1 00:00:33,231 --> 00:00:37,969 <天竺丸出航の時まで もはや 猶予はなく➡ 2 00:00:37,969 --> 00:00:40,872 織江捜しに奔走する彦馬。➡ 3 00:00:40,872 --> 00:00:46,645 織江を残し 1人では行けない 彦馬の心中を察した静山は➡ 4 00:00:46,645 --> 00:00:51,983 船を迂回させ 伊豆大島に潜ませる 苦渋の策をとる。➡ 5 00:00:51,983 --> 00:00:56,655 それは 娘を思う親心でもあった> 6 00:00:56,655 --> 00:01:00,325 (彦馬)私には 妻がおります。 7 00:01:00,325 --> 00:01:03,995 (静湖)恋とは切ないものじゃな…。 8 00:01:03,995 --> 00:01:06,665 織江という名の女に 心当たりがあります。 9 00:01:06,665 --> 00:01:09,334 <ようやく 織江の居所が分かった時➡ 10 00:01:09,334 --> 00:01:12,237 既に その姿は消えていた。➡ 11 00:01:12,237 --> 00:01:19,978 そして 彦馬暗殺を命じられた 浜路が彦馬の前に現れる> 12 00:01:19,978 --> 00:01:22,278 (板の倒れる音) 13 00:01:24,349 --> 00:01:33,158 ♬~ 14 00:01:33,158 --> 00:01:36,928 (浜路)織江… あんたは おどき。 15 00:01:36,928 --> 00:01:40,632 (織江) いいや。 このお人は私が守る。 16 00:01:40,632 --> 00:01:43,535 邪魔をすれば お前と 命のやり取りを。 17 00:01:43,535 --> 00:01:47,305 しかたないよ 浜路のおばちゃん。 お前を殺したくはないんだ! 18 00:01:47,305 --> 00:01:50,208 だったら 引いておくれ! 19 00:01:50,208 --> 00:01:54,908 忍びの定めは承知のはずだろ? 20 00:02:06,324 --> 00:02:08,993 やめろ! やめろ! 21 00:02:08,993 --> 00:02:10,929 2人とも やめろ! 22 00:02:10,929 --> 00:02:15,929 浜路さん! 織江を見逃して下さい! 23 00:02:18,002 --> 00:02:20,905 私は 織江を連れて 海の向こうへ行きます。 24 00:02:20,905 --> 00:02:25,605 だから… だから…。 25 00:02:31,015 --> 00:02:36,015 織江 殺すな! 殺さないでくれ。 26 00:02:38,289 --> 00:02:43,161 もう 何もかも忘れて 私のそばにおれ。 27 00:02:43,161 --> 00:02:48,933 私が そばにいれば 身を危うくするだけ。 28 00:02:48,933 --> 00:02:57,308 ♬~ 29 00:02:57,308 --> 00:02:59,644 もう 終わりにしよう。 30 00:02:59,644 --> 00:03:03,515 だから 海の向こうへ 一緒に 船に乗って行こう。 31 00:03:03,515 --> 00:03:09,320 彦馬さんには 私なんかより ふさわしいお人が おいでです。 32 00:03:09,320 --> 00:03:11,990 何の事だ? えっ? 33 00:03:11,990 --> 00:03:14,659 あっ ねえ ねえ! 34 00:03:14,659 --> 00:03:31,959 ♬~ 35 00:03:33,611 --> 00:03:39,951 (竹売り)竹や~ 七夕の笹竹! 36 00:03:39,951 --> 00:03:42,951 (セミの声) 37 00:03:47,292 --> 00:03:51,629 (千右衛門)江戸を去る前に いろいろ支度もあるだろう。 38 00:03:51,629 --> 00:03:55,329 下田行きは 恐らく近々。 39 00:03:58,503 --> 00:04:03,203 その ふんぎりの悪さは 嫁御の事か? 40 00:04:05,643 --> 00:04:09,514 彦馬。 41 00:04:09,514 --> 00:04:13,518 私が動けば 妻は追うと 御前は申された。 42 00:04:13,518 --> 00:04:18,656 私も そう思う。 お前が 寺子屋を辞め 長屋を去れば➡ 43 00:04:18,656 --> 00:04:23,656 嫁御は 必ず 異変を知る。 そしたら 捜す。 44 00:04:26,331 --> 00:04:29,667 江戸に とどまる限り お前たち夫婦が➡ 45 00:04:29,667 --> 00:04:34,367 安穏に暮らす術は ないんだぞ。 彦馬。 46 00:04:37,275 --> 00:04:41,975 嫁御を信じられんか? 47 00:04:43,948 --> 00:04:47,285 どこか ほかの国に行けば➡ 48 00:04:47,285 --> 00:04:52,957 身も心も しがらみから 解き放されるのでしょうね。 49 00:04:52,957 --> 00:04:57,295 ♬~ 50 00:04:57,295 --> 00:05:01,165 異国へ行く時は 彦馬様と ご一緒ですね。 51 00:05:01,165 --> 00:05:03,167 ♬~ 52 00:05:03,167 --> 00:05:08,306 彦馬さんには 私なんかより ふさわしいお人が おいでです。 53 00:05:08,306 --> 00:05:10,241 何の事だ? 54 00:05:10,241 --> 00:05:33,464 ♬~ 55 00:05:33,464 --> 00:05:38,269 (つる)好きな人の所に行くの 我慢しない方がいいよ。➡ 56 00:05:38,269 --> 00:05:43,942 災難が降りかかるなら 一緒に 追い払えば いいじゃないか。 57 00:05:43,942 --> 00:05:45,877 ♬~ 58 00:05:45,877 --> 00:05:49,614 私は 織江を連れて 海の向こうへ行きます。 59 00:05:49,614 --> 00:05:52,517 海の向こうへ 一緒に 船に乗って行こう。 60 00:05:52,517 --> 00:05:54,485 ♬~ 61 00:05:54,485 --> 00:06:03,628 私も今 長年 忘れていた女心に 戸惑っている さなかじゃ。➡ 62 00:06:03,628 --> 00:06:10,501 もしも 叶うなら お家など捨ててもよい。 63 00:06:10,501 --> 00:06:19,501 ♬~ 64 00:06:31,789 --> 00:06:39,089 (鈴の音) 65 00:06:41,265 --> 00:06:46,565 (平沢)平戸からの知らせに ござります。 (川村)分かった。 66 00:06:56,280 --> 00:07:02,153 天竺丸は あと数日のうちに 伊豆大島に着きます。 67 00:07:02,153 --> 00:07:07,453 その後 船を降りた荘助が 下田で彦馬を待ちます。 68 00:07:21,506 --> 00:07:24,206 彦馬。 69 00:07:29,981 --> 00:07:34,819 ♬~ 70 00:07:34,819 --> 00:07:38,589 (子どもたちの声) 71 00:07:38,589 --> 00:07:44,462 あ みんな… 急な事で すまないが➡ 72 00:07:44,462 --> 00:07:48,599 私が ここで教えるのは 今日が最後だ。 73 00:07:48,599 --> 00:07:51,269 (子どもたち)えっ? 74 00:07:51,269 --> 00:07:56,941 教える者が誰であろうが 要は お前たち一人一人の心構えだ。 75 00:07:56,941 --> 00:08:01,813 心掛け次第で いくらでも学べる。 76 00:08:01,813 --> 00:08:08,286 お前たちに言いたいのは 「どんな時でも元気を出そう」だ。 77 00:08:08,286 --> 00:08:10,221 うん。 日が沈んでも➡ 78 00:08:10,221 --> 00:08:13,624 明日になれば 日は昇り 朝が来るのと同じように➡ 79 00:08:13,624 --> 00:08:17,295 今日が つらくて悲しくても➡ 80 00:08:17,295 --> 00:08:23,968 明日になれば 楽しい事 うれしい事が待っている。 81 00:08:23,968 --> 00:08:26,637 ♬~ 82 00:08:26,637 --> 00:08:33,244 そう信じて 元気を出そう。 たとえ 遠く離れていても➡ 83 00:08:33,244 --> 00:08:36,914 私とお前たちは いつまでも つながっているんだ。 84 00:08:36,914 --> 00:08:40,585 同じ お天道様の光を 浴びてるんだからな。 85 00:08:40,585 --> 00:08:46,457 お前たちが見る月と 同じ月を 私は どこかで見ている。 86 00:08:46,457 --> 00:08:55,133 輝く星々を見たら 私もどこかで 見ていると思ってほしい。 87 00:08:55,133 --> 00:09:09,280 ♬~ 88 00:09:09,280 --> 00:09:11,280 (扉を閉める音) 89 00:09:13,151 --> 00:09:16,154 (しか)あっ 太郎吉 お帰り! (一同)お帰り! 90 00:09:16,154 --> 00:09:19,290 太郎吉 どうした? (一同)えっ? 91 00:09:19,290 --> 00:09:21,626 (富蔵)先生! 今 太郎吉に聞いたけど➡ 92 00:09:21,626 --> 00:09:24,295 江戸を去るって 本当かい? ああ…。 93 00:09:24,295 --> 00:09:27,198 (さき)ここが嫌んなったのかい? いや…。 (まつ)じゃあ? 94 00:09:27,198 --> 00:09:29,167 いや 詳しくは言えませんが➡ 95 00:09:29,167 --> 00:09:32,103 以前 仕えたお家に 御用を おおせつかって。 96 00:09:32,103 --> 00:09:35,239 何だよ? それは。 寂しくなるじゃないか~。 97 00:09:35,239 --> 00:09:39,239 (太郎吉)あっ おばちゃんだ! 98 00:09:42,914 --> 00:09:46,584 (つる)元気だったね~ 太郎坊。 うん! 99 00:09:46,584 --> 00:09:50,454 あの これ 余り物ですけど よかったら 皆さんで。 100 00:09:50,454 --> 00:09:53,454 (富蔵)おお そりゃ! (さき)まあまあ! 101 00:10:00,932 --> 00:10:02,867 (鈴の音) 102 00:10:02,867 --> 00:10:05,603 お前は 魚売りのおつるさんは どう思う? 103 00:10:05,603 --> 00:10:07,939 おばちゃん? うん。 104 00:10:07,939 --> 00:10:11,809 ずっと前 縁日に連れていってくれた。 105 00:10:11,809 --> 00:10:16,948 えっ 覚えてたのか? 思い出した。 106 00:10:16,948 --> 00:10:21,619 ハハハッ。 その時だ。 太郎吉が はぐれたのが。 107 00:10:21,619 --> 00:10:25,489 だから あのおばちゃんは お前を はぐれさせた事を悔やんで➡ 108 00:10:25,489 --> 00:10:31,489 今日まで生きてきたんだ。 捜し続けてたんだ。 109 00:10:34,198 --> 00:10:37,969 おばちゃん 好きか? うん! 110 00:10:37,969 --> 00:10:43,641 だったら 言うぞ。 あのおばちゃんは…➡ 111 00:10:43,641 --> 00:10:51,315 おつるさんは お前のおっ母さんなんだ。 112 00:10:51,315 --> 00:10:55,987 お前が小さい時分 いろいろあって 別れ別れになってたんだ。 113 00:10:55,987 --> 00:10:58,656 長屋のおじちゃんたちは? 114 00:10:58,656 --> 00:11:02,326 富蔵さん おしかさんは 言ってみれば 育ての親だが➡ 115 00:11:02,326 --> 00:11:06,664 生みの親は おつるさんだ。 ふ~ん…。 116 00:11:06,664 --> 00:11:10,001 富蔵さんへの恩は恩として➡ 117 00:11:10,001 --> 00:11:15,339 太郎吉 おっ母さんと暮らさんか? 118 00:11:15,339 --> 00:11:17,339 うん。 119 00:11:19,210 --> 00:11:21,212 そうか? うん。 120 00:11:21,212 --> 00:11:24,682 あの人なら お前を幸せにしてくれる。 121 00:11:24,682 --> 00:11:29,020 ♬~ 122 00:11:29,020 --> 00:11:34,292 あっ 忘れてた。 えっと どこだっけ? 123 00:11:34,292 --> 00:11:37,628 ああ これだ これだ。 124 00:11:37,628 --> 00:11:45,303 ♬~ 125 00:11:45,303 --> 00:11:47,638 (かしわ手) 126 00:11:47,638 --> 00:11:53,511 ♬~ 127 00:11:53,511 --> 00:11:56,211 よし! ありがとう ありがとう。 128 00:11:59,250 --> 00:12:03,988 <彦馬が江戸を離れるという 前の夜である> 129 00:12:03,988 --> 00:12:06,891 (静山)そなたと織江は➡ 130 00:12:06,891 --> 00:12:14,332 天の川を間に 仲を引き裂かれた 織姫と牛飼いだな。 131 00:12:14,332 --> 00:12:18,202 ですが 2人は 年に1度は会えます。 132 00:12:18,202 --> 00:12:25,676 七夕の夜に。 フフフッ。 年に1度か。 133 00:12:25,676 --> 00:12:33,484 しかし 2人を隔てる天の川は 過酷な流れだ。 134 00:12:33,484 --> 00:12:41,484 それを乗り越えねば そなたの思いは 叶うまい。 135 00:12:43,627 --> 00:12:48,499 私は 乗り越えます。 私に できなければ➡ 136 00:12:48,499 --> 00:12:53,199 織江は 必ず 流れを越えてきます。 137 00:12:55,239 --> 00:12:57,174 分かった。 138 00:12:57,174 --> 00:13:35,613 ♬~ 139 00:13:35,613 --> 00:13:40,484 (風鈴の音) 140 00:13:40,484 --> 00:13:43,287 ♬~ 141 00:13:43,287 --> 00:13:45,623 先生! 142 00:13:45,623 --> 00:13:48,292 来てくれたのか! 143 00:13:48,292 --> 00:13:50,628 おかげで 共に暮らせる事が…。 144 00:13:50,628 --> 00:13:55,299 太郎吉 よかったな~。 145 00:13:55,299 --> 00:13:57,234 2人とも よかった! 146 00:13:57,234 --> 00:14:01,172 雙星様も きっと 織江ちゃんに会えますよ。 147 00:14:01,172 --> 00:14:04,308 ああ! 織江ちゃんに会ったら➡ 148 00:14:04,308 --> 00:14:12,183 私も こうやって 我が子と巡り会えたって そう…。 149 00:14:12,183 --> 00:14:15,653 必ず伝える。 150 00:14:15,653 --> 00:14:20,324 じゃあ 2人とも 達者でな。 151 00:14:20,324 --> 00:14:22,993 はい。 152 00:14:22,993 --> 00:14:31,268 ♬~ 153 00:14:31,268 --> 00:14:33,938 先生! 154 00:14:33,938 --> 00:14:37,808 ♬~ 155 00:14:37,808 --> 00:14:39,810 (かしわ手) 156 00:14:39,810 --> 00:15:03,510 ♬~ 157 00:15:06,637 --> 00:15:09,937 (奥寺)平戸の様子が妙と? 158 00:15:12,309 --> 00:15:15,646 島の北にある 入り江に向かう➡ 159 00:15:15,646 --> 00:15:22,520 道も海上も 警護が 解かれたようです。 ん? 160 00:15:22,520 --> 00:15:25,990 これは 島の入り江には➡ 161 00:15:25,990 --> 00:15:31,795 既に隠さねばならぬ物は ないという事。 162 00:15:31,795 --> 00:15:40,271 もはや 隠していた船を出したものと。 163 00:15:40,271 --> 00:15:42,940 船だと? 164 00:15:42,940 --> 00:15:50,814 しかも 昨夜 松浦静山は 本所の下屋敷を出て➡ 165 00:15:50,814 --> 00:15:57,488 西海屋の小舟で 江戸湾に こぎ出しました。 166 00:15:57,488 --> 00:16:02,960 おっ それならば承知しておる。 167 00:16:02,960 --> 00:16:06,297 静山が 前々から ご公儀に願い出ていた➡ 168 00:16:06,297 --> 00:16:08,632 箱根への湯治であろう。 169 00:16:08,632 --> 00:16:13,971 静山は 何故 夜分に こそこそ➡ 170 00:16:13,971 --> 00:16:18,271 湯治に向かわねば ならぬのでしょうか? 171 00:16:20,844 --> 00:16:27,144 静山は もしや 平戸の船を相模辺りに? 172 00:16:30,321 --> 00:16:34,191 西国諸藩の御船手方は 言うに及ばず➡ 173 00:16:34,191 --> 00:16:38,128 長崎 浦賀の各奉行所に 不審船の探索を命じる。 174 00:16:38,128 --> 00:16:40,130 我らは? 175 00:16:40,130 --> 00:16:44,268 静山の後を追い 阻め! 176 00:16:44,268 --> 00:16:46,268 (雷鳴) 177 00:17:06,523 --> 00:17:09,823 やはり 来たな。 178 00:17:14,632 --> 00:17:18,502 彦馬殿の書き置きじゃ。 179 00:17:18,502 --> 00:17:24,308 「下田へ行く 急ぎ来られたし」。 下田に? 180 00:17:24,308 --> 00:17:29,980 その方 夫を追え。 この時を逃せば➡ 181 00:17:29,980 --> 00:17:32,883 私のように ずっと 独り身を通さねばならぬぞ。 182 00:17:32,883 --> 00:17:36,253 姫様…。 妹だからと言うて➡ 183 00:17:36,253 --> 00:17:40,924 姉の真似をするな! 姉? 184 00:17:40,924 --> 00:17:45,796 我が父 静山は 20年余り前 平戸の城中に入り込んだ➡ 185 00:17:45,796 --> 00:17:50,496 雅江という忍びと ねんごろになった。 186 00:17:52,536 --> 00:17:56,536 雅江というのは そなたの母ではないか? 187 00:17:58,475 --> 00:18:04,148 雅江が平戸を去った翌年に 生まれたのが そなたであろう。 188 00:18:04,148 --> 00:18:06,950 はい…。 189 00:18:06,950 --> 00:18:11,250 姫様が 私の? 190 00:18:14,291 --> 00:18:18,962 姉が命じる。 雙星彦馬を追え。 191 00:18:18,962 --> 00:18:24,835 ♬~ 192 00:18:24,835 --> 00:18:27,304 いつの日か 折があれば➡ 193 00:18:27,304 --> 00:18:31,909 姉妹として ゆるりと 相まみえたいな 織江。 194 00:18:31,909 --> 00:18:35,245 いつの日か。 195 00:18:35,245 --> 00:18:37,545 はい。 196 00:18:49,259 --> 00:18:51,259 (手裏剣の音) 197 00:18:55,599 --> 00:18:57,534 寒三郎。 198 00:18:57,534 --> 00:19:02,272 (寒三郎)ははぁ いとしい夫を追ってきたか。 199 00:19:02,272 --> 00:19:05,272 川村様には さぞや ご無念。 200 00:19:14,852 --> 00:19:17,552 (竹ざおで たたく音) 201 00:19:20,958 --> 00:19:24,294 おばちゃん。 ここはいいから お行き! 202 00:19:24,294 --> 00:19:29,967 は~あ! 浜路ねえさん 死ぬ気だね。 203 00:19:29,967 --> 00:19:32,870 がんじがらめの縛りを 断ち切るにゃ➡ 204 00:19:32,870 --> 00:19:34,805 そのくらいの覚悟は…。 おばちゃん。 205 00:19:34,805 --> 00:19:36,774 いいから お前は 夫のもとに行くんだよ! 206 00:19:36,774 --> 00:19:43,247 ♬~ 207 00:19:43,247 --> 00:19:45,582 行け! 208 00:19:45,582 --> 00:19:50,454 ♬~ 209 00:19:50,454 --> 00:19:53,457 裏切り者が~! 210 00:19:53,457 --> 00:20:04,268 ♬~ 211 00:20:04,268 --> 00:20:06,203 うっ…。 212 00:20:06,203 --> 00:20:36,633 ♬~ 213 00:20:36,633 --> 00:20:38,569 (刺す音) 214 00:20:38,569 --> 00:20:44,975 う… あっ… あっ…。 215 00:20:44,975 --> 00:20:48,645 泥でも なめて くたばれ。 216 00:20:48,645 --> 00:20:51,645 ううっ…。 217 00:21:03,994 --> 00:21:13,003 ♬~ 218 00:21:13,003 --> 00:21:20,344 (雅江)もし 私に 何かあったら➡ 219 00:21:20,344 --> 00:21:24,214 織江の身が立つように しておくれでないか? 220 00:21:24,214 --> 00:21:30,687 ああ。 けど 無理するんじゃないよ。 221 00:21:30,687 --> 00:21:33,290 ♬~ 222 00:21:33,290 --> 00:21:40,964 雅江… これくらいしか できなかったよ。 223 00:21:40,964 --> 00:21:46,637 ♬~ 224 00:21:46,637 --> 00:21:50,307 (雅江)すまなかったね。 225 00:21:50,307 --> 00:21:52,643 ♬~ 226 00:21:52,643 --> 00:21:57,514 浜路 ありがとう。 227 00:21:57,514 --> 00:22:20,514 ♬~ 228 00:22:32,616 --> 00:22:36,286 (足音) 229 00:22:36,286 --> 00:22:38,956 (忍び)静山の小舟が 三浦村に向かっている。➡ 230 00:22:38,956 --> 00:22:40,956 川村様に お知らせを。 231 00:22:43,627 --> 00:22:47,297 三浦村…。 232 00:22:47,297 --> 00:23:29,339 ♬~ 233 00:23:29,339 --> 00:23:32,609 あっ… ああ! 234 00:23:32,609 --> 00:23:36,279 荘助! (荘助)つけられてる。 235 00:23:36,279 --> 00:23:47,579 ♬~ 236 00:23:51,628 --> 00:23:56,299 (カモメの鳴き声) 237 00:23:56,299 --> 00:24:01,171 ここは 何年も前から 西海屋の小屋だ。 238 00:24:01,171 --> 00:24:05,642 船が難破したり 風待ちの時に使うのよ。 239 00:24:05,642 --> 00:24:09,312 天竺丸は ゆうべ 伊豆大島に着いた。 240 00:24:09,312 --> 00:24:14,184 ここに いつまで? 御前が お着きになり➡ 241 00:24:14,184 --> 00:24:16,987 一帯に公儀の目がない事を 確かめたあと➡ 242 00:24:16,987 --> 00:24:21,324 月のない夜に 天竺丸は この先の爪木崎沖に近づく。 243 00:24:21,324 --> 00:24:24,661 沖合の天竺丸から 合図が来たら➡ 244 00:24:24,661 --> 00:24:27,998 俺と彦馬さんは 小舟で こぎ出す。 245 00:24:27,998 --> 00:24:31,601 織江もだろ? 246 00:24:31,601 --> 00:24:34,601 織江は来る。 247 00:24:36,473 --> 00:24:39,473 じゃあ 3人だ。 248 00:24:42,245 --> 00:24:47,617 侍姿じゃ この辺りじゃ目立つ。 船乗りの格好になってもらうよ。 249 00:24:47,617 --> 00:24:51,955 ああ… これは? 250 00:24:51,955 --> 00:24:57,294 海は荒れると 何かに ぶつかったりするからな。 251 00:24:57,294 --> 00:25:03,166 これ 古い網を重ねたやつだから 結構 頑丈だよ。 252 00:25:03,166 --> 00:25:05,166 ほう…。 253 00:25:12,843 --> 00:25:21,543 ♬~ 254 00:25:39,603 --> 00:25:42,603 (忍び)そりゃ! 255 00:25:44,474 --> 00:25:46,774 (高杉)あ…。 256 00:25:51,214 --> 00:25:53,214 (吹き矢の音) 257 00:25:55,952 --> 00:25:57,952 ああ… すまん。 258 00:26:08,298 --> 00:26:10,233 (手裏剣の音) 259 00:26:10,233 --> 00:26:23,647 ♬~ 260 00:26:23,647 --> 00:26:25,582 来たか? 261 00:26:25,582 --> 00:26:55,278 ♬~ 262 00:26:55,278 --> 00:26:57,614 (平沢)あっ…。 263 00:26:57,614 --> 00:27:21,314 ♬~ 264 00:27:27,310 --> 00:27:29,610 つ… 強…。 265 00:27:32,582 --> 00:27:34,582 (千右衛門)御前! 266 00:27:45,929 --> 00:27:48,229 織江。 267 00:27:51,268 --> 00:27:54,938 (高杉)そなた…。 (千右衛門)織江と申しますと? 268 00:27:54,938 --> 00:27:58,938 彦馬の妻じゃ。 おお…。 269 00:28:00,810 --> 00:28:06,950 私の母と松浦様の事は 静湖様から 全てお聞きしました。 270 00:28:06,950 --> 00:28:11,288 そうか。 はい。 271 00:28:11,288 --> 00:28:16,960 そなたの夫は 下田 爪木崎の番小屋だ。 272 00:28:16,960 --> 00:28:19,296 すぐに行け。 273 00:28:19,296 --> 00:28:21,596 その前に…。 274 00:28:39,582 --> 00:28:41,882 では! 275 00:28:45,922 --> 00:28:51,922 あの者の母と 御前が何か? いや。 276 00:28:57,534 --> 00:29:01,271 (荘助)日が暮れて 戌の刻 亥の刻時分には➡ 277 00:29:01,271 --> 00:29:04,941 あの方角から目を離すな。 ああ。 278 00:29:04,941 --> 00:29:08,611 沖の天竺丸から 合図の明かりが 3つ ともる。 279 00:29:08,611 --> 00:29:14,951 そしたら この舟で 沖を目指せ。 あと二時か。 280 00:29:14,951 --> 00:29:20,651 きっと 嫁御を乗せてこいよ。 ああ! 281 00:29:40,577 --> 00:29:43,577 (波の音) 282 00:30:03,266 --> 00:30:08,138 川村様。 桜田屋敷に戻れ。 283 00:30:08,138 --> 00:30:15,138 戻って どう生きよと申されます? 安穏に暮らすのだ。 284 00:30:17,280 --> 00:30:24,154 かつての私のように 己の本性が どこにあるかも分からないまま➡ 285 00:30:24,154 --> 00:30:31,828 勤めのために 人を欺き だまし ある時は 傷つけたり 殺したり。 286 00:30:31,828 --> 00:30:38,968 そんな女忍びが 桜田屋敷には何人もいます。 287 00:30:38,968 --> 00:30:46,643 そんな女忍びの勤めを… 私だけが 安穏に見ていられましょうか? 288 00:30:46,643 --> 00:30:49,979 ♬~ 289 00:30:49,979 --> 00:30:52,882 幼い時分から 姉妹のように生きながら➡ 290 00:30:52,882 --> 00:30:57,654 勤めのために 私に刃を向けた お蝶の悲しみ。 291 00:30:57,654 --> 00:30:59,989 ♬~ 292 00:30:59,989 --> 00:31:02,892 (お蝶)織江…。 お蝶。 293 00:31:02,892 --> 00:31:06,863 ♬~ 294 00:31:06,863 --> 00:31:12,569 心に思う人を大切にするんだよ。 295 00:31:12,569 --> 00:31:14,537 ♬~ 296 00:31:14,537 --> 00:31:17,340 人を好きになっても諦め➡ 297 00:31:17,340 --> 00:31:19,676 その人の子を産んでも 名乗れなかった➡ 298 00:31:19,676 --> 00:31:21,611 母のつらさも知りました。 299 00:31:21,611 --> 00:31:26,311 [ 回想 ] どうして 私を忍びにしたの? 300 00:31:28,351 --> 00:31:35,625 忍びの私の子に生まれて ほかに道があったか? 301 00:31:35,625 --> 00:31:39,295 おっ母さんに望まれて 生まれたんじゃないって ずっと。 302 00:31:39,295 --> 00:31:44,634 身も心も閉ざされた桜田屋敷に 安穏など ありません。 303 00:31:44,634 --> 00:31:51,975 あるとすれば… 海の向こうの異国にしか…。 304 00:31:51,975 --> 00:31:59,315 お前を そんなふうに思わせたのは 雙星彦馬か? 305 00:31:59,315 --> 00:32:02,986 川村様が 偽りの妻になって 平戸へ行けと➡ 306 00:32:02,986 --> 00:32:05,889 お命じになった おかげです。 307 00:32:05,889 --> 00:32:08,189 ♬~ 308 00:32:10,326 --> 00:32:19,002 ならば… 雙星彦馬を➡ 309 00:32:19,002 --> 00:32:22,338 殺さねばならんな。 310 00:32:22,338 --> 00:32:24,638 そうはさせぬ。 311 00:32:41,291 --> 00:32:43,991 (物音) 312 00:33:16,659 --> 00:33:18,659 うわっ! 313 00:33:34,143 --> 00:33:38,915 お前は わしに仕えた下忍。 314 00:33:38,915 --> 00:33:45,915 わしの手の中で… 死ね。 315 00:33:47,624 --> 00:33:51,324 ≪織江~! 316 00:33:55,965 --> 00:34:00,965 逃げて! いいから逃げて! 317 00:34:07,977 --> 00:34:12,649 お前 あの時の…。 318 00:34:12,649 --> 00:34:15,949 織江は 船には乗せぬ。 319 00:34:23,660 --> 00:34:26,996 殺したいなら殺せ! 320 00:34:26,996 --> 00:34:32,696 そのかわり 織江を… 織江だけは見逃してくれ! 321 00:34:34,604 --> 00:34:36,939 お主は 死ぬと言うのか? 322 00:34:36,939 --> 00:34:41,939 だから 織江を海の向こうへ 逃がしてくれ! 323 00:34:44,814 --> 00:34:48,114 ばかな…。 返答は!? 324 00:35:14,644 --> 00:35:16,944 (斬る音) うっ! 325 00:35:23,319 --> 00:35:26,989 お主 本気で…。 326 00:35:26,989 --> 00:35:30,860 ♬~ 327 00:35:30,860 --> 00:35:35,264 何とぞ… 織江を…。 328 00:35:35,264 --> 00:35:40,136 なぜだ? なぜだ~!? 329 00:35:40,136 --> 00:35:42,939 ♬~ 330 00:35:42,939 --> 00:35:44,939 え~い! 331 00:35:48,277 --> 00:36:28,277 ♬~ 332 00:36:44,934 --> 00:36:47,934 (手裏剣の音) 333 00:36:52,608 --> 00:36:54,908 あ…。 334 00:37:02,618 --> 00:37:06,489 彦馬さん…。 ああ 織江…。 335 00:37:06,489 --> 00:37:09,492 アイタタタ…。 336 00:37:09,492 --> 00:37:46,929 ♬~ 337 00:37:46,929 --> 00:37:49,832 ああ ごめん。 (戸が開く音) 338 00:37:49,832 --> 00:37:53,803 (千右衛門)彦馬か? あ 御前…。 339 00:37:53,803 --> 00:37:55,938 (高杉)はっ! 340 00:37:55,938 --> 00:38:01,811 傷は? 着込みがあるので 浅手です。 341 00:38:01,811 --> 00:38:05,281 (静山)着込み? 荘助が用心のために。 342 00:38:05,281 --> 00:38:10,953 それに 雁二郎も 守ってくれました。 343 00:38:10,953 --> 00:38:19,253 そうか。 彦馬 どうやら 今宵 船出のようじゃ。 行けるか? 344 00:38:23,966 --> 00:38:25,966 はい。 345 00:38:27,837 --> 00:38:31,537 (波の音) 346 00:38:38,915 --> 00:38:42,215 (千右衛門)乗り込む刻限だ。 347 00:38:57,600 --> 00:39:00,600 では。 父上。 348 00:39:02,471 --> 00:39:06,275 達者でな。 (2人)はい。 349 00:39:06,275 --> 00:39:09,178 頼んだぞ。 350 00:39:09,178 --> 00:39:11,614 ♬~ 351 00:39:11,614 --> 00:39:13,950 はい。 352 00:39:13,950 --> 00:39:22,625 ♬~ 353 00:39:22,625 --> 00:39:26,495 あの… 今 「父上」と? 354 00:39:26,495 --> 00:39:30,795 ついに出会えたな。 は? 355 00:39:33,569 --> 00:39:42,578 なるほど… 今宵は折よく七夕か。 356 00:39:42,578 --> 00:39:53,222 ♬~ 357 00:39:53,222 --> 00:39:57,593 平戸に輿入れした時も 舟だったな? 358 00:39:57,593 --> 00:40:04,266 はい。 でも あの時は1人でした。 ああ。 359 00:40:04,266 --> 00:40:08,604 今は 彦馬さんと一緒です。 360 00:40:08,604 --> 00:40:11,507 ああ! 361 00:40:11,507 --> 00:40:16,479 あっ! そうだ。 アイタタタ…。 362 00:40:16,479 --> 00:40:19,248 あのね…。 363 00:40:19,248 --> 00:40:23,953 ♬~ 364 00:40:23,953 --> 00:40:26,856 この絵と同じだ。 365 00:40:26,856 --> 00:40:36,156 ♬~ 366 00:40:39,969 --> 00:40:44,840 ♬~ 367 00:40:44,840 --> 00:40:50,312 乗り込んだようだな。 はい。 368 00:40:50,312 --> 00:41:04,860 ♬~ 369 00:41:04,860 --> 00:41:09,999 船出だ。 370 00:41:09,999 --> 00:41:11,934 これからは もう➡ 371 00:41:11,934 --> 00:41:15,337 決して離れません。 372 00:41:15,337 --> 00:41:22,211 是非 そうしてもらいたい。 あ そうだ。 373 00:41:22,211 --> 00:41:44,300 ♬~ 374 00:41:44,300 --> 00:41:47,636 こたびのご縁談 相整います事 祈念しております。 375 00:41:47,636 --> 00:41:51,307 心得ておる。 七度もやればな。 376 00:41:51,307 --> 00:41:54,210 ああ いえ… そのようなつもりでは あの…。 377 00:41:54,210 --> 00:41:57,646 「八」。 は? 378 00:41:57,646 --> 00:42:01,517 末広がりの八度目。 379 00:42:01,517 --> 00:42:05,521 行ってまいる。 380 00:42:05,521 --> 00:42:07,990 ははっ! うん。 381 00:42:07,990 --> 00:42:11,660 ♬~ 382 00:42:11,660 --> 00:42:17,533 (富蔵)太郎吉! 元気か? (しか)あ~ よく来たね! 383 00:42:17,533 --> 00:42:20,669 (太郎吉)これ 余り物ですけど。 (しか)おや! 384 00:42:20,669 --> 00:42:23,005 (まつ)おつるさん ありがとうございます。 385 00:42:23,005 --> 00:42:26,342 (つる)いいえ。 いつも余り物で すいません。 386 00:42:26,342 --> 00:42:30,212 よし! それ 重たいぞ! 387 00:42:30,212 --> 00:42:33,616 重いぞ! それ 重いぞ! 388 00:42:33,616 --> 00:42:46,195 ♬~ 389 00:42:46,195 --> 00:42:50,966 <出会いと別れ 涙と喜び➡ 390 00:42:50,966 --> 00:42:55,304 幾多の困難を乗り越えて 今➡ 391 00:42:55,304 --> 00:42:58,207 彦星と織姫は ようやく➡ 392 00:42:58,207 --> 00:43:01,977 天の川を渡っていった> 393 00:43:01,977 --> 00:43:26,277 ♬~