1 00:02:29,051 --> 00:02:39,051 ・~ 2 00:03:41,057 --> 00:03:44,057 (子供たちの笑い声) 3 00:03:46,062 --> 00:03:49,065 あっ 男だ! (女の子)女よ! 4 00:03:49,065 --> 00:03:52,068 (男の子)男だい! おじちゃん 男だよね? 5 00:03:52,068 --> 00:03:55,071 (金子)見りゃ 分かんだろ。 6 00:03:55,071 --> 00:03:59,075 あっ やっぱり男だ。 7 00:03:59,075 --> 00:04:01,077 アホ 女。 8 00:04:01,077 --> 00:04:03,077 (信太郎)いくらだ? 9 00:04:06,082 --> 00:04:08,082 (信太郎)いくらで売る? 10 00:04:10,086 --> 00:04:13,086 (信太郎)いくらで売るかって 聞いているんだ。 11 00:04:31,040 --> 00:04:33,040 (金子)おい ちょっと待て。 12 00:04:42,051 --> 00:04:46,055 てめえは 俺を 何だと思ってやがんだい? 13 00:04:46,055 --> 00:04:50,059 (信太郎)金は 取っておけ。 痩せ我慢するな。 14 00:04:50,059 --> 00:04:52,061 何? 15 00:04:52,061 --> 00:04:54,061 抜き合おうってのか? 16 00:04:59,068 --> 00:05:05,074 (信太郎)私は 徒目付 荒井 重兵衛の息子 信太郎だ。 17 00:05:05,074 --> 00:05:07,074 それが どうしたい! 18 00:05:10,079 --> 00:05:12,079 抜け。 19 00:05:16,085 --> 00:05:18,085 斬ってみろ。 20 00:05:24,093 --> 00:05:26,093 もういいよ。 21 00:05:28,030 --> 00:05:31,033 斬れ・ 22 00:05:31,033 --> 00:05:33,033 斬れ! 23 00:05:35,037 --> 00:05:37,037 斬ってくれ…。 24 00:05:40,042 --> 00:05:42,044 斬ってくれ!・ 25 00:05:42,044 --> 00:05:45,044 お願いだ 斬ってくれ。 26 00:05:47,049 --> 00:05:51,049 死にたいんだ 私は 死にたいんだ! 27 00:06:02,064 --> 00:06:06,068 (直次郎)どちらも 膝を崩しておくんなせえ。 28 00:06:06,068 --> 00:06:08,070 (丑松)さあ みんなね 今日は いくらでも酒あるから・ 29 00:06:08,070 --> 00:06:10,072 どんどん どんどん 飲んでちょうだいね! 30 00:06:10,072 --> 00:06:13,075 (女)おかげさまで ありがとうございました。 31 00:06:13,075 --> 00:06:15,077 (お滝)奇麗な花嫁さんで。 32 00:06:15,077 --> 00:06:18,080 (男)いや 本日は 本当にお世話になりました。・ 33 00:06:18,080 --> 00:06:21,083 こんな立派な披露宴まで やっていただき・ 34 00:06:21,083 --> 00:06:24,086 叔父として 何と お礼を申し上げたらよいやら…。 35 00:06:24,086 --> 00:06:27,022 (女)奥さまには 何から何まで お世話になりまして…。 36 00:06:27,022 --> 00:06:30,025 (お滝)奥さまだなんて…。 37 00:06:30,025 --> 00:06:32,027 おい 見ろよ 女将さん 機嫌いいな・ 38 00:06:32,027 --> 00:06:36,031 奥さんなんて言われちゃって。 (直次郎)カワイイな おい。 39 00:06:36,031 --> 00:06:41,036 (棟梁)それじゃあ お祝いに あっしが一つ…。 40 00:06:41,036 --> 00:06:54,049 ・(棟梁の木やり歌) 41 00:06:54,049 --> 00:06:57,052 (林)うるさい!・ 42 00:06:57,052 --> 00:06:59,052 何だ? お前らは! 43 00:07:01,056 --> 00:07:03,058 すいません お騒がせして。 44 00:07:03,058 --> 00:07:06,061 ご覧のとおり 祝言の披露宴で・ 45 00:07:06,061 --> 00:07:08,063 ちょっと 景気づけをしてたもんですから。 46 00:07:08,063 --> 00:07:10,065 (林)祝言?・ 47 00:07:10,065 --> 00:07:14,069 町人の分際で 料理屋で祝言とは ふらち千万・ 48 00:07:14,069 --> 00:07:17,072 うせろ。 (石川)念のため聞かせてやるが・ 49 00:07:17,072 --> 00:07:24,079 われら3名 世上 無用組と いわれておる 血の気の多い者だ。 50 00:07:24,079 --> 00:07:27,016 町人 目障りだ! 51 00:07:27,016 --> 00:07:30,019 (青木)動くのが嫌なら 首だけ飛ばしてやってもいいが? 52 00:07:30,019 --> 00:07:32,021 面白いじゃない。 飛ばしてもらおうじゃねえかよ・ 53 00:07:32,021 --> 00:07:34,023 この野郎! (青木)何!? 54 00:07:34,023 --> 00:07:36,025 さあ 早くやってもらおうじゃないか。 55 00:07:36,025 --> 00:07:40,029 (宗俊)おい 断っとくがな・ 56 00:07:40,029 --> 00:07:43,032 俺が お数寄屋坊主の 河内山 宗俊だってことを・ 57 00:07:43,032 --> 00:07:45,034 承知の上で お前さん方は この部屋へ 入ってきたんだな? 58 00:07:45,034 --> 00:07:47,036 (青木)お数寄屋衆の河内山…? どうしたい?・ 59 00:07:47,036 --> 00:07:49,038 どうしたい!? 60 00:07:49,038 --> 00:07:52,041 一生に一度の めでてえ祝言の席へ・ 61 00:07:52,041 --> 00:07:56,045 荒らしに入ってきて すまなかったじゃ 済まねえぞ? 62 00:07:56,045 --> 00:08:00,049 どうした? 首 ばっさり やるんじゃねえのか? ほら。 63 00:08:00,049 --> 00:08:02,051 から~んとやんだろ? 待ってんだからさ・ 64 00:08:02,051 --> 00:08:05,054 やってもらおうじゃねえ 早く。 ・(荒井)河内山。 65 00:08:05,054 --> 00:08:10,054 あっ… これは 徒目付の荒井さま…。 66 00:08:13,062 --> 00:08:18,067 (青木)こいつら…。 お徒目付組頭 荒井 重兵衛さまなるぞ!・ 67 00:08:18,067 --> 00:08:21,067 控えい! 頭が高い! 68 00:08:25,074 --> 00:08:27,009 (荒井)河内山・ 69 00:08:27,009 --> 00:08:30,012 倹約令というのを 承知しておろうな? 70 00:08:30,012 --> 00:08:33,015 えっ へい…。 71 00:08:33,015 --> 00:08:35,017 (荒井)上は お畏れながら 将軍より・ 72 00:08:35,017 --> 00:08:41,023 下は 百姓 町人に至るまで 華美を慎み・ 73 00:08:41,023 --> 00:08:46,028 節約を旨として 天下の乱に 備えようという ご時世に・ 74 00:08:46,028 --> 00:08:50,032 町人の分際で 真っ昼間から このようなぜいたく三昧・ 75 00:08:50,032 --> 00:08:53,035 これは どうしたことだ? えっ へえ…。 えっと・ 76 00:08:53,035 --> 00:08:58,040 実は あの ここに控えおりまする 2人の仲人を・ 77 00:08:58,040 --> 00:09:01,043 手前が致したんでございます。 78 00:09:01,043 --> 00:09:06,048 何とぞ 一生に一度のぜいたく 本日のところは 荒井さま・ 79 00:09:06,048 --> 00:09:10,052 ひとつ お見逃しのほどを 願いとう存じます。 80 00:09:10,052 --> 00:09:13,055 (荒井)一生に一度なら 何をしても構わんというのか?・ 81 00:09:13,055 --> 00:09:18,055 盗みでも 殺しでもか? んっ? 82 00:09:22,064 --> 00:09:26,068 (林)こら 返事をせんか!・ 83 00:09:26,068 --> 00:09:28,003 ほら 町人ども・ 84 00:09:28,003 --> 00:09:32,007 お前たちの顔は 一人一人 よく覚えておくぞ。・ 85 00:09:32,007 --> 00:09:34,009 立ち去れ! (荒井)河内山・ 86 00:09:34,009 --> 00:09:39,014 追って 沙汰致す。 屋敷で謹慎をしておれ。 87 00:09:39,014 --> 00:09:41,014 (青木)何をぐずぐずしておるか! 88 00:09:58,033 --> 00:10:00,035 (青木)おい 河内山・ 89 00:10:00,035 --> 00:10:02,037 荒井さまの前では ぐうの音も出まい! 90 00:10:02,037 --> 00:10:05,040 (石川)さっきのたんかを もう一度 聞きたいもんだな。 91 00:10:05,040 --> 00:10:07,042 (3人の笑い声) 92 00:10:07,042 --> 00:10:10,045 (荒井)帰るぞ。 93 00:10:10,045 --> 00:10:16,045 (青木の笑い声) 94 00:10:22,057 --> 00:10:24,059 (お滝)冗談じゃないよ!・ 95 00:10:24,059 --> 00:10:29,998 旦那 怒らないんですか? えっ? 腹が立たないんですか?・ 96 00:10:29,998 --> 00:10:34,002 女の私だって こんなに 煮えくり返ってんだよ。 えっ?・ 97 00:10:34,002 --> 00:10:36,004 旦那 ちょっと ちょっと・ 98 00:10:36,004 --> 00:10:38,006 いったい どうしたっていうんだよ。・ 99 00:10:38,006 --> 00:10:43,011 せっかくの祝言 こんなに… こんなにも荒らされちまって。・ 100 00:10:43,011 --> 00:10:45,013 河内山だか 練塀小路だか・ 101 00:10:45,013 --> 00:10:48,016 どこへ消えちまったんだろうね。 えっ?・ 102 00:10:48,016 --> 00:10:50,018 メンツつぶされたんだよ?・ 103 00:10:50,018 --> 00:10:54,022 満座の中で 赤っ恥かかされたんだよ?・ 104 00:10:54,022 --> 00:10:57,025 黙ってんのかい? えっ?・ 105 00:10:57,025 --> 00:11:00,028 もう 悔しいねえ…。・ 106 00:11:00,028 --> 00:11:02,030 じれったいったらありゃしない もう!・ 107 00:11:02,030 --> 00:11:05,033 あんなね あんなげじげじ野郎 ほっとくなら・ 108 00:11:05,033 --> 00:11:08,036 私は もう 一生 旦那とは 付き合えませんから!・ 109 00:11:08,036 --> 00:11:11,039 そのつもりで! いや ちょっと 姉さん 待ってよ…。 110 00:11:11,039 --> 00:11:13,041 (お滝)何だよ 放しておくれよ うるさいね。 111 00:11:13,041 --> 00:11:15,041 いいから ちょっと 姉さん…。 112 00:11:17,045 --> 00:11:19,047 あ~…。 (直次郎)ちょっと…。 113 00:11:19,047 --> 00:11:22,050 この野郎! (直次郎)分かりましたよ!・ 114 00:11:22,050 --> 00:11:24,052 分かったっての…。・ 115 00:11:24,052 --> 00:11:27,052 よくやったよな! 旦那 落ち着いて…。 116 00:11:29,992 --> 00:11:33,996 俺は~! バカヤロー! 荒井だけは 許さねえぞ! 117 00:11:33,996 --> 00:11:36,999 (直次郎)よく我慢したって…。 118 00:11:36,999 --> 00:11:40,002 俺は 生涯懸けても 荒井だけは許さねえ! 119 00:11:40,002 --> 00:11:43,005 (直次郎)旦那は 強いよ! 120 00:11:43,005 --> 00:11:45,007 誰が こんな 酒 飲ませたの? 121 00:11:45,007 --> 00:11:49,011 ほら 気を付けてね。 足…。 122 00:11:49,011 --> 00:11:53,015 直よ ほら しっかり持てよ お前! (直次郎)ちょっと待って…。 123 00:11:53,015 --> 00:11:55,015 女将さん! 124 00:11:57,019 --> 00:12:00,022 女将さん! ちょっと…。 125 00:12:00,022 --> 00:12:03,025 ほら 旦那 ちどりに着いた ちどりに。 126 00:12:03,025 --> 00:12:05,027 ちどり? バカヤロー! 127 00:12:05,027 --> 00:12:07,029 (直次郎)姉さんよ 助けてくれ…。 128 00:12:07,029 --> 00:12:13,035 女将さん…。 ひどい。 旦那 ほら うち…。 129 00:12:13,035 --> 00:12:15,037 もう大変だな もう…。 130 00:12:15,037 --> 00:12:19,041 あ~ ちょっ… あ~ もう…。 おい 重いんだよ。 131 00:12:19,041 --> 00:12:21,043 俺は ちどりに帰ってくるほど 悪いことしちゃいねえぜ。 132 00:12:21,043 --> 00:12:24,046 分かった分かった。 133 00:12:24,046 --> 00:12:26,046 早く上がんなって。 134 00:12:35,057 --> 00:12:38,060 女将さん ちょっと 旦那 あんなんなって 水1杯…。 135 00:12:38,060 --> 00:12:42,064 ちょっ…。 あら あ~あ 旦那 もう ちょっ…。 136 00:12:42,064 --> 00:12:45,064 んっ? 何だ? こんなとこで寝ちゃって…。 137 00:12:47,069 --> 00:12:49,071 あ~ ちょっと 旦那…。 138 00:12:49,071 --> 00:12:51,073 直 大丈夫かな? 139 00:12:51,073 --> 00:12:53,073 直 帰ろう。 140 00:12:55,077 --> 00:13:00,082 いや いいって。 そこは ほら 旦那と うまくやるって。 なっ? 141 00:13:00,082 --> 00:13:03,085 旦那 帰るよ! こんなとこで寝ちまって・ 142 00:13:03,085 --> 00:13:05,087 風邪ひいたって知らねえよ! 143 00:13:05,087 --> 00:13:07,089 旦那になんて 構っちゃ いらねえんだから 帰るよ! 144 00:13:07,089 --> 00:13:09,089 帰るよ! 風邪ひかないようにね! 145 00:13:28,043 --> 00:13:34,049 (お滝)こんなおっきな荷物 置いていきやがって ホントに。 146 00:13:34,049 --> 00:13:39,054 おい 酔っぱらい ほら 起きろ! 147 00:13:39,054 --> 00:13:45,060 あ~ だらしないねえ ホントに まあ。 148 00:13:45,060 --> 00:13:48,063 ちょいと 風邪ひくよ。 はい あっちへ歩いてっておくれ。 149 00:13:48,063 --> 00:13:52,067 あっちへ歩いとくれよ。 おい…。・ 150 00:13:52,067 --> 00:13:56,071 おい 重いんだからさ。 ちょっと ほら…。 よいしょ・ 151 00:13:56,071 --> 00:14:00,075 よいしょ よいしょ…。 152 00:14:00,075 --> 00:14:20,095 ・~ 153 00:14:20,095 --> 00:14:32,040 ・~ 154 00:14:32,040 --> 00:14:36,040 (お滝)何が 練塀小路の河内山だよ もう。 155 00:14:39,047 --> 00:14:43,051 (お滝)やい たぬき・ 156 00:14:43,051 --> 00:14:45,053 起きろ。 157 00:14:45,053 --> 00:15:04,053 ・~ 158 00:15:10,078 --> 00:15:12,078 どうした? 159 00:15:15,083 --> 00:15:17,085 (信太郎)もう3日ばかり…。 160 00:15:17,085 --> 00:15:21,089 聞こえん。 はっきり言え。 161 00:15:21,089 --> 00:15:26,094 はい…。 どうしても 工面できません。 162 00:15:26,094 --> 00:15:28,030 もう3日…。 163 00:15:28,030 --> 00:15:31,033 (荒井)もう3日か…。・ 164 00:15:31,033 --> 00:15:34,036 この間も お前は 3日と言ったぞ?・ 165 00:15:34,036 --> 00:15:36,036 もう10日になる。 166 00:15:40,042 --> 00:15:45,047 (荒井)わしはな そんな言い訳は 聞きとうない。 167 00:15:45,047 --> 00:15:48,050 実家に帰って 1, 000両を もらってこいと 言ったはずだぞ・ 168 00:15:48,050 --> 00:15:52,054 忘れたのか? (信太郎)いえ…。 169 00:15:52,054 --> 00:15:54,056 (荒井)それなら なぜ もらってこん? 170 00:15:54,056 --> 00:15:56,058 (信太郎)しかし…。 (荒井)貴様・ 171 00:15:56,058 --> 00:15:59,061 それでも 武士になれると思っておるのか? 172 00:15:59,061 --> 00:16:02,064 武士たる者は 主君や親から命ぜられたことは・ 173 00:16:02,064 --> 00:16:08,070 たとえ 命を懸けても やり通す! 忘れたのか? バカ者が! 174 00:16:08,070 --> 00:16:11,073 (信太郎)申し訳ありません…。 175 00:16:11,073 --> 00:16:16,078 まったく 情けない このバカが…。 のこのこ帰ってきおって・ 176 00:16:16,078 --> 00:16:19,078 駄目でしたとは 何ごとだ? バカ者! 177 00:16:21,083 --> 00:16:23,085 これでは 養子の貴様を いくら 武士に仕立てようと思っても・ 178 00:16:23,085 --> 00:16:26,088 どうにもならん。・ 179 00:16:26,088 --> 00:16:30,025 もう一度 行ってこい。 いいか? んっ?・ 180 00:16:30,025 --> 00:16:33,028 金を持って帰ってくるまでは 屋敷に入れん。・ 181 00:16:33,028 --> 00:16:36,028 荒井の敷居をまたぐことは 絶対に許さん。 182 00:16:45,040 --> 00:16:49,044 (青木)やはり あきんどの子は もう一つ武士になりきれませんな。 183 00:16:49,044 --> 00:16:52,047 (林)みそを付けたというわけ ですか。 184 00:16:52,047 --> 00:16:54,049 (石川)みそ屋のせがれですからな。 185 00:16:54,049 --> 00:16:57,052 (3人の笑い声) 186 00:16:57,052 --> 00:17:16,071 ・~ 187 00:17:16,071 --> 00:17:18,073 ・~ 188 00:17:18,073 --> 00:17:21,076 ・(石川)おお これは 信太郎殿・ 189 00:17:21,076 --> 00:17:25,080 大変だな 貴殿も。 (信太郎)あっ 何がでしょうか? 190 00:17:25,080 --> 00:17:29,017 いかに 父上のためとはいえ よく我慢するな。 偉い!・ 191 00:17:29,017 --> 00:17:35,023 実に偉いよな。 感服つかまつった。 (青木)ならぬ堪忍 するが堪忍。・ 192 00:17:35,023 --> 00:17:39,027 信太郎殿は 漢の国の英雄 韓信のようじゃ。・ 193 00:17:39,027 --> 00:17:42,030 それ 股くぐりをやった男よ。 194 00:17:42,030 --> 00:17:46,034 (信太郎)さあ…。 (青木)何だ 知らんのか?・ 195 00:17:46,034 --> 00:17:49,037 よし 教えてやろう。 こうするんだ。・ 196 00:17:49,037 --> 00:17:54,042 ほら。 さあ くぐれ。・ 197 00:17:54,042 --> 00:17:57,045 ほら 腰が高いんだよ!・ 198 00:17:57,045 --> 00:18:01,049 お~ お~ ようくぐった。 199 00:18:01,049 --> 00:18:03,051 (石川)今度は わしが くぐってやろう。 200 00:18:03,051 --> 00:18:06,054 (信太郎)いや もうよしましょう。 (石川)まあまあまあまあ・ 201 00:18:06,054 --> 00:18:08,054 そう言わずに。 さあ。 202 00:18:10,058 --> 00:18:12,060 (石川) ほら もっと開いて!・ 203 00:18:12,060 --> 00:18:14,060 これを こうするんだ。 204 00:18:17,065 --> 00:18:21,069 (石川)あら…。 これは 信太郎殿 大丈夫でござるか?・ 205 00:18:21,069 --> 00:18:26,069 あ~あ あ~あ…。 あ~ こんなに汚れて…。 206 00:18:29,010 --> 00:18:32,013 何をする?・ 207 00:18:32,013 --> 00:18:34,015 よくも 武士の面体を…。・ 208 00:18:34,015 --> 00:18:40,021 いかに軽輩とはいえども 旗本八万騎の一人 石川 小次郎・ 209 00:18:40,021 --> 00:18:44,025 面体を打たれ 侮られたとあっては・ 210 00:18:44,025 --> 00:18:46,027 先祖に対して 申し訳が立たぬわ!・ 211 00:18:46,027 --> 00:18:49,030 信太郎 抜け。・ 212 00:18:49,030 --> 00:18:52,030 武士たる者の作法を 教えてやるわ! 213 00:19:03,044 --> 00:19:05,044 (林)この意気地なしが! 214 00:19:08,049 --> 00:19:14,049 (3人の笑い声) 215 00:19:19,060 --> 00:19:39,014 ・~ 216 00:19:39,014 --> 00:19:59,034 ・~ 217 00:19:59,034 --> 00:20:03,034 ・~ 218 00:20:17,052 --> 00:20:19,052 入ってもいいですか? 219 00:20:21,056 --> 00:20:23,056 (金子)いいですか?って 入ってるじゃねえか。 220 00:20:28,997 --> 00:20:30,999 あの・ 221 00:20:30,999 --> 00:20:35,003 あんた 本当に 侍なんですか? 222 00:20:35,003 --> 00:20:38,006 (金子)えっ?・ 223 00:20:38,006 --> 00:20:41,009 まあ そういうことに なってるけどよ。 224 00:20:41,009 --> 00:20:43,011 生まれたときからの? 225 00:20:43,011 --> 00:20:45,011 (金子)生まれたときは 赤ん坊だよ。 226 00:20:50,018 --> 00:20:57,018 私は 本当は みそ屋のせがれ だったんでございます。 227 00:20:59,027 --> 00:21:03,031 父が お前は 侍になれって 言うもんですからね。 228 00:21:03,031 --> 00:21:07,035 いや 私も 町人の家に生まれながら・ 229 00:21:07,035 --> 00:21:09,037 まあ 少しは 学問もやったもんですから…。 230 00:21:09,037 --> 00:21:12,040 (金子)焼けたぞ。 食うか? 231 00:21:12,040 --> 00:21:15,043 (信太郎)あっ はい いただきます。・ 232 00:21:15,043 --> 00:21:17,043 あっち…。 233 00:21:22,050 --> 00:21:25,053 うまいですね。 234 00:21:25,053 --> 00:21:29,053 こんなあったかい魚を食べたのは 久しぶりですよ。 235 00:21:37,999 --> 00:21:42,003 で まあ うちに 少し…。・ 236 00:21:42,003 --> 00:21:44,003 いただきます。 237 00:21:54,015 --> 00:21:57,018 (信太郎)うちに 少し 銭があったもんですからね・ 238 00:21:57,018 --> 00:22:00,021 それじゃあ 侍になってみようかななんて・ 239 00:22:00,021 --> 00:22:03,024 ちょっと思いまして・ 240 00:22:03,024 --> 00:22:10,031 それで 荒井 重兵衛っていう 徒目付の旗本のうちへ・ 241 00:22:10,031 --> 00:22:12,031 養子にいったんでございます。 242 00:22:16,037 --> 00:22:19,040 やっぱ 私は みそ屋のせがれだった方が・ 243 00:22:19,040 --> 00:22:21,040 よかったのかもしれませんね。 244 00:22:23,044 --> 00:22:27,048 おらくと夫婦になって 子供 生んで・ 245 00:22:27,048 --> 00:22:31,048 三州屋の のれんを守ってれば よかったのかな…。 246 00:22:37,058 --> 00:22:41,062 今の私はね 何かっていうと 荒井の父に・ 247 00:22:41,062 --> 00:22:44,065 金を持ってこい 金を取ってこいって・ 248 00:22:44,065 --> 00:22:47,065 金を運ぶだけの道具に 過ぎないんでございます。 249 00:22:56,077 --> 00:22:58,077 私が嫌いですか? 250 00:23:04,085 --> 00:23:06,087 そうでしょうね。 251 00:23:06,087 --> 00:23:08,089 いや 私は 自分で自分が嫌いだから・ 252 00:23:08,089 --> 00:23:10,089 人に好かれるわけが ありませんよね。 253 00:23:13,094 --> 00:23:15,096 どうしたらいいのかな? 254 00:23:15,096 --> 00:23:18,096 (金子)んなことは 知らねえよ 俺は。 255 00:23:23,104 --> 00:23:27,041 私は 死んじまった方がいいのかな…。 256 00:23:27,041 --> 00:23:30,044 (金子)もう死んでるよ。 257 00:23:30,044 --> 00:23:32,046 えっ? 258 00:23:32,046 --> 00:23:36,050 (金子)間違いなく もう死んでるよ お前さんは。 259 00:23:36,050 --> 00:23:39,053 (お滝)はい。 260 00:23:39,053 --> 00:23:43,053 おお ありがと ありがと お~ ありがとよ。 261 00:23:50,064 --> 00:23:54,068 あ~ うめえ…。 262 00:23:54,068 --> 00:23:59,073 水ぐれえ うめえものねえな。 えっ? 263 00:23:59,073 --> 00:24:02,073 下戸の知らねえ うめえ味ってね。 264 00:24:04,078 --> 00:24:06,080 おい ヘヘッ…・ 265 00:24:06,080 --> 00:24:10,084 ゆんべは 俺 そんなに酔っぱらってたか? 266 00:24:10,084 --> 00:24:12,086 えっ? 267 00:24:12,086 --> 00:24:16,090 へえ~ 久しぶりだな。 268 00:24:16,090 --> 00:24:20,090 あ~あ もう ホントに もう 酒が 弱くなっちまった。 269 00:24:24,098 --> 00:24:26,100 おい 丑 どうした? 270 00:24:26,100 --> 00:24:30,038 誰かさんの着替え 取りに行きましたよ。 271 00:24:30,038 --> 00:24:32,040 直は? 旦那・ 272 00:24:32,040 --> 00:24:35,043 おい おい どうした? まだ酔ってんですか? 273 00:24:35,043 --> 00:24:37,045 だから 昨日 言ったでしょ・ 274 00:24:37,045 --> 00:24:39,047 あんまり飲んじゃ いけませんよって。 275 00:24:39,047 --> 00:24:41,049 もう お天道様 真上ですよ。 276 00:24:41,049 --> 00:24:44,052 おう。 ほんで どうした? 277 00:24:44,052 --> 00:24:46,054 昨日の 荒井っていう男 いたでしょ? 278 00:24:46,054 --> 00:24:49,057 あれ 相当ワルですよ。 279 00:24:49,057 --> 00:24:51,059 んっ? 何? 280 00:24:51,059 --> 00:24:54,062 ありゃ ワルなんですよ。 どうしたい? 281 00:24:54,062 --> 00:25:00,068 そのね 商家のせがれと 養子縁組しちゃあ 離縁して・ 282 00:25:00,068 --> 00:25:04,072 それを 順繰り順繰り 3回もやってるらしいですよ。 283 00:25:04,072 --> 00:25:08,076 最初はね 日本橋の米問屋のせがれ。 284 00:25:08,076 --> 00:25:12,080 それから 次が 麹町の炭屋のせがれ。 285 00:25:12,080 --> 00:25:17,085 それで 3番目が 今 何か 三州屋とか何か言ってましたよ。 286 00:25:17,085 --> 00:25:20,088 三州屋…。 ええ。 それで おかしいんですよ。 287 00:25:20,088 --> 00:25:22,090 で みんな 離縁されたうちはね・ 288 00:25:22,090 --> 00:25:24,092 屋台が がたがたがたっと…・ 289 00:25:24,092 --> 00:25:27,028 こんなふうに なっちゃうらしいんですね。 290 00:25:27,028 --> 00:25:30,031 どうも あのお徒目付は おかしいですよ あれは。 291 00:25:30,031 --> 00:25:32,033 あの顔は ワルの顔だよ。 292 00:25:32,033 --> 00:25:34,035 ああ! 俺も そう思ってる。 293 00:25:34,035 --> 00:25:39,040 野郎は もう どうも 普段から おかしいと思ってたんだ。 294 00:25:39,040 --> 00:25:42,043 こうなったら お前 どうでも お前…。 295 00:25:42,043 --> 00:25:44,043 俺っすか…? 296 00:25:46,047 --> 00:25:48,049 今日はな お滝は ちょっと お徒目付…。 297 00:25:48,049 --> 00:25:50,051 どうせ 私は おかちめんこですよ! 298 00:25:50,051 --> 00:25:53,054 とにかく お前 婚礼の費用の25両だけは・ 299 00:25:53,054 --> 00:25:56,057 どうでも取り戻さなくちゃならねえ チクショー。 300 00:25:56,057 --> 00:26:05,066 ・(子供たちの歌声) 301 00:26:05,066 --> 00:26:07,066 あっ こんちは。 302 00:26:11,072 --> 00:26:14,075 (金子)捜してくんねえかな? えっ? 303 00:26:14,075 --> 00:26:17,078 (金子)女を捜してくれ。 304 00:26:17,078 --> 00:26:20,081 女? (金子)うん。・ 305 00:26:20,081 --> 00:26:23,084 名前は おらくっていうんだ。 306 00:26:23,084 --> 00:26:26,087 旦那が 女 捜してんの? (金子)ちょっと急いでんだよ。 307 00:26:26,087 --> 00:26:29,023 急ぐったってさ んな 勝手に 急に言われたって…。 308 00:26:29,023 --> 00:26:33,027 (金子)深川の入舟町あたりに いるんだ。 309 00:26:33,027 --> 00:26:35,027 ああ 岡場所の女。 310 00:26:40,034 --> 00:26:42,034 ごめんよ。 311 00:26:46,040 --> 00:26:48,040 ごめんなさいよ。 312 00:26:50,044 --> 00:26:52,046 (女)おいでなさいませ。 313 00:26:52,046 --> 00:26:56,050 練塀小路の 河内山 宗俊って者だが・ 314 00:26:56,050 --> 00:26:59,050 ご主人は おいでになりますかね? 315 00:27:06,060 --> 00:27:09,063 (三州屋)どんなご用で ございましょうか?・ 316 00:27:09,063 --> 00:27:13,063 あるじの 三州屋 仁助でございます。 317 00:27:17,071 --> 00:27:20,074 (三州屋)一人息子のせがれ 信太郎が・ 318 00:27:20,074 --> 00:27:22,076 幸せになれることで ございましたら・ 319 00:27:22,076 --> 00:27:27,014 この身代 全てをなくしても 決して悔いはございません。・ 320 00:27:27,014 --> 00:27:35,022 もう すでに この家屋敷は 借金のかたに入っております。・ 321 00:27:35,022 --> 00:27:39,026 素町人じゃ やっぱり この世間 どんなに あがいても・ 322 00:27:39,026 --> 00:27:43,030 お武家さまの前に出りゃ 勝てやしませんからね。・ 323 00:27:43,030 --> 00:27:49,030 それで 何とか せがれだけはと そう思いまして…。 324 00:27:52,039 --> 00:27:55,042 おう 帰ったぞ。 325 00:27:55,042 --> 00:27:57,044 誰もいないのか? おい。 326 00:27:57,044 --> 00:28:00,044 ・へえ。 あっ ちょっと待ってください。 327 00:28:02,049 --> 00:28:06,053 おい 丑 どうした? あっ…。 ああ 丑ですか? 328 00:28:06,053 --> 00:28:10,057 あの ほら 例の金子っていう 妙な浪人いたでしょ? 329 00:28:10,057 --> 00:28:12,059 あれの使いでね 岡場所へ・ 330 00:28:12,059 --> 00:28:14,061 おらくっていう女を 捜しに行きましたよ。 331 00:28:14,061 --> 00:28:17,064 岡場所へ? へえ。 332 00:28:17,064 --> 00:28:20,067 まずかったですか? いや まずくはねえけど…。 333 00:28:20,067 --> 00:28:25,072 あの野郎 俺のとこへ ものを頼みに来るとは 珍しいな。 334 00:28:25,072 --> 00:28:28,009 あのさ たまにはさ・ 335 00:28:28,009 --> 00:28:31,012 わずかな間でいいから ちょうどいいじゃないですか。 336 00:28:31,012 --> 00:28:35,016 あの 姉さんに黙ってるから 行きません? ちょっと これ…。 337 00:28:35,016 --> 00:28:39,020 直 お前の言ったとおりだった・ 338 00:28:39,020 --> 00:28:43,020 三州屋はな…。 あっ これですか? 339 00:28:45,026 --> 00:28:48,029 ワルだね~ あの荒井って男は~…。 340 00:28:48,029 --> 00:28:56,037 (三州屋)1, 000両もの大金 今の三州屋には もう とても…。 341 00:28:56,037 --> 00:28:59,040 (荒井)そうか うん…。・ 342 00:28:59,040 --> 00:29:02,043 これほど頼んでも 出さんと言うのなら・ 343 00:29:02,043 --> 00:29:06,047 信太郎との養子縁組は これまでじゃ うん。 344 00:29:06,047 --> 00:29:10,051 (三州屋)荒井さま… それでは あまりにも約束が違います。・ 345 00:29:10,051 --> 00:29:14,055 どうか… どうか離縁だけは…。 (荒井)黙れ!! 346 00:29:14,055 --> 00:29:18,059 たかが1, 000両の はした金で! 347 00:29:18,059 --> 00:29:21,062 そんなものを鼻にかけて…。 348 00:29:21,062 --> 00:29:24,062 町人の分際で何ごとだ? 無礼者! 349 00:29:26,067 --> 00:29:28,002 あんな出来損ないの養子は 見たことないわ! 350 00:29:28,002 --> 00:29:33,007 よくも わしをだましおったな 三州屋! 351 00:29:33,007 --> 00:29:36,010 分かりました。 もう これ以上・ 352 00:29:36,010 --> 00:29:39,013 金をゆすられるのは 御免でございます。 353 00:29:39,013 --> 00:29:42,013 信太郎は 引き取らせていただきます。 354 00:29:45,019 --> 00:29:49,023 私も これで 覚悟ができました。 355 00:29:49,023 --> 00:29:52,023 では これで…。 356 00:30:02,036 --> 00:30:04,036 (林)荒井さま…。 357 00:30:09,043 --> 00:30:15,049 (女)ねえ いいじゃないの~ ねえ 寄ってってよ~。 358 00:30:15,049 --> 00:30:17,051 (女)あっ お兄ちゃん ちょっと寄ってってよ…。 359 00:30:17,051 --> 00:30:20,051 悪いな 今日は 別の用で来たから。 今度 これ 持ってくるからよ…。 360 00:30:22,056 --> 00:30:24,058 ・(女)ちょっと お兄さん 寄ってってよ・ 361 00:30:24,058 --> 00:30:28,058 ねえ いいじゃないの。 ねえ…。 362 00:30:31,999 --> 00:30:34,001 (おらく)お兄さん そんなこと言わないでよ・ 363 00:30:34,001 --> 00:30:37,001 ねえ ねえ…。 364 00:30:44,011 --> 00:30:46,013 お前が暇を取って・ 365 00:30:46,013 --> 00:30:50,017 急にいなくなったって おとっつぁんから聞いたとき・ 366 00:30:50,017 --> 00:30:54,017 私を思っていてくれたことが よく分かったよ。 367 00:30:56,023 --> 00:30:59,026 私はね・ 368 00:30:59,026 --> 00:31:02,029 みそ屋をやるんだ。 369 00:31:02,029 --> 00:31:04,031 侍なんか もうやめる。 370 00:31:04,031 --> 00:31:07,031 いや… やめたんだ! 371 00:31:10,037 --> 00:31:12,039 (信太郎)やり直すんだよ。・ 372 00:31:12,039 --> 00:31:16,043 だから お前を 迎えに来たんだ。 373 00:31:16,043 --> 00:31:23,050 (おらく)それじゃあ 若旦那も 私のことを…。 374 00:31:23,050 --> 00:31:27,989 いけません 駄目です。 駄目です…。 375 00:31:27,989 --> 00:31:29,991 私みたいな女が・ 376 00:31:29,991 --> 00:31:32,991 若旦那を好きになっちゃ いけなかったんです。 377 00:31:34,996 --> 00:31:39,000 若旦那だって 私みたいな女…。 378 00:31:39,000 --> 00:31:43,004 ねえ 立派なお侍さんになって…。・ 379 00:31:43,004 --> 00:31:47,008 でなかったら 私 何のために こんなつらい思いを…。 380 00:31:47,008 --> 00:31:49,010 (信太郎)いや そうじゃないんだよ!・ 381 00:31:49,010 --> 00:31:54,015 私だってね 荒井の家に行っても・ 382 00:31:54,015 --> 00:31:57,015 片時も お前のことを忘れたことは ないんだよ! 383 00:32:39,060 --> 00:32:41,060 おい 何してんだ バカ! 384 00:32:44,065 --> 00:32:47,068 おっ 丑! あっ 旦那。 385 00:32:47,068 --> 00:32:50,071 何だ? 金子市 お前 俺を捜してるんだって…。 386 00:32:50,071 --> 00:32:52,073 いやいやいや… この旦那じゃねえすよ。 387 00:32:52,073 --> 00:32:56,077 ほら 例の荒井 あの野郎の養子。 388 00:32:56,077 --> 00:32:59,080 あれですよ 例の ほら みそ屋の。 これの。 389 00:32:59,080 --> 00:33:03,084 おい お前 何で そんな野郎と 関わり合いを持ってるんだ? 390 00:33:03,084 --> 00:33:05,086 (金子)んっ? いや・ 391 00:33:05,086 --> 00:33:08,089 生きてんだか 死んでんだか 分からねえようなやつだけど・ 392 00:33:08,089 --> 00:33:11,092 まだ若えし ちょいと 相談 乗ってやってるだけだよ。・ 393 00:33:11,092 --> 00:33:15,096 荒井ってのを知ってんのか? 394 00:33:15,096 --> 00:33:17,098 いや 知ってるも何も・ 395 00:33:17,098 --> 00:33:21,102 どうでも 野郎を 痛い目に遭わせねえことには・ 396 00:33:21,102 --> 00:33:25,106 俺の腹の虫が収まらん。 397 00:33:25,106 --> 00:33:27,041 で どこにいるんだ? その野郎は。 398 00:33:27,041 --> 00:33:33,047 いいえ 行けません。 もう 今の私…。 399 00:33:33,047 --> 00:33:38,052 (信太郎)おらく… 何も言わないでくれ…。 400 00:33:38,052 --> 00:33:42,056 私はね お前が一緒じゃないと・ 401 00:33:42,056 --> 00:33:46,060 一生 死んで暮らさなきゃ ならないんだ。 402 00:33:46,060 --> 00:33:49,063 生きたいんだ…。 403 00:33:49,063 --> 00:33:51,065 なあ おらく・ 404 00:33:51,065 --> 00:33:58,072 私は 必ず お前を請け出す。 いいね?・ 405 00:33:58,072 --> 00:34:02,076 今から おとっつぁんのとこ行って 話をしてくるから。・ 406 00:34:02,076 --> 00:34:06,080 いいね? 待ってておくれ。・ 407 00:34:06,080 --> 00:34:08,080 ねっ? 408 00:34:15,089 --> 00:34:19,093 お前さん 荒井のうちの ご養子さんかい? 409 00:34:19,093 --> 00:34:24,098 (信太郎)あっ はい…。 この方は? (金子)んっ? ああ これはな・ 410 00:34:24,098 --> 00:34:27,098 河内山 宗俊っていう 悪い坊主だ。 411 00:34:30,037 --> 00:34:32,039 (信太郎)とにかく・ 412 00:34:32,039 --> 00:34:34,039 おとっつぁんとこ行って 話をしてきます。 413 00:34:40,047 --> 00:34:42,047 俺も ちょっと…。 あっ…。 414 00:34:46,053 --> 00:34:48,055 (金子)じゃあ 一杯やるか。 415 00:34:48,055 --> 00:34:51,058 うわっ どうも ごちそうさまです! 416 00:34:51,058 --> 00:34:54,061 おい いいことある…。 (金子)金は ないよ。 417 00:34:54,061 --> 00:34:56,061 えっ? えっ…。 418 00:35:13,080 --> 00:35:33,033 ・~ 419 00:35:33,033 --> 00:35:36,036 ・~ 420 00:35:36,036 --> 00:35:41,036 それは 無用組の 青木という旗本の…。 421 00:35:43,043 --> 00:35:45,045 (信太郎)覚書・ 422 00:35:45,045 --> 00:35:53,045 「金150両 荒井様 今月に入り これで3度目のご無心」 423 00:35:56,056 --> 00:35:58,056 (信太郎)おっかさん…。 424 00:36:01,061 --> 00:36:03,063 (信太郎)どうして こんな…・ 425 00:36:03,063 --> 00:36:06,063 どうして こんなふうに なっちまったんだよ…。 426 00:36:09,069 --> 00:36:11,069 (信太郎)つらかっただろな おっかさん…。 427 00:36:15,075 --> 00:36:17,075 (信太郎)おとっつぁん…。 428 00:36:19,079 --> 00:36:24,084 (信太郎)おとっつぁん…。 三州屋の のれんは・ 429 00:36:24,084 --> 00:36:27,084 私が 必ず 守ってみせますからね。 430 00:36:31,025 --> 00:36:33,025 おとっつぁん…。 431 00:36:36,030 --> 00:36:39,033 先日は 大変 ご無礼を致しまして・ 432 00:36:39,033 --> 00:36:44,038 何とぞ お許し願いとう存じまする。 433 00:36:44,038 --> 00:36:50,044 さすが 次期 大目付と噂の高い 荒井さまのお屋敷・ 434 00:36:50,044 --> 00:36:55,049 ほう 立派なものでござりまするな。 435 00:36:55,049 --> 00:36:59,053 実は 手前が 本日 参上致しましたのは・ 436 00:36:59,053 --> 00:37:02,056 余の儀ではござりませぬ。 437 00:37:02,056 --> 00:37:08,062 私の知り合いに もう 大変な大金持ちがござりまして・ 438 00:37:08,062 --> 00:37:13,067 そのせがれが また 了見違いで 侍になりたいなどと申しまして・ 439 00:37:13,067 --> 00:37:15,069 親というものは バカなものでござります。 440 00:37:15,069 --> 00:37:19,073 いくら金が掛かっても 何とか侍にしてやりたい。 441 00:37:19,073 --> 00:37:21,075 どうだ? 河内山・ 442 00:37:21,075 --> 00:37:27,014 知り合いはおらんか?などと 申されまして 私も困りましたが・ 443 00:37:27,014 --> 00:37:30,017 何しろ 身分の卑しい者たち・ 444 00:37:30,017 --> 00:37:34,017 このような話を 荒井さまのお耳に 入れましてはと…。 445 00:37:36,023 --> 00:37:39,026 (荒井)いやいや 構わん。 河内山 申してみい。 申してみい。 446 00:37:39,026 --> 00:37:44,031 はっ。 その金持ちの親が 申しまするには・ 447 00:37:44,031 --> 00:37:48,035 初めは 持参金といたしまして5, 000両。 448 00:37:48,035 --> 00:37:51,038 月々の手当てといたしまして 500両。 449 00:37:51,038 --> 00:37:57,044 しかし このような身勝手な話が なるものでござりましょうか。 450 00:37:57,044 --> 00:38:01,048 (荒井)ううん… 苦しゅうない。 連れて参れ。 連れて参れ。 451 00:38:01,048 --> 00:38:06,053 さようでござりまするか。 それでは 明日 あらためまして・ 452 00:38:06,053 --> 00:38:10,057 当人を連れ ご挨拶に 参上致しまするでございます。 453 00:38:10,057 --> 00:38:12,059 (荒井)うん うん…。 454 00:38:12,059 --> 00:38:16,063 あの野郎だけは どうしても許せねえ! 455 00:38:16,063 --> 00:38:18,065 あんな野郎を のさばらしといたんじゃ・ 456 00:38:18,065 --> 00:38:20,067 世の中のためにならねんだ! おう。 457 00:38:20,067 --> 00:38:25,072 俺はな 俺の生涯を棒に振っても・ 458 00:38:25,072 --> 00:38:27,007 どうでも あの野郎を 痛めつけなくちゃならん! 459 00:38:27,007 --> 00:38:33,013 そこで お前さんに 一役 買ってもらいてえと思ってよ。 460 00:38:33,013 --> 00:38:38,018 (金子)世の中のためにか? あっ? おう 世の中のためにさ。 461 00:38:38,018 --> 00:38:40,020 (金子の笑い声) 462 00:38:40,020 --> 00:38:43,023 なっ 何がおかしい!? おい! 463 00:38:43,023 --> 00:38:47,027 (金子)金にはならねえのか? それは。・ 464 00:38:47,027 --> 00:38:50,030 金になるか? 河内山。 465 00:38:50,030 --> 00:38:55,035 なる。 なる なる なる 大なりだよ! 466 00:38:55,035 --> 00:39:00,040 (金子)よし! 俺の役は いい役だろうな? おい。 467 00:39:00,040 --> 00:39:02,042 嫌~!! 駄目 駄目…。 468 00:39:02,042 --> 00:39:05,045 俺 そんなことしたら 死んじゃうよ。 俺 嫌だよ…。 469 00:39:05,045 --> 00:39:08,045 拙者は 断固として断る! 拙者も! 470 00:39:35,008 --> 00:39:38,011 飲んで お前 大丈夫か? 河内山・ 471 00:39:38,011 --> 00:39:40,013 どこだ? 荒井の屋敷はよ。 472 00:39:40,013 --> 00:39:42,015 だから もうすぐそこだ。 473 00:39:42,015 --> 00:39:45,015 おい なっ? おい…。 474 00:39:54,027 --> 00:39:59,032 おっ ああ…。 ここ ここ。 ここだ ここだ。 475 00:39:59,032 --> 00:40:03,032 ちゃんとしとくれよ ちゃんと。 いいな? 大丈夫だな? 476 00:40:09,042 --> 00:40:11,042 ほれ。 477 00:40:19,052 --> 00:40:22,052 (荒井)いやいや 河内山 待たせたな。 478 00:40:24,057 --> 00:40:26,994 (荒井)して この者は 何じゃ? 479 00:40:26,994 --> 00:40:33,000 昨日 お願いに上がりました これが 養子めにござりまする。 480 00:40:33,000 --> 00:40:35,002 (金子)おい・ 481 00:40:35,002 --> 00:40:39,006 今日から このうちは 俺が取り仕切るから。・ 482 00:40:39,006 --> 00:40:42,009 下がってよい。 隠居だ お前は。 483 00:40:42,009 --> 00:40:44,011 (荒井)んっ? 何を言うか。・ 484 00:40:44,011 --> 00:40:46,013 まだ 養子縁組を決めたわけではない。 485 00:40:46,013 --> 00:40:49,016 (金子)うるせえ! 俺が決めたんだい!・ 486 00:40:49,016 --> 00:40:52,019 てめえは 養子を次々と変えたそうだが・ 487 00:40:52,019 --> 00:40:55,022 つべこべ抜かしやがると 今度は 俺の方から離縁してやるぞ・ 488 00:40:55,022 --> 00:40:57,024 この野郎。 (荒井)河内山 これは いったい・ 489 00:40:57,024 --> 00:41:00,027 どうしたことじゃ? お気に召しませぬか? 490 00:41:00,027 --> 00:41:06,033 (金子)うん お気に召した。 うん お気に召したぞ。・ 491 00:41:06,033 --> 00:41:09,033 家柄としては申し分ない。 492 00:41:11,038 --> 00:41:14,041 (金子)父上。 (荒井)ちょっ ちょっ…。 493 00:41:14,041 --> 00:41:17,044 実は 父上に・ 494 00:41:17,044 --> 00:41:21,048 どうしても 買ってもらわにゃならん 品物がある。・ 495 00:41:21,048 --> 00:41:25,052 これは わが荒井家にとっても また 子々孫々のためにも・ 496 00:41:25,052 --> 00:41:27,988 どうしても 買っていただかなきゃならない・ 497 00:41:27,988 --> 00:41:29,990 1, 000両の買い物!・ 498 00:41:29,990 --> 00:41:33,994 安いね。 実に これは 安い。 499 00:41:33,994 --> 00:41:37,998 1, 000両? いったい 何を買えと言うのじゃ? 500 00:41:37,998 --> 00:41:41,001 買っていただけますか? 父上。・ 501 00:41:41,001 --> 00:41:45,005 あ~ それは 息子として こんなうれしいことはない。・ 502 00:41:45,005 --> 00:41:48,008 じゃあ ただいまより その品物を…。 503 00:41:48,008 --> 00:41:50,008 (手を たたく音) 504 00:41:55,015 --> 00:41:58,015 (荒井)こっ こっ こっ こっ…。 505 00:42:00,020 --> 00:42:02,020 (荒井)何だ? これは…。 506 00:42:07,027 --> 00:42:10,027 あっ… あっ 嫌… 冷たいよ…。 507 00:42:17,037 --> 00:42:19,039 (荒井)よっ よせ! (金子)おい!・ 508 00:42:19,039 --> 00:42:23,043 この死体を買ってくれ っつってんじゃねえんだぞ。・ 509 00:42:23,043 --> 00:42:27,047 この覚書を買ってくれって っつってるんだよ。 510 00:42:27,047 --> 00:42:30,050 こん中にはな てめえのやった薄汚え仕業が・ 511 00:42:30,050 --> 00:42:33,053 全部 書いてあるんです。 1, 000両じゃ 安いもんじゃねえか。 512 00:42:33,053 --> 00:42:38,058 (荒井)1, 000両…? そんな金は… ない…! 513 00:42:38,058 --> 00:42:43,063 ない!? そうか! じゃあ しょうがねえや・ 514 00:42:43,063 --> 00:42:46,066 今晩から こいつと一緒に 寝てもらおうじゃねえか。・ 515 00:42:46,066 --> 00:42:48,068 おい 寝かしてやれ。・ 516 00:42:48,068 --> 00:42:51,068 ひんやりとして 気持ちがええぞ。 517 00:42:57,077 --> 00:42:59,079 どうなんだよ? 出すのか出さねえのか・ 518 00:42:59,079 --> 00:43:02,082 どっちなんだよ おい。 (荒井)出す… 出す… 出す!・ 519 00:43:02,082 --> 00:43:04,084 はっ はっ 離してくれ… 離してくれ… 離して…。・ 520 00:43:04,084 --> 00:43:08,088 かっ かっ 籠屋…! 離してくれ… うわっ…。 521 00:43:08,088 --> 00:43:11,091 離すよ~・ 522 00:43:11,091 --> 00:43:17,097 離すけどな…。 あ~… は~…。 523 00:43:17,097 --> 00:43:19,099 ほら 行くぞ また…。 うわ~!! 524 00:43:19,099 --> 00:43:21,099 出す 出す 出す 出す…。 525 00:43:25,105 --> 00:43:27,040 出す 出す こっ こっ…。 526 00:43:27,040 --> 00:43:30,043 ほら 行くぞ。 うわ~! 527 00:43:30,043 --> 00:43:35,043 よせ…。 嫌 嫌…。 528 00:43:37,050 --> 00:43:39,052 (荒井)そこに300両ある…。 529 00:43:39,052 --> 00:43:46,059 (金子)よし これは 三州屋の 葬式代として もらっとこう。・ 530 00:43:46,059 --> 00:43:49,062 おい 1, 000両は どうした? 1, 000両は。 531 00:43:49,062 --> 00:43:51,064 たっ…。 532 00:43:51,064 --> 00:43:54,067 俺は ない袖 振れって っつってるんじゃねえんだぞ? 533 00:43:54,067 --> 00:43:56,069 この野郎 もたもたしてると・ 534 00:43:56,069 --> 00:44:01,074 また死人が踊り出したって 知らねえぞ おい。・ 535 00:44:01,074 --> 00:44:06,079 返事しねえな。 おい! 踊らせてやれ! もう1回! 536 00:44:06,079 --> 00:44:11,084 (丑松と直次郎の歌声) 出す! 出す! 出す…! 537 00:44:11,084 --> 00:44:14,087 まっ 待ってくれ…。 538 00:44:14,087 --> 00:44:16,087 出す 出す 出す…! 539 00:44:21,094 --> 00:44:24,097 おいおい おいおい・ 540 00:44:24,097 --> 00:44:27,097 大したもんだのう。 ちょっと お前…。 541 00:44:34,040 --> 00:44:38,040 う~ 重てえ! 落とすんじゃねえぞ。 いいな? 542 00:44:40,046 --> 00:44:42,048 (金子)おい・ 543 00:44:42,048 --> 00:44:45,048 俺の役は 終わったな? 河内山。 544 00:44:49,055 --> 00:44:52,058 ほれ 二つ山だ。 545 00:44:52,058 --> 00:44:54,058 (金子)おい! 546 00:44:56,062 --> 00:44:59,062 まだ これ代が いるんじゃねえのか? 547 00:45:03,069 --> 00:45:05,069 (金子)やる気になってきた…。 548 00:45:12,078 --> 00:45:32,032 ・~ 549 00:45:32,032 --> 00:45:52,052 ・~ 550 00:45:52,052 --> 00:45:57,057 ・~ 551 00:45:57,057 --> 00:46:00,060 こうも ようも 河内山 計ったな…。 552 00:46:00,060 --> 00:46:02,062 手討ちに致す! そこに直れ! 何を このバカヤロー・ 553 00:46:02,062 --> 00:46:06,066 直れってのは てめえの方だ! そこに直れ! 554 00:46:06,066 --> 00:46:08,066 ・(剣が刺さる音) 555 00:46:10,070 --> 00:46:12,070 あっ…。 556 00:46:17,077 --> 00:46:19,077 (金子)おい もう帰るぞ。 557 00:46:26,086 --> 00:46:29,022 ありゃ… やだ…。 558 00:46:29,022 --> 00:46:31,024 丑。 んっ? 559 00:46:31,024 --> 00:46:34,027 こういうのを 自業自得っつうんだぞ。 560 00:46:34,027 --> 00:46:38,031 分かったか? うん。 561 00:46:38,031 --> 00:46:41,034 あっ いらっしゃいまし。 どうも。 562 00:46:41,034 --> 00:46:43,036 (おらく)いつも ありがとうございます。 563 00:46:43,036 --> 00:46:46,036 (信太郎)はい 赤でございますね。 564 00:46:48,041 --> 00:46:50,041 あっ いらっしゃいまし。 565 00:46:54,047 --> 00:46:56,049 ありがとうございます。 566 00:46:56,049 --> 00:46:59,052 精進落としに 中へでも隠れて ぱ~っと派手にやろうじゃねえか。 567 00:46:59,052 --> 00:47:02,055 あ~ 待ってました! 半眼のアホウドリどもは・ 568 00:47:02,055 --> 00:47:04,057 気持ち悪くて しょうがない…。 お前 生きた心地しなかったぞ…。 569 00:47:04,057 --> 00:47:06,059 お前たち なかなかうまかったぞ。 570 00:47:06,059 --> 00:47:08,061 旦那 ちょっと…。 えっ? 571 00:47:08,061 --> 00:47:10,063 これ 大丈夫かな? なっ 何だ? 572 00:47:10,063 --> 00:47:13,066 お滝か? バカヤロー お滝なんて怖がってて お前・ 573 00:47:13,066 --> 00:47:16,066 遊びが ぱ~っとできるか! 付いてこい! 574 00:47:19,072 --> 00:47:22,075 (お滝)旦那 ちょっと 聞いた? あの 荒井 重兵衛のやつね・ 575 00:47:22,075 --> 00:47:25,078 病気のため急死ってことで お届けが出たそうよ。 576 00:47:25,078 --> 00:47:27,013 おお そうか。 (お滝)あ~ これで・ 577 00:47:27,013 --> 00:47:30,016 あの若い2人もね よかったね~。 578 00:47:30,016 --> 00:47:32,018 ああ そうだな。 (お滝)あら? ちょっと・ 579 00:47:32,018 --> 00:47:34,020 どこお出掛け? いやいや ちょっと・ 580 00:47:34,020 --> 00:47:37,023 あっしらね 用事ができて…。 ええ…。 581 00:47:37,023 --> 00:47:39,025 俺に用があんじゃねえのか? (お滝)ねえ 今日はさ・ 582 00:47:39,025 --> 00:47:41,027 みんなで こう ぱ~っとやろうよ ぱ~っと。 583 00:47:41,027 --> 00:47:44,030 ぱ~っとやるんだよ おい ぱ~っと よし! 584 00:47:44,030 --> 00:47:46,032 久しぶりだ お滝。 えっ? 585 00:47:46,032 --> 00:47:48,034 こう ぱ~っと いっぺえ 派手に飲もうじゃねえか ハハハ! 586 00:47:48,034 --> 00:47:50,036 (お滝)今日は 私も飲むよ。 おお よしよし。 587 00:47:50,036 --> 00:47:52,038 飲み比べしようじゃねえか どっちが…。 588 00:47:52,038 --> 00:47:54,040 酔うんじゃねえぞ? さあ…。 589 00:47:54,040 --> 00:48:04,040 ・~ 590 00:48:27,007 --> 00:48:31,011 <そのころ 江戸の町には ご倹約令が発せられ・ 591 00:48:31,011 --> 00:48:33,013 祭りも禁じられていた> 592 00:48:33,013 --> 00:48:37,017 <宗俊は せめて 祭りぐらいできるようにと・ 593 00:48:37,017 --> 00:48:39,019 水野 忠邦に掛け合いに行くが・ 594 00:48:39,019 --> 00:48:43,023 そのとき 一見 平凡な商人 森田屋 清蔵が・ 595 00:48:43,023 --> 00:48:46,026 宗俊の前に現れた> 596 00:48:46,026 --> 00:48:50,026 <次回 『痛快! 河内山宗俊』に ご期待ください> 597 00:50:04,204 --> 00:50:05,071 598 00:50:05,071 --> 00:50:08,074 (小林)皆さん お元気ですか 小林綾子です 599 00:50:08,074 --> 00:50:14,080 日本には 古くから 神社仏閣に伝わる行事や飾り物 600 00:50:14,080 --> 00:50:19,085 季節によって味わう旬な食べ物や その土地に伝わる風習など 601 00:50:19,085 --> 00:50:25,091 幸運を呼び込むために縁起を担ぐ さまざまな物や行いがあります 602 00:50:25,091 --> 00:50:30,096 皆さんの周りにも きっとある 幸運を呼ぶ縁起物 603 00:50:30,096 --> 00:50:34,100 この番組では そんな縁起物を ご紹介していきます 604 00:50:34,100 --> 00:50:37,100 さて 今日の縁起物は? 605 00:50:50,116 --> 00:50:54,120 とぼけた表情に ポップな色あいが かわいい黄鮒 606 00:50:54,120 --> 00:50:57,123 こちらは江戸時代から・ 607 00:50:57,123 --> 00:51:01,127 縁起物として伝わる 宇都宮の郷土玩具です 608 00:51:01,127 --> 00:51:06,065 その昔 宇都宮で 天然痘が流行したとき 609 00:51:06,065 --> 00:51:10,069 市内の川でとれた黄色の鮒を 病人に食べさせたところ 610 00:51:10,069 --> 00:51:12,071 病気が治ったそうです 611 00:51:12,071 --> 00:51:17,076 それに あやかり生まれたのが 黄鮒の張り子 612 00:51:17,076 --> 00:51:21,080 今では神棚に飾ったり 玄関に吊り下げたりして・ 613 00:51:21,080 --> 00:51:26,080 悪病除け・無病息災を祈る 縁起物として愛されています 614 00:51:31,090 --> 00:51:35,094 皆さん 羊羹はお好きですか 615 00:51:35,094 --> 00:51:39,098 でも なぜ 「羊」の字を 使うんでしょうね 616 00:51:39,098 --> 00:51:44,103 日本では定番のお菓子ですが もともとは 中国の料理でした 617 00:51:44,103 --> 00:51:49,108 羊羹の 「羹」は訓読みでは 「あつもの」と読み・ 618 00:51:49,108 --> 00:51:51,110 「熱いお吸い物」を意味します 619 00:51:51,110 --> 00:51:53,112 羊羹のルーツは・ 620 00:51:53,112 --> 00:51:56,115 羊の肉を使った スープだったんですね 621 00:51:56,115 --> 00:52:01,120 その羊羹が 日本にやって来たのは 鎌倉から室町時代 622 00:52:01,120 --> 00:52:05,058 中国に留学した禅僧によって もたらされました 623 00:52:05,058 --> 00:52:09,062 しかし 禅僧は肉を食べることは 禁止されていたため・ 624 00:52:09,062 --> 00:52:12,065 小豆や小麦粉・くず粉などを使って 625 00:52:12,065 --> 00:52:16,069 羊肉に見立てた料理が 作られたといわれています 626 00:52:16,069 --> 00:52:20,073 次第に 甘みが加わって 現在のようになったのは・ 627 00:52:20,073 --> 00:52:23,076 江戸時代の後期だそうです 628 00:52:23,076 --> 00:52:27,076 今となっては 羊は 全く関係なくなっちゃいましたね 629 00:52:33,086 --> 00:52:38,091 首振りが かわしい 真っ赤な牛の張り子・赤ベコ 630 00:52:38,091 --> 00:52:43,096 こちらは 福島県会津地方の 郷土玩具ですが… 631 00:52:43,096 --> 00:52:47,100 会津地方では 牛のことを 「ベコ」と呼び・ 632 00:52:47,100 --> 00:52:52,105 約350年前から 魔除け・疫病除けの縁起物として・ 633 00:52:52,105 --> 00:52:55,108 会津の人々に親しまれてきました 634 00:52:55,108 --> 00:52:59,112 また 赤い牛は1200年ほど前の 635 00:52:59,112 --> 00:53:04,050 会津 柳津 圓藏寺建立の際に 木材の運搬に活躍したのが・ 636 00:53:04,050 --> 00:53:07,053 赤色の牛だったと 言い伝えられており 637 00:53:07,053 --> 00:53:11,057 その赤色の牛にあやかって 子供の誕生には・ 638 00:53:11,057 --> 00:53:15,061 「ベコのごとく 重荷に耐えて壮健であれ」と・ 639 00:53:15,061 --> 00:53:18,061 赤ベコを供えてお祝いしました 640 00:53:23,069 --> 00:53:27,073 皆さん 金平糖はお好きですか 641 00:53:27,073 --> 00:53:32,078 カラフルで 星のような形が かわいくっておいしいですよね 642 00:53:32,078 --> 00:53:34,080 もともとは ポルトガルのお菓子で 643 00:53:34,080 --> 00:53:38,084 ポルトガル語の 「コンフェイト」が 語源とされています 644 00:53:38,084 --> 00:53:41,087 金平糖は ひなまつりのお菓子や 645 00:53:41,087 --> 00:53:44,090 結婚式の引き出物としても 親しまれていますが・ 646 00:53:44,090 --> 00:53:50,096 実は 皇室のご成婚の際の 引き出物にも用いられています 647 00:53:50,096 --> 00:53:53,099 今では 機械で 作られることが多いですが 648 00:53:53,099 --> 00:53:56,102 伝統的な製法で 手作りされているものもあります 649 00:53:56,102 --> 00:53:59,105 手作りされるものは 手間がかかり 650 00:53:59,105 --> 00:54:03,109 出来上がるまで 約2週間かかるそうです 651 00:54:03,109 --> 00:54:08,047 熟練の技を要するので 一人前の金平糖職人になるには・ 652 00:54:08,047 --> 00:54:11,050 20年もかかると いわれているんです 653 00:54:11,050 --> 00:54:13,052 そんな逸品だからこそ・ 654 00:54:13,052 --> 00:54:17,052 皇室の引き出物にも 用いられているんでしょうね 655 00:54:22,061 --> 00:54:25,064 昔から愛用されてきた手拭い 656 00:54:25,064 --> 00:54:30,069 江戸時代には 広く庶民にも 普及していたようですが 657 00:54:30,069 --> 00:54:35,074 その歴史は古く 奈良時代 当時は木綿は貴重なもので・ 658 00:54:35,074 --> 00:54:39,078 神聖なものとして 装束などに使用されていました 659 00:54:39,078 --> 00:54:45,084 江戸時代になると 庶民の間で 手拭きとして広まっていきました 660 00:54:45,084 --> 00:54:48,087 普及とともに さまざまな絵柄が 出てくるようになり 661 00:54:48,087 --> 00:54:51,090 江戸の粋な ファッションアイテムとして愛され・ 662 00:54:51,090 --> 00:54:53,092 「手拭合わせ」という・ 663 00:54:53,092 --> 00:54:57,096 デザインを競い合う品評会も 行われていたそうです 664 00:54:57,096 --> 00:55:00,099 また当時 歌舞伎役者たちが・ 665 00:55:00,099 --> 00:55:03,102 ご贔屓に 名前入りの手拭いを 配っていました 666 00:55:03,102 --> 00:55:08,041 その流れから 現在でも 店名の入ったタオルや手拭いを・ 667 00:55:08,041 --> 00:55:12,041 粗品として配る風習が できたといわれています 668 00:55:18,051 --> 00:55:21,054 真っ赤な顔にギョロっとした目 669 00:55:21,054 --> 00:55:26,059 なんとも奇妙な おばけの金太ですが… 670 00:55:26,059 --> 00:55:30,063 熊本に古くから伝わる 名物のからくり人形で・ 671 00:55:30,063 --> 00:55:36,069 ヒモを引っ張ると表情が変わり 赤い舌をペロッと出します 672 00:55:36,069 --> 00:55:41,074 その昔 加藤清正公が 熊本城を築城した際に・ 673 00:55:41,074 --> 00:55:44,077 ひょうきんな顔立ちで 人を笑わせるのが大好きな・ 674 00:55:44,077 --> 00:55:50,083 金太という足軽がいて その彼が モデルになったといわれています 675 00:55:50,083 --> 00:55:54,087 熊本では 「目くり出し人形」と いわれていますが・ 676 00:55:54,087 --> 00:55:59,092 真紅の顔で舌を出し ぐるりと 回る目玉で 人を驚かせることから 677 00:55:59,092 --> 00:56:03,096 「おばけの金太」と 呼ばれるようになりました 678 00:56:03,096 --> 00:56:05,031 ちょっと怖いですが・ 679 00:56:05,031 --> 00:56:09,031 どこか憎めない表情が 何ともいえないですね 680 00:56:15,041 --> 00:56:21,047 電気やガスもなかった江戸時代 日が暮れると真っ暗になる夜 681 00:56:21,047 --> 00:56:25,051 人々が頼りにしていたのは 行灯の明かりでした 682 00:56:25,051 --> 00:56:30,056 灯し油を注いだ小皿に い草などから作った灯心を浸し 683 00:56:30,056 --> 00:56:33,059 火をつけて使用するものでしたが 684 00:56:33,059 --> 00:56:37,063 江戸時代 ろうそくもありましたが 高価だったため・ 685 00:56:37,063 --> 00:56:42,068 当時は 入手しやすい油を 明かり用に使っていたそうです 686 00:56:42,068 --> 00:56:48,074 その油も 菜種油やごま油など 植物系油は値段が高かったため・ 687 00:56:48,074 --> 00:56:52,078 簡単に手に入る鰯から 油を取っていました 688 00:56:52,078 --> 00:56:57,083 そのほかにも 今では貴重な鯨も 使用されていたようです 689 00:56:57,083 --> 00:57:03,089 油は 主に市中で売り歩いている 油売りから購入していました 690 00:57:03,089 --> 00:57:07,026 油売りは 客が持ってきた容器に 油を入れるんですが 691 00:57:07,026 --> 00:57:10,029 油は 水と違い粘り気があり・ 692 00:57:10,029 --> 00:57:13,032 しずくが切れるまで 時間がかかりました 693 00:57:13,032 --> 00:57:17,036 そのため 油売りは 客と世間話をし・ 694 00:57:17,036 --> 00:57:19,038 それが怠けているように 見えたことから・ 695 00:57:19,038 --> 00:57:23,042 「油を売る」という言葉が できたそうです 696 00:57:23,042 --> 00:57:25,044 ちゃんと仕事をしているのに・ 697 00:57:25,044 --> 00:57:28,044 怠ける言葉に なってしまったんですね 698 00:57:34,053 --> 00:57:38,057 江戸の中心・五街道の起点といえば 699 00:57:38,057 --> 00:57:40,059 そう 日本橋 700 00:57:40,059 --> 00:57:43,062 今でも 日本の道路の 起点になっていますね 701 00:57:43,062 --> 00:57:48,067 ところで 時代劇で描かれている 日本橋の欄干には・ 702 00:57:48,067 --> 00:57:51,070 擬宝珠という飾りが ついています 703 00:57:51,070 --> 00:57:55,074 橋の欄干や 神社の階段などに設置された・ 704 00:57:55,074 --> 00:58:00,079 手すりの柱の上に取り付けられ 銅などの金属製が多いのは・ 705 00:58:00,079 --> 00:58:03,082 雨からの浸食を 守るためだそうです 706 00:58:03,082 --> 00:58:07,019 また 独特な形から 葱台とも呼ばれており・ 707 00:58:07,019 --> 00:58:12,024 正に 葱の花のような形を 思い浮かべます 708 00:58:12,024 --> 00:58:15,027 葱には 独特のにおいがあることから・ 709 00:58:15,027 --> 00:58:18,030 魔除けになるとも 信じられていたそうで 710 00:58:18,030 --> 00:58:20,032 その力に あやかって・ 711 00:58:20,032 --> 00:58:23,035 使われるようになったと いう説もあります 712 00:58:23,035 --> 00:58:27,039 落語にも 「擬宝珠」という 演目がありますが・ 713 00:58:27,039 --> 00:58:29,041 この不思議な形に引き寄せられて 714 00:58:29,041 --> 00:58:33,041 なで回したくなっちゃったり するかもしれませんね 715 00:58:39,051 --> 00:58:43,055 日本では 昔から食べられてきた干し柿 716 00:58:43,055 --> 00:58:48,055 軒先などで干されている光景を 思い出しますよね 717 00:58:50,062 --> 00:58:52,064 保存食であると同時に・ 718 00:58:52,064 --> 00:58:56,068 砂糖が一般の人々の手には なかなか入らなかった時代から・ 719 00:58:56,068 --> 00:59:00,072 庶民の 貴重な甘味源でもありました 720 00:59:00,072 --> 00:59:05,011 でも 干し柿に用いられるのは そのままでは食べられない渋柿 721 00:59:05,011 --> 00:59:10,016 この渋柿を軒下などに吊るして 寒風にさらし・ 722 00:59:10,016 --> 00:59:15,021 天日を浴びて 水分が抜けると 甘みがギューッと凝縮され・ 723 00:59:15,021 --> 00:59:18,024 とっても甘~い干し柿に なるんです 724 00:59:18,024 --> 00:59:21,027 熟れたメロンやブドウよりも甘く 725 00:59:21,027 --> 00:59:26,032 糖度は 実に40~70パーセントにも なるそうです 726 00:59:26,032 --> 00:59:30,036 渋柿を食用にし 非常食として 保存しておこうという・ 727 00:59:30,036 --> 00:59:33,039 昔から受け継がれる生活の知恵 728 00:59:33,039 --> 00:59:36,039 私たちも あやかっていきたいですね 729 00:59:38,044 --> 00:59:40,046 いかがでしたでしょうか 730 00:59:40,046 --> 00:59:44,050 まだまだ 私たちの知らないものや 意外なものにも・ 731 00:59:44,050 --> 00:59:48,054 さまざまな縁起担ぎの意味が 込められているようですね 732 00:59:48,054 --> 00:59:51,057 身近にある そんな縁起物 733 00:59:51,057 --> 00:59:54,060 皆さんも お店や神社で探してみたり 734 00:59:54,060 --> 00:59:58,064 幸せを呼び込んでみては いかがでしょうか 735 00:59:58,064 --> 01:00:02,064 それでは またお会いしましょう 小林綾子でした