1 00:00:33,499 --> 00:00:36,736 (常子)思い直して下さい! 私 何でもしますから! 2 00:00:36,736 --> 00:00:39,772 やっぱり 女学校もやめます。 ととも分かってくれると思うし➡ 3 00:00:39,772 --> 00:00:42,075 だから だから…。 (君子) ちょ ちょ ちょっと待って。 4 00:00:42,075 --> 00:00:44,410 (鞠子)お金なら みんなで なんとかしましょう! 5 00:00:44,410 --> 00:00:46,746 <竹蔵が亡くなって4年。➡ 6 00:00:46,746 --> 00:00:51,084 小橋家は 貯金を切り崩しながら 生活していましたが➡ 7 00:00:51,084 --> 00:00:54,587 それも ままならぬ状態と なっていました> 8 00:00:54,587 --> 00:00:56,623 実はね…。 9 00:00:56,623 --> 00:01:03,296 母のところに お世話に なるかどうか 迷っていたの。 10 00:01:03,296 --> 00:01:06,599 母? 11 00:01:06,599 --> 00:01:09,099 私の母。 12 00:01:10,770 --> 00:01:14,641 あなたたちの おばあ様。 13 00:01:14,641 --> 00:01:20,446 おじい様も おばあ様も もう亡くなってるはずじゃ…。 14 00:01:20,446 --> 00:01:22,382 ごめんなさい。 15 00:01:22,382 --> 00:01:25,118 どういう事ですか? 16 00:01:25,118 --> 00:01:27,787 ♬「普段から」 17 00:01:27,787 --> 00:01:30,690 ♬「メイクしない 君が」 18 00:01:30,690 --> 00:01:36,496 ♬「薄化粧した朝」 19 00:01:36,496 --> 00:01:43,069 ♬「始まりと終わりの狭間で」 20 00:01:43,069 --> 00:01:51,577 ♬「忘れぬ約束した」 21 00:01:51,577 --> 00:01:56,249 ♬「花束を君に贈ろう」 22 00:01:56,249 --> 00:02:02,588 ♬「愛しい人 愛しい人」 23 00:02:02,588 --> 00:02:08,761 ♬「どんな言葉並べても」 24 00:02:08,761 --> 00:02:14,100 ♬「真実にはならないから」 25 00:02:14,100 --> 00:02:16,602 ♬「今日は贈ろう」 26 00:02:16,602 --> 00:02:23,476 ♬「涙色の花束を君に」 27 00:02:23,476 --> 00:02:28,314 ♬「花束を君に贈ろう」 28 00:02:28,314 --> 00:02:34,988 ♬「愛しい人 愛しい人」 29 00:02:34,988 --> 00:02:40,793 ♬「どんな言葉並べても」 30 00:02:40,793 --> 00:02:46,232 ♬「君を讃えるには足りないから」 31 00:02:46,232 --> 00:02:48,901 ♬「今日は贈ろう」 32 00:02:48,901 --> 00:02:51,938 ♬「涙色の」 33 00:02:51,938 --> 00:02:57,938 ♬「花束を君に」 34 00:02:59,612 --> 00:03:04,917 18年ほど前なんだけど いろいろあって➡ 35 00:03:04,917 --> 00:03:10,723 かかは おばあ様と仲たがいをして 家を飛び出したの。 36 00:03:10,723 --> 00:03:16,629 その時 もう二度と会わないと 心に誓った。 37 00:03:16,629 --> 00:03:20,099 だから あなたたちに…。 38 00:03:20,099 --> 00:03:24,604 では… まだ お元気で? 39 00:03:24,604 --> 00:03:27,440 ええ。 (美子)うわ~。 40 00:03:27,440 --> 00:03:29,375 そうなの…。 41 00:03:29,375 --> 00:03:34,547 私の実家は 東京の深川にある 老舗の材木屋なの。 42 00:03:34,547 --> 00:03:36,582 父が亡くなってから➡ 43 00:03:36,582 --> 00:03:41,054 母が その青柳商店を 切り盛りしながら➡ 44 00:03:41,054 --> 00:03:43,556 一人で私を育ててくれてね。 45 00:03:43,556 --> 00:03:46,225 かかと一緒だ。 46 00:03:46,225 --> 00:03:51,097 そうなんだけど おばあ様は厳しい人で➡ 47 00:03:51,097 --> 00:03:54,934 言う事は絶対に曲げず➡ 48 00:03:54,934 --> 00:03:58,237 従うしかなかったの。 49 00:03:58,237 --> 00:04:04,537 所作や考え方は もちろん ついには 結婚相手まで。 50 00:04:06,412 --> 00:04:11,284 (君子)200年も続く老舗を 守り続けるという生き方こそが➡ 51 00:04:11,284 --> 00:04:14,754 母の中では 全てでね。➡ 52 00:04:14,754 --> 00:04:19,592 自分が選んだ 婿入りして下さる 商家の方との縁談を➡ 53 00:04:19,592 --> 00:04:22,392 強引に進めたの。 54 00:04:24,097 --> 00:04:29,969 そのころ 既に 竹蔵さんに 思いを寄せてたから➡ 55 00:04:29,969 --> 00:04:32,538 それだけはと拒んだの。 56 00:04:32,538 --> 00:04:35,838 ととだ! それで それで? 57 00:04:37,410 --> 00:04:43,182 (君子) その結果 母の口から出たのは…。 58 00:04:43,182 --> 00:04:46,982 「だったら 出ていきな」。 59 00:04:58,231 --> 00:05:06,031 それから 一切会わないつもりで 家を出て 浜松に。 60 00:05:08,574 --> 00:05:13,079 (君子)もう連絡しないつもり だったんだけど➡ 61 00:05:13,079 --> 00:05:16,582 情けない事に➡ 62 00:05:16,582 --> 00:05:20,253 私のお給金だけでは どうやっても➡ 63 00:05:20,253 --> 00:05:24,090 学費を工面できなくて。 64 00:05:24,090 --> 00:05:30,763 貯金も あと僅かに なってしまったし…。 65 00:05:30,763 --> 00:05:34,033 さんざん悩んだあげく➡ 66 00:05:34,033 --> 00:05:36,936 母に便りを出したの。➡ 67 00:05:36,936 --> 00:05:41,207 返事がない事も 覚悟してたんだけど➡ 68 00:05:41,207 --> 00:05:45,507 母は 返事をくれてね。 69 00:05:47,079 --> 00:05:50,917 「荷物まとめて こっちにおいで」。 70 00:05:50,917 --> 00:05:56,556 ありがとうございます。 よろしくお願い致します。 71 00:05:56,556 --> 00:05:58,491 はぁ…。 72 00:05:58,491 --> 00:06:02,428 え? …って事は➡ 73 00:06:02,428 --> 00:06:06,566 私たちは 東京に行くという事ですか? 74 00:06:06,566 --> 00:06:09,068 ええ。 えっ? 75 00:06:09,068 --> 00:06:11,003 えっ? えっ? 76 00:06:11,003 --> 00:06:14,941 私の実家に…。 77 00:06:14,941 --> 00:06:20,680 あなたたちが 賛成してくれるならだけど。 78 00:06:20,680 --> 00:06:44,870 ♬~ 79 00:06:44,870 --> 00:06:49,041 ん~…。 80 00:06:49,041 --> 00:06:54,041 どうしたもんじゃろのぉ…。 81 00:06:58,551 --> 00:07:02,221 鞠ちゃん どう思う? 82 00:07:02,221 --> 00:07:05,891 よく分からない。 83 00:07:05,891 --> 00:07:10,563 でも これまでだって ととがいなくても➡ 84 00:07:10,563 --> 00:07:13,065 みんなで 頑張って やってこられたんだし➡ 85 00:07:13,065 --> 00:07:17,903 これからだって どうにか…。 うん 生活はね。 86 00:07:17,903 --> 00:07:22,074 でも このまま浜松にいても➡ 87 00:07:22,074 --> 00:07:28,247 私たちが 学校に通い続けられなく なるのは 確かだと思う。 88 00:07:28,247 --> 00:07:31,247 そんなの 私…。 89 00:07:34,687 --> 00:07:42,028 私たちを 女学校に通わせるのが ととの願いだったんだって。 90 00:07:42,028 --> 00:07:44,530 前 かかが言ってた。 91 00:07:44,530 --> 00:07:48,401 ととが? どうして? 92 00:07:48,401 --> 00:07:53,706 いろんな事を学んで 身につけてほしいんだって。 93 00:07:53,706 --> 00:07:56,042 ふ~ん。 94 00:07:56,042 --> 00:07:58,377 だからって➡ 95 00:07:58,377 --> 00:08:01,714 かかが ずっと仲たがいしてた おばあ様のところに➡ 96 00:08:01,714 --> 00:08:05,014 お世話になるの ちょっと心配。 97 00:08:08,487 --> 00:08:10,723 大丈夫よ。 98 00:08:10,723 --> 00:08:13,723 かかの お母様だもの。 99 00:08:16,595 --> 00:08:20,733 ねえ。 ん? 東京には おいしいものある? 100 00:08:20,733 --> 00:08:24,236 そりゃあ 都会だからね。 じゃあ 行く。 101 00:08:24,236 --> 00:08:27,573 私 ハヤシライスが食べたいんだ。 102 00:08:27,573 --> 00:08:30,476 それだけで? それだけじゃないよ。 103 00:08:30,476 --> 00:08:35,014 サンドイッチも クリームパイも食べたい。 アハハハハ! 104 00:08:35,014 --> 00:08:39,814 もう よっちゃんは…。 あっ あと オムレツでしょ…。 105 00:08:59,705 --> 00:09:03,876 (3人)おはようございます。 (君子)おはよう。 随分早いのね。 106 00:09:03,876 --> 00:09:07,176 ゆうべ 遅くまで話し合いました。 107 00:09:10,649 --> 00:09:16,455 東京で おばあ様のお世話に なりたいと思っています。 108 00:09:16,455 --> 00:09:19,225 いいの? 109 00:09:19,225 --> 00:09:22,128 (2人)はい。 110 00:09:22,128 --> 00:09:26,399 本当は 心配も不安もあります。 111 00:09:26,399 --> 00:09:29,735 …けど かかを育てた方だから➡ 112 00:09:29,735 --> 00:09:32,638 どうしても お会いしてみたいなって。 113 00:09:32,638 --> 00:09:36,008 どんな人なのか 会ってみなきゃ分からないし。 114 00:09:36,008 --> 00:09:38,511 ありがとう。 115 00:09:38,511 --> 00:09:40,446 私は ハヤシライス。 116 00:09:40,446 --> 00:09:43,382 へっ? フフフフ…。 117 00:09:43,382 --> 00:09:46,385 東京に行ったら それぞれ何が食べたいか➡ 118 00:09:46,385 --> 00:09:50,523 ゆうべ 話し合ったんです。 それで眠るのが遅く。 119 00:09:50,523 --> 00:09:55,361 私は ワッフルかな。 まり姉 ずるい。 それも 私が。 120 00:09:55,361 --> 00:09:59,532 私は クリームパイかな。 ん~ ずるい。 それも 私が! 121 00:09:59,532 --> 00:10:03,402 プディングがいいな。 プディングも 私が…。 122 00:10:03,402 --> 00:10:08,707 <こうして 祖母のいる東京に 移り住む事になった常子たちは➡ 123 00:10:08,707 --> 00:10:13,907 もろもろの手続きを終え 引っ越しの日を迎えました> 124 00:10:16,449 --> 00:10:18,417 よいしょ。 125 00:10:18,417 --> 00:10:22,054 あっ これも お願いしますね。 はいよ。 126 00:10:22,054 --> 00:10:27,226 え~っと… ああ 鞠ちゃん その食器 布に包んで運んでね。 127 00:10:27,226 --> 00:10:29,562 分かってま~す。 かか 手伝います。 128 00:10:29,562 --> 00:10:31,597 せ~の。 129 00:10:31,597 --> 00:10:34,900 ああ 重たい。 あっ 縦にしますね。 130 00:10:34,900 --> 00:10:37,803 よいしょ。 131 00:10:37,803 --> 00:10:41,574 はいはい! あとは おらが積んどくで。 132 00:10:41,574 --> 00:10:44,910 ありがとうございます。 ありがとうございます。 133 00:10:44,910 --> 00:10:47,813 はぁ~。 あ~。 134 00:10:47,813 --> 00:10:51,250 これ 懐かしい~。 135 00:10:51,250 --> 00:10:55,087 まだ あったんだ~。 136 00:10:55,087 --> 00:10:57,590 何なの? 昔 ととと みんなで➡ 137 00:10:57,590 --> 00:11:00,426 海に行った時に みんなで集めたの。 138 00:11:00,426 --> 00:11:04,597 誰が 一番大きい貝殻 見つけるか 競争したのよね。 139 00:11:04,597 --> 00:11:08,100 全然 覚えてない。 ん~。 140 00:11:08,100 --> 00:11:11,937 あっ でも この一番大きい貝殻 見つけたの➡ 141 00:11:11,937 --> 00:11:13,937 よっちゃんなんだよ。 142 00:11:16,275 --> 00:11:20,946 あの時 とと よっちゃんの事 すっごく褒めてさ~。 143 00:11:20,946 --> 00:11:22,882 (君子)そうねえ。 そうそう。 144 00:11:22,882 --> 00:11:26,452 そうだったの? 145 00:11:26,452 --> 00:11:28,387 ちょっと貸して。 146 00:11:28,387 --> 00:11:32,892 こうやって よっちゃんの耳に当てて➡ 147 00:11:32,892 --> 00:11:38,697 「お~い 波の音が聞こえるぞ~」 って。 148 00:11:38,697 --> 00:11:41,233 本当だ 聞こえる。 149 00:11:41,233 --> 00:11:44,069 でしょ? うん。 150 00:11:44,069 --> 00:11:48,069 じゃあ 私も。 151 00:11:52,745 --> 00:12:07,092 (波の音) 152 00:12:07,092 --> 00:12:09,092 ≪(せきばらい) 153 00:12:11,263 --> 00:12:16,135 あの… まだかいやぁ? 154 00:12:16,135 --> 00:12:19,939 あ~…。 (一同)ごめんなさい。 155 00:12:19,939 --> 00:12:35,888 ♬~ 156 00:12:35,888 --> 00:12:38,557 せ~の。 157 00:12:38,557 --> 00:12:42,728 (一同)ふじ さん ふじ さん ふじ さん ふじ さん。 158 00:12:42,728 --> 00:12:51,904 ♬~ 159 00:12:51,904 --> 00:12:53,839 よいしょ。 160 00:12:53,839 --> 00:12:55,839 はぁ…。 161 00:12:58,243 --> 00:13:00,913 よいっと。 162 00:13:00,913 --> 00:13:13,113 ♬~ 163 00:13:17,363 --> 00:13:19,363 (君子)戻りましょ。 164 00:13:28,941 --> 00:13:31,910 <うちの中は 空っぽになっても➡ 165 00:13:31,910 --> 00:13:36,210 ここには まだ 思い出が残ったままです> 166 00:13:45,224 --> 00:13:49,561 <何よりも 父である竹蔵との思い出が➡ 167 00:13:49,561 --> 00:13:53,261 たくさん詰まっていました> 168 00:14:04,410 --> 00:14:08,080 (君子)常子? どうしたの? 169 00:14:08,080 --> 00:14:10,015 ん~? 170 00:14:10,015 --> 00:14:14,586 ととの事 思い出してただけ。 171 00:14:14,586 --> 00:14:36,542 ♬~ 172 00:14:36,542 --> 00:14:39,445 (竹蔵)頂きます。 (一同)頂きます。 173 00:14:39,445 --> 00:14:41,413 (笑い声) 174 00:14:41,413 --> 00:14:45,217 おいしい? (竹蔵)おいしいです。 175 00:14:45,217 --> 00:14:48,253 (君子)美子 おしょうゆ かける? うん。 176 00:14:48,253 --> 00:14:50,389 (笑い声) 177 00:14:50,389 --> 00:14:55,561 (君子)あらあら こぼしてますよ。 フフフフ。 178 00:14:55,561 --> 00:15:05,237 ♬~ 179 00:15:05,237 --> 00:15:11,577 <東京で始まる新しい生活と まだ見ぬ祖母との対面に➡ 180 00:15:11,577 --> 00:15:14,913 不安と期待が 入り交じった思いを抱え➡ 181 00:15:14,913 --> 00:15:19,251 常子は 竹蔵と過ごした浜松の日々に➡ 182 00:15:19,251 --> 00:15:22,087 別れを告げたのです> 183 00:15:22,087 --> 00:15:24,887 ありがとうございました。