1 00:02:29,063 --> 00:02:39,063 ・~ 2 00:02:59,093 --> 00:03:01,095 (忠邦)何? (武部)城中 西の丸より・ 3 00:03:01,095 --> 00:03:06,100 火災を起こし 火の手は 折からの風にあおられまして。 4 00:03:06,100 --> 00:03:11,105 <江戸城 西の丸が 将軍の 火の不始末のために 全焼した> 5 00:03:11,105 --> 00:03:16,110 <その夜 この長屋に 1人の赤ん坊が生まれた> 6 00:03:16,110 --> 00:03:21,115 (乙松)・「お城が火事だ 火事はお城だよ」 7 00:03:21,115 --> 00:03:25,119 (宗俊)ハハッ 今頃 大名どもは 踊りだしてるぞ。 8 00:03:25,119 --> 00:03:29,056 (乙松)あら 火事になると 大名 踊り 踊るんですか? 9 00:03:29,056 --> 00:03:33,060 (宗俊)てんてこ舞いって踊りをよ。 (乙松の笑い声) 10 00:03:33,060 --> 00:03:38,065 (宗俊)乙松 あと10日も たってみろ。 ご公儀から・ 11 00:03:38,065 --> 00:03:44,071 このたび その方に 普請奉行を 申し付けるものなりと・ 12 00:03:44,071 --> 00:03:47,074 こうなるわけだ。 (乙松)あら 大層なご出世ですね。 13 00:03:47,074 --> 00:03:49,076 (宗俊)べらぼうめ 何が出世なものか。・ 14 00:03:49,076 --> 00:03:51,078 そんなもの言いつかってみろ。・ 15 00:03:51,078 --> 00:03:55,082 何十万両 何百万両って銭を・ 16 00:03:55,082 --> 00:03:59,086 うわ~って 吐き出さなくちゃならねえんだ。・ 17 00:03:59,086 --> 00:04:04,091 それ聞くと おい お前も俺も幸せ者だな。 18 00:04:04,091 --> 00:04:06,093 (乙松・宗俊の笑い声) 19 00:04:06,093 --> 00:04:09,096 (宗俊)胸を張れ。 (乙松)へっ? 20 00:04:09,096 --> 00:04:12,099 (宗俊)けっ! 胸を張れっつってるんだ! 21 00:04:12,099 --> 00:04:14,101 (乙松)こうでござるか? (宗俊)うん!・ 22 00:04:14,101 --> 00:04:20,107 さらば その方に これなる物を取らせて遣わす。 23 00:04:20,107 --> 00:04:25,112 (乙松)おっ これは 懐かしい 御目刺しの匂い。・ 24 00:04:25,112 --> 00:04:30,051 これを わが家に持って帰れば 奥が喜ぶでござる。 25 00:04:30,051 --> 00:04:33,054 (宗俊)しからば 乙松! (乙松)さらば! 26 00:04:33,054 --> 00:04:35,056 (宗俊)さらば。 (乙松)さらばでございます。 27 00:04:35,056 --> 00:04:40,061 (宗俊)うん さらば! おい! 乙 頑張れよ! 28 00:04:40,061 --> 00:04:45,066 ・(乙松の鼻歌) 29 00:04:45,066 --> 00:04:52,073 ・~ 30 00:04:52,073 --> 00:04:57,078 ありゃ? 軒が くるくる回ってやがる。 31 00:04:57,078 --> 00:05:01,082 べらぼうめ!・ 32 00:05:01,082 --> 00:05:08,089 お亭主さまのお帰りだ。 お出迎えいたせ~。 33 00:05:08,089 --> 00:05:11,089 (お常)くそ~! (乙松)え~! 痛っ! 34 00:05:17,098 --> 00:05:21,102 (お常)この野郎! (乙松)ごめんなさい。 35 00:05:21,102 --> 00:05:24,105 (お常)今 何時だと思ってるんだ! (乙松)ごめんなさい。・ 36 00:05:24,105 --> 00:05:27,041 ごめんなさいよ。 ねえ ちょっと ごめんなさい。・ 37 00:05:27,041 --> 00:05:30,044 お前たち食う? (お常)こんな物でごまかされて・ 38 00:05:30,044 --> 00:05:32,044 たまるか! (乙松)痛てててて。 39 00:05:34,048 --> 00:05:37,051 (熊)うるせえな まったく。・ 40 00:05:37,051 --> 00:05:39,053 乙松のバカ 今夜もやってやがらあ。 41 00:05:39,053 --> 00:05:42,056 (留)あ~あ 人が せっかく いい夢 見てたっていうのに。 42 00:05:42,056 --> 00:05:45,059 (熊)いいかげんにしやがれ この野郎 まったく。 43 00:05:45,059 --> 00:05:47,061 (お常)この野郎! (お富)お常さん 構わねえからさ・ 44 00:05:47,061 --> 00:05:50,064 そんなやつ たたき殺しちまいなよ! 45 00:05:50,064 --> 00:05:52,066 (お常)あたしゃ 今夜にも 赤ん坊が産まれるか・ 46 00:05:52,066 --> 00:05:56,070 分かんないのに 薄情なのは どっち! 47 00:05:56,070 --> 00:05:58,072 (お富)そうだ そうだ そうだよ ホントに! 48 00:05:58,072 --> 00:06:01,075 (お常)あ痛… あ痛たた。 (お富)ちょっと お常さん? 49 00:06:01,075 --> 00:06:03,077 (留)どうしたの? (乙松)お常 大丈夫か? 50 00:06:03,077 --> 00:06:07,081 (お富)お産だよ あんた 産まれるよ ちょっと。 51 00:06:07,081 --> 00:06:10,081 (熊)バカ! 早く下りてきやがれ! (乙松)おう。 52 00:06:12,086 --> 00:06:14,088 (乙松)お常! 53 00:06:14,088 --> 00:06:17,091 (お常)あんた… あんた 産まれるよ! 54 00:06:17,091 --> 00:06:20,094 (お富)ちょっと お水 じゃんじゃん持ってきてよ!・ 55 00:06:20,094 --> 00:06:22,096 あっ 取り上げばあさん まだかい? 56 00:06:22,096 --> 00:06:24,096 (熊)おう 一っ走り 行ってくらあ。 57 00:06:28,035 --> 00:06:33,035 (丑松)ああ 人が死んだな。 かわいそう。 58 00:06:38,045 --> 00:06:40,045 (丑松)よっとこしょ。 59 00:06:45,052 --> 00:06:49,056 (熊)取り上げばあさん 連れてきたぜ! 60 00:06:49,056 --> 00:06:51,056 (丑松)産まれたんだわ こりゃ! 61 00:06:58,065 --> 00:07:00,067 (丑松)いらいらすんな もう おい。 62 00:07:00,067 --> 00:07:03,070 (男の子)ちゃん 落ち着けよ。 (乙松)はい。 63 00:07:03,070 --> 00:07:06,073 (丑松)落ち着いてね。 大丈夫だかんね。 64 00:07:06,073 --> 00:07:08,075 心配だなあ。 65 00:07:08,075 --> 00:07:12,079 (お常の息む声) 66 00:07:12,079 --> 00:07:15,082 ・(産声) 67 00:07:15,082 --> 00:07:18,085 (熊)ああ あれだ。 68 00:07:18,085 --> 00:07:23,090 (お富)男の子だよ。 産まれた~! 69 00:07:23,090 --> 00:07:26,093 乙 産まれたんだ。 (乙松)産まれた? 70 00:07:26,093 --> 00:07:30,093 男の子がね。 (乙松)産まれたか! 71 00:07:33,033 --> 00:07:37,037 旦那! ねえ 旦那 産まれた 赤ん坊が! 72 00:07:37,037 --> 00:07:39,039 うるせえ バカ。 73 00:07:39,039 --> 00:07:45,045 城が焼けようが どこが焼けようが 俺は関係ねえよ。 74 00:07:45,045 --> 00:07:51,051 エヘヘヘヘ。 ちょっと エヘヘって 旦那! 75 00:07:51,051 --> 00:07:55,055 うるせえ バカヤロー! 76 00:07:55,055 --> 00:07:58,058 嫌だね 酔っ払っちゃった。 77 00:07:58,058 --> 00:08:02,062 絶対 起きねえんだから… お城? 78 00:08:02,062 --> 00:08:05,065 あのね 旦那 付き合いってものを知らないよ。 79 00:08:05,065 --> 00:08:08,068 産まれた… 燃えたって何だ? 80 00:08:08,068 --> 00:08:11,071 あ~あ。 81 00:08:11,071 --> 00:08:15,075 何が 河内山 宗俊だ。 82 00:08:15,075 --> 00:08:22,082 俺 このごろ 考えてんだ。 あんまりいい人じゃねえしな。 83 00:08:22,082 --> 00:08:24,084 このまま一緒にいても うだつ 上がんねえだろうし。 84 00:08:24,084 --> 00:08:27,084 畳の上で死ねねえだろうし。 85 00:08:29,023 --> 00:08:34,028 う~ん でも 困ったなあ。 86 00:08:34,028 --> 00:08:38,032 人のよ 懐と相談なしに 子供 産まれちゃ 困っちゃうんだよ。 87 00:08:38,032 --> 00:08:40,032 何にも持っていってやれねえ。 88 00:08:42,036 --> 00:08:47,041 ありゃ 起きてたの? 89 00:08:47,041 --> 00:08:51,045 あのね さっきの 軽い冗談だよ ありゃ。 90 00:08:51,045 --> 00:08:53,047 (いびき) 91 00:08:53,047 --> 00:08:57,051 (男)サバだ! 捕りたてのサバだよ!・ 92 00:08:57,051 --> 00:08:59,053 さあ 買った 買った! 93 00:08:59,053 --> 00:09:12,066 ・~ 94 00:09:12,066 --> 00:09:15,069 さあ どうだい? 目の下 1尺5寸のタイだ! 95 00:09:15,069 --> 00:09:18,072 今日は 江戸中 探したって たったの これ1匹だよ!・ 96 00:09:18,072 --> 00:09:21,075 さあ 値を聞いて驚くなよ。 ソクのブリだい! 97 00:09:21,075 --> 00:09:23,077 おい ソクのブリだってよ。 98 00:09:23,077 --> 00:09:26,080 (直次郎)何だよ ソクのブリって? 知らない。 あれ いくらだろうな。 99 00:09:26,080 --> 00:09:31,018 ・(お糸)1両2分。 魚河岸の符丁なの。 100 00:09:31,018 --> 00:09:35,022 (直次郎)おい 銭 足んねえよ どうしようか? 101 00:09:35,022 --> 00:09:38,025 もっと まけろ! 高え 高え! 高けりゃ食うな! 102 00:09:38,025 --> 00:09:41,028 (直次郎)よし もっと言え。 高くても食いてえ! 103 00:09:41,028 --> 00:09:43,030 (直次郎)お前 もっと 違った言い方があるだろうよ。 104 00:09:43,030 --> 00:09:46,033 だってよ どうしても 持って帰んなきゃ お前・ 105 00:09:46,033 --> 00:09:48,035 乙松んとこの赤ん坊のお祝い どうすんだよ。 106 00:09:48,035 --> 00:09:50,037 まけろ まけろ! さあ どうしたい! 107 00:09:50,037 --> 00:09:53,040 買うのか買わねえのかい? タイが腐っちまうぜ! 108 00:09:53,040 --> 00:09:56,043 (亀造)買った。 あっ。 109 00:09:56,043 --> 00:10:00,043 (清兵衛)98 99。 110 00:10:05,052 --> 00:10:07,054 (広瀬)九右衛門。 (九右衛門)はっ はい。 111 00:10:07,054 --> 00:10:11,058 ご公儀 納め魚の数は 毎朝 100匹である。 1匹 足らんぞ。 112 00:10:11,058 --> 00:10:14,061 (亀造)さっ 持っていきな。 銭なんか いつでもいいんだ。 113 00:10:14,061 --> 00:10:16,063 ホントかい? じいさん。 114 00:10:16,063 --> 00:10:18,065 (亀造)赤ん坊が 産まれたんだってな? 115 00:10:18,065 --> 00:10:21,068 うん。 それでな 長屋中で みんなで お祝いしようと思って。 116 00:10:21,068 --> 00:10:23,070 (亀造)そうかい そいつは めでてえな。・ 117 00:10:23,070 --> 00:10:26,073 さあ 早く祝ってやれ。 じいさん すまねえな おい。 118 00:10:26,073 --> 00:10:28,008 今日 1両しかねえけどな 必ず 後で 足んねえ分・ 119 00:10:28,008 --> 00:10:30,010 持ってくるからな。 (九右衛門)おい 待て待て待て。・ 120 00:10:30,010 --> 00:10:32,012 亀造 このタイ こっちへ戻せ。 121 00:10:32,012 --> 00:10:36,016 (亀造)元締 たった今 このお客さんに売ったんだ。 122 00:10:36,016 --> 00:10:38,018 そんなことはできねえよ。 (九右衛門)おう 納め魚が・ 123 00:10:38,018 --> 00:10:40,020 1匹 足りねえんだよ なっ? 銭は返すから・ 124 00:10:40,020 --> 00:10:42,022 このタイ 返してくれ。 (亀造)元締。 125 00:10:42,022 --> 00:10:44,024 (広瀬)ならん! 126 00:10:44,024 --> 00:10:47,027 ご公儀 お買い上げのタイだ。 さっ こっちへ戻すんだ。 127 00:10:47,027 --> 00:10:49,027 駄目だ! 128 00:10:52,032 --> 00:10:56,032 おい みんな どいてくれ! タイ泥棒だ! タイ泥棒! 129 00:11:04,044 --> 00:11:07,047 ああっ! 130 00:11:07,047 --> 00:11:09,049 はい はい。 131 00:11:09,049 --> 00:11:22,062 ・~ 132 00:11:22,062 --> 00:11:25,065 (九右衛門)亀造! 貴様ってやつは! 133 00:11:25,065 --> 00:11:30,003 元締 俺たち 貧乏人の せめて 祝い事のあるときにゃ・ 134 00:11:30,003 --> 00:11:34,007 タイの1匹や2匹 安く口に入るようにするのが・ 135 00:11:34,007 --> 00:11:36,009 魚河岸の元締ってもんじゃ ねえんですかい? 136 00:11:36,009 --> 00:11:39,012 貴様 わしに逆らうのか? (亀造)それとも何ですかい? 137 00:11:39,012 --> 00:11:43,016 将軍さまは 1日に タイを100匹も お召し上がりになるんですかい? 138 00:11:43,016 --> 00:11:46,019 (広瀬)無礼者め! 139 00:11:46,019 --> 00:11:49,022 (お糸)おじいちゃん! 140 00:11:49,022 --> 00:11:52,025 旦那! ちょっと聞いてくれよ 旦那! 141 00:11:52,025 --> 00:11:54,027 た… 大変だよ! 142 00:11:54,027 --> 00:11:56,029 どうしたんだよ。 タイがなかったのか? 143 00:11:56,029 --> 00:11:58,031 いえいえ。 タイは あったんだ。 144 00:11:58,031 --> 00:12:00,033 いつも ほら 魚 担いでる 亀造じいさんが・ 145 00:12:00,033 --> 00:12:03,036 役人に ばっさり 今 やられちゃったんです そこで。 146 00:12:03,036 --> 00:12:05,038 ばっさり どうして? 手討ちなんだよ それが。 147 00:12:05,038 --> 00:12:07,040 だから 何で手討ちになったんだ? 148 00:12:07,040 --> 00:12:10,043 ≪手討ちにいたす!≫ 149 00:12:10,043 --> 00:12:12,045 ≪公儀の100匹は まだいい≫ 150 00:12:12,045 --> 00:12:15,048 ≪だが 町方の者にゃ たった1匹だけというのは・ 151 00:12:15,048 --> 00:12:17,050 どうしても納得できねえんだ≫ 152 00:12:17,050 --> 00:12:22,055 ≪元締 今朝 タイは 150匹 入ったんだぞ≫ 153 00:12:22,055 --> 00:12:24,057 ≪これは 一体 どういうわけなんでえ!≫ 154 00:12:24,057 --> 00:12:27,060 (広瀬)≪黙れ!≫ 155 00:12:27,060 --> 00:12:32,065 ≪てめえたち グルになりやがって 何か たくらんでるんだろ?≫ 156 00:12:32,065 --> 00:12:36,069 ≪俺はな みんな 知ってんだぞ!≫ 157 00:12:36,069 --> 00:12:38,071 (お糸)≪おじいちゃん!≫ 158 00:12:38,071 --> 00:12:40,073 じいさん 虫の息でね・ 159 00:12:40,073 --> 00:12:42,075 俺たち 担ぎ屋が 意気地がねえばっかりに・ 160 00:12:42,075 --> 00:12:45,078 みんなに おいしい魚 食べさしてあげられねえって。 161 00:12:45,078 --> 00:12:47,080 あのね かわいそうったらないんだよ。 162 00:12:47,080 --> 00:12:50,083 じいさん もう虫の息でね 申し訳ねえ 申し訳ねえって・ 163 00:12:50,083 --> 00:12:52,085 そればっかり言ってんの。 旦那ね・ 164 00:12:52,085 --> 00:12:55,088 とにかく 魚のね 命とね 人間の命 一緒にする あいつら・ 165 00:12:55,088 --> 00:12:57,090 俺たちは許せねえよ ホントにな。 166 00:12:57,090 --> 00:13:00,093 冗談じゃないんだから ホントに。 許せない! チクショー。 167 00:13:00,093 --> 00:13:02,093 何とか やってやってよ あれ。 168 00:13:11,104 --> 00:13:18,111 おい! 近頃 魚河岸は 人間を刺身にするそうじゃねえか。 169 00:13:18,111 --> 00:13:20,113 (清兵衛)と… とんでもない そんな。 170 00:13:20,113 --> 00:13:23,116 おう それじゃあ 今朝方 斬ったの あれは何でえ? 171 00:13:23,116 --> 00:13:27,054 人間じゃねえってえのか? おう タイ 1匹が 1両もするんだ。 172 00:13:27,054 --> 00:13:30,057 人間の刺身なら いくらで売るか おう 刺身にしてもらおうじゃねえ。 173 00:13:30,057 --> 00:13:32,059 刺身にしてもらおうじゃないか。 刺身にしてみろ! 174 00:13:32,059 --> 00:13:35,062 (清兵衛)そんな… 人間の刺身なんて まさか…。 175 00:13:35,062 --> 00:13:37,064 石頭め! 176 00:13:37,064 --> 00:13:40,067 てめえなんぞと掛け合ってる暇は ねえんだ。 177 00:13:40,067 --> 00:13:43,070 おう 俺はな 下谷 練塀小路の…。 178 00:13:43,070 --> 00:13:45,072 ・(九右衛門)天下のご直参。・ 179 00:13:45,072 --> 00:13:48,075 お数寄屋勤めをなさる 河内山 宗俊さまで。 180 00:13:48,075 --> 00:13:51,078 手前は 魚河岸で 総元締をいたしております・ 181 00:13:51,078 --> 00:13:54,081 森 九右衛門と申します。 182 00:13:54,081 --> 00:14:00,081 あの これは 些少でございますが どうぞ。 183 00:14:08,095 --> 00:14:13,100 おい これ じいさんに届けてやれ。 合点だい! 184 00:14:13,100 --> 00:14:15,102 さて 元締さん。 はい。 185 00:14:15,102 --> 00:14:18,105 今朝方 何で 亀造は 斬られちまったんだい? 186 00:14:18,105 --> 00:14:21,108 あれは ご公儀の決まりも わきまえず・ 187 00:14:21,108 --> 00:14:23,110 亀造が歯向かったのが悪いので・ 188 00:14:23,110 --> 00:14:25,112 まあ お手討ちになるのも しかたがございません。 189 00:14:25,112 --> 00:14:28,048 お役人は そのお役目を果たしたまで。 190 00:14:28,048 --> 00:14:31,051 手前の落ち度でもございません。 191 00:14:31,051 --> 00:14:36,056 で いまひとつ お伺いいたしますけどもね・ 192 00:14:36,056 --> 00:14:40,060 タイが 50匹も 急に なくなっちまうっていうのは・ 193 00:14:40,060 --> 00:14:42,062 これ おかしいじゃねえか。 194 00:14:42,062 --> 00:14:46,066 はい それは お大名方の お留守居役さまが おみえになり・ 195 00:14:46,066 --> 00:14:50,070 10匹 20匹と お買い上げに なったのでございます。 196 00:14:50,070 --> 00:14:55,075 ふ~ん。 留守居役が 何で そんなに急に・ 197 00:14:55,075 --> 00:14:57,077 タイばっかり食うように なっちまったんだね? 198 00:14:57,077 --> 00:15:00,077 それは 私も存じません。 199 00:15:02,082 --> 00:15:07,087 おい 俺も わざわざ 足 使って ここまで来たんだ。 200 00:15:07,087 --> 00:15:11,091 あんまり なめた言い訳は しねえがいいぜ。 201 00:15:11,091 --> 00:15:16,096 はい 手前も 公儀のご用を 承っておりますので・ 202 00:15:16,096 --> 00:15:20,096 色々なお方と お知り合いもございます。 203 00:15:25,105 --> 00:15:32,105 てめえ 俺に そんな口をきいてもいいんだな? 204 00:15:42,055 --> 00:15:45,055 帰るぜ。 へい。 205 00:15:51,064 --> 00:15:54,067 ・(九右衛門)あっ もし。 206 00:15:54,067 --> 00:15:57,070 河内山さま これを ご縁に…。 207 00:15:57,070 --> 00:16:00,073 ちょくちょく寄せてもらうぜ。 208 00:16:00,073 --> 00:16:15,088 ・~ 209 00:16:15,088 --> 00:16:17,088 (花房)なにぶんとも よろしく。 210 00:16:19,092 --> 00:16:24,097 (武部)先ほどの越後からのタイは もっといい餌を食っておった。・ 211 00:16:24,097 --> 00:16:29,035 この明石のタイは あまりいい餌を 食っておらぬと見える。・ 212 00:16:29,035 --> 00:16:33,035 痩せたタイじゃな。 (花房)ははっ。 213 00:16:36,042 --> 00:16:40,046 (花房)よろしく お取り計らいのほどを。 214 00:16:40,046 --> 00:16:58,064 ・~ 215 00:16:58,064 --> 00:17:01,067 (武部)おう 待たせたな。 216 00:17:01,067 --> 00:17:04,070 お屋敷へ参っても よろしかったので? 217 00:17:04,070 --> 00:17:09,075 (武部)心配いたすな。 殿は 火事の後始末で・ 218 00:17:09,075 --> 00:17:12,078 もう3日間も お城にお詰めのままじゃ。 219 00:17:12,078 --> 00:17:18,084 とにかく お礼にと存じまして。 220 00:17:18,084 --> 00:17:23,089 もうかっとるな? (九右衛門)フフッ これも 全て・ 221 00:17:23,089 --> 00:17:26,092 武部さまが お知恵を お貸しくださいましたおかげで。 222 00:17:26,092 --> 00:17:31,031 各藩の留守居役どもが 火事の普請逃れのために・ 223 00:17:31,031 --> 00:17:34,034 湯水のごとく 金を使い・ 224 00:17:34,034 --> 00:17:38,038 あとは 酒と女で丸め込もうと 大慌てじゃ。 225 00:17:38,038 --> 00:17:41,041 (お富)お常さんの具合 どうだい? (乙松)まだ 起きらんねえんだよ。 226 00:17:41,041 --> 00:17:44,044 それに おっぱいは さっぱり出ねえしよ。 227 00:17:44,044 --> 00:17:47,047 どれどれ あ~ よしよしよし。 さあ おいでおいで。・ 228 00:17:47,047 --> 00:17:50,050 あ~ よしよしよしよし。 かわいそうに かわいそうにね。・ 229 00:17:50,050 --> 00:17:52,052 あ~ よしよしよし おなかが すいてんのか?・ 230 00:17:52,052 --> 00:17:54,054 そうか そうか そうか。 231 00:17:54,054 --> 00:17:57,057 あたいのおっぱいが出たら あげたいのにね。 232 00:17:57,057 --> 00:18:00,060 おい! よう! 来たんだからよ。 来た 来た 来た。 233 00:18:00,060 --> 00:18:02,062 おう あいつだよ。 234 00:18:02,062 --> 00:18:06,066 (お千代)あの人? あんまり好きな感じじゃないな。 235 00:18:06,066 --> 00:18:09,066 そんなこと言わないで頼むよ。 ぜいたく 言ってられないんだよ。 236 00:18:21,081 --> 00:18:23,083 おっ お千代 うまくやった。 237 00:18:23,083 --> 00:18:26,086 そいじゃね 俺 旦那 呼んでくるわ。 238 00:18:26,086 --> 00:18:28,086 おう そうしてくれ。 239 00:18:34,027 --> 00:18:37,030 (お千代)ん~ん。 240 00:18:37,030 --> 00:18:40,033 (広瀬)ハッハッハッ お前の負けだ!・ 241 00:18:40,033 --> 00:18:43,036 さあ ほれ 着物を脱げ 着物を! 242 00:18:43,036 --> 00:18:47,040 ほら~ お前の負けだよ。 243 00:18:47,040 --> 00:18:52,040 ほれ ヘヘヘヘヘ。 (お千代)あ~あ。 244 00:18:58,051 --> 00:19:03,056 さあ いよいよだぞ。 覚悟はいいな? 245 00:19:03,056 --> 00:19:06,059 今度は負けない。 246 00:19:06,059 --> 00:19:08,059 それ。 247 00:19:17,070 --> 00:19:24,077 あの野郎… チッ よしよしよし 頑張れよな おい。 248 00:19:24,077 --> 00:19:30,077 (お千代)もう駄目 飲めない。 (広瀬)長じゅばんだ 脱げ脱げ。 249 00:19:33,019 --> 00:19:37,023 (お千代)もう嫌だ~。 250 00:19:37,023 --> 00:19:39,025 貴様 いやらしいんだ この野郎! 251 00:19:39,025 --> 00:19:42,028 お千代 大丈夫か? (広瀬)無礼者め! 252 00:19:42,028 --> 00:19:44,028 やめろ。 253 00:19:46,032 --> 00:19:51,037 (広瀬)成敗いたす! そこへ直れ! 薄汚ない役人野郎! 254 00:19:51,037 --> 00:19:54,040 ちょ… あっ ちょっと。 直… 直次郎! 255 00:19:54,040 --> 00:19:57,043 (広瀬)直れ! はい 直ります。 256 00:19:57,043 --> 00:19:59,045 (直次郎・丑松)あらさっさ~! 257 00:19:59,045 --> 00:20:02,048 (広瀬)何を! この野郎! 258 00:20:02,048 --> 00:20:05,051 てめえだな? 亀造じいさんを 斬ったって 不浄役人は。 259 00:20:05,051 --> 00:20:07,051 (広瀬)知るもんかい! 260 00:20:11,057 --> 00:20:15,061 じいさんは 明日をもしれねえ 命なんだぞ お糸ちゃん 残して! 261 00:20:15,061 --> 00:20:18,064 魚 1匹とよ じいさんの命 どっちが大事だか・ 262 00:20:18,064 --> 00:20:20,066 お前 知ってんのか? おい! 263 00:20:20,066 --> 00:20:23,069 留守居が お前 魚 買い占めてる っつうことじゃねえか。 264 00:20:23,069 --> 00:20:25,071 言ってもらおう。 265 00:20:25,071 --> 00:20:28,008 (広瀬)元締の九右衛門が…。 九右衛門が どうした! 266 00:20:28,008 --> 00:20:30,010 (広瀬)若い者を使って 触れさせたんだ。 267 00:20:30,010 --> 00:20:32,012 何を? 268 00:20:32,012 --> 00:20:39,019 (広瀬)タイは ご老中 水野の殿様の 好物と。 269 00:20:39,019 --> 00:20:43,019 旦那 こいつ どうする? 270 00:20:50,030 --> 00:20:53,033 (亀造)お… お糸。 271 00:20:53,033 --> 00:20:57,037 (お糸)おじいちゃん しっかりして。 272 00:20:57,037 --> 00:21:05,037 お糸 わしが残してやれるのは これだ。 273 00:21:09,049 --> 00:21:12,052 お… おじいちゃん? 274 00:21:12,052 --> 00:21:15,055 おじいちゃん。 275 00:21:15,055 --> 00:21:19,059 おじいちゃん! おじいちゃん! 276 00:21:19,059 --> 00:21:21,059 おじいちゃん。 277 00:21:24,064 --> 00:21:28,001 旦那 やっぱり 何もかも 九右衛門が? 278 00:21:28,001 --> 00:21:32,005 あの野郎ね だいぶ 銭の だぶついてる面してる。 279 00:21:32,005 --> 00:21:35,008 とっちめちまおう。 280 00:21:35,008 --> 00:21:38,011 俺たち ちょっと 急な用を思い出したんで。 281 00:21:38,011 --> 00:21:41,011 おい もう1軒 付き合え。 282 00:21:46,019 --> 00:21:48,019 お糸ちゃん。 283 00:22:02,035 --> 00:22:04,035 とっつぁん! 284 00:22:06,039 --> 00:22:13,046 とっつぁん… こんな傷ぐれえで 死ねねえっつったじゃねえかよ! 285 00:22:13,046 --> 00:22:18,046 とっつぁん…。 何で死んだんだよ。 286 00:22:20,053 --> 00:22:24,057 こんないい とっつぁん 持ってっちゃうなんて お前・ 287 00:22:24,057 --> 00:22:27,060 神様は あんまりだよな。 288 00:22:27,060 --> 00:22:41,060 ・~ 289 00:22:45,078 --> 00:22:50,083 (花房)武部さま 何とぞ お城 ご普請の 一件…。 290 00:22:50,083 --> 00:22:54,087 (奥山)手前ども 国元において 飢饉に続く 飢饉。・ 291 00:22:54,087 --> 00:22:57,090 おまけに 一昨年の夏 洪水に見舞われ・ 292 00:22:57,090 --> 00:23:01,094 10万両など とても 1万両で…。 293 00:23:01,094 --> 00:23:04,097 (小野寺)いや お手前方の藩は まだまだ裕福でござる。・ 294 00:23:04,097 --> 00:23:08,101 わが藩など 言うも哀れ 国元では かゆも すすれず・ 295 00:23:08,101 --> 00:23:11,104 芋や豆を食べているありさま。・ 296 00:23:11,104 --> 00:23:17,110 武部さま 何とぞ 何とぞ。 (奥山)何とぞ。 297 00:23:17,110 --> 00:23:23,116 (武部)うん 何とか 殿に お口添えだけはいたしておこう。 298 00:23:23,116 --> 00:23:25,116 (奥山・小野寺)ありがとう ございます。 299 00:23:29,055 --> 00:23:49,075 ・~ 300 00:23:49,075 --> 00:23:59,075 ・~ 301 00:24:03,089 --> 00:24:23,109 ・~ 302 00:24:23,109 --> 00:24:27,046 ・~ 303 00:24:27,046 --> 00:24:31,046 はっ! へいへい へい。 304 00:24:35,054 --> 00:24:37,056 (忠邦)呼んではおらぬぞ。 305 00:24:37,056 --> 00:24:41,060 いえ 確かに ただ今 お呼びになりましてございます。 306 00:24:41,060 --> 00:24:43,060 (忠邦)下がってよろしい。 307 00:24:52,071 --> 00:24:56,071 お茶を。 (忠邦)下がれと申したはずじゃぞ。 308 00:25:03,082 --> 00:25:06,085 あっ これは これは いけません。 火が消えております。 309 00:25:06,085 --> 00:25:12,091 (忠邦)ハハハハ 何が 申したいのじゃ? 申してみい。 310 00:25:12,091 --> 00:25:14,091 はっ。 311 00:25:20,099 --> 00:25:25,104 ご老中さまには タイがお好きだとか伺いましたが。 312 00:25:25,104 --> 00:25:30,043 (忠邦)タイか。 うん ありゃ なかなか うまい物じゃ。 313 00:25:30,043 --> 00:25:33,046 私も そのタイを持参いたそうと 思いましたところ・ 314 00:25:33,046 --> 00:25:36,049 無礼討ちに遭いましてござります。 315 00:25:36,049 --> 00:25:40,053 その方がか? そりゃ めでたいな。 316 00:25:40,053 --> 00:25:44,057 また そのようなことを。 私は このとおり・ 317 00:25:44,057 --> 00:25:47,060 どういうわけか ぴんぴんいたしております。 318 00:25:47,060 --> 00:25:50,063 (忠邦)フフッ。 アハハハハ。 319 00:25:50,063 --> 00:25:56,069 あの ご老中さま 西の丸 普請奉行は・ 320 00:25:56,069 --> 00:26:00,073 どなたかに お決まりになりまして ござりまするか? 321 00:26:00,073 --> 00:26:04,077 あの 実は 大火の後・ 322 00:26:04,077 --> 00:26:07,080 あちらの大名 こちらの大名の 留守居方が・ 323 00:26:07,080 --> 00:26:13,086 タイを買い占めまして 毎晩 タイに小判を食わせ・ 324 00:26:13,086 --> 00:26:16,089 大盤振る舞いを いたしているのでござります。 325 00:26:16,089 --> 00:26:21,089 (忠邦)うむ それで? それで どうしたのじゃ? 326 00:26:23,096 --> 00:26:29,035 ど… どうもいたしませぬが その続きは あらためまして・ 327 00:26:29,035 --> 00:26:34,035 また お話しにあがりまして ござりまする。 328 00:26:39,045 --> 00:26:44,050 ・(女の子たちの歌声) 329 00:26:44,050 --> 00:27:04,070 ・~ 330 00:27:04,070 --> 00:27:24,090 ・~ 331 00:27:24,090 --> 00:27:27,026 ・~ 332 00:27:27,026 --> 00:27:31,030 (清兵衛)お糸。 (お糸)あっ 番頭さん。 333 00:27:31,030 --> 00:27:36,035 (清兵衛)たな賃 たまってたな? (お糸)そんな…。・ 334 00:27:36,035 --> 00:27:40,039 確か おじいちゃんが みつき分 前渡ししたって 言ってました。 335 00:27:40,039 --> 00:27:45,044 いいや もらっちゃいないよ。 (お糸)えっ? 336 00:27:45,044 --> 00:27:47,046 悪いが この長屋 空けてもらうことに・ 337 00:27:47,046 --> 00:27:50,049 なるかもしれんな。 (お糸)待ってください! 338 00:27:50,049 --> 00:27:53,052 2~3日したら 必ず お支払いします。 339 00:27:53,052 --> 00:27:56,055 まあ 無理だな。 お前さん 1人の稼ぎだろ? 340 00:27:56,055 --> 00:27:58,057 この盤台 かたに預かっとこうか。 341 00:27:58,057 --> 00:28:01,060 (お糸)この盤台だけは やめてください!・ 342 00:28:01,060 --> 00:28:03,062 おじいちゃんの形見なんです。 343 00:28:03,062 --> 00:28:07,062 必ず 払います。 払います。 344 00:28:09,068 --> 00:28:13,072 ああ いた。 旦那 こんな のんきに 飲んでていいのかな? 345 00:28:13,072 --> 00:28:16,075 俺 この寒空 今まで見張ってたんだよ。 346 00:28:16,075 --> 00:28:19,078 どうだった? どうもこうもねえよ。 347 00:28:19,078 --> 00:28:23,082 あの留守居役のやつらさ 九右衛門の息のかかった・ 348 00:28:23,082 --> 00:28:26,082 梅本っていう料理茶屋で 派手にやってやがんだ。 349 00:28:28,020 --> 00:28:30,022 おい まあ 飲め。 350 00:28:30,022 --> 00:28:34,026 あっ また 目刺し 食っちゃって。 351 00:28:34,026 --> 00:28:37,029 チキショー 頭 くんなあ。 352 00:28:37,029 --> 00:28:40,032 何で 旦那 あんなの放っとくんだよ。 353 00:28:40,032 --> 00:28:42,034 俺たち 毎日 毎日 目刺し 食ってさ・ 354 00:28:42,034 --> 00:28:45,037 長屋の連中なんて 芋の煮っ転がしだよ。 355 00:28:45,037 --> 00:28:48,040 たまにはな うまい物と刺身で 1杯 やりたい。 チクショー。 356 00:28:48,040 --> 00:28:54,046 丑 お前 今 何が欲しい? 357 00:28:54,046 --> 00:28:57,049 何が欲しいって言われても…・ 358 00:28:57,049 --> 00:29:02,054 俺は やっぱり 決まってる 山吹色の こんなの 欲しいな。 359 00:29:02,054 --> 00:29:06,058 で その次は? その次? 360 00:29:06,058 --> 00:29:10,062 酒 まずいけど あるしな。 361 00:29:10,062 --> 00:29:14,066 カワイイ こんなのが 欲しい。 362 00:29:14,066 --> 00:29:16,068 そんなカワイイ子なんて いるのか? 363 00:29:16,068 --> 00:29:20,068 いるさ そら。 お糸ちゃんだってな すごい か…。 364 00:29:23,075 --> 00:29:27,075 お糸ちゃんとよ 俺 所帯 一緒に持っ…。 365 00:29:31,017 --> 00:29:33,017 お糸ちゃん! 366 00:29:39,025 --> 00:29:43,029 お糸 おじいちゃん 気の毒なことをしたな。 367 00:29:43,029 --> 00:29:46,032 1人で大変だろ?・ 368 00:29:46,032 --> 00:29:51,037 フフフフフ まあ そう恨めしそうな顔をするな。 369 00:29:51,037 --> 00:29:56,042 それは 私だって まさか斬るとは 思わなかったんだよ。・ 370 00:29:56,042 --> 00:30:00,046 そりゃ お役人が つい かっとなってな。・ 371 00:30:00,046 --> 00:30:04,050 フフフフフフ なあ お糸。 372 00:30:04,050 --> 00:30:09,055 嫁入りの前の娘が いつまでも男みてえに…。 373 00:30:09,055 --> 00:30:13,059 なっ どうだ? 374 00:30:13,059 --> 00:30:17,063 武家屋敷に 行儀見習いの奉公でも してみんか? 375 00:30:17,063 --> 00:30:22,068 いや わしに 心当たりがあるんで 口を利いてやってもいいんだよ。 376 00:30:22,068 --> 00:30:26,072 いいんです。 私 1人でやります。 377 00:30:26,072 --> 00:30:29,008 誰の世話にもなりません。 378 00:30:29,008 --> 00:30:33,012 お糸。 フフフ。 379 00:30:33,012 --> 00:30:36,012 あっ お糸ちゃん 出掛けようか? 380 00:30:40,019 --> 00:30:43,022 (お糸)イワシ イワシ! 381 00:30:43,022 --> 00:30:47,026 (お常)あっ おはよう やってるね。 (お富)お天気だからね。 382 00:30:47,026 --> 00:30:50,029 お糸ちゃん この辺でいいか? (お糸)ええ どうも。 383 00:30:50,029 --> 00:30:53,032 よっこらせっと。 ほら みんな 寄ってこい 寄ってこい。 384 00:30:53,032 --> 00:30:55,034 イワシだぞ イワシが来たんだぞ ほら。 385 00:30:55,034 --> 00:30:57,036 (お糸)いらっしゃい。 はい いらっしゃい。 386 00:30:57,036 --> 00:30:59,038 いいか? この お糸ちゃんの イワシ 買わねえとな・ 387 00:30:59,038 --> 00:31:01,040 この長屋中 みんな 火 付けて 燃やしちまうぞ! 388 00:31:01,040 --> 00:31:04,043 (お富)へ~ 娘さんの担ぎ売りかい? 389 00:31:04,043 --> 00:31:07,046 すいません。 今日は イワシしか仕入れできなくて。 390 00:31:07,046 --> 00:31:09,048 (熊)何 あっしらには このイワシが・ 391 00:31:09,048 --> 00:31:11,050 一番のごちそうなんだ。 なあ? (留)そうともよ。 392 00:31:11,050 --> 00:31:13,052 第一 タイみてえな魚 ごわごわして・ 393 00:31:13,052 --> 00:31:15,054 食えたもんじゃねえよな? (お富)食ったこともねえくせに。 394 00:31:15,054 --> 00:31:17,056 (留)何だと! つべこべ言ってねえで・ 395 00:31:17,056 --> 00:31:19,058 買うのか買わねえのか どっちだ この野郎! いいかい? 396 00:31:19,058 --> 00:31:23,062 ホントならな このイワシな 十で64文のところをだ! 397 00:31:23,062 --> 00:31:25,064 (熊)半値の32文だ。・ 398 00:31:25,064 --> 00:31:26,999 いっそ タダなら 全部 もらっちゃうぜ なあ おい。 399 00:31:26,999 --> 00:31:29,001 (留)おう そうだそうだ。 バカ 70文だよ。 400 00:31:29,001 --> 00:31:32,004 (お富)6文も高いじゃねえか。 (乙松)あの イワシ 食ったら・ 401 00:31:32,004 --> 00:31:35,007 おっぱい 出る? 何 それは? 402 00:31:35,007 --> 00:31:37,009 (熊)火事の夜に 産まれたからってよ・ 403 00:31:37,009 --> 00:31:39,011 火の付いたように こうして泣きっぱなしじゃあ・ 404 00:31:39,011 --> 00:31:41,013 お前も大変だよな。 (お富)昔から・ 405 00:31:41,013 --> 00:31:43,015 コイを食ったら おっぱいが よく出るようになるっていうけど・ 406 00:31:43,015 --> 00:31:46,018 池は凍ってて駄目だし 買えば高いしね。 407 00:31:46,018 --> 00:31:50,022 コイか…。 ああ よしよしよし おなか すいてんだね よしよし。・ 408 00:31:50,022 --> 00:31:54,026 ああ コイは買えないな。 (お糸)あの… コイなら私が。 409 00:31:54,026 --> 00:31:56,028 いえ 銭がないから いいですよ。 410 00:31:56,028 --> 00:31:59,031 河岸には もうないかもしれないけど・ 411 00:31:59,031 --> 00:32:03,035 どっか探して 今夜には届けます。 (乙松)えっ ホントですか? 412 00:32:03,035 --> 00:32:05,037 (乙松の笑い声) 413 00:32:05,037 --> 00:32:08,040 イワシ 買うのか買わねえのか! (お富)もらうよ もらうよ! 414 00:32:08,040 --> 00:32:11,043 よし まけてやっからね。 (平造)どけ この野郎! 415 00:32:11,043 --> 00:32:15,047 何だい こりゃ? こんな物が 食えるかっていうんだよ! 416 00:32:15,047 --> 00:32:18,050 何しやがんだ この野郎! (お糸)丑松さん! 417 00:32:18,050 --> 00:32:22,054 ちょっと待て お前ら! この野郎! あ痛っ。 418 00:32:22,054 --> 00:32:25,057 何しやがんだっつってんだ バカ! あ痛っ! 419 00:32:25,057 --> 00:32:29,061 (平造)こいつ! 何っつってんのに 痛っ! 420 00:32:29,061 --> 00:32:33,061 くそったれが! 人が せっかく 買ってきた魚を この野郎! 421 00:32:39,071 --> 00:32:42,074 (平造)ざまあみやがれ! (やくざたちの笑い声) 422 00:32:42,074 --> 00:32:46,078 (やくざ)ざまあみろ! 423 00:32:46,078 --> 00:32:49,081 くそったれ バカ! 424 00:32:49,081 --> 00:32:52,084 (お糸)大丈夫? 俺 大丈夫だけどよ・ 425 00:32:52,084 --> 00:32:54,086 イワシが みんな 泥まみれになっちまった。 426 00:32:54,086 --> 00:32:58,086 衣 付いちゃったよ チキショー。 427 00:33:01,093 --> 00:33:03,095 (お糸)あしたは買ってね。・ 428 00:33:03,095 --> 00:33:07,099 魚 仕入れさせてくれるかどうか 分からないけど・ 429 00:33:07,099 --> 00:33:11,103 駄目なら シジミ 持ってくるわ。 (お富)お糸ちゃん 任しといて。 430 00:33:11,103 --> 00:33:13,105 (熊)そうだそうだ。 何でも買ってやるぜ。 431 00:33:13,105 --> 00:33:15,105 (乙松)シジミは おっぱいに どうかね? 432 00:33:17,109 --> 00:33:21,109 小汚いまねしやがって… 河岸のやつらだな あいつら。 433 00:33:23,115 --> 00:33:28,115 元気 出せよ お糸ちゃん。 コイ 探すの 手伝ってやっからよ。 434 00:33:30,055 --> 00:33:34,055 大丈夫 私に任しといて。 435 00:33:40,065 --> 00:33:42,065 おじいちゃん。 436 00:33:44,069 --> 00:33:51,076 私は おじいちゃんの孫だもん。 誰にも負けない。 437 00:33:51,076 --> 00:33:53,078 堂々と ぶつかってやる。 438 00:33:53,078 --> 00:34:13,098 ・~ 439 00:34:13,098 --> 00:34:17,102 ・~ 440 00:34:17,102 --> 00:34:21,106 元締さんに会わせてください。 441 00:34:21,106 --> 00:34:25,110 たな賃 持ってきたのか? (お糸)いいえ。 442 00:34:25,110 --> 00:34:28,047 それじゃ 元締さんの言ってた お屋敷奉公のことか? 443 00:34:28,047 --> 00:34:31,050 (お糸)いいえ。 あの 元締さんは? 444 00:34:31,050 --> 00:34:34,050 じゃ 待っておれ。 445 00:34:48,067 --> 00:34:53,072 お糸 決心がついたのかい? 446 00:34:53,072 --> 00:34:58,077 (お糸)いいえ… コイを。 (九右衛門)コイ? 447 00:34:58,077 --> 00:35:00,079 赤ちゃんにあげるお乳が 出なくて・ 448 00:35:00,079 --> 00:35:04,083 困ってるお母さんがいるんです。 449 00:35:04,083 --> 00:35:06,085 私は魚屋です。 450 00:35:06,085 --> 00:35:08,087 お客さんに 欲しいって頼まれたら・ 451 00:35:08,087 --> 00:35:11,090 何とかして届けたいんです。 452 00:35:11,090 --> 00:35:16,095 でも 方々 探したけど どこにも見当たりませんでした。 453 00:35:16,095 --> 00:35:18,097 そりゃそうだろう。 454 00:35:18,097 --> 00:35:22,101 この寒中に コイなど たやすく手には入らんよ。・ 455 00:35:22,101 --> 00:35:25,104 フフフフフフ。・ 456 00:35:25,104 --> 00:35:30,042 だがな 私も 河岸で元締をしてる男だ。 457 00:35:30,042 --> 00:35:35,047 コイなど 何匹でも 欲しいだけ 声を掛ければ集まってくる。 458 00:35:35,047 --> 00:35:40,052 (お糸)お願いします。 赤ちゃんのために 1匹だけでも・ 459 00:35:40,052 --> 00:35:43,055 分けてあげてください。 (九右衛門)しかし・ 460 00:35:43,055 --> 00:35:49,055 人の頼みは聞かれない 自分の頼みは聞いてくれではな。 461 00:35:53,065 --> 00:35:56,068 (九右衛門)フフフ まあ しかたがないだろう。 462 00:35:56,068 --> 00:35:58,070 人助けなんだから。 463 00:35:58,070 --> 00:36:04,076 なあ お糸 お前 両国の 梅本って料理茶屋 知ってるかい? 464 00:36:04,076 --> 00:36:07,079 あそこにはな 大きな いけすが あって・ 465 00:36:07,079 --> 00:36:10,082 何匹もコイを飼ってるんだよ。 466 00:36:10,082 --> 00:36:12,084 (お糸)それじゃ…。 (九右衛門)うん・ 467 00:36:12,084 --> 00:36:15,087 使いは出しとくから 私からだと言って・ 468 00:36:15,087 --> 00:36:18,090 好きなだけ もらいなさい。 469 00:36:18,090 --> 00:36:20,090 (お糸)ありがとうございます。 470 00:36:30,035 --> 00:36:35,040 あの 両国の 梅本っていう 料理屋さんですけど この道を? 471 00:36:35,040 --> 00:36:38,043 (お千代)ああ 梅本なら知ってるけどさ・ 472 00:36:38,043 --> 00:36:41,046 うんとね… 一緒に行ってあげようか? 473 00:36:41,046 --> 00:36:43,048 (お糸)教えていただければ 私 1人で。 474 00:36:43,048 --> 00:36:46,051 ああ 私も 行かなきゃ なんないとこ あるしね。・ 475 00:36:46,051 --> 00:36:49,054 ここ 渡るでしょ。 そしたら 2つ目をね 右へ曲がるの。 476 00:36:49,054 --> 00:36:52,057 そうすると こういう感じの 松の木があるからさ・ 477 00:36:52,057 --> 00:36:54,057 そこ 真っすぐ真っすぐ行った 突き当たり。 478 00:36:56,061 --> 00:36:58,061 お糸ちゃん。 479 00:37:00,065 --> 00:37:04,069 お糸ちゃん 俺だよ 俺! 480 00:37:04,069 --> 00:37:10,075 お… いねえのかな? 481 00:37:10,075 --> 00:37:14,079 お糸ちゃん! 俺だよ! 482 00:37:14,079 --> 00:37:18,079 (女)うるさいね。 お糸ちゃんは コイを探しに行ったんだよ。 483 00:37:20,085 --> 00:37:22,085 すいません どうも。 484 00:37:24,089 --> 00:37:30,029 コイ 探しに? 何で こんな夜遅くに…。 485 00:37:30,029 --> 00:37:50,049 ・~ 486 00:37:50,049 --> 00:38:10,069 ・~ 487 00:38:10,069 --> 00:38:14,073 ・~ 488 00:38:14,073 --> 00:38:17,076 (お千代)ん~ みんな どこ行っちゃったのよ! 489 00:38:17,076 --> 00:38:19,078 空き巣に入られたって知らないよ。 490 00:38:19,078 --> 00:38:22,081 何だ お千代 お前 来てんのかよ。 えっ? 491 00:38:22,081 --> 00:38:26,085 あっ 旦那と丑 知らない? 知らないわよ。 492 00:38:26,085 --> 00:38:28,020 こないだのお礼に 飯でも食おうって言うから・ 493 00:38:28,020 --> 00:38:30,022 来てあげたのにさ。 494 00:38:30,022 --> 00:38:34,026 ねえ これからさ ちどり 行って ちょっと騒ごうか? 495 00:38:34,026 --> 00:38:37,029 いや ちょっとね 今日 旦那に急用なんだよ。 悪い なっ。 496 00:38:37,029 --> 00:38:39,031 だから ちどりとか いるんじゃないの? 497 00:38:39,031 --> 00:38:43,035 ちどりは 今日 いねえな。 どこ行ったんだろうな? 498 00:38:43,035 --> 00:38:47,039 あれ そうだ 昨日 両国の梅本の話 出たな。 499 00:38:47,039 --> 00:38:49,041 梅本? ああ。 500 00:38:49,041 --> 00:38:51,043 (お千代)ふ~ん ここ来る途中でもさ・ 501 00:38:51,043 --> 00:38:53,045 女の子に 道 聞かれたよ。 502 00:38:53,045 --> 00:38:55,047 梅本のか? (お千代)うん。 503 00:38:55,047 --> 00:38:58,050 はやってんのかね? あそこ。 はやってんだろうな。 504 00:38:58,050 --> 00:39:02,054 おう 俺ね ごめん ちょっと行ってくるからな。 505 00:39:02,054 --> 00:39:05,057 またな! (お千代)直さん! 506 00:39:05,057 --> 00:39:18,070 ・~ 507 00:39:18,070 --> 00:39:23,075 あ~ これはこれは まあ お歴々。 508 00:39:23,075 --> 00:39:25,077 (花房)何者だ? その方。 509 00:39:25,077 --> 00:39:31,016 小笠原 上杉 伊達家の お留守居役の皆さま方。 510 00:39:31,016 --> 00:39:35,020 お数寄屋坊主の 河内山 宗俊めにござります。 511 00:39:35,020 --> 00:39:38,023 (小野寺)お数寄屋? (奥山)では あの河内山! 512 00:39:38,023 --> 00:39:42,027 しかし お役目とはいいながら 日夜 酒攻め 小判攻め・ 513 00:39:42,027 --> 00:39:44,029 大変なことでござりましたな。 514 00:39:44,029 --> 00:39:49,034 それにしても 西の丸 ご普請の件が決まり・ 515 00:39:49,034 --> 00:39:52,037 ハア 何よりでござりました。 516 00:39:52,037 --> 00:39:55,037 (奥山)決まったのか? (花房)わが藩か? 517 00:39:57,042 --> 00:40:00,045 (小野寺)まさか わが藩では? 518 00:40:00,045 --> 00:40:02,047 (奥山)身共の藩では? 519 00:40:02,047 --> 00:40:19,064 ・~ 520 00:40:19,064 --> 00:40:21,066 おう。 521 00:40:21,066 --> 00:40:23,068 直! 何やってんだ お前 ここで。 522 00:40:23,068 --> 00:40:26,071 お… お前こそ 何で こんなとこいる? 523 00:40:26,071 --> 00:40:30,008 いや お糸ちゃん 何か あったんじゃないか? 524 00:40:30,008 --> 00:40:33,011 何で? いや さっき お千代がさ・ 525 00:40:33,011 --> 00:40:38,016 若え娘が こっちに来た っていうことを言ってたんだよ。 526 00:40:38,016 --> 00:40:40,018 お… お糸ちゃん ここじゃねえかな? 527 00:40:40,018 --> 00:40:44,018 ここだけの話でござりまするぞ。 (一同)うん。 528 00:40:46,024 --> 00:40:49,027 いや いやいや これは 言うわけには…。 529 00:40:49,027 --> 00:40:51,029 いやあ 困った。 530 00:40:51,029 --> 00:40:56,034 いやいや 茶坊主には茶坊主の おきてがござります。 531 00:40:56,034 --> 00:41:01,039 何事も 見ざる 言わざる 聞かざる これが第一でござります。 532 00:41:01,039 --> 00:41:03,041 ここまでは出てるんだが これから先へ…。 533 00:41:03,041 --> 00:41:07,041 (花房)そこを曲げて 何か 宗俊殿 一言 もらしてはくれぬか? 534 00:41:09,047 --> 00:41:18,047 実は 先日 さる ご老中の所へ お茶を運びましたるところ…。 535 00:41:21,059 --> 00:41:25,063 いや あ~ これは困りましたな。 536 00:41:25,063 --> 00:41:29,001 (小野寺)いえいえ そこを何とか曲げて・ 537 00:41:29,001 --> 00:41:32,004 宗俊殿 お願い申す。 教えてくれ! 538 00:41:32,004 --> 00:41:37,009 な… 何しろ 西の丸 ご普請は・ 539 00:41:37,009 --> 00:41:42,014 確か 1, 000万両かかる というような話故・ 540 00:41:42,014 --> 00:41:46,014 ちゅう ちゅう たこかいな。 541 00:41:48,020 --> 00:41:54,020 (小野寺)だから どうなったのか 教えてくれ 宗俊殿。 542 00:41:56,028 --> 00:42:02,034 では… 内分に。 543 00:42:02,034 --> 00:42:08,040 この話は 水野さまに聞けば 何事も分かります。 544 00:42:08,040 --> 00:42:12,040 何! (小野寺)宗俊 だましたな! 545 00:42:14,046 --> 00:42:18,050 茶坊主に このような物を出した ということが・ 546 00:42:18,050 --> 00:42:24,056 城中で知れ渡ると お家は ただでは済みませんぞ。 547 00:42:24,056 --> 00:42:29,061 くれぐれも 他言なきように。 548 00:42:29,061 --> 00:42:32,061 (笑い声) 549 00:42:34,066 --> 00:42:37,069 あれ? 何でえ 直。 550 00:42:37,069 --> 00:42:41,073 あの お糸がコイを探してるって。 コイ? 551 00:42:41,073 --> 00:42:43,075 (お糸の悲鳴) 552 00:42:43,075 --> 00:42:49,075 (九右衛門)フフフフフフ お糸 コイが欲しいか? 553 00:42:53,085 --> 00:42:56,088 (九右衛門)強情 張ると 痛い目に遭うぞ! 554 00:42:56,088 --> 00:42:58,090 (お糸)やめて! 人をだますなんて! 555 00:42:58,090 --> 00:43:01,090 (九右衛門)お糸! いいから 来るんだ! 556 00:43:06,098 --> 00:43:10,102 武部さま お気に召しましたで ございましょうか? 557 00:43:10,102 --> 00:43:16,108 (武部)うん 名は 何と申す? (九右衛門)お糸でございます。・ 558 00:43:16,108 --> 00:43:21,113 では ごゆるりと。 (武部)よし さあ お糸。・ 559 00:43:21,113 --> 00:43:23,115 これ お糸!・ 560 00:43:23,115 --> 00:43:26,118 よさぬか! 561 00:43:26,118 --> 00:43:28,118 ちょっと よせ! よせ! 562 00:43:30,055 --> 00:43:32,055 (武部)無礼者! 563 00:43:40,065 --> 00:43:42,065 こ~ら! 564 00:43:46,071 --> 00:43:51,076 やい 武部! その傷は 一生 傷だぞ! 565 00:43:51,076 --> 00:43:54,079 どぶネズミ! 566 00:43:54,079 --> 00:43:56,079 さあ。 567 00:44:09,094 --> 00:44:12,097 (お糸)こんばんは! コイがありました! 568 00:44:12,097 --> 00:44:16,101 あんた! コイが あったって! (乙松)えっ! コイ?・ 569 00:44:16,101 --> 00:44:22,107 コイ? あっ コイだ! 母ちゃん コイだよ!・ 570 00:44:22,107 --> 00:44:25,110 ありがとうございます。 (お常)ありがとうございました。 571 00:44:25,110 --> 00:44:29,047 たくさん食べて 赤ちゃんに たくさんのお乳・ 572 00:44:29,047 --> 00:44:32,050 飲ませてあげてくださいね。 (乙松・お常)はい! 573 00:44:32,050 --> 00:44:36,054 (武部)殿 お呼びで? (忠邦)ああ 入れ。 574 00:44:36,054 --> 00:44:38,054 (武部)はっ。 575 00:44:52,070 --> 00:44:56,074 武部 その方・ 576 00:44:56,074 --> 00:45:01,074 魚河岸の元締 森 九右衛門なる 者を 存じておるな? 577 00:45:03,081 --> 00:45:06,084 (武部)はっ。 (忠邦)んっ?・ 578 00:45:06,084 --> 00:45:10,084 その額の傷は どうした? 579 00:45:12,090 --> 00:45:14,090 話してみろ。 580 00:45:16,094 --> 00:45:20,098 フフフ ハハハ。 581 00:45:20,098 --> 00:45:24,098 (忠邦)これ! 茶を持て。 582 00:45:36,047 --> 00:45:40,047 どうも 遅くなりましてございます。 583 00:45:42,053 --> 00:45:48,059 おっ! 武部さん! 武士の額の向こう傷。 584 00:45:48,059 --> 00:45:53,064 いやあ 粋なもんだね。 ただ 相手が悪いよな 相手が。 585 00:45:53,064 --> 00:45:56,067 脇息を相手に 額に傷が付いたとなりゃ・ 586 00:45:56,067 --> 00:45:59,070 武士の面目 丸つぶれ。 (武部)黙れ! 587 00:45:59,070 --> 00:46:01,072 黙れ! 黙ってられるけえ そうじゃねえ! 588 00:46:01,072 --> 00:46:04,075 そうだろ? 589 00:46:04,075 --> 00:46:07,078 ご老中さま 先だっての話の続きを・ 590 00:46:07,078 --> 00:46:11,082 ただ今より しゃべらさして いただきますでございます。 591 00:46:11,082 --> 00:46:14,085 西の丸の大火をいいことに・ 592 00:46:14,085 --> 00:46:16,087 魚河岸の総元締 森 九右衛門と結託して・ 593 00:46:16,087 --> 00:46:18,089 各大名の留守居役から賂を取り…。 594 00:46:18,089 --> 00:46:21,092 殿 このような茶坊主風情の 申すこと…。 595 00:46:21,092 --> 00:46:23,094 茶坊主だからホントのこと 言えるんでえ! ねえ? 596 00:46:23,094 --> 00:46:25,096 (武部)黙れ! ただでは済まんぞ! 597 00:46:25,096 --> 00:46:27,032 こっちも ただじゃ済まさねえぞ おい! 598 00:46:27,032 --> 00:46:29,034 てめえは その上 お糸ちゃんという 生娘を手込めにして・ 599 00:46:29,034 --> 00:46:31,036 やろうとしたじゃねえ! そうじゃねえか! 600 00:46:31,036 --> 00:46:34,039 だから 俺は 脇息で てめえの でこを 割ってやったんだ! 601 00:46:34,039 --> 00:46:38,043 おい! 天下のご政道を預かる 水野さまの側用人をいいことに・ 602 00:46:38,043 --> 00:46:41,046 そんな悪いことをしてやったら てめえ 1人の 責任じゃねえんだ! 603 00:46:41,046 --> 00:46:46,051 水野さまだって この責任を! 黙れ! 宗俊 口が過ぎるぞ。 604 00:46:46,051 --> 00:46:49,054 少々 過ぎましてござりまする。 605 00:46:49,054 --> 00:46:51,056 武部。 (武部)はっ。 606 00:46:51,056 --> 00:46:55,060 追って 沙汰を致すまで 蟄居を命ずる。 607 00:46:55,060 --> 00:46:57,060 下がれ! 608 00:47:02,067 --> 00:47:05,067 ご沙汰を申し付ける。 609 00:47:07,072 --> 00:47:12,077 (忠邦)このたび 諸国の留守居役 倹約の令を わきまえず・ 610 00:47:12,077 --> 00:47:19,084 ふらちなる振る舞い 許し難く よって くだんの38名の者・ 611 00:47:19,084 --> 00:47:23,088 職を免じ 国元へ帰国を申し付ける。 612 00:47:23,088 --> 00:47:25,090 (お糸)はい サバですね! 613 00:47:25,090 --> 00:47:27,025 ほら 生きのいいイカだ 持っていけよな! 614 00:47:27,025 --> 00:47:30,028 ヘヘッ かみさんよ 旦那に うまい物 食わしてやってくれよ。 615 00:47:30,028 --> 00:47:33,031 頼むぜえ! おお 丑 武部 腹 切ったってよ! 616 00:47:33,031 --> 00:47:35,033 ホントか? それでな 九右衛門のやつは・ 617 00:47:35,033 --> 00:47:39,037 江戸 追放されたって! ざまあみろ! なあ! 618 00:47:39,037 --> 00:47:42,037 あら こっちも おなか 切らなきゃね。 619 00:47:44,042 --> 00:47:50,048 ヘヘヘヘ。 おい おい おい よ~し。 620 00:47:50,048 --> 00:47:53,051 (お常)おかげさまで こんなに元気になりました。 621 00:47:53,051 --> 00:47:55,053 そうか。 622 00:47:55,053 --> 00:47:57,053 (お常)あんた。 (乙松)はいはい はいはい。 623 00:48:05,063 --> 00:48:09,067 あっ ああ… してる。 624 00:48:09,067 --> 00:48:12,070 (一同)あ~。 625 00:48:12,070 --> 00:48:18,070 (一同の笑い声) 626 00:48:28,019 --> 00:48:30,021 <町火消が 命より大事な まといを・ 627 00:48:30,021 --> 00:48:32,023 定火消に奪われた> 628 00:48:32,023 --> 00:48:37,028 <威勢のいい まとい持ちは 組頭の元を去り 恋をも捨てて・ 629 00:48:37,028 --> 00:48:40,031 まといを取り返そうと 単身 火消し屋敷に向かう> 630 00:48:40,031 --> 00:48:44,035 <それを知った河内山は まとい持ちの危機を救うため・ 631 00:48:44,035 --> 00:48:46,037 火消し屋敷へ乗り込んだ> 632 00:48:46,037 --> 00:48:51,037 <次回 『痛快! 河内山宗俊』に ご期待ください>