1 00:01:29,089 --> 00:01:32,726 ♬~ 2 00:01:32,726 --> 00:01:37,197 <徳川家康が 江戸に 幕府を開くより 100年前➡ 3 00:01:37,197 --> 00:01:44,237 西暦1500年ごろ 関東では 戦国領主達が群雄割拠し➡ 4 00:01:44,237 --> 00:01:48,341 各地で 戦乱が 打ち続いていました> 5 00:01:48,341 --> 00:01:52,879 ♬~ 6 00:01:52,879 --> 00:02:00,553 (鳥の鳴き声) 7 00:02:00,553 --> 00:02:04,257 (塚原新右衛門)真尋 早く来い! 8 00:02:04,257 --> 00:02:06,526 (真尋)兄上 怖い。 9 00:02:06,526 --> 00:02:09,362 神様に会いたくないのか? 10 00:02:09,362 --> 00:02:11,464 けど…。 11 00:02:11,464 --> 00:02:19,272 今夜 ご神殿の扉が開いて 鹿島の大神様が 目を覚まされる。 12 00:02:19,272 --> 00:02:22,342 一緒に見よう。 13 00:02:22,342 --> 00:02:25,178 はい。 14 00:02:25,178 --> 00:02:27,278 行くぞ! 15 00:02:31,718 --> 00:02:34,054 (鳥の鳴き声) 16 00:02:34,054 --> 00:03:01,581 (太鼓の音) 17 00:03:01,581 --> 00:03:06,853 <それは 正月7日。➡ 18 00:03:06,853 --> 00:03:10,490 年に一度 本殿の扉が開き➡ 19 00:03:10,490 --> 00:03:18,498 鹿島の大神様がお目覚めになる 御戸開神事の夜のことです> 20 00:03:18,498 --> 00:03:28,975 (太鼓の音) 21 00:03:28,975 --> 00:03:32,412 物忌様の輿だ。 22 00:03:32,412 --> 00:03:36,383 扉を開けに来たのだ。 23 00:03:36,383 --> 00:03:54,033 (太鼓の音) 24 00:03:54,033 --> 00:04:04,177 (笏拍子の音) 25 00:04:04,177 --> 00:04:09,416 (雷鳴) 26 00:04:09,416 --> 00:04:11,451 [心の声] 剣。 27 00:04:11,451 --> 00:04:17,323 (笏拍子の音) 28 00:04:17,323 --> 00:04:21,723 [心の声] あれが 大神様の剣か。 29 00:04:25,198 --> 00:04:31,638 (雷鳴) 30 00:04:31,638 --> 00:04:39,846 (笏拍子の音) 31 00:04:39,846 --> 00:04:45,018 (雷鳴) 32 00:04:45,018 --> 00:04:47,220 あっ! 33 00:04:47,220 --> 00:04:50,020 (雷鳴) 34 00:04:57,530 --> 00:05:08,408 ♬~ 35 00:05:08,408 --> 00:05:14,781 (物忌)そなた 鹿島の太刀を継ぐ者か? 36 00:05:14,781 --> 00:05:19,419 ♬~ 37 00:05:19,419 --> 00:05:24,591 そなたは いずれ 鹿島の太刀の…。 38 00:05:24,591 --> 00:05:43,977 (笏拍子の音) 39 00:05:43,977 --> 00:05:48,877 ♬~ 40 00:05:57,891 --> 00:06:23,716 ♬~ 41 00:06:23,716 --> 00:06:26,252 兄上! 42 00:06:26,252 --> 00:06:31,090 <この夜 兄は 不思議な言葉を聞いたのです。➡ 43 00:06:31,090 --> 00:06:38,831 兄の名は 新右衛門 後の 塚原卜伝にございます> 44 00:06:38,831 --> 00:06:45,038 ♬~ 45 00:06:45,038 --> 00:07:02,121 ♬~ (テーマ音楽) 46 00:07:02,121 --> 00:08:08,554 ♬~ 47 00:08:08,554 --> 00:08:11,591 ♬~ 48 00:08:11,591 --> 00:08:27,173 ♬~ 49 00:08:27,173 --> 00:08:34,947 <常陸の国 鹿島は 日の本の東の端にあります。➡ 50 00:08:34,947 --> 00:08:40,353 武甕槌大神をお祭りする 鹿島大神宮を中心に➡ 51 00:08:40,353 --> 00:08:46,993 はるか昔から 東国鎮守の要と される地でございました。➡ 52 00:08:46,993 --> 00:08:53,299 御社の西側には 常陸大掾氏の一族 鹿島氏が 城を構え➡ 53 00:08:53,299 --> 00:09:01,541 ご城主は 神宮を警固する神官をも 兼ねておいででした。➡ 54 00:09:01,541 --> 00:09:09,015 永正2年 春 お城にて 兄の 元服の儀式が執り行われました。➡ 55 00:09:09,015 --> 00:09:14,954 烏帽子親は ご城主 鹿島景幹様です> 56 00:09:14,954 --> 00:09:22,995 ♬~ 57 00:09:22,995 --> 00:09:27,166 (鹿島景幹)我が名より 一字を与える。 58 00:09:27,166 --> 00:09:31,838 ♬~ 59 00:09:31,838 --> 00:09:37,744 これより 塚原新右衛門➡ 60 00:09:37,744 --> 00:09:42,548 高幹と名乗るがよい。 61 00:09:42,548 --> 00:09:44,584 はっ! 62 00:09:44,584 --> 00:09:59,398 ♬~ 63 00:09:59,398 --> 00:10:06,239 叔父御 よい跡継ぎができ 塚原の家も安泰じゃのう。 64 00:10:06,239 --> 00:10:09,475 吉川殿より 養子にもらい受けて 7年。 65 00:10:09,475 --> 00:10:14,247 立派な若武者となり 養育の甲斐がありもうした。 66 00:10:14,247 --> 00:10:16,849 (景幹)剣の腕前は どうじゃ? (松本備前守)近頃では➡ 67 00:10:16,849 --> 00:10:21,521 それがしも 時に 打ち負かされる事もございまする。 68 00:10:21,521 --> 00:10:25,925 ほう。 備前守を負かすか。 69 00:10:25,925 --> 00:10:30,263 (塚原土佐守)幼少の頃より 吉川殿が 鹿島中古流の太刀を➡ 70 00:10:30,263 --> 00:10:33,533 備前守と それがしが 神道流の太刀を➡ 71 00:10:33,533 --> 00:10:38,538 厳しゅう仕込んで参りましたゆえ ハハハ…。 72 00:10:38,538 --> 00:10:43,709 応仁の大乱より 世は戦続きじゃ。 73 00:10:43,709 --> 00:10:48,581 剣は 国の守り。 新右衛門 精進いたせよ。 74 00:10:48,581 --> 00:10:50,650 はっ! 75 00:10:50,650 --> 00:10:57,089 わしのために どのような手柄を 立てるか楽しみじゃ。 76 00:10:57,089 --> 00:11:00,827 何か 望みはあるのか? 77 00:11:00,827 --> 00:11:03,729 はい 一つございます。 78 00:11:03,729 --> 00:11:06,265 (景幹)申してみよ。 79 00:11:06,265 --> 00:11:09,368 他国を巡りとう存じます。 80 00:11:09,368 --> 00:11:14,774 他国を? はい 武者修行にございます。 81 00:11:14,774 --> 00:11:18,044 回国修行に出て 強い武芸者達と戦い➡ 82 00:11:18,044 --> 00:11:21,314 剣の腕を磨きとう存じまする。 83 00:11:21,314 --> 00:11:23,683 (土佐守)なんと…。 (吉川覚賢)これ!出し抜けに➡ 84 00:11:23,683 --> 00:11:25,818 何を言う?! 85 00:11:25,818 --> 00:11:29,088 ♬~ 86 00:11:29,088 --> 00:11:32,592 それが 願いでございます。 87 00:11:32,592 --> 00:11:49,775 ♬~ 88 00:11:49,775 --> 00:11:54,847 (門人達の掛け声) 89 00:11:54,847 --> 00:12:01,754 ♬~ 90 00:12:01,754 --> 00:12:05,254 (山崎左門)よし 今日は ここまで。 91 00:12:07,493 --> 00:12:11,993 (門人達)ありがとうございました。 92 00:12:54,941 --> 00:12:57,141 来い 左門。 93 00:13:00,880 --> 00:13:04,317 参った。 左門 いま 一太刀。 94 00:13:04,317 --> 00:13:07,620 いや。 95 00:13:07,620 --> 00:13:10,020 今日は これまで。 96 00:13:12,758 --> 00:13:14,758 うん。 97 00:13:16,996 --> 00:13:19,598 若は 強うなられた。 98 00:13:19,598 --> 00:13:21,934 剣をたたき落とされた腕が まだ しびれておりまする。 99 00:13:21,934 --> 00:13:26,372 まだまだ。 俺の剣など 大先生の足元にも及ばぬ。 100 00:13:26,372 --> 00:13:29,842 備前守様は 神道流の奥義を極めたお方。 101 00:13:29,842 --> 00:13:32,712 いくら若でも そうそうは勝てませぬ。 102 00:13:32,712 --> 00:13:39,118 それに 強い強いと言われても それは この鹿島の中だけでの事。 103 00:13:39,118 --> 00:13:41,420 広い世の中には たくさんの流派があり➡ 104 00:13:41,420 --> 00:13:43,823 強い武芸者もいるだろうに。 105 00:13:43,823 --> 00:13:45,992 確かに。 106 00:13:45,992 --> 00:13:48,527 愛洲移香斎の陰流があり➡ 107 00:13:48,527 --> 00:13:50,730 西には 京八流という 古い流派がございますが。 108 00:13:50,730 --> 00:13:53,165 戦ってみたいのう。 109 00:13:53,165 --> 00:13:55,835 鹿島の太刀は 他の流派よりも 強いのだろうか? 110 00:13:55,835 --> 00:13:57,870 無論にございます。 111 00:13:57,870 --> 00:14:00,740 まず 鹿島中古流と申すは➡ 112 00:14:00,740 --> 00:14:04,243 国摩真人様が 神より授かりし剣法にて➡ 113 00:14:04,243 --> 00:14:07,613 およそ800年 神官の家に 代々受け継がれ…。 114 00:14:07,613 --> 00:14:09,882 左門は 他流と 戦った事があるのか? 115 00:14:09,882 --> 00:14:12,385 いいえ ございません。 116 00:14:12,385 --> 00:14:16,555 ならば 強いかどうか 分からぬではないか?! 117 00:14:16,555 --> 00:14:20,426 なれど 回国修行は いかがなものかと…。 118 00:14:20,426 --> 00:14:25,364 若は… いや 塚原新右衛門高幹様は➡ 119 00:14:25,364 --> 00:14:28,634 鹿島家御一門 塚原家の跡取りにござりまするぞ。 120 00:14:28,634 --> 00:14:30,936 それよ。 塚原の父が➡ 121 00:14:30,936 --> 00:14:33,839 回国修行は まかりならんと うるそうてかなわぬ。 122 00:14:33,839 --> 00:14:38,344 [回想] いかんと言ったら いかん! 123 00:14:38,344 --> 00:14:41,747 塚原の家を どうするつもりじゃ? 124 00:14:41,747 --> 00:14:44,283 もっともなお言葉にござります。 125 00:14:44,283 --> 00:14:47,586 そこで 大先生に 後押しをお願い しようと思っていたのだが➡ 126 00:14:47,586 --> 00:14:50,423 今日は 稽古に見えられなんだ。 127 00:14:50,423 --> 00:14:53,459 吉川のお屋敷においでですよ。 俺の実家に? 128 00:14:53,459 --> 00:14:57,463 はい。 御社の普請の事で 旦那様に ご相談があるとか。 129 00:14:57,463 --> 00:15:02,168 それは 好都合。 吉川の父にも 後押しを頼んでおったのじゃ。 130 00:15:02,168 --> 00:15:07,339 なれど 本日は お役目の ご用談ゆえ お忙しい…。 131 00:15:07,339 --> 00:15:10,676 人の話を 最後まで聞かない…。 132 00:15:10,676 --> 00:15:13,512 若! 133 00:15:13,512 --> 00:15:15,548 若! 134 00:15:15,548 --> 00:15:19,785 ♬~ 135 00:15:19,785 --> 00:15:23,722 (覚賢)蔀戸が落ち 瑞垣の破れもひどい。 136 00:15:23,722 --> 00:15:27,560 先の造営から はや70年がたっておるでのう。 137 00:15:27,560 --> 00:15:32,965 (備前守)その折も 造営遷座は諦め 修理のみで済ませたと聞くが。 138 00:15:32,965 --> 00:15:37,303 今は それすら おぼつかぬ。 139 00:15:37,303 --> 00:15:40,773 とは申せ このままでは 我ら神官一同➡ 140 00:15:40,773 --> 00:15:45,973 鹿島の神に対し奉り 申し訳が立たぬわ。 141 00:15:48,180 --> 00:15:53,219 <吉川家と松本家は 鹿島家の家臣であるとともに➡ 142 00:15:53,219 --> 00:15:57,990 代々続く 神官の家でもありました。➡ 143 00:15:57,990 --> 00:16:01,594 応仁の大乱から40年➡ 144 00:16:01,594 --> 00:16:07,533 打ち続く戦乱で 庇護者を失った 鹿島大神宮は➡ 145 00:16:07,533 --> 00:16:11,737 古びた御社の修理も できずにおりました> 146 00:16:11,737 --> 00:16:16,175 ♬~ 147 00:16:16,175 --> 00:16:22,348 <また 神野の郷には 物忌館と いわれるお屋敷があり➡ 148 00:16:22,348 --> 00:16:27,753 物忌様が籠もり 住まわれておられます。➡ 149 00:16:27,753 --> 00:16:35,261 物忌様とは 巫女様であり 一生を 神に捧げられるお方です> 150 00:16:35,261 --> 00:16:42,001 ♬~ 151 00:16:42,001 --> 00:16:49,975 <申し遅れました。 私は 塚原新右衛門の妹 真尋。➡ 152 00:16:49,975 --> 00:16:54,075 今は 物忌様に お仕えしております> 153 00:16:56,182 --> 00:17:00,719 物忌様 お濡れになりませぬか? 154 00:17:00,719 --> 00:17:04,023 ♬~ 155 00:17:04,023 --> 00:17:06,023 大事ない。 156 00:17:08,093 --> 00:17:10,629 <神官の皆様にとっては➡ 157 00:17:10,629 --> 00:17:17,469 大神宮と物忌館の再建が 悲願でございました> 158 00:17:17,469 --> 00:17:22,775 (備前守)お気の毒にな。 神野の館も 早々に建て直さねば。 159 00:17:22,775 --> 00:17:28,280 それゆえ 殿に 造営料寄進の事を 願うてはみたが➡ 160 00:17:28,280 --> 00:17:33,886 今は 戦に備えて 城の補強に 銭を使う時だとの仰せで➡ 161 00:17:33,886 --> 00:17:37,623 取りつく島もない。 162 00:17:37,623 --> 00:17:40,626 やはりのう。 大神宮あってこその➡ 163 00:17:40,626 --> 00:17:46,031 鹿島だというのに 殿は そこが お分かりになっておらぬ。 164 00:17:46,031 --> 00:17:49,602 お若いゆえ 血気にはやるのであろうが➡ 165 00:17:49,602 --> 00:17:55,307 いたずらに 城を大きゅうしては かえって 国を誤る。 166 00:17:55,307 --> 00:17:59,712 どうしたものかのう…。 167 00:17:59,712 --> 00:18:02,312 (藤枝)失礼いたします。 168 00:18:08,454 --> 00:18:11,557 新右衛門が参っております。 169 00:18:11,557 --> 00:18:15,894 御用繁多ゆえ 日を改めよと伝えよ。 170 00:18:15,894 --> 00:18:18,794 承知いたしました。 171 00:18:26,005 --> 00:18:29,842 ヤツめ 泣きつきに参った。 172 00:18:29,842 --> 00:18:33,579 例の回国修行の件か? 173 00:18:33,579 --> 00:18:38,183 後押しを頼むと言うのだが 塚原様には 子がおられぬ。 174 00:18:38,183 --> 00:18:42,588 家を継がせるために取った養子を 武者修行には出すまい。 175 00:18:42,588 --> 00:18:46,759 なれど 惜しいのう。 176 00:18:46,759 --> 00:18:50,296 うん? 177 00:18:50,296 --> 00:18:56,935 新右衛門なれば 他流と戦っても むざむざと負けはすまい。 178 00:18:56,935 --> 00:18:59,438 そこまでの腕となったか。 179 00:18:59,438 --> 00:19:06,278 若年ながら 門人の中で 並ぶ者がない。 180 00:19:06,278 --> 00:19:11,850 だが 肝心なのは これからよ。 181 00:19:11,850 --> 00:19:19,224 剣の奥義は 型稽古だけで 学べるものではない。 182 00:19:19,224 --> 00:19:23,662 (藤枝)旦那様も 兄の常賢も 修繕の御用金集めに➡ 183 00:19:23,662 --> 00:19:27,333 それは ご苦労なさって おいでなのです。 184 00:19:27,333 --> 00:19:31,403 (吉川常賢)おう 新右衛門! 来ておったか。 185 00:19:31,403 --> 00:19:33,472 はい。 父上は? 186 00:19:33,472 --> 00:19:35,674 (藤枝)奥で お待ちですよ。 187 00:19:35,674 --> 00:19:37,674 はい。 188 00:19:41,780 --> 00:19:45,684 昔は ご神徳を慕うて 都や 西国からも➡ 189 00:19:45,684 --> 00:19:48,754 鹿島詣での人々が 絶えなかったのですが。 190 00:19:48,754 --> 00:19:53,359 戦に次ぐ戦ゆえ 人の心も 変わってしまったんでしょう。 191 00:19:53,359 --> 00:19:57,062 新右衛門。 いま一度 ご神徳を取り戻し➡ 192 00:19:57,062 --> 00:20:01,233 鹿島の名を 世に広める。 それが 我が家の務めであり➡ 193 00:20:01,233 --> 00:20:04,303 塚原の養子となった そなたの務めでもあるのですよ。 194 00:20:04,303 --> 00:20:08,674 はい。 おっ。 195 00:20:08,674 --> 00:20:11,009 伸びましたな。 196 00:20:11,009 --> 00:20:13,645 日に日に伸びております。 197 00:20:13,645 --> 00:20:17,883 お前には 随分 苦労させられたものよ。 198 00:20:17,883 --> 00:20:21,186 [回想] (覚賢)跳べ! 跳ぶのだ! 199 00:20:21,186 --> 00:20:25,324 や~っ! もっと 高う跳べ! 200 00:20:25,324 --> 00:20:31,029 ♬~ 201 00:20:31,029 --> 00:20:33,999 昨日より今日 今日より明日と➡ 202 00:20:33,999 --> 00:20:37,369 より高う跳ばねば 苗木は越えられぬぞ! 203 00:20:37,369 --> 00:20:39,405 はい…。 204 00:20:39,405 --> 00:20:43,942 ♬~ 205 00:20:43,942 --> 00:20:49,515 何をいたしておる?! 意気地なし! 早う 跳ばぬか! 206 00:20:49,515 --> 00:20:57,089 ♬~ 207 00:20:57,089 --> 00:20:59,324 はい 兄上。 208 00:20:59,324 --> 00:21:02,294 うん。 209 00:21:02,294 --> 00:21:04,763 (覚賢)早う跳ばぬか! 210 00:21:04,763 --> 00:21:11,036 ♬~ 211 00:21:11,036 --> 00:21:13,172 や~っ! 212 00:21:13,172 --> 00:21:18,110 ♬~ 213 00:21:18,110 --> 00:21:21,146 真尋は どうしてます? 息災ですよ。 214 00:21:21,146 --> 00:21:25,946 月に一度は 神野の館から こちらに戻ります。 215 00:21:27,986 --> 00:21:33,292 そうじゃ。 そなたからも 塚原様に お願いして下され。 216 00:21:33,292 --> 00:21:38,630 鹿島ご一門衆のお力なくしては 大神宮再興は かないませぬ。➡ 217 00:21:38,630 --> 00:21:42,234 この乱世に 鹿島が まだしも平穏なのは➡ 218 00:21:42,234 --> 00:21:44,436 ご神徳に守られていればこそ。 219 00:21:44,436 --> 00:21:46,872 分かりました。 今から 早速 立ち返り➡ 220 00:21:46,872 --> 00:21:49,372 塚原の父に伝えてまいります。 221 00:21:51,543 --> 00:21:56,043 若 回国修行どころでは ございませんな。 222 00:22:09,528 --> 00:22:12,328 <その夜の事です> 223 00:22:17,302 --> 00:22:21,002 (武士)塚原様! 塚原様! 224 00:22:23,876 --> 00:22:26,545 (足音) 225 00:22:26,545 --> 00:22:29,047 (家臣)若 神野の郷より 知らせあり。 226 00:22:29,047 --> 00:22:32,150 賊が入り込んだとの事! 神野? 227 00:22:32,150 --> 00:22:34,286 物忌館か? 228 00:22:34,286 --> 00:22:40,225 ♬~ 229 00:22:40,225 --> 00:22:43,262 左門! 若! 230 00:22:43,262 --> 00:22:45,364 物忌様は ご無事か? 231 00:22:45,364 --> 00:22:48,534 備前守のお働きにて。 232 00:22:48,534 --> 00:22:50,569 大先生! 233 00:22:50,569 --> 00:22:56,742 ♬~ 234 00:22:56,742 --> 00:22:59,044 (賊)わ~っ! 235 00:22:59,044 --> 00:23:06,485 ♬~ 236 00:23:06,485 --> 00:23:10,822 愚か者! 戦場では 気を許すな! 237 00:23:10,822 --> 00:23:13,058 申し訳ございません。 238 00:23:13,058 --> 00:23:16,628 ♬~ 239 00:23:16,628 --> 00:23:19,798 若 おけがは? 何ともない。 240 00:23:19,798 --> 00:23:30,609 ♬~ 241 00:23:30,609 --> 00:23:35,047 まるで 鬼神じゃ。 242 00:23:35,047 --> 00:23:39,818 あっ 兄上。 243 00:23:39,818 --> 00:23:43,355 真尋。 244 00:23:43,355 --> 00:23:45,924 兄上。 真尋。 245 00:23:45,924 --> 00:23:48,627 はい。 246 00:23:48,627 --> 00:23:52,397 申し上げます! 247 00:23:52,397 --> 00:23:55,601 物忌様はご無事で 皆様のお働きを➡ 248 00:23:55,601 --> 00:23:58,701 ねぎらうようにとの 仰せにございます。 249 00:24:11,550 --> 00:24:25,430 ♬~ 250 00:24:25,430 --> 00:24:28,367 今宵は 夜通し 警固するゆえ➡ 251 00:24:28,367 --> 00:24:32,471 ゆるりとお休み下されと お伝え申せ。 252 00:24:32,471 --> 00:24:35,107 かしこまりました。 253 00:24:35,107 --> 00:24:42,247 ♬~ 254 00:24:42,247 --> 00:24:45,584 賊は 香取の海一帯を荒らし回る 雑兵の一味だそうです。 255 00:24:45,584 --> 00:24:48,320 物忌様の館だと知っての事か? 256 00:24:48,320 --> 00:24:51,289 はい。 なんと。 257 00:24:51,289 --> 00:24:54,726 神域と知りながら 押し入ったのか? 258 00:24:54,726 --> 00:25:01,667 ♬~ 259 00:25:01,667 --> 00:25:05,504 (地侍)殿のお出ましじゃ! 260 00:25:05,504 --> 00:25:08,006 備前! いかがしたのじゃ?! 261 00:25:08,006 --> 00:25:12,044 城に間近き この地を 雑兵どもに荒らされるとは! 262 00:25:12,044 --> 00:25:14,913 申し訳ありませぬ。 まことの合戦ならば➡ 263 00:25:14,913 --> 00:25:18,884 城まで攻め込まれておったぞ! 264 00:25:18,884 --> 00:25:20,884 はっ! 265 00:25:36,635 --> 00:25:43,341 この騒ぎの責めは 我ら 神官にある。 266 00:25:43,341 --> 00:25:49,181 尊い館を 血で汚されてしもうた。 267 00:25:49,181 --> 00:25:57,881 このままでは 鹿島の大神までが 侮られる。 268 00:26:06,398 --> 00:26:08,834 新右衛門。 269 00:26:08,834 --> 00:26:11,369 はっ。 270 00:26:11,369 --> 00:26:13,369 一手 立ち合わぬか? 271 00:26:39,364 --> 00:26:50,208 ♬~ 272 00:26:50,208 --> 00:26:54,279 [心の声] 首を狙うと見せて 足を打つ。 273 00:26:54,279 --> 00:27:22,140 ♬~ 274 00:27:22,140 --> 00:27:26,111 [心の声] 足を狙わせて 上から打ち下ろす。 275 00:27:26,111 --> 00:27:47,511 ♬~ 276 00:27:56,741 --> 00:28:03,041 新右衛門 そなた 鹿島を出よ。 277 00:28:06,084 --> 00:28:11,656 望みどおり 回国修行に出て 戦って参れ。 278 00:28:11,656 --> 00:28:18,663 そなたの剣で 鹿島の太刀の名を 世に広めるのじゃ。 279 00:28:18,663 --> 00:28:24,269 ♬~ 280 00:28:24,269 --> 00:28:26,304 はっ! 281 00:28:26,304 --> 00:28:30,609 ♬~ 282 00:28:30,609 --> 00:28:33,445 とんでもない事です。 283 00:28:33,445 --> 00:28:35,780 とんでもない。 284 00:28:35,780 --> 00:28:43,588 ♬~ 285 00:28:43,588 --> 00:28:48,860 旦那様 新右衛門が 武者修行に 出るとは どういうわけです?! 286 00:28:48,860 --> 00:28:53,598 不承知の塚原様も 備前守様が ご説得なされたとか。 287 00:28:53,598 --> 00:28:56,268 殿のお許しも出た。 288 00:28:56,268 --> 00:28:59,004 もはや 我らが とやこう 口を出す事ではない。 289 00:28:59,004 --> 00:29:04,276 なれど 回国修行に出れば 命はないと。 290 00:29:04,276 --> 00:29:06,544 そのような危ない目に 遭わさずとも…。 291 00:29:06,544 --> 00:29:09,781 騒ぐな。 292 00:29:09,781 --> 00:29:14,953 新右衛門は 鹿島の神とともに戦うのだ。 293 00:29:14,953 --> 00:29:17,222 神とともに? 294 00:29:17,222 --> 00:29:21,426 新右衛門が 鹿島の太刀の名を上げれば➡ 295 00:29:21,426 --> 00:29:26,031 大神宮のご神徳も 再び 世に広まるという事か? 296 00:29:26,031 --> 00:29:34,105 さすれば おのずと寄進も増え 御社再建の足がかりともなる。 297 00:29:34,105 --> 00:29:36,675 鹿島の太刀の名が高まれば➡ 298 00:29:36,675 --> 00:29:40,879 敵対する者をひるませ 国の守りともなる。 299 00:29:40,879 --> 00:29:47,085 その理屈なれば 殿も塚原様も ご同意下されよう。 300 00:29:47,085 --> 00:29:51,823 新右衛門には 命を賭してもらう事になるが。 301 00:29:51,823 --> 00:29:57,295 もはや 型稽古を学ぶ時は過ぎた。 302 00:29:57,295 --> 00:30:02,500 これより先は 生死を懸ける戦いにて➡ 303 00:30:02,500 --> 00:30:06,304 己の剣を見つけ出すしかない。 304 00:30:06,304 --> 00:30:11,242 新右衛門ならば それができる。 305 00:30:11,242 --> 00:30:17,182 ♬~ 306 00:30:17,182 --> 00:30:21,319 では 新右衛門は 鹿島のために? 307 00:30:21,319 --> 00:30:23,755 そればかりではないわ。 308 00:30:23,755 --> 00:30:28,093 言うてみれば 日々 伸びる苗木よ。 309 00:30:28,093 --> 00:30:31,963 苗木にございますか? 310 00:30:31,963 --> 00:30:35,233 より高う跳ぶための苗木じゃ。 311 00:30:35,233 --> 00:30:39,704 新右衛門は それを探しに行くのだ。 312 00:30:39,704 --> 00:31:37,395 ♬~ 313 00:31:37,395 --> 00:31:41,366 それがしが 若のお供を? 314 00:31:41,366 --> 00:31:45,003 いや 若は 塚原家のお方。 315 00:31:45,003 --> 00:31:48,273 それがしは この吉川家の家臣。 316 00:31:48,273 --> 00:31:50,775 お供をするのは いかがなものかと…。 317 00:31:50,775 --> 00:31:53,778 塚原様には ご承知頂いておる。 318 00:31:53,778 --> 00:31:56,281 気にせず 行って参れ。 319 00:31:56,281 --> 00:32:00,685 幸い そなたは独り身。 身軽でよい。 320 00:32:00,685 --> 00:32:04,956 あっ… いやいや いやいや いやいや。 321 00:32:04,956 --> 00:32:09,627 それがし そろそろ 嫁を取り 身を固めるつもりで…。 322 00:32:09,627 --> 00:32:13,398 はて そのような話は 初めて聞くが。 323 00:32:13,398 --> 00:32:17,102 (備前守)そなたは 世間を知っておる。 324 00:32:17,102 --> 00:32:22,040 分別をわきまえ 幾たびも 合戦に出た事がある。➡ 325 00:32:22,040 --> 00:32:26,711 新右衛門に足らぬところを そなたならば 補える。 326 00:32:26,711 --> 00:32:31,483 頼まれてくれるな? 左門。 327 00:32:31,483 --> 00:32:34,085 ははっ。 修行の様子は➡ 328 00:32:34,085 --> 00:32:37,889 折々 書状にて知らせてくれ。 329 00:32:37,889 --> 00:32:41,960 かしこまりました。 330 00:32:41,960 --> 00:32:47,365 若の身に 何かあったら わしが 責めを負う事になる。 331 00:32:47,365 --> 00:32:56,541 ♬~ 332 00:32:56,541 --> 00:32:59,077 鹿島の浜風か。 333 00:32:59,077 --> 00:33:03,748 鹿島の浜風を聞くのも これが 最後かもしれんな。 334 00:33:03,748 --> 00:33:07,785 いずれ 旅の空で この海を 懐かしく思う日も来るであろう。 335 00:33:07,785 --> 00:33:10,588 さようですな。 336 00:33:10,588 --> 00:33:13,791 神の名を背負って 戦うのじゃ。 337 00:33:13,791 --> 00:33:16,661 敗れるわけにはいかんのう。 338 00:33:16,661 --> 00:33:21,733 はい そのとおりにございます。 339 00:33:21,733 --> 00:33:27,739 しかし なぜ そのお供が 俺なのだ…。 340 00:33:27,739 --> 00:33:31,676 ♬~ 341 00:33:31,676 --> 00:33:34,312 必ず ここに戻ってくる。 342 00:33:34,312 --> 00:33:37,382 鹿島の太刀とともに。 343 00:33:37,382 --> 00:33:45,089 ♬~ 344 00:33:45,089 --> 00:33:49,360 (雷鳴) 345 00:33:49,360 --> 00:33:52,397 青空に雷とは 妙ですな。 346 00:33:52,397 --> 00:33:55,767 我らへの はなむけかもしれん。 はい。 347 00:33:55,767 --> 00:33:59,704 行くぞ 左門。 鹿島立ちじゃ! 348 00:33:59,704 --> 00:34:16,054 ♬~ 349 00:34:16,054 --> 00:34:24,554 (雷鳴) 350 00:34:39,777 --> 00:34:43,047 ♬~ 351 00:34:43,047 --> 00:34:45,650 う~ん。 352 00:34:45,650 --> 00:34:49,520 う~ん。 353 00:34:49,520 --> 00:34:51,556 真尋。 354 00:34:51,556 --> 00:34:55,393 はい。 新右衛門の旅立ちは➡ 355 00:34:55,393 --> 00:34:59,264 神の御心に かのうた。 356 00:34:59,264 --> 00:35:03,668 必ずや ご加護があろう。 357 00:35:03,668 --> 00:35:07,305 はい。 (雷鳴) 358 00:35:07,305 --> 00:35:09,674 おや。 359 00:35:09,674 --> 00:35:14,746 雷が鳴っておるぞ。 360 00:35:14,746 --> 00:35:23,721 武甕槌大神が 旅立ちを祝うておられる。 361 00:35:23,721 --> 00:35:25,823 (雷鳴) 362 00:35:25,823 --> 00:35:30,928 兄上 ご武運を。 363 00:35:30,928 --> 00:35:44,008 ♬~ 364 00:35:44,008 --> 00:35:46,044 静かだな。 365 00:35:46,044 --> 00:35:48,479 この辺りは 代官の取り締まりも 緩いゆえ➡ 366 00:35:48,479 --> 00:35:51,983 村人達も 用心してるんでしょう。 367 00:35:51,983 --> 00:35:54,719 …にしても 妙だな。 368 00:35:54,719 --> 00:35:56,854 構わずと急ぎましょう。 369 00:35:56,854 --> 00:36:00,558 石浜宿まで行かねば 宿はありませぬ。 370 00:36:00,558 --> 00:36:03,928 誰か 泣いてる。 赤子でございましょう。 371 00:36:03,928 --> 00:36:07,765 いや 女子じゃ。 372 00:36:07,765 --> 00:36:10,501 若! 寄り道はなりませぬ! 373 00:36:10,501 --> 00:36:13,638 じき 日が暮れまするぞ! 374 00:36:13,638 --> 00:36:18,138 こんな所で 野宿させられては たまらぬわ。 ふん! 375 00:36:27,885 --> 00:36:31,389 (老婆)鬼が来る。 鬼が来るぞ。➡ 376 00:36:31,389 --> 00:36:35,793 鬼が来るぞ。 鬼が来るぞ。 377 00:36:35,793 --> 00:36:40,665 (念仏の声) (老婆)鬼が来る。 鬼が来るぞ。 378 00:36:40,665 --> 00:36:48,206 (念仏の声) 379 00:36:48,206 --> 00:36:50,241 (女達の泣き声) 380 00:36:50,241 --> 00:36:52,643 (高野聖)往生は ただ一度。➡ 381 00:36:52,643 --> 00:36:56,314 南無と唱うれば 来世は 極楽に生まる。 382 00:36:56,314 --> 00:36:58,383 ナムアミダブ ナムアミダブ…。 383 00:36:58,383 --> 00:37:02,286 念仏を唱えて 諸国を回る 高野聖にございます。 384 00:37:02,286 --> 00:37:05,323 弔いか? …にしては 様子がおかしい。 385 00:37:05,323 --> 00:37:09,527 (高野聖)ナムアミダブ ナムアミダブ ナム…。 386 00:37:09,527 --> 00:37:14,799 我々には 関わりなき事。 さあ 参ろう。 387 00:37:14,799 --> 00:37:17,101 (女達の泣き声) (男1)しかたねえ。 388 00:37:17,101 --> 00:37:19,137 村を守るためじゃ。 389 00:37:19,137 --> 00:37:22,407 (男2)魔物にみいられたと思うて 諦めてくれ。 390 00:37:22,407 --> 00:37:24,407 ≪あの…。 391 00:37:27,678 --> 00:37:31,015 すまぬ。 何をしておるのじゃ? 392 00:37:31,015 --> 00:37:33,618 主は 四郎兵衛の手下か? 393 00:37:33,618 --> 00:37:36,587 四郎兵衛? いや 俺は 塚原新右衛門。 394 00:37:36,587 --> 00:37:38,623 鹿島から来た者じゃ。 若。 395 00:37:38,623 --> 00:37:41,926 (村人の悲鳴) この者は 山崎左門。 396 00:37:41,926 --> 00:37:44,061 俺の連れじゃ。 397 00:37:44,061 --> 00:37:48,466 四郎兵衛とは 何者じゃ? 訳を話してくれぬか? 398 00:37:48,466 --> 00:37:51,102 (娘1)四郎兵衛は 山賊の頭じゃ。 399 00:37:51,102 --> 00:37:53,638 これ! 余計な事 言うでねえ! 400 00:37:53,638 --> 00:37:55,673 わしらを さらいにやってくるだ。 401 00:37:55,673 --> 00:37:57,742 山賊が来るなら なぜ 逃げぬ? 402 00:37:57,742 --> 00:38:00,812 こんなとこに隠れていても すぐに 捕まってしまうぞ。 403 00:38:00,812 --> 00:38:05,450 隠れているのでねえ。 おら達は 四郎兵衛を待っているだ。 404 00:38:05,450 --> 00:38:07,650 はっ? 405 00:38:11,489 --> 00:38:17,829 逃げれば 村人は 皆殺しでございます。 406 00:38:17,829 --> 00:38:20,631 娘達と米を差し出さねば➡ 407 00:38:20,631 --> 00:38:27,371 村は焼かれ 皆 虫けらのように ひねり殺されるのですぞ。 408 00:38:27,371 --> 00:38:30,842 わしらは 人身御供じゃ。 慰みものにされて➡ 409 00:38:30,842 --> 00:38:33,144 遠国へ売り飛ばされる。➡ 410 00:38:33,144 --> 00:38:35,780 おらあ 嫌だ! ああ…。 411 00:38:35,780 --> 00:38:38,983 お侍様 わしらを 助けてくれ! 412 00:38:38,983 --> 00:38:41,986 (娘2)四郎兵衛を成敗してくれ! 413 00:38:41,986 --> 00:38:45,823 (男2)バカ言うでねえ。 このお侍に 何ができる?➡ 414 00:38:45,823 --> 00:38:49,694 ヤツらは何十人といるんだ。 代官は 何をしておるのじゃ? 415 00:38:49,694 --> 00:38:52,797 (男1)代官なんぞ 年貢をふんだくってくだけだ。➡ 416 00:38:52,797 --> 00:38:54,966 村は 自分達で守るしかねえんだ。 417 00:38:54,966 --> 00:39:00,004 百姓は 奪われるばかり。 哀れでござります。 418 00:39:00,004 --> 00:39:03,140 せめて 念仏なりとも。 419 00:39:03,140 --> 00:39:06,577 ナムアミダブ ナムアミダブ…。 420 00:39:06,577 --> 00:39:09,280 早う行ってくれ。 主らが居っては➡ 421 00:39:09,280 --> 00:39:13,351 かえって災いとなる。 若 参りましょう。 422 00:39:13,351 --> 00:39:15,720 (男2)早う 早う!➡ 423 00:39:15,720 --> 00:39:18,723 早う行けよ! 424 00:39:18,723 --> 00:39:21,559 (娘達の泣き声) 425 00:39:21,559 --> 00:39:24,795 ナムアミダブ ナムアミダブ ナムアミダブ…。 426 00:39:24,795 --> 00:39:30,668 ♬~ 427 00:39:30,668 --> 00:39:33,905 こんな所で命を落としていては 犬死にですぞ! 428 00:39:33,905 --> 00:39:37,808 野盗など斬り捨てても 鹿島の太刀の名は上がりませぬ。 429 00:39:37,808 --> 00:39:41,245 名のある剣客と しかるべき場所で 立ち合うてこそ➡ 430 00:39:41,245 --> 00:39:44,445 回国修行にも意味があるのです。 431 00:39:46,484 --> 00:39:49,153 [回想] 兄上。 432 00:39:49,153 --> 00:39:51,188 真尋。 433 00:39:51,188 --> 00:39:54,325 ♬~ 434 00:39:54,325 --> 00:39:58,095 うん! やはり 捨て置けぬ。 435 00:39:58,095 --> 00:40:00,598 見逃せば 己の心に 曇りが生じる。 436 00:40:00,598 --> 00:40:04,135 曇った心では 鹿島の太刀は使えぬ。 437 00:40:04,135 --> 00:40:06,871 若! 438 00:40:06,871 --> 00:40:11,609 若は まだ まことの戦を知らぬ。 439 00:40:11,609 --> 00:40:14,412 いかなる策をもって 山賊どもと やり合うおつもりか? 440 00:40:14,412 --> 00:40:17,815 策はない。 ただ 斬る。 441 00:40:17,815 --> 00:40:19,951 剣術を心得ぬ輩といえど➡ 442 00:40:19,951 --> 00:40:22,853 大勢で来られては 万に一つという事もございます。 443 00:40:22,853 --> 00:40:25,890 まあ いい腕試しじゃないか。 444 00:40:25,890 --> 00:40:30,828 ここで 命を落とすほどなら この先も ろくな働きはできまい。 445 00:40:30,828 --> 00:40:33,164 ああ…。 446 00:40:33,164 --> 00:40:36,734 言いだしたら 聞かない。 447 00:40:36,734 --> 00:40:38,769 しかたない。 448 00:40:38,769 --> 00:40:45,343 では まず 弓にて 四郎兵衛を射ましょう。 449 00:40:45,343 --> 00:40:50,748 山賊なぞ 頭分が討たれれば 存外 たあいなく崩れるものゆえ。 450 00:40:50,748 --> 00:40:54,352 ともに戦ってくれるな? 451 00:40:54,352 --> 00:40:56,621 若に もしもの事あらば➡ 452 00:40:56,621 --> 00:41:00,121 それがしも 生きて 国には帰れませぬ。 453 00:41:05,529 --> 00:41:09,400 (山賊達の雄たけび) 454 00:41:09,400 --> 00:41:12,603 (四郎兵衛)酒じゃ 酒じゃ! 皆 急げ! 455 00:41:12,603 --> 00:41:15,940 女達が待っておるぞ! (一同)おうっ! 456 00:41:15,940 --> 00:41:19,310 洗いざらいかっさらって 今宵は 宴じゃ! 457 00:41:19,310 --> 00:41:22,913 (一同)おうっ! 458 00:41:22,913 --> 00:41:25,013 (山賊)それそれ! 459 00:41:36,394 --> 00:41:38,394 来たぞ。 460 00:41:44,201 --> 00:41:46,937 (男1)四郎兵衛様のご到着だ! 461 00:41:46,937 --> 00:41:50,875 (男2)早う出て参れ! ハハハ…。 462 00:41:50,875 --> 00:41:53,277 あれが 四郎兵衛か。 463 00:41:53,277 --> 00:41:56,080 (老婆)鬼め! 村から去れ! 464 00:41:56,080 --> 00:42:01,552 鬼め! 鬼め! 村から去れ! 鬼め! 465 00:42:01,552 --> 00:42:04,252 (男1)何だ クソばばあ! えい! 466 00:42:06,357 --> 00:42:10,261 (男2)わしらに逆らうヤツは 皆殺しじゃ! 467 00:42:10,261 --> 00:42:15,599 ♬~ 468 00:42:15,599 --> 00:42:19,170 女達は居るか? 早う出て参れ! 469 00:42:19,170 --> 00:42:23,174 出てこぬと 村ことごとく 焼き尽くすぞ! 470 00:42:23,174 --> 00:42:31,048 ♬~ 471 00:42:31,048 --> 00:42:33,417 (一同)お頭! お頭! 472 00:42:33,417 --> 00:43:02,413 ♬~ 473 00:43:02,413 --> 00:43:08,018 (男)おのれ! おい 行くぞ! 474 00:43:08,018 --> 00:43:10,054 (一同)おう! 475 00:43:10,054 --> 00:43:18,195 ♬~ 476 00:43:18,195 --> 00:43:20,898 ヤツら 闇の中でも 目が利くようです。 477 00:43:20,898 --> 00:43:23,467 地をはって 向かって参ります。 478 00:43:23,467 --> 00:43:31,142 ♬~ 479 00:43:31,142 --> 00:43:33,911 囲まれては危ない! よし! 480 00:43:33,911 --> 00:43:38,711 ♬~ 481 00:43:41,152 --> 00:43:43,420 (男1)やあっ! 482 00:43:43,420 --> 00:43:45,420 えい! 483 00:43:51,262 --> 00:43:56,734 ♬~ 484 00:43:56,734 --> 00:43:59,770 (男2)敵は たった2人じゃ! 一気に かかれ! 485 00:43:59,770 --> 00:44:02,306 (一同)おうっ! 486 00:44:02,306 --> 00:44:05,176 [心の声] 落ち着け。 1人だ。➡ 487 00:44:05,176 --> 00:44:08,279 常に 1人とのみ斬り合えばよい。 488 00:44:08,279 --> 00:44:10,314 (男)死ねっ! 489 00:44:10,314 --> 00:44:24,361 ♬~ 490 00:44:24,361 --> 00:44:27,164 おのれ! こわっぱ! 491 00:44:27,164 --> 00:44:30,568 ♬~ 492 00:44:30,568 --> 00:44:32,603 そりゃっ! 493 00:44:32,603 --> 00:44:56,503 ♬~ 494 00:44:59,630 --> 00:45:02,733 おけがは ありませぬか? 495 00:45:02,733 --> 00:45:04,733 若。 496 00:45:06,971 --> 00:45:09,771 初めて 人を斬った。 497 00:45:11,876 --> 00:45:17,376 このように ずしりと 身の奥にまで響くものか…。 498 00:45:19,984 --> 00:45:23,921 初陣 お見事でございました。 499 00:45:23,921 --> 00:45:26,991 うん 不思議じゃ。 500 00:45:26,991 --> 00:45:31,228 刀に導かれるように 体が動いた。 501 00:45:31,228 --> 00:45:34,698 それが 身に付いた 剣術でございます。 502 00:45:34,698 --> 00:45:41,138 強いものじゃ 鹿島の太刀は。 503 00:45:41,138 --> 00:45:43,173 はい。 504 00:45:43,173 --> 00:45:53,083 ♬~ 505 00:45:53,083 --> 00:45:58,283 あの者達の目には 俺達も 鬼に見えるのであろう。 506 00:46:00,691 --> 00:46:03,928 さあ 参りましょう。 507 00:46:03,928 --> 00:46:06,597 今宵は 朝まで 歩き通しに 歩かねばなりませんぞ。 508 00:46:06,597 --> 00:46:08,632 うん。 509 00:46:08,632 --> 00:46:17,841 ♬~ 510 00:46:17,841 --> 00:46:22,846 おかしいな。 あれだけ動いたと いうのに 少しも疲れてない。 511 00:46:22,846 --> 00:46:24,846 それがしもです。 512 00:46:27,985 --> 00:46:35,059 血に酔うと申しまして 戦いの後は 誰しも 気が高ぶるものなのです。 513 00:46:35,059 --> 00:46:38,329 血に酔うか…。 514 00:46:38,329 --> 00:46:44,635 なるほど。 御酒を頂いた時の 心地に似ておる。 515 00:46:44,635 --> 00:46:46,704 用心せねばなりませぬ。 516 00:46:46,704 --> 00:46:52,476 血に酔う事に溺れていては いずれ 身を滅ぼしますゆえ。 517 00:46:52,476 --> 00:46:57,548 うん。 ≪(高野聖)お~い! 518 00:46:57,548 --> 00:46:59,850 何ぞ用じゃ? 519 00:46:59,850 --> 00:47:06,023 ああ 村の者達が 礼も申さず ご無礼をいたしました。 520 00:47:06,023 --> 00:47:08,023 かまわぬ。 521 00:47:23,007 --> 00:47:26,810 (蚊の羽音) 522 00:47:26,810 --> 00:47:33,851 お侍様は 回国修行と仰せでしたが お道筋は どのように? 523 00:47:33,851 --> 00:47:35,886 まずは 都を目指す。 524 00:47:35,886 --> 00:47:39,456 陸路で? いや 品川から船だ。 525 00:47:39,456 --> 00:47:41,592 (高野聖)品川からの出船は➡ 526 00:47:41,592 --> 00:47:44,661 打ち続く戦乱で 途絶えておりまするぞ。 527 00:47:44,661 --> 00:47:50,200 拙僧 それを お伝えに参ったのです。 528 00:47:50,200 --> 00:47:56,173 フフフ…。 ヘヘヘ…。 529 00:47:56,173 --> 00:47:59,276 しかし それは参ったな。 530 00:47:59,276 --> 00:48:02,046 しかたがない。 陸路で行くか。 531 00:48:02,046 --> 00:48:05,215 それでは 都に着くまでに 野盗達と➡ 532 00:48:05,215 --> 00:48:08,685 幾たび 戦う事になるかも しれませぬぞ。 533 00:48:08,685 --> 00:48:11,522 小田原に向かいなされ。 534 00:48:11,522 --> 00:48:15,059 桑名までの船が出ておりますゆえ。 535 00:48:15,059 --> 00:48:19,496 小田原か。 伊勢宗瑞様の政が行き届いて➡ 536 00:48:19,496 --> 00:48:21,799 穏やかな土地でござりますよ。 537 00:48:21,799 --> 00:48:25,903 伊勢宗瑞とは 誰じゃ? 538 00:48:25,903 --> 00:48:29,973 駿河の内紛を治め 伊豆を平定し➡ 539 00:48:29,973 --> 00:48:33,477 今では 小田原も 手に入れたお方。 540 00:48:33,477 --> 00:48:36,380 戦上手の傑物ですよ。 ハハハ…。 541 00:48:36,380 --> 00:48:39,716 お前様は 物知りじゃな ハハハ…。 542 00:48:39,716 --> 00:48:43,620 面白い。 そこに行けば 武芸者に出会えるかもしれぬ。 543 00:48:43,620 --> 00:48:47,057 はい。 行ってみるか? 小田原に。 544 00:48:47,057 --> 00:48:49,093 はい。 545 00:48:49,093 --> 00:48:52,796 ♬~ 546 00:48:52,796 --> 00:48:59,269 (高野聖)ナムアミダブ ナムアミダブ ナムアミダブツ。 547 00:48:59,269 --> 00:49:03,006 ♬~ 548 00:49:03,006 --> 00:49:06,610 では 御坊。 息災で。 549 00:49:06,610 --> 00:49:36,039 ♬~ 550 00:49:36,039 --> 00:49:39,143 おお にぎやかだ。 551 00:49:39,143 --> 00:49:41,512 安心して 商いに 励めるゆえでしょう。 552 00:49:41,512 --> 00:49:46,683 あの坊さんが言ってたとおり 政が行き届いているのでしょうな。 553 00:49:46,683 --> 00:49:50,083 城のほうにも行ってみるか? はい。 554 00:49:53,190 --> 00:49:57,094 何でございましょう? えっ? 555 00:49:57,094 --> 00:49:59,997 ご城内で 剣術の試合が あるようじゃ。 556 00:49:59,997 --> 00:50:04,601 「駿河の守護職 今川五郎氏親様が お抱えの武芸者➡ 557 00:50:04,601 --> 00:50:08,739 牧 元鬼なるものの 対戦相手を求めている。➡ 558 00:50:08,739 --> 00:50:10,974 腕に覚えのある者は 名乗り出よ」とあります。 559 00:50:10,974 --> 00:50:14,811 これは よい時に来合わせた。 560 00:50:14,811 --> 00:50:16,847 牧 元鬼なる武芸者は➡ 561 00:50:16,847 --> 00:50:21,752 大浮流の使い手とありまするが はて 聞いた事もない流派だ。 562 00:50:21,752 --> 00:50:24,488 お頼み申す。 (番卒)こちらに では 一筆を。 563 00:50:24,488 --> 00:50:26,488 心得た。 564 00:50:28,625 --> 00:50:32,125 若 もう お気の早い。 565 00:50:33,931 --> 00:50:37,067 若。 566 00:50:37,067 --> 00:50:40,237 (男1)命知らずが。 (男2)牧 元鬼のうわさを➡ 567 00:50:40,237 --> 00:50:42,906 知らんのだろう。 (男3)立て続けに 5人を➡ 568 00:50:42,906 --> 00:50:45,042 一刀両断にした。 569 00:50:45,042 --> 00:50:48,542 恐ろしい使い手じゃというに。 570 00:50:51,982 --> 00:50:54,551 早まったか…。 571 00:50:54,551 --> 00:51:04,328 ♬~ 572 00:51:04,328 --> 00:51:08,065 まさか 試合の日を 明日に決めてしまうとは…。 573 00:51:08,065 --> 00:51:10,100 何も 着いた早々に 立ち合わなくても➡ 574 00:51:10,100 --> 00:51:13,203 よいではございませぬか! やると決めたら 早いほうがよい。 575 00:51:13,203 --> 00:51:15,305 それも 真剣で。 576 00:51:15,305 --> 00:51:19,405 相手が 本身の太刀しか使わぬと 言うのじゃ。 やむをえん。 577 00:51:21,478 --> 00:51:24,615 どうしたのじゃ? 578 00:51:24,615 --> 00:51:29,720 牧 元鬼なる者 なかなかの使い手のようですぞ。 579 00:51:29,720 --> 00:51:32,723 立ち続けに 5人を斬り捨てたとか。 580 00:51:32,723 --> 00:51:36,326 そもそも 大浮流という流派が いかがわしゅうございます。 581 00:51:36,326 --> 00:51:38,996 いかなる太刀筋か 見当もつきませぬ。 582 00:51:38,996 --> 00:51:41,632 のう 左門。 583 00:51:41,632 --> 00:51:46,036 俺は 他流と 剣を交える事が 初めてなのじゃ。 584 00:51:46,036 --> 00:51:50,636 相手が何流であろうと 同じだべ? 585 00:51:52,743 --> 00:51:55,412 (男)宿の者でございますが。 586 00:51:55,412 --> 00:52:00,012 何用だ? お客様を訪ねてきた者が。 587 00:52:02,452 --> 00:52:04,452 (咳払い) 588 00:52:06,390 --> 00:52:08,390 ヘヘヘ…。 589 00:52:10,460 --> 00:52:18,435 いや 塚原様が 牧 元鬼と 剣を 交えると聞いて 宿を探しました。 590 00:52:18,435 --> 00:52:20,837 耳の早い坊様だな。 591 00:52:20,837 --> 00:52:23,907 御坊は 牧 元鬼を ご存じか? 592 00:52:23,907 --> 00:52:27,844 私どものように 諸国を旅する者で➡ 593 00:52:27,844 --> 00:52:30,147 あの人鬼を知らぬ者はありませぬ。 594 00:52:30,147 --> 00:52:32,783 人鬼とな。 あれは➡ 595 00:52:32,783 --> 00:52:36,620 以前は 傀儡師として 諸国を 回っていた者でございます。 596 00:52:36,620 --> 00:52:39,623 傀儡師? 人形遣いの事にございます。 597 00:52:39,623 --> 00:52:44,127 中には 武芸を見せる者もおります。 598 00:52:44,127 --> 00:52:48,932 牧 元鬼の売り物は 真剣勝負。 599 00:52:48,932 --> 00:52:51,635 情け容赦なく斬り殺す事から➡ 600 00:52:51,635 --> 00:52:55,472 人鬼と 呼ばれているのでございます。 601 00:52:55,472 --> 00:52:59,343 戦うところを見た事があるのか? 602 00:52:59,343 --> 00:53:01,445 ございませぬ。 603 00:53:01,445 --> 00:53:04,681 なれど 邪剣といううわさ。 604 00:53:04,681 --> 00:53:07,017 剣に 正も邪もあるものか。 605 00:53:07,017 --> 00:53:11,955 されど 蛙のような構えとか。 606 00:53:11,955 --> 00:53:16,226 蛙? 蛙? 607 00:53:16,226 --> 00:53:18,428 蛙とは どういう事じゃ? 608 00:53:18,428 --> 00:53:20,464 さあ…。 609 00:53:20,464 --> 00:53:24,501 して 大浮流とは 誰が始めた いかなる流派じゃ? 610 00:53:24,501 --> 00:53:27,437 そのようなものは ございません。 611 00:53:27,437 --> 00:53:30,841 ない? 強いて言えば➡ 612 00:53:30,841 --> 00:53:34,077 牧 元鬼のみの流派。➡ 613 00:53:34,077 --> 00:53:37,614 塚原様 一介の傀儡師から➡ 614 00:53:37,614 --> 00:53:41,985 駿河守護職様のお抱えに 成り上がった者です。 615 00:53:41,985 --> 00:53:46,790 くれぐれも ご油断召さるな。 616 00:53:46,790 --> 00:53:50,961 傀儡師… 蛙か…。 617 00:53:50,961 --> 00:53:54,664 ♬~ 618 00:53:54,664 --> 00:54:20,290 ♬~(横笛) 619 00:54:20,290 --> 00:54:31,334 (いびき) 620 00:54:31,334 --> 00:54:50,187 ♬~(横笛) 621 00:54:50,187 --> 00:54:52,389 寝つけませんのか? 622 00:54:52,389 --> 00:54:55,959 笛の音が 妙に 耳につく。 623 00:54:55,959 --> 00:54:59,229 ♬~ 624 00:54:59,229 --> 00:55:05,669 明日は 大事な試合なれば 気が高ぶるのも 当たり前。 625 00:55:05,669 --> 00:55:09,272 笛を聞くと 鹿島の祭りを 思い出すな。 626 00:55:09,272 --> 00:55:14,644 おや? もう 鹿島が 恋しいのですか? 627 00:55:14,644 --> 00:55:18,248 バカを言え。 童ではないわ。 628 00:55:18,248 --> 00:55:23,787 ハハハ… ああ いい月夜だ。 629 00:55:23,787 --> 00:55:28,825 弓張り月ですな。 あの夜も こんな月がかかってた。 630 00:55:28,825 --> 00:55:31,194 えっ? 631 00:55:31,194 --> 00:55:37,994 昔な 鹿島の大神様を 見ようとした事がある。 632 00:55:40,070 --> 00:55:45,342 まだ 吉川の家に居た頃だから 8つか 9つ。 633 00:55:45,342 --> 00:55:49,946 正月7日の御戸開神事の夜じゃ。 634 00:55:49,946 --> 00:55:54,885 大人達が尊いという大神様が どんなお姿をしているのか➡ 635 00:55:54,885 --> 00:56:00,385 見とうてたまらず 妹の真尋と 2人で出かけた。 636 00:56:02,726 --> 00:56:05,095 その時じゃ。 637 00:56:05,095 --> 00:56:10,700 ♬~ 638 00:56:10,700 --> 00:56:15,800 そなた 鹿島の太刀を継ぐ者か? 639 00:56:18,441 --> 00:56:25,115 そなたは いずれ 鹿島の太刀のために➡ 640 00:56:25,115 --> 00:56:29,415 その命を懸ける事となる。 641 00:56:31,821 --> 00:56:34,257 よいな? 642 00:56:34,257 --> 00:56:54,044 ♬~ 643 00:56:54,044 --> 00:56:56,079 兄上! 644 00:56:56,079 --> 00:57:01,384 ♬~ 645 00:57:01,384 --> 00:57:06,990 全ては 童の頃に見た 夢であったのかもしれぬが…。 646 00:57:06,990 --> 00:57:11,294 その話 初めて承ります。 647 00:57:11,294 --> 00:57:13,530 誰にも話さなんだ。 648 00:57:13,530 --> 00:57:17,233 なにやら 恐ろしい気がしてな。 649 00:57:17,233 --> 00:57:22,172 なれど 回国修行に出る事は➡ 650 00:57:22,172 --> 00:57:25,775 あの時から 定まっていたような気がする。 651 00:57:25,775 --> 00:57:29,679 ♬~ 652 00:57:29,679 --> 00:57:35,352 明日は 心を無にして 戦うまでじゃ。 653 00:57:35,352 --> 00:57:41,024 ♬~ 654 00:57:41,024 --> 00:57:43,024 (太鼓の音) 655 00:58:18,194 --> 00:58:20,494 (奉行)おなりである。 656 00:58:43,486 --> 00:58:45,486 (奉行)面を上げよ。 657 00:58:51,294 --> 00:58:54,731 [心の声] ものものしさに のまれてはならぬ。➡ 658 00:58:54,731 --> 00:59:04,474 風を思え。 天を思え。 地を思え。➡ 659 00:59:04,474 --> 00:59:08,578 この勝負 勝たねばならぬ。 660 00:59:08,578 --> 00:59:10,613 (検分役)両名。 661 00:59:10,613 --> 00:59:15,151 ♬~ 662 00:59:15,151 --> 00:59:17,587 始め! 663 00:59:17,587 --> 00:59:23,093 常陸の国の住人 塚原新右衛門高幹➡ 664 00:59:23,093 --> 00:59:27,530 鹿島の太刀にて お相手つかまつる。 665 00:59:27,530 --> 00:59:34,204 大浮流 牧 元鬼。 666 00:59:34,204 --> 00:59:36,204 参る! 667 00:59:41,778 --> 01:00:15,311 ♬~ 668 01:00:15,311 --> 01:00:17,413 何だ? あの構えは。 669 01:00:17,413 --> 01:00:23,887 ♬~ 670 01:00:23,887 --> 01:00:27,991 (氏親)あの者は 鹿島の使い手との 触れ込みであったが➡ 671 01:00:27,991 --> 01:00:32,362 牧の勝ちは 決まったようなものですな。 672 01:00:32,362 --> 01:00:40,203 (宗瑞)さて。 勝負は 決するまで 分からんものですぞ。 673 01:00:40,203 --> 01:01:07,303 ♬~ 674 01:01:21,945 --> 01:01:23,945 (検分役)勝負あり! 675 01:01:35,158 --> 01:01:50,773 ♬~ 676 01:01:50,773 --> 01:01:52,809 (宗瑞)見事じゃ。 677 01:01:52,809 --> 01:01:56,546 ♬~ 678 01:01:56,546 --> 01:02:00,149 一つ尋ねる。 679 01:02:00,149 --> 01:02:05,788 宙に跳んだ時に わしは 相討ちになると見た。 680 01:02:05,788 --> 01:02:10,526 何ゆえ そなたの打ち込みが 勝ったのじゃ? 681 01:02:10,526 --> 01:02:14,130 はっ! 牧殿と それがしは➡ 682 01:02:14,130 --> 01:02:18,501 その差なく 宙に跳びましてござりまする。 683 01:02:18,501 --> 01:02:22,438 なれど 迎え撃ったそれがしは 真上に跳び➡ 684 01:02:22,438 --> 01:02:26,042 牧殿は 前に向かって跳びました。 685 01:02:26,042 --> 01:02:37,120 ♬~ 686 01:02:37,120 --> 01:02:39,422 それゆえ それがしの高さが➡ 687 01:02:39,422 --> 01:02:42,125 僅かに 勝ったのでござりましょう。 688 01:02:42,125 --> 01:02:44,460 牧殿は 変幻自在。 689 01:02:44,460 --> 01:02:47,363 どこにも 隙は ござりませんでした。 690 01:02:47,363 --> 01:02:52,435 が 鹿島の太刀は 決して敗れはいたしませぬ。 691 01:02:52,435 --> 01:02:55,204 (宗瑞)たいそうな自信じゃの。➡ 692 01:02:55,204 --> 01:02:59,943 鹿島の太刀は それほど強いか? 693 01:02:59,943 --> 01:03:05,148 はい。 神より授かり 父祖代々 鍛え上げた太刀にござりますれば。 694 01:03:05,148 --> 01:03:12,622 ならば そなた 我が家臣達に その太刀を教えてくれぬか? 695 01:03:12,622 --> 01:03:16,826 はっ? 剣術指南を頼む。➡ 696 01:03:16,826 --> 01:03:20,396 しばし 城下にとどまれ。 よいな? 697 01:03:20,396 --> 01:03:22,365 はっ! 698 01:03:22,365 --> 01:03:43,219 ♬~ 699 01:03:43,219 --> 01:03:49,092 <伊勢宗瑞様は 後に 北条早雲と呼ばれるお方で➡ 700 01:03:49,092 --> 01:03:55,131 このころ 関八州への進出を 図っておいででした> 701 01:03:55,131 --> 01:04:02,872 ♬~ 702 01:04:02,872 --> 01:04:06,509 旦那様 新右衛門は どうしているのです? 703 01:04:06,509 --> 01:04:09,045 左門は 何と 書き送ってきたのです? 704 01:04:09,045 --> 01:04:11,881 早う教えて下さりませ。 705 01:04:11,881 --> 01:04:13,950 ご城内の試合に勝ち➡ 706 01:04:13,950 --> 01:04:17,754 しばらくは 小田原の地に とどまる事になったそうだ。 707 01:04:17,754 --> 01:04:19,822 小田原? うん。 708 01:04:19,822 --> 01:04:23,059 箱根の麓にございますね。 うん。 709 01:04:23,059 --> 01:04:25,762 伊勢宗瑞殿の目に留まったと あれば➡ 710 01:04:25,762 --> 01:04:30,500 新右衛門の名も 関東一円に広まるであろう。 711 01:04:30,500 --> 01:04:34,103 ようございました。 712 01:04:34,103 --> 01:04:38,041 それなれば 思いのほか 早う 回国修行を終えて➡ 713 01:04:38,041 --> 01:04:40,843 戻って参るかもしれませぬ。 714 01:04:40,843 --> 01:04:44,247 跳び斬りにて 打ち勝ったか。 715 01:04:44,247 --> 01:04:48,985 ♬~ 716 01:04:48,985 --> 01:04:51,654 [回想] やあっ! もっと高う跳べ! 717 01:04:51,654 --> 01:04:53,654 はい! 718 01:04:55,558 --> 01:04:57,593 やあっ! 719 01:04:57,593 --> 01:05:03,366 高く跳ぶ力なれば 新右衛門は 誰にも負けぬ。 720 01:05:03,366 --> 01:05:14,010 ♬~ 721 01:05:14,010 --> 01:05:16,045 参ります。 722 01:05:16,045 --> 01:05:29,358 ♬~ 723 01:05:29,358 --> 01:05:32,728 では 始める! (家臣達)ははっ! 724 01:05:32,728 --> 01:05:35,765 ♬~ 725 01:05:35,765 --> 01:05:39,836 一の組太刀! 始め! 726 01:05:39,836 --> 01:05:55,336 ♬~ 727 01:06:15,872 --> 01:06:17,872 真尋。 728 01:06:20,376 --> 01:06:22,378 はい。 729 01:06:22,378 --> 01:06:25,414 時が来た。 えっ? 730 01:06:25,414 --> 01:06:28,084 新右衛門が動く。 731 01:06:28,084 --> 01:06:33,089 次なる場所に 導かれてゆく。 732 01:06:33,089 --> 01:06:38,161 兄は いずこへ参るのでしょうか? 733 01:06:38,161 --> 01:06:41,731 西へ向かう。 734 01:06:41,731 --> 01:06:43,731 西? 735 01:06:45,801 --> 01:06:48,004 京の都。 736 01:06:48,004 --> 01:06:55,845 <時は 永正5年。 前年には 管領 細川政元様が暗殺され➡ 737 01:06:55,845 --> 01:07:02,218 足利将軍の地位を巡って 都は 大きく揺れていました> 738 01:07:02,218 --> 01:07:09,659 ♬~ 739 01:07:09,659 --> 01:07:13,696 明日 出立するそうじゃの。 740 01:07:13,696 --> 01:07:17,233 はい。 海路にて まずは 桑名まで参り➡ 741 01:07:17,233 --> 01:07:20,236 それより 都に上ります。 うん。 742 01:07:20,236 --> 01:07:25,474 わしは そなたを 召し抱えたいと 思っておったのじゃがのう。 743 01:07:25,474 --> 01:07:28,544 かたじけのう存じまする。 なれど➡ 744 01:07:28,544 --> 01:07:33,049 修行の旅の途中に ございますゆえ。 745 01:07:33,049 --> 01:07:36,385 のう 新右衛門。 はい。 746 01:07:36,385 --> 01:07:41,490 そなた なぜ 都に上がるのじゃ? 747 01:07:41,490 --> 01:07:47,730 強き相手と巡り会うて 戦ってみとうございます。 748 01:07:47,730 --> 01:07:51,300 戦うて 何とする? 749 01:07:51,300 --> 01:07:56,105 勝って 鹿島の名を 世に広めます。 750 01:07:56,105 --> 01:08:00,343 では 勝ち続けねばならんのか? 751 01:08:00,343 --> 01:08:02,878 はい。 勝たねば 死にますから。 752 01:08:02,878 --> 01:08:08,384 それが まことに 武芸者の道か? 753 01:08:08,384 --> 01:08:10,384 はっ? 754 01:08:12,488 --> 01:08:22,031 わしも 若き頃 そなたと 同じように 諸国を回ってきた。 755 01:08:22,031 --> 01:08:32,331 戦のたびに 田畑は踏みにじられ 長雨や洪水 ある時は干ばつ。 756 01:08:35,244 --> 01:08:39,515 天変地異が追い打ちをかける。➡ 757 01:08:39,515 --> 01:08:46,088 何百何千という飢えたる者達が 施しを求めて 都になだれ込む。 758 01:08:46,088 --> 01:08:54,888 これは 全て 終わりなき戦が 生み出す 人の世の地獄じゃ。 759 01:09:04,206 --> 01:09:11,747 わしも その地獄に 手を貸す一人じゃがのう。 760 01:09:11,747 --> 01:09:15,985 なれど ご城下が穏やかなのは 殿が戦に勝ち➡ 761 01:09:15,985 --> 01:09:19,188 この国を治められているからでは ございませぬか? 762 01:09:19,188 --> 01:09:23,359 それも 一時の事よ。➡ 763 01:09:23,359 --> 01:09:30,099 攻めてくる者あらば 戦わねばならぬ。 764 01:09:30,099 --> 01:09:32,968 また 攻められぬためにも➡ 765 01:09:32,968 --> 01:09:36,339 こちらから 打って出ねばならん。➡ 766 01:09:36,339 --> 01:09:38,708 果てしもない。 767 01:09:38,708 --> 01:09:41,977 ♬~ 768 01:09:41,977 --> 01:09:47,216 剣が 勝つためのものならば➡ 769 01:09:47,216 --> 01:09:53,389 そなたは 果てもなく 人を斬り続けねばならん。 770 01:09:53,389 --> 01:09:58,127 それは…。 勝ち続けるほかに 道はないのか? 771 01:09:58,127 --> 01:10:02,998 殺さずして 勝つ事はできぬのか? 772 01:10:02,998 --> 01:10:14,243 ♬~ 773 01:10:14,243 --> 01:10:18,681 よい。 そなたは まだ 若い。 774 01:10:18,681 --> 01:10:22,251 答えを知ろうはずはない。 775 01:10:22,251 --> 01:10:24,286 恐れ入ってございます。 776 01:10:24,286 --> 01:10:29,792 まずは その目で 広い世界を見て参れ。➡ 777 01:10:29,792 --> 01:10:38,167 そして いつの日か わしの問いの 答えを見つける事ができたなら➡ 778 01:10:38,167 --> 01:10:40,567 戻って参れ。 779 01:10:42,638 --> 01:10:48,778 それまでは 堅固で暮らせよ。 780 01:10:48,778 --> 01:10:50,813 はっ! 781 01:10:50,813 --> 01:11:04,313 ♬~ 782 01:11:09,598 --> 01:11:13,903 桑名の港から鈴鹿を越え 近江を抜けたら都です。 783 01:11:13,903 --> 01:11:16,071 道のりは 30里ばかり。 784 01:11:16,071 --> 01:11:18,240 のう 左門。 はい。 785 01:11:18,240 --> 01:11:21,744 俺は 昨夜から ずっと 伊勢宗瑞様のお言葉を➡ 786 01:11:21,744 --> 01:11:24,144 考えておったのだが…。 787 01:11:26,449 --> 01:11:28,651 孫子の書にも こうあります。 788 01:11:28,651 --> 01:11:31,387 「百戦百勝は 最善ではない。➡ 789 01:11:31,387 --> 01:11:36,258 戦わずして 敵を屈する事こそが 善の善なるものである」と。 790 01:11:36,258 --> 01:11:40,529 勝つ事が 善ではない…。 俺には よく分からぬ。 791 01:11:40,529 --> 01:11:44,200 勝ち続け 生き続けなければ 鹿島にも帰れんではないか? 792 01:11:44,200 --> 01:11:46,735 さようですな。 793 01:11:46,735 --> 01:11:51,874 されど お言葉は しばらく ここに しまっておく事としよう。 794 01:11:51,874 --> 01:11:55,544 宗瑞様がおっしゃるように まずは 広い世界が見てみたい。 795 01:11:55,544 --> 01:11:57,580 はい! 796 01:11:57,580 --> 01:12:03,018 ♬~ 797 01:12:03,018 --> 01:12:06,822 都には 諸国より つわものが集まっておろう。 798 01:12:06,822 --> 01:12:09,692 鹿島の神の名に懸けて 負けるわけにはいかぬ。 799 01:12:09,692 --> 01:12:12,528 はい。 800 01:12:12,528 --> 01:12:15,464 いざ 都へ! 801 01:12:15,464 --> 01:12:21,103 <西へ向かう船の上で 兄は 次なる戦いに向けて➡ 802 01:12:21,103 --> 01:12:24,940 心を躍らせていたのでございます> 803 01:12:24,940 --> 01:12:27,409 ♬~ 804 01:12:27,409 --> 01:12:29,445 (女の悲鳴) 805 01:12:29,445 --> 01:12:33,516 狼藉者 無礼は許さぬぞ! 806 01:12:33,516 --> 01:12:37,219 兵法天下一を決める試合 いかかじゃ? 807 01:12:37,219 --> 01:12:41,056 天下一。 塚原さんは 面白いお方やな。 808 01:12:41,056 --> 01:12:43,592 真剣で戦われると 伺いました。 809 01:12:43,592 --> 01:12:46,395 武芸の道は 命を捨てて かかる。 810 01:12:46,395 --> 01:12:48,497 命を懸けて 何になるのでしょう?! 811 01:12:48,497 --> 01:12:51,133 鹿乃殿が 口を出す事ではございません! 812 01:12:51,133 --> 01:12:53,869 片や 海内無双 こなた 当代随一。 813 01:12:53,869 --> 01:12:58,040 大内家と細川家の一騎打ちと 相なった。 814 01:12:58,040 --> 01:13:02,511 ♬~ 815 01:13:02,511 --> 01:13:05,748 このままでは 鹿島の国は滅ぶ。 816 01:13:05,748 --> 01:13:10,085 越後への出兵は 兵農 いずれをも 大いに疲弊させよう。 817 01:13:10,085 --> 01:13:14,890 新右衛門は 幾度も 神の試練に遭うであろう。 818 01:13:14,890 --> 01:13:18,327 塚原新右衛門は 俺の獲物だ。 819 01:13:18,327 --> 01:13:24,727 ♬~ 820 01:13:26,769 --> 01:13:28,871 ♬~ 821 01:13:28,871 --> 01:13:34,543 <日本列島の東に位置する 茨城県の鹿島神宮。➡ 822 01:13:34,543 --> 01:13:42,284 東国支配の要として 古来より 人々の崇敬を集めてきました。➡ 823 01:13:42,284 --> 01:13:47,823 これは 鹿島の神 武甕槌神のご神刀。➡ 824 01:13:47,823 --> 01:13:51,923 奈良時代の制作と推定される 国宝です> 825 01:13:54,029 --> 01:13:58,701 <神宮の神官を務める卜部吉川家に 生まれた卜伝は➡ 826 01:13:58,701 --> 01:14:03,405 若くして 鹿島の太刀を会得します。➡ 827 01:14:03,405 --> 01:14:10,779 長年の修行の末 編み出したのが 鹿島新當流です。➡ 828 01:14:10,779 --> 01:14:14,917 卜伝の剣は 今を生きる鹿島の人々にまで➡ 829 01:14:14,917 --> 01:14:18,354 連綿と受け継がれています> 830 01:14:18,354 --> 01:14:21,854 ♬~