1 00:00:02,936 --> 00:00:06,807 大庭家の相続問題は折り合いがつかず➡ 2 00:00:06,807 --> 00:00:11,612 家裁に調停の申し立てが行われました。 3 00:00:11,612 --> 00:00:17,284 調停委員が おのおのの事情や 希望の分割方法を聞き➡ 4 00:00:17,284 --> 00:00:22,990 助言や提案をして 解決を目指していくわけですが…。 5 00:00:25,158 --> 00:00:30,297 長男の徹太が主張を変えません。 6 00:00:30,297 --> 00:00:36,169 (長峰)何と言うか 皆さん少々 頑固といいますか。 7 00:00:36,169 --> 00:00:38,639 (寅子)頑固…。 8 00:00:38,639 --> 00:00:42,309 (根本)長男の徹太さんが全く譲らず➡ 9 00:00:42,309 --> 00:00:49,182 自分が全てを相続する 大庭家を守る その一点張りでして。 10 00:00:49,182 --> 00:00:53,921 この件に限らず 長男が相続を独り占めする案件の➡ 11 00:00:53,921 --> 00:00:56,857 まあ 多いこと 多いこと。 12 00:00:56,857 --> 00:00:59,860 大庭家の皆さんは ほかのご家庭より➡ 13 00:00:59,860 --> 00:01:05,933 法律が変わったこと その意義を 知っているはずなんですけどね。 14 00:01:05,933 --> 00:01:11,605 まあ 知ると理解は別物ですからな。➡ 15 00:01:11,605 --> 00:01:19,613 そう簡単に この国に染みついた 家制度の名残は消えんということです。 16 00:01:23,216 --> 00:01:27,154 ♬「どこから春が巡り来るのか」 17 00:01:27,154 --> 00:01:31,625 ♬「知らず知らず大人になった」 18 00:01:31,625 --> 00:01:35,963 ♬「さよなら100年先でまた会いましょう」 19 00:01:35,963 --> 00:01:39,833 ♬「心配しないで」 20 00:01:39,833 --> 00:01:43,637 ♬「いつの間にか 花が落ちた」 21 00:01:43,637 --> 00:01:47,507 ♬「誰かがわたしに嘘をついた」 22 00:01:47,507 --> 00:01:51,511 ♬「土砂降りでも構わず飛んでいく」 23 00:01:51,511 --> 00:01:57,651 ♬「その力が欲しかった」 24 00:01:57,651 --> 00:02:02,489 ♬「誰かと恋に落ちて また砕けて」 25 00:02:02,489 --> 00:02:05,459 ♬「やがて離れ離れ」 26 00:02:05,459 --> 00:02:09,930 ♬「口の中はたと血が滲んで」 27 00:02:09,930 --> 00:02:13,266 ♬「空に唾を吐く」 28 00:02:13,266 --> 00:02:18,138 ♬「瞬け羽を広げ 気儘に飛べ」 29 00:02:18,138 --> 00:02:21,141 ♬「どこまでもゆけ」 30 00:02:21,141 --> 00:02:25,278 ♬「100年先も憶えてるかな」 31 00:02:25,278 --> 00:02:27,214 ♬「知らねえけれど」 32 00:02:27,214 --> 00:02:29,950 ♬「さよーならまたいつか!」 33 00:02:29,950 --> 00:02:36,256 ♬~ 34 00:02:38,959 --> 00:02:41,261 ああ~っ! 35 00:02:42,829 --> 00:02:44,831 (多岐川)急に でかい声を出すな。 36 00:02:44,831 --> 00:02:48,635 すみません。 あ~。 37 00:02:48,635 --> 00:02:53,974 はあ… 「あ~あ~」うるさい。 せめて きちんと言葉にしろ。 38 00:02:53,974 --> 00:02:57,644 したくても できないんですよ。 裁判官としての守秘義務です。 39 00:02:57,644 --> 00:03:02,249 ん? こじれてるのか? なら調停は不成立になる。 40 00:03:02,249 --> 00:03:04,584 その時こそ 君の出番じゃないか。 41 00:03:04,584 --> 00:03:08,255 審判で決定を出す役目が 待ってるんだから。 42 00:03:08,255 --> 00:03:11,925 でも その時は 立場上 友達の味方はできません。 43 00:03:11,925 --> 00:03:14,828 そりゃそうだ。 じゃあ 君にできることは何もない。 44 00:03:14,828 --> 00:03:17,597 弁護士を信じたまえ。 45 00:03:17,597 --> 00:03:20,267 そう ですよね…。 46 00:03:20,267 --> 00:03:24,137 (轟)あとは任せておけ。 梅子さんは ここまで耐えたんだ。➡ 47 00:03:24,137 --> 00:03:27,607 当然 遺産をもらう権利がある。➡ 48 00:03:27,607 --> 00:03:32,946 息子さんとは うまく交渉できるよう 策は考えるからな。 49 00:03:32,946 --> 00:03:40,654 (梅子)私はともかく 遺産が息子3人に 平等に相続されるようにしたいの。 50 00:03:42,956 --> 00:03:48,295 長男の徹太は 夫にうり二つの性格に。➡ 51 00:03:48,295 --> 00:03:54,968 次男の徹次は 戦地から戻って より酒に溺れて ひねくれてしまった。➡ 52 00:03:54,968 --> 00:04:00,574 三男の光三郎は お人よしがすぎる子で…。 53 00:04:00,574 --> 00:04:04,911 それぞれ心配なところが たくさんあるの。 54 00:04:04,911 --> 00:04:09,916 だからこそ 3人 手を取り合って 生きていってほしい。 55 00:04:13,587 --> 00:04:19,593 どんな子でも 自分の息子は かわいいか。 56 00:04:23,597 --> 00:04:26,900 そうなっちゃうのかしらね。 57 00:04:28,468 --> 00:04:36,176 とにかくね 息子たちの誰かが 損することのないようにしたいの。 58 00:04:36,176 --> 00:04:38,612 お願いします。 59 00:04:38,612 --> 00:04:59,900 ♬~ 60 00:04:59,900 --> 00:05:02,569 (花江)かわいいわね。 61 00:05:02,569 --> 00:05:06,273 うん かわいい。 62 00:05:07,908 --> 00:05:13,613 (花江)お夜食 食べるでしょ? ありがとう 頂こうかな。 63 00:05:15,782 --> 00:05:20,253 (花江)その おいなりさんね 道男君が持ってきてくれたのよ。 64 00:05:20,253 --> 00:05:22,589 練習で作ったからって。 65 00:05:22,589 --> 00:05:28,261 アハハ どうりで。 私が作った おいなりさんみたいだもの。 66 00:05:28,261 --> 00:05:30,197 (笑い声) 67 00:05:30,197 --> 00:05:33,600 かわいいわよね。 フフフ。 68 00:05:33,600 --> 00:05:36,269 お漬物も切ろうかしら。 69 00:05:36,269 --> 00:05:47,614 ♬~ 70 00:05:47,614 --> 00:05:50,283 随分 ご機嫌ね。 71 00:05:50,283 --> 00:05:53,186 (直人)道男が来たからだよ。 72 00:05:53,186 --> 00:05:56,623 おばあちゃんに代わって 気にかけているんでしょ。 73 00:05:56,623 --> 00:06:02,329 俺には分かる。 恋は人を笑顔にする。 74 00:06:04,898 --> 00:06:10,770 (笑い声) 75 00:06:10,770 --> 00:06:14,908 花江が道男を? まさか! 76 00:06:14,908 --> 00:06:16,843 昔 おばあちゃんも言ってた。 77 00:06:16,843 --> 00:06:20,580 「まさか寅子と優三さんが 一緒になるなんて。➡ 78 00:06:20,580 --> 00:06:24,584 人間 何があるか分からない」って。 79 00:06:26,920 --> 00:06:31,925 ⚟(犬の遠ぼえ) 80 00:06:33,793 --> 00:06:37,564 んっ…。 ⚟(犬の遠ぼえ) 81 00:06:37,564 --> 00:06:40,267 はい これ。 82 00:06:45,272 --> 00:06:47,941 お父様のお知り合いでね➡ 83 00:06:47,941 --> 00:06:51,611 事務仕事の手伝いを 探していらっしゃる方がいて➡ 84 00:06:51,611 --> 00:06:53,546 徹次さんに どうかと思って。 85 00:06:53,546 --> 00:06:57,851 (徹次)だから 傷が痛むんだよ。 86 00:06:59,486 --> 00:07:02,889 お勤めは 毎日じゃなくてもいいんですって。 87 00:07:02,889 --> 00:07:05,792 ⚟(徹次)俺のことなんて どうでもいいくせに。 88 00:07:05,792 --> 00:07:08,228 ⚟(梅子)そんなわけないでしょ。 ⚟(徹次)うそだね。 89 00:07:08,228 --> 00:07:11,231 俺を置いて逃げたくせに。 90 00:07:15,101 --> 00:07:17,103 それは…。 91 00:07:20,807 --> 00:07:23,777 (光三郎)僕 覚えてるよ。 92 00:07:23,777 --> 00:07:29,082 あの日 徹次兄さんが 母さんと一緒に 行きたくないって言ったんじゃないか。 93 00:07:31,251 --> 00:07:35,955 光三郎。 (徹次) だとしても子供を置いて逃げるだなんて! 94 00:07:39,125 --> 00:07:44,264 そうよね… ごめんなさい。 95 00:07:44,264 --> 00:07:46,933 (徹次)謝れば済むと思って! 96 00:07:46,933 --> 00:07:49,602 今 思えば あそこから 俺の人生 狂いだしたんだ! 97 00:07:49,602 --> 00:07:52,272 (光三郎)お願い もうやめようよ! 98 00:07:52,272 --> 00:07:56,609 これ以上 お父さんたちのまねして お母さん いじめるのは。 99 00:07:56,609 --> 00:08:00,480 俺は別に いじめてなんて…。 (光三郎)なら昔みたいに戻ろうよ。 100 00:08:00,480 --> 00:08:05,485 一緒に お母さんが握ってくれたお握り 食べてた時みたいに。 101 00:08:10,890 --> 00:08:15,762 そして また 調停が行われる日がやって来ました。 102 00:08:15,762 --> 00:08:20,900 「話が こじれそうだから」と 調停委員に頼まれて➡ 103 00:08:20,900 --> 00:08:24,771 今回は 裁判官 寅子も出席しています。 104 00:08:24,771 --> 00:08:29,909 では 長男の徹太さんは 遺産全てを相続する代わりに➡ 105 00:08:29,909 --> 00:08:32,579 ご家族の面倒を見ていくおつもりだと。 106 00:08:32,579 --> 00:08:35,482 (徹太)ええ。 恥ずかしながら➡ 107 00:08:35,482 --> 00:08:39,452 この中で まともに社会に出て 働いておりますのは 私だけです。 108 00:08:39,452 --> 00:08:42,922 まあ 恐らく彼らでは 遺産の管理もできないかと。 109 00:08:42,922 --> 00:08:44,858 そうやって すぐ人のことバカにして! 110 00:08:44,858 --> 00:08:47,594 やめてよ。 111 00:08:47,594 --> 00:08:51,931 ごめんなさい 続けてください。 112 00:08:51,931 --> 00:08:57,604 では 続いては 大庭 常さん お願いします。 113 00:08:57,604 --> 00:09:03,877 (常)私は 徹太には面倒を見てほしくない。 114 00:09:03,877 --> 00:09:09,182 はっ? 何を言ってるんだよ! 115 00:09:11,751 --> 00:09:15,221 おばあちゃん。 家督を継ぐのは俺って 言ってたじゃないか! 116 00:09:15,221 --> 00:09:17,891 落ち着いてください。 117 00:09:17,891 --> 00:09:22,562 梅子さん あなたが悪いんですよ。 118 00:09:22,562 --> 00:09:25,465 私 ですか? 119 00:09:25,465 --> 00:09:30,236 あなたが 徹太の嫁を きちんと しつけないから。 120 00:09:30,236 --> 00:09:36,109 あの嫁は口答えばかりで 私のことをバカにしている。 121 00:09:36,109 --> 00:09:40,880 あの子の世話になんか 絶対になりたくない。 122 00:09:40,880 --> 00:09:45,585 (徹次)確かに 義姉さん きついからな。 (徹太)お前は黙ってろ! 123 00:09:45,585 --> 00:09:50,890 では どなたの扶養に入りたいと お考えですか? 124 00:09:52,459 --> 00:09:56,930 そうね… 光三郎がいい。 125 00:09:56,930 --> 00:09:59,265 僕? だから➡ 126 00:09:59,265 --> 00:10:03,603 光三郎に より多く相続してちょうだい。 127 00:10:03,603 --> 00:10:05,538 こいつは まだ学生じゃないか。 128 00:10:05,538 --> 00:10:09,275 あと数年もすれば 立派な弁護士になりますよ。 129 00:10:09,275 --> 00:10:14,614 それに 光三郎が行くところには 梅子さんもついていくでしょう? 130 00:10:14,614 --> 00:10:20,954 何せ 家出の時も 一緒に連れていくくらい かわいがっていますからね。➡ 131 00:10:20,954 --> 00:10:27,827 今までどおり 私と光三郎の世話をしてもらいましょう。 132 00:10:27,827 --> 00:10:30,630 ちょっと待ってください お義母さん。 133 00:10:30,630 --> 00:10:35,635 光三郎の気持ちを無視して 勝手なことを言わないでください。 134 00:10:37,504 --> 00:10:40,306 (光三郎)いいよ。 135 00:10:40,306 --> 00:10:43,009 僕は。 136 00:10:45,979 --> 00:10:49,649 光三郎? 137 00:10:49,649 --> 00:10:55,989 僕も お母さんと おばあちゃんを お兄さんたちには任せられない。 138 00:10:55,989 --> 00:10:57,924 お前…。 言うねえ。 139 00:10:57,924 --> 00:11:00,827 光三郎…。 140 00:11:00,827 --> 00:11:04,797 ただし おばあちゃんが➡ 141 00:11:04,797 --> 00:11:09,936 「お母さんに意地悪しない 命令しない」 って約束してくれるならね。 142 00:11:09,936 --> 00:11:12,839 (常)光三郎 おばあちゃんは意地悪だなんて…。 143 00:11:12,839 --> 00:11:19,279 約束 できる?➡ 144 00:11:19,279 --> 00:11:24,584 僕 もう お母さんに つらい思いしてほしくないんだ。 145 00:11:29,622 --> 00:11:34,627 いいですよ 約束しましょう。 146 00:11:43,636 --> 00:11:46,539 (長峰)いや~ 立派な坊ちゃんでしたね。 147 00:11:46,539 --> 00:11:50,977 お母さんを守るんだという 強い意志を感じました。 148 00:11:50,977 --> 00:11:54,847 しかし 長男は 到底納得しませんよ。➡ 149 00:11:54,847 --> 00:11:58,551 このままじゃ 審判に回さざるをえん。 150 00:12:00,253 --> 00:12:02,922 (長峰)佐田さん? 151 00:12:02,922 --> 00:12:06,259 あっ ごめんなさい。 続けてください。 152 00:12:06,259 --> 00:12:08,928 (根本)あとは 次男の徹次さん。 153 00:12:08,928 --> 00:12:14,234 梅子が女子部で学んでいたのは 子供たちのため。 154 00:12:15,802 --> 00:12:19,272 離婚して 親権を手に入れて➡ 155 00:12:19,272 --> 00:12:24,611 自分の手で子供たちを育てたいと 思っていたからでした。 156 00:12:24,611 --> 00:12:36,222 ♬~ 157 00:12:36,222 --> 00:12:41,961 離婚も親権を得ることも できなかったけど➡ 158 00:12:41,961 --> 00:12:44,297 光三郎ちゃんのこと➡ 159 00:12:44,297 --> 00:12:48,301 立派な青年に育てたんだね。 160 00:12:50,970 --> 00:12:56,275 それだけで うれしくてしょうがない寅子です。 161 00:12:58,645 --> 00:13:01,347 ああ~っ! 162 00:13:11,591 --> 00:13:13,526 (多岐川)あ ちょっとごめん。 163 00:13:13,526 --> 00:13:15,461 何やってんの。 164 00:13:15,461 --> 00:13:18,464 ああ 佐田君 「あ~あ~」言ってるとこ悪いが➡ 165 00:13:18,464 --> 00:13:20,933 君に言わねばならんことがあってな。 166 00:13:20,933 --> 00:13:25,605 ご心配なく。 審判になっても 私情に流されたりは決していたしません。 167 00:13:25,605 --> 00:13:31,944 俺が言いたいのは 今度 俺と一緒に ラジオに出てもらうってことだ。 168 00:13:31,944 --> 00:13:35,281 あっ そうですか。 分かりました。 169 00:13:35,281 --> 00:13:37,216 えっ ラジオ!? 170 00:13:37,216 --> 00:13:43,156 すごいわ ラジオだなんて。 家裁の広報月間の一環でね。 171 00:13:43,156 --> 00:13:46,626 まあ あくまで私は 多岐川さんの おまけだけどね。 172 00:13:46,626 --> 00:13:49,295 だとしても すごいわ。 173 00:13:49,295 --> 00:13:53,299 絶対に家族みんなで聴きましょうね。 フフフ。 174 00:13:56,169 --> 00:13:59,305 ねえ 何を着ていくの? 175 00:13:59,305 --> 00:14:02,208 特に考えてなかった。 ラジオは声だけでしょ。 176 00:14:02,208 --> 00:14:05,111 駄目よ。 特別な日は着飾らなくちゃ。 177 00:14:05,111 --> 00:14:07,914 だって その方が楽しいじゃない? 178 00:14:07,914 --> 00:14:11,584 フフッ… それもそうね。 179 00:14:11,584 --> 00:14:13,886 (あくび) 180 00:14:16,456 --> 00:14:18,925 私も何か手伝う。 何すればいい? 181 00:14:18,925 --> 00:14:21,260 トラちゃんは早く寝て。 182 00:14:21,260 --> 00:14:23,930 疲れたでしょ 健康第一よ。 183 00:14:23,930 --> 00:14:26,833 でも…。 いいから。 184 00:14:26,833 --> 00:14:30,269 じゃあ 今日は お言葉に甘えさせてもらおうかな。 185 00:14:30,269 --> 00:14:34,140 うん おやすみなさい。 おやすみ。 186 00:14:34,140 --> 00:14:36,843 よいしょ~。 187 00:14:47,286 --> 00:14:55,294 (時報)