1 00:00:03,600 --> 00:00:07,270 みんなも ヘトヘトや。 …えっ? 2 00:00:07,270 --> 00:00:10,173 (一同)ハハハ…! 3 00:00:10,173 --> 00:00:14,043 寝よっか。 (春子)私も。 おやすみ。 4 00:00:14,043 --> 00:00:20,283 <さて 私は 見事 タカラジェンヌになれるでしょうか?➡ 5 00:00:20,283 --> 00:00:25,583 明日は 運命の合格発表です> 6 00:00:33,529 --> 00:00:36,099 (常子)二度とペンを握らないのは なぜなんですか? 7 00:00:36,099 --> 00:00:38,034 花山さんほど 才能がおありの方が➡ 8 00:00:38,034 --> 00:00:40,270 ご自身で身を引かれる…。 (花山)帰れ。 目障りだ。 9 00:00:40,270 --> 00:00:42,939 花山さん…。 何も話す気はない。 出ていけ! 10 00:00:42,939 --> 00:00:45,842 君が帰らんのなら 私が帰る。 11 00:00:45,842 --> 00:00:53,650 ♬~ 12 00:00:53,650 --> 00:00:56,452 ♬「普段から」 13 00:00:56,452 --> 00:00:59,489 ♬「メイクしない 君が」 14 00:00:59,489 --> 00:01:05,161 ♬「薄化粧した朝」 15 00:01:05,161 --> 00:01:11,634 ♬「始まりと終わりの狭間で」 16 00:01:11,634 --> 00:01:19,375 ♬「忘れぬ約束した」 17 00:01:19,375 --> 00:01:24,981 ♬「花束を君に贈ろう」 18 00:01:24,981 --> 00:01:31,587 ♬「愛しい人 愛しい人」 19 00:01:31,587 --> 00:01:37,393 ♬「どんな言葉並べても」 20 00:01:37,393 --> 00:01:42,598 ♬「真実には ならないから」 21 00:01:42,598 --> 00:01:45,435 ♬「今日は贈ろう」 22 00:01:45,435 --> 00:01:53,776 ♬「涙色の花束を君に」 23 00:01:53,776 --> 00:02:02,785 ♬「涙色の花束を君に」 24 00:02:02,785 --> 00:02:09,659 ♬~ 25 00:02:09,659 --> 00:02:12,128 どうぞ。 26 00:02:12,128 --> 00:02:16,128 ありがとうございます。 頂きます。 27 00:02:22,839 --> 00:02:25,675 あっ おいしいです。 28 00:02:25,675 --> 00:02:28,978 そうかね。 はい。 29 00:02:28,978 --> 00:02:32,248 あ… ちょっと 失礼していいかな。 30 00:02:32,248 --> 00:02:36,548 時々ね 腰が痛むんだよ。 あっ どうぞ。 31 00:02:38,121 --> 00:02:40,321 はぁ…。 32 00:02:42,425 --> 00:02:48,931 あの… お二人は どういう? 33 00:02:48,931 --> 00:02:56,272 うん? ああ… 息子と彼がね 戦友だったんだ。 34 00:02:56,272 --> 00:02:59,942 戦友? うん 陸軍の同じ部隊でね。 35 00:02:59,942 --> 00:03:03,813 入隊以来 なぜか 気が合ったそうだ。 36 00:03:03,813 --> 00:03:05,815 はぁ…。 37 00:03:05,815 --> 00:03:12,121 花山君はね 帝大出なのに 幹部候補生を志願しなかった。 38 00:03:12,121 --> 00:03:17,293 で 息子と同じ ただの二等兵から始めて➡ 39 00:03:17,293 --> 00:03:20,129 相当 大変だったそうだ。 40 00:03:20,129 --> 00:03:24,634 猛訓練で メチャクチャに…。 41 00:03:24,634 --> 00:03:31,307 兵隊たちが死んでも すぐに 代わりの兵隊が来る。 42 00:03:31,307 --> 00:03:36,913 一銭五厘の葉書 一枚で 替えは いくらでも集まると➡ 43 00:03:36,913 --> 00:03:41,584 とことん ひどい扱いを受けたそうだ。 44 00:03:41,584 --> 00:03:49,459 そんな中で 息子と花山君は 絆を深めていったらしいが➡ 45 00:03:49,459 --> 00:03:56,132 彼は 満州で結核にかかってね 病気除隊になったんだよ。 46 00:03:56,132 --> 00:04:03,973 その時 息子や戦友たちを残して 一人 帰国する事に➡ 47 00:04:03,973 --> 00:04:07,710 後ろめたさを感じていたらしい。 48 00:04:07,710 --> 00:04:14,450 戻ってくると 少しでも お国のために役立とうと➡ 49 00:04:14,450 --> 00:04:20,323 内務省の宣伝の仕事を 引き受けたと言っていた。 50 00:04:20,323 --> 00:04:25,161 花山君が 内地に戻ったあと➡ 51 00:04:25,161 --> 00:04:28,798 息子も 満期除隊になって➡ 52 00:04:28,798 --> 00:04:33,636 ひとたびは 帰ってきたんだ。 53 00:04:33,636 --> 00:04:38,241 そんな縁で 戦争が終わったあと➡ 54 00:04:38,241 --> 00:04:41,911 この店を手伝ってくれないかと 言われて。 55 00:04:41,911 --> 00:04:48,711 きっと 身寄りのない僕を案じて 声をかけてくれたんだろう。 56 00:04:51,587 --> 00:04:54,423 あっ… ハハッ。 57 00:04:54,423 --> 00:04:59,095 息子は 結局 戦死したんだ。 58 00:04:59,095 --> 00:05:04,595 除隊後1年で 再召集され 南方で。 59 00:05:06,836 --> 00:05:10,606 一銭五厘の命だが➡ 60 00:05:10,606 --> 00:05:14,443 僕にとっては 掛けがえのない➡ 61 00:05:14,443 --> 00:05:17,643 ただ一人の息子だった。 62 00:05:20,783 --> 00:05:27,123 終戦後 花山君は すぐに弔問に来てくれてね。 63 00:05:27,123 --> 00:05:32,623 息子の遺影を前に ずっと泣いていたよ。 64 00:05:34,230 --> 00:05:39,530 (関元)泣いてる姿を見たのは あれが初めてだった。 65 00:05:41,571 --> 00:05:45,074 その時に 彼が言ったんだ。 66 00:05:45,074 --> 00:05:52,582 「8月15日 全てに気付いた」と。 67 00:05:52,582 --> 00:05:56,419 8月15日…。 68 00:05:56,419 --> 00:05:58,921 何に気付いたんですか? 69 00:05:58,921 --> 00:06:06,421 その時は とても 聞く気にはなれなかった。 70 00:06:08,097 --> 00:06:40,396 ♬~ 71 00:06:40,396 --> 00:06:43,899 (鞠子)お安くなってます。 (美子)どうですか? 72 00:06:43,899 --> 00:06:48,571 <鞠子と美子は 闇市の一角に場所を見つけ➡ 73 00:06:48,571 --> 00:06:51,607 売れ残った雑誌を 売り出したのですが…> 74 00:06:51,607 --> 00:06:54,307 「スタアの装ひ」です。 いかがですか? 75 00:06:59,749 --> 00:07:04,420 まさか 半額近く値下げしても 売れないなんて。 76 00:07:04,420 --> 00:07:06,756 まだ 定着してないからよ。 77 00:07:06,756 --> 00:07:10,593 ここで売り続けたら いずれ お客さんも…。 78 00:07:10,593 --> 00:07:12,528 そうかなあ…。 79 00:07:12,528 --> 00:07:16,465 これなら 手間賃も払わないで済むし。 80 00:07:16,465 --> 00:07:20,102 おねえちゃんたち! (2人)はい。 何売ってんの? 81 00:07:20,102 --> 00:07:22,038 いらっしゃいませ。 「スタアの装ひ」です。 82 00:07:22,038 --> 00:07:24,940 こちら 売れに売れている 「スタアの装ひ」という雑誌でして➡ 83 00:07:24,940 --> 00:07:27,443 今なら なんと 大特価の4円で。 84 00:07:27,443 --> 00:07:30,946 ハハハ。 売るんだったらよ ショバ代 払ってもらおうか。 85 00:07:30,946 --> 00:07:34,550 ここの決まりは分かってるよな? 86 00:07:34,550 --> 00:07:37,453 金出して 店出す しきたりなんだよ おい。 87 00:07:37,453 --> 00:07:40,222 とりあえず 売れた分の金 出して。 88 00:07:40,222 --> 00:07:42,892 いや 売れてないんです…。 89 00:07:42,892 --> 00:07:45,394 は? 売れに売れてんだろ? 90 00:07:45,394 --> 00:07:47,897 違うんです。 実際は 全く…。 91 00:07:47,897 --> 00:07:49,932 いいから 金出して。 92 00:07:49,932 --> 00:07:53,402 ≪見逃して下さい…。 あん? 93 00:07:53,402 --> 00:07:56,602 お願いします。 今回だけは…。 94 00:07:58,240 --> 00:08:00,743 あ… 水田さん! 95 00:08:00,743 --> 00:08:05,414 見逃して下さい。 僕が その… 言って聞かせますんで。 96 00:08:05,414 --> 00:08:07,349 何だ 水田の知り合いか! 97 00:08:07,349 --> 00:08:10,349 はい そうです。 知り合いなんです。 98 00:08:12,088 --> 00:08:15,958 しかたねえな。 こいつに免じて許してやるよ。 99 00:08:15,958 --> 00:08:20,429 けど 次やったら 容赦しねえからな。 100 00:08:20,429 --> 00:08:22,429 ハハッ。 101 00:08:24,600 --> 00:08:26,635 おめえも よく言っとけ! 102 00:08:26,635 --> 00:08:28,635 はい! 103 00:08:35,544 --> 00:08:38,447 駄目じゃないですか。 勝手に店出しちゃ。 104 00:08:38,447 --> 00:08:41,417 すみません 知らなかったもので。 105 00:08:41,417 --> 00:08:46,188 いいですか? まず 露店組合の 入会金として 10円かかります。 106 00:08:46,188 --> 00:08:48,891 そこに 組合費が 月3円 支部費 月2円➡ 107 00:08:48,891 --> 00:08:51,727 1日のゴミ銭として 1円 道路占有税 1円で➡ 108 00:08:51,727 --> 00:08:54,230 直接税が 50銭から2円 つまり 最低でも➡ 109 00:08:54,230 --> 00:08:57,900 37円が 月々 かかる訳です。 110 00:08:57,900 --> 00:08:59,835 37円? 111 00:08:59,835 --> 00:09:04,774 別の輩に絡まれないうちに 引きあげて下さい。 112 00:09:04,774 --> 00:09:07,610 でも この本 売らないと…。 113 00:09:07,610 --> 00:09:09,912 いや そうは言っても…。 114 00:09:09,912 --> 00:09:13,582 お金を作らないと 次の雑誌を出せないんです。 115 00:09:13,582 --> 00:09:16,919 なんとか なりませんか? 116 00:09:16,919 --> 00:09:20,790 ♬~ 117 00:09:20,790 --> 00:09:22,792 分かりました! 118 00:09:22,792 --> 00:09:26,629 格安で置かせてくれる露店を 探してみましょう。 119 00:09:26,629 --> 00:09:28,931 ありがとうございます! 120 00:09:28,931 --> 00:09:30,866 ♬~ 121 00:09:30,866 --> 00:09:33,903 あっ いえ…。 122 00:09:33,903 --> 00:09:39,208 (五反田)戦争が終わって 花山さんは 思うところあって➡ 123 00:09:39,208 --> 00:09:42,545 ペンをおく事にしたのか。 124 00:09:42,545 --> 00:09:47,045 恐らく そういう事だと思います。 125 00:09:49,885 --> 00:09:53,222 それで どうするつもり? 126 00:09:53,222 --> 00:09:56,022 花山さんの事は もう諦めるの? 127 00:09:58,561 --> 00:10:03,065 僕は あの人に この業界に残ってほしいんだ。 128 00:10:03,065 --> 00:10:07,937 だから 花山さんに 助言をもらうように言ったのさ。 129 00:10:07,937 --> 00:10:09,939 えっ? 130 00:10:09,939 --> 00:10:14,677 いや もちろん 君の役に立つと 思ったからでもある。 131 00:10:14,677 --> 00:10:20,482 だけど 花山さんの心を変える きっかけにもなると思ったんだ。 132 00:10:20,482 --> 00:10:25,754 どうして 私が行ったら 花山さんが変わるんですか? 133 00:10:25,754 --> 00:10:30,092 君の事 覚えてたんだ。 134 00:10:30,092 --> 00:10:32,928 人をけなす事しか知らない あの人は➡ 135 00:10:32,928 --> 00:10:37,266 昔から 興味のない人間には とことん冷たいんだよ。 136 00:10:37,266 --> 00:10:41,466 それが 君の事は覚えてたんだよ。 137 00:10:43,072 --> 00:10:46,775 はだしで走るなんて 面白い女だってさ。 138 00:10:46,775 --> 00:10:50,112 ああ その事ですか。 139 00:10:50,112 --> 00:10:52,047 いや ほかにも➡ 140 00:10:52,047 --> 00:10:55,618 「私の意地悪に めげず 食らいついてきた。➡ 141 00:10:55,618 --> 00:10:58,120 いい根性をしてる」ってさ。 142 00:10:58,120 --> 00:11:00,820 そうでしたか…。 143 00:11:02,791 --> 00:11:07,963 だから まだ 諦めるのは早いんじゃない? 144 00:11:07,963 --> 00:11:10,633 花山さんも 心のどこかでは➡ 145 00:11:10,633 --> 00:11:13,669 君が食らいついてくるのを 待ってるんじゃないか? 146 00:11:13,669 --> 00:11:16,438 いや…。 147 00:11:16,438 --> 00:11:22,138 今回は 本気で「帰れ」と おっしゃってました。 148 00:11:27,082 --> 00:11:31,587 でも…。 149 00:11:31,587 --> 00:11:35,424 私 諦めたくありません。 150 00:11:35,424 --> 00:11:44,133 ♬~ 151 00:11:44,133 --> 00:11:54,443 (蝉の声) 152 00:11:54,443 --> 00:12:15,943 ♬~ 153 00:12:40,255 --> 00:12:42,255 よし。 154 00:12:44,426 --> 00:12:46,462 はぁ…。 155 00:12:46,462 --> 00:12:55,437 ♬~ 156 00:12:55,437 --> 00:12:58,340 ちょっと 買い出しに行ってくるね。 157 00:12:58,340 --> 00:13:00,340 お願いします。 158 00:13:02,311 --> 00:13:04,613 後で やっておくよ。 159 00:13:04,613 --> 00:13:06,949 いえ すぐ やらないと 落ち着かないんです。 160 00:13:06,949 --> 00:13:10,449 傾いていたり 配置が乱れていると 気になってしまって。 161 00:13:13,455 --> 00:13:17,292 昨日の あの娘…。 162 00:13:17,292 --> 00:13:21,592 はい? なかなか面白い娘だね。 163 00:13:23,165 --> 00:13:27,936 (関元)フフッ。 花山君も そう思ってんだろう? 164 00:13:27,936 --> 00:13:30,639 いえ 私は…。 165 00:13:30,639 --> 00:13:33,339 フフフ… じゃあ。 166 00:13:40,749 --> 00:13:43,049 (ドアが開く音) 167 00:13:47,523 --> 00:13:49,723 どうして ここにいる? 168 00:13:53,095 --> 00:13:55,095 何しに来た? 169 00:14:02,438 --> 00:14:07,109 もう一度 お話しさせて頂けませんか? 170 00:14:07,109 --> 00:14:10,946 君が粘り強い根性の持ち主なのは 知っている。 171 00:14:10,946 --> 00:14:15,284 だが こんな時に発揮せんでいい! 昨日 ご老人から伺いました。 172 00:14:15,284 --> 00:14:17,319 ご老人? 173 00:14:17,319 --> 00:14:21,819 「8月15日 全てに気付いた」って。 174 00:14:26,895 --> 00:14:29,798 一体 何に気付かれたんですか? 175 00:14:29,798 --> 00:14:34,298 教えて下さい。 なぜ ペンを握らないのか。 176 00:14:36,905 --> 00:14:40,776 うるさい女だな 君は。 177 00:14:40,776 --> 00:14:43,579 「帰れ」と どなりつけたいところだが➡ 178 00:14:43,579 --> 00:14:45,614 それでは 君は帰らない。 分かってる。 179 00:14:45,614 --> 00:14:49,384 随分 お詳しい…。 うれしそうに するんじゃない! 180 00:14:49,384 --> 00:14:51,384 すみません。 181 00:14:53,088 --> 00:14:55,424 はぁ… いいか? 182 00:14:55,424 --> 00:14:59,424 理由を聞いたら帰ると約束しろ。 ならば 教えてやる。 183 00:15:01,763 --> 00:15:04,800 では 言わん! ずっと そこで待つがいい。 184 00:15:04,800 --> 00:15:06,935 コーヒーを どんどん頼め! 185 00:15:06,935 --> 00:15:10,272 はい はい…。 186 00:15:10,272 --> 00:15:12,774 分かりました! 187 00:15:12,774 --> 00:15:15,611 教えて下さい。 188 00:15:15,611 --> 00:15:18,647 お聞きしたら 帰ります。 189 00:15:18,647 --> 00:15:26,347 ♬~