1 00:01:59,146 --> 00:02:09,146 ・~ 2 00:02:21,168 --> 00:02:35,182 ・・(はやしの演奏) 3 00:02:35,182 --> 00:02:40,187 (長次)兄貴 いってくるぜ。 4 00:02:40,187 --> 00:02:45,192 ・・(はやしの演奏) 5 00:02:45,192 --> 00:02:51,198 ・~ 6 00:02:51,198 --> 00:02:54,201 (長次)おす。・ 7 00:02:54,201 --> 00:02:57,138 お前ら また 何か欲しそうな顔してんな。・ 8 00:02:57,138 --> 00:03:00,141 よし お土産 買ってきてやろう 何が欲しい? 9 00:03:00,141 --> 00:03:02,143 (子供たち)たこ! 10 00:03:02,143 --> 00:03:04,145 (長次)よし! じゃ たこ買ってきてやるぞ。 11 00:03:04,145 --> 00:03:07,148 (男)長さん お稼ぎなさいよ。 (長次)おう!・ 12 00:03:07,148 --> 00:03:10,151 おはようっす!・ 13 00:03:10,151 --> 00:03:12,153 おはようっす。・ 14 00:03:12,153 --> 00:03:14,153 じゃ 待ってろよ。 15 00:04:09,143 --> 00:04:14,148 (島吉)旦那 ことしからは 金で返してもらうよりも・ 16 00:04:14,148 --> 00:04:17,148 かたで取った方が商売になると 思うんですがね。 17 00:04:19,153 --> 00:04:23,157 (東蔵)しょっちゅう おんなし物 ばっかり食べさしてたんじゃ・ 18 00:04:23,157 --> 00:04:25,159 客も飽きるだろうから。 19 00:04:25,159 --> 00:04:28,159 (長次)旦那 できました。 20 00:04:33,167 --> 00:04:36,170 (東蔵)だいぶ びんをはったようだな。 21 00:04:36,170 --> 00:04:38,172 この方が ずっと お若く見えますよ。 22 00:04:38,172 --> 00:04:40,172 ・(長次)お嬢さん。 23 00:04:45,179 --> 00:04:49,179 (おこま)驚いた 長次じゃないの。 24 00:04:51,185 --> 00:04:55,189 (長次)御髪が乱れてますね。 ちょいと なでつけましょうか? 25 00:04:55,189 --> 00:05:00,127 ・・(はやしの演奏) 26 00:05:00,127 --> 00:05:12,139 ・~ 27 00:05:12,139 --> 00:05:14,139 清七。 28 00:05:16,143 --> 00:05:19,146 お前も なでつけてもらったら? (清七)いえ。 29 00:05:19,146 --> 00:05:22,149 私は 通いの髪結いが大嫌いで。 30 00:05:22,149 --> 00:05:27,154 でも 死んだ寅吉は腕が良かった。 ねえ 長次? 31 00:05:27,154 --> 00:05:32,159 (長次)へい やっぱり 兄貴だけのことはございました。 32 00:05:32,159 --> 00:05:34,161 だが しょせんは 通いの髪結い。 33 00:05:34,161 --> 00:05:37,164 意地汚く 振る舞い酒を飲み過ぎて・ 34 00:05:37,164 --> 00:05:39,166 よく かわやで 吐いてたよ。 35 00:05:39,166 --> 00:05:42,169 みっともないったらありゃしない。 36 00:05:42,169 --> 00:05:45,172 (東蔵)なでつけて もらってんのかい? 37 00:05:45,172 --> 00:05:47,174 (清七)去年の帳面は 全て蔵に納めてございます。 38 00:05:47,174 --> 00:05:49,174 (東蔵)ご苦労さん。 39 00:05:51,178 --> 00:05:53,180 (東蔵)あの 車坂の 石村さまだが・ 40 00:05:53,180 --> 00:05:56,183 五つ半にならないと 金が揃わないそうだ。 41 00:05:56,183 --> 00:05:59,119 利息と合わせて50両だったな。 42 00:05:59,119 --> 00:06:01,121 (長次)ありがとうございました。 43 00:06:01,121 --> 00:06:06,126 ・・(はやしの演奏) 44 00:06:06,126 --> 00:06:13,133 ・~ 45 00:06:13,133 --> 00:06:16,136 (長次)あっ どうも ありがとうございました。・ 46 00:06:16,136 --> 00:06:18,136 お邪魔さん。 (清七)長次。 47 00:06:24,144 --> 00:06:30,150 (清七)お前さんね 一銭職という 下がった商売してるんだよ・ 48 00:06:30,150 --> 00:06:33,153 分かるね? そういう人間がね・ 49 00:06:33,153 --> 00:06:35,155 店から ちょろちょろ出入りされちゃ・ 50 00:06:35,155 --> 00:06:37,157 店が困るんだよ!・ 51 00:06:37,157 --> 00:06:39,159 ああ それからね・ 52 00:06:39,159 --> 00:06:42,162 さっき お嬢さんの髪に 触ってたようだけど・ 53 00:06:42,162 --> 00:06:44,164 あれは やめておくれ あれは困るんだよ。・ 54 00:06:44,164 --> 00:06:47,167 金輪際 お嬢さんのそばには 近寄らないでおくれ。・ 55 00:06:47,167 --> 00:06:50,170 いいね? 分かったんだね? 56 00:06:50,170 --> 00:06:53,173 はい。 (長次)《今に見てやがれ》 57 00:06:53,173 --> 00:06:58,112 (子供たち)わ~い! 58 00:06:58,112 --> 00:07:01,115 (子供たちの拍手) 59 00:07:01,115 --> 00:07:03,117 (長次)まだまだ。・ 60 00:07:03,117 --> 00:07:06,117 よし 好きなの取んな。 61 00:07:09,123 --> 00:07:12,123 (子供たち)わ~い たこだ たこだ! 62 00:07:15,129 --> 00:07:17,131 (長次)お前は どうした? 63 00:07:17,131 --> 00:07:22,136 ・・(はやしの演奏) 64 00:07:22,136 --> 00:07:30,144 ・~ 65 00:07:30,144 --> 00:07:32,146 兄貴 ありがとう。・ 66 00:07:32,146 --> 00:07:37,146 わ~い わ~い… もらった。 67 00:07:42,156 --> 00:07:44,158 (直次郎)グーなしでいこう。 (丑松)グーなし。 68 00:07:44,158 --> 00:07:46,160 (直次郎)グーなし。 (丑松)あれ あれ。・ 69 00:07:46,160 --> 00:07:49,163 ねえ 俺 ここで待っててもいい? 70 00:07:49,163 --> 00:07:51,163 (直次郎)目つぶってろ。 71 00:08:01,108 --> 00:08:04,108 (宗俊)もうちょっと その着物を下ろしてくれねえか? 72 00:08:07,114 --> 00:08:11,118 (丑松)旦那 まだですか? 73 00:08:11,118 --> 00:08:13,118 (宗俊)もうちょっとだ。 74 00:08:15,122 --> 00:08:17,124 (宗俊)おい こっち 入ってこい。 75 00:08:17,124 --> 00:08:19,126 (直次郎)入っていいんですか? (宗俊)ああ いいよ。 76 00:08:19,126 --> 00:08:23,130 (丑松)見てもいいの? (宗俊)ああ 見してやら。 77 00:08:23,130 --> 00:08:26,133 (丑松)あら。 (宗俊)おい どうだい・ 78 00:08:26,133 --> 00:08:30,137 歌麿とはいかねえが ちょっとした物だろう? 79 00:08:30,137 --> 00:08:32,139 (丑松)ねえ 旦那 ずっと 絵 描いてたの? 80 00:08:32,139 --> 00:08:34,141 (宗俊)ああ そうだよ。・ 81 00:08:34,141 --> 00:08:36,141 お前たちの絵 できてる? 82 00:08:38,145 --> 00:08:52,145 ・(拍子木の音) 83 00:08:54,161 --> 00:09:05,161 (拍子木の音) 84 00:09:10,110 --> 00:09:16,110 (拍子木の音) 85 00:09:18,118 --> 00:09:21,118 (拍子木の音) 86 00:09:31,131 --> 00:09:35,135 (清七)あ痛っ 痛っ 何を… 痛っ やめてください。・ 87 00:09:35,135 --> 00:09:37,135 痛っ 痛っ…。 88 00:09:46,146 --> 00:09:51,146 (清七)あっ それは…。 あ痛っ 痛っ 痛い。 89 00:09:58,092 --> 00:10:00,094 (店主)いらっしゃい。 90 00:10:00,094 --> 00:10:03,094 (長次)きつねくれ。 (店主)へい。 91 00:10:13,107 --> 00:10:15,109 (店主)中のお帰りですか?・ 92 00:10:15,109 --> 00:10:17,109 いい子 いましたか? 93 00:10:38,132 --> 00:10:42,132 (太吉)お酒 冷やでいい。 (店主)はい。 94 00:10:48,142 --> 00:11:01,088 ・~ 95 00:11:01,088 --> 00:11:05,088 (太吉の むせた音) 96 00:11:09,096 --> 00:11:12,099 (太吉の むせた音) (太吉)もう1杯。 97 00:11:12,099 --> 00:11:19,099 (太吉の むせた音) 98 00:11:23,110 --> 00:11:25,110 (店主)坊やは強いね。 99 00:11:27,114 --> 00:11:30,114 (太吉の むせた音) 100 00:11:42,129 --> 00:11:44,131 (店主)坊や 勘定! (長次)とっつぁん いいんだ・ 101 00:11:44,131 --> 00:11:48,135 俺 払うよ これで いいか? 102 00:11:48,135 --> 00:11:51,135 (店主)おう お釣。 (長次)取っときね。 103 00:12:00,147 --> 00:12:03,150 (長次)おう 坊主 どうしたんだい? 104 00:12:03,150 --> 00:12:05,152 (太吉の しゃっくり) 105 00:12:05,152 --> 00:12:09,152 (長次)そうか 借金のかたに 姉ちゃん 取られちまうのかい。 106 00:12:15,162 --> 00:12:20,162 うどん屋で 1杯 飲んで ぶすっとやる気だったんだな。 107 00:12:27,174 --> 00:12:30,177 (長次)幾らだ? 108 00:12:30,177 --> 00:12:32,177 (太吉の しゃっくり) 109 00:12:36,183 --> 00:12:38,185 (太吉)言ったって無駄だよ。 110 00:12:38,185 --> 00:12:42,189 (長次)人の風体 見て 嫌ながきだな。・ 111 00:12:42,189 --> 00:12:45,192 言ってみな。 112 00:12:45,192 --> 00:12:47,194 (太吉の しゃっくり) 113 00:12:47,194 --> 00:12:49,194 (太吉)10両。 114 00:13:07,147 --> 00:13:09,147 ・(包丁が井戸に落ちた音) 115 00:13:17,157 --> 00:13:20,160 こんなに いいのかい? 116 00:13:20,160 --> 00:13:22,160 取っときね。 117 00:13:28,168 --> 00:13:32,172 (おはる)おじいちゃん! (島吉)証文だ。 118 00:13:32,172 --> 00:13:35,175 (太兵衛)お願いでございます。 せめて もう1日・ 119 00:13:35,175 --> 00:13:37,177 半日の ご猶予を。 120 00:13:37,177 --> 00:13:41,181 (島吉)1日 遅れりゃな それだけ 利息が高くなるってもんだ。 121 00:13:41,181 --> 00:13:44,184 お前のため思って 娘 連れてくんだ。 122 00:13:44,184 --> 00:13:47,187 (男)さあ こんな小汚えうちに いるよりかさ・ 123 00:13:47,187 --> 00:13:50,190 もっと いい思いさせてやろう っつってんじゃねえか。・ 124 00:13:50,190 --> 00:13:52,192 さあ 来い。 (おはる)おじいちゃん! 125 00:13:52,192 --> 00:13:54,194 (島吉)ほれほれ…。 (男)甘ったれんじゃねえ・ 126 00:13:54,194 --> 00:13:58,131 この尼! (おはる)おじいちゃん! 127 00:13:58,131 --> 00:14:01,134 (島吉)これ 何やってんだ。 128 00:14:01,134 --> 00:14:03,136 (おはる)おじいちゃん! 129 00:14:03,136 --> 00:14:05,138 (男)な… 何しやがんだ このがきゃ! 130 00:14:05,138 --> 00:14:08,138 金だ! 金 返せば 文句ねえだろう! 131 00:14:11,144 --> 00:14:13,146 (太吉)姉ちゃん。 132 00:14:13,146 --> 00:14:15,148 おう こら 待て…。 (島吉)バカヤロー。 133 00:14:15,148 --> 00:14:19,148 まあ しょうがねえや 金が戻れば しょうがねえや なっ。 134 00:14:21,154 --> 00:14:24,157 太吉 どうしたの あんなお金? 135 00:14:24,157 --> 00:14:26,159 神様から もらったんだ。 136 00:14:26,159 --> 00:14:28,161 神様? 137 00:14:28,161 --> 00:14:30,161 まだ あるんだぜ。 138 00:14:33,166 --> 00:14:35,168 (太吉)おじいちゃん もう心配いらねえよ。 139 00:14:35,168 --> 00:14:38,171 (太兵衛)太吉…。 140 00:14:38,171 --> 00:14:41,171 (太吉)いいよ 泣かなくて いいよ。 141 00:14:51,184 --> 00:14:53,186 (男)ありがとうございました。 142 00:14:53,186 --> 00:14:55,188 (宗俊)おいおいおい どうだ・ 143 00:14:55,188 --> 00:14:59,126 俺の絵も まんざら 捨てたもんじゃねえだろう? 144 00:14:59,126 --> 00:15:02,126 おい あれは 練塀小路の 河内山だ。 145 00:15:04,131 --> 00:15:08,135 あの 河内山の旦那じゃ? (宗俊)おう。 146 00:15:08,135 --> 00:15:11,138 あの あっしは この店を預かっております・ 147 00:15:11,138 --> 00:15:13,140 島吉という者でございます。 (宗俊)おう。 148 00:15:13,140 --> 00:15:15,142 今後も よろしく かわいがってください。 149 00:15:15,142 --> 00:15:17,144 (宗俊)面白かったぜ。 150 00:15:17,144 --> 00:15:19,146 あっ ちょっと お連れの…。 (直次郎)えっ そりゃ いけねえよ。 151 00:15:19,146 --> 00:15:21,148 いえ ほんの かご代でございます。 152 00:15:21,148 --> 00:15:23,150 (直次郎)そんなんしたら 今度 来られなくなっちゃう…。 153 00:15:23,150 --> 00:15:26,153 (島吉)また お寄りくださいまし。 (直次郎)3両 出しましたよ。・ 154 00:15:26,153 --> 00:15:29,156 どうします? もらっとけ。 155 00:15:29,156 --> 00:15:31,158 (直次郎)こりゃ どうも。 (丑松)直・ 156 00:15:31,158 --> 00:15:34,161 せっかく もらったんだから もう1回 戻ろう。 157 00:15:34,161 --> 00:15:37,161 (直次郎)駄目だ それは粋にならねえんだよ。 158 00:15:39,166 --> 00:15:42,169 (丑松)あの店のあるじはね 平戸屋 東蔵ですよ。 159 00:15:42,169 --> 00:15:46,173 気立てのいい旦那面はうわべだけ。 裏へ回りゃね・ 160 00:15:46,173 --> 00:15:49,176 借金のかたに 娘や 人のかかあ しょっ引いてきちゃ・ 161 00:15:49,176 --> 00:15:51,178 あの店で 客 取らしたりしてんの 嫌な野郎だ。 162 00:15:51,178 --> 00:15:55,182 (直次郎)あ~ それで あいつ 3両 出したのか。 163 00:15:55,182 --> 00:15:57,117 こりゃ いいこと聞いた。 164 00:15:57,117 --> 00:16:00,117 ねえ 旦那 これから ちょくちょく遊び行きましょう。 165 00:16:03,123 --> 00:16:06,123 何だ ありゃ? えっ? 166 00:16:14,134 --> 00:16:16,136 (清七)あの もし…。 167 00:16:16,136 --> 00:16:19,139 何ですか? 168 00:16:19,139 --> 00:16:22,142 この川は深うございますか? 169 00:16:22,142 --> 00:16:24,144 そりゃ もう 深いですよ。 170 00:16:24,144 --> 00:16:26,146 それが どうかしましたか? 171 00:16:26,146 --> 00:16:28,148 はい。 172 00:16:28,148 --> 00:16:38,158 私は この川に身を投げて 死のうと思ってるんでございます。 173 00:16:38,158 --> 00:16:41,161 どうぞ お止めにならないで くださいまし。 174 00:16:41,161 --> 00:16:44,164 どうぞ 止めませんよ。 175 00:16:44,164 --> 00:16:46,166 何て世の中だ。 176 00:16:46,166 --> 00:16:50,170 人が死ぬっていうのに 助けもしないで・ 177 00:16:50,170 --> 00:16:53,173 見物しようってんだから。・ 178 00:16:53,173 --> 00:16:55,173 チクショー。 179 00:16:58,111 --> 00:17:01,114 あ~ あれ あ~! 180 00:17:01,114 --> 00:17:03,116 あら。 ほら! 181 00:17:03,116 --> 00:17:05,118 こうなりゃ いけ! やってみろ! 182 00:17:05,118 --> 00:17:09,122 男1匹! ほら そうだ! 183 00:17:09,122 --> 00:17:12,125 (丑松・直次郎)それ! おっと…。 184 00:17:12,125 --> 00:17:15,128 もうちょっと おい。 何だよ。 185 00:17:15,128 --> 00:17:18,131 しっかりやれ! 186 00:17:18,131 --> 00:17:20,133 おい ほれ。 あら! 187 00:17:20,133 --> 00:17:23,136 惜しいな。 188 00:17:23,136 --> 00:17:36,149 ・~ 189 00:17:36,149 --> 00:17:38,151 (清七)恐れ入りますが・ 190 00:17:38,151 --> 00:17:42,155 私が この川に身を投げて 死んだということを・ 191 00:17:42,155 --> 00:17:47,160 平戸屋にお知らせお願いします。 ごめんくださいまし。 192 00:17:47,160 --> 00:17:50,163 おうおうおう 待ちねえな お前。 193 00:17:50,163 --> 00:17:52,163 平戸屋っつったら お前。 194 00:17:54,167 --> 00:17:59,105 どういう訳で 死ぬか知らねえが まあ 話だけでも聞こうじゃねえ。 195 00:17:59,105 --> 00:18:03,109 えっ こっち来な。 おう お前たち 先に帰ってろ。 196 00:18:03,109 --> 00:18:05,111 へい! 197 00:18:05,111 --> 00:18:08,114 思いがけねえ川端で…。 198 00:18:08,114 --> 00:18:10,116 お前と俺と2人きり…。 199 00:18:10,116 --> 00:18:14,120 3両あるから…。 (丑松・直次郎)1杯やっか。・ 200 00:18:14,120 --> 00:18:16,120 行こう…。 201 00:18:18,124 --> 00:18:22,128 (東蔵)もういっとき遅れれば 清七が命のないところを・ 202 00:18:22,128 --> 00:18:27,133 天の助け 河内山さまのお口利きとあれば・ 203 00:18:27,133 --> 00:18:32,138 私も男 50両は きっぱり諦めましょう。 204 00:18:32,138 --> 00:18:35,141 ところで 平戸屋。 205 00:18:35,141 --> 00:18:38,144 お前 バカに面白え商売 始めたな。 206 00:18:38,144 --> 00:18:42,148 えっ 何のことでございましょう? 207 00:18:42,148 --> 00:18:46,152 稲荷町の絵草紙屋よ。 208 00:18:46,152 --> 00:18:54,160 お前の若い衆が 俺に 3両もの大金をくれたぜ。 209 00:18:54,160 --> 00:18:59,099 俺が一言 物を言や 三代続いたこの店ののれんを・ 210 00:18:59,099 --> 00:19:04,104 脚絆に巻き替えて 江戸を追われる身になるぜ。 211 00:19:04,104 --> 00:19:07,107 (笑い声) 212 00:19:07,107 --> 00:19:10,110 何も そう硬くなることはねえ。 213 00:19:10,110 --> 00:19:14,114 何かあったら 俺んとこに訪ねてきな。 214 00:19:14,114 --> 00:19:18,118 あの 旦那はね その 意外と その・ 215 00:19:18,118 --> 00:19:20,120 張り方 知ってるようで 知らないからな。 216 00:19:20,120 --> 00:19:24,124 まあ いいじゃん そんなことよ。 なあ 姉さんのさ・ 217 00:19:24,124 --> 00:19:26,126 行くときの お前 うれしそうな顔 見ただろう? 218 00:19:26,126 --> 00:19:29,129 ホントだな。 うれしくて しょうがねえんだよ。 219 00:19:29,129 --> 00:19:31,131 ああいうとこは いいとこあんな 旦那な。 220 00:19:31,131 --> 00:19:34,134 (中盆)さあ張った さあ ないか さあ ないか? 221 00:19:34,134 --> 00:19:37,137 そこに座るんだ。 (お滝)そこ はい。 222 00:19:37,137 --> 00:19:39,139 (男)丁! (男)そこだ! 223 00:19:39,139 --> 00:19:42,142 (中盆)丁方ないか 丁方ないか はい 半方ないか? どうぞ。 224 00:19:42,142 --> 00:19:45,145 丁。 (男)半! 225 00:19:45,145 --> 00:19:47,147 (お滝)旦那 どうすんのさ どっち? 226 00:19:47,147 --> 00:19:50,150 どうするって これは 丁か 半しかねえんだから。 227 00:19:50,150 --> 00:19:53,153 丁か半… でも どっちさ? 228 00:19:53,153 --> 00:19:55,155 丁 丁 丁張れ 丁。 229 00:19:55,155 --> 00:19:58,091 うん じゃ 半。 230 00:19:58,091 --> 00:20:01,094 (中盆)勝負 グニの半。 231 00:20:01,094 --> 00:20:05,094 勝った 勝った 勝った ちょうだい ちょうだい ちょうだい…。 232 00:20:09,102 --> 00:20:11,104 (中盆)さあ張った さあ張った。 233 00:20:11,104 --> 00:20:13,106 おい 半だよ 半! 234 00:20:13,106 --> 00:20:15,108 丁! 235 00:20:15,108 --> 00:20:17,110 半! 236 00:20:17,110 --> 00:20:20,113 (男)丁。 (中盆)勝負。・ 237 00:20:20,113 --> 00:20:23,113 ピンゾロの丁。 (お滝)やった! 238 00:20:32,125 --> 00:20:34,127 (中盆)さあ張った さあ ないか さあ どうぞ。・ 239 00:20:34,127 --> 00:20:36,129 さあ張った 張った。 さあ ないか ないか?・ 240 00:20:36,129 --> 00:20:38,131 半方ないか 半方ないか? 241 00:20:38,131 --> 00:20:40,133 (お滝)旦那も張れば? 242 00:20:40,133 --> 00:20:43,136 (中盆)さあ ないか ないか? はい 半方ないか 半方ないか?・ 243 00:20:43,136 --> 00:20:45,138 丁方ないか? (お滝)丁! 244 00:20:45,138 --> 00:20:47,140 (中盆)それ 全部でございますか? (お滝)丁! 245 00:20:47,140 --> 00:20:49,142 (男)丁。 (男)丁! 246 00:20:49,142 --> 00:20:52,145 (中盆)半方 足りない 半方 足りない 半方 もう一声。 247 00:20:52,145 --> 00:20:54,147 半! 248 00:20:54,147 --> 00:20:56,149 半方 幾ら足りねえ? (中盆)3両2分。 249 00:20:56,149 --> 00:20:59,085 よし 取った 半! (中盆)勝負。・ 250 00:20:59,085 --> 00:21:11,097 サンピンの丁。 (一同の ざわめき) 251 00:21:11,097 --> 00:21:14,100 (長次)女将さん よろしゅうございましたね。・ 252 00:21:14,100 --> 00:21:18,104 強いや。 ねえ 河内山の旦那? うん。 253 00:21:18,104 --> 00:21:23,109 お前 俺を知ってるのかい? (長次)ええ そりゃ もう。 254 00:21:23,109 --> 00:21:25,111 ただいま! おう 帰ってきた。 255 00:21:25,111 --> 00:21:28,114 おかえりなさい! おかえりなさい。 256 00:21:28,114 --> 00:21:31,117 (直次郎・丑松)あら~。 姉さん どうだったの? 257 00:21:31,117 --> 00:21:33,119 (お滝)ちょっと見て この顔 見て。 いいね あれれ。 258 00:21:33,119 --> 00:21:35,121 見てる 見てる 見てる。 どうした どうなってんだ おい? 259 00:21:35,121 --> 00:21:37,123 (お滝)ちょっと ちょっと 聞いてよ 聞いてよ。 260 00:21:37,123 --> 00:21:39,125 聞いてる 聞いてる… 聞いてるって! 261 00:21:39,125 --> 00:21:41,127 ついちゃって ついちゃって もう。 勝った? 262 00:21:41,127 --> 00:21:43,129 うん。 うお~! 263 00:21:43,129 --> 00:21:45,131 姉さん 勝ったの? そうよ。 264 00:21:45,131 --> 00:21:48,134 ちょっと お小遣い お小遣い たくさん あげちゃうからね。 265 00:21:48,134 --> 00:21:51,137 その代わり 今度 行くときは 私が連れてってあげるから・ 266 00:21:51,137 --> 00:21:53,139 何でも聞いてちょうだい。 聞く 聞く。 267 00:21:53,139 --> 00:21:55,141 何でも 姉さんの言うとおりにする! 268 00:21:55,141 --> 00:21:58,144 旦那! 旦那 今日 良かったんだってね。 269 00:21:58,144 --> 00:22:00,146 姉さん 喜んじゃってる。 まあ まあ こっち来な。 270 00:22:00,146 --> 00:22:03,149 えっ こっち来い こっち。 271 00:22:03,149 --> 00:22:06,152 (長次)お邪魔します。 (お滝)さあ どうぞ どうぞ。 272 00:22:06,152 --> 00:22:10,156 姉さん あれ 誰よ? 誰? 273 00:22:10,156 --> 00:22:13,159 あの人も またね この張りっぷりがいいの。 274 00:22:13,159 --> 00:22:15,161 私と差しになっちゃってさ。 275 00:22:15,161 --> 00:22:19,161 まあ 負けっぷりもいいけど… いい男。 276 00:22:21,167 --> 00:22:27,173 そうかな? 旦那よ 新しもん好きだな。 277 00:22:27,173 --> 00:22:32,178 そうか お前 俺の顔とあいつ どっちいいと思う? 278 00:22:32,178 --> 00:22:35,181 お前と? うん。 279 00:22:35,181 --> 00:22:42,188 お前よ こうだしよ あっちは お前 こう! 280 00:22:42,188 --> 00:22:45,191 さあ お一つ どうぞ。 (長次)いや・ 281 00:22:45,191 --> 00:22:51,197 あっしは 酒はやらないんです。 (お滝)おや まあ お固い。 282 00:22:51,197 --> 00:22:57,136 実は あっしには兄貴がおりまして・ 283 00:22:57,136 --> 00:23:00,139 血は つながっちゃいねえんですけど・ 284 00:23:00,139 --> 00:23:03,142 この兄貴は 酒飲むってえと 誰彼 見境なく・ 285 00:23:03,142 --> 00:23:07,146 こう 人に おごっちまうんです。 286 00:23:07,146 --> 00:23:15,154 借金だらけになっちまって とうとう その借金のかたに・ 287 00:23:15,154 --> 00:23:17,154 いい人でしたけど…。 288 00:23:20,159 --> 00:23:23,162 姉さん 取られちまったんですよ。・ 289 00:23:23,162 --> 00:23:27,162 揚げ句の果てが 悪い病で死んじまいました。 290 00:23:29,168 --> 00:23:35,168 兄貴は兄貴で あっしが目を離した隙に…。 291 00:23:40,179 --> 00:23:43,182 かわやで ぶら下がっちまってたんで ございます。 292 00:23:43,182 --> 00:23:46,185 で お前の兄貴は 誰に銭を借りたんだ? 293 00:23:46,185 --> 00:23:48,185 得意先の平戸屋から。 294 00:23:51,190 --> 00:23:53,192 平戸屋? 295 00:23:53,192 --> 00:23:55,192 (清七と手代たち) いってらっしゃいませ。 296 00:24:06,139 --> 00:24:09,142 (清七)お前たち 私は蔵の整理してますからね・ 297 00:24:09,142 --> 00:24:12,145 店の方 頼みますよ。 (島吉)旦那 入りやしたよ。 298 00:24:12,145 --> 00:24:15,148 幾つだい? (島吉)16で。 299 00:24:15,148 --> 00:24:19,152 16… うん 2~30年は稼がせられるな。 300 00:24:19,152 --> 00:24:21,154 (島吉)へい。・ 301 00:24:21,154 --> 00:24:23,156 で 旦那に味見をしていただこうと 思いましてね。 302 00:24:23,156 --> 00:24:27,156 (東蔵の笑い声) 303 00:24:35,168 --> 00:24:37,168 こっちを向きなさい。 304 00:24:40,173 --> 00:24:45,173 (東蔵)ウッ ウフフッ… 着物をお脱ぎ。 305 00:24:50,183 --> 00:24:54,187 (東蔵)さあさあ 私が手伝ってあげようね。・ 306 00:24:54,187 --> 00:24:57,123 さあさあさあさあ。 おっとっとっと。 307 00:24:57,123 --> 00:25:17,143 ・~ 308 00:25:17,143 --> 00:25:21,147 ・~ 309 00:25:21,147 --> 00:25:25,151 あっ 何だよ? (お滝)何だじゃありませんよ。 310 00:25:25,151 --> 00:25:27,153 旦那のたもとから落ちたんですよ。 311 00:25:27,153 --> 00:25:30,156 捨てちまえ。 そうはいきませんよ。 312 00:25:30,156 --> 00:25:33,159 何 これ 裸の女… うわ いやらしい。 313 00:25:33,159 --> 00:25:35,161 旦那 描いたの? そうじゃねえんだよ。 314 00:25:35,161 --> 00:25:38,164 今 あの お城じゃな・ 315 00:25:38,164 --> 00:25:40,166 この絵を 描くことがはやってるんだ。 316 00:25:40,166 --> 00:25:42,168 将軍さまと老中だって みんな…。 317 00:25:42,168 --> 00:25:44,170 これは お前 水野さまが描いたんだぜ! 318 00:25:44,170 --> 00:25:48,174 えっ 水野さまが こんな裸の女? 319 00:25:48,174 --> 00:25:51,177 そりゃ まあ たまには 着物 着てるときもあるけどよ。 320 00:25:51,177 --> 00:25:55,181 どうでえ 一遍 お前を描いてやる なっ。 321 00:25:55,181 --> 00:25:57,116 嫌だ。 描いてやる。 322 00:25:57,116 --> 00:25:59,118 ねえ 旦那 裸になって 私に描かして。 323 00:25:59,118 --> 00:26:02,121 ・旦那! おう! 324 00:26:02,121 --> 00:26:07,126 あの 練塀小路にね 平戸屋さんが 旦那に話があるって・ 325 00:26:07,126 --> 00:26:09,128 来たんですよ。 で お連れしたんですけど。 326 00:26:09,128 --> 00:26:13,132 えっ? ほら 例の絵草紙屋の。 あ痛っ。 327 00:26:13,132 --> 00:26:16,135 (お滝)ちょっと 絵草紙屋って何よ? 328 00:26:16,135 --> 00:26:19,138 何かあったのか? 329 00:26:19,138 --> 00:26:27,146 実は 絵草紙屋で清七をやったのと 同じ男に襲われまして・ 330 00:26:27,146 --> 00:26:30,149 50両ほど取られたんでございます。 331 00:26:30,149 --> 00:26:35,154 あの 何だか 顔に あの 歌舞伎絵のような物を貼った・ 332 00:26:35,154 --> 00:26:37,156 すばしっこい男で。 333 00:26:37,156 --> 00:26:40,159 ねえ 旦那 とにかくね 今夜から 俺が 平戸屋へ泊まりこんでね。 334 00:26:40,159 --> 00:26:43,162 俺が行くよ お前 そりゃ 俺の方が腕が立つんだから・ 335 00:26:43,162 --> 00:26:45,164 用心棒に俺が行く。 何 言ってやがんだ 俺はな・ 336 00:26:45,164 --> 00:26:47,166 だいたい やった野郎のめぼし 立ててんだぞ。 337 00:26:47,166 --> 00:26:49,168 あれはな 平戸屋に銭を借りてるやつ・ 338 00:26:49,168 --> 00:26:52,171 それに違えねえよ。 俺も そう思ってたんだ 今。 339 00:26:52,171 --> 00:26:55,174 あれ? この前の清七といいさ・ 340 00:26:55,174 --> 00:26:57,110 今回といい… 人を泣かして お前・ 341 00:26:57,110 --> 00:27:01,114 銭もうけてるやつらはな 許せねえよな? 342 00:27:01,114 --> 00:27:03,116 許せねえ。 天罰てきめんだ。 343 00:27:03,116 --> 00:27:05,118 あれ? 何? 344 00:27:05,118 --> 00:27:09,122 あれ? 何で見てねえんだ お前? 345 00:27:09,122 --> 00:27:11,124 俺は… いや 見てたけど。 346 00:27:11,124 --> 00:27:13,126 いねえじゃねえ。 347 00:27:13,126 --> 00:27:21,134 ・・(子供たちの歌声) 348 00:27:21,134 --> 00:27:26,139 ・・(長次と子供たちの歌声) 349 00:27:26,139 --> 00:27:46,159 ・~ 350 00:27:46,159 --> 00:28:06,112 ・~ 351 00:28:06,112 --> 00:28:12,118 ・~ 352 00:28:12,118 --> 00:28:16,122 ばあ~!・ 353 00:28:16,122 --> 00:28:20,126 よ~し ほら ほい。・ 354 00:28:20,126 --> 00:28:24,130 ほれ ほら ほれ。・ 355 00:28:24,130 --> 00:28:26,130 ほらよ。 356 00:28:34,140 --> 00:28:37,143 あの清七さんは いいお人だ。 357 00:28:37,143 --> 00:28:41,147 仕事熱心だし 女遊び1つするわけじゃなし・ 358 00:28:41,147 --> 00:28:44,150 あれじゃ お嬢さんがほれるのは 無理はねえやな。 359 00:28:44,150 --> 00:28:47,153 でも ああ 蔵の中で 年がら年中 2人っきりじゃ・ 360 00:28:47,153 --> 00:28:51,157 体に よくありませんよね? 361 00:28:51,157 --> 00:28:57,096 お前さん 今 何っつった えっ 娘が 清七と? 362 00:28:57,096 --> 00:29:00,099 ああ こりゃ つい 口が滑って・ 363 00:29:00,099 --> 00:29:02,101 でもね 旦那・ 364 00:29:02,101 --> 00:29:07,101 あたしゃ 坊主の頭と嘘は 言ったことがないんですよ。 365 00:29:12,111 --> 00:29:14,111 ・(ふすまの閉まる音) 366 00:29:44,143 --> 00:29:48,147 (東蔵)この不届者め! (清七)あっ 旦那さま。 367 00:29:48,147 --> 00:29:51,150 (東蔵)親の膝元近くで 娘に不義を仕掛けるとは! 368 00:29:51,150 --> 00:29:53,152 (清七)お許しくださいまし お許しくださいませ。 369 00:29:53,152 --> 00:29:58,090 (東蔵)よくも まあ 番頭の分際で くたばれ この…。 370 00:29:58,090 --> 00:30:00,092 (清七)ああ 旦那さま いえ 私は 決して・ 371 00:30:00,092 --> 00:30:04,096 旦那さま お許しくださいませ。・ 372 00:30:04,096 --> 00:30:07,099 いや 旦那さま 私は ただ 蔵の中で片付けものを…。 373 00:30:07,099 --> 00:30:11,103 片付けだ… どこを片付けていたんだ! 374 00:30:11,103 --> 00:30:14,106 猫なで声で汚らわしい この!・ 375 00:30:14,106 --> 00:30:20,112 主人の娘に不義を働けば 獄門張り付けだぞ!・ 376 00:30:20,112 --> 00:30:24,116 今日限り 主人でもない 番頭でもない・ 377 00:30:24,116 --> 00:30:27,119 とっとと出ていけ! (おこま)おとっつぁん 堪忍して・ 378 00:30:27,119 --> 00:30:29,121 ねっ いずれ おとっつぁんに お許しを。 379 00:30:29,121 --> 00:30:33,125 (東蔵)何を血迷って そんな お前には いずれ いい所から・ 380 00:30:33,125 --> 00:30:36,128 婿を迎えようと思ったのに よりによって 清七なんか。 381 00:30:36,128 --> 00:30:38,130 汚らわしい! (おこま)おとっつぁん。 382 00:30:38,130 --> 00:30:41,133 (東蔵)早く こっちに来い! うるさい。・ 383 00:30:41,133 --> 00:30:45,133 早く来なさい こっちへ…。 何をしてやがんだ! 384 00:30:49,141 --> 00:30:51,141 (清七の ため息) 385 00:30:57,083 --> 00:30:59,083 ・(長次)もし…。 386 00:31:04,090 --> 00:31:08,094 旦那さま あんまりですよね。 387 00:31:08,094 --> 00:31:12,098 あんなに 店のため思ってる 清七さんを今日限り出ていけとは。 388 00:31:12,098 --> 00:31:17,103 いくら おこまさんと あんなことが あったからって。 389 00:31:17,103 --> 00:31:23,103 清七さん 私が 一肌 脱いであげましょう。 390 00:31:26,112 --> 00:31:32,118 あした 七つ半 池の端の 桜並木へ おいでなさい。 391 00:31:32,118 --> 00:31:38,118 おこまさんと2人で 私のうちで 所帯を持つんでございますよ。 392 00:31:40,126 --> 00:31:43,129 いえね 私は いいんだけどね。 393 00:31:43,129 --> 00:31:48,129 ほら お前さんも知ってるだろう おこまが 私に べったりなんだよ。 394 00:31:50,136 --> 00:31:52,138 (清七)長次 私は 今まで・ 395 00:31:52,138 --> 00:31:54,140 お前さんに きつく当たり過ぎてたね。 396 00:31:54,140 --> 00:31:57,143 構いはしませんよ。 397 00:31:57,143 --> 00:32:01,147 (おこま)清七は ホントに お前の所にいるのかい? 398 00:32:01,147 --> 00:32:04,150 詳しい話は うちでしますから。 399 00:32:04,150 --> 00:32:06,152 怖い。 400 00:32:06,152 --> 00:32:09,152 怖い後には楽しみあり。 401 00:32:30,176 --> 00:32:36,182 (清七)長次 ねっ 長次 長次 あっ 長次。・ 402 00:32:36,182 --> 00:32:38,184 ああ よかった もう 来てくれないのかと思ったよ。・ 403 00:32:38,184 --> 00:32:43,189 ねっ 長次 それで うまくいったのかい えっ? 404 00:32:43,189 --> 00:32:45,191 あんまり体くっつけなさんな。 405 00:32:45,191 --> 00:32:48,194 俺は その気はねえんだよ。 (清七の笑い声) 406 00:32:48,194 --> 00:32:52,198 あっ いや 私も その気はないんだよ。・ 407 00:32:52,198 --> 00:32:54,198 で ねえ 長次…。 408 00:32:56,202 --> 00:32:58,202 長次だと。 409 00:33:00,139 --> 00:33:05,144 おい よく聞けよ。・ 410 00:33:05,144 --> 00:33:10,149 普段 得意先を回ってりゃ うぬのようなふ抜け野郎でも・ 411 00:33:10,149 --> 00:33:14,153 やれ 清七さんとか番頭さんとか 世辞の1つも使っちゃいるが・ 412 00:33:14,153 --> 00:33:17,156 帳場を離れりゃ 五分と五分だ!・ 413 00:33:17,156 --> 00:33:21,160 てめえみてえなやつに 呼びつけに されるような いわれはねえんだ。 414 00:33:21,160 --> 00:33:24,163 (清七)ああ こりゃ 私が悪かったよ。・ 415 00:33:24,163 --> 00:33:28,167 これからは 長次さんって 呼ばしてもらうよ ねっ。 416 00:33:28,167 --> 00:33:31,170 (長次)うん。・ 417 00:33:31,170 --> 00:33:33,172 謝るんなら 了見してやる。 418 00:33:33,172 --> 00:33:36,172 (清七)ごめんなさい。 あっ あの…。 419 00:33:38,177 --> 00:33:40,179 (清七)今夜から おこまと2人で・ 420 00:33:40,179 --> 00:33:42,181 長次さんのうちに 厄介になるんだから・ 421 00:33:42,181 --> 00:33:46,185 悪いところがあったら 何でも言っておくれ ねっ。 422 00:33:46,185 --> 00:33:51,190 (長次)何だと 俺は そんな話 覚えちゃいねえ・ 423 00:33:51,190 --> 00:33:55,194 寝ぼけてんじゃねえのか? (清七)えっ いや だって あの・ 424 00:33:55,194 --> 00:33:59,131 蔵の前で おこまと私をって 約束してくれたじゃないか。・ 425 00:33:59,131 --> 00:34:02,134 あ痛っ! (長次)おこまだと。・ 426 00:34:02,134 --> 00:34:06,138 この野郎! てめえは悪い野郎だ。・ 427 00:34:06,138 --> 00:34:11,143 お嬢さんをたぶらかして あの店 乗っ取ろうってんだろ!・ 428 00:34:11,143 --> 00:34:15,143 この野郎! (清七)あ痛っ 痛い 痛い…。 429 00:34:17,149 --> 00:34:20,152 (清七)あ~ 痛い あ痛てて…。 430 00:34:20,152 --> 00:34:23,155 (長次)兄貴を意地汚えと 抜かしやがったな。・ 431 00:34:23,155 --> 00:34:25,157 待てるか この野郎 立つんだ この野郎! 432 00:34:25,157 --> 00:34:29,161 (清七)はい はい 立ちました。 あ痛ててて…。 433 00:34:29,161 --> 00:34:32,161 (長次)立たねえのか。 (清七)立ちました。 あ痛ててて…。 434 00:34:35,167 --> 00:34:37,167 (清七)許しておくれ お願いだ。 435 00:34:39,171 --> 00:34:42,171 (清七)放して 放しておくれ。 436 00:34:45,177 --> 00:34:49,181 (清七)痛いよ 痛い 痛い いや。・ 437 00:34:49,181 --> 00:34:51,183 痛いよ。 438 00:34:51,183 --> 00:34:53,185 (東蔵)寄りによって あの清七め・ 439 00:34:53,185 --> 00:34:57,122 おこまをさらって 駆け落ちするとは。 440 00:34:57,122 --> 00:34:59,124 小ずるいところのある男だが・ 441 00:34:59,124 --> 00:35:04,129 あの清七に そんなことはできねえぜ。 442 00:35:04,129 --> 00:35:07,132 と おっしゃいますと 誰が おこまを? 443 00:35:07,132 --> 00:35:10,135 そら お前の腹に聞いてみな。 444 00:35:10,135 --> 00:35:13,138 旦那さま! 445 00:35:13,138 --> 00:35:16,141 長次のやつに たぶらかされました。 446 00:35:16,141 --> 00:35:19,144 あいつが あいつが お嬢さんをさらっていった。 447 00:35:19,144 --> 00:35:21,146 ちょ ちょう…! 448 00:35:21,146 --> 00:35:24,149 (清七)私が 私が・ 449 00:35:24,149 --> 00:35:26,151 お嬢さまを取り戻しに 行ったんでございます。・ 450 00:35:26,151 --> 00:35:29,154 あ痛て。 その私を・ 451 00:35:29,154 --> 00:35:31,156 殴る 蹴るの 無理無法。・ 452 00:35:31,156 --> 00:35:36,161 よっぽど 番所へ 番所へ お届け しようかと思ったんですが・ 453 00:35:36,161 --> 00:35:43,168 お店の名前を出したら 旦那さまへのご迷惑。 454 00:35:43,168 --> 00:35:46,171 泣く泣く帰ってまいりました。 455 00:35:46,171 --> 00:35:48,173 よく辛抱してくれた。 456 00:35:48,173 --> 00:35:53,178 この話が世間に漏れたら 店ののれんに傷が付く。 457 00:35:53,178 --> 00:35:57,116 河内山さま こりゃ どうしたら いいんでございましょう? 458 00:35:57,116 --> 00:36:01,120 そうよな このまま ほっときゃ お前の娘は・ 459 00:36:01,120 --> 00:36:05,124 上方辺りの絵草紙屋に たたき売られるかもしれねえな。 460 00:36:05,124 --> 00:36:09,128 そ… そんな あんな地獄宿に たたき売られちゃ…。 461 00:36:09,128 --> 00:36:14,133 河内山さま どうか あの 長次のやつをたたきのめして・ 462 00:36:14,133 --> 00:36:20,133 おこまを連れ戻してくださいまし 金に糸目は付けません。 どうか。 463 00:36:22,141 --> 00:36:24,143 おい 平戸屋。 464 00:36:24,143 --> 00:36:26,145 人を泣かしゃ てめえも泣くんだ。 465 00:36:26,145 --> 00:36:32,151 これから先は 地獄宿で 人のかかあや 若え娘を・ 466 00:36:32,151 --> 00:36:36,155 稼がせるようなことは するんじゃねえぞ。 467 00:36:36,155 --> 00:36:42,161 (長次)おこまさん お前に 罪はねえんだが・ 468 00:36:42,161 --> 00:36:45,164 怖い思いさせねえから ちっとの間 辛抱してくれ。 469 00:36:45,164 --> 00:36:47,164 ・(戸の開く音) 470 00:36:54,173 --> 00:36:57,109 旦那! 471 00:36:57,109 --> 00:36:59,109 近くで ご開帳でも? 472 00:37:01,113 --> 00:37:04,113 おこま どうした? 473 00:37:09,121 --> 00:37:11,123 えっ? 474 00:37:11,123 --> 00:37:14,126 ・(物音) 475 00:37:14,126 --> 00:37:17,129 うるせえネズミだ! 476 00:37:17,129 --> 00:37:23,135 なあ 長次 平戸屋に どんな恨みがあるか知らねえが・ 477 00:37:23,135 --> 00:37:30,135 そこにいるネズミに罪はねえ えっ 俺に渡してくれねえか? 478 00:37:39,151 --> 00:37:42,154 旦那・ 479 00:37:42,154 --> 00:37:48,160 このことばっかりは 口を出さずにいておくんなさい。・ 480 00:37:48,160 --> 00:37:54,166 旦那に口を利かれると どんなことでも位負けで・ 481 00:37:54,166 --> 00:37:56,166 こっちが うんと 言わにゃならねえ。 482 00:38:04,109 --> 00:38:09,114 (長次)茶1杯 召し上がって 黙って帰っておくんなさいよ。 483 00:38:09,114 --> 00:38:15,120 おい 俺も 河内山 宗俊だ ここまで出向いてきたからにゃ・ 484 00:38:15,120 --> 00:38:21,126 そうでございますと このまんま 帰るわけにはいかねえぜ。 485 00:38:21,126 --> 00:38:25,130 なるほど ご大層な口上だ。 486 00:38:25,130 --> 00:38:30,135 いつも その手で もめ事を 丸く収めていなさるだろうが。・ 487 00:38:30,135 --> 00:38:37,142 ねえ 旦那 旦那は この長次 って人間を知らな過ぎますよ。 488 00:38:37,142 --> 00:38:42,147 何も俺は手ぶらで話をしようって 言ってるんじゃねえんだ。 489 00:38:42,147 --> 00:38:47,152 お前の出した この茶の色で 話をしようって言ってるんだ。 490 00:38:47,152 --> 00:38:50,155 お前の気じゃ 1本ばかり取る気らしいが・ 491 00:38:50,155 --> 00:38:52,155 そこは俺の口利きだ。 492 00:38:54,159 --> 00:39:02,159 この10両を1本と見立てて 話をつけてくれねえか? 493 00:39:10,108 --> 00:39:12,110 てえげえにしやがれ! 494 00:39:12,110 --> 00:39:14,112 何だと! 495 00:39:14,112 --> 00:39:18,116 よお たがの緩んだ おじさんよ・ 496 00:39:18,116 --> 00:39:22,120 10両なんて相場を どこで立てて来なさった?・ 497 00:39:22,120 --> 00:39:25,123 旦那も たぶん この俺を一銭職とさげすんで・ 498 00:39:25,123 --> 00:39:29,127 気安く頭なでる気だろうが その親分風が気にくわねえや! 499 00:39:29,127 --> 00:39:33,131 これが でっち小僧が使いなら タダで 娘 返してやら。 500 00:39:33,131 --> 00:39:36,134 だがな 強いやつだから返さねえんだ! 501 00:39:36,134 --> 00:39:39,134 てめえなんか 茶でも飲んで さっさと帰りやがれ この野郎! 502 00:39:43,141 --> 00:39:45,143 (長次)何しやがんだ この野郎! 何だ この野郎! 503 00:39:45,143 --> 00:39:48,146 下手に出てりゃ つけ上がりやがって・ 504 00:39:48,146 --> 00:39:50,148 よくも この俺に そんな口をききやがったな! 505 00:39:50,148 --> 00:39:53,151 (長次)お~ きいたが どうしたい! 506 00:39:53,151 --> 00:39:58,151 平戸屋と相談して あした返事をしてやら。 507 00:40:00,092 --> 00:40:04,092 ・(戸の開閉音) 508 00:40:07,099 --> 00:40:12,104 (長次)何だよ 河内山は 河内山だ。 509 00:40:12,104 --> 00:40:17,104 五分と五分だ。 大したことはねえや あんなもの。 510 00:40:24,116 --> 00:40:32,124 ・・(女たちの演奏) 511 00:40:32,124 --> 00:40:34,126 チクショー。 512 00:40:34,126 --> 00:40:37,129 あっ! あ~ びっくりした。 おかえりなさい。 513 00:40:37,129 --> 00:40:41,133 今日はね どういう訳か 吉原の連中が来てて大忙し。 514 00:40:41,133 --> 00:40:44,136 おい あの 直と丑 どうした? 515 00:40:44,136 --> 00:40:48,140 ・(女中)女将さん お呼びですよ。 (お滝)はい! 516 00:40:48,140 --> 00:40:51,140 旦那 ちょっと待ってて 熱いの つけますから。 517 00:40:53,145 --> 00:40:55,145 あっ おかえんなさい。 518 00:41:04,089 --> 00:41:08,093 「おこまを無事に返してくれれば 100両 出しましょう」 519 00:41:08,093 --> 00:41:14,099 「池の端の桜並木にて待ちます。 平戸屋 東蔵」 520 00:41:14,099 --> 00:41:16,099 (長次)それ。 521 00:41:24,109 --> 00:41:26,109 ヘッ。 522 00:41:39,124 --> 00:41:42,127 怖がることないよ ねっ。 523 00:41:42,127 --> 00:41:45,130 かわいそうにな こんな所に入れられて。 524 00:41:45,130 --> 00:41:47,132 よいしょ。 怖くないかんね。 525 00:41:47,132 --> 00:41:51,136 よし もうちょっとで おうちへ帰れるよ。 526 00:41:51,136 --> 00:41:53,138 おとなしくしてな。 大丈夫だよ。 527 00:41:53,138 --> 00:41:55,140 何にも怖くないからね。 いい匂いだ。 528 00:41:55,140 --> 00:41:57,142 直。 えっ? 529 00:41:57,142 --> 00:41:59,144 カワイイな。 530 00:41:59,144 --> 00:42:02,147 逃がすんじゃ もったいねえな。 531 00:42:02,147 --> 00:42:05,150 大丈夫だかんね。 いいんだよ ほら。 532 00:42:05,150 --> 00:42:07,152 早くしなよ。 533 00:42:07,152 --> 00:42:11,156 うるせえな。 早くしろ! 534 00:42:11,156 --> 00:42:14,159 じゃ 手掛けますか。 よし。 535 00:42:14,159 --> 00:42:16,161 大丈夫か。 536 00:42:16,161 --> 00:42:18,163 よっ! 537 00:42:18,163 --> 00:42:38,183 ・~ 538 00:42:38,183 --> 00:42:58,136 ・~ 539 00:42:58,136 --> 00:43:18,156 ・~ 540 00:43:18,156 --> 00:43:34,156 ・~ 541 00:43:37,175 --> 00:43:39,177 河内山。 542 00:43:39,177 --> 00:43:42,180 (東蔵)おかげさまで 娘が無事に帰りまして・ 543 00:43:42,180 --> 00:43:44,182 何とお礼を 申し上げてよろしいやら。 544 00:43:44,182 --> 00:43:46,184 お礼なんか どうでもいいから おう・ 545 00:43:46,184 --> 00:43:49,184 100両は出さなくちゃならねえぞ。 (東蔵)はい。 546 00:43:59,131 --> 00:44:01,131 下ろすぞ。 547 00:44:09,141 --> 00:44:12,141 では 100両。 548 00:44:17,149 --> 00:44:20,152 平戸屋・ 549 00:44:20,152 --> 00:44:26,158 今度の件は お前の方に罪がある 長次に何の罪もねえぞ いいな? 550 00:44:26,158 --> 00:44:29,161 (東蔵)はい。 551 00:44:29,161 --> 00:44:33,161 おい 長持ち開けてやれ。 へい。 552 00:44:46,178 --> 00:44:48,178 おこま。 553 00:44:53,185 --> 00:44:55,187 清七。 554 00:44:55,187 --> 00:44:57,122 お嬢さん! 555 00:44:57,122 --> 00:45:10,135 ・~ 556 00:45:10,135 --> 00:45:12,135 ・(戸の開く音) 557 00:45:15,140 --> 00:45:17,142 長次・ 558 00:45:17,142 --> 00:45:20,145 べらべら ご託を言ってたが どうしたい? 559 00:45:20,145 --> 00:45:23,148 元気がねえな おい えっ。 560 00:45:23,148 --> 00:45:27,152 よし じゃ これをやろう。 561 00:45:27,152 --> 00:45:29,152 ほれ 100両だよ。 562 00:45:31,156 --> 00:45:34,159 それを元手に好きな商売 始めるこった。 563 00:45:34,159 --> 00:45:37,159 ハハハッ。 ・(戸の開閉音) 564 00:45:52,177 --> 00:45:54,179 (長次)待て 河内山!・ 565 00:45:54,179 --> 00:45:57,179 俺は ものもらいじゃねえ こんな金! 566 00:46:00,118 --> 00:46:03,121 どうすりゃ気に入るんだ? 567 00:46:03,121 --> 00:46:05,121 (長次)こうするんだい! 568 00:46:10,128 --> 00:46:12,128 (長次)くそ! 569 00:46:16,134 --> 00:46:18,136 どうした? 570 00:46:18,136 --> 00:46:20,138 どうした さあ来い。 571 00:46:20,138 --> 00:46:22,138 (長次)野郎。 572 00:46:24,142 --> 00:46:27,145 おっと 危ねえ ほら あら。 573 00:46:27,145 --> 00:46:29,147 しっかりしろ。 574 00:46:29,147 --> 00:46:33,151 おい この野郎 チクショー。 575 00:46:33,151 --> 00:46:35,151 どうだ。 576 00:46:38,156 --> 00:46:41,156 お姉ちゃん 神様が殴られてる! 577 00:46:44,162 --> 00:46:46,164 どうだ チクショー。 578 00:46:46,164 --> 00:46:48,164 (長次)この野郎 チクショー。 579 00:46:53,171 --> 00:46:56,174 神様に そんなことすると 俺が許さないぞ! 580 00:46:56,174 --> 00:46:58,174 神様? 581 00:47:05,116 --> 00:47:08,119 (太吉)はい。 582 00:47:08,119 --> 00:47:10,119 (おはる)はい。 583 00:47:12,123 --> 00:47:14,123 おう ありがとよ。 584 00:47:21,132 --> 00:47:24,135 ヘッ お前が そんないいことしてるとは・ 585 00:47:24,135 --> 00:47:28,139 お釈迦様でも気が付かねえや。 586 00:47:28,139 --> 00:47:32,143 こっちは江戸っ子だ! 悪いことは覚えてても・ 587 00:47:32,143 --> 00:47:34,145 いいことなんぞは すぐ忘れちまう。 588 00:47:34,145 --> 00:47:44,145 ・~ 589 00:47:58,103 --> 00:48:01,106 <一風変わった浪人が現れた> 590 00:48:01,106 --> 00:48:04,109 <しかも 直次郎と名乗るこの男> 591 00:48:04,109 --> 00:48:06,111 <頭にきた本物の直次郎は・ 592 00:48:06,111 --> 00:48:10,115 河内山に助けを求めて ケンカを吹っかけた> 593 00:48:10,115 --> 00:48:12,117 <石原 裕次郎を ゲストに迎えて送る・ 594 00:48:12,117 --> 00:48:17,117 次回 『痛快!河内山宗俊』に ご期待ください> 595 00:50:04,262 --> 00:50:05,129 596 00:50:05,129 --> 00:50:08,132 (小林)皆さん お元気ですか 小林綾子です 597 00:50:08,132 --> 00:50:14,138 日本には 古くから 神社仏閣に伝わる行事や飾り物 598 00:50:14,138 --> 00:50:19,143 季節によって味わう旬な食べ物や その土地に伝わる風習など 599 00:50:19,143 --> 00:50:25,149 幸運を呼び込むために縁起を担ぐ さまざまな物や行いがあります 600 00:50:25,149 --> 00:50:30,154 皆さんの周りにも きっとある 幸運を呼ぶ縁起物 601 00:50:30,154 --> 00:50:34,158 この番組では そんな縁起物を ご紹介していきます 602 00:50:34,158 --> 00:50:37,158 さて 今日の縁起物は? 603 00:50:49,173 --> 00:50:52,176 突然ですが クイズです 604 00:50:52,176 --> 00:50:56,180 江戸時代 異国の動物たちが 日本にやって来ました 605 00:50:56,180 --> 00:51:01,185 そんな中 特に人気となった 2大スターは何でしょうか? 606 00:51:01,185 --> 00:51:03,187 ひとつは 象 607 00:51:03,187 --> 00:51:05,187 もうひとつは… 608 00:51:07,125 --> 00:51:10,128 ちょっと意外でした? 609 00:51:10,128 --> 00:51:13,131 らくだが 江戸で 見せ物に掛けられると・ 610 00:51:13,131 --> 00:51:17,135 大ブームとなり たくさんの人が押し寄せました 611 00:51:17,135 --> 00:51:22,140 これほど人気になった理由は 物珍しさだけでなく・ 612 00:51:22,140 --> 00:51:27,145 らくだには たくさんのご利益が あると信じられていたからです 613 00:51:27,145 --> 00:51:33,151 ひとつ らくだの絵を貼っておくと 疱瘡・はしか除けになる 614 00:51:33,151 --> 00:51:38,156 2つ らくだの尿は 救命の霊薬となる 615 00:51:38,156 --> 00:51:44,162 3つ 雷をも避ける …と すごいご利益ですよね 616 00:51:44,162 --> 00:51:50,162 今度 動物園に行ったときは 是非 らくだに注目してみましょう 617 00:51:55,173 --> 00:51:57,175 突然ですが 皆さん 618 00:51:57,175 --> 00:52:01,179 引っ越しのとき 食べる物といば何でしょうか? 619 00:52:01,179 --> 00:52:06,117 そう! 引っ越し蕎麦ですよね でも 一体 なんで・ 620 00:52:06,117 --> 00:52:10,121 引っ越しのときには お蕎麦なんでしょうか 621 00:52:10,121 --> 00:52:14,125 江戸時代 中ごろに 江戸を中心に行われていた・ 622 00:52:14,125 --> 00:52:16,127 引っ越しの挨拶品として・ 623 00:52:16,127 --> 00:52:19,130 蕎麦や 蕎麦切手という商品券を・ 624 00:52:19,130 --> 00:52:24,135 向こう三軒両隣に配っていた 風習が始まりといわれています 625 00:52:24,135 --> 00:52:29,140 由来は 「おそばに越してきた」の シャレからだそうで・ 626 00:52:29,140 --> 00:52:34,145 「おそばに末長く」 「細く長くおつきあいを」という・ 627 00:52:34,145 --> 00:52:36,147 気持ちが込められているそうです 628 00:52:36,147 --> 00:52:39,150 また 年越し蕎麦も同様に・ 629 00:52:39,150 --> 00:52:42,153 「お蕎麦のように 細く長く過ごせる」 630 00:52:42,153 --> 00:52:47,158 お蕎麦は切れやすいため 今年の 苦労や不運をきれいに切り捨てて 631 00:52:47,158 --> 00:52:50,161 新しい年を迎えるため …だそうです 632 00:52:50,161 --> 00:52:53,164 そばにいるのが 難しいご時世ですが 633 00:52:53,164 --> 00:52:58,164 お蕎麦で 気持ちを 伝えられたらいいですよね 634 00:53:04,108 --> 00:53:07,111 最近 よくエコバッグが 使われるようになりましたよね 635 00:53:07,111 --> 00:53:10,114 皆さんは どんな物をお使いですか 636 00:53:10,114 --> 00:53:14,118 じゃん! こちらなんてオススメですよ! 637 00:53:14,118 --> 00:53:18,122 日本の伝統的な エコバッグと言える風呂敷 638 00:53:18,122 --> 00:53:20,124 「風呂敷」と いわれるようになったのは・ 639 00:53:20,124 --> 00:53:24,128 お風呂屋で 自分の服を包むために 用いられていたからだそうで 640 00:53:24,128 --> 00:53:28,132 その名のとおり お風呂で 使っていたからなんですね 641 00:53:28,132 --> 00:53:34,138 また 風呂敷の代表的な柄・蔦が 絡み広がっている唐草模様は・ 642 00:53:34,138 --> 00:53:37,141 実は 縁起がいい柄なんです 643 00:53:37,141 --> 00:53:41,145 蔦は 生命力が強く 四方八方 どこまでも伸びるため・ 644 00:53:41,145 --> 00:53:46,150 長寿繁栄を象徴する模様として 愛されてきました 645 00:53:46,150 --> 00:53:49,153 いろいろな結び方ができて とっても便利な風呂敷 646 00:53:49,153 --> 00:53:53,153 皆さんもエコバッグ代わりに いかがですか 647 00:53:58,162 --> 00:54:02,166 どこか 民族的な感じがする 木の葉猿 648 00:54:02,166 --> 00:54:08,106 名前は 木葉という地名から 来ているそうですが… 649 00:54:08,106 --> 00:54:12,110 言い伝えでは およそ1300年前 650 00:54:12,110 --> 00:54:15,113 都から逃げ落ちてきた人たちが 神を祀るため・ 651 00:54:15,113 --> 00:54:19,117 木葉山の赤土で 祭礼の道具を作り・ 652 00:54:19,117 --> 00:54:22,120 余った土を捨てたところ それが猿になり・ 653 00:54:22,120 --> 00:54:26,124 「木葉の土で 猿を作れば 幸あらん」と・ 654 00:54:26,124 --> 00:54:28,126 お告げを残したそうです 655 00:54:28,126 --> 00:54:30,128 そこで 人々は・ 656 00:54:30,128 --> 00:54:34,132 猿の人形を作って 神さまにお供えしたところ・ 657 00:54:34,132 --> 00:54:38,136 災難から逃れ 無事に過ごすことが できたといわれています 658 00:54:38,136 --> 00:54:44,142 以来 悪病・災難除け 夫婦和合・子孫繁栄の・ 659 00:54:44,142 --> 00:54:46,142 守り神と されるようになったそうです 660 00:54:52,150 --> 00:54:57,150 獅子が刀をくわえ なんとも勇ましい加賀獅子頭 661 00:54:59,157 --> 00:55:05,096 天正11年 初代藩主・前田利家が 金沢城に入府の際・ 662 00:55:05,096 --> 00:55:09,100 お祝いの獅子舞が盛大に 行われたのが ゆえんとなり・ 663 00:55:09,100 --> 00:55:13,104 その豪華さは 天下随一となりました 664 00:55:13,104 --> 00:55:18,109 それから 祭礼などで 各町村が 競って獅子舞を演ずる風習は・ 665 00:55:18,109 --> 00:55:21,112 加賀名物の代表といわれています 666 00:55:21,112 --> 00:55:26,117 その勇ましい姿から 男の子の成長祈願や・ 667 00:55:26,117 --> 00:55:33,124 還暦の魔除け・厄払い・立身出世の 象徴として愛されてきました 668 00:55:33,124 --> 00:55:38,124 刀をくわえた獅子頭 勇ましくて格好いいですよね 669 00:55:44,135 --> 00:55:50,141 そっと息を吹き込むと 軽やかな音が鳴るビードロ 670 00:55:50,141 --> 00:55:53,144 ビードロは ガラスの弾力性を利用した・ 671 00:55:53,144 --> 00:55:56,147 底の部分が とても薄いガラスのおもちゃで 672 00:55:56,147 --> 00:55:58,149 息を軽く吹き込むと… 673 00:55:58,149 --> 00:56:01,152 (ビードロの音) …という音がします 674 00:56:01,152 --> 00:56:04,088 ちなみに 昔は 子供のおもちゃではなく・ 675 00:56:04,088 --> 00:56:09,093 厄落としの意味を込めて お正月に吹かれていたそうです 676 00:56:09,093 --> 00:56:13,097 おもちゃのビードロ細工は 古くから人気があったそうですが 677 00:56:13,097 --> 00:56:16,100 ビードロが作ることが できる職人が少なかったため・ 678 00:56:16,100 --> 00:56:19,103 貴重品とされていました 679 00:56:19,103 --> 00:56:22,106 喜多川歌麿が 「ビードロを吹く女」を描くほど・ 680 00:56:22,106 --> 00:56:24,108 人気があったみたいですね 681 00:56:24,108 --> 00:56:26,108 (ビードロの音) 682 00:56:31,115 --> 00:56:36,120 時代劇などで 出かける際に 登場する火打石 683 00:56:36,120 --> 00:56:40,124 江戸時代には 欠かせないものだったようですが 684 00:56:40,124 --> 00:56:46,130 その歴史は古く 『日本書紀』の ヤマトタケルの神話に登場します 685 00:56:46,130 --> 00:56:50,134 平安時代には まだ庶民の 手には届かない貴重品でしたが・ 686 00:56:50,134 --> 00:56:54,138 江戸時代になると 広く庶民にも普及し・ 687 00:56:54,138 --> 00:56:59,143 かまどや灯明・煙草などの火に 使われるようになりました 688 00:56:59,143 --> 00:57:02,146 また 時代劇などで 出かける際に 689 00:57:02,146 --> 00:57:05,082 「お前さん 気をつけて」 (火打石の音) 690 00:57:05,082 --> 00:57:08,085 …と 火打石を使用しますよね 691 00:57:08,085 --> 00:57:11,088 これは 「切り火」といわれ・ 692 00:57:11,088 --> 00:57:16,093 厄除け・清め・邪鬼を払う 日本古来の風習です 693 00:57:16,093 --> 00:57:19,096 『銭形平次』でも登場しますよね 694 00:57:19,096 --> 00:57:23,100 そもそも火は 古くから 神聖なもの・清浄なものとされ・ 695 00:57:23,100 --> 00:57:28,105 邪鬼など悪いものは火を嫌うと 考えられていたそうです 696 00:57:28,105 --> 00:57:31,108 ここ一番の大事な時や 試験の時など・ 697 00:57:31,108 --> 00:57:34,108 切り火で 清めてみてはいかがでしょう? 698 00:57:40,117 --> 00:57:42,119 掃除には欠かせない ほうき 699 00:57:42,119 --> 00:57:46,119 しかし 昔は掃除をする道具では なかったそうです 700 00:57:56,133 --> 00:58:01,138 また ほうきには 「箒神」という神さまが宿るとされ 701 00:58:01,138 --> 00:58:05,076 妊婦の足もとに逆さまに立てたり おなかをなでると・ 702 00:58:05,076 --> 00:58:07,078 安産になるといわれています 703 00:58:07,078 --> 00:58:09,080 ほうきが掃除道具として・ 704 00:58:09,080 --> 00:58:12,083 使われるようになったのは 平安時代 705 00:58:12,083 --> 00:58:16,087 年神さまを迎えるため 宮中で年末に行われる・ 706 00:58:16,087 --> 00:58:20,091 すす払いの道具として 使われるようになりました 707 00:58:20,091 --> 00:58:25,096 その後 仏教では 修行の 一環としての掃除が広まります 708 00:58:25,096 --> 00:58:29,100 神社やお寺で ほうきで 掃き掃除をしている姿を見ると・ 709 00:58:29,100 --> 00:58:33,104 どこか凛として 清められている感じがするのも・ 710 00:58:33,104 --> 00:58:36,104 この歴史があるからでしょうかね 711 00:58:41,112 --> 00:58:45,116 皆さんは ペット 何か飼ってらっしゃいますか 712 00:58:45,116 --> 00:58:49,120 江戸時代 犬や猫は もちろん 金魚・鈴虫など・ 713 00:58:49,120 --> 00:58:51,122 ちょっとしたブームになった ペットたち 714 00:58:51,122 --> 00:58:55,126 そのほかに 小鳥も 大変 人気があったそうです 715 00:58:55,126 --> 00:59:00,131 そのため 小鳥を専門的に売る ペットショップも誕生しました 716 00:59:00,131 --> 00:59:05,069 愛鳥家たちの間では 小鳥合わせ・鳴き合わせという・ 717 00:59:05,069 --> 00:59:10,074 小鳥の鳴き声や姿の美しさを 競い合うイベントが大流行し・ 718 00:59:10,074 --> 00:59:12,076 大勢の観客を集めました 719 00:59:12,076 --> 00:59:17,081 特に 「ホーホケキョ」の鳴き声で おなじみのうぐいすと・ 720 00:59:17,081 --> 00:59:21,085 うずらの小鳥合わせは 人気が高かったそうです 721 00:59:21,085 --> 00:59:25,089 また うずらの鳴き声が 「ゴキッチョー」! 722 00:59:25,089 --> 00:59:28,092 「ご吉兆」と聞こえることから・ 723 00:59:28,092 --> 00:59:33,097 戦国時代の武将たちが 出陣前に 験担ぎに使うなど・ 724 00:59:33,097 --> 00:59:36,097 縁起のよい鳥として 珍重されてきました 725 00:59:38,102 --> 00:59:40,104 いかがでしたでしょうか 726 00:59:40,104 --> 00:59:44,108 まだまだ 私たちの知らないものや 意外なものにも・ 727 00:59:44,108 --> 00:59:48,112 さまざまな縁起担ぎの意味が 込められているようですね 728 00:59:48,112 --> 00:59:51,115 身近にある そんな縁起物 729 00:59:51,115 --> 00:59:54,118 皆さんも お店や神社で探してみたり 730 00:59:54,118 --> 00:59:58,122 幸せを呼び込んでみては いかがでしょうか 731 00:59:58,122 --> 01:00:02,122 それでは またお会いしましょう 小林綾子でした