1 00:00:02,202 --> 00:00:06,073 (足利義昭)わしは そなたらと共におる! 戦うのじゃ! 2 00:00:06,073 --> 00:00:10,611 (喚声と刃音) 3 00:00:10,611 --> 00:00:17,117 本圀寺の変の敗北により 三好三人衆は 京を退き➡ 4 00:00:17,117 --> 00:00:22,422 堺の会合衆は 信長に服従することとなりました。 5 00:00:22,422 --> 00:00:26,627 (津田宗及)お約束の矢銭2万貫の 証文でございます。➡ 6 00:00:26,627 --> 00:00:30,797 ほかの御用も 何なりとお申しつけくださりませ。 7 00:00:30,797 --> 00:00:35,669 (木下藤吉郎秀吉)ほう。 では 喉が渇いた。 茶を所望いたす。 8 00:00:35,669 --> 00:00:38,138 すぐに支度を。 いや➡ 9 00:00:38,138 --> 00:00:41,842 宗久殿にお願いするわ。 10 00:00:45,312 --> 00:00:50,317 (今井宗久)へえ お引き受けいたしまする。 11 00:00:55,455 --> 00:01:16,610 ♬~ 12 00:01:16,610 --> 00:01:25,953 ♬~ 13 00:01:25,953 --> 00:02:16,269 ♬~ 14 00:02:16,269 --> 00:02:20,941 ♬~ 15 00:02:20,941 --> 00:02:58,679 ♬~ 16 00:02:58,679 --> 00:03:08,255 ♬~ 17 00:03:08,255 --> 00:03:20,267 ♬~ 18 00:03:25,272 --> 00:03:27,607 (織田信長)引け~! 19 00:03:27,607 --> 00:03:31,411 (太鼓の音) (蜂須賀正勝)そ~いや! 20 00:03:31,411 --> 00:03:34,114 (一同)そ~いや! 21 00:03:34,114 --> 00:03:36,950 (正勝)そ~いや! (木下小一郎長秀)そいや! 22 00:03:36,950 --> 00:03:38,985 (太鼓の音) (一同)そ~いや! 23 00:03:38,985 --> 00:03:42,756 まだまだじゃ 引け~! (正勝)そ~いや! 24 00:03:42,756 --> 00:03:45,125 (太鼓の音) (一同)そ~いや! 25 00:03:45,125 --> 00:03:47,627 殿!(正勝)そ~いや! (一同)そ~いや! 26 00:03:47,627 --> 00:03:51,431 織田様は 何を運んでいるんですか? 27 00:03:51,431 --> 00:03:54,134 (竹中半兵衛)あれは 藤戸石です。➡ 28 00:03:54,134 --> 00:03:58,004 今は昔 源平の頃から伝わる 勝利をもたらす石。 29 00:03:58,004 --> 00:04:02,242 何人かの将軍が あれを手にし 天下人の石ともいわれています。 30 00:04:02,242 --> 00:04:06,746 それを 公方様の御所までお運びするのです。 31 00:04:06,746 --> 00:04:09,249 天下人の石…。 32 00:04:09,249 --> 00:04:15,122 公方様への忠義の示しどころじゃ! 引け~! 33 00:04:15,122 --> 00:04:20,327 (一同)そ~いや! (信長)まだまだじゃ 引け~! 34 00:04:23,096 --> 00:04:29,269 本圀寺の変のあと 信長は 将軍 義昭公を守るため➡ 35 00:04:29,269 --> 00:04:34,975 この二条御所を 僅か3か月で造り上げました。 36 00:04:38,779 --> 00:04:45,285 これで わしも 真の天下人となれるか? 37 00:04:45,285 --> 00:04:47,954 (信長)さて。➡ 38 00:04:47,954 --> 00:04:54,261 この石にまつわる言い伝えが嘘か真かは どうでもよいこと。 39 00:04:56,663 --> 00:04:59,566 肝要なのは➡ 40 00:04:59,566 --> 00:05:05,739 諸国より多くの武将が集まり およそ3,000人が公方様のため➡ 41 00:05:05,739 --> 00:05:08,241 これを運んだということ。 42 00:05:08,241 --> 00:05:12,913 そして 1万人以上の人夫が 昼夜を問わず働き続け➡ 43 00:05:12,913 --> 00:05:19,252 僅か三月で この二条御所を完成させたということ。 44 00:05:19,252 --> 00:05:25,458 公方様のご威光を 世に知らしめたことでございます。 45 00:05:32,265 --> 00:05:35,101 ようやってくれた。➡ 46 00:05:35,101 --> 00:05:39,973 この堂々として きらびやかな御所は お主そのものじゃ。 47 00:05:39,973 --> 00:05:46,613 これからも この義昭を どうか守ってくれ。 48 00:05:46,613 --> 00:05:49,616 かしこまりましてございます。 49 00:05:52,786 --> 00:05:59,659 信長め。 世に知らしめたのは わしの威光ではなく 己の威光であろう。 50 00:05:59,659 --> 00:06:02,062 (明智光秀)ざっと調べましたところ➡ 51 00:06:02,062 --> 00:06:07,567 我らには知らされていない隠し部屋や 抜け道などが見つかりました。 52 00:06:07,567 --> 00:06:12,739 ここと ここ。 それに…➡ 53 00:06:12,739 --> 00:06:15,075 御免。 54 00:06:15,075 --> 00:06:23,250 ♬~ 55 00:06:23,250 --> 00:06:26,086 (義昭)わしを ひそかに見張るためのものか。 56 00:06:26,086 --> 00:06:29,923 この御所は まさに織田信長そのもの。 57 00:06:29,923 --> 00:06:33,260 我らに見せぬ顔があるようでございます。 58 00:06:33,260 --> 00:06:35,762 いかがいたしましょうか? 59 00:06:35,762 --> 00:06:38,398 今は じっとしておれ。 60 00:06:38,398 --> 00:06:45,772 ♬~ 61 00:06:45,772 --> 00:06:50,410 ハハハハ…。 やみくもに力で押そうとすれば➡ 62 00:06:50,410 --> 00:06:54,781 それをはね返そうとするのは 自然のことわりじゃ。 63 00:06:54,781 --> 00:06:57,117 三好と同じように➡ 64 00:06:57,117 --> 00:07:01,087 織田のやり方に従えぬ者たちが 次々と現れよう。 65 00:07:01,087 --> 00:07:06,559 その時こそ わしは将軍として道を示さねばならぬ。 66 00:07:06,559 --> 00:07:10,263 幕府が作る安寧の世のために。 67 00:07:11,898 --> 00:07:15,568 信長の順番は そこで終わりじゃ。 68 00:07:15,568 --> 00:07:17,504 御意。 69 00:07:17,504 --> 00:07:21,441 京都奉行!? そうじゃ! 奉行じゃ 奉行! 70 00:07:21,441 --> 00:07:25,245 信長様が このわしに お命じくださったのじゃ! 71 00:07:25,245 --> 00:07:30,750 おう やったじゃねえか 大将! (笑い声) 72 00:07:30,750 --> 00:07:35,088 で? その京都奉行っちゅうのは 何するんじゃ。 73 00:07:35,088 --> 00:07:37,757 それは…。 うん? 74 00:07:37,757 --> 00:07:40,794 小一郎 教えてやれ。 わしが知るわけなかろう。 75 00:07:40,794 --> 00:07:45,265 幕府の名の下 京の都を治め 民の訴えを裁き 商いの是非を定め➡ 76 00:07:45,265 --> 00:07:47,267 また公家との談判 寺社の取締り 更に…。 77 00:07:47,267 --> 00:07:50,136 待て 待て 待て 待て 覚え切れん。 知らずに引き受けたんか? 78 00:07:50,136 --> 00:07:56,276 当たり前じゃ! こんな大きなお役目を 断るたーけが どこにおる! 79 00:07:56,276 --> 00:08:00,080 丹羽殿や 明智殿とも一緒のお役目じゃぞ。 80 00:08:02,082 --> 00:08:05,952 (丹羽長秀)まさか お主と肩を並べる日が来るとはのう。 81 00:08:05,952 --> 00:08:09,923 今の手前があるのは 丹羽殿のおかげでござりまする。 82 00:08:09,923 --> 00:08:15,362 よいか。 評定においては きぜんとした振る舞いが肝心じゃ。 83 00:08:15,362 --> 00:08:19,065 まずは黙って わしのやり方を見ておれ。 84 00:08:19,065 --> 00:08:21,368 かしこまりました。 85 00:08:22,936 --> 00:08:29,376 我が寺の宝物や室礼の数々が 勝手に持ち出され➡ 86 00:08:29,376 --> 00:08:32,278 御所に飾られておりまする。 87 00:08:32,278 --> 00:08:35,181 至急 お返し願いたい。 88 00:08:35,181 --> 00:08:38,585 それはできぬ。 我が殿は➡ 89 00:08:38,585 --> 00:08:41,921 貴僧らが自ら進んで 差し出したものだと…。 90 00:08:41,921 --> 00:08:44,257 進んでなど とんでもない! 91 00:08:44,257 --> 00:08:48,128 脅され しかたなく差し出したまで。 92 00:08:48,128 --> 00:08:53,767 あれでは 盗人と同じじゃ。 仏罰が下りますぞ。 93 00:08:53,767 --> 00:08:59,406 では この件は改めて…。 黙らっしゃい! 94 00:08:59,406 --> 00:09:16,356 (読経) 95 00:09:16,356 --> 00:09:19,559 次の評定が控えておるゆえ➡ 96 00:09:19,559 --> 00:09:27,233 あとは この木下藤吉郎が 承りまする。 97 00:09:27,233 --> 00:09:29,536 丹羽殿! 98 00:09:31,104 --> 00:09:33,807 お待ちくだされ! 99 00:09:35,909 --> 00:09:42,382 この件については 私がじきじきに 公方様にお伝え申し上げます。 100 00:09:42,382 --> 00:09:46,920 おおっ 公方様に。 さすがは明智様じゃ。 101 00:09:46,920 --> 00:09:49,823 頼りにしておりますぞ。 102 00:09:49,823 --> 00:09:57,263 ♬~ 103 00:09:57,263 --> 00:10:02,402 木下藤吉郎秀吉様のお作。 104 00:10:02,402 --> 00:10:07,240 「春がすみ➡ 105 00:10:07,240 --> 00:10:13,947 分け入りて見む さくら花➡ 106 00:10:13,947 --> 00:10:26,960 風にはらはら 空にひらひら」。 107 00:10:26,960 --> 00:10:32,298 明智十兵衛光秀様のお作。 108 00:10:32,298 --> 00:10:37,804 「花もとめ➡ 109 00:10:37,804 --> 00:10:41,674 はるか山路を」…。 110 00:10:41,674 --> 00:10:49,816 「名残り香ぞある」。 111 00:10:49,816 --> 00:10:53,453 見事やなあ。 112 00:10:53,453 --> 00:10:57,657 さすがは明智殿や。 113 00:10:57,657 --> 00:11:02,262 ♬~ 114 00:11:02,262 --> 00:11:04,197 アリや アリ! オウ! 115 00:11:04,197 --> 00:11:07,767 アリや アリ! オウ…! 116 00:11:07,767 --> 00:11:09,702 アリ! 117 00:11:09,702 --> 00:11:13,640 フフッ! 木下殿。 今度落としゃったら➡ 118 00:11:13,640 --> 00:11:17,277 べべ脱いで 体に塗ることにしましょうぞ。 119 00:11:17,277 --> 00:11:20,613 い~ いややわあ。 120 00:11:20,613 --> 00:11:32,792 ♬~ 121 00:11:32,792 --> 00:11:38,665 災難でしたな。 あっ 先ほどは かたじけない。 122 00:11:38,665 --> 00:11:45,371 公家どもに 幕府方の者が侮られるのを 黙って見ているわけにはまいりません。 123 00:11:45,371 --> 00:11:48,274 すごいのう 明智殿は。 124 00:11:48,274 --> 00:11:53,179 何でも うまくやってのける。 わしも見習いたいものじゃ。 125 00:11:53,179 --> 00:11:57,650 私からすれば 木下殿の方が よほど すごい。 126 00:11:57,650 --> 00:12:00,153 わしが? 僅か10年足らずで➡ 127 00:12:00,153 --> 00:12:05,959 足軽から織田家の重臣にまでなられたと 聞きました。 大したお方じゃ。 128 00:12:05,959 --> 00:12:11,798 全て 信長様のおかげでござるよ。 129 00:12:11,798 --> 00:12:17,804  回想 (義昭)光秀。 あの2人 わしのものにできるか? 130 00:12:20,273 --> 00:12:24,611 しかし 京のしきたりや公家の相手は➡ 131 00:12:24,611 --> 00:12:28,948 木下殿には不得手と お見受けいたしました。 132 00:12:28,948 --> 00:12:34,153 織田殿も こたびばかりは 見誤られましたな。 133 00:12:35,822 --> 00:12:41,527 わしのような者の方が 皆 侮り 気を許すであろう。 134 00:12:41,527 --> 00:12:47,634 織田殿は あえて 木下殿に笑い者になれと? 135 00:12:47,634 --> 00:12:51,638 織田殿も 酷なお方じゃな。 136 00:12:53,306 --> 00:13:00,580 明智殿。 わしを思うて言うておられるなら 考え違いじゃ。 137 00:13:00,580 --> 00:13:06,586 信長様を悪く言う者は 誰であろうと許しませぬ。 138 00:13:11,257 --> 00:13:14,093 フッ 失礼いたした。 139 00:13:14,093 --> 00:13:18,398 いや こちらの方こそ つい。 140 00:13:18,398 --> 00:13:25,605 木下殿にとって織田殿は わしにとって公方様なのじゃな。 141 00:13:27,140 --> 00:13:33,413 私は かつて 生まれ育った明智の里を斎藤家に奪われ➡ 142 00:13:33,413 --> 00:13:36,282 民たちを守ることもできず➡ 143 00:13:36,282 --> 00:13:41,154 己だけ美濃から逃げ出した 情けない男なのだ。 144 00:13:41,154 --> 00:13:44,791 明智殿が…? 145 00:13:44,791 --> 00:13:49,629 私は たまたま明智の家に生まれ➡ 146 00:13:49,629 --> 00:13:52,665 たまたま家督を継いだだけの➡ 147 00:13:52,665 --> 00:13:56,502 ただ それだけの男だった。 148 00:13:56,502 --> 00:14:03,576 木下殿のように 己の力で 何かを成しえたわけでもない。 149 00:14:03,576 --> 00:14:08,247 何も成せず 何者にもなれぬまま➡ 150 00:14:08,247 --> 00:14:14,053 それから およそ10年 私は ずっと考えてきた。 151 00:14:15,755 --> 00:14:20,626 食うこともままならず 妻や娘に➡ 152 00:14:20,626 --> 00:14:26,399 惨めな思いをさせることしかできぬ ぶざまな己に➡ 153 00:14:26,399 --> 00:14:29,936 何の値打ちがあるのかと。 154 00:14:29,936 --> 00:14:35,408 私は 何のために生まれてきたのか➡ 155 00:14:35,408 --> 00:14:39,278 何のために生きているのかと…。 156 00:14:39,278 --> 00:14:45,151 考えることすら やめようとした そのころ➡ 157 00:14:45,151 --> 00:14:49,622 あのお方と出会うたのじゃ。 158 00:14:49,622 --> 00:14:52,959  回想 (義昭)お主も災難よのう。 159 00:14:52,959 --> 00:14:56,629 いくら身を寄せる朝倉からの命とはいえ➡ 160 00:14:56,629 --> 00:15:01,067 いきなり わしのようなお荷物を 担がされることになるとは。 161 00:15:01,067 --> 00:15:03,903 めっそうもないことでございます。 そのようなことは…。 162 00:15:03,903 --> 00:15:09,709 これも 御仏の巡り合わせだと わしは思うておる。 163 00:15:09,709 --> 00:15:15,515 わしの命は この時のためにあったのだと。 164 00:15:17,917 --> 00:15:22,422 わしのために 力を貸してくれ。 165 00:15:25,391 --> 00:15:31,597 私こそ… 今この時のために生きてきたのだと➡ 166 00:15:31,597 --> 00:15:34,934 そう思えた。 167 00:15:34,934 --> 00:15:39,772 公方様に救われたのじゃ。 168 00:15:39,772 --> 00:15:42,408 公方様をお支えし➡ 169 00:15:42,408 --> 00:15:48,114 幕府によって 世に静謐をもたらすことが➡ 170 00:15:48,114 --> 00:15:52,819 私の天命だと心得ておりまする。 171 00:15:56,823 --> 00:16:03,563 そのこと どうか 織田殿にもお伝えくだされ。 172 00:16:03,563 --> 00:16:08,067 しかと 承知しました。 173 00:16:08,067 --> 00:16:11,571 明智殿が そのような…。 174 00:16:11,571 --> 00:16:16,909 全ての力の源が 公方様のためであったとは…。 175 00:16:16,909 --> 00:16:20,580 胸が熱くなったわ。 176 00:16:20,580 --> 00:16:25,885 胸は熱くなったが 体は今日もヘトヘトじゃ。 177 00:16:30,590 --> 00:16:33,926 小一郎。 わしと代わってくれ。 178 00:16:33,926 --> 00:16:36,395 できるわけなかろう。 179 00:16:36,395 --> 00:16:41,267 わしも 御所の普請に加わった者への 恩賞の沙汰で手いっぱいじゃ。 180 00:16:41,267 --> 00:16:44,070 寧々に会いたいのう。 181 00:16:45,938 --> 00:16:50,142 ちょっと 街を見回ってくる。 182 00:16:51,744 --> 00:16:54,247 待て 兄者。 183 00:16:56,282 --> 00:17:00,152 おなごのところへ行くつもりじゃな? な… 何を言いだすんじゃ 急に。 184 00:17:00,152 --> 00:17:04,023 このところ 見回りと称して おなごの店に通っておると➡ 185 00:17:04,023 --> 00:17:07,560 家臣たちから聞いたぞ。 186 00:17:07,560 --> 00:17:10,897 ほんのちょっと英気を養うだけじゃ。 187 00:17:10,897 --> 00:17:14,233 さすれば また仕事にも 精を出せるというものじゃ。 188 00:17:14,233 --> 00:17:18,237 寧々殿には 何と申し開きするのじゃ。 言うわけなかろう! 189 00:17:18,237 --> 00:17:21,107 そうじゃ お前も一緒に来い。 190 00:17:21,107 --> 00:17:23,910 はあ!? わしは もう おなごはええ。 191 00:17:23,910 --> 00:17:27,613 そうやって この先も ずっと一人でおるつもりか? 192 00:17:30,082 --> 00:17:32,919 そうじゃ。 193 00:17:32,919 --> 00:17:35,955 なら勝手にせえ。 194 00:17:35,955 --> 00:17:39,392 じゃから 駄目じゃと申しておろう! 195 00:17:39,392 --> 00:17:43,596 (弥助)ほれ 万丸。 食うか? うまいぞ。 (万丸)アハハッ! 196 00:17:43,596 --> 00:17:45,932 ほれ ほれ ほれ。 あ~ん。 197 00:17:45,932 --> 00:17:47,867 う~ん! アハハハッ! 198 00:17:47,867 --> 00:17:51,604 お主には まだ早いわ。 199 00:17:51,604 --> 00:17:53,940 ⚟(まつ)京都奉行!? 200 00:17:53,940 --> 00:17:55,975 藤吉郎殿が!? 201 00:17:55,975 --> 00:17:58,411 (寧々)はい。 丹羽殿や➡ 202 00:17:58,411 --> 00:18:02,214 公家様にお仕えする明智殿と ご一緒のお役目らしくて。 203 00:18:02,214 --> 00:18:04,550 ますます忙しくなって➡ 204 00:18:04,550 --> 00:18:07,887 なかなか会えなくて さみしいとの文が 届きました。 205 00:18:07,887 --> 00:18:14,060 利家殿は いまだに馬廻衆だから 岐阜にいることが多くて 羨ましいこと。 206 00:18:14,060 --> 00:18:18,898 フフ… それはそれは ご出世おめでとうございます。 207 00:18:18,898 --> 00:18:24,370 それに比べて うちの旦那様は すっかりお殿様に気に入られてしまって➡ 208 00:18:24,370 --> 00:18:27,740 なかなか おそばを離れることを 許してもらえませぬ。 209 00:18:27,740 --> 00:18:34,380 口先だけで出世するようなお方と違って 本当にお強いから しかたないことね。 210 00:18:34,380 --> 00:18:38,584 いるのよねえ。 強さを過信して討ち死にしてしまうお方。 211 00:18:38,584 --> 00:18:41,087 ちょっと! 縁起でもないこと言わないでよ。 212 00:18:41,087 --> 00:18:43,990 (寧々)心配してるだけ。 (まつ)あなたの方こそ お気を付けなさい。 213 00:18:43,990 --> 00:18:48,260 殿方が京で長~いこと一人でいたら➡ 214 00:18:48,260 --> 00:18:51,764 そりゃあねえ。 んん…。 215 00:18:53,399 --> 00:18:56,769 (とも)あっ ごめん。 みんな食べてしまったわ。 216 00:18:56,769 --> 00:18:58,704 (まつ)えっ!? だって ほら➡ 217 00:18:58,704 --> 00:19:01,340 2人分だから おなかすいてしまって。 218 00:19:01,340 --> 00:19:05,878 3人分食べたじゃないの。 あら そうね。 ごめんなさい。 219 00:19:05,878 --> 00:19:08,347 これで また買ってきて。 220 00:19:08,347 --> 00:19:11,250 もう! ごめんなさい。 221 00:19:11,250 --> 00:19:14,053 フフフフフッ。 222 00:19:15,888 --> 00:19:19,558 案ずることないわよ。 藤吉郎は➡ 223 00:19:19,558 --> 00:19:24,063 寧々様のこと 誰よりも好いとる。 あほなことはせん。 224 00:19:24,063 --> 00:19:30,870 そうよね。 私という女房がいながら 女遊びなんてしませんよね。 225 00:19:34,240 --> 00:19:38,077 えっ。 遊びくらいは もしかして…。 226 00:19:38,077 --> 00:19:41,747 ええっ!? 嘘じゃ! 嘘じゃ 嘘じゃ。 227 00:19:41,747 --> 00:19:44,583 もし藤吉郎が 京女にうつつを抜かしていたら➡ 228 00:19:44,583 --> 00:19:49,455 私が これで串刺しにしてやるからね! 229 00:19:49,455 --> 00:19:51,924 ハハッ そうよね。 230 00:19:51,924 --> 00:19:56,095 お役目がお忙しくて そんなことしてる暇ありませんよね。 231 00:19:56,095 --> 00:19:59,932 小一郎さんもついていることだし 心配ない 心配ない…。 232 00:19:59,932 --> 00:20:01,967 そ~れ! そ~れ! そ~れ! 233 00:20:01,967 --> 00:20:04,103 (笑い声) 234 00:20:04,103 --> 00:20:06,772 嫌じゃ! 嫌じゃ! これだけは! 235 00:20:06,772 --> 00:20:12,645 小一郎~! 往生際が悪いぞ! 観念せい! ヘヘヘヘッ! 236 00:20:12,645 --> 00:20:17,450 ああ! こぼしてしもうたわ。 拭いてちょ~! 237 00:20:19,285 --> 00:20:23,789 寧々には ないしょじゃぞ。 言えるわけなかろう! 238 00:20:23,789 --> 00:20:27,626 どうじゃ? また好きなおなごが➡ 239 00:20:27,626 --> 00:20:29,662 欲しくなったのではないか? 痛っ。 240 00:20:29,662 --> 00:20:32,431 なっ? それとこれとは別じゃ! 241 00:20:32,431 --> 00:20:35,634 頑固じゃなあ。 ハハハッ。 242 00:20:35,634 --> 00:20:40,139 もしかして わしに気を遣って…。 243 00:20:40,139 --> 00:20:45,644 何じゃ やっと気付いたんか。 244 00:20:45,644 --> 00:20:49,815 そうに決まっておろう。 245 00:20:49,815 --> 00:20:54,120 自分が楽しみたかっただけじゃな。 246 00:20:55,988 --> 00:21:04,096 それから数か月 藤吉郎と小一郎は 京都奉行の仕事に追われました。 247 00:21:04,096 --> 00:21:09,268 更に 信長からの容赦ない出陣命令によって➡ 248 00:21:09,268 --> 00:21:12,271 但馬や伊勢での戦に赴き➡ 249 00:21:12,271 --> 00:21:19,578 まさに 息をつく暇もないほどの 怒とうの日々が過ぎていきました。 250 00:21:22,782 --> 00:21:36,795 (いびき) 251 00:21:36,795 --> 00:21:40,966 誰じゃ…。 わしは京都奉行の…。 252 00:21:40,966 --> 00:21:43,803 起きろ。 このたわけが。 253 00:21:43,803 --> 00:21:47,640 と! と と と 殿… 殿! 殿。 254 00:21:47,640 --> 00:21:50,676 なぜ ここに! 小一郎に吐かせたのじゃ。 255 00:21:50,676 --> 00:21:53,312 すぐに出立する。 支度せえ。 256 00:21:53,312 --> 00:21:55,314 出立!? 戦ですか!? 257 00:21:57,183 --> 00:21:59,685 大戦じゃ。 258 00:22:03,589 --> 00:22:05,591 あっ。 259 00:22:07,459 --> 00:22:10,362 おおきに。 260 00:22:10,362 --> 00:22:12,865 おおきに。 261 00:22:15,768 --> 00:22:20,105 (浅井長政)義兄上 ようおいでくださいました。 262 00:22:20,105 --> 00:22:24,777 うわさには聞いておったが よき城じゃのう。はっ。 263 00:22:24,777 --> 00:22:27,813 後で 隅々までご案内いたしまする。 264 00:22:27,813 --> 00:22:33,118 ここにおれば 市も安心じゃ。 はあ…。 265 00:22:33,118 --> 00:22:37,957 はて まだ来ぬか…。 見てまいります。 266 00:22:37,957 --> 00:22:49,969 ♬~ 267 00:22:49,969 --> 00:22:55,841 (市)ようこそおいでくださいました。 浅井長政が妻 市でござりまする。 268 00:22:55,841 --> 00:22:59,311 久しぶりじゃのう。 269 00:22:59,311 --> 00:23:02,214 はい 本当に。 270 00:23:02,214 --> 00:23:07,052 何じゃ その他人行儀な挨拶は。 随分 遅かったではないか。 271 00:23:07,052 --> 00:23:09,922 わざとでございます。 272 00:23:09,922 --> 00:23:12,758 浅井に嫁いでから今日まで➡ 273 00:23:12,758 --> 00:23:16,595 兄上は一度も 顔を見せてはくれませんでしたから。➡ 274 00:23:16,595 --> 00:23:21,467 文も何通もお送りしたのに いくら待っても一通も返事をくれませぬ。 275 00:23:21,467 --> 00:23:26,272 それに比べれば ほんのいっとき 待つくらい大したことはござりませぬ。 276 00:23:26,272 --> 00:23:31,777 これ 市。 義兄上にも事情がおありなのだ。 分かっておりまする。 277 00:23:31,777 --> 00:23:35,414 だから悔しゅうて…。 278 00:23:35,414 --> 00:23:39,285 茶々は いかがした。 奥におりまする。 279 00:23:39,285 --> 00:23:42,288 兄上を許す気になったら 連れてまいりまする。 280 00:23:42,288 --> 00:23:46,058 何を申しておるのだ。 わざわざお立ち寄りくださったのに。 281 00:23:46,058 --> 00:23:49,995 よいよい。 こう来るであろうと思って➡ 282 00:23:49,995 --> 00:23:53,299 これだけの祝儀の品を 持ってまいったのじゃ。 283 00:23:53,299 --> 00:23:55,801 こんなものでは だまされませぬ。 284 00:23:55,801 --> 00:23:59,972 物で釣ろうなどと浅はかな。 (物音) 285 00:23:59,972 --> 00:24:03,242 何じゃ? 286 00:24:03,242 --> 00:24:07,112 お市様~! ハハハハハッ! 287 00:24:07,112 --> 00:24:11,950 ご無沙汰しておりまする! ご無沙汰しておりまする! 288 00:24:11,950 --> 00:24:16,255 2匹のサルを捕まえてきた。 これで機嫌を直せ。 289 00:24:16,255 --> 00:24:21,393 これは… いい土産じゃ。 (笑い声) 290 00:24:21,393 --> 00:24:24,396 私の負けじゃ。 291 00:24:27,599 --> 00:24:30,936 だから言ったろう。 大戦じゃと。 292 00:24:30,936 --> 00:24:33,605 なかなかの強敵にございましたな。 293 00:24:33,605 --> 00:24:36,408 しかし 調略はうまくいったな。 (笑い声) 294 00:24:36,408 --> 00:24:38,944 驚かせて すまんかったのう。 あっ いえ。 295 00:24:38,944 --> 00:24:41,613 市のために かたじけない。 296 00:24:41,613 --> 00:24:45,617 (茶々の声) 297 00:24:51,957 --> 00:24:57,129 お待たせいたしました。 娘の茶々でございます。 298 00:24:57,129 --> 00:25:03,235 ♬~ 299 00:25:03,235 --> 00:25:07,239 さあ 義兄上 抱いてやってください。 300 00:25:08,907 --> 00:25:12,745 わしは… よい。 301 00:25:12,745 --> 00:25:15,781 赤子は どうも苦手なのじゃ。 302 00:25:15,781 --> 00:25:19,385 あ… 代わりに これを。➡ 303 00:25:19,385 --> 00:25:23,088 守り刀として授けよう。 304 00:25:23,088 --> 00:25:26,392 ありがとうございます。 兄上。 305 00:25:26,392 --> 00:25:28,327 あの…➡ 306 00:25:28,327 --> 00:25:31,764 わしに抱かせてもらっても よろしいかのう。 307 00:25:31,764 --> 00:25:34,400 兄者 わきまえんか。 308 00:25:34,400 --> 00:25:36,468 構わぬ。 309 00:25:36,468 --> 00:25:43,942 多くの者に抱かれた子は それだけ多くの者から慕われると聞く。 310 00:25:43,942 --> 00:25:45,878 さあ。 311 00:25:45,878 --> 00:25:48,614 わあ~ ハハハハハッ。 312 00:25:48,614 --> 00:25:52,418 なんと軽いのじゃ~。 313 00:25:52,418 --> 00:25:54,953 (泣き声) 314 00:25:54,953 --> 00:25:57,856 あ~ あ~ あ~ もう怖がっておるではないか。 315 00:25:57,856 --> 00:26:01,060 わしに代われ。 おい。 ハハハハハ…! 316 00:26:01,060 --> 00:26:06,231 これが 後の世に 豊臣家を創った者と➡ 317 00:26:06,231 --> 00:26:11,904 終わらせた者の 出会いでございました。 318 00:26:11,904 --> 00:26:14,807 すまぬ。 319 00:26:14,807 --> 00:26:20,112 茶々を抱いてやれなかった。 あ… いえ。 お気になさらず。 320 00:26:21,914 --> 00:26:25,217 抱けば あの子を穢してしまう。 321 00:26:26,785 --> 00:26:31,256 わしの手は 血で穢れておる。 322 00:26:31,256 --> 00:26:33,926 そんなことはござりませぬ。 323 00:26:33,926 --> 00:26:42,734 もし そうだとするなら 今の世に 穢れなき者などおりますまい。 324 00:26:44,403 --> 00:26:47,105 そなたがおる。 325 00:26:50,209 --> 00:26:52,778 (信長)市のために すまぬことをした。 326 00:26:52,778 --> 00:26:56,648 ああ これしき 大したことございませぬ。 327 00:26:56,648 --> 00:26:59,651 そなたの手は きれいじゃ。 328 00:26:59,651 --> 00:27:05,858 その手で 市と子を守ってやってくれ。 329 00:27:10,562 --> 00:27:12,764 はい。 330 00:27:17,436 --> 00:27:19,938 (遠藤直経)失礼いたしまする。 331 00:27:24,576 --> 00:27:27,079 何? 332 00:27:27,079 --> 00:27:31,750 今 大事なもてなしをしておる。 待つように伝えよ。 333 00:27:31,750 --> 00:27:34,386 しかし 大殿様が すぐに参れと。 334 00:27:34,386 --> 00:27:37,589 父上…。 はっ。わしのことは構わぬ。 335 00:27:37,589 --> 00:27:39,925 行かれよ。 336 00:27:39,925 --> 00:27:43,929 申し訳ございませぬ。 すぐ戻ります。 337 00:27:58,277 --> 00:28:01,179 (万福丸)母上! 338 00:28:01,179 --> 00:28:06,018 万福丸。 木下藤吉郎殿と 小一郎殿じゃ。 339 00:28:06,018 --> 00:28:09,721 万福丸でございます。 お初に御意を得まする。 340 00:28:09,721 --> 00:28:12,224 おお~ えらいのう。 341 00:28:12,224 --> 00:28:16,061 茶々のこと 見ていておくれ。 起こさないよう そっとね。 342 00:28:16,061 --> 00:28:18,363 はい 母上! 343 00:28:21,366 --> 00:28:23,902 浅井様のご嫡男にござりますか。 344 00:28:23,902 --> 00:28:27,739 そうじゃ。 殿に似て 優しい子じゃ。 345 00:28:27,739 --> 00:28:32,611 私のことを 本当の母のように慕ってくれておる。 346 00:28:32,611 --> 00:28:38,083 私も 本当の子と思うて育てておる。 347 00:28:38,083 --> 00:28:42,254 しかし お主ら 変わったのう。 348 00:28:42,254 --> 00:28:45,924 ちょっと見ぬうちに 京都奉行とは。 偉くなったものじゃ。 349 00:28:45,924 --> 00:28:49,795 それも全て 信長様のおかげでございます。 350 00:28:49,795 --> 00:28:53,265 お市様も お変わりになられました。 351 00:28:53,265 --> 00:28:55,200 老け込んだとでも言いたいのか? 352 00:28:55,200 --> 00:28:58,103 めっそうもない! その逆にございます。 353 00:28:58,103 --> 00:29:01,073 お美しくなられた。 おい! 小一郎。 354 00:29:01,073 --> 00:29:03,542 それは わしが言おうと 思っておったのに。ハハハハッ! 355 00:29:03,542 --> 00:29:07,412 この浅井の城で 私を口説くとは いい度胸じゃ。 356 00:29:07,412 --> 00:29:11,049 いや いや いや いや…! 本当のことを口にしたまでのこと。 357 00:29:11,049 --> 00:29:15,354 恐らく 浅井様がそうさせたのでは? 358 00:29:16,922 --> 00:29:20,225 そうかもしれぬな。 359 00:29:20,225 --> 00:29:25,897 殿や子供らといると 温かい気持ちになる。 360 00:29:25,897 --> 00:29:33,639 ずっと 兄上のために生きていくことしか 考えていなかった自分が嘘のようじゃ。 361 00:29:33,639 --> 00:29:39,144 人との巡り合わせには そういう力があるのやもしれぬな。 362 00:29:40,912 --> 00:29:42,948 お市様。 363 00:29:42,948 --> 00:29:46,785 それは のろけ話でござります。 364 00:29:46,785 --> 00:29:49,254 あ… ち 違う! 365 00:29:49,254 --> 00:29:55,761 全く。 さっきの言葉は取り消す。 そなたらは 少しも変わっておらん。 366 00:29:55,761 --> 00:29:59,631 (笑い声) なぜか つい余計なことまで話してしまう。 367 00:29:59,631 --> 00:30:04,770 もう 白紙の文は ご無用にございますね。 368 00:30:04,770 --> 00:30:07,673 そうじゃな。 369 00:30:07,673 --> 00:30:13,278 万福丸を 人質に差し出せと申すか。 370 00:30:13,278 --> 00:30:18,617 無論 我らは浅井殿のことを信じております。 371 00:30:18,617 --> 00:30:23,955 …が 長政殿が 信長の妹をめとられたからには➡ 372 00:30:23,955 --> 00:30:27,626 それ以上に 揺るぎなきつながりを➡ 373 00:30:27,626 --> 00:30:30,128 作らねばなりませぬ。 374 00:30:31,797 --> 00:30:36,134 (浅井久政)致し方あるまい。 父上。 375 00:30:36,134 --> 00:30:40,639 (久政)織田と手を組むとは こういうことじゃ。 376 00:30:40,639 --> 00:30:42,641 (障子が開く音) 377 00:30:44,309 --> 00:30:48,647 これは ご無礼を。 厠と間違えてしまいました。 378 00:30:48,647 --> 00:30:51,149 いくら何でも無礼であろう 織田殿。 379 00:30:51,149 --> 00:30:53,652 義兄上。 私がご案内いたします。 380 00:30:53,652 --> 00:30:56,455 朝倉殿のご家来か。 381 00:30:56,455 --> 00:30:58,990 ご無礼つかまつった。 382 00:30:58,990 --> 00:31:03,195 織田弾正忠信長でござる。 383 00:31:04,763 --> 00:31:08,567 朝倉景鏡と申す。 384 00:31:10,268 --> 00:31:16,408 これも何かの巡り合わせじゃ。 朝倉義景殿にお伝えくだされ。 385 00:31:16,408 --> 00:31:22,114 公方様は 朝倉義景殿が上洛するのを➡ 386 00:31:22,114 --> 00:31:27,119 首を長~うして待ちわびておると。 387 00:31:29,988 --> 00:31:33,825 邪魔をいたした。 我らは これで引き揚げる。 388 00:31:33,825 --> 00:31:36,428 厠は…。 うん? 389 00:31:36,428 --> 00:31:42,234 あっ 引っ込んでしもうたわ。 ハハハハハッ! 390 00:31:42,234 --> 00:31:44,536 失礼つかまつる。 391 00:31:49,007 --> 00:31:53,845 それで どうなったのじゃ。 そこで その大男が いきなり…。 392 00:31:53,845 --> 00:31:56,848 (足音) 引き揚げじゃ! 393 00:31:56,848 --> 00:31:59,151 朝倉に討たれたくなければ 急げ。 394 00:31:59,151 --> 00:32:02,387 市。 また会おう。 395 00:32:02,387 --> 00:32:05,757 この話の続きは また。 必ず しに参れ。 396 00:32:05,757 --> 00:32:09,594 私が忘れてしまわぬうちに。 承知しました。 397 00:32:09,594 --> 00:32:15,267 ♬~ 398 00:32:15,267 --> 00:32:22,774 藤吉郎と小一郎は 久しぶりに 岐阜へと帰ってまいりました。 399 00:32:22,774 --> 00:32:27,279 妙に懐かしい気分じゃのう。 ああ。 400 00:32:27,279 --> 00:32:30,182 おおっ あさひ! 今 帰ったぞ。 (あさひ)シ~ッ! 逃げて。 401 00:32:30,182 --> 00:32:32,951 寧々さんにばれてるよ 京でのこと。 402 00:32:32,951 --> 00:32:35,754 兄者 逃げろ! 403 00:32:37,622 --> 00:32:39,958 うお~! お帰りなさいませ。 404 00:32:39,958 --> 00:32:41,893 お寧々。 長らくのお勤め➡ 405 00:32:41,893 --> 00:32:44,296 ご苦労さまでございました。 406 00:32:44,296 --> 00:32:49,134 達者で何よりじゃ。 はい。 旦那様がお戻りになるのを➡ 407 00:32:49,134 --> 00:32:52,804 今か今かと 首を長うしてお待ちしておりました。 408 00:32:52,804 --> 00:32:55,440 さようか。 待たせてすまぬ。 409 00:32:55,440 --> 00:32:59,244 さっ 皆さんもお待ちかねですよ。 410 00:33:07,385 --> 00:33:10,922 行くしかなかろう。 411 00:33:10,922 --> 00:33:13,258 皆の衆~! 412 00:33:13,258 --> 00:33:17,596 (2人)帰ったぞ~! (甚助)小一郎さん お帰りなさいませ! 413 00:33:17,596 --> 00:33:20,265 お帰りなさいませ 兄様! おっか様! 414 00:33:20,265 --> 00:33:25,403 京都奉行 木下藤吉郎秀吉 ただいま帰りましたぞ! 415 00:33:25,403 --> 00:33:30,775 (なか)大きゅうなったねえ 2人とも。 いや 体つきは変わっとらんわ。 416 00:33:30,775 --> 00:33:33,411 そうかね? でも 私には そう見えるよ。 417 00:33:33,411 --> 00:33:38,116 あんたたち 大きゅうなった。 相変わらず ええかげんじゃのう。 418 00:33:38,116 --> 00:33:40,418 それも懐かしいじゃろ? おおっ! 419 00:33:40,418 --> 00:33:43,622 おおっ! この子が 小吉か! 420 00:33:43,622 --> 00:33:46,124 うわあ~! ハハハッ。 421 00:33:46,124 --> 00:33:50,795 利発そうな子じゃのう。 さすがは わしの甥っ子じゃあ。 422 00:33:50,795 --> 00:33:54,432 わしの息子ですから。やめろ。 お~! 万丸! 423 00:33:54,432 --> 00:33:57,302 (ふく)旦那様。 藤吉郎殿ですよ。 424 00:33:57,302 --> 00:34:02,140 おおっ! (浅野長勝)お~ 婿殿! ハハッ! 425 00:34:02,140 --> 00:34:05,377 出陣じゃ~! 426 00:34:05,377 --> 00:34:07,312 (笑い声) はい はい。 427 00:34:07,312 --> 00:34:09,247 (浅野長吉)藤吉郎殿。 おう! 428 00:34:09,247 --> 00:34:12,083 浅野長吉でござりまする。 おお~! 429 00:34:12,083 --> 00:34:16,922 そなたが。 お~ よきお方と めおとになったのう やや。 430 00:34:16,922 --> 00:34:20,258 (やや)はい。 姉上のように 気苦労はしたくありませんから。 431 00:34:20,258 --> 00:34:23,461 やや。 余計なことは言わなくていい。 432 00:34:26,398 --> 00:34:29,935 あっ そうじゃ! 皆に 土産を買うてきたぞ! 433 00:34:29,935 --> 00:34:32,270 うん! それそれ! 早く頂戴! 434 00:34:32,270 --> 00:34:36,274 そう 慌てるでない。 寧々 そなたの分もあるぞ。 435 00:34:39,044 --> 00:34:41,046 あ…。 436 00:34:43,281 --> 00:34:46,952 いろいろ大変そうですわね 藤吉郎様。 437 00:34:46,952 --> 00:34:51,756 もう 京から帰ってこないかと 思いましたわ。 フフフ…。 438 00:34:57,963 --> 00:35:01,566 何で お主らまでおるのじゃ。 439 00:35:01,566 --> 00:35:05,737 (前田利家)屋敷が隣だからと 寧々殿に呼ばれたのじゃ。 440 00:35:05,737 --> 00:35:09,574 まさか お主が わしのことを 寧々に…。 441 00:35:09,574 --> 00:35:12,577 (利家)わしは何も言うておらん。 442 00:35:14,245 --> 00:35:17,916 まつに言うただけじゃ。 同じことではないか! 443 00:35:17,916 --> 00:35:20,585 そもそも自業自得じゃろうが! うるさ~い! 444 00:35:20,585 --> 00:35:26,091 わしの方が偉いのじゃ! 対等に話すでない! 犬のくせに! 445 00:35:26,091 --> 00:35:28,994 あ~。 446 00:35:28,994 --> 00:35:31,896 ワン! ウキッ! ウキャ~! 447 00:35:31,896 --> 00:35:33,832 ワン ワン! ウキャキャキャ! 448 00:35:33,832 --> 00:35:35,800 ワン! ウキャ~! 449 00:35:35,800 --> 00:35:38,269 ワン! ワン ワン ワン! 450 00:35:38,269 --> 00:35:55,286 ♬~ 451 00:35:55,286 --> 00:35:58,289 京土産じゃ。 452 00:36:04,095 --> 00:36:10,235 ♬~ 453 00:36:10,235 --> 00:36:12,570 直…。 454 00:36:12,570 --> 00:36:16,441 ♬~ 455 00:36:16,441 --> 00:36:20,245 わしは…。 456 00:36:20,245 --> 00:36:27,452 (扉の開閉音) 457 00:36:44,102 --> 00:37:10,228 ♬~ 458 00:37:10,228 --> 00:37:13,064 すまぬ。 459 00:37:13,064 --> 00:37:15,733 ほんの出来心だったのじゃ。 460 00:37:15,733 --> 00:37:20,371 京のしきたりは わしには合わんでのう。 じゃから 京女も好きではない。 461 00:37:20,371 --> 00:37:24,375 ただの遊びじゃ! このとおりじゃ! 462 00:37:26,177 --> 00:37:28,480 許してちょ。 463 00:37:31,382 --> 00:37:33,585 はあ…。 464 00:37:38,756 --> 00:37:41,092 うん? 465 00:37:41,092 --> 00:37:43,595 毒薬です。 466 00:37:47,599 --> 00:37:52,403 先ほど あなたが飲んだお酒に 入れました。➡ 467 00:37:52,403 --> 00:37:57,942 あなたを殺して 私も死にます。 468 00:37:57,942 --> 00:38:01,913 バカなこと…! バカなことを申すな! 469 00:38:01,913 --> 00:38:05,350 (せきこみ) もうすぐ体がしびれてまいります。 470 00:38:05,350 --> 00:38:08,052 わしは死ぬんか!? 471 00:38:08,052 --> 00:38:10,555 (せきこみ) もう手遅れです。 472 00:38:10,555 --> 00:38:13,224 なんちゅうことを! ゲホゲホッ! 473 00:38:13,224 --> 00:38:17,028 (せきこみ) 474 00:38:24,369 --> 00:38:26,738 お主は死ぬな。 475 00:38:26,738 --> 00:38:31,609 わしは死んでも 自業自得じゃ。 じゃが お主は死ぬな! 476 00:38:31,609 --> 00:38:34,479 こんな わしのために死ぬな! 477 00:38:34,479 --> 00:38:37,248 頼む! 死なんでくれ! 478 00:38:37,248 --> 00:38:39,184 頼む! 479 00:38:39,184 --> 00:38:46,257 ♬~ 480 00:38:46,257 --> 00:38:48,760 嘘じゃ。 481 00:38:51,129 --> 00:38:54,132 毒なんか入れとらんわ。 482 00:38:57,402 --> 00:39:00,305 真か? 483 00:39:00,305 --> 00:39:02,540 何じゃ…。 484 00:39:02,540 --> 00:39:08,346 何じゃ。 何じゃ 脅かすでない。 485 00:39:08,346 --> 00:39:14,352 本当は そうしようと思ったけど できんかった。 486 00:39:16,221 --> 00:39:21,926 久しぶりに あなたの顔見たら…➡ 487 00:39:21,926 --> 00:39:24,929 できんかった…。 488 00:39:27,232 --> 00:39:30,235 寧々。 489 00:39:30,235 --> 00:39:33,238 本当に すまんかった。 490 00:39:35,740 --> 00:39:38,576 二度と女遊びは許しませぬ。 491 00:39:38,576 --> 00:39:42,247 誓う! 二度とせん! 492 00:39:42,247 --> 00:39:54,592 ♬~ 493 00:39:54,592 --> 00:39:57,495 でも…➡ 494 00:39:57,495 --> 00:40:00,932 遊びではなく➡ 495 00:40:00,932 --> 00:40:05,937 本当に よきおなごが現れたら…。 496 00:40:08,106 --> 00:40:12,410 その時は 致し方ありませぬ。 497 00:40:16,781 --> 00:40:22,287 私には 子は出来ぬやもしれませんから。 498 00:40:22,287 --> 00:40:31,629 ♬~ 499 00:40:31,629 --> 00:40:38,403 その時は どうぞ ご遠慮なく。 500 00:40:38,403 --> 00:40:47,979 ♬~ 501 00:40:47,979 --> 00:40:50,682 ええのじゃ。 502 00:40:53,785 --> 00:40:57,689 わしは そなたがおれば ええのじゃ。 503 00:40:57,689 --> 00:41:09,100 ♬~ 504 00:41:09,100 --> 00:41:11,903 ほら できたよ。 505 00:41:14,405 --> 00:41:17,275 いつも すまんのう。 506 00:41:17,275 --> 00:41:21,279 私には こんなことくらいしか できんからね。 507 00:41:24,148 --> 00:41:28,786 でも ず~っとはしてやれないよ。 508 00:41:28,786 --> 00:41:33,658 お直さんが生きててくれたらって 思ってるだろうけど➡ 509 00:41:33,658 --> 00:41:38,429 人の命は繕えないからね。 510 00:41:38,429 --> 00:41:41,966 (足音) うん。 511 00:41:41,966 --> 00:41:44,001 (甚助)殿がお呼びでございます。 512 00:41:44,001 --> 00:41:47,438 承知した。 では 兄者にも…。 あっ いえ。 513 00:41:47,438 --> 00:41:52,243 こたびは 小一郎さんだけと。 うん? 514 00:41:57,648 --> 00:42:00,618 殿。 御用と伺い 参りました。 515 00:42:00,618 --> 00:42:02,620 うむ。 516 00:42:02,620 --> 00:42:06,924 小一郎。 お主 嫁を取れ。 517 00:42:11,262 --> 00:42:14,132 これは主命である。 518 00:42:14,132 --> 00:42:17,135 安藤。 (安藤守就)はっ。➡ 519 00:42:17,135 --> 00:42:19,771 入ってまいれ。 520 00:42:19,771 --> 00:42:33,284 ♬~ 521 00:42:33,284 --> 00:42:36,954 わしの娘 慶でござる。 522 00:42:36,954 --> 00:42:54,238 ♬~