1 00:00:36,253 --> 00:00:39,039 (真尋)<兄 塚原新右衛門は➡ 2 00:00:39,039 --> 00:00:42,059 子供の頃 不思議な体験をしました> 3 00:00:42,059 --> 00:00:45,579 (物忌)そなたは いずれ 鹿島の太刀のために➡ 4 00:00:45,579 --> 00:00:49,416 その命を懸ける事となる。 5 00:00:49,416 --> 00:00:51,719 (景幹)我が名より 一字を与える。➡ 6 00:00:51,719 --> 00:00:54,889 塚原新右衛門高幹と名乗るがよい。 7 00:00:54,889 --> 00:00:59,260 (新右衛門)強い武芸者達と戦い 剣の腕を磨きとう存じまする。 8 00:00:59,260 --> 00:01:03,614 (備前守)鹿島の太刀の名を 世に広めるのじゃ。 9 00:01:03,614 --> 00:01:06,267 必ず ここに戻ってくる➡ 10 00:01:06,267 --> 00:01:09,904 鹿島の太刀とともに。 兄上。 11 00:01:09,904 --> 00:01:14,904 神の名を背負って 戦うのじゃ。 敗れるわけにはいかんの。 12 00:01:18,596 --> 00:01:20,581 (左門) あの坊さんが言ってたとおり➡ 13 00:01:20,581 --> 00:01:23,584 政が 行き届いているのでしょうな。 14 00:01:23,584 --> 00:01:26,587 城のほうにも行ってみるか? はい。 15 00:01:26,587 --> 00:01:30,574 「牧 元鬼なる者の 対戦相手を求めている。➡ 16 00:01:30,574 --> 00:01:33,260 腕に覚えのある者は 名乗り出よ」とあります。 17 00:01:33,260 --> 00:01:35,746 これは よい時に来合わせた。 18 00:01:35,746 --> 00:01:46,257 ♬~ (テーマ音楽) 19 00:01:46,257 --> 00:01:55,257 ♬~ 20 00:01:58,419 --> 00:02:58,919 ♬~ 21 00:03:16,580 --> 00:03:34,915 (太鼓の音) 22 00:03:34,915 --> 00:03:37,615 (奉行)おなりである。 23 00:04:00,257 --> 00:04:02,557 (奉行)面を上げよ。 24 00:04:07,931 --> 00:04:11,251 [ 心の声 ] ものものしさに のまれてはならぬ。➡ 25 00:04:11,251 --> 00:04:17,951 風を思え。 天を思え。 地を思え。 26 00:04:20,928 --> 00:04:24,932 [ 心の声 ] この勝負 勝たねばならぬ。 27 00:04:24,932 --> 00:04:26,917 (検分役)両名。 28 00:04:26,917 --> 00:04:31,588 ♬~ 29 00:04:31,588 --> 00:04:33,924 始め! 30 00:04:33,924 --> 00:04:39,913 常陸の国の住人 塚原新右衛門高幹➡ 31 00:04:39,913 --> 00:04:44,585 鹿島の太刀にて お相手つかまつる。 32 00:04:44,585 --> 00:04:50,924 大浮流 牧 元鬼。 33 00:04:50,924 --> 00:04:52,924 参る! 34 00:04:58,248 --> 00:05:31,582 ♬~ 35 00:05:31,582 --> 00:05:33,934 何だ? あの構えは。 36 00:05:33,934 --> 00:05:40,591 ♬~ 37 00:05:40,591 --> 00:05:44,912 (氏親)あの者は 鹿島の使い手との 触れ込みであったが➡ 38 00:05:44,912 --> 00:05:48,916 牧の勝ちは 決まったようなものですな。 39 00:05:48,916 --> 00:05:56,590 (宗瑞)さて。 勝負は 決するまで 分からんものですぞ。 40 00:05:56,590 --> 00:06:23,590 ♬~ 41 00:06:38,599 --> 00:06:40,899 (検分役)勝負あり! 42 00:06:52,262 --> 00:07:07,261 ♬~ 43 00:07:07,261 --> 00:07:09,561 (宗瑞)見事じゃ。 44 00:07:13,250 --> 00:07:16,854 一つ尋ねる。 45 00:07:16,854 --> 00:07:22,493 宙に跳んだ時に わしは 相討ちになると見た。 46 00:07:22,493 --> 00:07:27,231 何ゆえ そなたの打ち込みが 勝ったのじゃ? 47 00:07:27,231 --> 00:07:30,834 はっ! 牧殿と それがしは➡ 48 00:07:30,834 --> 00:07:35,172 その差なく 宙に跳びましてござりまする。 49 00:07:35,172 --> 00:07:39,426 なれど 迎え撃ったそれがしは 真上に跳び➡ 50 00:07:39,426 --> 00:07:42,779 牧殿は 前に向かって跳びました。 51 00:07:42,779 --> 00:07:53,857 ♬~ 52 00:07:53,857 --> 00:07:58,845 それゆえ それがしの高さが 僅かに勝ったのでござりましょう。 53 00:07:58,845 --> 00:08:01,248 牧殿は 変幻自在。 54 00:08:01,248 --> 00:08:04,084 どこにも 隙は ござりませんでした。 55 00:08:04,084 --> 00:08:08,572 が 鹿島の太刀は 決して敗れはいたしませぬ。 56 00:08:08,572 --> 00:08:11,592 (宗瑞)たいそうな自信じゃの。➡ 57 00:08:11,592 --> 00:08:16,246 鹿島の太刀は それほど強いか? 58 00:08:16,246 --> 00:08:22,085 はい。 神より授かり 父祖代々 鍛え上げた太刀にござりますれば。 59 00:08:22,085 --> 00:08:29,326 ならば そなた 我が家臣達に その太刀を教えてくれぬか? 60 00:08:29,326 --> 00:08:33,513 はっ? 剣術指南を頼む。➡ 61 00:08:33,513 --> 00:08:37,084 しばし 城下にとどまれ。 よいな? 62 00:08:37,084 --> 00:08:39,119 はっ! 63 00:08:39,119 --> 00:08:41,922 ♬~ 64 00:08:41,922 --> 00:08:48,245 <伊勢宗瑞様は 後に 北条早雲と呼ばれるお方で➡ 65 00:08:48,245 --> 00:08:53,917 このころ 関八州への進出を 図っておいででした> 66 00:08:53,917 --> 00:09:01,592 ♬~ 67 00:09:01,592 --> 00:09:05,596 (藤枝)旦那様 新右衛門は どうしているのです? 68 00:09:05,596 --> 00:09:07,914 左門は 何と 書き送ってきたのです? 69 00:09:07,914 --> 00:09:10,917 早う教えて下さりませ。 70 00:09:10,917 --> 00:09:12,919 (覚賢)ご城内の試合に勝ち➡ 71 00:09:12,919 --> 00:09:16,590 しばらくは 小田原の地に とどまる事になったそうだ。 72 00:09:16,590 --> 00:09:18,592 小田原? うん。 73 00:09:18,592 --> 00:09:21,778 箱根の麓にございますね。 うん。 74 00:09:21,778 --> 00:09:24,915 伊勢宗瑞殿の目に留まったと あれば➡ 75 00:09:24,915 --> 00:09:29,586 新右衛門の名も 関東一円に広まるであろう。 76 00:09:29,586 --> 00:09:33,256 ようございました。 77 00:09:33,256 --> 00:09:37,260 それなれば 思いのほか 早う 回国修行を終えて➡ 78 00:09:37,260 --> 00:09:39,579 戻って参るかもしれませぬ。 79 00:09:39,579 --> 00:09:42,582 跳び斬りにて 打ち勝ったか。 80 00:09:42,582 --> 00:09:47,254 ♬~ 81 00:09:47,254 --> 00:09:49,239 [ 回想 ] やあっ! 82 00:09:49,239 --> 00:09:52,339 もっと高う跳べ! はい! 83 00:09:54,594 --> 00:09:56,580 やあっ! 84 00:09:56,580 --> 00:10:02,052 高く跳ぶ力なれば 新右衛門は 誰にも負けぬ。 85 00:10:02,052 --> 00:10:12,679 ♬~ 86 00:10:12,679 --> 00:10:14,715 参ります。 87 00:10:14,715 --> 00:10:28,078 ♬~ 88 00:10:28,078 --> 00:10:31,448 では 始める! (家臣達)ははっ! 89 00:10:31,448 --> 00:10:34,484 ♬~ 90 00:10:34,484 --> 00:10:38,555 一の組太刀! 始め! 91 00:10:38,555 --> 00:10:54,055 ♬~ 92 00:11:14,541 --> 00:11:16,541 真尋。 93 00:11:19,045 --> 00:11:21,131 はい。 94 00:11:21,131 --> 00:11:24,151 時が来た。 えっ? 95 00:11:24,151 --> 00:11:26,820 新右衛門が動く。 96 00:11:26,820 --> 00:11:31,808 次なる場所に 導かれてゆく。 97 00:11:31,808 --> 00:11:36,580 兄は いずこへ参るのでしょうか? 98 00:11:36,580 --> 00:11:39,916 西へ向かう。 99 00:11:39,916 --> 00:11:42,516 西? 100 00:11:44,521 --> 00:11:46,723 京の都。 101 00:11:46,723 --> 00:11:54,564 <時は 永正5年。 前年には 管領 細川政元様が暗殺され➡ 102 00:11:54,564 --> 00:12:01,254 足利将軍の地位を巡って 都は 大きく揺れていました> 103 00:12:01,254 --> 00:12:08,361 ♬~ 104 00:12:08,361 --> 00:12:12,382 明日 出立するそうじゃの。 105 00:12:12,382 --> 00:12:16,253 はい。 海路にて まずは 桑名まで参り➡ 106 00:12:16,253 --> 00:12:18,922 それより 都に上ります。 うん。 107 00:12:18,922 --> 00:12:24,110 わしは そなたを 召し抱えたいと 思っておったのじゃがの。 108 00:12:24,110 --> 00:12:27,280 かたじけのう存じまする。 なれど➡ 109 00:12:27,280 --> 00:12:31,785 修行の旅の途中に ございますゆえ。 110 00:12:31,785 --> 00:12:35,121 のう 新右衛門。 はい。 111 00:12:35,121 --> 00:12:40,143 そなた なぜ 都に上がるのじゃ? 112 00:12:40,143 --> 00:12:46,466 強き相手と巡り会うて 戦ってみとうございます。 113 00:12:46,466 --> 00:12:49,586 戦うて 何とする? 114 00:12:49,586 --> 00:12:53,907 勝って 鹿島の名を 世に広めます。 115 00:12:53,907 --> 00:12:56,593 勝ち続けねばならんのか? 116 00:12:56,593 --> 00:12:59,596 はい。 勝たねば 死にますから。 117 00:12:59,596 --> 00:13:03,934 それが まことに 武芸者の道か? 118 00:13:03,934 --> 00:13:07,254 はっ? 119 00:13:07,254 --> 00:13:12,592 剣が 勝つためのものなら➡ 120 00:13:12,592 --> 00:13:18,582 そなたは 果てもなく 人を斬り続けねばならん。 121 00:13:18,582 --> 00:13:23,587 それは…。 勝ち続けるほかに 道はないのか? 122 00:13:23,587 --> 00:13:28,587 殺さずして 勝つ事はできぬのか? 123 00:13:39,586 --> 00:13:43,924 よい。 そなたは まだ 若い。 124 00:13:43,924 --> 00:13:47,594 答えを知ろうはずはない。 125 00:13:47,594 --> 00:13:49,913 恐れ入ってございます。 126 00:13:49,913 --> 00:13:55,252 まずは その目で 広い世界を見て参れ。➡ 127 00:13:55,252 --> 00:14:03,910 そして いつの日か わしの問いの 答えを見つける事ができたなら➡ 128 00:14:03,910 --> 00:14:07,581 戻って参れ。 129 00:14:07,581 --> 00:14:13,920 それまでは 堅固で暮らせよ。 130 00:14:13,920 --> 00:14:15,922 はっ! 131 00:14:15,922 --> 00:14:23,914 ♬~ 132 00:14:23,914 --> 00:14:25,932 のう 左門。 はい。 133 00:14:25,932 --> 00:14:27,918 俺は 昨夜から ずっと➡ 134 00:14:27,918 --> 00:14:31,254 伊勢宗瑞様のお言葉を 考えておったのだが➡ 135 00:14:31,254 --> 00:14:34,591 俺には よく分からぬ。 勝ち続け 生き続けなければ➡ 136 00:14:34,591 --> 00:14:38,595 鹿島にも帰れんではないか。 さようですな。 137 00:14:38,595 --> 00:14:43,917 されど お言葉は しばらく ここに しまっておく事としよう。 138 00:14:43,917 --> 00:14:45,919 宗瑞様がおっしゃるように➡ 139 00:14:45,919 --> 00:14:48,922 まずは 広い世界が見てみたい。 はい! 140 00:14:48,922 --> 00:14:54,911 ♬~ 141 00:14:54,911 --> 00:14:58,915 都には 諸国より つわものが集まっておろう。 142 00:14:58,915 --> 00:15:01,918 鹿島の神の名に懸けて 負けるわけにはいかぬ。 143 00:15:01,918 --> 00:15:04,254 はい。 144 00:15:04,254 --> 00:15:06,923 いざ 都へ! 145 00:15:06,923 --> 00:15:13,596 ♬~ 146 00:15:13,596 --> 00:15:18,918 <小田原から 海路を 桑名まで来た 兄の新右衛門が➡ 147 00:15:18,918 --> 00:15:23,256 鈴鹿の峠を越えて 都にたどりついたのは➡ 148 00:15:23,256 --> 00:15:27,260 永正5年 夏の初めの事でございました> 149 00:15:27,260 --> 00:15:29,579 あれが 都大路というわけですか。 150 00:15:29,579 --> 00:15:33,750 ここで しかるべき武芸者と戦えば 鹿島の太刀の名を➡ 151 00:15:33,750 --> 00:15:36,586 いよいよ高める事ができるな。 はい。 152 00:15:36,586 --> 00:15:40,590 腕が鳴るのう 左門! はい! 153 00:15:40,590 --> 00:15:42,575 (腹の鳴る音) 154 00:15:42,575 --> 00:15:45,912 いかん。 腕ではなく 腹が鳴った。 155 00:15:45,912 --> 00:15:49,912 町で あぶり餅でも食いますか。 うん。 156 00:16:11,588 --> 00:16:16,288 美しいものですな 都人は。 157 00:16:18,928 --> 00:16:22,932 (せきこみ) 158 00:16:22,932 --> 00:16:27,253 いかぬ。 このなりでは 田舎者と侮られましょうな。 159 00:16:27,253 --> 00:16:30,573 かまわぬ。 衣装比べではない。 腕比べに来ておるのじゃ。 160 00:16:30,573 --> 00:16:32,592 (せきこみ) 161 00:16:32,592 --> 00:16:34,577 「人材三分 装い七分」といって➡ 162 00:16:34,577 --> 00:16:36,596 人は 見た目で 決まるものなれば…。 163 00:16:36,596 --> 00:16:38,596 (女の悲鳴) 164 00:16:43,570 --> 00:16:46,923 おい 女 顔を拝ませろ! 165 00:16:46,923 --> 00:16:50,223 こら! うん! 166 00:16:52,595 --> 00:16:55,915 おお これは 上玉じゃ。 167 00:16:55,915 --> 00:16:58,918 (鹿乃)狼藉者! 無礼は許さぬぞ! 168 00:16:58,918 --> 00:17:01,218 (供侍)や~っ! 169 00:17:06,593 --> 00:17:09,579 去れ! 去らねば斬るぞ。 170 00:17:09,579 --> 00:17:11,579 何を こわっぱが! 171 00:17:13,917 --> 00:17:15,917 うっ! 172 00:17:19,589 --> 00:17:21,908 うわ~っ! 173 00:17:21,908 --> 00:17:23,908 あっ! 174 00:17:25,912 --> 00:17:30,612 おりゃ~っ! おりゃ~っ! 175 00:17:35,255 --> 00:17:38,258 おりゃ~っ! 176 00:17:38,258 --> 00:17:40,593 まだ やるか! うわ~っ! 177 00:17:40,593 --> 00:17:45,265 わっ! わわわっ…。 あ~っ! 178 00:17:45,265 --> 00:17:49,252 案外と 意気地がないものじゃ。 179 00:17:49,252 --> 00:17:53,923 おけがは ありませぬか? はい 無事でございます。 180 00:17:53,923 --> 00:17:58,261 刀も投げ出していったゆえ もう 襲ってはきますまい。 181 00:17:58,261 --> 00:18:00,261 ああ…。 182 00:18:02,582 --> 00:18:05,582 皆 大事ないか? 183 00:18:08,588 --> 00:18:10,888 血止めを。 184 00:18:13,259 --> 00:18:17,259 (侍女)お鹿乃様 お武家様達が。 185 00:18:21,918 --> 00:18:25,218 どちらのお方だろう? 186 00:18:27,907 --> 00:18:31,578 <応仁の大乱から およそ40年。➡ 187 00:18:31,578 --> 00:18:36,249 南北6里 東西4里といわれる 花の都は➡ 188 00:18:36,249 --> 00:18:42,249 打ち続く戦乱の跡が まだ 至る所に残っておりました> 189 00:18:51,581 --> 00:18:57,253 (男)豆腐 要りまへんか~。 (女)黒木 要りまへんか~。 190 00:18:57,253 --> 00:19:01,257 戦で荒れたとはいえ やはり 都は違ったもんですな。 191 00:19:01,257 --> 00:19:04,557 ああ 小田原より ずっと にぎやかじゃ。 192 00:19:06,246 --> 00:19:10,250 さて これから どうするか。 193 00:19:10,250 --> 00:19:14,921 こう 人も家も多くては どこを 訪ねてよいやら 分からんな。 194 00:19:14,921 --> 00:19:18,908 (鐘の音) 若 いかがなされた? 195 00:19:18,908 --> 00:19:21,911 いや 何でもない。 196 00:19:21,911 --> 00:19:29,586 ♬~ 197 00:19:29,586 --> 00:19:35,258 <ちょうど そのころ 兄のふるさと 鹿島の吉川家には➡ 198 00:19:35,258 --> 00:19:38,958 左門からの書状が 届いておりました> 199 00:19:41,931 --> 00:19:44,918 (備前守)新右衛門 とうとう 都に上ったか。 200 00:19:44,918 --> 00:19:47,587 (覚賢)さすがに そろそろ着く頃であろうか。 201 00:19:47,587 --> 00:19:52,575 「小田原での働き 見事であった」と 文をやらねばならぬな。➡ 202 00:19:52,575 --> 00:19:55,261 小田原での一戦が評判を呼んで➡ 203 00:19:55,261 --> 00:20:00,583 他国から 鹿島の太刀を学びに来る 者が 日に日に増えて 参った。 204 00:20:00,583 --> 00:20:05,255 鹿島の太刀とともに ご神徳を広めんとする志➡ 205 00:20:05,255 --> 00:20:08,258 まずは 上々の滑り出しよ。 206 00:20:08,258 --> 00:20:10,260 (鐘の音) 207 00:20:10,260 --> 00:20:12,262 (2人)大内様のご家中? 208 00:20:12,262 --> 00:20:15,915 (使い番)昨日 清水寺参道にて お助け頂いたのは➡ 209 00:20:15,915 --> 00:20:19,919 鹿乃殿と申しまして 大内家京屋敷を預かるご重役➡ 210 00:20:19,919 --> 00:20:22,922 平賀丹後守様の ご息女にございます。 211 00:20:22,922 --> 00:20:25,591 [ 回想 ] 狼藉者! 無礼は許さぬぞ。 212 00:20:25,591 --> 00:20:28,244 あのお方が…。 213 00:20:28,244 --> 00:20:32,248 しかし 妙ですね。 なぜ 我らが ここに居ると知れたのでしょう? 214 00:20:32,248 --> 00:20:36,548 まずは 屋敷まで ご同道 願わしゅう存じまする。 215 00:20:38,588 --> 00:20:43,593 ♬~ 216 00:20:43,593 --> 00:20:48,915 <大内家は 中国 北九州地方に領国を持つ➡ 217 00:20:48,915 --> 00:20:52,919 有力な守護大名です> 218 00:20:52,919 --> 00:20:57,590 (平賀丹後守)おう! よう見えられた。 219 00:20:57,590 --> 00:21:02,245 そこもとが 塚原殿か? はっ! 220 00:21:02,245 --> 00:21:06,582 娘の危ういところを よう救って下された。➡ 221 00:21:06,582 --> 00:21:09,919 呼びつけてすまぬが ひと言 礼を言いとうての。 222 00:21:09,919 --> 00:21:11,904 (鹿乃)ありがとう存じました。 223 00:21:11,904 --> 00:21:16,926 おかげさまで 事なきを得ました。 いえ 礼などは…。 224 00:21:16,926 --> 00:21:20,246 (丹後)娘は 寺参りの途中を襲われての。 225 00:21:20,246 --> 00:21:22,915 昼日中から 賊が出るとは! 226 00:21:22,915 --> 00:21:27,587 う~ん さても 恐ろしき世の中よ。 ハハハ…。 227 00:21:27,587 --> 00:21:30,923 あの… 一つ お尋ね申しまするが➡ 228 00:21:30,923 --> 00:21:34,594 なぜ 我らの宿が お分かりになったのでしょう? 229 00:21:34,594 --> 00:21:39,265 後より もう1人 従者が参っておりまして➡ 230 00:21:39,265 --> 00:21:42,251 その者に お後を追うよう 命じたのでございます。 231 00:21:42,251 --> 00:21:47,590 はあ 後をつけられてる気が したのは そのせいでしたか。 232 00:21:47,590 --> 00:21:50,076 尾行に 気付いていたと? 233 00:21:50,076 --> 00:21:52,929 姿は見えませんでしたが 何やら 気配が。 234 00:21:52,929 --> 00:21:58,584 う~ん 後をつけていたのは 当家に仕える忍びじゃ。 235 00:21:58,584 --> 00:22:03,906 きゃつめの気配に気付くとは さすがは 鹿島の太刀の使い手。 236 00:22:03,906 --> 00:22:07,577 それがしが 鹿島の者という事も ご存じで? 237 00:22:07,577 --> 00:22:09,929 うん。➡ 238 00:22:09,929 --> 00:22:13,266 そろそろ 膳の支度をせい。 (鹿乃)かしこまりました。 239 00:22:13,266 --> 00:22:16,266 (丹後)まず 酒がよかろう。 240 00:22:21,591 --> 00:22:23,910 (丹後)ゆるりとしていかれよ。 241 00:22:23,910 --> 00:22:27,263 娘の恩人に 心ばかりの礼がしたい。 242 00:22:27,263 --> 00:22:29,582 さほどの働きではございませぬ。 243 00:22:29,582 --> 00:22:32,585 相手は 剣の心得のない 足軽どもでしたゆえ。 244 00:22:32,585 --> 00:22:37,256 (丹後)実は 当家では 強い武芸者を探しておる。 245 00:22:37,256 --> 00:22:40,927 御前試合で 一番になれる使い手をな。 246 00:22:40,927 --> 00:22:42,912 御前試合? 247 00:22:42,912 --> 00:22:47,917 将軍 足利義尹様に ご覧に供する試合じゃ。➡ 248 00:22:47,917 --> 00:22:53,256 昨年 管領 細川政元様が 殺されたのは 存じておろう? 249 00:22:53,256 --> 00:22:59,579 お子がなかった政元様は 養子を 3人もお取りになられた。 250 00:22:59,579 --> 00:23:02,582 これが 間違いのもとだ。 251 00:23:02,582 --> 00:23:05,268 家督を巡る争いが起き➡ 252 00:23:05,268 --> 00:23:10,923 政元様は暗殺され 都は 戦の地となった。 253 00:23:10,923 --> 00:23:16,579 その争いの中 ご養子のお一人 細川高国様が➡ 254 00:23:16,579 --> 00:23:21,934 我が殿 大内義興様と 手を組まれたのじゃ。➡ 255 00:23:21,934 --> 00:23:24,253 先の将軍 義尹様が➡ 256 00:23:24,253 --> 00:23:28,591 我が殿が守護する周防に 身を寄せておられたのでな。 257 00:23:28,591 --> 00:23:33,579 義尹様は 近く 上洛され 将軍職に返り咲き➡ 258 00:23:33,579 --> 00:23:39,252 高国様は 管領に 我が殿は 管領代に任ぜられる。 259 00:23:39,252 --> 00:23:45,591 その祝いの席で 兵法試合が 開かれる事と相なった。 260 00:23:45,591 --> 00:23:51,581 それで それがしに 御前試合に出よと仰せですか? 261 00:23:51,581 --> 00:23:55,918 諸侯が抱える剣客が集う試合。 262 00:23:55,918 --> 00:23:59,618 大内家は 負けるわけにはいかぬ。 263 00:24:01,240 --> 00:24:04,577 いかがであろう? 塚原殿。 264 00:24:04,577 --> 00:24:11,584 しばし 当家にとどまり 御前試合を戦うてはくれぬか?➡ 265 00:24:11,584 --> 00:24:15,584 兵法天下一を決める試合。 266 00:24:17,256 --> 00:24:19,592 いかがじゃ? 267 00:24:19,592 --> 00:24:23,596 兵法天下一。 268 00:24:23,596 --> 00:24:32,296 ♬~ 269 00:24:34,574 --> 00:24:39,245 鹿乃 塚原殿の世話を頼むぞ。 270 00:24:39,245 --> 00:24:41,581 あのなりは いかん。 271 00:24:41,581 --> 00:24:46,919 いま少し 都風に整えねば 殿のお気には入るまい。 272 00:24:46,919 --> 00:24:48,919 はい。 273 00:25:02,919 --> 00:25:08,574 京八流というのは 鹿島の太刀に 比べて 動きが多いな。 274 00:25:08,574 --> 00:25:11,260 いや 無駄なようでも➡ 275 00:25:11,260 --> 00:25:16,916 戦場では この動きが 存外 役に立つのかもしれぬ。 276 00:25:16,916 --> 00:25:19,919 のう? 277 00:25:19,919 --> 00:25:22,255 のう? 左門! ああ…。 278 00:25:22,255 --> 00:25:24,924 うるそうて 書き損じて しもうたではありませぬか! 279 00:25:24,924 --> 00:25:26,909 何を そんなに慌てておる? 280 00:25:26,909 --> 00:25:31,597 御前試合の事 少しも早く 鹿島に知らせようとしてるのです。 281 00:25:31,597 --> 00:25:34,584 御前試合か。 名だたる剣豪が➡ 282 00:25:34,584 --> 00:25:37,920 さぞや 大勢 集まるであろうな。 はい! 283 00:25:37,920 --> 00:25:41,591 勝てば 鹿島の太刀の名は 一気に上がるな。 284 00:25:41,591 --> 00:25:44,243 さようでございますとも! 天下一でございます! 285 00:25:44,243 --> 00:25:46,262 天下一! 天下一。 286 00:25:46,262 --> 00:25:48,247 天下一! 天下一! 287 00:25:48,247 --> 00:25:50,583 よし 左門! 庭先を借りて 一太刀じゃ! はい! 288 00:25:50,583 --> 00:25:54,920 <こうして 思わぬ成り行きで 兄 新右衛門達は➡ 289 00:25:54,920 --> 00:25:58,220 大内家に 寄宿する身となったのです> 290 00:26:17,910 --> 00:26:19,929 (物忌)真尋。 291 00:26:19,929 --> 00:26:21,929 はい。 292 00:26:25,918 --> 00:26:30,618 (物忌)新右衛門に それを。 293 00:26:35,578 --> 00:26:39,248 息災のお守り。 294 00:26:39,248 --> 00:26:42,918 兄の身に 何か? 295 00:26:42,918 --> 00:26:48,257 なに 身の用心じゃ。 296 00:26:48,257 --> 00:26:53,596 文に入れて 都へ送ってやれ。 297 00:26:53,596 --> 00:26:56,916 はい。 298 00:26:56,916 --> 00:27:07,243 ♬~ 299 00:27:07,243 --> 00:27:13,249 <足利義尹様が 大内様の 軍勢とともに上洛されたのは➡ 300 00:27:13,249 --> 00:27:18,587 それからほどない祇園祭り 宵山の日でございました> 301 00:27:18,587 --> 00:27:25,261 ♬~ 302 00:27:25,261 --> 00:27:27,246 誰か居るか? (家臣)はっ! 303 00:27:27,246 --> 00:27:32,251 塚原殿を呼べ! 塚原殿を! 塚原殿は居るか!?➡ 304 00:27:32,251 --> 00:27:35,921 御前試合が 7日の後と決まった。 305 00:27:35,921 --> 00:27:40,576 場所は 清水寺境内。 刻限は 巳の下刻じゃ。 306 00:27:40,576 --> 00:27:44,580 かしこまりました。 試合は 勝ち抜き戦にござりましょうか? 307 00:27:44,580 --> 00:27:48,918 それが 1試合のみ。 えっ? 308 00:27:48,918 --> 00:27:52,922 塚原殿と相手との一番勝負じゃ。 309 00:27:52,922 --> 00:27:56,926 兵法者が一堂に会しての試合では ござりませぬのか? 310 00:27:56,926 --> 00:28:02,581 う~ん… それがの 管領様が 今日…。 311 00:28:02,581 --> 00:28:08,587 (細川高国)当家お抱えの剣士 大野秀孝は 海内無双の使い手。 312 00:28:08,587 --> 00:28:12,591 試合の結果は 決まったような ものにござりまする。 313 00:28:12,591 --> 00:28:15,911 (丹後)…と 公方様の前で 仰せられての。 なんと…。 314 00:28:15,911 --> 00:28:17,913 (丹後)それを聞いた我が殿が…。 315 00:28:17,913 --> 00:28:23,919 (大内義興)当代随一の使い手は 当家に居りまする。 316 00:28:23,919 --> 00:28:26,255 (丹後)…と 言い返された。 317 00:28:26,255 --> 00:28:30,926 それで かたや 海内無双 こなた 当代随一。 318 00:28:30,926 --> 00:28:34,580 大内家と細川家の一騎打ちと 相なった。 319 00:28:34,580 --> 00:28:38,584 大野秀孝と申す者は いかなる 使い手でございましょう? 320 00:28:38,584 --> 00:28:40,920 鞍馬流よ。 321 00:28:40,920 --> 00:28:45,574 これまで 20度 立ち合い 全て 一撃で打ち勝ったと聞く。 322 00:28:45,574 --> 00:28:49,245 して 得物は 何を? 323 00:28:49,245 --> 00:28:55,584 管領様より 「是非にも 真剣で」とのお申し出なのだが➡ 324 00:28:55,584 --> 00:28:57,920 いかがじゃ? 325 00:28:57,920 --> 00:28:59,922 真剣…。 承知しました。 326 00:28:59,922 --> 00:29:03,592 海内無双。 相手に不足はござりませぬ。 327 00:29:03,592 --> 00:29:07,930 できた! さすが 塚原殿。 よい覚悟。 328 00:29:07,930 --> 00:29:11,250 その勝負 勝ってくれるであろうな? 329 00:29:11,250 --> 00:29:14,920 はい! 必ずや。 330 00:29:14,920 --> 00:29:19,909 ♬~ 331 00:29:19,909 --> 00:29:24,909 <ところが 試合の日が近づくにつれ…> 332 00:29:32,254 --> 00:29:35,591 左門。 はっ。 333 00:29:35,591 --> 00:29:37,910 いよいよ 2日後じゃ。 334 00:29:37,910 --> 00:29:39,929 はい。 335 00:29:39,929 --> 00:29:42,598 かねて 念願の時が来た。 336 00:29:42,598 --> 00:29:47,253 勝てば 鹿島の名は 天下にとどろく。 337 00:29:47,253 --> 00:29:49,253 さようですな。 338 00:29:50,906 --> 00:29:53,259 暑いの。 339 00:29:53,259 --> 00:29:57,580 都の夏は いつまでも暑くて たまらぬ。 340 00:29:57,580 --> 00:30:03,080 せめて 鹿島の潮風が聞けたら…。 341 00:30:04,920 --> 00:30:21,921 ♬~ 342 00:30:21,921 --> 00:30:35,921 (風の音) 343 00:30:44,593 --> 00:30:48,593 おかしい。 妙に 体が重い。 344 00:30:50,583 --> 00:30:53,252 ひるんでるのか 俺は? 345 00:30:53,252 --> 00:30:55,571 塚原様! 346 00:30:55,571 --> 00:30:59,091 あっ。 父より 申しつかり➡ 347 00:30:59,091 --> 00:31:01,594 御前試合の装束を お届けに参りました。 348 00:31:01,594 --> 00:31:03,594 これは かたじけない。 349 00:31:11,253 --> 00:31:16,575 こたびの試合 真剣で 戦われると伺いましたが…? 350 00:31:16,575 --> 00:31:18,928 はい そう決まりました。 351 00:31:18,928 --> 00:31:23,582 それでは 命のやり取りでは ありませぬか。 352 00:31:23,582 --> 00:31:26,251 武芸の試合とは そういうものです。 353 00:31:26,251 --> 00:31:29,571 もとより 命を捨ててかかる。 354 00:31:29,571 --> 00:31:35,928 習い覚えた技を出し切り 必死に 打ち掛かって 相手を斬り倒す。 355 00:31:35,928 --> 00:31:39,932 武芸の道は ただ それのみ。 356 00:31:39,932 --> 00:31:43,919 腕比べだというのに…。 えっ? 357 00:31:43,919 --> 00:31:47,256 御前で披露する 腕比べではありませぬか! 358 00:31:47,256 --> 00:31:50,556 命を懸けて 何になるのでしょう!? 359 00:31:53,912 --> 00:31:58,584 鹿乃殿が 口を出す事では ございません! 360 00:31:58,584 --> 00:32:00,586 ごめん。 361 00:32:00,586 --> 00:32:12,581 ♬~ 362 00:32:12,581 --> 00:32:18,587 なれど 死ぬのはつまらぬ。 363 00:32:18,587 --> 00:32:22,241 [ 回想 ] (男)鹿乃! (女)鹿乃 逃げるのです! 364 00:32:22,241 --> 00:32:27,262 ♬~ 365 00:32:27,262 --> 00:32:29,581 (鹿乃)かか様。 366 00:32:29,581 --> 00:32:37,923 ♬~ 367 00:32:37,923 --> 00:32:40,592 とと様! 368 00:32:40,592 --> 00:32:50,919 ♬~ 369 00:32:50,919 --> 00:32:52,921 何なんだ!? あの人は! 370 00:32:52,921 --> 00:32:54,923 人が命を懸けた試合を➡ 371 00:32:54,923 --> 00:32:59,223 童の遊びか何かのように 腕比べなどと! 372 00:33:00,913 --> 00:33:05,601 腕比べは 腕比べか。 373 00:33:05,601 --> 00:33:07,920 何やってんだ 俺は。 374 00:33:07,920 --> 00:33:11,590 (町衆)♬「ハイヤー ハァ」 375 00:33:11,590 --> 00:33:16,578 ♬~ 376 00:33:16,578 --> 00:33:19,581 ♬「さても」 何だ? あれは。 377 00:33:19,581 --> 00:33:28,257 ♬「堺の湯の川で ハァ」 378 00:33:28,257 --> 00:33:34,246 ♬「贅を尽くして ハァ」 379 00:33:34,246 --> 00:33:42,921 ♬「井戸を掘る ハイヤー ハァ」 380 00:33:42,921 --> 00:33:52,581 ♬「十七姫御が 金くんで」 381 00:33:52,581 --> 00:33:54,583 鹿乃殿。 382 00:33:54,583 --> 00:34:00,255 ♬「白銀釣瓶に ハァ」 383 00:34:00,255 --> 00:34:04,576 ♬「黄金桶 ハイヤー」 384 00:34:04,576 --> 00:34:08,247 これは 何というお祭りですか? 385 00:34:08,247 --> 00:34:12,251 風流です 風流踊り。 386 00:34:12,251 --> 00:34:14,253 風流? 387 00:34:14,253 --> 00:34:21,260 疫病がはやらぬよう 災いが起きぬよう祈る踊りです。 388 00:34:21,260 --> 00:34:23,560 祈りの踊り。 389 00:34:25,914 --> 00:34:29,918 私のふるさと 鹿島も 祭りの多いところです。 390 00:34:29,918 --> 00:34:37,593 春祭りでは ちょうど このように 皆が歌い 踊ります。 391 00:34:37,593 --> 00:34:40,245 懐かしいな。 392 00:34:40,245 --> 00:34:47,920 ♬~ 393 00:34:47,920 --> 00:34:49,922 俺もか? 394 00:34:49,922 --> 00:34:52,574 ♬~ 395 00:34:52,574 --> 00:34:54,927 鹿乃殿も。 396 00:34:54,927 --> 00:35:11,593 ♬~ 397 00:35:11,593 --> 00:35:14,580 若! 何をしているのです!? 398 00:35:14,580 --> 00:35:18,250 お戻りが遅いゆえ おお 左門。 捜しに来てみれば。 399 00:35:18,250 --> 00:35:22,254 いいものじゃ 町衆の踊りは。 そなたも 踊ってみよ。 400 00:35:22,254 --> 00:35:24,554 それがしは 結構! 401 00:35:26,258 --> 00:35:28,243 のう 左門。 はあ。 402 00:35:28,243 --> 00:35:32,598 俺は いつの間にか 思い詰めていたようじゃ。 はっ? 403 00:35:32,598 --> 00:35:36,251 勝とう。 勝たねばならぬ。 404 00:35:36,251 --> 00:35:39,588 試合が決まってから その事ばかり考えておった。 405 00:35:39,588 --> 00:35:43,926 だが 思い詰めては 心が硬くなる。 406 00:35:43,926 --> 00:35:47,579 心が硬くなっては 身が縛られる。 407 00:35:47,579 --> 00:35:51,250 若。 ただ伸びやかに➡ 408 00:35:51,250 --> 00:35:55,587 己の剣を振るえば それでよいのじゃ。 409 00:35:55,587 --> 00:36:00,592 ♬~ 410 00:36:00,592 --> 00:36:03,245 左門様 こちらへ。 411 00:36:03,245 --> 00:36:06,915 左門! ほれ! 412 00:36:06,915 --> 00:36:14,923 ♬~ 413 00:36:14,923 --> 00:36:18,923 (鹿乃)お上手ですね。 そうか? 414 00:36:20,596 --> 00:36:23,582 おお 楽しいの おお! 415 00:36:23,582 --> 00:36:26,919 ♬~ 416 00:36:26,919 --> 00:36:30,219 (太鼓の音) 417 00:36:37,596 --> 00:36:39,896 (検分役)面を上げよ。 418 00:36:41,600 --> 00:36:49,258 (足利義尹)あの者が 海内無双か。 なるほど 強そうや。 419 00:36:49,258 --> 00:36:51,593 これまで 20度 立ち合い➡ 420 00:36:51,593 --> 00:36:56,915 今まで 身に一つも 傷を負うておりませぬ。 421 00:36:56,915 --> 00:37:04,256 管領代抱えのほうは まだ 若いな。 422 00:37:04,256 --> 00:37:09,911 若年なれど 東国屈指の 太刀の使い手にございます。 423 00:37:09,911 --> 00:37:14,583 (義尹)どっちが勝つか➡ 424 00:37:14,583 --> 00:37:17,283 楽しみじゃの。 425 00:37:18,920 --> 00:37:20,920 (検分役)両名! 426 00:37:25,243 --> 00:37:28,580 (検分役)しからば 勝負 始め! 427 00:37:28,580 --> 00:37:36,588 塚原新右衛門高幹 鹿島の太刀にて 見参つかまつる! 428 00:37:36,588 --> 00:37:42,594 鞍馬流 大野秀孝 いざ 参る! 429 00:37:42,594 --> 00:37:46,932 ♬~ 430 00:37:46,932 --> 00:37:48,917 お~っ! 431 00:37:48,917 --> 00:37:51,920 ♬~ 432 00:37:51,920 --> 00:37:53,922 お~っ! 433 00:37:53,922 --> 00:37:59,928 ♬~ 434 00:37:59,928 --> 00:38:03,582 [ 心の声 ] 京八流の手で誘うつもりじゃ。 435 00:38:03,582 --> 00:38:06,585 [ 心の声 ] 動かぬ。 岩のようじゃ。➡ 436 00:38:06,585 --> 00:38:10,589 岩を動かすには いかがすればよい? 437 00:38:10,589 --> 00:38:21,933 ♬~ 438 00:38:21,933 --> 00:38:23,919 危ない! 439 00:38:23,919 --> 00:38:54,583 ♬~ 440 00:38:54,583 --> 00:38:59,571 [ 心の声 ] 重い! この男の剣 斬り潰されるようじゃ。 441 00:38:59,571 --> 00:39:12,918 ♬~ 442 00:39:12,918 --> 00:39:14,920 若! 443 00:39:14,920 --> 00:39:27,916 ♬~ 444 00:39:27,916 --> 00:39:30,919 [ 心の声 ] 虚実に惑わされるな。➡ 445 00:39:30,919 --> 00:39:37,576 風を思え。 天を思え。 地を思え。 446 00:39:37,576 --> 00:39:59,076 ♬~ 447 00:40:06,254 --> 00:40:10,254 [ 心の声 ] ただ 心を伸びやかに。 448 00:40:12,577 --> 00:40:32,914 ♬~ 449 00:40:32,914 --> 00:40:36,268 そりゃっ! 450 00:40:36,268 --> 00:40:38,920 お~っ! 451 00:40:38,920 --> 00:40:42,908 鹿島じゃ。 鹿島の太刀に誘い込んだぞ。 452 00:40:42,908 --> 00:40:48,930 ♬~ 453 00:40:48,930 --> 00:40:51,583 舞でも舞ってるようじゃ。 454 00:40:51,583 --> 00:41:43,919 ♬~ 455 00:41:43,919 --> 00:41:47,589 死んだか あの者。 456 00:41:47,589 --> 00:41:51,259 海内無双や なかったんやな。 457 00:41:51,259 --> 00:42:04,559 ♬~ 458 00:42:06,241 --> 00:42:08,577 ♬~ 459 00:42:08,577 --> 00:42:13,248 公方様のお命を狙うとは なんと大胆な…。 460 00:42:13,248 --> 00:42:16,585 こたびの一件は 大内家の一大事。➡ 461 00:42:16,585 --> 00:42:19,254 刺客を討ち取ってはくれぬか? 462 00:42:19,254 --> 00:42:23,241 (物忌)新右衛門は 幾度も 神の試練に あうであろう。 463 00:42:23,241 --> 00:42:26,578 戦い続けられるのですか? それが 定めならば。 464 00:42:26,578 --> 00:42:30,578 決して死なぬと お約束して下さいませ。 465 00:42:32,584 --> 00:42:37,589 ♬~ 466 00:42:37,589 --> 00:42:40,592 <神奈川県小田原市。➡ 467 00:42:40,592 --> 00:42:45,246 伊勢宗瑞 のちの北条早雲が治めた 小田原城は➡ 468 00:42:45,246 --> 00:42:49,918 現在の天守閣の西に位置する 八幡山にありました。➡ 469 00:42:49,918 --> 00:42:56,257 1454年 享徳の乱により 戦国時代へ突入した関東。➡ 470 00:42:56,257 --> 00:43:01,579 小田原城は 全国屈指の城郭を誇りました。➡ 471 00:43:01,579 --> 00:43:07,585 宗瑞が 生涯の拠点とした 伊豆の韮山城。➡ 472 00:43:07,585 --> 00:43:13,575 小田原城を手に入れた後も 韮山で 政治を執り続けました。➡ 473 00:43:13,575 --> 00:43:18,246 北条5代 100年の基礎を築いた 宗瑞。➡ 474 00:43:18,246 --> 00:43:21,249 天下泰平の志を胸に➡ 475 00:43:21,249 --> 00:43:24,549 戦国の世を 駆け抜けました>