1 00:00:00,000 --> 00:00:02,680 2 00:00:02,680 --> 00:00:47,140 ♬〜 3 00:00:47,140 --> 00:00:49,470 (語り)むか〜しむかし➡ 4 00:00:49,470 --> 00:00:53,150 おわりのくに 尾張国中村の地に➡ 5 00:00:53,150 --> 00:00:56,650 貧しくも たくましく生きる➡ 6 00:00:56,650 --> 00:00:59,450 兄弟がおりました。 7 00:00:59,450 --> 00:01:02,750 8 00:01:02,750 --> 00:01:06,630 兄の名は 藤吉郎。 9 00:01:06,630 --> 00:01:10,900 弟の名は 小一郎。 10 00:01:10,900 --> 00:01:14,600 これは そんな名も無き2匹の猿が➡ 11 00:01:14,600 --> 00:01:19,110 どん底の暮らしから 戦乱の世を天下人へと駆け上がる➡ 12 00:01:19,110 --> 00:01:22,010 夢物語にございます。 13 00:01:22,010 --> 00:01:25,880 うそ まこと 果たして 嘘か真か。 14 00:01:25,880 --> 00:01:30,120 お気を付けあれ 彼らは人たらし。 15 00:01:30,120 --> 00:01:35,620 決して 心奪われませぬように。 16 00:01:35,620 --> 00:01:37,290 17 00:01:37,290 --> 00:01:59,610 ♬〜 18 00:01:59,610 --> 00:02:09,090 ♬〜 19 00:02:09,090 --> 00:02:55,140 ♬〜 20 00:02:55,140 --> 00:02:59,640 ♬〜 21 00:02:59,640 --> 00:03:17,760 ♬〜 22 00:03:17,760 --> 00:03:24,100 ♬〜 23 00:03:24,100 --> 00:03:40,650 ♬〜 24 00:03:40,650 --> 00:03:49,920 ♬〜 25 00:03:49,920 --> 00:04:00,720 ♬〜 26 00:04:00,720 --> 00:04:17,420 27 00:04:17,420 --> 00:04:19,360 (玄太)このそだ泥棒が! 28 00:04:19,360 --> 00:04:21,290 しんきち ぬすっと (信吉)盗人は そっちでねえか。 29 00:04:21,290 --> 00:04:23,300 (玄太)何のことじゃ! (信吉)とぼけるな!➡ 30 00:04:23,300 --> 00:04:26,430 貸してやった種もみ 一向に返さんではないか。 31 00:04:26,430 --> 00:04:29,110 そのうち返す。 いつか そのうちな。 32 00:04:29,110 --> 00:04:31,040 やんのか! 33 00:04:31,040 --> 00:04:35,780 この畜生めが〜! (小一郎)まあ まあ まあ まあ。 34 00:04:35,780 --> 00:04:39,780 双方とも落ち着かんか。 一体 何があったんじゃ。 35 00:04:39,780 --> 00:04:41,920 こいつが そだを盗もうとしたんじゃ。 36 00:04:41,920 --> 00:04:43,990 そっちが種もみを返さんから そのかわりじゃ。 37 00:04:43,990 --> 00:04:47,120 そんなに そだを持ってかれたら 毎日の煮炊きもできねえ。 38 00:04:47,120 --> 00:04:50,030 それは まずいのう。 そうじゃろう? (信吉)知ったことか。 39 00:04:50,030 --> 00:04:52,300 こっちだって 種もみ5升もだまし取られて➡ 40 00:04:52,300 --> 00:04:55,130 今度の刈り入れが どんだけ減るか…。 それも まずいのう。 41 00:04:55,130 --> 00:04:57,460 そうじゃろう? ああ。 42 00:04:57,460 --> 00:05:00,070 お前は どっちの味方なんだ! そうじゃ。 43 00:05:00,070 --> 00:05:04,740 そうじゃ。 う〜ん…。 44 00:05:04,740 --> 00:05:09,410 わしは… 双方の味方じゃ。 45 00:05:09,410 --> 00:05:11,350 ええ〜。 はあ? 46 00:05:11,350 --> 00:05:17,160 このまま争ったところで 互いに傷ついて 双方が大損するだけじゃ。 47 00:05:17,160 --> 00:05:19,120 だったら どうしろというんじゃ。 48 00:05:19,120 --> 00:05:21,990 種もみは あとどれくらい残っておる? 49 00:05:21,990 --> 00:05:25,760 せいぜい… こんなもんじゃわ。 50 00:05:25,760 --> 00:05:29,770 ほうか〜。 う〜ん…。 51 00:05:29,770 --> 00:05:32,540 なら…➡ 52 00:05:32,540 --> 00:05:34,470 2升で手を打つか。 53 00:05:34,470 --> 00:05:39,780 と 勝手に決めるな。 盗られたのは 5升じゃ。 2升返してもろうても 損するがや。 54 00:05:39,780 --> 00:05:44,120 いや わしは あと2升 玄太に貸してやれと申しておる。 55 00:05:44,120 --> 00:05:48,620 はあ!? ふざけるな! わしは 取り返そうとしておるのじゃ! 56 00:05:48,620 --> 00:05:51,290 お前んところは 去年 立て続けに➡ 57 00:05:51,290 --> 00:05:53,930 二親を亡くしたであろう。 それが何じゃ。 58 00:05:53,930 --> 00:05:58,460 いくら種もみで苗を増やしても 人手が足りんかったら 米は育たん。 59 00:05:58,460 --> 00:06:01,370 宝の持ち腐れじゃ。 それに比べて➡ 60 00:06:01,370 --> 00:06:04,270 玄太んところは 田んぼも広いし 若いもんも多い。 61 00:06:04,270 --> 00:06:10,070 種もみを貸して そのかわりに 取れた米の半分をもらえば➡ 62 00:06:10,070 --> 00:06:13,880 損はないじゃろう。 63 00:06:13,880 --> 00:06:16,580 ほい。 (玄太)うん? 64 00:06:16,580 --> 00:06:21,780 これは 双方にとって 一番いい策じゃ。 65 00:06:21,780 --> 00:06:23,760 66 00:06:23,760 --> 00:06:26,090 まあ…。 67 00:06:26,090 --> 00:06:28,430 確かに? 68 00:06:28,430 --> 00:06:32,900 これで 万事円満じゃ。 クククク…。 69 00:06:32,900 --> 00:06:35,600 (信吉)お… おう。 (玄太)お… おう おう。 そっか。 70 00:06:35,600 --> 00:06:37,640 のう? (玄太)悪かったな。 71 00:06:37,640 --> 00:06:39,840 アハハハハッ! いやいや 大丈夫じゃ。 72 00:06:39,840 --> 00:06:45,910 73 00:06:45,910 --> 00:06:48,610 よ〜し。 74 00:06:48,610 --> 00:06:51,450 75 00:06:51,450 --> 00:06:54,360 (直)おい。 76 00:06:54,360 --> 00:06:58,120 おい おい おい おい おい… どうじゃ。 77 00:06:58,120 --> 00:07:00,090 さすがじゃね 小一郎。 78 00:07:00,090 --> 00:07:02,730 あの2人のいさかいを収めるなんて➡ 79 00:07:02,730 --> 00:07:05,400 大したもんじゃね。 80 00:07:05,400 --> 00:07:07,330 うん? 81 00:07:07,330 --> 00:07:12,170 あのいさかいを鎮めたら銭1枚。 賭けは わしの勝ちじゃ。 82 00:07:12,170 --> 00:07:15,880 ハハッ 何が双方に一番よい策よ。 アハハハッ。 83 00:07:15,880 --> 00:07:19,080 あんたは この銭が欲しかっただけでしょ。 84 00:07:19,080 --> 00:07:22,380 ありがたや! く〜。 85 00:07:22,380 --> 00:07:26,590 86 00:07:26,590 --> 00:07:32,090 みんなで幸せになるんが 一番じゃろ。 87 00:07:32,090 --> 00:07:38,770 88 00:07:38,770 --> 00:07:44,580 ⚟皆の者〜! 戦じゃ〜! 備えよ〜! 89 00:07:44,580 --> 00:07:48,110 (信吉)戦じゃ〜! 待ってました〜! 90 00:07:48,110 --> 00:07:50,140 行くぞ〜! おう〜! 玄太! 91 00:07:50,140 --> 00:07:54,340 おい! 田んぼは!? (玄太)戦の支度が先じゃ! 92 00:07:54,340 --> 00:08:02,560 93 00:08:02,560 --> 00:08:05,860 あんたは行かないの? 94 00:08:05,860 --> 00:08:10,570 いくさば どうせ目当ては 戦場での盗みじゃろ。 95 00:08:10,570 --> 00:08:13,400 わしは盗人にはならん。 96 00:08:13,400 --> 00:08:16,400 あの人と同じだから? 97 00:08:16,400 --> 00:08:24,750 98 00:08:24,750 --> 00:08:27,590 あ 痛っ! 何するんじゃ! 99 00:08:27,590 --> 00:08:31,260 甘ったれたこと言ってないで さっさと戦行ってこい!➡ 100 00:08:31,260 --> 00:08:34,590 乱取りでも何でもして 銭や食いもん とってこい! 101 00:08:34,590 --> 00:08:37,090 嫌じゃ! 何で わしが。 102 00:08:37,090 --> 00:08:40,430 この家に男手は あんたしかおらんじゃろ。 103 00:08:40,430 --> 00:08:43,340 おなかすいた〜。 104 00:08:43,340 --> 00:08:45,770 じゃあ 飯にしようかね。 105 00:08:45,770 --> 00:08:48,770 駄目。 一日一食。➡ 106 00:08:48,770 --> 00:08:51,440 それ以上食べたら あと ひとつきもたない。 107 00:08:51,440 --> 00:08:54,350 まあ なんとかなるわ。 ならんわ! 108 00:08:54,350 --> 00:08:57,620 もういい。 私が戦に行く。 109 00:08:57,620 --> 00:08:59,580 ああ だ〜 分かった 分かった。 110 00:08:59,580 --> 00:09:03,860 坂井様のところに行って 何か御用がないか聞いてくるわ。 111 00:09:03,860 --> 00:09:10,630 大丈夫かい? あれから随分とたつし 大丈夫じゃろ。 112 00:09:10,630 --> 00:09:13,330 だといいけどねえ。 113 00:09:13,330 --> 00:09:19,070 114 00:09:19,070 --> 00:09:22,940 (坂井喜左衛門)おお 小一郎か。 115 00:09:22,940 --> 00:09:26,410 久しいのう。 ご無沙汰しております。 116 00:09:26,410 --> 00:09:28,880 ああ。 ハハハハハ。 117 00:09:28,880 --> 00:09:31,420 で 今日は 何用じゃ? 118 00:09:31,420 --> 00:09:36,260 実は 不作続きで どうにも立ち行きませぬ。 119 00:09:36,260 --> 00:09:38,590 何か御用などございませぬか。 120 00:09:38,590 --> 00:09:41,430 それは大変じゃなあ。 121 00:09:41,430 --> 00:09:44,260 しかし すまぬ。 思い当たらぬ。 122 00:09:44,260 --> 00:09:46,600 では 田植えが始まるまでの間➡ 123 00:09:46,600 --> 00:09:48,640 どこか奉公させていただくところは ございませぬか。 124 00:09:48,640 --> 00:09:52,110 おお それなら いくつか心当たりがあるぞ。 125 00:09:52,110 --> 00:09:55,440 えっ 本当でございますか! ああ。 お口添えいただけますか? 126 00:09:55,440 --> 00:09:57,380 ハハハハハハッ! ハハッ。 127 00:09:57,380 --> 00:09:59,920 断る。 128 00:09:59,920 --> 00:10:05,120 8年前のこと 忘れたとは言わせんぞ。 129 00:10:05,120 --> 00:10:13,630 ♬〜 130 00:10:13,630 --> 00:10:17,430 大丈夫かねえ 小一郎は。 131 00:10:17,430 --> 00:10:19,140 132 00:10:19,140 --> 00:10:23,440 下手したら殺されるかも。 えっ 何で? 133 00:10:23,440 --> 00:10:27,640 134 00:10:27,640 --> 00:10:31,150 あんたは覚えてないだろうけど➡ 135 00:10:31,150 --> 00:10:36,020 8年前 藤吉郎が村を飛び出す時➡ 136 00:10:36,020 --> 00:10:42,800 坂井様が大事になさっていた仏画を 盗んで逃げたの。 137 00:10:42,800 --> 00:10:45,300 あにさま 藤吉郎兄様が? 138 00:10:45,300 --> 00:10:49,640 おかげで 私ら一家も 村を追い出されそうになったのを➡ 139 00:10:49,640 --> 00:10:52,540 なんとか和尚様にとりなしてもらったの。 140 00:10:52,540 --> 00:10:55,510 たかが仏さんの絵一枚ぐらいで➡ 141 00:10:55,510 --> 00:10:58,650 そんなに目くじら立てんでも ええのにねえ。➡ 142 00:10:58,650 --> 00:11:01,250 かわいい子供のいたずらじゃないの。 143 00:11:01,250 --> 00:11:05,590 そうやって おっか様が甘やかすから あのバカが調子に乗ったんじゃない。 144 00:11:05,590 --> 00:11:11,090 今頃どうしてるのかなあ 藤吉郎兄様は。 145 00:11:11,090 --> 00:11:13,030 死んだ? はい。 146 00:11:13,030 --> 00:11:17,430 何でも 柿を採ろうと木に登って 足を滑らせたとか。 147 00:11:17,430 --> 00:11:21,100 わしらも あんなバカな兄とは とっくに縁を切っております。 148 00:11:21,100 --> 00:11:23,140 ですから どうかお助けください! 149 00:11:23,140 --> 00:11:27,880 銭を稼いだら 仏画のお代も 兄に代わって少しずつお返しいたします。 150 00:11:27,880 --> 00:11:33,450 お前の兄が盗んだのは 仏画だけではないわ。 151 00:11:33,450 --> 00:11:35,390 えっ? 152 00:11:35,390 --> 00:11:37,320 とと様。 153 00:11:37,320 --> 00:11:41,320 悪いのは 小一郎ではありませぬ。 お前が口を挟むことではない! 154 00:11:41,320 --> 00:11:45,060 小一郎は 信吉と玄太のいさかいを 仲裁してくれました。 はい。 155 00:11:45,060 --> 00:11:48,630 これまでも 村のもめ事を よく収めてくれています。 はい! 156 00:11:48,630 --> 00:11:51,530 うん? おっ? おっ? 157 00:11:51,530 --> 00:11:55,410 お… お前ら いつから そんな親しくなったんじゃ? 158 00:11:55,410 --> 00:12:00,880 めっそうもないことでございます! 坂井様の娘… 娘御と親しいなどと…! 159 00:12:00,880 --> 00:12:04,580 小一郎には いつも助けてもらっています。 160 00:12:04,580 --> 00:12:06,880 力になってやってください。 161 00:12:06,880 --> 00:12:10,420 そうか そういうことなら…。 ありがとうございます。 162 00:12:10,420 --> 00:12:12,350 お〜い! 163 00:12:12,350 --> 00:12:15,350 おい お前ら! (手下たち)はっ! 164 00:12:15,350 --> 00:12:18,300 165 00:12:18,300 --> 00:12:22,900 二度と娘に近づかぬよう 身の程をよう分からせてやれ。 166 00:12:22,900 --> 00:12:24,830 えっ えっ…。 おい! だっ! 167 00:12:24,830 --> 00:12:26,830 とと様! 168 00:12:26,830 --> 00:12:29,270 169 00:12:29,270 --> 00:12:33,110 やめさせてください! とと様! 170 00:12:33,110 --> 00:12:35,450 (矢が刺さる音) うっ! 171 00:12:35,450 --> 00:12:37,480 うあ…。 172 00:12:37,480 --> 00:12:39,620 (騒ぐ声と 馬のひづめの音) 173 00:12:39,620 --> 00:12:41,920 何だ!? (いななき) 174 00:12:41,920 --> 00:12:48,290 ♬〜 175 00:12:48,290 --> 00:12:51,130 お前 野盗を手引きしおったか! 176 00:12:51,130 --> 00:12:53,630 違います! 直 逃げるぞ! 177 00:12:53,630 --> 00:12:55,670 ⚟奪い取れ〜! 178 00:12:55,670 --> 00:12:57,800 (喚声) 179 00:12:57,800 --> 00:12:59,740 おりゃ〜! 180 00:12:59,740 --> 00:13:01,680 奪い取れ〜! 181 00:13:01,680 --> 00:13:04,410 女は どこじゃ〜! 182 00:13:04,410 --> 00:13:07,080 逃げろ! どこに? どうやって!? 183 00:13:07,080 --> 00:13:09,980 そんなの自分で考えろ! 無理! 184 00:13:09,980 --> 00:13:13,280 助けてくれたら 1文! はあ!? 185 00:13:13,280 --> 00:13:14,950 186 00:13:14,950 --> 00:13:18,150 …ったく 10文! うん。 187 00:13:18,150 --> 00:13:20,090 188 00:13:20,090 --> 00:13:22,600 ⚟おい! こっちにも家があるぞ! 189 00:13:22,600 --> 00:13:25,100 ⚟見つけたら 女子供でも容赦なくたたき斬れ! 190 00:13:25,100 --> 00:13:28,770 ⚟おう! ⚟ここは俺がやる。 あっち見てこい! 191 00:13:28,770 --> 00:13:48,160 ♬〜 192 00:13:48,160 --> 00:13:50,630 (なかと あさひの悲鳴) 193 00:13:50,630 --> 00:13:55,500 ♬〜 194 00:13:55,500 --> 00:13:57,500 チッ。 195 00:13:57,500 --> 00:14:07,880 ♬〜 196 00:14:07,880 --> 00:14:11,250 口ほどにもない。 197 00:14:11,250 --> 00:14:15,590 はあ…。 あっ! あっ。 198 00:14:15,590 --> 00:14:20,090 きたね しこめ お前らみたいな汚え醜女に 誰が手ぇ出すか! 199 00:14:20,090 --> 00:14:22,090 プッ! 200 00:14:22,090 --> 00:14:26,590 201 00:14:26,590 --> 00:14:31,100 よかったねえ 私ら 汚え醜女で。 202 00:14:31,100 --> 00:14:33,770 ハハハッ。 お前らって えっ 私も!? 203 00:14:33,770 --> 00:14:38,610 わざわざ戻ってきて言うことないのに〜。 204 00:14:38,610 --> 00:14:45,110 けど きれいな娘御がいるお屋敷は 今頃…。 205 00:14:45,110 --> 00:14:47,610 206 00:14:47,610 --> 00:14:49,550 どけ! 207 00:14:49,550 --> 00:14:51,790 嫌! よせ! 嫌…。 208 00:14:51,790 --> 00:14:54,990 離して! 嫌だって言ってるでしょ! 209 00:14:54,990 --> 00:14:57,300 210 00:14:57,300 --> 00:15:00,730 気の強い女も悪くねえな! 211 00:15:00,730 --> 00:15:02,670 (笑い声) 212 00:15:02,670 --> 00:15:06,400 お待ちください! その娘はいけませぬ! 213 00:15:06,400 --> 00:15:10,880 その娘は…➡ 214 00:15:10,880 --> 00:15:16,680 清須のお殿様に見初められて 近々 城に上がることになっておりまして。 215 00:15:16,680 --> 00:15:18,620 殿様だと? 216 00:15:18,620 --> 00:15:22,420 清須の殿様は かなりの荒武者とのうわさ。 217 00:15:22,420 --> 00:15:25,460 怒らせたら ただでは済まされませぬぞ。 そうだよな? 218 00:15:25,460 --> 00:15:31,130 あっ あ… そうよ。 私に手を出したら あのお方が黙ってないわよ! 219 00:15:31,130 --> 00:15:35,440 それは いいことを聞いた。 220 00:15:35,440 --> 00:15:38,270 ならば お前と引き換えに➡ 221 00:15:38,270 --> 00:15:42,140 織田のやつらから たんまりと身代金を頂くとしよう。 222 00:15:42,140 --> 00:15:44,610 (歓声) 223 00:15:44,610 --> 00:15:47,410 来い。 ⚟(藤吉郎)しばらく しばらく! 224 00:15:47,410 --> 00:15:51,380 225 00:15:51,380 --> 00:15:53,380 何者だ! 226 00:15:53,380 --> 00:15:55,120 227 00:15:55,120 --> 00:16:02,230 拙者は 織田家 足軽大将 木下藤吉郎と申す! 228 00:16:02,230 --> 00:16:06,570 あるじ かずさのすけ 我が主 織田上総介信長様より➡ 229 00:16:06,570 --> 00:16:10,240 その娘を連れてくるよう 命を受けて 参った。 230 00:16:10,240 --> 00:16:12,940 お引き渡しいただこう。 231 00:16:12,940 --> 00:16:14,880 232 00:16:14,880 --> 00:16:19,380 これは 俺たちが先に手に入れたもんだ。 233 00:16:19,380 --> 00:16:21,080 234 00:16:21,080 --> 00:16:26,890 ろうぜき 信長様は ご領内での乱暴狼藉は 決してお許しにならぬ。 235 00:16:26,890 --> 00:16:29,790 我らは ちょうど戦の帰りじゃ。 236 00:16:29,790 --> 00:16:33,090 間もなく ここに 我が手勢 数百がやって来る。 237 00:16:33,090 --> 00:16:38,430 (どよめく声) 逆らうなら ただではおかんぞ。 238 00:16:38,430 --> 00:16:42,110 みしるし 討ち取った敵将の御首級に加えて➡ 239 00:16:42,110 --> 00:16:46,970 お主らのむさい首も添えれば 褒美も増える。 240 00:16:46,970 --> 00:16:50,270 わしにも好都合だがや。 241 00:16:50,270 --> 00:16:54,450 242 00:16:54,450 --> 00:16:58,120 これをお持ちくださいませ! 243 00:16:58,120 --> 00:17:01,090 城に上がる時のご装束を 仕立てるためのもの。 244 00:17:01,090 --> 00:17:03,860 売れば 大層の金になりましょう。 245 00:17:03,860 --> 00:17:07,230 どうか ここは これで。 246 00:17:07,230 --> 00:17:19,810 ♬〜 247 00:17:19,810 --> 00:17:21,750 あっ…! 248 00:17:21,750 --> 00:17:28,890 ♬〜 249 00:17:28,890 --> 00:17:31,420 引き揚げじゃ! (盗賊たち)おう! 250 00:17:31,420 --> 00:17:33,420 お頭〜! 251 00:17:33,420 --> 00:17:38,190 252 00:17:38,190 --> 00:17:42,070 小一郎! 久しいのう! 253 00:17:42,070 --> 00:17:45,270 達者であったか!? 254 00:17:45,270 --> 00:17:47,210 兄者…。 255 00:17:47,210 --> 00:17:49,440 藤吉郎…。 256 00:17:49,440 --> 00:17:53,280 坂井様 礼には及びませぬぞ! 257 00:17:53,280 --> 00:17:55,610 黙れ! 258 00:17:55,610 --> 00:17:58,810 死んだのではなかったのか? 259 00:17:58,810 --> 00:18:03,050 260 00:18:03,050 --> 00:18:06,090 わしは このとおり ピンピンしとります! 261 00:18:06,090 --> 00:18:08,230 なら わしが殺してやる。➡ 262 00:18:08,230 --> 00:18:11,260 野盗の仕業にすれば好都合じゃ。 死ね〜! 263 00:18:11,260 --> 00:18:14,260 あっ あっ あっ…! (直)とと様! やめて! 264 00:18:14,260 --> 00:18:16,730 265 00:18:16,730 --> 00:18:21,240 くそじじい 助けてやったのに 何だ あの仕打ちは! 266 00:18:21,240 --> 00:18:28,110 すっかり大きゅうなったなあ 小一郎。 直も あんな器量よしになるとはのう。 267 00:18:28,110 --> 00:18:30,750 おい 聞いとるんか。 268 00:18:30,750 --> 00:18:34,420 何しに帰ってきた。 269 00:18:34,420 --> 00:18:38,290 わしに会えて うれしゅうないんか? 270 00:18:38,290 --> 00:18:42,090 わしは うれしい。 すごく うれしい。 271 00:18:42,090 --> 00:18:45,760 兄者。 わしは 全くうれしくない。 272 00:18:45,760 --> 00:18:48,600 ハア ハア…。 273 00:18:48,600 --> 00:18:53,100 そんな恥ずかしがらんでも よいではないか。 274 00:18:53,100 --> 00:19:01,710 275 00:19:01,710 --> 00:19:05,050 ただいま〜! 帰ったぞ〜! 276 00:19:05,050 --> 00:19:07,390 (とも)やあ〜! 277 00:19:07,390 --> 00:19:10,420 死んだ…? 何度来ても ここには盗るもんなんか…! 278 00:19:10,420 --> 00:19:14,730 痛〜。 何するんじゃあ。 279 00:19:14,730 --> 00:19:19,400 お前…。 相変わらずそそっかしいのう 姉ちゃんは。 280 00:19:19,400 --> 00:19:23,070 無事でよかった。 野盗は わしらが追い払ったから もう大丈夫じゃ。 281 00:19:23,070 --> 00:19:25,410 大丈夫じゃない! 282 00:19:25,410 --> 00:19:29,080 何で こんなやつ連れてきた! わしが連れてきたんじゃないわ! 283 00:19:29,080 --> 00:19:32,580 こいつに比べたら 野盗の方がマシ! 284 00:19:32,580 --> 00:19:37,890 何じゃと!? 猿は とっとと山へ帰れ! 285 00:19:37,890 --> 00:19:41,760 ウキッ キッ キッ キッ。 286 00:19:41,760 --> 00:19:45,630 いかにも 昔 世話になった猿めでござる。 287 00:19:45,630 --> 00:19:48,530 出世して 恩返しに参った! 288 00:19:48,530 --> 00:19:51,900 猿の恩返しじゃ〜! ウキキッ キキッ。 ふざけんな! 289 00:19:51,900 --> 00:19:57,440 キキキキッ! ハハハハッ! ハハハハハッ ハハ…。 290 00:19:57,440 --> 00:20:01,310 あさひか! お前 わしのこと覚えとるか? 291 00:20:01,310 --> 00:20:04,310 う〜ん 何となく? 292 00:20:04,310 --> 00:20:07,110 何じゃ どいつも こいつも! 293 00:20:07,110 --> 00:20:14,790 294 00:20:14,790 --> 00:20:18,130 母ちゃん…。 295 00:20:18,130 --> 00:20:20,470 藤吉郎? 296 00:20:20,470 --> 00:20:24,640 その… わしは…。 297 00:20:24,640 --> 00:20:26,840 あっ…。 298 00:20:26,840 --> 00:20:29,140 299 00:20:29,140 --> 00:20:31,080 ああ…。 えっ? 300 00:20:31,080 --> 00:20:33,810 お帰り。 301 00:20:33,810 --> 00:20:38,300 あ…。 よう帰ってきたね。 302 00:20:38,300 --> 00:20:41,000 ただいま。 303 00:20:41,000 --> 00:20:42,630 304 00:20:42,630 --> 00:20:44,930 アハハハッ。 305 00:20:44,930 --> 00:20:48,310 306 00:20:48,310 --> 00:20:51,610 ただいま。 (なか)アハハッ。 307 00:20:51,610 --> 00:20:57,820 308 00:20:57,820 --> 00:21:03,090 変わっとらんのう。 いや ますます おんぼろになったか。 309 00:21:03,090 --> 00:21:05,590 兄様 お侍になったの? 310 00:21:05,590 --> 00:21:07,900 見てのとおりよ。 311 00:21:07,900 --> 00:21:11,430 この8年 わしが どこで どうしておったか聞きたいか? 312 00:21:11,430 --> 00:21:13,900 いや 別に。 どうせ あることないこと並べた➡ 313 00:21:13,900 --> 00:21:17,700 ホラ話でしょ。 聞いても 腹が立つだけ。 314 00:21:17,700 --> 00:21:19,440 315 00:21:19,440 --> 00:21:21,370 村を出てしばらくは➡ 316 00:21:21,370 --> 00:21:25,110 かへえ 今川のご家来 松下嘉兵衛殿のところに 身を寄せていてのう。 317 00:21:25,110 --> 00:21:27,910 話すのかよ! そこで さまざまなことを学び➡ 318 00:21:27,910 --> 00:21:32,290 するが あの駿河の大大名 今川義元様より じきじきに➡ 319 00:21:32,290 --> 00:21:36,460 家来になってほしいとせがまれたが やはり わしは 尾張の生まれ。 320 00:21:36,460 --> 00:21:38,790 故郷のために尽くすのが筋と➡ 321 00:21:38,790 --> 00:21:41,690 皆に引き止められ 後ろ髪引かれる思いも断ち切って➡ 322 00:21:41,690 --> 00:21:43,660 織田様に仕えることに決めたのだ。 323 00:21:43,660 --> 00:21:47,300 ほらね 何か腹が立つ。 頑張ったねえ 藤吉郎。➡ 324 00:21:47,300 --> 00:21:50,810 母ちゃんには よう分からんけど。 分からないのに褒めるのはどうなんじゃ? 325 00:21:50,810 --> 00:21:54,810 信長様は わしのような者でも 手柄さえ立てたら お認めくださる。 326 00:21:54,810 --> 00:22:00,620 今は 足軽大将として 家来も大勢おるし 木下っちゅう名字まで許されててのう。 327 00:22:00,620 --> 00:22:03,250 名字を名乗ると どうなるの? 328 00:22:03,250 --> 00:22:06,290 どうって… 偉くなった証しよ。 329 00:22:06,290 --> 00:22:10,020 足軽大将っちゅうのは 禄を どれほどもらえるんじゃ。 330 00:22:10,020 --> 00:22:14,260 それは まだなったばかりでな これからじゃ。 331 00:22:14,260 --> 00:22:19,600 わしは 一所懸命 殿様にお仕えして もっともっと偉くなると決めたんじゃ。 332 00:22:19,600 --> 00:22:22,640 そしたら みんなにも たらふく飯を食わしてやれるぞ。 333 00:22:22,640 --> 00:22:24,770 本当に!? おう! 334 00:22:24,770 --> 00:22:27,610 まあ そういうわけだから 小一郎。 何じゃ。 335 00:22:27,610 --> 00:22:29,910 お前も一緒に 清須へ来い。 336 00:22:29,910 --> 00:22:34,120 お前を迎えに来たんじゃ。 喜べ! わしの家来にしてやるぞ。 337 00:22:34,120 --> 00:22:38,290 はあ!? ちょっと! あんた 何を勝手に…。 338 00:22:38,290 --> 00:22:40,290 ⚟(物音) 339 00:22:40,290 --> 00:23:06,350 340 00:23:06,350 --> 00:23:11,190 ええんか? これ。 341 00:23:11,190 --> 00:23:16,890 約束だからね。 約束…。 342 00:23:16,890 --> 00:23:21,430 じゃあ ありがたく。 343 00:23:21,430 --> 00:23:24,430 あんたも お侍になるの? 344 00:23:24,430 --> 00:23:26,600 345 00:23:26,600 --> 00:23:29,910 藤吉郎さんと 清須に行くの? 346 00:23:29,910 --> 00:23:33,280 ハッ 行くわけないじゃろ。 347 00:23:33,280 --> 00:23:36,780 あんなやつの家来になるなんて 真っ平じゃ。 348 00:23:36,780 --> 00:23:41,290 わしは 米や菜っぱを作っとる方が 性に合っとるわ。 349 00:23:41,290 --> 00:23:46,630 ハハッ 確かに 小一郎に侍は似合わないな。 350 00:23:46,630 --> 00:23:49,460 昔から けんかは苦手だったものね。 351 00:23:49,460 --> 00:23:56,140 そんなわしに 助けてと泣きついたのは どこの誰じゃ〜? 352 00:23:56,140 --> 00:24:01,110 よく考えたら 助けてくれたのは 藤吉郎さんだわ。 353 00:24:01,110 --> 00:24:03,580 やっぱり返して。 ええ〜。 354 00:24:03,580 --> 00:24:05,880 わし一人でも助けてやれたわ。 355 00:24:05,880 --> 00:24:07,810 返しなさいよ! ほい! ほい ほい! 356 00:24:07,810 --> 00:24:10,250 遅いわ。 もう これは わしのじゃ! 357 00:24:10,250 --> 00:24:12,290 返しなさいって! ほい。 ハハハハハッ! 358 00:24:12,290 --> 00:24:14,590 ほい ほい ほい… こっちや。 ほい ほい。 ほっ ほっ。 359 00:24:14,590 --> 00:24:16,620 腹立つやつじゃな! アハハハハッ! あっ あっ! 360 00:24:16,620 --> 00:24:18,760 あっ あっ おい! 361 00:24:18,760 --> 00:24:37,110 ♬〜 362 00:24:37,110 --> 00:24:40,780 何じゃ お前も来ておったのか。 363 00:24:40,780 --> 00:24:53,290 ♬〜 364 00:24:53,290 --> 00:24:58,470 おやじ 親父 ただいま。 365 00:24:58,470 --> 00:25:01,870 そっちは 誰の墓じゃ。 366 00:25:01,870 --> 00:25:07,410 兄者のじゃ。 ほうか わしの… 何!? 367 00:25:07,410 --> 00:25:12,750 兄者のせいで わしらが どんな目に遭ったか分かっとるんか。 368 00:25:12,750 --> 00:25:15,750 盗人の身内だと みんなから後ろ指さされて➡ 369 00:25:15,750 --> 00:25:18,550 せめて 死んだことにせにゃ この村におれんかったわ。 370 00:25:18,550 --> 00:25:21,090 勝手に殺すな! 侍になんぞなったら➡ 371 00:25:21,090 --> 00:25:23,760 どのみちすぐに死ぬわ! 何じゃと!? 372 00:25:23,760 --> 00:25:26,260 親父もそうだったじゃろ。 373 00:25:26,260 --> 00:25:31,130 手柄を立てようと戦に行って けがして それがもとで死んだ。 374 00:25:31,130 --> 00:25:34,000 わしは そうはなりとうない。 375 00:25:34,000 --> 00:25:36,770 親父も兄者もいなくなって➡ 376 00:25:36,770 --> 00:25:40,780 でんぱた それでも一家4人で田畑を耕して 今日までやって来たんじゃ。 377 00:25:40,780 --> 00:25:44,510 それを捨てられるわけないじゃろが! 378 00:25:44,510 --> 00:25:48,920 捨てられないのは 直じゃないのか? 379 00:25:48,920 --> 00:25:51,620 やはりか。 バカぬかすな! 380 00:25:51,620 --> 00:25:55,490 あれでも坂井様の娘御じゃ。 わしなど 身分も釣り合わぬ。 381 00:25:55,490 --> 00:26:01,300 それよ! 信長様は そういう身分だの家柄だのにとらわれず➡ 382 00:26:01,300 --> 00:26:04,270 真に力のある者をお認めくださるお方だ。 383 00:26:04,270 --> 00:26:06,870 決して 世間で言われてるような うつけではない。 384 00:26:06,870 --> 00:26:10,740 お前も会ってみれば分かる! 一緒に清須に来い! 385 00:26:10,740 --> 00:26:13,250 侍になどならんと言うてるだろうが! 386 00:26:13,250 --> 00:26:16,280 頑固じゃなあ! そっちこそ! 387 00:26:16,280 --> 00:26:25,260 ♬〜 388 00:26:25,260 --> 00:26:28,160 久しぶりじゃなあ。 389 00:26:28,160 --> 00:26:32,460 昔は一度も わしに勝てなかったな 小一郎。 390 00:26:32,460 --> 00:26:35,900 391 00:26:35,900 --> 00:26:38,100 はっ! 392 00:26:38,100 --> 00:26:40,440 393 00:26:40,440 --> 00:26:42,380 はっ! 394 00:26:42,380 --> 00:27:06,070 ♬〜 395 00:27:06,070 --> 00:27:08,000 うう…! 396 00:27:08,000 --> 00:27:10,200 (了雲和尚)それまで! 397 00:27:10,200 --> 00:27:14,770 398 00:27:14,770 --> 00:27:19,580 (了雲)生きておったか〜。 悪たれは しぶといのう。 399 00:27:19,580 --> 00:27:21,520 それは自分のことかよ じじい。 400 00:27:21,520 --> 00:27:23,450 ハッハッハッハッハッ。 ハハハッ。 401 00:27:23,450 --> 00:27:26,090 小一郎は 強くなったじゃろう? 402 00:27:26,090 --> 00:27:30,260 ここの荒くれ坊主たちを相手に 鍛えておったのじゃ。 403 00:27:30,260 --> 00:27:32,760 何じゃ 侍になるつもりじゃったんか。 404 00:27:32,760 --> 00:27:35,760 違う。 野盗どもから田畑を守るためじゃ。 405 00:27:35,760 --> 00:27:38,570 それなら さっきは 何で戦わなかったのじゃ。 406 00:27:38,570 --> 00:27:41,440 争わずに済むなら それに越したことはない。 407 00:27:41,440 --> 00:27:45,910 本当は 怖かっただけじゃろうが。 やはり まだまだ わしには勝てんな。 408 00:27:45,910 --> 00:27:48,610 いや 今 勝ったし! (了雲)あ〜 よいよい。 409 00:27:48,610 --> 00:27:53,920 時に小一郎 仕事を探しておると聞いたが。 あっ はい! 410 00:27:53,920 --> 00:27:56,790 道普請の人足を募ってるそうじゃが 行ってみるか? 411 00:27:56,790 --> 00:27:59,720 それは願ってもないことです! どこでございますか? 412 00:27:59,720 --> 00:28:03,590 清須じゃ。 何でじゃ! 413 00:28:03,590 --> 00:28:06,230 (にぎわう声) 414 00:28:06,230 --> 00:28:10,870 ♬〜 415 00:28:10,870 --> 00:28:15,070 ここが清須か… いつの間に こんな…。 416 00:28:15,070 --> 00:28:17,010 見違えたじゃろう。 417 00:28:17,010 --> 00:28:19,240 信長様が治めるようになって➡ 418 00:28:19,240 --> 00:28:22,750 諸国の商人や 産物が 集まるようになったからのう。 419 00:28:22,750 --> 00:28:25,250 じゃあ 終わった頃 また迎えに来るわ。 420 00:28:25,250 --> 00:28:28,090 わしは普請に来たんじゃ。 兄者のところになど行かん。 421 00:28:28,090 --> 00:28:30,420 そう言うな。 422 00:28:30,420 --> 00:28:33,620 待っとるでよ〜。 ううっ! 423 00:28:33,620 --> 00:28:42,140 424 00:28:42,140 --> 00:28:47,970 じょうらく (普請係)よいか! 信長様は 上洛のために 明朝 ご出立となる! 425 00:28:47,970 --> 00:28:51,440 何としても 今日中に仕上げるんじゃ! 426 00:28:51,440 --> 00:28:53,380 (人足たち)へい! 427 00:28:53,380 --> 00:28:55,310 おい 新顔だな。 428 00:28:55,310 --> 00:28:57,320 へい。 429 00:28:57,320 --> 00:28:59,320 わしは ここに来て もう半年じゃ。 430 00:28:59,320 --> 00:29:03,860 あっちの道も それから あそこの橋も わしらが造ったんじゃ。 431 00:29:03,860 --> 00:29:06,390 おかげで いろんな人や物が来るようになって➡ 432 00:29:06,390 --> 00:29:08,430 町がにぎやかになってええわ。 433 00:29:08,430 --> 00:29:14,570 わしらも 銭稼ぎできるし 信長様々よ。 434 00:29:14,570 --> 00:29:18,240 それは どうじゃろうなあ。 435 00:29:18,240 --> 00:29:20,870 道が このように整うということは➡ 436 00:29:20,870 --> 00:29:23,410 敵からも 攻め込まれやすくなるということじゃ。 437 00:29:23,410 --> 00:29:25,750 いくらご城下が栄えても➡ 438 00:29:25,750 --> 00:29:28,580 敵に滅ぼされたら 元も子もないではないか。 439 00:29:28,580 --> 00:29:31,250 まあ 確かにそうじゃが…。 440 00:29:31,250 --> 00:29:36,430 やはり 織田信長は うわさどおりの大うつけじゃな。 441 00:29:36,430 --> 00:29:39,130 あんた どう思う? 442 00:29:39,130 --> 00:29:40,760 443 00:29:40,760 --> 00:29:44,060 おい 聞いとるんか? 444 00:29:44,060 --> 00:29:45,900 445 00:29:45,900 --> 00:29:49,270 うわっ! な… 何するんじゃ! 446 00:29:49,270 --> 00:29:51,770 無駄口たたく暇があったら働け。 447 00:29:51,770 --> 00:29:57,280 なすべきこともなさず 偉そうに他人のことをつべこべ言うな。 448 00:29:57,280 --> 00:30:00,780 いきなり殴らんでも…。 449 00:30:00,780 --> 00:30:07,480 (土砂崩れの音) 450 00:30:07,480 --> 00:30:16,130 451 00:30:16,130 --> 00:30:18,940 なんということじゃ…。 452 00:30:18,940 --> 00:30:23,140 明日までに出来上がらねば わしゃ 打ち首じゃ…。 453 00:30:23,140 --> 00:30:27,010 打ち首!? これは思いも寄らぬこと 致し方ないのでは? 454 00:30:27,010 --> 00:30:29,310 そのような言い訳は通用せん。 455 00:30:29,310 --> 00:30:34,180 げきりん 信長様の逆鱗に触れたら 容赦ない仕打ちが待っておると…➡ 456 00:30:34,180 --> 00:30:37,460 皆 そう うわさしとる…。 457 00:30:37,460 --> 00:30:41,790 下手をすれば お主らも 皆そうなるやもしれんぞ! 458 00:30:41,790 --> 00:30:43,800 何で わしらまで! そうじゃ ふざけるな! 459 00:30:43,800 --> 00:30:46,470 おい 逃げよう! (人足たち)おう…。 460 00:30:46,470 --> 00:30:48,500 ちょ… ちょっと待った! 461 00:30:48,500 --> 00:30:50,940 今まで働いた分はどうなるんじゃ? 462 00:30:50,940 --> 00:30:54,140 今ここで逃げ出したら ただ働きになってしまいますぞ。 463 00:30:54,140 --> 00:30:56,080 死んでしまったら 元も子もないわ! 464 00:30:56,080 --> 00:30:59,880 大丈夫じゃ。 うまく振り分ければ 明日までに間に合う。 465 00:30:59,880 --> 00:31:02,750 できるのか? そのかわり…。 おう。 466 00:31:02,750 --> 00:31:06,090 手当ては倍でお願いしますぞ。 分かった。 467 00:31:06,090 --> 00:31:09,760 よし! どうじゃ 皆の衆! 倍か…➡ 468 00:31:09,760 --> 00:31:12,430 悪かねえな! よし 乗った! 469 00:31:12,430 --> 00:31:15,100 崩れた箇所は およそ15間。 470 00:31:15,100 --> 00:31:18,900 3つの組に分かれて それぞれ5間ずつ 手分けして直すようにしよう。 471 00:31:18,900 --> 00:31:21,600 (普請係)なるほど そうすれば作業がかぶらず無駄がない。 472 00:31:21,600 --> 00:31:24,510 一の組は お主とお主とお主。 473 00:31:24,510 --> 00:31:28,280 それと お主が土砂運び。 え〜 お主とお主が 地ならしじゃ。 474 00:31:28,280 --> 00:31:32,780 二の組は お主とお主。 人を集めて 大きな岩を運び出してくれ。 475 00:31:32,780 --> 00:31:34,780 (2人)おう。 あとの者は 三の組じゃ。 476 00:31:34,780 --> 00:31:37,650 まずは 入り用の道具を こっちへ。 (人足たち)おう! 477 00:31:37,650 --> 00:31:40,150 よっしゃ! (人足たち)よっしゃ! 478 00:31:40,150 --> 00:31:44,790 479 00:31:44,790 --> 00:31:48,130 てつど お主は こっちで わしを手伝うてくれ。 480 00:31:48,130 --> 00:31:52,630 いいのか? 俺に腹を立てておるのに。 481 00:31:52,630 --> 00:31:57,470 今は そんなことを言ってる場合ではない。 早く! 482 00:31:57,470 --> 00:32:05,580 ♬〜 483 00:32:05,580 --> 00:32:08,250 重て…。 よし。 484 00:32:08,250 --> 00:32:11,090 う…。 い〜 …んしょ! 485 00:32:11,090 --> 00:32:23,270 ♬〜 486 00:32:23,270 --> 00:32:28,770 ハア ハア ハア…。 487 00:32:28,770 --> 00:32:32,070 ハア ハア ハア…。 488 00:32:32,070 --> 00:32:33,650 489 00:32:33,650 --> 00:32:36,450 おう ご苦労 ご苦労。 ご苦労。 490 00:32:36,450 --> 00:32:38,780 おお〜! ご苦労。 491 00:32:38,780 --> 00:32:43,080 いや ご苦労 ご苦労。 ようやってくれた。 492 00:32:43,080 --> 00:32:45,920 493 00:32:45,920 --> 00:32:49,220 また頼むで。 ヘヘッ。 よし 行こう。 494 00:32:49,220 --> 00:32:50,800 495 00:32:50,800 --> 00:32:54,470 あ〜 ああ〜。 496 00:32:54,470 --> 00:32:57,300 小一郎。 小一郎! 497 00:32:57,300 --> 00:33:01,270 大変だったそうじゃのう。 わしの屋敷でゆっくり休んでいけ。 498 00:33:01,270 --> 00:33:04,470 いや 村へ帰る。 499 00:33:04,470 --> 00:33:06,110 500 00:33:06,110 --> 00:33:10,410 ふらふらではないか。 無理するな。 うん。 501 00:33:10,410 --> 00:33:15,260 502 00:33:15,260 --> 00:33:17,760 屋敷? 503 00:33:17,760 --> 00:33:20,660 ここが? そうじゃ。 504 00:33:20,660 --> 00:33:23,630 遠慮なく くつろいでちょ。 505 00:33:23,630 --> 00:33:26,470 コホコホコホ…。 506 00:33:26,470 --> 00:33:30,340 これでは 中村の家の方が まだマシじゃ。 507 00:33:30,340 --> 00:33:33,610 足軽大将なのに こんなとこ住んどるのか? 508 00:33:33,610 --> 00:33:37,450 うん? ああ そのことじゃが…。 509 00:33:37,450 --> 00:33:39,780 もしや だましたのか。 510 00:33:39,780 --> 00:33:42,120 だましてなどおらん。 511 00:33:42,120 --> 00:33:46,620 もうすぐ 必ず そうなってみせるわい。 それを だましたと言うんじゃ! 512 00:33:46,620 --> 00:33:51,120 はあ… じゃあ 今は!? あ〜 足軽組頭か? 513 00:33:51,120 --> 00:33:53,160 いや…➡ 514 00:33:53,160 --> 00:33:56,300 もう少し。 ただの足軽か! ただのではない。 515 00:33:56,300 --> 00:33:58,800 殿様の覚えもめでたい 別格の足軽じゃ。 516 00:33:58,800 --> 00:34:01,570 よう それで わしを家来になどと ぬかしよったな。 517 00:34:01,570 --> 00:34:06,880 だからこそじゃ! 手柄を立てるのに 一人では何かと大変なのじゃ。 518 00:34:06,880 --> 00:34:11,420 共に力を合わせて 偉くなろう。 わしには お前しかおらんのじゃ。 519 00:34:11,420 --> 00:34:15,280 お前の力が欠かせぬのじゃ! う〜 勝手なことを! 520 00:34:15,280 --> 00:34:18,290 ⚟皆の者! 殿のご出立じゃ! 521 00:34:18,290 --> 00:34:21,760 我らも お見送りに参るぞ! 522 00:34:21,760 --> 00:34:31,770 (にぎわう声) 523 00:34:31,770 --> 00:34:35,270 (ざわめき) 524 00:34:35,270 --> 00:34:36,910 525 00:34:36,910 --> 00:34:42,610 殿〜! こたびのご上洛 祝着至極に存じまする! 526 00:34:42,610 --> 00:34:45,410 (いななき) 527 00:34:45,410 --> 00:34:51,620 528 00:34:51,620 --> 00:34:53,660 あっ…。 529 00:34:53,660 --> 00:34:55,860 回想  聞いとるんか? 530 00:34:55,860 --> 00:34:57,490 531 00:34:57,490 --> 00:35:01,730 あん時の…。 控えよ! お殿様じゃ! 532 00:35:01,730 --> 00:35:03,730 ええ〜!? 533 00:35:03,730 --> 00:35:07,410 まさか もうお会いしておるのか? 534 00:35:07,410 --> 00:35:12,250 いきなり殴られた。 な… なにい!? 535 00:35:12,250 --> 00:35:17,580 回想  やはり 織田信長は うわさどおりの大うつけじゃな。 536 00:35:17,580 --> 00:35:23,080 信長様の逆鱗に触れたら 容赦ない仕打ちが待っておると…。 537 00:35:23,080 --> 00:35:24,760 538 00:35:24,760 --> 00:35:27,660 (信長)サル。 539 00:35:27,660 --> 00:35:30,260 こやつは お前の知る辺か? 540 00:35:30,260 --> 00:35:35,600 いえ 存じませぬ! こんなやつ 赤の他人でござります! 541 00:35:35,600 --> 00:35:37,640 はあ!? 何をしたかは知りませぬが➡ 542 00:35:37,640 --> 00:35:40,270 わしとは 一切関わりなきことで…。 543 00:35:40,270 --> 00:35:43,770 さっきと言うてることが違う…! うるさい! わしに話しかけるな! 544 00:35:43,770 --> 00:35:46,110 弟の小一郎と申します! 545 00:35:46,110 --> 00:35:52,310 まさか まさかお殿様とは知らず ご無礼 何とぞ お許しのほど! 546 00:35:52,310 --> 00:35:55,790 547 00:35:55,790 --> 00:35:58,790 昨夜の差配 見事であった。 548 00:35:58,790 --> 00:36:00,560 549 00:36:00,560 --> 00:36:04,400 お前がいなければ あの道は出来上がっていなかったろう。 550 00:36:04,400 --> 00:36:07,440 礼を言う。 551 00:36:07,440 --> 00:36:11,940 わしの自慢の弟にござります! 552 00:36:11,940 --> 00:36:14,080 553 00:36:14,080 --> 00:36:22,580 確かに 道を整えれば 敵から攻められやすくもなる… が➡ 554 00:36:22,580 --> 00:36:26,780 こちらが 敵より早く出陣することもできる。 555 00:36:26,780 --> 00:36:30,090 556 00:36:30,090 --> 00:36:34,970 じっとしていては 欲しいものは手に入らぬ。 557 00:36:34,970 --> 00:36:41,600 自分の進む道は 自分で切り開くのじゃ。 558 00:36:41,600 --> 00:36:54,320 ♬〜 559 00:36:54,320 --> 00:36:58,920 (横川甚内)見送りご苦労じゃな 藤吉郎。 これは 甚内様。 560 00:36:58,920 --> 00:37:04,060 弟の小一郎です。 おう。 台所方の横川甚内様じゃ。 561 00:37:04,060 --> 00:37:07,100 いつも こっそり握り飯をくれる お優しいお方じゃぞ。 562 00:37:07,100 --> 00:37:10,830 兄が 大変ご迷惑をおかけしております。 563 00:37:10,830 --> 00:37:13,400 何じゃ その言い方は。 (甚内)アハハハハッ。 564 00:37:13,400 --> 00:37:16,240 藤吉郎は 草履取りの頃から➡ 565 00:37:16,240 --> 00:37:19,080 信長様にも 目をかけられておるようじゃからな。 566 00:37:19,080 --> 00:37:22,950 今のうちから恩を売っておかねば。 アハハハッ。 567 00:37:22,950 --> 00:37:27,780 また後で 台所へ来い。 余りものでよければ 弟の分も持っていけ。 568 00:37:27,780 --> 00:37:30,080 かたじけのうござる! 569 00:37:30,080 --> 00:37:32,260 570 00:37:32,260 --> 00:37:36,590 よかったのう 小一郎。 わしは もう村へ帰る。 571 00:37:36,590 --> 00:37:38,900 ちっとも休めんではないか。 572 00:37:38,900 --> 00:37:41,430 ねね ⚟(寧々)藤吉郎さん。 お寧々殿。 573 00:37:41,430 --> 00:37:43,770 またか 今度は一体…。 574 00:37:43,770 --> 00:37:48,440 お寧々殿も 信長様をお見送りに? (寧々)ええ。 575 00:37:48,440 --> 00:37:50,470 そちらは? 576 00:37:50,470 --> 00:37:54,310 弟の…。 小一郎でございます! 577 00:37:54,310 --> 00:37:57,110 寧々と申します。 578 00:37:57,110 --> 00:38:01,720 579 00:38:01,720 --> 00:38:03,660 うん。 580 00:38:03,660 --> 00:38:07,530 お寧々殿は あさの ながかつ お弓衆 浅野長勝様のご息女じゃ。 581 00:38:07,530 --> 00:38:11,230 家が近いゆえ 何かと声をかけてくださるのじゃ。 582 00:38:11,230 --> 00:38:16,740 兄が 大変ご迷惑をおかけしております。 だから 何じゃ その言い方は。 583 00:38:16,740 --> 00:38:19,740 藤吉郎さんには いつも励まされています。 584 00:38:19,740 --> 00:38:22,240 励ます? だって➡ 585 00:38:22,240 --> 00:38:24,180 みんなに どんなに ひどいことを言われても➡ 586 00:38:24,180 --> 00:38:26,410 平気で笑ってるんですもの。 フフフフフ…。 587 00:38:26,410 --> 00:38:31,250 私も見習わなきゃなと思います。 わしなんか見習っても しょうがないがね。 588 00:38:31,250 --> 00:38:35,750 お寧々殿は わしと違って 見た目も中身も お美しいのじゃから。 589 00:38:35,750 --> 00:38:39,090 そうやって お殿様にも取り入ったのでしょう。 590 00:38:39,090 --> 00:38:42,760 だまされませんよ。 わしは 本当のことしか言いませぬ。 591 00:38:42,760 --> 00:38:44,770 フフ… どの口が…。 592 00:38:44,770 --> 00:38:48,270 あの お寧々様 そろそろ…。 593 00:38:48,270 --> 00:38:52,110 ああ そうだ お使いを頼まれていたんだわ。 594 00:38:52,110 --> 00:38:54,310 では またね。 595 00:38:54,310 --> 00:39:07,220 596 00:39:07,220 --> 00:39:09,860 お前も村へ帰るんじゃないのか。 597 00:39:09,860 --> 00:39:14,400 いや〜 やはり もう少し休んでいくとするかなあ。 598 00:39:14,400 --> 00:39:18,070 そうか。 おお! 直も来たんか。 599 00:39:18,070 --> 00:39:20,740 ハハハハハッ! 600 00:39:20,740 --> 00:39:23,640 まだまだ未熟よのう 小一郎。 601 00:39:23,640 --> 00:39:26,840 この…! 捜したぞ 藤吉郎! 602 00:39:26,840 --> 00:39:28,610 603 00:39:28,610 --> 00:39:33,450 柴田様がお呼びじゃ。 すぐに参りまする! 604 00:39:33,450 --> 00:39:36,750 ちょっと待っておれ。 え…。 605 00:39:36,750 --> 00:39:45,590 606 00:39:45,590 --> 00:39:49,900 信長が 将軍 足利義輝様に謁見するために➡ 607 00:39:49,900 --> 00:39:53,270 僅かな供を率いて 京へ向かったそうじゃ。➡ 608 00:39:53,270 --> 00:39:57,570 もっと詳しい動きを探らせよ。 はっ! 609 00:39:57,570 --> 00:40:01,780 610 00:40:01,780 --> 00:40:07,650 このふたつきの間に 都合五度 全ては うぬの仕業か。 611 00:40:07,650 --> 00:40:12,290 めっそうもないことでございます。 ご城下で盗みなどと。 612 00:40:12,290 --> 00:40:15,190 しかし うぬがやるところを見たと 申す者がおるのだ。 613 00:40:15,190 --> 00:40:17,160 何かの間違いでございます! 614 00:40:17,160 --> 00:40:20,630 その者を ここへ連れてきていただきたい。 わしが問いただしまする。 615 00:40:20,630 --> 00:40:24,300 足軽の分際で図に乗るでない! 申し訳ありませぬ! 616 00:40:24,300 --> 00:40:28,640 わしは 殿より じきじきに この件を任されておる。 617 00:40:28,640 --> 00:40:33,810 素直に認めれば こたびだけは見逃してやる。 618 00:40:33,810 --> 00:40:38,110 わしではござらぬ。 信じてくだされ! 619 00:40:38,110 --> 00:40:42,500 620 00:40:42,500 --> 00:40:48,940 わしの家来に うぬと同じ中村の者がおってな。 621 00:40:48,940 --> 00:40:53,940 うぬ 以前 盗みをやって 村から逃げ出したそうではないか。 622 00:40:53,940 --> 00:40:59,320 623 00:40:59,320 --> 00:41:02,120 悪い癖は治らんだろう。 624 00:41:02,120 --> 00:41:03,760 625 00:41:03,760 --> 00:41:07,090 うぬの弟も清須に来てるそうだが…➡ 626 00:41:07,090 --> 00:41:11,260 次は2人で盗もうという魂胆か? 弟は 関わりありませぬ。 627 00:41:11,260 --> 00:41:13,760 血は争えんだろ。 628 00:41:13,760 --> 00:41:15,440 629 00:41:15,440 --> 00:41:18,340 そうまでおっしゃるのでしたら この藤吉郎➡ 630 00:41:18,340 --> 00:41:21,610 お殿様がお戻りになる前に 真の盗人を捕らえて➡ 631 00:41:21,610 --> 00:41:25,110 身の証しを立ててご覧に入れまする! 632 00:41:25,110 --> 00:41:27,920 ほう 面白い。 633 00:41:27,920 --> 00:41:35,220 もし できなければ 盗人として このそっ首 はねるぞ! 634 00:41:35,220 --> 00:41:37,460 635 00:41:37,460 --> 00:41:39,790 望むところでござる! 636 00:41:39,790 --> 00:41:42,460 …と つい言うてしもうた。 637 00:41:42,460 --> 00:41:45,800 どうしたらいいんじゃ? 知らんわ。 638 00:41:45,800 --> 00:41:48,300 大体 本当にやってないんか? 639 00:41:48,300 --> 00:41:51,810 おおかた わしが信長様に 格別に気に入られているのを➡ 640 00:41:51,810 --> 00:41:55,310 妬んだやつらのたわ言じゃろ。 641 00:41:55,310 --> 00:41:58,350 本当じゃ。 わしの言うことが信用できんのか? 642 00:41:58,350 --> 00:42:00,580 できん。 何じゃと!? そりゃ そうじゃろ。 643 00:42:00,580 --> 00:42:04,090 これまで自分がしてきたこと 考えてみい。 自業自得じゃ。 644 00:42:04,090 --> 00:42:07,590 坂井様も いまだに根に持っておったではないか。 645 00:42:07,590 --> 00:42:11,090 仏画以外にも盗んだそうじゃな。 一体 何を盗ったんじゃ。 646 00:42:11,090 --> 00:42:13,430 嫁じゃ。 嫁!? 647 00:42:13,430 --> 00:42:17,100 わしがとったわけではない。 向こうが勝手についてきたのじゃ。 648 00:42:17,100 --> 00:42:20,140 そりゃまあ 少しは誘ったが。 649 00:42:20,140 --> 00:42:23,270 は…。 仏画も盗んだのではないぞ。 650 00:42:23,270 --> 00:42:27,910 その嫁に持ってきてもらったのじゃ。 どうしても銭が入り用じゃったからのう。 651 00:42:27,910 --> 00:42:31,780 そりゃあ 坂井様が怒るのも無理ないわ。 652 00:42:31,780 --> 00:42:34,450 わしは 一人で村を出ていくつもりだったんじゃ。 653 00:42:34,450 --> 00:42:36,790 何も盗むつもりなどなかった。 654 00:42:36,790 --> 00:42:40,660 強いて盗んだとするなら あの嫁の心じゃ。 655 00:42:40,660 --> 00:42:42,660 うまいこと言ったような顔すんな。 656 00:42:42,660 --> 00:42:45,290 このままでは わしは首をはねられる! 657 00:42:45,290 --> 00:42:48,800 頼む 小一郎 なんとかしてくれ! 658 00:42:48,800 --> 00:42:51,100 はあ〜。 659 00:42:51,100 --> 00:42:52,670 660 00:42:52,670 --> 00:42:55,310 にわ (丹羽長秀)わしに? はあ。 661 00:42:55,310 --> 00:42:58,810 どうしても お伝えしたいことがあると。 662 00:42:58,810 --> 00:43:01,580 聞こう。 663 00:43:01,580 --> 00:43:06,380 お許しが出たぞ。 入ってまいれ。 ⚟はっ! 664 00:43:06,380 --> 00:43:16,090 665 00:43:16,090 --> 00:43:20,430 足軽 藤吉郎と申します。 こっちは弟の…。 挨拶はよい。 666 00:43:20,430 --> 00:43:22,770 何じゃ? 話というのは。 667 00:43:22,770 --> 00:43:25,440 小一郎。 はい。 668 00:43:25,440 --> 00:43:30,780 次に盗賊に狙われるのは 丹羽様の お屋敷ではないかと思われまする。 669 00:43:30,780 --> 00:43:33,680 わしの屋敷が? どういうことじゃ。 670 00:43:33,680 --> 00:43:35,980 詳しく申し上げます。 671 00:43:35,980 --> 00:43:38,520 672 00:43:38,520 --> 00:43:43,290 これまで賊が入ったお屋敷は 最初が ここ。 673 00:43:43,290 --> 00:43:47,460 次が ここ。 次が ここ。 674 00:43:47,460 --> 00:43:50,360 そして ここ。 675 00:43:50,360 --> 00:43:52,800 ここ。 676 00:43:52,800 --> 00:43:57,640 城の左右を 順番に 行ったり来たりしておりますれば➡ 677 00:43:57,640 --> 00:43:59,640 次は…。 678 00:43:59,640 --> 00:44:02,610 679 00:44:02,610 --> 00:44:08,080 これまでの盗みは全て 城に殿様がご不在の折➡ 680 00:44:08,080 --> 00:44:12,580 それも月のない晩と決まっております。 681 00:44:12,580 --> 00:44:15,780 まさに 今夜のように。 682 00:44:15,780 --> 00:44:19,090 683 00:44:19,090 --> 00:44:23,260 どうか お気を付けくださりませ。 684 00:44:23,260 --> 00:44:30,610 う〜ん…。 念のため 屋敷の内外を見張らせよう。 685 00:44:30,610 --> 00:44:32,640 はあ。 686 00:44:32,640 --> 00:44:53,630 ♬〜 687 00:44:53,630 --> 00:44:55,670 何で こっちなんじゃ。 688 00:44:55,670 --> 00:44:57,930 よう考えてみい。 689 00:44:57,930 --> 00:45:02,740 わしが盗人なら 皆の目が 丹羽様の屋敷に向けられているうちに➡ 690 00:45:02,740 --> 00:45:04,740 手薄になったほかを狙う。 691 00:45:04,740 --> 00:45:07,610 一番そそられるのは 城のお蔵じゃ。 692 00:45:07,610 --> 00:45:12,750 さすが 盗人には盗人の気持ちが よう分かるというわけか。 693 00:45:12,750 --> 00:45:15,650 だから わしは盗人じゃないて! ただの勘じゃ。 694 00:45:15,650 --> 00:45:19,090 はあ〜。 (臭いを嗅ぐ音) それにしても➡ 695 00:45:19,090 --> 00:45:21,990 かわや 何で よりによって厠なんじゃ。 696 00:45:21,990 --> 00:45:26,770 臭いのう。 身を隠すところは ここしかないんじゃ 我慢せえ。 697 00:45:26,770 --> 00:45:29,770 わしの首がかかっとるんじゃぞ。 698 00:45:29,770 --> 00:45:34,270 足軽のままで 死ぬわけにはいかんからのう。 699 00:45:34,270 --> 00:45:38,440 そんなに偉くなって どうしたいんじゃ。 700 00:45:38,440 --> 00:45:43,280 決まっておろう 母ちゃんや 姉ちゃんや あさひに➡ 701 00:45:43,280 --> 00:45:46,920 腹いっぱい飯を食わしてやりたいんじゃ。 702 00:45:46,920 --> 00:45:50,290 もちろん お前にも食わしてやるぞ。 703 00:45:50,290 --> 00:45:53,320 それくらいだったら 侍になんぞならなくても。 704 00:45:53,320 --> 00:45:56,460 そのあとは 親類縁者たちじゃ。 705 00:45:56,460 --> 00:46:02,070 そして もっと偉くなったら 村の連中にも飯を食わしてやる。 706 00:46:02,070 --> 00:46:07,410 もっともっと偉くなったら…➡ 707 00:46:07,410 --> 00:46:10,740 どうしたらええかのう。 708 00:46:10,740 --> 00:46:14,420 わしは みんなを喜ばしたい。 709 00:46:14,420 --> 00:46:21,120 そんで 「ありがとう 藤吉郎 よくやった」と言ってもらいたい。 710 00:46:21,120 --> 00:46:22,760 711 00:46:22,760 --> 00:46:26,260 わしは みんなから好かれたいんじゃ。 712 00:46:26,260 --> 00:46:28,100 713 00:46:28,100 --> 00:46:34,770 もう見下されたり 嫌われたりしとうない。 714 00:46:34,770 --> 00:46:36,710 分かるか? 715 00:46:36,710 --> 00:46:42,110 (いびき) 716 00:46:42,110 --> 00:46:45,610 おい! ハッ! あ… はあ… すまん。 717 00:46:45,610 --> 00:46:47,550 (臭いを嗅ぐ音) あっ 臭い。 718 00:46:47,550 --> 00:46:50,480 こんな時に よう寝れるのう。 719 00:46:50,480 --> 00:46:54,790 しかたないじゃろ。 昨日は一晩中 道の普請じゃったし。 720 00:46:54,790 --> 00:46:59,130 わしが生きるか死ぬかという時に…。 シッ! 721 00:46:59,130 --> 00:47:02,430 (戸が開く音) 722 00:47:02,430 --> 00:47:06,230 723 00:47:06,230 --> 00:47:08,740 くせ者! そこまでじゃ! 724 00:47:08,740 --> 00:47:13,410 神妙に致せ! 神妙に致せ! うう… うっ。 725 00:47:13,410 --> 00:47:16,310 あ…! 甚内様!? 726 00:47:16,310 --> 00:47:20,080 わしじゃ わしじゃ。 離せ 藤吉郎! 727 00:47:20,080 --> 00:47:25,760 なぜ…。 わしも賊を見回っておったのじゃ。 728 00:47:25,760 --> 00:47:28,760 ⚟くせ者じゃ! ⚟くせ者じゃ〜! 729 00:47:28,760 --> 00:47:30,590 730 00:47:30,590 --> 00:47:32,890 ⚟くせ者じゃ! ⚟逃がすな! 731 00:47:32,890 --> 00:47:35,800 待て〜い! 待て〜い! 732 00:47:35,800 --> 00:47:38,270 お許しくださりませ! 733 00:47:38,270 --> 00:47:41,100 ああ よいよい。 734 00:47:41,100 --> 00:47:43,140 小一郎! お前も謝れ! 735 00:47:43,140 --> 00:47:45,280 お許しくださりませ! 736 00:47:45,280 --> 00:47:49,610 ハハッ よいと言っているではないか。 737 00:47:49,610 --> 00:47:54,480 これで お主の疑いも晴れたのじゃ。 よかったのう。 738 00:47:54,480 --> 00:47:56,790 ははあ! 739 00:47:56,790 --> 00:48:02,090 では わしは 丹羽様の様子を見てくるとしよう。 740 00:48:02,090 --> 00:48:05,860 741 00:48:05,860 --> 00:48:09,570 ♬〜 742 00:48:09,570 --> 00:48:13,870 お待ちくださりませ。 うん? 743 00:48:13,870 --> 00:48:16,070 どうした? 744 00:48:16,070 --> 00:48:18,070 745 00:48:18,070 --> 00:48:25,250 見回っていたのなら なぜ 明かりを持っておられなかったのですか? 746 00:48:25,250 --> 00:48:31,250 それは お主らと同じじゃ。 こちらも 賊に気取られぬために。 747 00:48:31,250 --> 00:48:33,590 748 00:48:33,590 --> 00:48:37,430 どこを見回っておられたのですか? それは…。 749 00:48:37,430 --> 00:48:40,460 おい 小一郎。 750 00:48:40,460 --> 00:48:44,900 あらた お体を 検めさせていただきたい。 751 00:48:44,900 --> 00:48:47,440 いいかげんにせえ! できませぬか。 752 00:48:47,440 --> 00:48:54,210 ハハハハッ 分かった 好きにしろ。 753 00:48:54,210 --> 00:48:59,450 (刃音) 754 00:48:59,450 --> 00:49:04,420 う…。 うぬは百姓であろう。 755 00:49:04,420 --> 00:49:07,060 人を殺したことがあるのか? 756 00:49:07,060 --> 00:49:09,100 え…。 (刃音) 757 00:49:09,100 --> 00:49:11,230 あっ! 758 00:49:11,230 --> 00:49:18,230 ♬〜 759 00:49:18,230 --> 00:49:20,580 760 00:49:20,580 --> 00:49:22,510 あ…➡ 761 00:49:22,510 --> 00:49:24,510 ぐ…! 762 00:49:24,510 --> 00:49:27,250 763 00:49:27,250 --> 00:49:29,250 うう…! 764 00:49:29,250 --> 00:49:35,760 765 00:49:35,760 --> 00:49:39,590 ハア ハア ハア…➡ 766 00:49:39,590 --> 00:49:43,760 フウ フウ フウ…。 767 00:49:43,760 --> 00:49:45,960 (倒れる音) 768 00:49:45,960 --> 00:49:58,310 769 00:49:58,310 --> 00:50:00,810 大事ないか。 770 00:50:00,810 --> 00:50:04,450 771 00:50:04,450 --> 00:50:10,150 この8年 わしも武術の腕は磨いておった。 772 00:50:10,150 --> 00:50:11,930 773 00:50:11,930 --> 00:50:16,930 じゃあ 何で あの時…。 774 00:50:16,930 --> 00:50:20,640 775 00:50:20,640 --> 00:50:23,470 お前も言うたじゃないか。 776 00:50:23,470 --> 00:50:28,670 争わずに済むなら それに越したことはないと。 777 00:50:28,670 --> 00:50:31,150 778 00:50:31,150 --> 00:50:34,650 やっぱり お前は わしの弟じゃ。 779 00:50:34,650 --> 00:51:08,090 ♬〜 780 00:51:08,090 --> 00:51:10,130 これは…。 781 00:51:10,130 --> 00:51:15,770 それは よしたつ 美濃の斎藤義龍に宛てた書状でした。 782 00:51:15,770 --> 00:51:22,270 上洛した信長の動きを知らせ 暗殺するためのものだったのです。 783 00:51:22,270 --> 00:51:26,140 殿様に早馬を出す支度をせえ! はっ。 784 00:51:26,140 --> 00:51:28,140 ようやった! 785 00:51:28,140 --> 00:51:31,980 あ〜 あ… うん? 藤吉郎でございます! 786 00:51:31,980 --> 00:51:35,820 おう。 おかげで 盗人も捕らえることができた。 787 00:51:35,820 --> 00:51:39,120 こたびの件 大手柄じゃ。 788 00:51:39,120 --> 00:51:42,620 ははあ〜! ありがたき幸せ! 789 00:51:42,620 --> 00:52:18,100 ♬〜 790 00:52:18,100 --> 00:52:20,030 やあ! (刃音) 791 00:52:20,030 --> 00:52:24,870 みほとけ 御仏の前で殺生はしとうない。 792 00:52:24,870 --> 00:52:27,770 が…➡ 793 00:52:27,770 --> 00:52:30,610 成仏せい。 794 00:52:30,610 --> 00:52:42,220 ♬〜 795 00:52:42,220 --> 00:52:45,790 ああ〜! えい! 796 00:52:45,790 --> 00:52:50,490 ハア ハア ハア…! 797 00:52:50,490 --> 00:52:55,300 798 00:52:55,300 --> 00:52:58,340 美濃は しくじったか。 799 00:52:58,340 --> 00:53:03,640 斎藤義龍 役に立たん男よ。 800 00:53:03,640 --> 00:53:05,410 801 00:53:05,410 --> 00:53:11,590 その数日後 信長は清須へと帰還いたしました。 802 00:53:11,590 --> 00:53:38,590 ♬〜 803 00:53:38,590 --> 00:53:44,790 804 00:53:44,790 --> 00:53:50,120 (長秀)この者たちが 間者を討ち取った者です。 805 00:53:50,120 --> 00:53:54,630 ようやった。 褒めて遣わす。 806 00:53:54,630 --> 00:53:56,570 ありがたき幸せ! 807 00:53:56,570 --> 00:54:01,070 この藤吉郎 殿の御命をお守りする お役に立てたことは➡ 808 00:54:01,070 --> 00:54:03,400 この上なく…。 (勝家)勘違いするな! 809 00:54:03,400 --> 00:54:06,900 一番の手柄は うぬらではないわ。 810 00:54:06,900 --> 00:54:08,740 811 00:54:08,740 --> 00:54:11,580 うぬらの知らせよりも半日早く➡ 812 00:54:11,580 --> 00:54:16,250 ひょうぞう 丹羽兵蔵という者が 京で こたびの計略を つかんで知らせておったのじゃ。 813 00:54:16,250 --> 00:54:22,590 その知らせがなければ わしも危ないところであった。 814 00:54:22,590 --> 00:54:28,390 よって こたびの手柄は 丹羽兵蔵のものとする。 815 00:54:28,390 --> 00:54:33,300 816 00:54:33,300 --> 00:54:35,500 サル。 817 00:54:35,500 --> 00:54:37,780 818 00:54:37,780 --> 00:54:40,280 不服か? 819 00:54:40,280 --> 00:54:42,910 820 00:54:42,910 --> 00:54:45,450 めっそうもない! 821 00:54:45,450 --> 00:54:50,790 殿がご無事で帰られた それが 何よりの褒美でござりまする! 822 00:54:50,790 --> 00:54:55,460 手柄が欲しければ 誰よりも早く動け。 823 00:54:55,460 --> 00:54:59,160 はっ! 肝に銘じまする! 824 00:54:59,160 --> 00:55:02,230 825 00:55:02,230 --> 00:55:07,740 美濃の毒が どこまで回っているやもしれぬ。 826 00:55:07,740 --> 00:55:13,880 見せしめじゃ。 間者の身内は女子供に至るまで➡ 827 00:55:13,880 --> 00:55:16,250 ことごとく殺せ。 828 00:55:16,250 --> 00:55:19,150 いや しかし…。 (勝家)はっ! 829 00:55:19,150 --> 00:55:23,760 直ちに。 この権六にお任せを。 830 00:55:23,760 --> 00:55:32,270 ♬〜 831 00:55:32,270 --> 00:55:35,170 本当に帰るんか。 当たり前じゃ。 832 00:55:35,170 --> 00:55:39,440 何がお手柄じゃ。 出世どころか 褒美すら もらえんかったじゃないか。 833 00:55:39,440 --> 00:55:44,310 待っていて損したわ。 どうしても 侍にならんのか。 834 00:55:44,310 --> 00:55:47,910 ならんのじゃない…➡ 835 00:55:47,910 --> 00:55:50,710 なれんわ。 836 00:55:50,710 --> 00:55:54,290 837 00:55:54,290 --> 00:55:58,130 あれから震えが止まらん。 838 00:55:58,130 --> 00:56:01,990 そんなに怖かったか 殺されかけたんが。 そうじゃない。 839 00:56:01,990 --> 00:56:05,230 じゃ 信長様か? あの方は ああいうご気性じゃが➡ 840 00:56:05,230 --> 00:56:08,570 それにも増して…。 違う。 841 00:56:08,570 --> 00:56:11,770 わしが恐ろしかったんは…。 842 00:56:11,770 --> 00:56:14,880 843 00:56:14,880 --> 00:56:17,180 兄者じゃ。 844 00:56:17,180 --> 00:56:22,080 845 00:56:22,080 --> 00:56:55,780 ♬〜 846 00:56:55,780 --> 00:56:57,620 847 00:56:57,620 --> 00:57:00,060 わしが目指すは見せかけではない! 848 00:57:00,060 --> 00:57:02,730 真の尾張一統じゃ。 849 00:57:02,730 --> 00:57:05,400 嫁に行くんか!? どんな男なんじゃ! 850 00:57:05,400 --> 00:57:08,300 また野盗どもが来て あっちこっちで暴れてんだよ! 851 00:57:08,300 --> 00:57:10,730 何なんじゃ これは〜! 852 00:57:10,730 --> 00:57:13,230 これが この世じゃ! 853 00:57:13,230 --> 00:57:15,240 854 00:57:15,240 --> 00:57:17,740 あまり無理するなよ 小一郎。 855 00:57:17,740 --> 00:57:20,580 兄者は無理せえ! 何で 稽古しとらんのじゃ。 856 00:57:20,580 --> 00:57:22,510 ひきょうもの こんの… 卑怯者! 857 00:57:22,510 --> 00:57:25,450 数は いかほどじゃ。 2万5,000ほどかと。 858 00:57:25,450 --> 00:57:27,750 尾張全てをのみ込むつもりではないのか? 859 00:57:27,750 --> 00:57:30,090 目指すは 義元の首ただ一つ! 860 00:57:30,090 --> 00:57:33,430 おけはざま 桶狭間じゃ〜! (一同)おう〜! 861 00:57:33,430 --> 00:57:36,260 あんたは 下克上に魅せられたんじゃ。 862 00:57:36,260 --> 00:57:39,170 それなら今戦わなくて いつ戦うんじゃ! 863 00:57:39,170 --> 00:57:42,130 恐れず 己を信じて突き進むのじゃ。 864 00:57:42,130 --> 00:57:45,600 サルの浅知恵に引っ掛かるような わしではないわ。 865 00:57:45,600 --> 00:57:48,510 わしは 殿にお仕えしとうござります! 866 00:57:48,510 --> 00:57:50,910 調子のよいサルたちじゃな。 867 00:57:50,910 --> 00:57:54,710 さすがは わしの弟じゃのう! 見え見えじゃ。 868 00:57:54,710 --> 00:58:02,120 869 00:58:02,120 --> 00:58:07,290 中部地方最大の都市 愛知県名古屋市。 870 00:58:07,290 --> 00:58:15,090 西部に位置する中村は 豊臣兄弟の誕生の地といわれています。 871 00:58:15,090 --> 00:58:21,310 872 00:58:21,310 --> 00:58:28,650 中村公園にある秀吉を祭神として祭る とよくに 豊國神社。 873 00:58:28,650 --> 00:58:34,850 明治18年に 地元の人々の手により 創建されました。 874 00:58:34,850 --> 00:58:36,960 875 00:58:36,960 --> 00:58:46,640 秀吉の弟 秀長は 兄を補佐し 共に天下統一を目指した人物です。 876 00:58:46,640 --> 00:58:48,970 秀長は かつて➡ 877 00:58:48,970 --> 00:58:53,340 秀吉とは異父兄弟であると いわれてきました。 878 00:58:53,340 --> 00:58:56,180 しかし 近年の研究により➡ 879 00:58:56,180 --> 00:59:01,180 同じ父を持つ兄弟だったとも 考えられています。 880 00:59:01,180 --> 00:59:03,920 881 00:59:03,920 --> 00:59:07,290 やまとこおりやま 奈良県大和郡山市。 882 00:59:07,290 --> 00:59:10,330 秀長は 後に この地を治め➡ 883 00:59:10,330 --> 00:59:16,130 大和大納言と尊称される 大名へと成長していきます。 884 00:59:16,130 --> 00:59:17,930 885 00:59:17,930 --> 00:59:25,230 戦国の世を駆ける壮大な物語が この中村の地から幕を開けます。