:26,111 --> 00:23:29,311 フハハハハハ 297 00:23:39,124 --> 00:23:42,393 空いた小部屋があったであろう 手当てしてやれ 298 00:23:42,393 --> 00:23:44,829 はい 299 00:23:44,829 --> 00:23:47,629 待ちや! 300 00:23:52,737 --> 00:23:57,037 これが天下人を産む相か