1 00:00:07,410 --> 00:00:23,110 ♬~ 2 00:00:33,502 --> 00:00:36,739 (富樫) 社長が警察に捕まりました。 3 00:00:36,739 --> 00:00:39,408 (常子)警察? (五反田)どうして…。 4 00:00:39,408 --> 00:00:45,281 ユーモア特集の企画が 検閲に引っ掛かったんです。 5 00:00:45,281 --> 00:00:51,420 このご時世 笑える読み物を 載せるなんて 不謹慎だと。 6 00:00:51,420 --> 00:00:55,258 それを不服に思った社長が 強く盾ついたものだから➡ 7 00:00:55,258 --> 00:01:00,930 検閲官を 怒らせてしまったみたいで。 8 00:01:00,930 --> 00:01:03,266 すみません。 私が➡ 9 00:01:03,266 --> 00:01:06,168 笑えるものを載せたいだなんて 言いだしたから…。 10 00:01:06,168 --> 00:01:09,138 何を言う。 みんなが決めた事じゃないか。 11 00:01:09,138 --> 00:01:12,942 君が責任を感じる事はない。 12 00:01:12,942 --> 00:01:16,445 待て待て。 どこに行くんだ? 面会に。 13 00:01:16,445 --> 00:01:19,145 無駄だ。 会わせてもらえないさ。 14 00:01:21,284 --> 00:01:24,320 それよりも 社長がいない間➡ 15 00:01:24,320 --> 00:01:28,958 いかに ここを守るかに 専念すべきじゃないかな。 16 00:01:28,958 --> 00:01:32,928 はい…。 発売は延期か…。 17 00:01:32,928 --> 00:01:37,566 (相田)いや 最悪の場合 発禁処分になるかも。 18 00:01:37,566 --> 00:01:40,603 発売禁止ですか? そんな…。 19 00:01:40,603 --> 00:01:43,372 その覚悟も しておくべきだろう。 20 00:01:43,372 --> 00:01:46,275 (富樫)大丈夫ですかね? うち…。 21 00:01:46,275 --> 00:01:52,081 まあ この一冊だけで どうにかなるという事はないよ。 22 00:01:52,081 --> 00:01:54,583 ただ その先が心配だな。 23 00:01:54,583 --> 00:01:59,088 悪評が広まれば 広告を載せてくれている会社が➡ 24 00:01:59,088 --> 00:02:02,024 降りると言いだしかねない。 25 00:02:02,024 --> 00:02:05,861 (相田)広告で もってるような もんですもんね。 雑誌は。 26 00:02:05,861 --> 00:02:10,099 よし まずは 雑誌の回収に動こう。 え? 27 00:02:10,099 --> 00:02:13,135 発売の許可が下りるとしても➡ 28 00:02:13,135 --> 00:02:17,273 何らかの訂正を 求められる可能性は高い。 29 00:02:17,273 --> 00:02:21,444 どんな指示にも対応できるよう 回収しておいた方が賢明だ。 30 00:02:21,444 --> 00:02:25,948 早速 手分けして 取次店と書店に連絡してくれ。 31 00:02:25,948 --> 00:02:29,248 (相田 富樫)はい。 はい。 32 00:02:31,120 --> 00:02:33,889 ♬「普段から」 33 00:02:33,889 --> 00:02:36,926 ♬「メイクしない 君が」 34 00:02:36,926 --> 00:02:42,598 ♬「薄化粧した朝」 35 00:02:42,598 --> 00:02:49,238 ♬「始まりと終わりの狭間で」 36 00:02:49,238 --> 00:02:56,912 ♬「忘れぬ約束した」 37 00:02:56,912 --> 00:03:02,418 ♬「花束を君に贈ろう」 38 00:03:02,418 --> 00:03:09,091 ♬「愛しい人 愛しい人」 39 00:03:09,091 --> 00:03:14,964 ♬「どんな言葉並べても」 40 00:03:14,964 --> 00:03:20,269 ♬「真実には ならないから」 41 00:03:20,269 --> 00:03:22,938 ♬「今日は贈ろう」 42 00:03:22,938 --> 00:03:31,280 ♬「涙色の花束を君に」 43 00:03:31,280 --> 00:03:40,389 ♬「涙色の花束を君に」 44 00:03:40,389 --> 00:03:47,263 ♬~ 45 00:03:47,263 --> 00:03:51,901 (滝子)工場宿舎の仕事が うまく進んだら➡ 46 00:03:51,901 --> 00:03:57,573 また 昔みたいに にぎやかに なるんだろうねえ。 47 00:03:57,573 --> 00:03:59,573 (君子)ええ。 48 00:04:01,243 --> 00:04:04,079 遅いねえ。 49 00:04:04,079 --> 00:04:07,917 隈井だけじゃなくて 私も一緒に➡ 50 00:04:07,917 --> 00:04:10,252 打ち合わせに行けば よかったかねえ。 51 00:04:10,252 --> 00:04:14,924 大丈夫ですよ。 清さんも 言ってたじゃないですか。 52 00:04:14,924 --> 00:04:19,261 宿舎の件では お母様の手を煩わせたくないって。 53 00:04:19,261 --> 00:04:21,261 ああ…。 54 00:04:23,098 --> 00:04:26,602 (隈井)女将さん ただいま戻りました。 どうも。 55 00:04:26,602 --> 00:04:28,537 お疲れさん。 ご苦労さん。 56 00:04:28,537 --> 00:04:32,408 で… 打ち合わせは どうだった? 57 00:04:32,408 --> 00:04:36,412 (隈井)ええ そりゃ もう 全て 順調に進んでおります。 58 00:04:36,412 --> 00:04:39,715 宿舎は どんな造りなんだい? 59 00:04:39,715 --> 00:04:42,751 造りですか? 造りは もう… もう いきいきとしたね➡ 60 00:04:42,751 --> 00:04:46,889 いき造りっていうんですかね とても あの… いい造りでしたよ。 61 00:04:46,889 --> 00:04:51,060 設計は もう出来てんだろ? 設計ですか? もちろんですよ。 62 00:04:51,060 --> 00:04:53,095 もう あの… 細かいとこまで ちゃんと打ち合わせしましたから。 63 00:04:53,095 --> 00:04:55,231 もう 任して下さい。 それじゃあ。 64 00:04:55,231 --> 00:04:57,266 (滝子)ちょっ…。 はい? 65 00:04:57,266 --> 00:04:59,902 もうちょっと はっきり お言いよ。 (隈井)もう 全て 順調に➡ 66 00:04:59,902 --> 00:05:02,238 いっておりますから ご安心下さいませ。 それじゃあ。 67 00:05:02,238 --> 00:05:04,740 (滝子)だから 打ち合わせは どうだったんだい? 68 00:05:04,740 --> 00:05:06,740 もう一息だ。 69 00:05:08,410 --> 00:05:10,410 はい。 70 00:05:14,750 --> 00:05:19,622 よし 今日の分は これで終わりだ。 はい。 71 00:05:19,622 --> 00:05:22,491 はぁ~。 常子君は もう帰っていいよ。 72 00:05:22,491 --> 00:05:25,094 あ… いや 私も皆さんと一緒に。 73 00:05:25,094 --> 00:05:28,597 いや この先 これが いつまで続くか 分からないんだ。 74 00:05:28,597 --> 00:05:33,869 長期戦を見越して 体力を温存しておく事も重要だよ。 75 00:05:33,869 --> 00:05:36,069 分かりました。 76 00:05:42,578 --> 00:05:45,381 ただいま 帰りまし…。 77 00:05:45,381 --> 00:05:48,417 えっ? 何してるの? そんな所で。 78 00:05:48,417 --> 00:05:51,253 (美子)清さんが帰ってきたら すぐに知らせるように➡ 79 00:05:51,253 --> 00:05:53,722 言われてるの。 誰に? 80 00:05:53,722 --> 00:05:56,625 おばあちゃま。 大事なお話があるんだって。 81 00:05:56,625 --> 00:05:59,528 大事なお話? (清)ただい…。 82 00:05:59,528 --> 00:06:01,463 あれ? 83 00:06:01,463 --> 00:06:05,334 僕のお出迎えかい? いや 参っちゃうなあ~! 84 00:06:05,334 --> 00:06:08,070 おばあちゃま 清さん 帰ってきました! 85 00:06:08,070 --> 00:06:10,739 えっ… えっ 何? 86 00:06:10,739 --> 00:06:14,076 何事? さぁ…。 87 00:06:14,076 --> 00:06:16,876 清。 はい。 88 00:06:18,581 --> 00:06:23,752 工場宿舎の件は なかった事にするよ。 89 00:06:23,752 --> 00:06:25,788 えっ… なぜですか? 90 00:06:25,788 --> 00:06:29,091 明日 工場の設計担当者と 打ち合わせなんです。 91 00:06:29,091 --> 00:06:31,860 今更 そんな…。 そんな事は関係ない。 92 00:06:31,860 --> 00:06:35,698 お母さん。 隈井から聞いたよ。 93 00:06:35,698 --> 00:06:40,869 その宿舎 四畳半に4人が暮らす勘定の➡ 94 00:06:40,869 --> 00:06:44,707 造りだっていうじゃないか。 四畳半に4人も? 95 00:06:44,707 --> 00:06:47,042 狭いだけじゃないよ。 96 00:06:47,042 --> 00:06:51,547 あんな予算じゃ 木材だって ろくに集められないよ。 97 00:06:51,547 --> 00:06:54,450 そこに暮らす人間の事なんて➡ 98 00:06:54,450 --> 00:06:57,219 これっぽっちも 考えちゃいないじゃないか! 99 00:06:57,219 --> 00:07:01,056 そんな事 言っても…。 今 集められる 少ない木材で➡ 100 00:07:01,056 --> 00:07:03,892 できるだけ大勢の人を 収容するには➡ 101 00:07:03,892 --> 00:07:06,562 ああいう設計にしなければ ならないんです。 102 00:07:06,562 --> 00:07:10,733 いいかい? このご時世 みんな 必死で➡ 103 00:07:10,733 --> 00:07:14,903 ふだんどおりの暮らしを なんとか守ってるんだ。 104 00:07:14,903 --> 00:07:19,775 なのに それじゃあ… ふだんどおりどころか➡ 105 00:07:19,775 --> 00:07:24,079 暮らしってもの自体が 成り立たないじゃないか! 106 00:07:24,079 --> 00:07:27,950 お母様 興奮なさらないで下さい。 107 00:07:27,950 --> 00:07:30,250 お体に障りますよ。 108 00:07:33,522 --> 00:07:40,295 これは 青柳の仕事じゃない。 109 00:07:40,295 --> 00:07:45,034 うちは 昔から ずっと 誇りを持って➡ 110 00:07:45,034 --> 00:07:49,905 たくさんの お客様の生活を 支えてきたんだよ。 111 00:07:49,905 --> 00:07:56,545 そうやって 青柳の看板を守ってきたんだ。 112 00:07:56,545 --> 00:08:01,216 そんな ひどい所に 大事な木材は おろせないよ! 113 00:08:01,216 --> 00:08:03,716 いい加減にして下さい! 114 00:08:06,088 --> 00:08:11,226 お母さんが 元気になって➡ 115 00:08:11,226 --> 00:08:16,565 昔のように仕事をしてくれるのは うれしいです。 116 00:08:16,565 --> 00:08:19,468 でも…➡ 117 00:08:19,468 --> 00:08:23,439 昔のような やり方じゃ 食べていけないんですよ。➡ 118 00:08:23,439 --> 00:08:28,077 この非常時です。 今までとは 違うんです。➡ 119 00:08:28,077 --> 00:08:31,847 先日 お母さんが進めていた 家づくりの事だって➡ 120 00:08:31,847 --> 00:08:34,883 あんな 採算度外視の商売を していても➡ 121 00:08:34,883 --> 00:08:38,187 店の首を絞めるだけなんですよ! 122 00:08:38,187 --> 00:08:41,187 なんて事を言うんだい! 123 00:08:45,861 --> 00:08:48,897 女将さん…。 124 00:08:48,897 --> 00:08:54,897 あっしも… 清さんに賛成です。 125 00:08:57,473 --> 00:09:04,246 女将さんは 青柳の看板を守ると おっしゃいますが➡ 126 00:09:04,246 --> 00:09:09,551 このご時世 どんな仕事でも引き受けて➡ 127 00:09:09,551 --> 00:09:16,225 なんとか 店を潰さねえように➡ 128 00:09:16,225 --> 00:09:19,895 耐え抜くってえのも➡ 129 00:09:19,895 --> 00:09:25,695 この店の看板を守る事に なるんじゃないでしょうか。 130 00:09:33,008 --> 00:09:36,512 私は…➡ 131 00:09:36,512 --> 00:09:39,014 認めないよ。 132 00:09:39,014 --> 00:10:11,714 ♬~ 133 00:10:19,555 --> 00:10:21,855 (隈井)清さん。 134 00:10:24,059 --> 00:10:26,859 申し訳ありませんでした。 135 00:10:31,567 --> 00:10:37,739 宿舎の間取りの事は 女将さんに言うなって➡ 136 00:10:37,739 --> 00:10:41,610 あれほど言われたのに…。 137 00:10:41,610 --> 00:10:47,082 あっしは どうも 秘密を隠しておくのが➡ 138 00:10:47,082 --> 00:10:49,382 不得手なもんで…。 139 00:10:52,254 --> 00:10:57,754 本当に… すいやせんでした。 140 00:10:59,928 --> 00:11:03,265 いや…。 141 00:11:03,265 --> 00:11:05,965 これで よかったよ。 142 00:11:10,038 --> 00:11:14,538 おかげで お母さんに 秘密を作らないで済んだ。 143 00:11:18,614 --> 00:11:23,118 結局 お母さんは➡ 144 00:11:23,118 --> 00:11:27,789 私を 跡取りとして認めてくれる事は➡ 145 00:11:27,789 --> 00:11:30,489 一生 ないのかな…。 146 00:11:32,761 --> 00:12:15,203 ♬~ 147 00:12:15,203 --> 00:12:18,774 おはよう。 (一同)おはようございます。 148 00:12:18,774 --> 00:12:23,278 まだ 寝てらして下さい。 いいんだ。 149 00:12:23,278 --> 00:12:27,149 清。 はい。 150 00:12:27,149 --> 00:12:31,553 引き受けちまったもんは しかたない。 151 00:12:31,553 --> 00:12:37,225 工場宿舎の件は お前に任せるよ。 152 00:12:37,225 --> 00:12:46,735 ♬~ 153 00:12:46,735 --> 00:12:49,237 ありがとうございます。 154 00:12:49,237 --> 00:12:51,537 お母さん。 155 00:12:55,577 --> 00:12:59,247 必ず 店は守りますから➡ 156 00:12:59,247 --> 00:13:05,047 お母さんは 病気を治す事に専念して下さい。 157 00:13:06,989 --> 00:13:09,257 ああ。 158 00:13:09,257 --> 00:13:22,057 ♬~ 159 00:13:25,607 --> 00:13:28,643 はぁ… ただいま。 お帰りなさい。 160 00:13:28,643 --> 00:13:31,413 随分ありますね。 うん。 161 00:13:31,413 --> 00:13:35,283 書店に回っている分は 回収は 全部 終わった。 162 00:13:35,283 --> 00:13:37,552 (谷)すまなかったな。 163 00:13:37,552 --> 00:13:41,890 社長! (五反田)社長… それ 大丈夫ですか? 164 00:13:41,890 --> 00:13:46,728 あっ アザが…。 名誉の負傷だよ。 165 00:13:46,728 --> 00:13:50,565 すみません。 私が企画を提案したばっかりに。 166 00:13:50,565 --> 00:13:54,236 おい おい おい 企画を出したのは 俺も同じだ。 167 00:13:54,236 --> 00:13:58,073 一人の手柄にされちゃ 困るな。 ハハハハハ。 168 00:13:58,073 --> 00:14:01,576 あの… それで 発売の方は…。 169 00:14:01,576 --> 00:14:03,512 許可は下りた。 170 00:14:03,512 --> 00:14:06,248 本当ですか? ああ。 171 00:14:06,248 --> 00:14:08,583 はぁ~ よかった。 172 00:14:08,583 --> 00:14:14,256 ただし 問題のあるページを 全て削除するのが条件だ。 173 00:14:14,256 --> 00:14:16,256 削除…。 174 00:14:17,926 --> 00:14:19,926 こういう事だ。 175 00:14:32,441 --> 00:14:39,247 ♬~ 176 00:14:39,247 --> 00:14:44,547 社長… ユーモア企画は 全て削除って事ですか? 177 00:14:47,089 --> 00:15:00,402 ♬~ 178 00:15:00,402 --> 00:15:18,587 (ページを破る音) 179 00:15:18,587 --> 00:15:22,457 <常子の思いは 時代の大きな潮流に➡ 180 00:15:22,457 --> 00:15:25,457 のみ込まれていったのです> 181 00:15:33,502 --> 00:15:39,441 ♬~ 182 00:15:39,441 --> 00:15:41,576 (鳴き声) 183 00:15:41,576 --> 00:15:44,479 白いネコ。 184 00:15:44,479 --> 00:15:46,448 (鳴き声)