1 00:00:07,140 --> 00:00:09,943 (汐見) 昨日 そんなに ひどかったんですか? 2 00:00:09,943 --> 00:00:13,814 (多岐川)ああ あれは 法曹界の歴史に残る。 3 00:00:13,814 --> 00:00:15,816 ええ…。 (小橋)フフ。 4 00:00:15,816 --> 00:00:17,818 (寅子) 「世の中そういうものだ」と流されない。 5 00:00:17,818 --> 00:00:20,287 それでいいじゃないですか! 6 00:00:20,287 --> 00:00:22,289 以上です。 7 00:00:27,961 --> 00:00:31,298 (穂高)ちょっと 失礼するよ。 8 00:00:31,298 --> 00:00:33,300 穂高先生。 9 00:00:35,168 --> 00:00:37,170 げっ 元気ですか? 穂高先生。 10 00:00:37,170 --> 00:00:39,172 その ごまかし方は無理がある。 11 00:00:39,172 --> 00:00:43,310 ♬「どこから春が巡り来るのか」 12 00:00:43,310 --> 00:00:47,648 ♬「知らず知らず大人になった」 13 00:00:47,648 --> 00:00:51,985 ♬「さよなら100年先でまた会いましょう」 14 00:00:51,985 --> 00:00:55,856 ♬「心配しないで」 15 00:00:55,856 --> 00:00:59,660 ♬「いつの間にか 花が落ちた」 16 00:00:59,660 --> 00:01:03,530 ♬「誰かがわたしに嘘をついた」 17 00:01:03,530 --> 00:01:07,467 ♬「土砂降りでも構わず飛んでいく」 18 00:01:07,467 --> 00:01:13,607 ♬「その力が欲しかった」 19 00:01:13,607 --> 00:01:18,478 ♬「誰かと恋に落ちて また砕けて」 20 00:01:18,478 --> 00:01:21,481 ♬「やがて離れ離れ」 21 00:01:21,481 --> 00:01:25,953 ♬「口の中はたと血が滲んで」 22 00:01:25,953 --> 00:01:29,289 ♬「空に唾を吐く」 23 00:01:29,289 --> 00:01:34,161 ♬「瞬け羽を広げ 気儘に飛べ」 24 00:01:34,161 --> 00:01:37,164 ♬「どこまでもゆけ」 25 00:01:37,164 --> 00:01:40,901 ♬「100年先も憶えてるかな」 26 00:01:40,901 --> 00:01:43,303 ♬「知らねえけれど」 27 00:01:43,303 --> 00:01:45,973 ♬「さよーならまたいつか!」 28 00:01:45,973 --> 00:01:53,313 ♬~ 29 00:01:53,313 --> 00:01:58,618 (汐見)僕ら 行きましょうか。 (稲垣)そ… そうしましょう。 30 00:02:01,588 --> 00:02:06,460 ⚟(ドアの開閉音) 31 00:02:06,460 --> 00:02:10,263 あの 穂高先生 昨日のことですが…。 32 00:02:10,263 --> 00:02:14,601 すまなかったね 佐田君。 へっ? 33 00:02:14,601 --> 00:02:20,941 私は 古い人間だ。 34 00:02:20,941 --> 00:02:23,844 理想を口にしながら➡ 35 00:02:23,844 --> 00:02:30,951 現実では 既存の考えから 抜け出すことができなかった。 36 00:02:30,951 --> 00:02:33,620 だが 君は違う。 37 00:02:33,620 --> 00:02:40,961 君は既存の考えから飛び出して 人々を救うことができる人間だ。 38 00:02:40,961 --> 00:02:45,666 心から誇りに思う。 39 00:02:47,300 --> 00:02:52,305 それを伝えたかった。 40 00:02:57,310 --> 00:03:03,917 私は 先生が古い人間とは思いません。 41 00:03:03,917 --> 00:03:12,592 尊属殺の最高裁判決 先生の反対意見を読みました。 42 00:03:12,592 --> 00:03:17,931 昨日のことは撤回はしませんが➡ 43 00:03:17,931 --> 00:03:23,637 先生の教え子であることは 心から誇りに思っています。 44 00:03:25,272 --> 00:03:28,175 ありがとう。 45 00:03:28,175 --> 00:03:34,181 あとは 君たち若いもんに託したよ。 46 00:03:35,916 --> 00:03:46,960 ♬~ 47 00:03:46,960 --> 00:03:50,297 私 てっきり怒られるのだとばかり。 48 00:03:50,297 --> 00:03:52,632 そんなことはせん。 49 00:03:52,632 --> 00:03:59,306 そんなことは… これ以上 嫌われたくない。 50 00:03:59,306 --> 00:04:02,909 先生 私 別に先生のこと嫌いなわけじゃ…。 51 00:04:02,909 --> 00:04:09,783 ホホホ。 分かっとるよ それなりに好いていてくれてるのは。 52 00:04:09,783 --> 00:04:12,586 アハハ それなりって…。 53 00:04:12,586 --> 00:04:16,456 ハハ よかった。 54 00:04:16,456 --> 00:04:24,164 最後に笑って すっきりした顔でお別れできそうで。 55 00:04:32,906 --> 00:04:38,612 佐田君 気を抜くな。 56 00:04:38,612 --> 00:04:42,282 君も いつかは古くなる。 57 00:04:42,282 --> 00:04:51,291 常に自分を疑い続け 時代の先を歩み➡ 58 00:04:51,291 --> 00:04:56,997 立派な出涸らしになってくれたまえ。 59 00:05:01,902 --> 00:05:03,904 はい! 60 00:05:05,772 --> 00:05:13,079 数日後 なんとか 栄二君一人と 話す時間を作ることができました。 61 00:05:22,222 --> 00:05:29,129 (長峰)栄二君の身の回りのお世話は ずっと お母様がやってきたのよね? 62 00:05:29,129 --> 00:05:34,267 (根本)ならば お父様より お母様がそばにいる方が➡ 63 00:05:34,267 --> 00:05:38,271 やっぱり落ち着くかい? ん? 64 00:05:48,615 --> 00:05:51,318 どうでもいい? 65 00:05:54,487 --> 00:05:59,626 そりゃ どうでもいいわよね。 そんな なげやりな。 66 00:05:59,626 --> 00:06:05,932 栄二君が 今 抱える苦しみは 本来 背負わなくていいことじゃない? 67 00:06:07,434 --> 00:06:11,905 栄二君。 私は 本音ではね➡ 68 00:06:11,905 --> 00:06:17,244 別に ご両親にこだわる必要は ないと思っているの。 69 00:06:17,244 --> 00:06:23,250 もっと本音を言えば ご両親に あなたを任せたくない。 70 00:06:24,918 --> 00:06:29,589 あなたは 犯した罪と向き合わなければならない。 71 00:06:29,589 --> 00:06:37,464 でも それと同時に あなたが生きて 大人になるまで 見守り 育てることは➡ 72 00:06:37,464 --> 00:06:40,767 私たち大人全員の責任なの。 73 00:06:43,603 --> 00:06:49,943 もちろん 親に愛されたいと思うことは 自然なことよ。 74 00:06:49,943 --> 00:06:56,249 その場合は どちらと暮らしたいか 正直に教えて。 75 00:06:58,952 --> 00:07:05,225 (栄二)どっちとも暮らしたくなかったら? 76 00:07:05,225 --> 00:07:08,561 その気持ちを優先する。 77 00:07:08,561 --> 00:07:15,902 例えば 親戚の誰かとか あなたに優しかった大人➡ 78 00:07:15,902 --> 00:07:18,605 誰か頭に浮かぶ? 79 00:07:28,481 --> 00:07:30,784 (栄二)勝枝さん。 80 00:07:33,253 --> 00:07:35,922 勝枝さんって? 81 00:07:35,922 --> 00:07:38,258 父さんの姉さん。 82 00:07:38,258 --> 00:07:43,129 ガキの頃 時々 映画に連れてってくれて。 83 00:07:43,129 --> 00:07:46,933 そう。 (栄二)父さんの浮気のことで➡ 84 00:07:46,933 --> 00:07:53,640 勝枝さんが叱りつけて それっきり…。 もう会うなって。 85 00:07:58,545 --> 00:08:01,548 勝枝さんに連絡取ってみましょうか。 86 00:08:03,883 --> 00:08:07,554 あなたの味方に なってくれるかもしれない。 87 00:08:07,554 --> 00:08:09,556 味方? 88 00:08:11,424 --> 00:08:16,730 栄二君が頼る大人は 親である必要はないの。 89 00:08:19,899 --> 00:08:21,835 とにかくね➡ 90 00:08:21,835 --> 00:08:31,911 私は あなたが これ以上 苦しい思いを しないで済む道を あなたと探したいの。 91 00:08:31,911 --> 00:08:55,935 ♬~ 92 00:08:55,935 --> 00:08:58,605 (壇)しゃべった? 栄二が? 93 00:08:58,605 --> 00:09:01,508 はい。 (浦野)それで? 94 00:09:01,508 --> 00:09:05,211 おばの勝枝さんという方の所在を 探りたいのですが。 95 00:09:05,211 --> 00:09:07,147 分かった。 96 00:09:07,147 --> 00:09:15,855 その後 家事部と少年部が協力して 勝枝さんを捜し 連絡を取りました。 97 00:09:15,855 --> 00:09:22,228 事情を話すと 彼女は栄二の監護者になることを快諾。 98 00:09:22,228 --> 00:09:27,100 それを条件に 父親が親権を持つことに。 99 00:09:27,100 --> 00:09:32,405 勝枝のおかげで 窃盗事件も保護観察となりました。 100 00:09:34,574 --> 00:09:38,445 (勝枝)ほら 栄二もご挨拶。 101 00:09:38,445 --> 00:09:41,247 大きい声で! 102 00:09:41,247 --> 00:09:43,249 ありがとう。 103 00:09:44,918 --> 00:09:46,920 元気でね。 104 00:09:54,594 --> 00:09:59,899 寅子が少しだけ 家裁の理想に近づいた頃…。 105 00:10:02,469 --> 00:10:08,775 穂高先生は 眠ったまま穏やかに亡くなられました。 106 00:10:12,946 --> 00:10:17,817 桂場さん。 私ら もう休むんで 好きにお使いください。 107 00:10:17,817 --> 00:10:20,520 (桂場)ありがとう。 108 00:10:31,631 --> 00:10:36,503 (久藤)では 献杯。 109 00:10:36,503 --> 00:10:38,805 (一同)献杯。 110 00:10:44,210 --> 00:10:48,648 はあ~ 寂しいね。 111 00:10:48,648 --> 00:10:52,519 偉大な先輩たちが 次々に旅立って。 112 00:10:52,519 --> 00:10:57,323 しょうがない 人は いずれ死ぬ。 113 00:10:57,323 --> 00:11:01,594 だから いつ死んでもいいように 我々は全力で生きて➡ 114 00:11:01,594 --> 00:11:04,898 全てを出し切るしかないのさ。 115 00:11:07,934 --> 00:11:11,604 (久藤)フッ…。 桂場さん? 116 00:11:11,604 --> 00:11:14,507 (久藤)ちょっと…。 117 00:11:14,507 --> 00:11:18,478 少しペース速いんじゃない? 桂場君 お酒そんなに強くないんだからさ。 118 00:11:18,478 --> 00:11:20,947 寂しいんだよな 桂場…。 119 00:11:20,947 --> 00:11:23,283 だって お前 友達いないもんな。 120 00:11:23,283 --> 00:11:27,153 (久藤と多岐川の笑い声) 失礼ですよ 多岐川さん。 121 00:11:27,153 --> 00:11:32,292 俺の胸で泣いていいぞ 桂場。 来い。 ハハッ。 122 00:11:32,292 --> 00:11:35,628 先生の教えは とうに俺たちに染み込んでいる! 123 00:11:35,628 --> 00:11:37,964 俺たち? 124 00:11:37,964 --> 00:11:42,835 あ~ 俺たちって 俺たちか? (桂場)そうだ! 125 00:11:42,835 --> 00:11:47,640 周りに何と言われようと 己の描く理想のために➡ 126 00:11:47,640 --> 00:11:52,512 虎視眈々と突き進むしかない! だから泣いてる暇なぞない! 127 00:11:52,512 --> 00:11:54,814 そうだね。 128 00:11:57,650 --> 00:12:01,921 あの 桂場さんの理想とは? 129 00:12:01,921 --> 00:12:03,856 決まっている! 130 00:12:03,856 --> 00:12:06,593 司法の独立を守ることだ! 131 00:12:06,593 --> 00:12:11,464 そして二度と権力好きのジジイどもに 好き勝手にさせないこと! 132 00:12:11,464 --> 00:12:15,935 法の秩序で守られた平等な社会を守る! 133 00:12:15,935 --> 00:12:19,606 つまり 穂高イズムだろ!➡ 134 00:12:19,606 --> 00:12:22,942 そうだろ 佐田君! あっ…。 135 00:12:22,942 --> 00:12:28,615 貴様! 最高裁判決における 先生の反対意見 読んだだろう!? 136 00:12:28,615 --> 00:12:31,918 はい! 理想のために虎視眈々です。 137 00:12:34,487 --> 00:12:38,291 (桂場)虎視眈々…。 はて? 138 00:12:38,291 --> 00:12:43,162 トラコが虎視眈々? 139 00:12:43,162 --> 00:12:47,300 フッ ハハハハハハハハ…。➡ 140 00:12:47,300 --> 00:12:49,636 ハハハハハハハハハハ! 141 00:12:49,636 --> 00:12:52,972 ああっ 桂場さん! それ お皿です! えっ!? 142 00:12:52,972 --> 00:12:55,875 黙れ! 皿くらい食わせろ! お代わり! 143 00:12:55,875 --> 00:12:57,844 (多岐川) よし いいぞ! 好きなだけ食え食え! 144 00:12:57,844 --> 00:13:05,918 穂高先生が最高裁判決に書き記した 反対意見は 次のようなものでした。 145 00:13:05,918 --> 00:13:11,591 (穂高) 「この度の判決は 道徳の名の下に➡ 146 00:13:11,591 --> 00:13:18,464 国民が 皆 平等であることを 否定していると言わざるをえない。➡ 147 00:13:18,464 --> 00:13:26,939 法で道徳を規定するなど許せば 憲法14条は壊れてしまう。➡ 148 00:13:26,939 --> 00:13:31,811 道徳は道徳。 法は法である。➡ 149 00:13:31,811 --> 00:13:39,118 今の尊属殺の規定は 明らかな憲法違反である」。 150 00:13:43,956 --> 00:13:52,632 尊属殺の問題は 20年後 再び世間をにぎわすことになります。 151 00:13:52,632 --> 00:13:59,939 寅子が先輩たちと穂高先生を弔った その翌朝。 152 00:14:18,791 --> 00:14:25,932 猪爪家の絆に 小さなヒビが入り始めていました。 153 00:14:25,932 --> 00:14:35,942 ♬~ 154 00:14:35,942 --> 00:14:38,277 私のことを 若い子たちの希望の星だって。 155 00:14:38,277 --> 00:14:40,947 それでこそ佐田寅子だ! ありがとう。 156 00:14:40,947 --> 00:14:44,283 自分の立場を 君は全く分かっていない。 157 00:14:44,283 --> 00:14:49,956 トラちゃんが見てるのはね 本当の優未じゃないの。 158 00:14:49,956 --> 00:14:52,625 言いたいことがあるなら…。 そういう態度よ! 159 00:14:52,625 --> 00:14:55,328 何? その言い方。