1 00:01:59,159 --> 00:02:09,159 ・~ 2 00:03:13,166 --> 00:03:16,166 ・(丑松)旦那! 金子の旦那!! 3 00:03:20,173 --> 00:03:25,178 (丑松)あっ。 何 まだ寝てんの? お天道さま 高いんだよ もう。 4 00:03:25,178 --> 00:03:28,181 (金子)寒いな。 閉めろよ そこ おい。 5 00:03:28,181 --> 00:03:30,183 (丑松)閉めるよ。・ 6 00:03:30,183 --> 00:03:34,187 ねえ 河内山の旦那 来なかった? 7 00:03:34,187 --> 00:03:38,191 (金子)来ねえな。 (丑松)あっ そう。 8 00:03:38,191 --> 00:03:40,193 じゃあ やっぱり…。 9 00:03:40,193 --> 00:03:43,196 まさか そんなことねえよな。 10 00:03:43,196 --> 00:03:46,199 (金子)んっ? 何だい? 11 00:03:46,199 --> 00:03:50,203 それがね うちの旦那さ・ 12 00:03:50,203 --> 00:03:54,207 駆け落ちしちまった らしいんだよな。 13 00:03:54,207 --> 00:03:57,144 (金子)駆け落ちだ? 14 00:03:57,144 --> 00:04:00,147 朝っぱらから お前 くだらない話 持ってくるな。 15 00:04:00,147 --> 00:04:04,151 それが 俺も まさかと思うんだけどね・ 16 00:04:04,151 --> 00:04:07,154 旦那 4日前から 練塀小路にも帰ってないしさ・ 17 00:04:07,154 --> 00:04:10,157 どこ捜したって いやしねえんだ。 18 00:04:10,157 --> 00:04:12,159 弱っちまったなあ。 いくら旦那だって そんな・ 19 00:04:12,159 --> 00:04:15,162 人の女房と駆け落ちしちゃ よくない。 20 00:04:15,162 --> 00:04:17,164 そりゃあ いい女か? おい。 えっ? 21 00:04:17,164 --> 00:04:19,166 いいなんてもんじゃないよ! 22 00:04:19,166 --> 00:04:22,169 水も滴る よだれ たらたら ってやつ。 23 00:04:22,169 --> 00:04:25,172 何しろね 年のころなら 25~26。 24 00:04:25,172 --> 00:04:28,175 ちょっと前はさ 向両国の水茶屋でね・ 25 00:04:28,175 --> 00:04:31,178 一枚絵に描かれよう っていう代物なの。 26 00:04:31,178 --> 00:04:33,180 それがさ 今じゃ 何ていうかな・ 27 00:04:33,180 --> 00:04:36,183 70にも手の届く こうね しわくちゃじじいのさ・ 28 00:04:36,183 --> 00:04:39,186 唐津屋 多左衛門っていうやつのね 後添えなの。 29 00:04:39,186 --> 00:04:41,186 これは分かんないことないな。 30 00:05:06,146 --> 00:05:09,149 (玉蔵)これ以上 くどくは言わない。・ 31 00:05:09,149 --> 00:05:11,151 唐津屋の方から こと穏便にと頼まれて・ 32 00:05:11,151 --> 00:05:13,153 こうして 出向いて 来てるんだ。・ 33 00:05:13,153 --> 00:05:18,158 ここは一番 俺の顔を立てて 2人の居所を言ってくれ。 34 00:05:18,158 --> 00:05:22,162 (お滝)乗物町の親分 じゃあ 何ですか?・ 35 00:05:22,162 --> 00:05:25,165 私が隠し立てしてるとでも 言うんですか?・ 36 00:05:25,165 --> 00:05:29,169 とんでもない あんなやつ。・ 37 00:05:29,169 --> 00:05:31,171 どこにいようと 何しようと…。・ 38 00:05:31,171 --> 00:05:36,176 何だい 私を差し置いて 駆け落ちなんか…。・ 39 00:05:36,176 --> 00:05:38,176 駆け落ちって面かい。 たぬき。 40 00:05:41,181 --> 00:05:43,183 (金子)何だ? 河内山が駆け落ちか?・ 41 00:05:43,183 --> 00:05:45,185 味なことするじゃねえか。 (直次郎)早く 行ってください。 42 00:05:45,185 --> 00:05:48,188 これもいるし。 これも。 43 00:05:48,188 --> 00:05:50,188 すごいんだよ 姉さん。 これなんだよ。 44 00:05:59,132 --> 00:06:03,136 (玉蔵)お前さん 誰だい? (子分)おい! 45 00:06:03,136 --> 00:06:07,140 この先生はね 金子 市之丞さまつって・ 46 00:06:07,140 --> 00:06:11,144 隠れもねえ これの達人よ。 47 00:06:11,144 --> 00:06:13,144 (玉蔵)腕が どうしたと? 48 00:06:16,149 --> 00:06:19,152 (玉蔵)じゃあ 何か?・ 49 00:06:19,152 --> 00:06:22,155 てめえら グルか? 50 00:06:22,155 --> 00:06:24,157 ご政道の厳しい当今だ。 51 00:06:24,157 --> 00:06:29,162 こいつが表沙汰になりゃあ 死罪 遠島 さらし者。 52 00:06:29,162 --> 00:06:32,165 どう間違ったって 河内山が 親代々のお数寄屋坊主を・ 53 00:06:32,165 --> 00:06:34,167 棒に振るのは 免れねえんだぞ。 54 00:06:34,167 --> 00:06:36,167 それは女も同じだろ。 55 00:06:38,171 --> 00:06:43,176 まあ 軽くいって 吉原で無期限奉公だな。 56 00:06:43,176 --> 00:06:45,178 だから そうなっちゃならねえと・ 57 00:06:45,178 --> 00:06:48,181 唐津屋の旦那は 虫をこらえていなさるんだ。 58 00:06:48,181 --> 00:06:50,183 お侍・ 59 00:06:50,183 --> 00:06:54,187 お前さん 関わりのねえことなら すっこんでた方が身のためだぜ。 60 00:06:54,187 --> 00:06:56,189 (金子)なるほど。 61 00:06:56,189 --> 00:06:59,125 それとも 何やら考えがあるんなら・ 62 00:06:59,125 --> 00:07:02,128 そこは分限者の唐津屋のこった・ 63 00:07:02,128 --> 00:07:06,128 そこは 俺の扱いで 悪いようにはしないがねえ。 64 00:07:16,142 --> 00:07:20,146 (多左衛門)お数寄屋坊主の宗俊 という悪党が・ 65 00:07:20,146 --> 00:07:23,149 姿を消したのは4日前。・ 66 00:07:23,149 --> 00:07:27,153 私どもで お浪が消えたのも4日前。・ 67 00:07:27,153 --> 00:07:34,160 はい。 あれを連れて逃げたのは 河内山に違いない。・ 68 00:07:34,160 --> 00:07:40,166 あ~ 今頃 お浪は…。・ 69 00:07:40,166 --> 00:07:45,166 そう思うと 気が狂いそうで夜も眠れぬ。 70 00:07:47,173 --> 00:07:50,176 (多左衛門)玉蔵親分 どこへ うせたか・ 71 00:07:50,176 --> 00:07:56,182 東か 西か 南か 北か その辺の見当はつかんのかね? 72 00:07:56,182 --> 00:07:59,119 (玉蔵)ええ 子分どもに捜させておりやす。・ 73 00:07:59,119 --> 00:08:02,122 今しばらく お待ちなすって。 74 00:08:02,122 --> 00:08:07,127 (多左衛門)金に糸目はつけん。 どんな条件でものむ。・ 75 00:08:07,127 --> 00:08:09,129 欲得ずくでさらったのなら…。 76 00:08:09,129 --> 00:08:16,136 もし そうなら 4日も 黙って 隠れてるはずはねえんですがねえ。 77 00:08:16,136 --> 00:08:19,136 (多左衛門)あ~ やっぱり…。 78 00:08:24,144 --> 00:08:28,148 (多左衛門) わしのカワイイお浪を…。・ 79 00:08:28,148 --> 00:08:31,151 外道め! (玉蔵)旦那さん・ 80 00:08:31,151 --> 00:08:35,155 そう心を痛めなすっちゃ お体に障りますよ。 81 00:08:35,155 --> 00:08:39,159 お浪は わしの極楽。 82 00:08:39,159 --> 00:08:43,163 わしにとっては 掛けがえのない宝じゃ。 83 00:08:43,163 --> 00:08:45,165 その宝を…。 84 00:08:45,165 --> 00:08:50,170 河内山め 直参だの 数寄屋衆だのと 抜かしおって。 85 00:08:50,170 --> 00:08:57,170 この唐津屋を ゆするばかりか 大事な大事なお浪まで…。 86 00:09:05,118 --> 00:09:10,123 金子さま お浪を連れ戻していただければ・ 87 00:09:10,123 --> 00:09:12,123 お礼の金は いかほどでも…。 88 00:09:14,127 --> 00:09:18,131 (金子)う~ん そう思って やって来たんだが・ 89 00:09:18,131 --> 00:09:20,133 気が変わった。 90 00:09:20,133 --> 00:09:23,133 それは なぜでございます? 91 00:09:32,145 --> 00:09:35,148 (玉蔵)おう! じゃあ てめえは・ 92 00:09:35,148 --> 00:09:38,151 面白半分 からかいに やって来ただけなのかい? 93 00:09:38,151 --> 00:09:41,154 (金子)気が変わっただけだって 言ってるじゃねえか。 94 00:09:41,154 --> 00:09:43,154 (玉蔵)野郎 ふざけやがって! 95 00:09:54,167 --> 00:10:07,113 ・~ 96 00:10:07,113 --> 00:10:10,116 おい おい 親父 酒 酒。 97 00:10:10,116 --> 00:10:12,118 (店主)へっ へい。 98 00:10:12,118 --> 00:10:17,123 (多左衛門)金子さま 何とぞ 何とぞ お情けを持ちまして…。 99 00:10:17,123 --> 00:10:20,126 頼まれたって しょうがない 知らねえんだから。 100 00:10:20,126 --> 00:10:23,129 (多左衛門)いいえ あなたには手繰る糸があると・ 101 00:10:23,129 --> 00:10:25,131 お見受けいたします。・ 102 00:10:25,131 --> 00:10:29,135 何とぞ 多左衛門を哀れと おぼしめし・ 103 00:10:29,135 --> 00:10:31,137 浪を 連れ戻してやってくださいまし。・ 104 00:10:31,137 --> 00:10:33,139 お願いでございます。 105 00:10:33,139 --> 00:10:38,144 金子さまに おすがりする他 道はございません。 106 00:10:38,144 --> 00:10:40,146 金子さま。 金子さま! 107 00:10:40,146 --> 00:10:43,149 (金子)知らねえものは 知らねえんだよ。 108 00:10:43,149 --> 00:10:45,149 えっ? 109 00:10:51,157 --> 00:10:53,159 (金子)おい 酒 来ねえじゃねえか! 110 00:10:53,159 --> 00:10:56,162 (店主)へっ へい へい へい。 (金子)何 やってんだ。 111 00:10:56,162 --> 00:10:59,098 冷たいお方じゃ あの人は。 112 00:10:59,098 --> 00:11:05,104 諦めんぞ 浪を連れ帰るまでは。 113 00:11:05,104 --> 00:11:07,104 浪! 114 00:11:22,121 --> 00:11:26,125 金子さま お願いでございます。 115 00:11:26,125 --> 00:11:30,129 浪が… もし 浪が捕まったら…。 116 00:11:30,129 --> 00:11:35,134 いや その前に 見つけださねばなりません。 117 00:11:35,134 --> 00:11:38,137 もし 捕まっても・ 118 00:11:38,137 --> 00:11:44,137 罪とはならぬよう 私がかばって きっと きっ…。 119 00:11:54,153 --> 00:12:00,153 あんまり思い詰めると 体にこたえるよ 年なんだから。 120 00:12:11,170 --> 00:12:14,173 あっ いた。 ねえ 分かったのよ。 121 00:12:14,173 --> 00:12:17,176 あの 今ね つい 先刻 飛脚が来まして・ 122 00:12:17,176 --> 00:12:19,178 河内山の旦那から 便りが届いたんですよ。 123 00:12:19,178 --> 00:12:21,180 うん。 (金子)どこから? 124 00:12:21,180 --> 00:12:23,182 え~ 上州高崎。 125 00:12:23,182 --> 00:12:25,184 それは女も一緒か? 126 00:12:25,184 --> 00:12:28,187 らしいんですけど はっきり書えてねえんですよ。 127 00:12:28,187 --> 00:12:31,190 そう。 書いてないんだよ 全然な どこ見ても。 128 00:12:31,190 --> 00:12:34,193 お前 読めた? 読めないよ。 129 00:12:34,193 --> 00:12:38,197 よし それじゃあ ちょっと読ましていただきます。 130 00:12:38,197 --> 00:12:43,202 え~ 「板橋を過ぎるころ ここに縁切りえのきあり・ 131 00:12:43,202 --> 00:12:45,204 エノキの皮を同封したれば・ 132 00:12:45,204 --> 00:12:49,208 唐津屋 多左衛門に 煎じて飲ますべし」 133 00:12:49,208 --> 00:12:55,214 「板橋へ三くだり半の礼参り 戸田の渡しは6文なり」と。 134 00:12:55,214 --> 00:12:58,151 あっ 「6文なり」 135 00:12:58,151 --> 00:13:02,155 大したもんだな お前はな。 読めたな。 136 00:13:02,155 --> 00:13:05,158 え~ 「浦和の名物は おこしに 団子・ 137 00:13:05,158 --> 00:13:12,165 桶川宿は 江戸より9里34丁にて 飯盛り女も存外にいて・ 138 00:13:12,165 --> 00:13:16,169 宿場女郎宿も20軒程度あり」 139 00:13:16,169 --> 00:13:20,173 え~ 「鴻巣宿も また女郎屋 多し 地酒うまし」 140 00:13:20,173 --> 00:13:22,175 「女郎は…」 おい もういいよ もういいよ。 141 00:13:22,175 --> 00:13:24,177 えっ? もういい。 もう読むな。 142 00:13:24,177 --> 00:13:26,179 いやいや ちょっと ここなんですけどね。 143 00:13:26,179 --> 00:13:29,182 え~ 「この書状を とくと・ 144 00:13:29,182 --> 00:13:32,185 金子 市之丞に 読ませて興ずべし」と。 145 00:13:32,185 --> 00:13:35,188 面白くも何ともありゃあしねえ。 面白くねえな。 146 00:13:35,188 --> 00:13:40,193 え~ 「なんじ 来たりて 宝の山に踏み入るべし」と。 147 00:13:40,193 --> 00:13:44,197 何 言ってやがる。 下手くそな物 書きやがって。 148 00:13:44,197 --> 00:13:51,204 (宗俊)「この書状 とくと 金子 市之丞に読ませて興ずべし」 149 00:13:51,204 --> 00:13:53,206 (金子)何 言ってやがんだ。・ 150 00:13:53,206 --> 00:13:58,144 「金子さま 何とぞ お助けくだされたく存じ候」って・ 151 00:13:58,144 --> 00:14:02,148 そう書いてくりゃあいいんだよ。 ぐちゃぐちゃ書きやがって。 152 00:14:02,148 --> 00:14:04,148 すいません どうも。 153 00:14:06,152 --> 00:14:08,154 ゆすってたんだな。 154 00:14:08,154 --> 00:14:11,157 えっ? 宗俊が 唐津屋 多左衛門をだ。 155 00:14:11,157 --> 00:14:13,159 そうなんです。 156 00:14:13,159 --> 00:14:16,162 あのね あの唐津屋っていうのはさ ねっ?・ 157 00:14:16,162 --> 00:14:19,165 見たところ あんな情けない みたいなじじいだけどね・ 158 00:14:19,165 --> 00:14:21,167 商いの方は すご腕なんだ。 ねっ? 159 00:14:21,167 --> 00:14:27,173 大奥御用達でね その 象牙とか べっ甲とか 金銀細工を・ 160 00:14:27,173 --> 00:14:29,175 大奥相手に その商いをしてて・ 161 00:14:29,175 --> 00:14:32,178 裏で ぼろもうけしたらしいんですね。 162 00:14:32,178 --> 00:14:34,180 それを うちの旦那が嗅ぎつけて・ 163 00:14:34,180 --> 00:14:37,183 ぐっとやったらしいんですよ。 164 00:14:37,183 --> 00:14:40,186 ゆすりのネタは抜け荷か? 165 00:14:40,186 --> 00:14:42,188 へえ 抜け荷で。 それでね・ 166 00:14:42,188 --> 00:14:48,194 そのとき 唐津屋のレコと うちの 旦那が ちかちかってきたの。 167 00:14:48,194 --> 00:14:52,198 (金子)まったく これが 道行きしてるやつの書くことか。・ 168 00:14:52,198 --> 00:14:55,201 道中見物じゃあるめえし。 女郎よろし 酒よろし・ 169 00:14:55,201 --> 00:14:59,138 食い物よろし…。 よろし…。 あら? 170 00:14:59,138 --> 00:15:01,140 それじゃあさ…。 171 00:15:01,140 --> 00:15:04,143 そうすっと 駆け落ちじゃねえって 言うんですか? 172 00:15:04,143 --> 00:15:06,145 (金子)当たり前じゃねえか。 え~・ 173 00:15:06,145 --> 00:15:11,150 「上州高崎在 万年村 六兵衛方」か…。 174 00:15:11,150 --> 00:15:14,153 遠いな…。 175 00:15:14,153 --> 00:15:16,155 六兵衛っていうのは・ 176 00:15:16,155 --> 00:15:19,158 あの女お浪の伯父だって 書いてありましたね。 177 00:15:19,158 --> 00:15:22,158 うん。 書いてありましたね。 178 00:15:24,163 --> 00:15:26,165 えっ? 179 00:15:26,165 --> 00:15:31,170 (笑い声) 180 00:15:31,170 --> 00:15:37,176 (多左衛門)それで いったい 浪は どこにいるのでございます?・ 181 00:15:37,176 --> 00:15:40,179 金子さま。 182 00:15:40,179 --> 00:15:42,181 (金子)連れ戻したら 幾ら よこす? 183 00:15:42,181 --> 00:15:44,181 (多左衛門)お望みしだい。 184 00:15:46,185 --> 00:15:52,191 (金子)よし。 そんじゃあ 道中路銀は そっち持ちだ。・ 185 00:15:52,191 --> 00:15:55,194 それに女付きな。 酒は飲み放題だ。 186 00:15:55,194 --> 00:15:58,131 (多左衛門)はい はい。・ 187 00:15:58,131 --> 00:16:01,134 ところで お願いがございます。・ 188 00:16:01,134 --> 00:16:05,138 浪のいる所まで 連れていって いただきたいのです。・ 189 00:16:05,138 --> 00:16:07,140 あなたが嫌と言われても・ 190 00:16:07,140 --> 00:16:10,143 私は 金子さまの後をついて歩きます。・ 191 00:16:10,143 --> 00:16:13,146 あなたさまが 浪を連れ戻すまでは・ 192 00:16:13,146 --> 00:16:16,149 私には 心の休まる日もございません。・ 193 00:16:16,149 --> 00:16:20,153 何とぞ どうぞ どうぞ。・ 194 00:16:20,153 --> 00:16:23,156 では よしなに はい。 195 00:16:23,156 --> 00:16:25,158 唐津屋。 (多左衛門)えっ? 196 00:16:25,158 --> 00:16:28,158 お前は来るな 邪魔だからな。 197 00:16:31,164 --> 00:16:33,166 よし。 198 00:16:33,166 --> 00:16:35,168 じゃあ 姉さん いってまいります。 199 00:16:35,168 --> 00:16:37,170 (お滝)じゃあ 直さん 丑さんね 物見遊山じゃないんだから・ 200 00:16:37,170 --> 00:16:40,173 旦那の首に縄かけてでも 引っ張ってくるんだよ。 201 00:16:40,173 --> 00:16:42,175 分かりました。 それじゃあ いってきます。 202 00:16:42,175 --> 00:16:44,177 直さん 行こう 早く。 おう。 203 00:16:44,177 --> 00:16:46,179 (お滝)頑張っておくれよ。 いいかい? 204 00:16:46,179 --> 00:17:06,132 ・~ 205 00:17:06,132 --> 00:17:26,152 ・~ 206 00:17:26,152 --> 00:17:39,165 ・~ 207 00:17:39,165 --> 00:17:41,165 じゃあ お先に。 208 00:18:00,119 --> 00:18:02,119 (宗俊)んっ? 209 00:18:08,127 --> 00:18:10,127 (宗俊の笑い声) 210 00:18:13,132 --> 00:18:17,136 (宗俊)こりゃあ いかん。 あっ 大丈夫か? 211 00:18:17,136 --> 00:18:19,138 (河辺)ちと ものを尋ねるが・ 212 00:18:19,138 --> 00:18:22,141 ここ数日の間に 男の死人騒ぎがなかったか? 213 00:18:22,141 --> 00:18:24,143 (僧)えっ? 死人騒ぎが? 214 00:18:24,143 --> 00:18:27,146 (赤間)心中の片割れ というような…。 215 00:18:27,146 --> 00:18:30,149 (僧)近頃 とんと 葬式がのうてのう。・ 216 00:18:30,149 --> 00:18:33,149 ハハハ。 あっ 御免。 217 00:18:42,161 --> 00:18:47,161 あっ ちょっと ちょっと 俺も お茶 飲むぞ。 218 00:18:50,169 --> 00:18:52,169 熱いぞ。 うん。 219 00:19:09,121 --> 00:19:11,121 引け! 引け! 220 00:19:26,138 --> 00:19:28,140 案の定だ。 221 00:19:28,140 --> 00:19:31,143 宗俊はヤバくなってる。 222 00:19:31,143 --> 00:19:33,143 うちの旦那が…。 223 00:19:35,147 --> 00:19:38,150 ところで 今の連中は どこの侍だ? 224 00:19:38,150 --> 00:19:40,152 唐津屋! 225 00:19:40,152 --> 00:19:43,155 私は 何も…。 226 00:19:43,155 --> 00:19:46,158 やい 何か たくらんでんの!? 227 00:19:46,158 --> 00:19:48,160 この野郎 そうだったのか? ふってえじじいだ! 228 00:19:48,160 --> 00:19:50,162 (多左衛門)めっそうもない。 ちょっと来い お前。 229 00:19:50,162 --> 00:19:53,165 (多左衛門)金子さま…。 いいから来いよ ほら! 230 00:19:53,165 --> 00:19:56,168 俺に斬りかかったのは 見込み違いだったな。 231 00:19:56,168 --> 00:19:59,105 お前の後ろに黒幕が付いてんの はっきりさせただけだ。 232 00:19:59,105 --> 00:20:01,107 (多左衛門)私は知りません というに…。 233 00:20:01,107 --> 00:20:03,109 なあ 唐津屋。 (多左衛門)えっ? 234 00:20:03,109 --> 00:20:07,113 お前さんの裏商売も 1人でやるわけにいかねえだろ。 235 00:20:07,113 --> 00:20:10,116 後ろに大物の黒幕が付いてんのは 分かってるんだ。 236 00:20:10,116 --> 00:20:14,120 そいつの名前を お前さんよりも 女に吐かした方が早いって・ 237 00:20:14,120 --> 00:20:16,122 河内山は考えたんだろ。 238 00:20:16,122 --> 00:20:20,126 お浪が…。 そんなこと お浪が…。 239 00:20:20,126 --> 00:20:25,126 いい女だし 色と欲との2人連れか…。 240 00:20:27,133 --> 00:20:31,137 ああ なるほどねえ。 ふ~ん。 241 00:20:31,137 --> 00:20:34,140 でもよ ああやって 金子の旦那が 出てきてくれたんだもん。 242 00:20:34,140 --> 00:20:36,142 百人力だよな? 243 00:20:36,142 --> 00:20:38,144 河内山殺しの邪魔しに 行くだけだ! 244 00:20:38,144 --> 00:20:40,144 助けに行くんじゃねえや。 245 00:20:44,150 --> 00:20:47,153 どう違うよ? 246 00:20:47,153 --> 00:20:49,153 分かんねえ。 247 00:20:55,161 --> 00:20:58,097 (女郎)ちょっと お兄さん いらっしゃいよ。 248 00:20:58,097 --> 00:21:01,100 (女郎)ねえ お兄さん 安くしとくからさ。 249 00:21:01,100 --> 00:21:03,102 どのぐらい? いや いや…。 250 00:21:03,102 --> 00:21:05,104 どのぐらいなの? えっ? どのぐらい? 251 00:21:05,104 --> 00:21:07,106 どのぐらいなんだよ? 直! 252 00:21:07,106 --> 00:21:09,108 えっ? 行っちゃったよ。 253 00:21:09,108 --> 00:21:12,108 いや…。 またね それじゃあね。 また来るから。 254 00:21:16,115 --> 00:21:18,115 お代わりくれる? (女中)はい。 255 00:21:28,127 --> 00:21:30,127 んっ? 256 00:21:42,141 --> 00:21:46,145 あっ。 あっ 姉さん 酒 酒。 257 00:21:46,145 --> 00:21:48,145 (女中)はい はい。 258 00:21:51,150 --> 00:21:55,154 (番頭)どうも 遅くなりました。 お待たせいたしました。 259 00:21:55,154 --> 00:21:57,156 (金子)何だ? これは。 何だよ? これ。 260 00:21:57,156 --> 00:21:59,158 (番頭)いや これ あの ご酒でございます。 261 00:21:59,158 --> 00:22:02,161 (金子)ちびちび持ってくるな! あと15本ぐらい持ってこい! 262 00:22:02,161 --> 00:22:06,165 (番頭)へえ。 ですが お客さま もう あの ずいぶんと・ 263 00:22:06,165 --> 00:22:09,168 お召し上がりのご様子で ございますんで へえ。 264 00:22:09,168 --> 00:22:12,171 (金子)何を? 何を!? 265 00:22:12,171 --> 00:22:14,173 (番頭)ご酒でございます。 266 00:22:14,173 --> 00:22:17,176 (金子)お前のとこじゃあ 酒を召し上がるのか? んっ?・ 267 00:22:17,176 --> 00:22:19,178 俺のとこでは飲むっていうんだ。・ 268 00:22:19,178 --> 00:22:21,180 召し上がるっていうのは どういうふうにやんだか・ 269 00:22:21,180 --> 00:22:24,183 ちょっと やってみろ。 (番頭)いや それ ちょっと お客…。 270 00:22:24,183 --> 00:22:26,185 (金子)召し上がるっていうのは どういうふうにやるんだ? 271 00:22:26,185 --> 00:22:28,187 (番頭)いや それはですね…。 旦那 また・ 272 00:22:28,187 --> 00:22:30,189 悪い癖が出てるんですか? 273 00:22:30,189 --> 00:22:32,191 飲ませる。 飲ま… ちょっ 番頭 早く どんどん持ってこい。 274 00:22:32,191 --> 00:22:36,195 いいかげんにしてくださいよ。 今 飲ませるから 機嫌 損ねない。 275 00:22:36,195 --> 00:22:40,199 ねえ それよりさ 旦那 あの いい女っていうのはさ・ 276 00:22:40,199 --> 00:22:42,201 早く行かないと どんどんどんどん 持ってかれちゃうんだ。 277 00:22:42,201 --> 00:22:45,204 そう。 ちょっと 約束しちゃったのがありますんで…。 278 00:22:45,204 --> 00:22:47,206 まあ あの 早くね 行かないと…。 行きましょう。 279 00:22:47,206 --> 00:22:51,210 (金子)よし 行きなさい。 んっ? 280 00:22:51,210 --> 00:22:53,212 (金子)ほら 行きなさい 早く。 281 00:22:53,212 --> 00:22:56,215 いや あの でも 銭がないんですよ。 282 00:22:56,215 --> 00:22:59,151 ない…。 (金子)唐津屋に言え。 283 00:22:59,151 --> 00:23:01,151 えっ? (金子)唐津屋に言え それは! 284 00:23:06,158 --> 00:23:08,160 唐津屋さん 何やってんの? 285 00:23:08,160 --> 00:23:10,162 ・(女)ねえ お前さん・ 286 00:23:10,162 --> 00:23:13,165 不義密通は 引き回しの上 張り付け。・ 287 00:23:13,165 --> 00:23:17,169 私 恐ろしいよ。 いっそ 2人で死んでしまいたい。 288 00:23:17,169 --> 00:23:20,172 (男)そんな弱いことで どうすんだよ? 女将さん。・ 289 00:23:20,172 --> 00:23:22,174 決して 離しやしませんよ。 290 00:23:22,174 --> 00:23:26,178 (女)うれしい 新さん。 291 00:23:26,178 --> 00:23:29,181 (男)人の運ほど分からないものは ないねえ。・ 292 00:23:29,181 --> 00:23:32,181 思いもかけず こんなことになってしまって…。 293 00:23:34,186 --> 00:23:38,190 (男)ご恩になった旦那さま さぞかし お腹立ちでしょうねえ。 294 00:23:38,190 --> 00:23:41,193 (女)いや もう考えるのは おやめ。・ 295 00:23:41,193 --> 00:23:47,199 新さん もっと… あっ… その手を もっと…。 新さん…。 296 00:23:47,199 --> 00:23:50,202 この人たちも…。 297 00:23:50,202 --> 00:23:52,204 (男)何しやがんだよ! 298 00:23:52,204 --> 00:23:55,207 ちょっと待て…。 うちの旦那が ちょっと あのね ごめんなさいね。 299 00:23:55,207 --> 00:23:58,143 (女)何だ? おっ おい やっ やめなよ。 300 00:23:58,143 --> 00:24:01,146 ちょっと…。 あっ ちょっと。 ああ もう! 301 00:24:01,146 --> 00:24:03,148 (悲鳴) 302 00:24:03,148 --> 00:24:06,151 (うめき声) 303 00:24:06,151 --> 00:24:08,153 やめて…。 304 00:24:08,153 --> 00:24:11,153 (男)この野郎! (番頭)お客さま お客さま…。 305 00:24:18,163 --> 00:24:21,166 やめろ…。 (女)ちょっと 何してんの? 306 00:24:21,166 --> 00:24:24,169 あ~! 307 00:24:24,169 --> 00:24:26,169 ちょっと…。 すいません。 308 00:24:29,174 --> 00:24:34,179 おい 丑 お前… 何だ? あれ。 何だよ? これ。 309 00:24:34,179 --> 00:24:36,179 (多左衛門)あっ 痛い…。 (丑松・直次郎)あら? 310 00:24:41,186 --> 00:24:44,189 ほら 早く行こうよ 直も旦那も。 311 00:24:44,189 --> 00:24:48,193 ああ 行こうか。 あっ! 痛っ。 312 00:24:48,193 --> 00:24:50,195 これ。 直 これ 知ってる? ああ? 313 00:24:50,195 --> 00:24:53,198 ゆうべのね 俺の女が教えてくれたの。 314 00:24:53,198 --> 00:24:56,201 色地蔵っつうんだ これ。 何だ? 色地蔵って。 315 00:24:56,201 --> 00:24:58,137 あのね 男 通れば にこっと笑う・ 316 00:24:58,137 --> 00:25:01,140 女 通れば 石 取って 投げる ってんだ。 317 00:25:01,140 --> 00:25:04,143 口説き節の文句にあんだって。 318 00:25:04,143 --> 00:25:08,147 女郎衆に人気があって 男 通れば にこっと笑う。 319 00:25:08,147 --> 00:25:10,149 男じゃけんね。 320 00:25:10,149 --> 00:25:13,152 笑ってる。 直。 321 00:25:13,152 --> 00:25:15,154 笑わねえよ。 322 00:25:15,154 --> 00:25:20,154 旦那 そう飲んでばかりいると 体に毒ですよ。 323 00:25:22,161 --> 00:25:25,164 (金子)何か 俺 腹 立ってきたな。 324 00:25:25,164 --> 00:25:28,167 何が 腹 立ってきたんですか? 325 00:25:28,167 --> 00:25:31,167 (金子)俺たちは 河内山に 乗せられてるんじゃないのか? 326 00:25:33,172 --> 00:25:35,172 乗せられてるって何? 327 00:25:37,176 --> 00:25:40,179 (金子)帰ろう。 俺 江戸へ帰ろう。 328 00:25:40,179 --> 00:25:42,181 ちょっと待って。 何で帰るんだ? 329 00:25:42,181 --> 00:25:44,183 もう バカらしい。 俺っち 困るって。 330 00:25:44,183 --> 00:25:46,185 旦那に叱られちゃうよ。 江戸なんて帰るよりね・ 331 00:25:46,185 --> 00:25:49,188 万年村の方が ずっと近いんだから ここまで来たら。 332 00:25:49,188 --> 00:25:53,192 (多左衛門)金子さま 待っていて くだすったんですか?・ 333 00:25:53,192 --> 00:25:56,195 やれやれ。 334 00:25:56,195 --> 00:25:58,130 (金子)よし じゃあ 出発だ。 行くぞ おい。 335 00:25:58,130 --> 00:26:00,132 あら? えっ? 336 00:26:00,132 --> 00:26:03,135 (多左衛門)まっ…。 えっ? 行くんですか? 337 00:26:03,135 --> 00:26:23,155 ・~ 338 00:26:23,155 --> 00:26:27,159 ・~ 339 00:26:27,159 --> 00:26:31,159 (河辺)誰もおらん。 隠れて待つか? 340 00:26:33,165 --> 00:26:36,168 (河辺)万年村 六兵衛の家は ここだな? 341 00:26:36,168 --> 00:26:40,172 (六兵衛)へえ オッ オラが六兵衛でがすが…。 342 00:26:40,172 --> 00:26:43,175 (河辺)河内山が… いやいや・ 343 00:26:43,175 --> 00:26:47,179 お浪とかいう女が 江戸から来てるだろ? 344 00:26:47,179 --> 00:26:49,181 (六兵衛)へっ へえ 来とりますが…。 345 00:26:49,181 --> 00:26:52,184 (赤間)宗俊とか申す坊主頭の男が 同行のはずだ。 346 00:26:52,184 --> 00:26:55,187 (六兵衛)ええ ええ 一緒に来とります。・ 347 00:26:55,187 --> 00:27:00,125 いや お浪っつうのはな オラが死んだ兄の娘で・ 348 00:27:00,125 --> 00:27:03,128 トンビがタカ生んだっつうて ハハハハ・ 349 00:27:03,128 --> 00:27:06,131 江戸で いたく出世したと 聞いとったに・ 350 00:27:06,131 --> 00:27:08,133 まあ 妙なのと2人で来たんで・ 351 00:27:08,133 --> 00:27:11,136 まあ びっくりしとったでがすが。・ 352 00:27:11,136 --> 00:27:14,139 あっ お侍さんたちも江戸から? 353 00:27:14,139 --> 00:27:17,142 (河辺)そんなことは どうでもいい!・ 354 00:27:17,142 --> 00:27:19,144 2人は どこだ? (六兵衛)えっ?・ 355 00:27:19,144 --> 00:27:21,146 いや それがのう・ 356 00:27:21,146 --> 00:27:25,150 何か 急に思い立ったっつうて 何か もう逃げるようにして…。 357 00:27:25,150 --> 00:27:27,152 (赤間)どこへ行った? (六兵衛)いっ いや それは その・ 358 00:27:27,152 --> 00:27:30,155 あの もう 聞く間もあらばこそ…。 (河辺)いつ? 359 00:27:30,155 --> 00:27:33,158 (六兵衛)ええっ ええっ…。 (河辺)いつ出ていったんだ!? 360 00:27:33,158 --> 00:27:36,158 (六兵衛)いや あの けっ けっ けっ けっ けっ けさ方でがす。 361 00:27:45,170 --> 00:27:50,175 ・(宗俊の歌声) 362 00:27:50,175 --> 00:28:10,128 ・~ 363 00:28:10,128 --> 00:28:27,145 ・~ 364 00:28:27,145 --> 00:28:39,157 ・~ 365 00:28:39,157 --> 00:28:42,157 (お浪)さみしい日の暮れねえ。 366 00:28:44,162 --> 00:28:48,166 どうして こんな山の中に 私を連れてきたの? 367 00:28:48,166 --> 00:28:51,169 (宗俊)そろそろ 追っ手が来る時分だ。・ 368 00:28:51,169 --> 00:28:54,169 お前を連れ戻されちゃあ かなわねえからな。 369 00:28:56,174 --> 00:29:01,113 (お浪)連れ戻されるくらいなら 死んだ方がましよ。 370 00:29:01,113 --> 00:29:06,118 どんなことがあっても 離しちゃ嫌ですよ。 371 00:29:06,118 --> 00:29:10,118 (宗俊)フフ カワイイこと言ってくれるね。 372 00:29:19,131 --> 00:29:21,133 浪はおらんのか? 373 00:29:21,133 --> 00:29:24,136 よう 侍が 2人…。 374 00:29:24,136 --> 00:29:26,138 おい 「河内山はいるか?」 「宗俊はいるか?」って・ 375 00:29:26,138 --> 00:29:28,140 そう言ったのか? えっ? 376 00:29:28,140 --> 00:29:30,142 なあ 行き先 聞かなかったのか? まぬけが! 377 00:29:30,142 --> 00:29:32,144 遠くか 近くかよ? (多左衛門)お浪。 378 00:29:32,144 --> 00:29:34,146 直 おかしいじゃねえか。 379 00:29:34,146 --> 00:29:38,150 侍が2人なんて 誰も知らねえはずだろうが。 380 00:29:38,150 --> 00:29:43,155 はっはあ~ そうすると 別口がいたって訳か。 381 00:29:43,155 --> 00:29:47,159 何? おい 唐津屋! 382 00:29:47,159 --> 00:29:50,162 (多左衛門)んっ? お前 どんな仕組みになってるか・ 383 00:29:50,162 --> 00:29:52,164 いいかげんで 抜かしたら どうなんだよ? 384 00:29:52,164 --> 00:29:54,166 よう このたぬきじじいが! 分からん。 385 00:29:54,166 --> 00:29:56,168 わっ わしは本当に分からん。 また・ 386 00:29:56,168 --> 00:30:00,105 とぼけようと思ってんな おい。 いや あのな…。 387 00:30:00,105 --> 00:30:03,108 ねえ 旦那 どういうこったろうね。 388 00:30:03,108 --> 00:30:06,108 うちの旦那 今まで 逃げ出した ことなんてなかったのに。 389 00:30:08,113 --> 00:30:10,115 頼むよ。 うちの旦那 連れて帰んないと・ 390 00:30:10,115 --> 00:30:12,117 お滝さん これなんだ。 おっかねえんだから。 391 00:30:12,117 --> 00:30:14,119 そうなんすよ。 おい 唐津屋。 392 00:30:14,119 --> 00:30:16,121 (多左衛門)えっ? 393 00:30:16,121 --> 00:30:18,123 酒が切れたぞ。 394 00:30:18,123 --> 00:30:20,123 (ため息) 395 00:30:25,130 --> 00:30:31,136 (宗俊)こう打つと こう攻めて…。 396 00:30:31,136 --> 00:30:37,142 こりゃあ 桂角 外れて 歩角のもとか。 397 00:30:37,142 --> 00:30:40,145 奇妙きてれつ 珍道中と。 398 00:30:40,145 --> 00:30:43,148 (お浪)フフ 何 言ってるの? 399 00:30:43,148 --> 00:30:47,152 しかた中橋 神田橋か。 400 00:30:47,152 --> 00:30:49,152 あ~ 寒い。 401 00:30:52,157 --> 00:30:58,096 どうして九両三分二朱。 402 00:30:58,096 --> 00:31:00,098 (お浪)嫌。 (笑い声) 403 00:31:00,098 --> 00:31:04,102 おっ ホントに しんとしてきた。 404 00:31:04,102 --> 00:31:06,102 白い物が降ってきたんじゃねえか。 405 00:31:10,108 --> 00:31:30,128 ・~ 406 00:31:30,128 --> 00:31:46,144 ・~ 407 00:31:46,144 --> 00:31:50,148 こうやって 2人で 雪見…。 408 00:31:50,148 --> 00:31:52,150 風流なもんだ。 409 00:31:52,150 --> 00:31:54,150 何だか夢みたい。 410 00:31:58,156 --> 00:32:02,156 (お浪)もう この先 どうなっても構いやしないわ。 411 00:32:14,172 --> 00:32:18,176 雪より白いこの襟足。 412 00:32:18,176 --> 00:32:21,176 奇麗だなあ。 413 00:32:24,182 --> 00:32:29,187 これで 腹の中に たどんが入ってるとは…。 414 00:32:29,187 --> 00:32:31,189 ハハ いや・ 415 00:32:31,189 --> 00:32:34,189 腹の中まで白けりゃあいいが ってことさ。 416 00:32:38,196 --> 00:32:46,204 おい 俺に道行きを持ち掛けて 上州下りまで誘い出した・ 417 00:32:46,204 --> 00:32:48,206 その胸の内を・ 418 00:32:48,206 --> 00:32:52,210 ここらで しゃべる気になったら どうです? 419 00:32:52,210 --> 00:32:56,214 (お浪)フフ 何 言ってるの。 420 00:32:56,214 --> 00:33:00,152 ハハハ 冗談 冗談。 421 00:33:00,152 --> 00:33:03,155 半分は本音。 422 00:33:03,155 --> 00:33:06,158 そりゃあ 何といったって お前さんは・ 423 00:33:06,158 --> 00:33:10,162 江戸でも聞こえた唐津屋という 分限者のお内儀。 424 00:33:10,162 --> 00:33:13,165 俺のような すっかんぴんのからっけつと・ 425 00:33:13,165 --> 00:33:15,167 道行きの命懸けの途。 426 00:33:15,167 --> 00:33:21,173 それこそ 夢の夢みてえな話の成り行きだ。 427 00:33:21,173 --> 00:33:23,175 ふと 目が覚めてみりゃあ・ 428 00:33:23,175 --> 00:33:29,181 恐ろしい落とし穴がある ような気がしてねえ。 429 00:33:29,181 --> 00:33:31,183 ひどい人…。 430 00:33:31,183 --> 00:33:34,183 私が 毎晩 命を預けてる っていうのに…。 431 00:33:36,188 --> 00:33:38,188 (笑い声) 432 00:33:41,193 --> 00:33:44,196 本気で泣いたこともねえくせに。 433 00:33:44,196 --> 00:33:46,198 憎らしい。 434 00:33:46,198 --> 00:33:50,198 本気で 泣く気になってくれるかい? 435 00:33:52,204 --> 00:33:55,207 いまさらだもの…。・ 436 00:33:55,207 --> 00:34:04,149 じゃあ 殺すなり どうなり 好きなようにしてくださいな。 437 00:34:04,149 --> 00:34:06,149 よ~し。 438 00:34:12,157 --> 00:34:17,162 ・(歌声) 439 00:34:17,162 --> 00:34:37,182 ・~ 440 00:34:37,182 --> 00:34:54,199 ・~ 441 00:34:54,199 --> 00:34:57,135 お浪さん。 442 00:34:57,135 --> 00:34:59,137 何です? 443 00:34:59,137 --> 00:35:03,141 とうとう終わりだね。 444 00:35:03,141 --> 00:35:05,141 えっ? 445 00:35:08,146 --> 00:35:10,148 何がです? 446 00:35:10,148 --> 00:35:14,148 雪がさ。 447 00:35:23,161 --> 00:35:28,166 「初雪や二の字二の字の下駄の跡」 448 00:35:28,166 --> 00:35:34,172 じゃねえ。 草履の跡が2人連れか。 449 00:35:34,172 --> 00:35:39,177 天から降ったか 地から湧いたか。 450 00:35:39,177 --> 00:35:43,181 いや あれは呼び寄せたんだな。 451 00:35:43,181 --> 00:35:47,181 あの足跡は江戸から来た2人連れ。 452 00:35:50,188 --> 00:35:53,188 こんなカワイイ顔してさ。 453 00:35:56,194 --> 00:36:00,131 河内山 宗俊と 唐津屋 お浪の居所は・ 454 00:36:00,131 --> 00:36:05,136 上州高崎在 万年村 伯父 六兵衛の 家と・ 455 00:36:05,136 --> 00:36:10,141 はなっから お膳立てができてたんだい。 456 00:36:10,141 --> 00:36:13,144 えっ? おい・ 457 00:36:13,144 --> 00:36:15,144 もう しらを切るにゃあ及ばねえよ。 458 00:36:17,148 --> 00:36:21,152 唐津屋 多左衛門の後ろには 大物が控えてるんだ。 459 00:36:21,152 --> 00:36:27,158 そいつを引きずりだしてえから 俺は 誘いに乗った訳だ。 460 00:36:27,158 --> 00:36:30,161 そっちは そっちで 俺が抜け荷を嗅ぎつけて・ 461 00:36:30,161 --> 00:36:33,164 唐津屋をいたぶったもんだから・ 462 00:36:33,164 --> 00:36:39,170 うるさく黒幕を探られねえうちに 俺を片付けてしまおうと・ 463 00:36:39,170 --> 00:36:43,174 お前が道行きを持ち掛けたんだ。 464 00:36:43,174 --> 00:36:46,177 ということは 詰まるところ・ 465 00:36:46,177 --> 00:36:52,183 その黒幕野郎と お前とは 同じ穴のムジナ。 466 00:36:52,183 --> 00:36:55,186 亭主に隠れて できてた ってことだ。 467 00:36:55,186 --> 00:37:00,186 ええっ? そうだろ? お浪さん。 468 00:37:06,131 --> 00:37:11,136 噂に聞いちゃいたけど お前さんも大したワルだねえ。 469 00:37:11,136 --> 00:37:16,141 ハハハ お前ほどじゃねえや。 470 00:37:16,141 --> 00:37:21,141 確かに 私は あの人に ほれました。 471 00:37:23,148 --> 00:37:25,148 命までもとね。 472 00:37:28,153 --> 00:37:30,155 ここへ来る道中・ 473 00:37:30,155 --> 00:37:36,155 俺に飲ました茶の中に だいぶ毒が入ってたな。 474 00:37:38,163 --> 00:37:41,166 お見通しだったのかい。 475 00:37:41,166 --> 00:37:44,169 悔しいねえ。 476 00:37:44,169 --> 00:37:47,172 れっきとした唐津屋のお内儀に 納まって・ 477 00:37:47,172 --> 00:37:51,176 してえ放題 わがまま暮らしができるのに・ 478 00:37:51,176 --> 00:37:55,180 お前をそうまでさせた男 っていうのは・ 479 00:37:55,180 --> 00:37:58,180 いってえ誰だ? 480 00:38:08,126 --> 00:38:14,132 そりゃあ もう 女だったら誰だって・ 481 00:38:14,132 --> 00:38:17,135 魂までとろけるようないい男。 482 00:38:17,135 --> 00:38:20,138 (笑い声) 483 00:38:20,138 --> 00:38:23,138 俺の前で のろけられちゃあ 世話ねえや。 484 00:38:25,143 --> 00:38:27,145 おい 誰なんでえ!? 485 00:38:27,145 --> 00:38:32,150 (笑い声) 486 00:38:32,150 --> 00:38:35,153 おう 微禄ながら俺も直参だ! 487 00:38:35,153 --> 00:38:37,155 名乗ったら どうだい!? チクショー! 488 00:38:37,155 --> 00:38:57,108 ・~ 489 00:38:57,108 --> 00:39:08,119 ・~ 490 00:39:08,119 --> 00:39:12,123 おい 金子市 お前 遅かったじゃねえか! 491 00:39:12,123 --> 00:39:14,125 文句 言うなら 帰る。 いや 早かった! 492 00:39:14,125 --> 00:39:16,127 よく来たな おい…。 493 00:39:16,127 --> 00:39:19,130 旦那! おう! 494 00:39:19,130 --> 00:39:21,130 大丈夫ですか? 495 00:39:24,135 --> 00:39:27,138 (多左衛門)お浪! 496 00:39:27,138 --> 00:39:29,138 やめろ おら! 497 00:39:31,142 --> 00:39:34,145 おう 大丈夫か? あいつら あんとき 戸田の渡しんときだよ。 498 00:39:34,145 --> 00:39:36,145 どうなってんだよ? 直。 どうなってんだ? 499 00:39:39,150 --> 00:39:42,153 (多左衛門)おい 浪… 待って…。 500 00:39:42,153 --> 00:39:45,156 (お浪)やめておくれ! 501 00:39:45,156 --> 00:39:48,156 (多左衛門)おっ おい どっ どういうこった? 502 00:39:52,163 --> 00:39:56,167 待てよ この野郎…。 503 00:39:56,167 --> 00:39:58,167 頑張れよ ほら。 504 00:40:00,104 --> 00:40:04,108 (多左衛門)まっ…。 (お浪)放しておくれよ! 505 00:40:04,108 --> 00:40:07,111 (多左衛門)おっ お浪 わしと一緒に江戸へ帰っておくれ。 506 00:40:07,111 --> 00:40:09,113 (お浪)嫌だよ あんたなんか! 507 00:40:09,113 --> 00:40:11,115 (多左衛門)何!?・ 508 00:40:11,115 --> 00:40:13,115 これで…。 509 00:40:16,120 --> 00:40:21,125 (多左衛門)お浪 わしは 老い先 短いのだ。・ 510 00:40:21,125 --> 00:40:23,127 今 少し…。・ 511 00:40:23,127 --> 00:40:27,131 唐津屋の身代は 残らず お前にやる。・ 512 00:40:27,131 --> 00:40:30,131 帰ってくれ…。 頼む! 513 00:40:52,156 --> 00:40:55,159 おう 金子市 唐津屋 頼むぞ! 514 00:40:55,159 --> 00:40:57,095 大事な生き証人だからな! 515 00:40:57,095 --> 00:41:17,115 ・~ 516 00:41:17,115 --> 00:41:25,115 ・~ 517 00:41:29,127 --> 00:41:33,131 (お浪)早く 江戸へ連れて帰って。 (赤間)よし。 518 00:41:33,131 --> 00:41:53,151 ・~ 519 00:41:53,151 --> 00:41:59,151 ・~ 520 00:42:01,159 --> 00:42:03,159 あっ… お浪。 521 00:42:15,173 --> 00:42:18,176 ああっ…。・ 522 00:42:18,176 --> 00:42:20,176 お浪…。 523 00:42:22,180 --> 00:42:25,183 (多左衛門)浪…。 524 00:42:25,183 --> 00:42:27,183 嶋田さま…。 525 00:42:30,188 --> 00:42:33,191 どうして 私を…。 526 00:42:33,191 --> 00:42:36,194 (多左衛門)お浪! 527 00:42:36,194 --> 00:42:38,194 江戸へ…。 528 00:42:40,198 --> 00:42:43,201 帰りたい…。 529 00:42:43,201 --> 00:42:48,201 わしじゃ。 わしが見えるか? 530 00:42:52,210 --> 00:42:54,210 嶋田さま…。 531 00:43:10,161 --> 00:43:15,166 唐津屋 いまわの際に呼んだのは・ 532 00:43:15,166 --> 00:43:19,166 俺の名前でも お前の名でも なかったぜ。 533 00:43:24,175 --> 00:43:28,175 おい 嶋田って何者だ? 534 00:43:30,181 --> 00:43:33,184 嶋田か…。 535 00:43:33,184 --> 00:43:35,186 女 しゃぶった揚げ句に…。 536 00:43:35,186 --> 00:43:39,190 こりゃあ ほっとけねえな。 537 00:43:39,190 --> 00:43:42,193 嶋田 勘解由…。 538 00:43:42,193 --> 00:43:47,193 そうか あいつが黒幕だったのか。 539 00:43:51,202 --> 00:43:54,205 お滝 お前 ホントに分からねえ女だな。 540 00:43:54,205 --> 00:43:56,207 お前と2人きりで暮らしてたら・ 541 00:43:56,207 --> 00:43:58,142 何も こんな嫌な思いしなくて 済んだんだ! なっ!? 542 00:43:58,142 --> 00:44:00,144 丑もいれば 直もいるじゃねえか! 543 00:44:00,144 --> 00:44:02,146 あいつらに 小遣いの一つもやりてえと…。 544 00:44:02,146 --> 00:44:05,149 (お滝)嘘ばっかり。 大物とやらを ほじくりだすために・ 545 00:44:05,149 --> 00:44:07,151 ちっとも 女に ほれちゃあいなかったなんて・ 546 00:44:07,151 --> 00:44:11,155 そんな見え透いたこと言うから 腹が立つんですよ。 547 00:44:11,155 --> 00:44:13,157 じゃあ 聞きますがね。 548 00:44:13,157 --> 00:44:16,160 旦那・ 549 00:44:16,160 --> 00:44:19,163 聞きたかないけど聞きますがね・ 550 00:44:19,163 --> 00:44:25,169 道中 その女と その… があったんでしょ? 551 00:44:25,169 --> 00:44:28,172 そんなこと お前 あるわけがねえじゃねえか! 552 00:44:28,172 --> 00:44:31,175 俺も お前 練塀小路の河内山だ! そうだろ? 553 00:44:31,175 --> 00:44:33,177 そんなことができるかよ。 何さ。 554 00:44:33,177 --> 00:44:37,181 男と女が長の道中してりゃあね 何かない訳がないでしょ? 555 00:44:37,181 --> 00:44:43,187 お滝 お前と 俺と こうやって長え間 何かあったか? 556 00:44:43,187 --> 00:44:46,190 えっ? あっ ホント…。 557 00:44:46,190 --> 00:44:48,192 そうだろ。 なっ。 558 00:44:48,192 --> 00:44:51,195 それにしても お前 まあ よく こんないい着物を作ってくれて・ 559 00:44:51,195 --> 00:44:53,197 待っててくれたのか? おい。 560 00:44:53,197 --> 00:44:57,197 ちょっと また ごまかすんじゃないでしょうね? 561 00:44:59,136 --> 00:45:01,136 いい女だったんですってね。 562 00:45:08,145 --> 00:45:11,148 おい 女っていうのは怖いねえ。 563 00:45:11,148 --> 00:45:15,152 今度という今度は まざまざと見せつけられたな。 564 00:45:15,152 --> 00:45:20,157 何だかよ 姉さんの顔までさ 魔物か何かに見えてくる。 565 00:45:20,157 --> 00:45:22,159 何だって? 566 00:45:22,159 --> 00:45:24,159 (直次郎・丑松)あら? 567 00:45:26,163 --> 00:45:29,166 いや そっ そういうつもりじゃ ないっすけど…。 568 00:45:29,166 --> 00:45:31,168 (お滝)いいよ みんなして 私のこと バカにしてさ。 569 00:45:31,168 --> 00:45:33,170 あっ…。 570 00:45:33,170 --> 00:45:36,173 おい 空模様が あれだな。 571 00:45:36,173 --> 00:45:42,179 おう ぼつぼつ出掛けるぞ。 572 00:45:42,179 --> 00:45:45,182 旦那 いよいよやりやすか? ええっ? 573 00:45:45,182 --> 00:45:48,182 嶋田 何とかって野郎 それ とっちめに行くんでしょ? 574 00:45:53,190 --> 00:45:56,193 嶋田って野郎は どうしても 俺はな 許せねえよ。 575 00:45:56,193 --> 00:45:58,129 あの野郎 女を手玉に取りやがってよ。 576 00:45:58,129 --> 00:46:02,133 おい 長屋へ行って 大八車 用意しろ。 577 00:46:02,133 --> 00:46:04,135 千両箱が幾つ積まれるか 分からねえからな。 578 00:46:04,135 --> 00:46:06,137 ああ。 あら。 579 00:46:06,137 --> 00:46:09,140 おう おう おう 金子市 ちょうどいいところへ来た。 580 00:46:09,140 --> 00:46:11,142 今から お前 嶋田の屋敷に 乗り込もうって言ってるとこだ。 581 00:46:11,142 --> 00:46:14,145 おい 一緒に来てくれ。 582 00:46:14,145 --> 00:46:16,147 何だ? 583 00:46:16,147 --> 00:46:19,150 あっ 痛っ。 あっ ちょっと…。 (金子)お前ら 何のために・ 584 00:46:19,150 --> 00:46:21,152 河内山の周りを うろついてるんだよ。 585 00:46:21,152 --> 00:46:25,156 (丑松・直次郎)えっ? (金子)嶋田の屋敷 行ってみろ!・ 586 00:46:25,156 --> 00:46:27,158 役人が張り付いてて 入れやしねえや。 587 00:46:27,158 --> 00:46:31,162 えっ? お奉行所…。 おい いったい誰が訴え出たんだ? 588 00:46:31,162 --> 00:46:33,164 (金子)あのくそじじいが 訴え出たんだよ。 589 00:46:33,164 --> 00:46:35,166 唐津屋が? 590 00:46:35,166 --> 00:46:37,168 あの欲張りじじい…。 591 00:46:37,168 --> 00:46:40,171 おい そんなことすりゃあ お前 てめえが身の破滅じゃねえか。 592 00:46:40,171 --> 00:46:45,176 (金子)だから 嶋田 勘解由 4千石と抱き合い心中って訳だろ。 593 00:46:45,176 --> 00:46:51,182 へえ~ あの欲張りじじいがねえ。 594 00:46:51,182 --> 00:46:54,185 それじゃあ 何? また1文にもなんないの? 595 00:46:54,185 --> 00:46:58,122 そりゃあ ないっすよ 旦那。 (金子)何にもなりゃあしねえや。・ 596 00:46:58,122 --> 00:47:01,125 俺は いつか 必ず あの嶋田と じじいは 斬るぞ。・ 597 00:47:01,125 --> 00:47:03,127 河内山 飲ませろ! 598 00:47:03,127 --> 00:47:05,129 よし! のっ 飲め。 599 00:47:05,129 --> 00:47:07,131 おう 一晩中 飲み明かせ。 600 00:47:07,131 --> 00:47:09,133 おう ありったけの酒 出す…。 (丑松・直次郎)よ~し! 601 00:47:09,133 --> 00:47:12,136 ぱ~とな! おい ぱ~と 派手に飲もうぜ! 602 00:47:12,136 --> 00:47:15,139 おう お滝! お滝! おい! 603 00:47:15,139 --> 00:47:25,139 ・~ 604 00:47:57,114 --> 00:48:00,117 <森田屋の孫が さらわれた> 605 00:48:00,117 --> 00:48:03,120 <河内山は 金子市と共に 救出作戦に乗り出すが・ 606 00:48:03,120 --> 00:48:07,124 そのさなか 殺し屋の手によって 深手を受けた河内山は・ 607 00:48:07,124 --> 00:48:11,128 それにも めげず 傷口から鮮血を滴らせながら・ 608 00:48:11,128 --> 00:48:14,131 敵の本拠に乗り込んだ> 609 00:48:14,131 --> 00:48:18,131 <次回 『痛快! 河内山 宗俊』に ご期待ください> 610 00:50:04,308 --> 00:50:05,176 611 00:50:05,176 --> 00:50:08,179 (小林)皆さん お元気ですか 小林綾子です 612 00:50:08,179 --> 00:50:14,185 日本には 古くから 神社仏閣に伝わる行事や飾り物 613 00:50:14,185 --> 00:50:19,190 季節によって味わう旬な食べ物や その土地に伝わる風習など 614 00:50:19,190 --> 00:50:25,196 幸運を呼び込むために縁起を担ぐ さまざまな物や行いがあります 615 00:50:25,196 --> 00:50:30,201 皆さんの周りにも きっとある 幸運を呼ぶ縁起物 616 00:50:30,201 --> 00:50:34,205 この番組では そんな縁起物を ご紹介していきます 617 00:50:34,205 --> 00:50:37,205 さて 今日の縁起物は? 618 00:50:49,220 --> 00:50:52,223 突然ですが クイズです 619 00:50:52,223 --> 00:50:56,227 江戸時代 異国の動物たちが 日本にやって来ました 620 00:50:56,227 --> 00:51:01,232 そんな中 特に人気となった 2大スターは何でしょうか? 621 00:51:01,232 --> 00:51:03,234 ひとつは 象 622 00:51:03,234 --> 00:51:05,234 もうひとつは… 623 00:51:07,171 --> 00:51:10,174 ちょっと意外でした? 624 00:51:10,174 --> 00:51:13,177 らくだが 江戸で 見せ物に掛けられると・ 625 00:51:13,177 --> 00:51:17,181 大ブームとなり たくさんの人が押し寄せました 626 00:51:17,181 --> 00:51:22,186 これほど人気になった理由は 物珍しさだけでなく・ 627 00:51:22,186 --> 00:51:27,191 らくだには たくさんのご利益が あると信じられていたからです 628 00:51:27,191 --> 00:51:33,197 ひとつ らくだの絵を貼っておくと 疱瘡・はしか除けになる 629 00:51:33,197 --> 00:51:38,202 2つ らくだの尿は 救命の霊薬となる 630 00:51:38,202 --> 00:51:44,208 3つ 雷をも避ける …と すごいご利益ですよね 631 00:51:44,208 --> 00:51:50,208 今度 動物園に行ったときは 是非 らくだに注目してみましょう 632 00:51:55,219 --> 00:51:57,221 突然ですが 皆さん 633 00:51:57,221 --> 00:52:01,225 引っ越しのとき 食べる物といば何でしょうか? 634 00:52:01,225 --> 00:52:06,163 そう! 引っ越し蕎麦ですよね でも 一体 なんで・ 635 00:52:06,163 --> 00:52:10,167 引っ越しのときには お蕎麦なんでしょうか 636 00:52:10,167 --> 00:52:14,171 江戸時代 中ごろに 江戸を中心に行われていた・ 637 00:52:14,171 --> 00:52:16,173 引っ越しの挨拶品として・ 638 00:52:16,173 --> 00:52:19,176 蕎麦や 蕎麦切手という商品券を・ 639 00:52:19,176 --> 00:52:24,181 向こう三軒両隣に配っていた 風習が始まりといわれています 640 00:52:24,181 --> 00:52:29,186 由来は 「おそばに越してきた」の シャレからだそうで・ 641 00:52:29,186 --> 00:52:34,191 「おそばに末長く」 「細く長くおつきあいを」という・ 642 00:52:34,191 --> 00:52:36,193 気持ちが込められているそうです 643 00:52:36,193 --> 00:52:39,196 また 年越し蕎麦も同様に・ 644 00:52:39,196 --> 00:52:42,199 「お蕎麦のように 細く長く過ごせる」 645 00:52:42,199 --> 00:52:47,204 お蕎麦は切れやすいため 今年の 苦労や不運をきれいに切り捨てて 646 00:52:47,204 --> 00:52:50,207 新しい年を迎えるため …だそうです 647 00:52:50,207 --> 00:52:53,210 そばにいるのが 難しいご時世ですが 648 00:52:53,210 --> 00:52:58,210 お蕎麦で 気持ちを 伝えられたらいいですよね 649 00:53:04,154 --> 00:53:07,157 最近 よくエコバッグが 使われるようになりましたよね 650 00:53:07,157 --> 00:53:10,160 皆さんは どんな物をお使いですか 651 00:53:10,160 --> 00:53:14,164 じゃん! こちらなんてオススメですよ! 652 00:53:14,164 --> 00:53:18,168 日本の伝統的な エコバッグと言える風呂敷 653 00:53:18,168 --> 00:53:20,170 「風呂敷」と いわれるようになったのは・ 654 00:53:20,170 --> 00:53:24,174 お風呂屋で 自分の服を包むために 用いられていたからだそうで 655 00:53:24,174 --> 00:53:28,178 その名のとおり お風呂で 使っていたからなんですね 656 00:53:28,178 --> 00:53:34,184 また 風呂敷の代表的な柄・蔦が 絡み広がっている唐草模様は・ 657 00:53:34,184 --> 00:53:37,187 実は 縁起がいい柄なんです 658 00:53:37,187 --> 00:53:41,191 蔦は 生命力が強く 四方八方 どこまでも伸びるため・ 659 00:53:41,191 --> 00:53:46,196 長寿繁栄を象徴する模様として 愛されてきました 660 00:53:46,196 --> 00:53:49,199 いろいろな結び方ができて とっても便利な風呂敷 661 00:53:49,199 --> 00:53:53,199 皆さんもエコバッグ代わりに いかがですか 662 00:53:58,208 --> 00:54:02,212 どこか 民族的な感じがする 木の葉猿 663 00:54:02,212 --> 00:54:08,152 名前は 木葉という地名から 来ているそうですが… 664 00:54:08,152 --> 00:54:12,156 言い伝えでは およそ1300年前 665 00:54:12,156 --> 00:54:15,159 都から逃げ落ちてきた人たちが 神を祀るため・ 666 00:54:15,159 --> 00:54:19,163 木葉山の赤土で 祭礼の道具を作り・ 667 00:54:19,163 --> 00:54:22,166 余った土を捨てたところ それが猿になり・ 668 00:54:22,166 --> 00:54:26,170 「木葉の土で 猿を作れば 幸あらん」と・ 669 00:54:26,170 --> 00:54:28,172 お告げを残したそうです 670 00:54:28,172 --> 00:54:30,174 そこで 人々は・ 671 00:54:30,174 --> 00:54:34,178 猿の人形を作って 神さまにお供えしたところ・ 672 00:54:34,178 --> 00:54:38,182 災難から逃れ 無事に過ごすことが できたといわれています 673 00:54:38,182 --> 00:54:44,188 以来 悪病・災難除け 夫婦和合・子孫繁栄の・ 674 00:54:44,188 --> 00:54:46,188 守り神と されるようになったそうです 675 00:54:52,196 --> 00:54:57,196 獅子が刀をくわえ なんとも勇ましい加賀獅子頭 676 00:54:59,203 --> 00:55:05,142 天正11年 初代藩主・前田利家が 金沢城に入府の際・ 677 00:55:05,142 --> 00:55:09,146 お祝いの獅子舞が盛大に 行われたのが ゆえんとなり・ 678 00:55:09,146 --> 00:55:13,150 その豪華さは 天下随一となりました 679 00:55:13,150 --> 00:55:18,155 それから 祭礼などで 各町村が 競って獅子舞を演ずる風習は・ 680 00:55:18,155 --> 00:55:21,158 加賀名物の代表といわれています 681 00:55:21,158 --> 00:55:26,163 その勇ましい姿から 男の子の成長祈願や・ 682 00:55:26,163 --> 00:55:33,170 還暦の魔除け・厄払い・立身出世の 象徴として愛されてきました 683 00:55:33,170 --> 00:55:38,170 刀をくわえた獅子頭 勇ましくて格好いいですよね 684 00:55:44,181 --> 00:55:50,187 そっと息を吹き込むと 軽やかな音が鳴るビードロ 685 00:55:50,187 --> 00:55:53,190 ビードロは ガラスの弾力性を利用した・ 686 00:55:53,190 --> 00:55:56,193 底の部分が とても薄いガラスのおもちゃで 687 00:55:56,193 --> 00:55:58,195 息を軽く吹き込むと… 688 00:55:58,195 --> 00:56:01,198 (ビードロの音) …という音がします 689 00:56:01,198 --> 00:56:04,134 ちなみに 昔は 子供のおもちゃではなく・ 690 00:56:04,134 --> 00:56:09,139 厄落としの意味を込めて お正月に吹かれていたそうです 691 00:56:09,139 --> 00:56:13,143 おもちゃのビードロ細工は 古くから人気があったそうですが 692 00:56:13,143 --> 00:56:16,146 ビードロが作ることが できる職人が少なかったため・ 693 00:56:16,146 --> 00:56:19,149 貴重品とされていました 694 00:56:19,149 --> 00:56:22,152 喜多川歌麿が 「ビードロを吹く女」を描くほど・ 695 00:56:22,152 --> 00:56:24,154 人気があったみたいですね 696 00:56:24,154 --> 00:56:26,154 (ビードロの音) 697 00:56:31,161 --> 00:56:36,166 時代劇などで 出かける際に 登場する火打石 698 00:56:36,166 --> 00:56:40,170 江戸時代には 欠かせないものだったようですが 699 00:56:40,170 --> 00:56:46,176 その歴史は古く 『日本書紀』の ヤマトタケルの神話に登場します 700 00:56:46,176 --> 00:56:50,180 平安時代には まだ庶民の 手には届かない貴重品でしたが・ 701 00:56:50,180 --> 00:56:54,184 江戸時代になると 広く庶民にも普及し・ 702 00:56:54,184 --> 00:56:59,189 かまどや灯明・煙草などの火に 使われるようになりました 703 00:56:59,189 --> 00:57:02,192 また 時代劇などで 出かける際に 704 00:57:02,192 --> 00:57:05,128 「お前さん 気をつけて」 (火打石の音) 705 00:57:05,128 --> 00:57:08,131 …と 火打石を使用しますよね 706 00:57:08,131 --> 00:57:11,134 これは 「切り火」といわれ・ 707 00:57:11,134 --> 00:57:16,139 厄除け・清め・邪鬼を払う 日本古来の風習です 708 00:57:16,139 --> 00:57:19,142 『銭形平次』でも登場しますよね 709 00:57:19,142 --> 00:57:23,146 そもそも火は 古くから 神聖なもの・清浄なものとされ・ 710 00:57:23,146 --> 00:57:28,151 邪鬼など悪いものは火を嫌うと 考えられていたそうです 711 00:57:28,151 --> 00:57:31,154 ここ一番の大事な時や 試験の時など・ 712 00:57:31,154 --> 00:57:34,154 切り火で 清めてみてはいかがでしょう? 713 00:57:40,163 --> 00:57:42,165 掃除には欠かせない ほうき 714 00:57:42,165 --> 00:57:46,165 しかし 昔は掃除をする道具では なかったそうです 715 00:57:56,179 --> 00:58:01,184 また ほうきには 「箒神」という神さまが宿るとされ 716 00:58:01,184 --> 00:58:05,122 妊婦の足もとに逆さまに立てたり おなかをなでると・ 717 00:58:05,122 --> 00:58:07,124 安産になるといわれています 718 00:58:07,124 --> 00:58:09,126 ほうきが掃除道具として・ 719 00:58:09,126 --> 00:58:12,129 使われるようになったのは 平安時代 720 00:58:12,129 --> 00:58:16,133 年神さまを迎えるため 宮中で年末に行われる・ 721 00:58:16,133 --> 00:58:20,137 すす払いの道具として 使われるようになりました 722 00:58:20,137 --> 00:58:25,142 その後 仏教では 修行の 一環としての掃除が広まります 723 00:58:25,142 --> 00:58:29,146 神社やお寺で ほうきで 掃き掃除をしている姿を見ると・ 724 00:58:29,146 --> 00:58:33,150 どこか凛として 清められている感じがするのも・ 725 00:58:33,150 --> 00:58:36,150 この歴史があるからでしょうかね 726 00:58:41,158 --> 00:58:45,162 皆さんは ペット 何か飼ってらっしゃいますか 727 00:58:45,162 --> 00:58:49,166 江戸時代 犬や猫は もちろん 金魚・鈴虫など・ 728 00:58:49,166 --> 00:58:51,168 ちょっとしたブームになった ペットたち 729 00:58:51,168 --> 00:58:55,172 そのほかに 小鳥も 大変 人気があったそうです 730 00:58:55,172 --> 00:59:00,177 そのため 小鳥を専門的に売る ペットショップも誕生しました 731 00:59:00,177 --> 00:59:05,115 愛鳥家たちの間では 小鳥合わせ・鳴き合わせという・ 732 00:59:05,115 --> 00:59:10,120 小鳥の鳴き声や姿の美しさを 競い合うイベントが大流行し・ 733 00:59:10,120 --> 00:59:12,122 大勢の観客を集めました 734 00:59:12,122 --> 00:59:17,127 特に 「ホーホケキョ」の鳴き声で おなじみのうぐいすと・ 735 00:59:17,127 --> 00:59:21,131 うずらの小鳥合わせは 人気が高かったそうです 736 00:59:21,131 --> 00:59:25,135 また うずらの鳴き声が 「ゴキッチョー」! 737 00:59:25,135 --> 00:59:28,138 「ご吉兆」と聞こえることから・ 738 00:59:28,138 --> 00:59:33,143 戦国時代の武将たちが 出陣前に 験担ぎに使うなど・ 739 00:59:33,143 --> 00:59:36,143 縁起のよい鳥として 珍重されてきました 740 00:59:38,148 --> 00:59:40,150 いかがでしたでしょうか 741 00:59:40,150 --> 00:59:44,154 まだまだ 私たちの知らないものや 意外なものにも・ 742 00:59:44,154 --> 00:59:48,158 さまざまな縁起担ぎの意味が 込められているようですね 743 00:59:48,158 --> 00:59:51,161 身近にある そんな縁起物 744 00:59:51,161 --> 00:59:54,164 皆さんも お店や神社で探してみたり 745 00:59:54,164 --> 00:59:58,168 幸せを呼び込んでみては いかがでしょうか 746 00:59:58,168 --> 01:00:02,168 それでは またお会いしましょう 小林綾子でした