1 00:00:02,302 --> 00:00:18,819 (櫓の音) 2 00:00:25,526 --> 00:00:30,130 (雙星彦馬)ようこそ。 3 00:00:30,130 --> 00:00:32,966 お待ちしておりました。 4 00:00:32,966 --> 00:00:37,804 (織江)遅くなり 申し訳ございませぬ。 5 00:00:37,804 --> 00:00:42,542 <それは 七夕の夜の事であった> 6 00:00:42,542 --> 00:00:46,280 ♬~ 7 00:00:46,280 --> 00:00:52,886 <武士のなりはしていても 興味があるのは 海と星だけ。➡ 8 00:00:52,886 --> 00:00:56,723 そんな平戸藩士 雙星彦馬のもとに➡ 9 00:00:56,723 --> 00:01:03,063 突然 美しい女が 嫁いできたのである> 10 00:01:03,063 --> 00:01:10,804 (赤松晋佐衛門)ご両人 これで めでたか さんさんと! 11 00:01:10,804 --> 00:01:16,310 ♬~ 12 00:01:16,310 --> 00:01:19,546 ただいま! 13 00:01:19,546 --> 00:01:21,548 ただいま! 14 00:01:24,785 --> 00:01:28,655 お帰りなさいまし。 ああ ただいま。 15 00:01:28,655 --> 00:01:31,058 何を そうお急ぎで? 16 00:01:33,160 --> 00:01:37,331 家に 帰りを待ってくれる者が いるというのは うれしいのだ。 17 00:01:37,331 --> 00:01:41,134 ♬~ 18 00:01:41,134 --> 00:01:47,040 <人づきあいが下手な男に 守るべきものが できた> 19 00:01:47,040 --> 00:01:51,044 平戸名物 カスドース。 20 00:01:53,680 --> 00:01:56,583 私も 初めて食べるのだ。 21 00:01:56,583 --> 00:01:59,820 ♬~ 22 00:01:59,820 --> 00:02:01,755 甘い! 23 00:02:01,755 --> 00:02:05,659 ♬~ 24 00:02:05,659 --> 00:02:10,931 おいしゅうございます。 うん。 ハハハ… 甘い ハハハ…。 25 00:02:10,931 --> 00:02:14,368 ♬~ 26 00:02:14,368 --> 00:02:17,070 お待たせしました。 27 00:02:17,070 --> 00:02:26,313 ♬~ 28 00:02:26,313 --> 00:02:29,850 貝は この2枚があって 1対だ。 29 00:02:29,850 --> 00:02:32,853 ああ 夫婦と同じだな。 30 00:02:32,853 --> 00:02:35,022 ええ。 31 00:02:35,022 --> 00:02:42,295 ♬~ 32 00:02:42,295 --> 00:02:46,533 <夢のような日々が続くと 思われたが…> 33 00:02:46,533 --> 00:03:02,149 (セミの声) 34 00:03:05,886 --> 00:03:10,190 (虫の声) 35 00:03:46,059 --> 00:03:51,631 <彦馬は 忽然と姿を消した 妻 織江を捜すため➡ 36 00:03:51,631 --> 00:03:57,304 故郷 平戸を離れ 旅に出た。➡ 37 00:03:57,304 --> 00:04:01,074 だが 彼は まだ知らない。➡ 38 00:04:01,074 --> 00:04:07,280 妻には 明かしてはならぬ もう一つの顔がある事を> 39 00:04:09,516 --> 00:04:11,451 織江。 40 00:04:11,451 --> 00:04:51,858 ♬~(テーマ音楽) 41 00:04:56,329 --> 00:05:02,569 <松平定信が 倹約を推し進めた 寛政の改革が 失敗に終わると➡ 42 00:05:02,569 --> 00:05:06,506 それまで 息を詰めていた 庶民の活力がみなぎり➡ 43 00:05:06,506 --> 00:05:13,647 江戸では 芸術や学問に限らず 自由闊達な気風に満ちていた。➡ 44 00:05:13,647 --> 00:05:18,084 このころになると ロシア イギリスの船が 頻繁に現れて➡ 45 00:05:18,084 --> 00:05:23,990 通商を求めたが 幕府は ことごとく拒絶していた> 46 00:05:26,793 --> 00:05:31,031 <アメリカのペリー率いる黒船が 浦賀に来るのは➡ 47 00:05:31,031 --> 00:05:34,901 これから 約30年後の事である> 48 00:05:34,901 --> 00:05:43,343 ♬~ 49 00:05:43,343 --> 00:05:49,249 <肥前平戸藩御用 西海屋が 江戸に出している店である> 50 00:05:53,720 --> 00:05:57,624 (番頭)ああっ これは 御前! 51 00:05:59,826 --> 00:06:02,429 (西海屋千右衛門)御用があれば 手前が伺いましたものを。 52 00:06:02,429 --> 00:06:10,737 (松浦静山)なに。 昨夜 池之端で ちょいとな。 53 00:06:18,211 --> 00:06:25,752 そなたの 例の幼なじみ とうとう 平戸をたったようだな。 54 00:06:25,752 --> 00:06:30,724 やはり 姿をくらませた女房を 捜すなどと…。 55 00:06:30,724 --> 00:06:33,126 見つかる訳がない。 56 00:06:35,428 --> 00:06:38,064 (静山)去った女に 追いすがるなど➡ 57 00:06:38,064 --> 00:06:42,035 何とも いじましいではないか。➡ 58 00:06:42,035 --> 00:06:49,209 しかし その雙星彦馬は 気が付いているのかな? 59 00:06:49,209 --> 00:06:52,445 雙星彦馬の妻となった女は➡ 60 00:06:52,445 --> 00:06:57,284 平戸に送り込まれた 幕府の密偵だ。 61 00:06:57,284 --> 00:07:05,659 ♬~ 62 00:07:05,659 --> 00:07:14,167 (静山)忍びが 偽りの身分を 手に入れるなど 訳もない事。➡ 63 00:07:14,167 --> 00:07:21,908 そうして 用がなくなったら 痕跡も残さずに 消えるだけだ。 64 00:07:21,908 --> 00:07:27,414 ♬~ 65 00:07:30,917 --> 00:07:33,453 あいつは 昔から 気のいいヤツです。 66 00:07:33,453 --> 00:07:36,856 それは 間違いありません。 67 00:07:36,856 --> 00:07:40,961 ただ それで 随分と 損をしていますが。 68 00:07:43,730 --> 00:07:49,436 それにも増して 国元でも有名な 変わり者でもありまして。 69 00:07:49,436 --> 00:07:53,640 噂は 耳にしていた。 70 00:07:53,640 --> 00:07:56,309 御前は 隠居なされたあとは 江戸住まいで➡ 71 00:07:56,309 --> 00:07:59,212 ご存じないとは思いますが➡ 72 00:07:59,212 --> 00:08:02,248 藩士でありながら 政の事など➡ 73 00:08:02,248 --> 00:08:05,518 恐らく 全く分かっておりません。➡ 74 00:08:05,518 --> 00:08:08,755 彦馬の関心は 専ら 海の事➡ 75 00:08:08,755 --> 00:08:12,659 星や月など 天文の事だけなのです。 76 00:08:12,659 --> 00:08:17,364 そんな彦馬に 相手は なぜ 密偵を? 77 00:08:20,734 --> 00:08:27,907 今年の春だったか 上屋敷に行った折➡ 78 00:08:27,907 --> 00:08:33,813 豊前中津の江戸家老と 世間話をした事があった。 79 00:08:33,813 --> 00:08:38,184 はい。 その時➡ 80 00:08:38,184 --> 00:08:44,290 異国の船が 我が国に 頻繁に押し寄せる昨今➡ 81 00:08:44,290 --> 00:08:48,161 大名家の将来について 話が及んだ。 82 00:08:48,161 --> 00:08:53,967 はい。 迫り来る難局を乗り切るには➡ 83 00:08:53,967 --> 00:09:00,173 周りには 目を背けられるような 変人 あるいは 異物こそが➡ 84 00:09:00,173 --> 00:09:04,077 思わぬ力を発揮するのではと…。 85 00:09:06,346 --> 00:09:14,788 わしは どうも 雙星彦馬の名を 口にしたような気がする。 86 00:09:14,788 --> 00:09:19,092 彦馬の何を? 87 00:09:19,092 --> 00:09:27,500 「雙星という御船手方の若い藩士は 周りの声など気にせず➡ 88 00:09:27,500 --> 00:09:32,872 己の思うところにこだわる いわば異物だが➡ 89 00:09:32,872 --> 00:09:40,580 そのような人物こそ 見どころがあるのではないか」と。 90 00:09:40,580 --> 00:09:46,086 その話が ご公儀に届いたという事は? 91 00:09:46,086 --> 00:09:50,924 上屋敷には 密偵が入り込んでいるな。 92 00:09:50,924 --> 00:09:53,593 御前。 93 00:09:53,593 --> 00:09:57,697 まあ 予期していた事ではあるが。 94 00:10:00,767 --> 00:10:07,373 しかし 相手は 人選を誤ったようだ。 95 00:10:11,478 --> 00:10:18,985 (くしゃみ) 96 00:10:35,368 --> 00:10:39,072 千右衛門。 97 00:10:51,784 --> 00:10:56,222 久しぶりの風呂で 生き返ったぞ。 98 00:10:56,222 --> 00:11:01,094 へえ しかし 千右衛門 すっかり商家の主だな。 99 00:11:01,094 --> 00:11:04,497 刀を捨て 養子に入って もう10年だぞ。 100 00:11:04,497 --> 00:11:08,301 えっ? もう そんなになるのか。 101 00:11:08,301 --> 00:11:11,304 ああ そこのは 捨ててもいいな? 102 00:11:11,304 --> 00:11:15,074 いや 洗えば まだまだ使える。 103 00:11:15,074 --> 00:11:17,076 分かった。 104 00:11:19,646 --> 00:11:23,650 これか? 一切を売り払って 買うたというのは。 105 00:11:23,650 --> 00:11:27,020 ああ ひと月以上の道中➡  106 00:11:27,020 --> 00:11:29,622 追い剥ぎやら泥棒の類いに 行き当たったが➡ 107 00:11:29,622 --> 00:11:33,192 これが無事で 何よりだったよ。 108 00:11:33,192 --> 00:11:36,896 お前 本当に 妻を捜すためだけに来たのか? 109 00:11:36,896 --> 00:11:40,700 そうだ。 110 00:11:40,700 --> 00:11:43,403 それだけのために? 111 00:11:48,174 --> 00:11:50,710 いかんか? 112 00:11:50,710 --> 00:11:57,050 しかしな 江戸にいるのかどうか。 113 00:11:57,050 --> 00:11:59,953 嫁の口を利いてくだされた 赤松様が➡ 114 00:11:59,953 --> 00:12:03,356 「女は 江戸に戻ったのでは」と 漏らされたのだ。 115 00:12:03,356 --> 00:12:06,793 ところが もっと詳しく 聞こうと思ったやさき➡ 116 00:12:06,793 --> 00:12:12,398 事情は知らんが 自害なされてな。 117 00:12:16,469 --> 00:12:18,905 だが 恐らく 織江は➡ 118 00:12:18,905 --> 00:12:22,408 縁者の誰かが 病に倒れたと 知らせを受けたものの➡ 119 00:12:22,408 --> 00:12:26,679 私に心配させまいと あえて 何も告げずに 江戸へ。 120 00:12:26,679 --> 00:12:30,550 彦馬 やめろ。 うん? 121 00:12:30,550 --> 00:12:33,152 たったひと月で 逃げ出すような女だ。 122 00:12:33,152 --> 00:12:36,122 名前も何もかも ウソで固めた狐だ。 123 00:12:36,122 --> 00:12:39,826 第一 この江戸で 人捜しなど無理だ。 124 00:12:39,826 --> 00:12:43,062 女の事は 忘れろ。 125 00:12:43,062 --> 00:12:45,965 いや 無理だな。 126 00:12:45,965 --> 00:12:51,771 たったひと月の妻であったが 忘れるのは 無理だ。 127 00:12:51,771 --> 00:12:55,508 (原田朔之助)いや 参った。 128 00:12:55,508 --> 00:13:03,216 参ったぞ 千右衛門。 129 00:13:03,216 --> 00:13:06,586 あっ 何だ? 客人か? 130 00:13:06,586 --> 00:13:10,356 私の幼なじみで 雙星彦馬。 131 00:13:10,356 --> 00:13:15,495 雙星? 雙星とは 変わった名だ。 132 00:13:15,495 --> 00:13:19,399 こちらは 南町奉行所同心の 原田さんだ。 133 00:13:19,399 --> 00:13:23,102 原田朔之助だ。 よろしくな。 134 00:13:23,102 --> 00:13:26,339 奉行所の同心とも じっこんにしてるのか? 135 00:13:26,339 --> 00:13:31,177 私がというより 松浦家お屋敷が 何かと頼りにな。 136 00:13:31,177 --> 00:13:37,950 おかげで 松浦家の 家紋入りの羽織も 頂戴しておる。 137 00:13:37,950 --> 00:13:39,919 はあ。 138 00:13:39,919 --> 00:13:43,089 ああ 原田さん 「参った」とは 一体? 139 00:13:43,089 --> 00:13:49,896 ほら 例の立花屋の娘の かどわかしの一件に行き詰まって。 140 00:13:49,896 --> 00:13:54,701 ああ 昨日 身代金が払われて 娘は戻されたんだが➡ 141 00:13:54,701 --> 00:13:57,970 誰の仕業か そのメドが…。 でしょ? 142 00:13:57,970 --> 00:14:02,575 ああ。 どこに 連れていかれたのかも分からん。 143 00:14:02,575 --> 00:14:09,082 娘は 「捕らわれてた部屋から 月が見えた」などと申すだけでな。 144 00:14:09,082 --> 00:14:12,452 月が見えてた時刻と 方角が分かれば➡ 145 00:14:12,452 --> 00:14:15,254 場所の見当も つくんじゃありませんか? 146 00:14:15,254 --> 00:14:18,157 月で? はい。 147 00:14:21,060 --> 00:14:23,496 えっ? 148 00:14:23,496 --> 00:14:28,735 ハハハ… 千右衛門➡ 149 00:14:28,735 --> 00:14:33,506 堅い商人のくせに よくも 大ぼらを吹く友人がいたもんだな。 150 00:14:33,506 --> 00:14:43,716 ハハハ… お月さんでのう ハハハ…。 151 00:14:46,519 --> 00:14:51,090 <幕府が 特に警戒していたのは 西国の諸大名で➡ 152 00:14:51,090 --> 00:14:54,861 ひそかに その動向の探索を 担っていたのが➡ 153 00:14:54,861 --> 00:15:00,233 将軍直属のお庭番であった。➡ 154 00:15:00,233 --> 00:15:06,906 日比谷御門外にある御用屋敷には 老中支配の伊賀組などとは別に➡ 155 00:15:06,906 --> 00:15:15,615 八代将軍 吉宗以来 代々 世襲して 続くお庭番の家が 30ほどあった> 156 00:15:15,615 --> 00:15:20,853 ♬~ 157 00:15:20,853 --> 00:15:23,089 この夏 女を➡ 158 00:15:23,089 --> 00:15:27,660 平戸の御船手方の藩士の妻として 送り込みましたが➡ 159 00:15:27,660 --> 00:15:31,197 ひと月で 引き揚げさせました。 160 00:15:31,197 --> 00:15:36,469 (奥寺勘兵衛)確か 松浦静山の懐刀とか。 161 00:15:36,469 --> 00:15:39,205 実は それが 全くの凡人。 162 00:15:39,205 --> 00:15:43,910 というより ただの変わり者でして 得るものは 何もなく。 163 00:15:43,910 --> 00:15:47,213 (平沢重兵衛)川村様。 (久喜)ほら! 164 00:15:52,418 --> 00:16:00,726 又八 お前は 金に転んで 屋敷の内情を 薩摩に漏らしたな? 165 00:16:17,944 --> 00:16:20,780 片づけよ。 166 00:16:20,780 --> 00:16:22,782 はっ! 167 00:16:30,756 --> 00:16:37,163 (勘兵衛)薩摩 平戸 鍋島 中津。 168 00:16:37,163 --> 00:16:41,734 今 特に用心せねばならぬのが この四家でしょう。 169 00:16:41,734 --> 00:16:44,971 オランダはじめ 異国との交わりに傾注し➡ 170 00:16:44,971 --> 00:16:48,307 密貿易で 富を得ているおそれもある。 171 00:16:48,307 --> 00:16:52,778 が 証拠が出ぬ。 172 00:16:52,778 --> 00:16:54,714 (安藤祥吾)奥寺殿➡ 173 00:16:54,714 --> 00:17:00,553 もう一つ気がかりな事は 去年 長崎に来たシーボルト。 174 00:17:00,553 --> 00:17:03,422 ああ あれも危ういな。 175 00:17:03,422 --> 00:17:07,693 川村 長崎からは 何か? 176 00:17:07,693 --> 00:17:11,330 (川村真一郎)知らせによれば シーボルトなる者➡ 177 00:17:11,330 --> 00:17:14,133 長崎にて 我が国の者どもと交わり➡ 178 00:17:14,133 --> 00:17:20,540 大名 諸大名家の若手 蘭学者の 信奉を得ている様子にて。 179 00:17:20,540 --> 00:17:24,343 うん。 城内ご重臣の多くは➡ 180 00:17:24,343 --> 00:17:27,246 その事を 大いに危ぶんでおられる。 181 00:17:27,246 --> 00:17:32,118 つまり そやつらが 異国にかぶれ 手を結び➡ 182 00:17:32,118 --> 00:17:34,587 幕府に 謀反をたくらむとな。 183 00:17:34,587 --> 00:17:39,125 うん。 さて この大名どもの動きを➡ 184 00:17:39,125 --> 00:17:44,330 押さえ込むには 見せしめが要りますな。 185 00:17:44,330 --> 00:17:47,600 見せしめですか? 186 00:17:47,600 --> 00:17:53,706 例えば 平戸の元藩主 松浦静山。 187 00:17:56,008 --> 00:18:02,348 桜田屋敷の務めは これを まず 潰す事。 188 00:18:02,348 --> 00:18:10,156 ♬~ 189 00:18:13,726 --> 00:18:16,629 (女)ねえさん! あら 栄ざ様 お久しぶり! 190 00:18:16,629 --> 00:18:19,932 おう! 秀弥 一段と 艶っぽくなったな。 191 00:18:19,932 --> 00:18:21,867 (秀弥)まあ うれしい。 192 00:18:21,867 --> 00:18:28,507 お礼に はい あ~ん。 193 00:18:28,507 --> 00:18:30,443 おいしい? 194 00:18:30,443 --> 00:18:34,313 (浪人)ああ うまそうだな。 女 俺にも食わせろ。 195 00:18:34,313 --> 00:18:38,184 嫌なこった! あん? いや 何が何でも食う! 196 00:18:38,184 --> 00:18:42,088 嫌! キャーッ! (女)お待ち遠さま。 197 00:18:42,088 --> 00:18:45,925 ハハハ… ほら 食わせろ。 198 00:18:45,925 --> 00:18:48,461 嫌! 駄目! やめてください。 199 00:18:48,461 --> 00:18:51,063 離してください! よせ! 200 00:18:55,267 --> 00:19:01,574 どいつもこいつも 我ら浪人を虫けら扱いか!? 201 00:19:16,889 --> 00:19:20,726 待て 待て 待て 待てい! 202 00:19:20,726 --> 00:19:24,497 必ず食うぞ 豆腐田楽! 203 00:19:24,497 --> 00:19:26,932 何事か!? 204 00:19:26,932 --> 00:19:34,340 あっ これは 御前! 栄ざ様 日本一! よっ 助六! 205 00:19:34,340 --> 00:19:38,310 栄ざ様って お前 こちら様を どなただと…。 206 00:19:38,310 --> 00:19:40,713 この辺りに 御用の筋かえ? 207 00:19:40,713 --> 00:19:44,383 へえ かどわかしの件で 難渋しておりまして。 208 00:19:44,383 --> 00:19:48,220 ほう? 道々 聞かせてもらおうか。 209 00:19:48,220 --> 00:19:50,790 秀弥 またな。 210 00:19:50,790 --> 00:19:54,393 ありがとうございました。 日本一! 211 00:19:56,462 --> 00:19:59,131 (富蔵)こちらですよ。 212 00:19:59,131 --> 00:20:05,905 西海屋さんによれば 柳行李と 布団は 後で届けるそうです。 213 00:20:05,905 --> 00:20:09,508 (女)お帰り! さあ どうぞ。 214 00:20:12,478 --> 00:20:16,348 新しい店子だよ。 (女2)いい男じゃないか! 215 00:20:16,348 --> 00:20:19,018 (女3)そうかい? ここですよ。 216 00:20:19,018 --> 00:20:21,554 さあ どうぞ。 217 00:20:21,554 --> 00:20:27,993 え~と その文机は 前の住人が 置いてったもんだから 遠慮なく。 218 00:20:27,993 --> 00:20:29,995 じゃ。 どうも。 219 00:20:29,995 --> 00:20:32,198 下がって 下がって! 何やってんだよ!? 220 00:20:32,198 --> 00:20:35,601 ⚟(女)いいかげんにおしよ。 いいじゃないか!➡ 221 00:20:35,601 --> 00:20:39,205 ちょっと! 何やってんだよ!? 222 00:20:39,205 --> 00:20:59,425 ♬~ 223 00:20:59,425 --> 00:21:06,232 トントン トンガラシ ヒリリと辛いは サンショの粉。 224 00:21:06,232 --> 00:21:10,503 スハスハするのは コショウの粉。 225 00:21:10,503 --> 00:21:13,405 ヒリリと辛いは サンショの粉。 226 00:21:13,405 --> 00:21:16,075 ⚟(お弓)おい そこの唐辛子売り。 227 00:21:16,075 --> 00:21:18,410 へい。 228 00:21:18,410 --> 00:21:20,412 毎度。 229 00:21:36,529 --> 00:21:39,832 ありがとうございました。 230 00:21:53,012 --> 00:22:00,219 ♬~ 231 00:22:00,219 --> 00:22:02,321 (島田)女 待て! 232 00:22:06,559 --> 00:22:13,165 何か? その方 我らが屋敷近くで➡ 233 00:22:13,165 --> 00:22:15,234 胡乱な動きをしていたな? 234 00:22:15,234 --> 00:22:21,207 いえ 私は ただ 唐辛子を お屋敷の方に。 235 00:22:21,207 --> 00:22:28,080 ♬~ 236 00:22:28,080 --> 00:22:33,686 おのれ! 斬れ! (侍)斬れ! 斬れ! 237 00:22:40,159 --> 00:22:42,161 クソ! 238 00:23:04,483 --> 00:23:08,554 はなから 密偵と断じて 襲われました。 239 00:23:08,554 --> 00:23:11,190 不可解でなりません。 240 00:23:11,190 --> 00:23:15,995 うん。 もし 私が疑われたなら➡ 241 00:23:15,995 --> 00:23:20,666 お屋敷の中の お弓の身も危ういのでは? 242 00:23:20,666 --> 00:23:25,938 いや 今のところ お弓に変わりはない。➡ 243 00:23:25,938 --> 00:23:30,643 平戸松浦が 前にも増して 用心し始めたのであろう。 244 00:23:34,113 --> 00:23:39,318 <お庭番の住まいは 桜田屋敷の中にあった> 245 00:23:49,194 --> 00:23:52,564 (物音) 246 00:23:52,564 --> 00:23:55,067 おっかさん そんな事は 私が! 247 00:23:55,067 --> 00:23:58,404 (雅江)いや 今日は 体の具合がいいし➡ 248 00:23:58,404 --> 00:24:05,811 それに いつ戻るか 当てにできないからね。 249 00:24:23,028 --> 00:24:34,006 織江 この前のお前の勤めは 海のそばじゃなかったのかい? 250 00:24:34,006 --> 00:24:42,114 8月に戻ってきてから 何だか 魚料理が増えた。 251 00:24:42,114 --> 00:24:44,917 向こうで覚えたんだろう? 252 00:24:46,952 --> 00:24:50,622 う~ん 九州だね。 253 00:24:50,622 --> 00:24:54,893 例えば 平戸とか。 254 00:24:54,893 --> 00:25:01,300 勤めの事は 身内にだって 言わないのが決まりだよ。 255 00:25:01,300 --> 00:25:04,937 料理の腕が上がった。 256 00:25:04,937 --> 00:25:09,375 誰かに 心を込めて 作ってやってたようだね。 257 00:25:09,375 --> 00:25:14,079 ♬~ 258 00:25:14,079 --> 00:25:17,116 この骨は みそ汁のだしに使う。 あとは 刺身に。 259 00:25:17,116 --> 00:25:19,284 はい! 260 00:25:19,284 --> 00:25:36,068 ♬~ 261 00:25:36,068 --> 00:25:38,470 男だろう? 262 00:25:40,906 --> 00:25:45,344 な~に。 ちょっと いい女を気取っただけさ。 263 00:25:45,344 --> 00:25:49,915 亭主のために尽くす けなげな女房をね。 264 00:25:49,915 --> 00:25:52,951 へえ。 265 00:25:52,951 --> 00:25:56,688 ほれたふりして 誠心誠意尽くすのが勤め。 266 00:25:56,688 --> 00:25:59,158 おっかさんの言うとおりに したまでよ。 267 00:25:59,158 --> 00:26:03,896 でも まんざらでも なかったんだろ? 268 00:26:03,896 --> 00:26:08,200 フフフ… 分かるさ。 269 00:26:08,200 --> 00:26:13,338 密偵としては まだ甘いね。 270 00:26:13,338 --> 00:26:17,109 頂きます。 271 00:26:17,109 --> 00:26:20,045 こっち こっち。 何ですよ? 272 00:26:20,045 --> 00:26:23,882 ああ ここ ここ。 妻恋稲荷神社。 273 00:26:23,882 --> 00:26:26,118 ここには どんないわれが あるんですか? 274 00:26:26,118 --> 00:26:30,956 ああ これね。 こっち こっち。 275 00:26:30,956 --> 00:26:35,461 文字どおり 妻を恋い慕う訳ですよ。 276 00:26:35,461 --> 00:26:39,898 日本武尊が 東国征伐の折だよ。 277 00:26:39,898 --> 00:26:42,234 海が大荒れで 難儀した時➡ 278 00:26:42,234 --> 00:26:49,741 女房の… え~と 弟橘姫が 海に身を投じて 嵐を鎮めた訳だ。 279 00:26:49,741 --> 00:26:52,644 うん。 征伐は うまくいった。 280 00:26:52,644 --> 00:26:56,515 が 女房は 海の藻屑と消えた。 281 00:26:56,515 --> 00:27:00,853 「嘆かわしや 日本武尊」ってんで これが建ったんだね。 282 00:27:00,853 --> 00:27:04,823 私の思いそのままの神社だ。 えっ? 283 00:27:04,823 --> 00:27:06,992 ああ…。 284 00:27:06,992 --> 00:27:23,208 ♬~ 285 00:27:27,946 --> 00:27:31,817 出た! 大ぼら吹きが! 286 00:27:31,817 --> 00:27:37,289 いえ 私は…。 あ~あ かどわかしの一件➡ 287 00:27:37,289 --> 00:27:41,193 いっそ あんたの言う お月さんにでも おすがりして➡ 288 00:27:41,193 --> 00:27:44,429 場所を 突き止めてもらいたいもんだ。 289 00:27:44,429 --> 00:27:46,498 はい いいですよ。 290 00:27:46,498 --> 00:27:50,235 えっ? 291 00:27:50,235 --> 00:27:53,539 ありがとうございました。 ありがとうございました。 292 00:27:56,141 --> 00:28:00,512 (ゆう)私が通ってる麻布の 寺子屋に 知らない男の人が来て➡ 293 00:28:00,512 --> 00:28:03,415 「おとっつぁんが倒れて 大変だから」って➡ 294 00:28:03,415 --> 00:28:06,985 外に連れ出されたの。 そしたら 駕籠の前で➡ 295 00:28:06,985 --> 00:28:09,755 おなかのとこ 殴られて。 296 00:28:09,755 --> 00:28:12,658 気が付いたら 部屋の中で…。 297 00:28:12,658 --> 00:28:17,162 おゆうちゃんは その部屋で 月を見たんだね?うん。 298 00:28:17,162 --> 00:28:19,097 (半鐘の音) 299 00:28:19,097 --> 00:28:21,733 (ゆう)近くで 火事騒ぎがあったみたいで➡ 300 00:28:21,733 --> 00:28:26,004 見張りに来てた人が 窓を開けて 心配そうに見たの。➡ 301 00:28:26,004 --> 00:28:30,542 その時 窓から 月が見えたの。 302 00:28:30,542 --> 00:28:34,446 5日前は 満月で 晴れ。 303 00:28:34,446 --> 00:28:37,249 月が見えた正確な時刻が 分かれば➡ 304 00:28:37,249 --> 00:28:39,184 捕らえられていた部屋の場所➡ 305 00:28:39,184 --> 00:28:41,820 つまり 東西南北の どっちを向いていたか➡ 306 00:28:41,820 --> 00:28:45,290 それが割り出せるんだがな。 ふん まさか。 307 00:28:45,290 --> 00:28:49,161 星でも分かるが 星は見てないんだね? 308 00:28:49,161 --> 00:28:52,664 星って どれも同じじゃ…? 309 00:28:52,664 --> 00:28:57,102 いや 一つ一つ 大きさも輝きも違うものだよ。 310 00:28:57,102 --> 00:28:59,037 ふ~ん。 311 00:28:59,037 --> 00:29:04,943 う~ん 4~5日前に この辺りで 火事はなかった。 312 00:29:04,943 --> 00:29:08,046 という事は…。 313 00:29:08,046 --> 00:29:11,950 よし! 分かった! 各町の番屋に聞く! 314 00:29:15,187 --> 00:29:22,327 (朔之助)5日前の夜四ツ過ぎに 火事があったのは ここ。 315 00:29:22,327 --> 00:29:25,030 あっ 高輪。 316 00:29:25,030 --> 00:29:27,933 高輪だよ。 えっ? ああ…。 317 00:29:27,933 --> 00:29:30,335 半鐘の音が聞こえたと言うなら➡ 318 00:29:30,335 --> 00:29:36,441 高輪近くの 伊皿子 三田 白金辺り。 319 00:29:40,846 --> 00:29:46,518 (朔之助)何だ? この図は。 待っている間に 書いたんです。 320 00:29:46,518 --> 00:29:52,924 5日前の夜四ツの満月は この東の方角にありました。 321 00:29:56,194 --> 00:29:58,997 おい 彦馬。 322 00:29:58,997 --> 00:30:04,536 かどわかしの男たちの事で 何か 思い出した事があるそうだ。 323 00:30:04,536 --> 00:30:07,439 1人の人は 顔を出していたけど➡ 324 00:30:07,439 --> 00:30:12,277 もう一人の人は 最後まで 顔を隠して 声も出さなかったの。 325 00:30:12,277 --> 00:30:14,713 えっ? という事は おゆうちゃんが➡ 326 00:30:14,713 --> 00:30:18,450 知ってる人という事も? うん そう思って。 327 00:30:18,450 --> 00:30:21,453 大したもんだな おゆうちゃん。 328 00:30:23,422 --> 00:30:28,026 よし! 分かった! 立花屋の周辺を調べる! 329 00:30:31,530 --> 00:30:34,866 西海屋さんに聞いたら 高輪のほうですって? 330 00:30:34,866 --> 00:30:38,603 うん 多分ね。 ねえ 今から 行ってみようよ。 331 00:30:38,603 --> 00:30:41,440 何か思い出す事が あるかもしれないし。 332 00:30:41,440 --> 00:30:44,342 いいね。 333 00:30:44,342 --> 00:30:47,546 その部屋に 風は吹き込んでいたかな? 334 00:30:47,546 --> 00:30:52,384 うん でも 正面からじゃなかったよ。 335 00:30:52,384 --> 00:30:55,253 海が近い所では 夜になると➡ 336 00:30:55,253 --> 00:30:57,489 風が 陸から海に向かって 吹いてるんだな。 337 00:30:57,489 --> 00:31:05,864 つまり おゆうちゃんは 部屋で 海に向かって 月を見たんだ。 338 00:31:05,864 --> 00:31:08,533 という事は…。 339 00:31:08,533 --> 00:31:11,803 この白金じゃない。 340 00:31:11,803 --> 00:31:15,407 この辺りなんだがな。 341 00:31:18,577 --> 00:31:20,512 ちょっと。 うん? 342 00:31:20,512 --> 00:31:25,450 ああ…。 8畳もの部屋が 2階にあるとすれば➡ 343 00:31:25,450 --> 00:31:28,587 かなり大きな建物のはずなんだ。 344 00:31:28,587 --> 00:31:33,291 それに 昼間 お香の匂いがしてた。 345 00:31:33,291 --> 00:31:36,261 うん? お寺の近くか。 346 00:31:36,261 --> 00:31:41,366 あのね お線香の匂いじゃなくて もっと優しい匂い。 347 00:31:41,366 --> 00:31:45,704 まとめると おゆうちゃんがいた家は➡ 348 00:31:45,704 --> 00:31:53,812 東側のすぐに 海があって➡ 349 00:31:53,812 --> 00:31:58,717 2階に窓があって 満月が見える。 350 00:31:58,717 --> 00:32:03,321 ♬~ 351 00:32:09,161 --> 00:32:12,731 こんな匂いがしてた。 うん? 352 00:32:12,731 --> 00:32:16,334 あっ お香か。 あっ! 353 00:32:18,403 --> 00:32:21,173 (男)いらっしゃいませ。 どうぞ。 354 00:32:21,173 --> 00:32:23,175 これだ。 355 00:32:25,744 --> 00:32:29,915 (清蔵)おい 品川へ繰り出すか? 356 00:32:29,915 --> 00:32:32,617 清蔵叔父さん? 357 00:32:32,617 --> 00:32:36,321 (弥七)ハハハ… 行こう 行こう 行こう。 358 00:32:36,321 --> 00:32:38,290 うん? おい。 359 00:32:38,290 --> 00:32:41,793 うん? あっ! あの人! 360 00:32:41,793 --> 00:32:49,501 ♬~ 361 00:32:49,501 --> 00:32:52,103 何で ここが分かったんだよ? 362 00:32:52,103 --> 00:32:57,209 顔を見られたからには 殺すしかないぞ 弥七。 363 00:32:59,411 --> 00:33:01,346 おう。 364 00:33:01,346 --> 00:33:18,096 ♬~ 365 00:33:18,096 --> 00:33:20,532 待て 待て 待て 待て! 366 00:33:20,532 --> 00:33:22,934 (権六)御用だ! かどわかし! 367 00:33:22,934 --> 00:33:24,870 や~っ! 368 00:33:24,870 --> 00:33:34,012 ♬~ 369 00:33:34,012 --> 00:33:36,014 よくやった! 370 00:33:40,752 --> 00:33:45,257 この男は おゆうちゃんの父親の弟だ! 371 00:33:47,158 --> 00:33:50,462 立花屋の弟は 金が無くなるたんびに➡ 372 00:33:50,462 --> 00:33:52,797 立花屋に 金をせびっていたらしいんだが➡ 373 00:33:52,797 --> 00:33:55,600 この前 断られたのを恨んで おゆうちゃんを。 374 00:33:55,600 --> 00:33:59,070 なるほど。 375 00:33:59,070 --> 00:34:03,441 同心の原田さん お前には感心していたぞ。➡ 376 00:34:03,441 --> 00:34:09,080 月の方角から 悪党を追い詰めた眼力にさ。➡ 377 00:34:09,080 --> 00:34:11,750 さあ 行こうか? どこへ行くんだ? 378 00:34:11,750 --> 00:34:14,552 先の平戸藩主のお屋敷だ。 379 00:34:14,552 --> 00:34:17,455 壱岐守様? (千右衛門)隠居なされて➡ 380 00:34:17,455 --> 00:34:19,424 今は 松浦静山様だ。 381 00:34:19,424 --> 00:34:21,459 ふ~ん。 382 00:34:21,459 --> 00:34:41,646 ♬~ 383 00:34:41,646 --> 00:34:45,850 おい 彦馬。 あっ…。 384 00:34:48,086 --> 00:34:51,790 御前。 ⚟(静山)入れ。 385 00:34:51,790 --> 00:34:57,195 元御船手方書物天文係 雙星彦馬にございます。 386 00:34:57,195 --> 00:34:59,564 名は 以前より耳にしていた。 387 00:34:59,564 --> 00:35:02,667 恐れ入ります。 手を上げよ。 388 00:35:04,502 --> 00:35:08,707 月の方角から かどわかしどもの 捕縛に尽力したそうじゃな? 389 00:35:08,707 --> 00:35:12,410 雙星の一族は 代々 海の民にございます。 390 00:35:12,410 --> 00:35:15,013 夜の海で 船を操れるのも➡ 391 00:35:15,013 --> 00:35:18,883 月と星の動きを 知っていればこそにございます。 392 00:35:18,883 --> 00:35:22,320 その年で隠居して 江戸に参った訳は? 393 00:35:22,320 --> 00:35:25,423 妻を捜しに参りました。 394 00:35:30,862 --> 00:35:37,268 その妻が 何者かに送り込まれた 密偵であったとしてもか? 395 00:35:37,268 --> 00:35:40,171 はっ? 396 00:35:40,171 --> 00:35:46,011 船奉行の赤松は 博多の回船問屋 南国屋の口利きで➡ 397 00:35:46,011 --> 00:35:49,414 その方に 妻を勧めたようだが➡ 398 00:35:49,414 --> 00:35:53,785 博多に そのような回船問屋は なかった。 399 00:35:53,785 --> 00:35:55,720 はあ。 400 00:35:55,720 --> 00:36:00,125 その方に 密偵を嫁がせたと知った 赤松は➡ 401 00:36:00,125 --> 00:36:05,730 その不明を恥じて 腹を切った。 402 00:36:08,533 --> 00:36:11,903 それでも その妻を捜すか!? 403 00:36:11,903 --> 00:36:13,838 はい。 404 00:36:13,838 --> 00:36:18,576 ♬~ 405 00:36:18,576 --> 00:36:21,479 私は 嫁の来手のない男でした。 406 00:36:21,479 --> 00:36:23,448 「雙星のところに行くくらいなら➡ 407 00:36:23,448 --> 00:36:26,618 尼寺へ入る」とまで 言う娘もおりました。 408 00:36:26,618 --> 00:36:30,488 ですから 初手は 嫁が来ると いうのは 信じられませんでした。 409 00:36:30,488 --> 00:36:33,391 からかわれたのではと。 410 00:36:33,391 --> 00:36:35,894 ところが 来たのです。 411 00:36:35,894 --> 00:36:41,599 独り 舟をこぎ 着飾る事もなく 荷物は 包みが たった一つ。 412 00:36:41,599 --> 00:36:44,869 ささやかな嫁入りでした。 413 00:36:44,869 --> 00:36:49,707 遅くなり 申し訳ございませぬ。 414 00:36:49,707 --> 00:36:53,244 その心意気がいいなと思いました。 415 00:36:53,244 --> 00:36:55,947 妻の心にも 曇りはなく➡ 416 00:36:55,947 --> 00:36:58,850 日を重ねるとともに この妻とは➡ 417 00:36:58,850 --> 00:37:01,553 出会う定めの女であったと つくづく…。 418 00:37:01,553 --> 00:37:03,888 その女房に 逃げられたのだぞ。 419 00:37:03,888 --> 00:37:07,258 うん? うん…。 420 00:37:07,258 --> 00:37:36,287 ♬~ 421 00:37:36,287 --> 00:37:39,190 妻が残していったものです。 422 00:37:42,093 --> 00:37:47,065 これが どういう事なのか 妻に会って 聞かねばなりません。 423 00:37:47,065 --> 00:37:50,168 我が平戸に忍び込んだ密偵だぞ。 424 00:37:50,168 --> 00:37:52,670 まあ ではありましょうが。 425 00:37:52,670 --> 00:37:59,244 その方が巡り会えば わしは その妻を斬らねばならん! 426 00:37:59,244 --> 00:38:01,880 あっ! あっ! 427 00:38:01,880 --> 00:38:07,085 ♬~ 428 00:38:07,085 --> 00:38:09,988 私の妻を奪うと申されますか!? 429 00:38:09,988 --> 00:38:14,793 奪うなどと よくも! 430 00:38:14,793 --> 00:38:22,100 「どうしても」と申されるなら 私が 妻の盾になります! 431 00:38:24,269 --> 00:38:26,971 フフフ…。 432 00:38:26,971 --> 00:38:29,707 笑われましたな? ああ 笑った。 433 00:38:29,707 --> 00:38:33,578 何故? 腹立たしさを通り越したら➡ 434 00:38:33,578 --> 00:38:37,048 笑うしかないだろう? 435 00:38:37,048 --> 00:38:39,951 何となく分かります。 436 00:38:42,854 --> 00:38:47,792 この後 慌てる事のないよう 言うておくが。 437 00:38:47,792 --> 00:38:52,197 はい。 平戸の夫が 江戸に来ている。 438 00:38:58,236 --> 00:39:04,742 本所中之郷の松浦静山の屋敷に 現れたそうだ。 439 00:39:06,711 --> 00:39:08,713 心得ました。 440 00:39:15,320 --> 00:39:18,556 貝は この2枚があって 1対だ。 441 00:39:18,556 --> 00:39:20,925 夫婦と同じだな。 442 00:39:20,925 --> 00:39:22,860 ええ。 443 00:39:22,860 --> 00:39:38,643 ♬~ 444 00:39:38,643 --> 00:39:40,578 何事? 445 00:39:40,578 --> 00:39:49,621 ♬~ 446 00:39:49,621 --> 00:39:55,226 夫だった男が 江戸に…。 447 00:39:55,226 --> 00:39:57,161 ♬~ 448 00:39:57,161 --> 00:39:59,197 何しに? 449 00:39:59,197 --> 00:40:22,153 ♬~ 450 00:40:22,153 --> 00:40:26,658 (女1)はい いってらっしゃい。 (女2)いってらっしゃい。 451 00:40:26,658 --> 00:40:29,994 (男)おはようございます。 おはようございます。 452 00:40:29,994 --> 00:41:05,463 ♬~ 453 00:41:05,463 --> 00:41:08,199 (女の悲鳴) (静山)あやかし。 454 00:41:08,199 --> 00:41:11,502 あやかす? 我が家に いろいろな事が起きる。 455 00:41:11,502 --> 00:41:14,505 (川村)松浦家上屋敷に 近々 入り込んでもらう。 456 00:41:14,505 --> 00:41:18,109 狙われるよ 命。➡ 457 00:41:18,109 --> 00:41:20,778 覚悟するんだね。 458 00:41:20,778 --> 00:41:24,515 身の回りの 面白い事柄に 目を向けてほしいんだ。 459 00:41:24,515 --> 00:41:27,018 あの貝殻も いわば迷子でな。 460 00:41:27,018 --> 00:41:29,921 あれが 織姫です。 彦星は? 461 00:41:33,224 --> 00:41:37,061 (静山)わしへの警告なのだ。 462 00:41:37,061 --> 00:41:44,135 ♬~ 463 00:41:44,135 --> 00:41:50,808 ♬「なぜに悲しみは いつか途絶えて」 464 00:41:50,808 --> 00:41:57,482 ♬「なぜに思い出は 美しいままで」 465 00:41:57,482 --> 00:42:04,088 ♬「分かち合った時間が 忘れられずに」 466 00:42:04,088 --> 00:42:13,798 ♬「いつまでも ここを離れられない」 467 00:42:13,798 --> 00:42:20,538 ♬「風吹くたび 花散るたび」 468 00:42:20,538 --> 00:42:27,278 ♬「空を見上げて 何度でも誓うよ」 469 00:42:27,278 --> 00:42:36,621 ♬「幻でも 偽りでも 生まれ変わっても」 470 00:42:36,621 --> 00:42:44,128 ♬「見つめ続けていくから」 471 00:42:44,128 --> 00:42:57,341 ♬~