1 00:00:02,721 --> 00:00:08,393 <いつも楽しそうな夏子姉ちゃんが 悩んでいる事など➡ 2 00:00:08,393 --> 00:00:13,231 その時の私には 分かりませんでした> 3 00:00:13,231 --> 00:00:19,531 ♬「In other words, darlin, kiss me」 4 00:00:34,419 --> 00:00:38,056 <森田屋を出て 青柳に戻った常子は➡ 5 00:00:38,056 --> 00:00:41,727 新たな仕事先を探していました> 6 00:00:41,727 --> 00:00:44,927 社長 兼 編集長の谷です。 7 00:00:47,232 --> 00:00:49,568 僕は五反田一郎です。 8 00:00:49,568 --> 00:00:52,471 彼女 うちの求人広告を見て 来てくれたんですよ。 9 00:00:52,471 --> 00:00:56,742 そうかい! 求人広告 見て 何人か来てくれたんだけど➡ 10 00:00:56,742 --> 00:00:59,778 みんな すぐ辞めちゃってねえ 困ってたんだよ。 11 00:00:59,778 --> 00:01:01,913 (常子)あっ… じゃあ あの…➡ 12 00:01:01,913 --> 00:01:04,816 雇って頂けるんですか? もちろん。 13 00:01:04,816 --> 00:01:09,087 <これが 戦後 常子の一生の仕事になる➡ 14 00:01:09,087 --> 00:01:11,787 出版との出会いでした> 15 00:01:13,425 --> 00:01:17,095 本日… 見事 採用となりました! 16 00:01:17,095 --> 00:01:21,600 (歓声) 17 00:01:21,600 --> 00:01:23,535 (滝子)よかったね。 18 00:01:23,535 --> 00:01:25,771 ご心配おかけして すみません。 19 00:01:25,771 --> 00:01:28,440 すぐに働き始めますから ご安心を。 20 00:01:28,440 --> 00:01:30,942 (鞠子)大丈夫? すぐにクビになるとこじゃない? 21 00:01:30,942 --> 00:01:34,212 (美子)まり姉 クビの心配するの早すぎる。 22 00:01:34,212 --> 00:01:38,049 (隈井) 大丈夫ですよ。 こんなご時世に あえて雇うぐらいなんだから➡ 23 00:01:38,049 --> 00:01:40,552 そう簡単に クビにゃ なりゃしませんよ。 24 00:01:40,552 --> 00:01:43,588 (清)ともかく 久々に よい知らせを聞くと➡ 25 00:01:43,588 --> 00:01:45,724 それだけで 元気になりますね。 26 00:01:45,724 --> 00:01:50,395 そうだねえ。 私も 寝込んでばかりいないで➡ 27 00:01:50,395 --> 00:01:53,298 働かなくちゃね。 はい。 28 00:01:53,298 --> 00:01:57,736 <滝子は 再生不良性貧血 という病を患い➡ 29 00:01:57,736 --> 00:02:01,907 寝て過ごす事が 多くなっていました> 30 00:02:01,907 --> 00:02:04,943 (君子)お母様 今日のお加減 いかがですか? 31 00:02:04,943 --> 00:02:09,781 昨日より 少し気分がいいねえ。 32 00:02:09,781 --> 00:02:12,417 おばあちゃま 今日も寝たきりかなあ。 33 00:02:12,417 --> 00:02:15,320 少しでも 心労は減らさないとね。 34 00:02:15,320 --> 00:02:18,290 よっちゃん あんまり心配かけちゃ駄目よ。 35 00:02:18,290 --> 00:02:21,092 それは こっちのセリフです。 36 00:02:21,092 --> 00:02:23,595 何か やらかしそうなのは とと姉ちゃんの方じゃない。 37 00:02:23,595 --> 00:02:27,466 そんな事ありません~。 フフフフ…。 38 00:02:27,466 --> 00:02:29,768 あっ そうだ そうだ そうだ 鞠ちゃん➡ 39 00:02:29,768 --> 00:02:32,671 いずれ 会社の人 紹介してあげるね。 えっ? 40 00:02:32,671 --> 00:02:36,208 ほら 作家へのきっかけに なるかもしれないじゃない? 41 00:02:36,208 --> 00:02:39,244 ああ… ありがとう。 42 00:02:39,244 --> 00:02:42,881 でも 落ち着いてからでいいわ。 そう? 43 00:02:42,881 --> 00:02:45,383 まずは とと姉が お仕事 覚えなきゃ。 44 00:02:45,383 --> 00:02:47,319 そうよね~。 45 00:02:47,319 --> 00:02:49,721 ねえ 出版って どんな仕事なの? 46 00:02:49,721 --> 00:02:51,721 え~っとね…。 47 00:02:55,227 --> 00:02:58,129 分かんない! アハハハハ! 48 00:02:58,129 --> 00:03:00,899 ♬「普段から」 49 00:03:00,899 --> 00:03:03,802 ♬「メイクしない 君が」 50 00:03:03,802 --> 00:03:09,608 ♬「薄化粧した朝」 51 00:03:09,608 --> 00:03:16,248 ♬「始まりと終わりの狭間で」 52 00:03:16,248 --> 00:03:24,756 ♬「忘れぬ約束した」 53 00:03:24,756 --> 00:03:29,427 ♬「花束を君に贈ろう」 54 00:03:29,427 --> 00:03:35,867 ♬「愛しい人 愛しい人」 55 00:03:35,867 --> 00:03:42,040 ♬「どんな言葉並べても」 56 00:03:42,040 --> 00:03:47,212 ♬「真実にはならないから」 57 00:03:47,212 --> 00:03:49,714 ♬「今日は贈ろう」 58 00:03:49,714 --> 00:03:52,751 ♬「涙色の」 59 00:03:52,751 --> 00:03:56,588 ♬「花束を君に」 60 00:03:56,588 --> 00:04:01,426 ♬「花束を君に贈ろう」 61 00:04:01,426 --> 00:04:08,099 ♬「愛しい人 愛しい人」 62 00:04:08,099 --> 00:04:13,939 ♬「どんな言葉並べても」 63 00:04:13,939 --> 00:04:19,411 ♬「君を讃えるには足りないから」 64 00:04:19,411 --> 00:04:22,080 ♬「今日は贈ろう」 65 00:04:22,080 --> 00:04:25,116 ♬「涙色の」 66 00:04:25,116 --> 00:04:31,416 ♬「花束を君に」 67 00:04:34,659 --> 00:04:39,030 (谷)これが丹下先生の原稿だ。 丹下先生は 筆が早いから➡ 68 00:04:39,030 --> 00:04:41,933 締め切りに間に合わない事は めったにない。➡ 69 00:04:41,933 --> 00:04:44,903 ただ すごいクセ字なんだよ。➡ 70 00:04:44,903 --> 00:04:48,373 例えば これとか読めるか? 71 00:04:48,373 --> 00:04:50,709 あ~ 読めません。 72 00:04:50,709 --> 00:04:52,744 これ 「ゆうぼう」って読むんだ。 73 00:04:52,744 --> 00:04:55,547 <作家から 原稿を受け取ったら➡ 74 00:04:55,547 --> 00:04:58,216 読みにくい字を 赤で書き直し➡ 75 00:04:58,216 --> 00:05:01,052 文字数を確認します> 76 00:05:01,052 --> 00:05:02,988 一枚のページの中に➡ 77 00:05:02,988 --> 00:05:06,725 見出し 本文 挿絵を どの配置にするか➡ 78 00:05:06,725 --> 00:05:09,628 それを決める作業の事を 割り付けっていうんだ。 79 00:05:09,628 --> 00:05:13,498 はい。 特に 挿絵は重要だ。 80 00:05:13,498 --> 00:05:17,068 いい挿絵は その作品の世界観を表し➡ 81 00:05:17,068 --> 00:05:19,571 読者を引き付ける事ができる。 82 00:05:19,571 --> 00:05:24,409 <出来上がった雑誌の一部は 印刷所から運び込まれ➡ 83 00:05:24,409 --> 00:05:28,409 定期購読者に向けて 発送していきます> 84 00:05:30,915 --> 00:05:35,186 ほかにないのか? このままだと 出版できなくなるぞ。 85 00:05:35,186 --> 00:05:38,523 <そして すぐさま 編集会議を開いて➡ 86 00:05:38,523 --> 00:05:42,523 先の号の内容を 決めていくのです> 87 00:05:55,940 --> 00:05:57,909 何をしている? 88 00:05:57,909 --> 00:06:01,746 あっ 皆さんに お茶のお代わりをと思いまして。 89 00:06:01,746 --> 00:06:04,215 ありがとう。 気が利くね。 90 00:06:04,215 --> 00:06:07,552 いえ 当然です。 (谷)何が当然だ! 91 00:06:07,552 --> 00:06:10,055 今は 会議中だぞ。 92 00:06:10,055 --> 00:06:14,555 雑誌の内容を考える時間だ。 ほかの事は考えなくていい! 93 00:06:16,227 --> 00:06:19,564 お茶 要りません。 俺も。 94 00:06:19,564 --> 00:06:24,436 いや でも…。 小橋君も 何か ないのか? 95 00:06:24,436 --> 00:06:26,738 何か… ですか? 96 00:06:26,738 --> 00:06:32,010 会議中 控えを取ってばかりじゃないか。 97 00:06:32,010 --> 00:06:34,345 君の意見はないのか? 98 00:06:34,345 --> 00:06:37,015 私の意見… ですか? 99 00:06:37,015 --> 00:06:39,050 何を驚いてる? 100 00:06:39,050 --> 00:06:41,886 いや あの… 女が しゃしゃり出て➡ 101 00:06:41,886 --> 00:06:44,189 意見なんか出しても いいんですか? 102 00:06:44,189 --> 00:06:46,691 フフッ 当たり前じゃないか。 103 00:06:46,691 --> 00:06:49,360 ここじゃ 男も女もない。 104 00:06:49,360 --> 00:06:53,231 君の考えを素直に言って いいんだよ。 105 00:06:53,231 --> 00:06:56,701 君が作りたいと思う企画が 浮かんだら➡ 106 00:06:56,701 --> 00:06:58,701 是非 聞かせてくれ。 107 00:07:00,371 --> 00:07:02,307 はい! 108 00:07:02,307 --> 00:07:06,711 もう~ びっくりしました! 夢にも思ってませんでしたから。 109 00:07:06,711 --> 00:07:10,381 私が雑誌の企画を 考えてもいいだなんて! 110 00:07:10,381 --> 00:07:15,053 あ~ 女性でも そういう仕事 任せてもらえたりするんですね。 111 00:07:15,053 --> 00:07:18,089 フフフ…。 (むせる音) 112 00:07:18,089 --> 00:07:21,726 もう 食べながら しゃべるからよ。 113 00:07:21,726 --> 00:07:24,562 お茶 お茶 お茶…。 114 00:07:24,562 --> 00:07:27,599 興奮してしまって。 115 00:07:27,599 --> 00:07:30,235 女性でも企画ができるなんて➡ 116 00:07:30,235 --> 00:07:32,670 タイピストの頃とは まるで違うのね。 うん。 117 00:07:32,670 --> 00:07:36,007 そんな事って めったに ないんでしょ? そうだと思う。 118 00:07:36,007 --> 00:07:38,843 えっ で… どんな企画 考えたんだい? 119 00:07:38,843 --> 00:07:43,181 それが… まるで浮かばなくて。 120 00:07:43,181 --> 00:07:46,851 せっかく 多くの人が目にするんだ。 121 00:07:46,851 --> 00:07:50,522 人の役に立つものが いいんじゃないか? 122 00:07:50,522 --> 00:07:52,457 役に立つもの? 123 00:07:52,457 --> 00:07:58,263 私も この40年 ずっと 同じ仕事を続けられたのも➡ 124 00:07:58,263 --> 00:08:02,133 そういう自負があったからさ。 125 00:08:02,133 --> 00:08:06,871 常子も 役に立つ雑誌の方が➡ 126 00:08:06,871 --> 00:08:10,375 作る励みになるだろ? 127 00:08:10,375 --> 00:08:14,045 はい。 そう思います。 128 00:08:14,045 --> 00:08:16,381 アハハハ…。 129 00:08:16,381 --> 00:08:24,255 ♬~ 130 00:08:24,255 --> 00:08:28,092 あ…。 悩め 若人よ。 131 00:08:28,092 --> 00:08:31,496 そう簡単に いい企画なんて 浮かぶもんじゃないさ。 132 00:08:31,496 --> 00:08:33,431 はい…。 133 00:08:33,431 --> 00:08:36,668 何か こう 人の役に立つような事を➡ 134 00:08:36,668 --> 00:08:39,337 雑誌で できないかなあと 思ってるんですけど。 135 00:08:39,337 --> 00:08:41,840 人の役に立つ? 136 00:08:41,840 --> 00:08:44,342 具体的には? 137 00:08:44,342 --> 00:08:47,245 それが思いつかなくて…。 138 00:08:47,245 --> 00:08:50,682 役に立つ雑誌ねえ。 まあ 何冊もあれば➡ 139 00:08:50,682 --> 00:08:53,718 漬物石の代わりに なるだろうけどね。 フフフ。 140 00:08:53,718 --> 00:08:57,856 冗談さ。 141 00:08:57,856 --> 00:09:02,727 じゃあ 悩みを解消する特集って できませんかね? 142 00:09:02,727 --> 00:09:07,565 う~ん… それはそれで難しそうだなあ。 143 00:09:07,565 --> 00:09:11,703 悩みなんて 皆 違うだろう。 144 00:09:11,703 --> 00:09:16,574 <確かに 悩みは 人それぞれで…。➡ 145 00:09:16,574 --> 00:09:20,044 鞠子は 進路について悩んでいました> 146 00:09:20,044 --> 00:09:22,547 (木戸)そうか。 147 00:09:22,547 --> 00:09:27,418 それが 君の出した結論か。 …ええ。 148 00:09:27,418 --> 00:09:31,718 大学を出たら 工場に お勤めに出ようと思ってます。 149 00:09:33,992 --> 00:09:36,027 残念だな。 150 00:09:36,027 --> 00:09:39,864 鞠子君なら いい物書きになれると 思っていたんだが。 151 00:09:39,864 --> 00:09:43,701 いえ 決して 作家の道を 諦めた訳ではありません。 152 00:09:43,701 --> 00:09:48,539 仕事が終わったら きちんと 毎日 書き続けるつもりです。 153 00:09:48,539 --> 00:09:53,011 朝から晩まで働いて 疲れて帰ってきてから➡ 154 00:09:53,011 --> 00:09:56,681 本当に いいものが 書けるのかい? 155 00:09:56,681 --> 00:09:58,881 それは…。 156 00:10:00,518 --> 00:10:03,855 僕は 文学の道を突き進むよ。 157 00:10:03,855 --> 00:10:08,155 また どこかで会えるといいね。 じゃあ。 158 00:10:12,864 --> 00:10:16,701 <こちらの悩みは…> 159 00:10:16,701 --> 00:10:20,371 参ったなあ…。 160 00:10:20,371 --> 00:10:23,171 隈井さん。 へい。 161 00:10:25,243 --> 00:10:30,081 この ひとつきで 売り上げが3割減だ。 162 00:10:30,081 --> 00:10:32,717 3割も…。 163 00:10:32,717 --> 00:10:35,620 もう少し 切り詰めないとなあ…。 164 00:10:35,620 --> 00:10:40,892 これ以上 何を切り詰めれば いいって言うんですか? 165 00:10:40,892 --> 00:10:45,063 はぁ…。 人を減らすか。 166 00:10:45,063 --> 00:10:48,399 またですか? 167 00:10:48,399 --> 00:10:53,271 もう 職人1人と小僧2人しか 残っちゃいませんよ。 168 00:10:53,271 --> 00:10:56,074 しかたないんだ。 169 00:10:56,074 --> 00:11:01,879 小僧たちに 故郷に帰るよう 伝えてくれ。 頼む。 170 00:11:01,879 --> 00:11:04,749 分かりやした。 171 00:11:04,749 --> 00:11:08,449 じゃあ 組合に顔出してくる。 172 00:11:10,555 --> 00:11:13,091 行ってらっしゃいませ。 173 00:11:13,091 --> 00:11:15,994 <青柳商店は 経営難のため➡ 174 00:11:15,994 --> 00:11:20,598 営業規模を 大幅に縮小していました。➡ 175 00:11:20,598 --> 00:11:24,435 皆が鬱屈した思いを抱えた中➡ 176 00:11:24,435 --> 00:11:29,607 常子は この時世において 人の役に立つものは何かを➡ 177 00:11:29,607 --> 00:11:32,043 ずっと考え続けていました> 178 00:11:32,043 --> 00:11:34,379 あなた! 179 00:11:34,379 --> 00:11:37,281 そんな派手な化粧をして! 180 00:11:37,281 --> 00:11:40,718 すみません。 ぜいたくは敵です。➡ 181 00:11:40,718 --> 00:11:45,018 ぜいたくをするような人間は 日本国民の敵なんですよ! 182 00:11:51,362 --> 00:11:53,297 あなた! 183 00:11:53,297 --> 00:11:55,900 私 ぜいたくなんて してませんよ。 184 00:11:55,900 --> 00:11:59,737 堂々と 道を歩き過ぎです。 えっ? 185 00:11:59,737 --> 00:12:03,574 若い女性が 堂々と 道の真ん中を 歩くもんじゃありません。 186 00:12:03,574 --> 00:12:06,911 もっと つつましく 端を歩くべきです。 187 00:12:06,911 --> 00:12:09,580 どこを歩こうが 私の勝手です。 188 00:12:09,580 --> 00:12:12,483 まあ! 目上の者に なんて口を! 189 00:12:12,483 --> 00:12:14,483 失礼します。 190 00:12:38,609 --> 00:12:44,048 ♬~ 191 00:12:44,048 --> 00:12:48,553 (まつ)いつか必ず 自分らの暮らしを取り戻す。➡ 192 00:12:48,553 --> 00:12:52,423 だから あんたも 強く生きるんだよ。➡ 193 00:12:52,423 --> 00:12:54,892 とと姉ちゃん! はい。 194 00:12:54,892 --> 00:12:56,828 (宗吉)またいつか会おうぜ! 195 00:12:56,828 --> 00:13:01,566 (まつ)宗吉! (長谷川)お父さん! お父さん! 196 00:13:01,566 --> 00:13:04,235 ≪すみません。 197 00:13:04,235 --> 00:13:08,406 はい。 こちらの森田屋さんは お引っ越しされたんでしょうか? 198 00:13:08,406 --> 00:13:10,441 あ… 森田屋さんでしたら➡ 199 00:13:10,441 --> 00:13:13,911 高崎に引っ越されましたけど 何か? 200 00:13:13,911 --> 00:13:16,948 こちらに お住まいの 小橋常子様宛てに➡ 201 00:13:16,948 --> 00:13:19,784 村野さんから お手紙です。 村野…。 202 00:13:19,784 --> 00:13:25,423 村野… 綾さんですね。 203 00:13:25,423 --> 00:13:27,458 [ 回想 ] (綾)常子さんとは ご縁があるから➡ 204 00:13:27,458 --> 00:13:30,261 また 妙なところで 出くわすんじゃないかしら。 205 00:13:30,261 --> 00:13:32,461 綾さん…。 206 00:13:37,368 --> 00:13:40,368 お帰りなさいまし。 ただいま帰りました。 207 00:13:57,221 --> 00:13:59,257 (綾の声)「お寒さ厳しき折から➡ 208 00:13:59,257 --> 00:14:03,027 常子様には いかが お過ごしで いらっしゃいますか。➡ 209 00:14:03,027 --> 00:14:05,930 結婚して 名古屋に参りましてからは➡ 210 00:14:05,930 --> 00:14:09,734 常子様に お目にかかる機会も 少なくなってしまって➡ 211 00:14:09,734 --> 00:14:13,237 本当に寂しく存じております。➡ 212 00:14:13,237 --> 00:14:18,409 嫁ぎ先に入ってしまいますと 女学校の時とは 勝手が違い➡ 213 00:14:18,409 --> 00:14:23,281 自由が利きませんの。 トホホ。➡ 214 00:14:23,281 --> 00:14:29,587 実は 病院勤めだった主人が この度 軍医として召集され➡ 215 00:14:29,587 --> 00:14:32,857 満州へ赴く事になりました。➡ 216 00:14:32,857 --> 00:14:37,361 覚悟はしておりましたが 後方の病院勤務とはいえ➡ 217 00:14:37,361 --> 00:14:41,032 内地と違い 危険がない訳ではありません。➡ 218 00:14:41,032 --> 00:14:45,369 やはり 不安が募ります。➡ 219 00:14:45,369 --> 00:14:49,207 何事も 先の事は はっきりとは分からず➡ 220 00:14:49,207 --> 00:14:54,378 今は 主人の身を ただただ 案ずるばかりです。➡ 221 00:14:54,378 --> 00:14:59,717 お手紙を差し上げようと あなた様の事を考えた途端に➡ 222 00:14:59,717 --> 00:15:04,555 女学校時代の日々が 走馬灯のように思い出されて➡ 223 00:15:04,555 --> 00:15:10,061 懐かしさと 楽しさと 喜びで 胸が いっぱいになりました。➡ 224 00:15:10,061 --> 00:15:14,361 どうか どうか お元気でいらして下さいませ」。 225 00:15:16,234 --> 00:15:20,905 <戦争の影が すぐそばまで 近づいている事を➡ 226 00:15:20,905 --> 00:15:24,205 実感する常子でした> 227 00:15:33,317 --> 00:15:41,726 ♬~ 228 00:15:41,726 --> 00:15:47,398 目が とろりと 眠ってしまいそう。