1 00:01:22,255 --> 00:01:24,255 2 00:01:29,128 --> 00:01:49,148 ♬~ 3 00:01:49,148 --> 00:02:09,168 ♬~ 4 00:02:09,168 --> 00:02:29,122 ♬~ 5 00:02:29,122 --> 00:02:49,142 ♬~ 6 00:02:49,142 --> 00:03:09,162 ♬~ 7 00:03:09,162 --> 00:03:29,115 ♬~ 8 00:03:29,115 --> 00:03:41,115 ♬~ 9 00:03:44,130 --> 00:03:47,133 (飛脚)ほっほっ ほっほっ… 10 00:03:47,133 --> 00:03:50,133 ほっほっ ほっほっ… 11 00:03:53,139 --> 00:03:55,141 早飛脚! (お蘭)あっ ご苦労さま 12 00:03:55,141 --> 00:03:57,143 着払いだよ 13 00:03:57,143 --> 00:03:59,145 いくら? えっと… 14 00:03:59,145 --> 00:04:01,147 (地鳴り) 15 00:04:01,147 --> 00:04:03,147 おおっ… 16 00:04:13,159 --> 00:04:17,163 (悲鳴) 17 00:04:17,163 --> 00:04:19,163 (鳴き声) 18 00:04:23,102 --> 00:04:26,105 ああ… 収まったよ 19 00:04:26,105 --> 00:04:28,107 昨日も揺れたのよ 20 00:04:28,107 --> 00:04:32,111 湯本のお湯が止まったって 騒いでましたよ 21 00:04:32,111 --> 00:04:36,115 あっ かまどの火 大丈夫? 22 00:04:36,115 --> 00:04:39,115 あっ… 代金… 23 00:04:41,120 --> 00:04:46,125 (鐘の音) 24 00:04:46,125 --> 00:04:51,130 (語り)<鐘ひとつ 売れぬ日は なし 江戸の春> 25 00:04:51,130 --> 00:04:54,133 <…といった具合の 百万都市 江戸ですが> 26 00:04:54,133 --> 00:04:59,138 <ぐらぐらと 揺れぬ日は なし 江戸の春> 27 00:04:59,138 --> 00:05:02,138 <…と言われたぐらいの 地震の町です> 28 00:05:04,143 --> 00:05:07,143 (かおる)あの人から? 29 00:05:13,152 --> 00:05:18,152 <「水原」とは 源内の 「源」を分解した文字> 30 00:05:21,160 --> 00:05:23,095 これは お前宛てですよ 31 00:05:23,095 --> 00:05:28,100 あら 私に? ねえ お母さん 読んでみて 32 00:05:28,100 --> 00:05:31,103 この隠し部屋は あとで作ったものだけに➡ 33 00:05:31,103 --> 00:05:33,103 よく揺れるの 34 00:05:35,107 --> 00:05:38,110 「お蘭 元気か」 35 00:05:38,110 --> 00:05:42,114 お父さん 元気そうね 力のある字だから 36 00:05:42,114 --> 00:05:45,117 ねえ 早く読んで 37 00:05:45,117 --> 00:05:49,121 「かおるさんも達者だろうな?」 38 00:05:49,121 --> 00:05:51,121 はい 達者です 39 00:05:53,125 --> 00:05:57,125 「今 わしは お鈴さんと一緒に旅している」 40 00:05:59,131 --> 00:06:02,134 相変わらず お母さんと一緒なのね 41 00:06:02,134 --> 00:06:04,136 ねえ でも おばあちゃんと一緒だったら➡ 42 00:06:04,136 --> 00:06:08,140 かえって安心なんじゃない? そうね フフッ… 43 00:06:08,140 --> 00:06:11,143 「今 富士山の近くに来ている」 44 00:06:11,143 --> 00:06:14,143 えっ 富士山の? 45 00:06:17,149 --> 00:06:24,090 ♬~ 46 00:06:24,090 --> 00:06:38,104 ♬ 富士の白雪 あの雪化粧 47 00:06:38,104 --> 00:06:45,111 ♬ 江戸から見ている 人もある 48 00:06:45,111 --> 00:06:49,115 ♪(三味線の演奏) 49 00:06:49,115 --> 00:06:51,117 (源内)《お義母さんと一緒に➡ 50 00:06:51,117 --> 00:06:56,122 旅の遊芸人という格好で 歩いている》 51 00:06:56,122 --> 00:07:00,126 《おかげで 一度も疑われたことがない》 52 00:07:00,126 --> 00:07:02,128 ♪~ 53 00:07:02,128 --> 00:07:06,132 ♪(お鈴)富士の白雪ゃノーエ 54 00:07:06,132 --> 00:07:11,137 ♪(2人)富士の白雪ゃノーエ 55 00:07:11,137 --> 00:07:19,145 ♪ 富士のサイサイ 白雪ゃ朝日でとける 56 00:07:19,145 --> 00:07:23,082 ♪ とけて流れノーエ 57 00:07:23,082 --> 00:07:25,084 ♪ と… 58 00:07:25,084 --> 00:07:27,086 どうしました? おっ義母さん 59 00:07:27,086 --> 00:07:29,088 おっ義母さんは にゃあでしょう (源内)ハハハハッ… そうでした 60 00:07:29,088 --> 00:07:31,090 どうしました? お鈴さん 61 00:07:31,090 --> 00:07:36,095 あれ? やっぱり そうだ (源内)えっ? 62 00:07:36,095 --> 00:07:39,098 富士山が赤いよ 63 00:07:39,098 --> 00:07:42,101 (源内)あっ 本当だ! 64 00:07:42,101 --> 00:07:44,103 こりゃいかんぞね 65 00:07:44,103 --> 00:07:47,106 えっ? アアッ… 66 00:07:47,106 --> 00:07:49,108 源内さん 揺れてるよ 67 00:07:49,108 --> 00:07:51,110 あっ 危ない! 68 00:07:51,110 --> 00:07:53,112 (切る音) 69 00:07:53,112 --> 00:07:55,114 あっ! 70 00:07:55,114 --> 00:07:57,116 (おびえる声) 71 00:07:57,116 --> 00:08:01,120 あては 地震と どじょうは 嫌いやねん 怖いわ 怖い 72 00:08:01,120 --> 00:08:08,127 ♬~ 73 00:08:08,127 --> 00:08:14,133 「富士山が赤く見えるときは 天変地異の兆し」 74 00:08:14,133 --> 00:08:16,133 えっ? 75 00:08:18,137 --> 00:08:25,077 「急いで富士山麓を調査したところ 5合目に新たな亀裂を発見」 76 00:08:25,077 --> 00:08:32,077 「その亀裂の走る方角は はっきりと江戸を指している」 77 00:08:36,088 --> 00:08:38,088 (お鈴)よっ… 78 00:08:40,092 --> 00:08:43,095 よっ… 79 00:08:43,095 --> 00:08:46,098 (源内)お義母さん もう少し高く 80 00:08:46,098 --> 00:08:48,100 えっ? えっ? 81 00:08:48,100 --> 00:08:51,103 よいしょ よっ… 82 00:08:51,103 --> 00:08:55,107 ああっ! やっぱり江戸だ 83 00:08:55,107 --> 00:08:59,111 えっ? 江戸へ帰んのかい? 84 00:08:59,111 --> 00:09:06,118 ♬~ 85 00:09:06,118 --> 00:09:12,124 「お蘭 本棚にある わしの書いた 『地震百計』を急いで読め」 86 00:09:12,124 --> 00:09:16,124 『地震百計』? そこにあったわ 87 00:09:19,131 --> 00:09:22,067 「あるいは お蘭 かおるさん」 88 00:09:22,067 --> 00:09:26,067 「あんたたちは 江戸を 救うことができるかもしれん」 89 00:09:28,073 --> 00:09:30,073 江戸を救う? 90 00:09:32,077 --> 00:09:36,081 「わし自身が動けぬのが口惜しい」 91 00:09:36,081 --> 00:09:39,081 「どうか 江戸を助けてくれ」 あった! 92 00:09:45,090 --> 00:09:50,095 毎日 井戸をお使いになる皆さん 井戸の中の水が急に減ったり➡ 93 00:09:50,095 --> 00:09:53,098 反対に 増えたりするようなことが ありましたら➡ 94 00:09:53,098 --> 00:09:57,098 すぐに知らせてください (お百)何かあるの? 95 00:09:59,104 --> 00:10:03,108 「井戸水 激しく上下するときは 地震多し」となっております 96 00:10:03,108 --> 00:10:06,111 地震!? あっ… 97 00:10:06,111 --> 00:10:10,111 (馬琴)いやぁ 近ごろ しきりに ぐらぐらしておる 98 00:10:13,118 --> 00:10:16,121 ほう… な~るほど 99 00:10:16,121 --> 00:10:20,125 水の上下は地震の知らせか 100 00:10:20,125 --> 00:10:24,063 (遠山)地震? はい 101 00:10:24,063 --> 00:10:27,066 富士山麓に地割れができ➡ 102 00:10:27,066 --> 00:10:31,070 その亀裂の方向は 江戸を指してるそうでございます 103 00:10:31,070 --> 00:10:34,073 それは誰からの知らせですか? 104 00:10:34,073 --> 00:10:37,076 地元の方からの手紙で 105 00:10:37,076 --> 00:10:41,080 平賀源内さんでしょう 違いますか? 106 00:10:41,080 --> 00:10:46,085 そういう指摘ができる方は 源内先生しかおりません 107 00:10:46,085 --> 00:10:51,090 おっしゃるとおりです 源内よりの早飛脚で 108 00:10:51,090 --> 00:10:56,095 そうですか 源内先生は ご無事で旅を? 109 00:10:56,095 --> 00:10:59,098 「江戸を助けろ」と 懸命の訴えです 110 00:10:59,098 --> 00:11:02,101 江戸大地震 111 00:11:02,101 --> 00:11:06,105 来れば 必ず何十万人が死ぬ 112 00:11:06,105 --> 00:11:09,108 どうか 幕府で大急ぎのお手当てを 113 00:11:09,108 --> 00:11:12,111 分かりました 114 00:11:12,111 --> 00:11:20,111 (登城太鼓の音) 115 00:11:22,121 --> 00:11:26,125 <このときの遠山左衛門尉は 勘定奉行> 116 00:11:26,125 --> 00:11:30,125 <大蔵省 事務次官といったところ> 117 00:11:33,132 --> 00:11:36,135 (松平)待った (水野)えっ? 118 00:11:36,135 --> 00:11:39,138 (松平)これ 待ってくだされ 119 00:11:39,138 --> 00:11:41,140 (遠山)ご老中 (水野)まあ 待て 120 00:11:41,140 --> 00:11:45,144 松平どのが 待ったを かけられたのじゃ そちも少し待て 121 00:11:45,144 --> 00:11:48,147 (遠山)待ったが効かぬ一大事で ございます 122 00:11:48,147 --> 00:11:52,151 ほれ 待ったが効かぬと 遠山も言っておるでしょう 123 00:11:52,151 --> 00:11:55,154 なに? 一大事だと? 124 00:11:55,154 --> 00:11:57,156 ご老中 これでございます 125 00:11:57,156 --> 00:11:59,158 (地響き) なに? 126 00:11:59,158 --> 00:12:03,162 かすかに揺れております (水野)あっ これは心配いらん 127 00:12:03,162 --> 00:12:07,166 地震でございます (松平)違う違う 128 00:12:07,166 --> 00:12:13,172 これはな 遠山 上さまが大奥でお楽しみなのじゃ 129 00:12:13,172 --> 00:12:15,174 大奥で? 130 00:12:15,174 --> 00:12:17,176 (地響き) 131 00:12:17,176 --> 00:12:20,176 しかし 確かに揺れております 132 00:12:22,114 --> 00:12:25,117 (奥女中たち)よいしょ! 133 00:12:25,117 --> 00:12:27,119 よいしょ! 134 00:12:27,119 --> 00:12:30,122 よいしょ! よいしょ! よいしょ! よいしょ! 135 00:12:30,122 --> 00:12:32,124 (家斉)もっと足を上げて 136 00:12:32,124 --> 00:12:35,127 よいしょ! 137 00:12:35,127 --> 00:12:37,129 よいしょ! 138 00:12:37,129 --> 00:12:43,135 よいしょ! よいしょ! よいしょ! よいしょ! 139 00:12:43,135 --> 00:12:46,138 よいしょ! 140 00:12:46,138 --> 00:12:48,140 よいしょ! 141 00:12:48,140 --> 00:12:51,143 今日は赤組が勝つかのぅ? 142 00:12:51,143 --> 00:12:55,147 (お美代)まあ 赤組の中に お気に入られた女中でも? 143 00:12:55,147 --> 00:12:58,147 いやいや 赤も白もよいぞ 144 00:13:00,152 --> 00:13:04,152 なんで こう わしは 女子が好きなのかのぅ? 145 00:13:06,158 --> 00:13:08,158 よいしょ! 146 00:13:10,162 --> 00:13:13,165 (でぶ助)こっちが雄で こっちが雌だそうです 147 00:13:13,165 --> 00:13:16,168 (ぷり助)お嬢さん なまず料理 客に出すんですか? 148 00:13:16,168 --> 00:13:20,172 あっ そうじゃないの なまずをね よく見張っててほしいの 149 00:13:20,172 --> 00:13:23,108 ああ なまずは どうやって子供をつくるか 150 00:13:23,108 --> 00:13:25,110 馬鹿! 違うわよ 151 00:13:25,110 --> 00:13:27,112 違うんですか 152 00:13:27,112 --> 00:13:31,116 「なまず 異常に騒ぐときは 地震の来たること しばしばなり」 153 00:13:31,116 --> 00:13:34,119 えっ 地震は なまずが起こすって 本当なんですか? 154 00:13:34,119 --> 00:13:37,122 馬鹿! 本当なんですか? 155 00:13:37,122 --> 00:13:39,124 「なまずが地震を起こすのではなく 156 00:13:39,124 --> 00:13:43,128 なまずは地震に 非常に敏感なものと勘ぐうべし」 157 00:13:43,128 --> 00:13:45,130 こう書いてあるの 158 00:13:45,130 --> 00:13:47,132 (水の音) (でぶ助)あっ! なまずが跳ねた 159 00:13:47,132 --> 00:13:52,132 ♬~ 160 00:13:54,139 --> 00:13:57,142 う~ん… そういえば 近ごろ➡ 161 00:13:57,142 --> 00:14:01,146 確かに あちこちから 地震の知らせが届いておった 162 00:14:01,146 --> 00:14:05,150 地震 地震と言うが 我が国は地震国 163 00:14:05,150 --> 00:14:09,154 毎日 どこかで ぐらぐらはしておる 164 00:14:09,154 --> 00:14:12,157 多少の ぐらぐらなれば 騒ぎもいたしませぬが➡ 165 00:14:12,157 --> 00:14:16,161 江戸大地震となれば 我が国の一大事 166 00:14:16,161 --> 00:14:20,165 分かっておる だから こうして調べておるではないか 167 00:14:20,165 --> 00:14:22,165 どうじゃ? (家臣)はっ! 168 00:14:27,105 --> 00:14:29,107 (水野)ンン… 169 00:14:29,107 --> 00:14:31,109 うむ… 170 00:14:31,109 --> 00:14:36,114 え~ 「関東における大地震記録 次のとおり」 171 00:14:36,114 --> 00:14:39,117 「鎌倉大地震 死者2万人」 172 00:14:39,117 --> 00:14:43,121 鎌倉? いつごろでござる? 173 00:14:43,121 --> 00:14:48,126 え~ 「永仁元年」… 鎌倉幕府のころではないか 174 00:14:48,126 --> 00:14:50,128 徳川幕府に なってからでよいのじゃ 175 00:14:50,128 --> 00:14:53,128 (家臣)はっ! (水野)ンン… 176 00:14:59,137 --> 00:15:03,141 え~ 「徳川3代将軍 家光さまの時代」 177 00:15:03,141 --> 00:15:07,145 「江戸大地震 死者3万人」 178 00:15:07,145 --> 00:15:10,148 なんと… (水野)ンン… 179 00:15:10,148 --> 00:15:14,152 次は 「元禄16年」 180 00:15:14,152 --> 00:15:16,154 元禄16年というと… 181 00:15:16,154 --> 00:15:22,094 赤穂浪士 大石内蔵助らに 切腹を命じた年でござる 182 00:15:22,094 --> 00:15:26,098 (水野)なんと 「関東大地震」 183 00:15:26,098 --> 00:15:31,103 「相模湾に津波襲来 死者5000」 184 00:15:31,103 --> 00:15:34,106 「江戸に大火災 死者2万人」 185 00:15:34,106 --> 00:15:36,108 そりゃすごい 186 00:15:36,108 --> 00:15:39,111 ざっと100年余り前のこと 187 00:15:39,111 --> 00:15:42,114 更に 「天明大地震」 188 00:15:42,114 --> 00:15:45,117 ああ… あれは よう覚えておる 189 00:15:45,117 --> 00:15:51,123 未曽有の凶作で 10万人を 超える餓死者も出たろう 190 00:15:51,123 --> 00:15:56,128 恐ろしい天明の大地震 大飢饉じゃった 191 00:15:56,128 --> 00:15:59,131 うむ… それ以後は なしか? 192 00:15:59,131 --> 00:16:06,138 はい しかし 天明の大地震から もう50年近く 193 00:16:06,138 --> 00:16:09,141 記録を調べてみても 関東大地震は 194 00:16:09,141 --> 00:16:13,145 50年から100年の間に 必ず1度は起きております 195 00:16:13,145 --> 00:16:17,149 そうか もう50年になるか 196 00:16:17,149 --> 00:16:21,153 あした 江戸大地震が起きても 不思議はございません 197 00:16:21,153 --> 00:16:26,091 どうか 急いで 江戸を 守る手だてをお考えください 198 00:16:26,091 --> 00:16:30,095 江戸を守る手だてというても… 199 00:16:30,095 --> 00:16:34,099 江戸には将軍家はもとより 全国 諸大名の方々 200 00:16:34,099 --> 00:16:39,104 更に 100万人の人間が 住んでおります 201 00:16:39,104 --> 00:16:45,104 江戸が崩壊すれば 日本の頭脳は打ち砕かれるも同然 202 00:16:47,112 --> 00:16:51,116 懸命に 江戸を守る手だてを お考えください 203 00:16:51,116 --> 00:16:56,121 <なんたって 江戸は 江戸城を中心に出来上がった町> 204 00:16:56,121 --> 00:17:02,127 <お城を囲むように 旗本の屋敷や 各お大名の屋敷があり➡ 205 00:17:02,127 --> 00:17:05,130 その周りに 町人や職人たちが➡ 206 00:17:05,130 --> 00:17:09,134 住んでいる町が広がっています> 207 00:17:09,134 --> 00:17:13,138 <お侍さん関係が ざっと50万人> 208 00:17:13,138 --> 00:17:19,138 <あとの50万人が 町人や職人 女子供というわけです> 209 00:17:21,146 --> 00:17:25,083 「地震発生の折 しばしば雲に異変あり」 210 00:17:25,083 --> 00:17:28,086 へえ 雲に? 211 00:17:28,086 --> 00:17:33,091 「俗にいう 『地震雲』にて 赤い色のつきたる雲とか」 212 00:17:33,091 --> 00:17:36,094 えっ… 赤い色の雲? 213 00:17:36,094 --> 00:17:41,094 あっ あれ! えっ どれどれ? 赤色の雲? 214 00:17:43,101 --> 00:17:46,104 「あるいは 輪のような雲のときもあり」 215 00:17:46,104 --> 00:17:49,107 輪のような雲でしょう? 216 00:17:49,107 --> 00:17:56,114 「輪のような」とあるんだから 真ん中が抜けてないと… 217 00:17:56,114 --> 00:17:58,114 私は違うと思うけど 218 00:18:00,118 --> 00:18:04,122 「更に こたつの形に 似た雲の現れるときもあり➡ 219 00:18:04,122 --> 00:18:08,126 これは俗に 『こたつ雲』というなり」 220 00:18:08,126 --> 00:18:12,130 ハァ… 地震雲にも いろいろあるんだわ 221 00:18:12,130 --> 00:18:16,134 もっと ぴたっと 分かる方法はないのかしらね 222 00:18:16,134 --> 00:18:19,137 う~ん… お父さんは いろいろと 書いてくれてるんだけど➡ 223 00:18:19,137 --> 00:18:22,074 絶対に これだっていう 決め手はないみたい 224 00:18:22,074 --> 00:18:25,077 でも お父さんは偉いわ 225 00:18:25,077 --> 00:18:30,082 こんなにたくさん 地震調べの本を 書いてるんですもの 226 00:18:30,082 --> 00:18:33,085 いろいろ組み合わせれば きっと当たるわ 227 00:18:33,085 --> 00:18:37,089 そうね 100万人の命を助けるんだもの 228 00:18:37,089 --> 00:18:40,089 できるかぎりのこと やってみなくちゃ 229 00:18:43,095 --> 00:18:45,097 (水野)我が国で➡ 230 00:18:45,097 --> 00:18:50,102 第1番の学者の方々に お集まりを願ったのは➡ 231 00:18:50,102 --> 00:18:55,107 ご案内のとおり 江戸大地震のことでござる 232 00:18:55,107 --> 00:19:01,113 なんとか皆さんのお力で 江戸大地震はあるのか 233 00:19:01,113 --> 00:19:04,116 あるとすれば それは 一体 いつなのか 234 00:19:04,116 --> 00:19:09,121 是非とも お考えを示していただきたい 235 00:19:09,121 --> 00:19:14,126 (天堂)江戸に大地震があると いうことは間違いありません 236 00:19:14,126 --> 00:19:17,129 おお… 江戸大地震はあるか 237 00:19:17,129 --> 00:19:19,131 必ずあります 238 00:19:19,131 --> 00:19:24,069 …が しかし それが いつかというと➡ 239 00:19:24,069 --> 00:19:27,072 分からないと言うしかありません 240 00:19:27,072 --> 00:19:33,078 いや しかし それでは 皆さん方に 集まってもらった意味がござらん 241 00:19:33,078 --> 00:19:40,085 大体が ご案内の書状には 「地震懇談会」とございましたので 242 00:19:40,085 --> 00:19:45,090 懇談ならばと 気軽に まいりましたものでございます 243 00:19:45,090 --> 00:19:48,093 皆さん方は いずれも➡ 244 00:19:48,093 --> 00:19:53,098 幕府直轄の大学校 昌平黌の 教授の面々 245 00:19:53,098 --> 00:19:55,100 まあ 言ってみれば➡ 246 00:19:55,100 --> 00:20:02,100 幕府のお金で 十分なる生活を してこられたわけでござろう? 247 00:20:04,109 --> 00:20:10,115 ならば かようなときに働かいで どうするか! 248 00:20:10,115 --> 00:20:13,118 (宗理) ハハッ… いや 全く さようで 249 00:20:13,118 --> 00:20:17,122 我々 できうるかぎりの努力を いたすしだいです 250 00:20:17,122 --> 00:20:20,125 大急ぎ 結論をお出し願いたい 251 00:20:20,125 --> 00:20:24,062 (遠山)城中に お泊まりの場所を 設けてありますので➡ 252 00:20:24,062 --> 00:20:29,067 できうれば 泊まりがけで お願いいたします 253 00:20:29,067 --> 00:20:31,069 泊まりがけで? 254 00:20:31,069 --> 00:20:33,071 (せきばらい) 255 00:20:33,071 --> 00:20:41,079 ♬~ 256 00:20:41,079 --> 00:20:46,084 本日 ただいま 地震取り調べ係を命ずる 257 00:20:46,084 --> 00:20:48,084 (一同)ははっ! 258 00:20:51,089 --> 00:20:54,092 (天堂)分かるわけないでしょう 259 00:20:54,092 --> 00:20:56,094 (地響き) 地震!? 260 00:20:56,094 --> 00:20:58,096 もう来ましたぞ 261 00:20:58,096 --> 00:21:02,100 あっ いやいや あ~… これは その… 262 00:21:02,100 --> 00:21:07,105 大奥で ちと工事をしておる 気にせんでよい 263 00:21:07,105 --> 00:21:09,105 (奥女中たち)よいしょ! 264 00:21:11,109 --> 00:21:13,111 よいしょ! 265 00:21:13,111 --> 00:21:17,115 もっと楽な格好で 相撲を取らせては どうかのぅ? 266 00:21:17,115 --> 00:21:19,117 楽な格好と申しますと? 267 00:21:19,117 --> 00:21:24,122 何にも着けてないのが いちばん楽ではないか? 268 00:21:24,122 --> 00:21:26,124 大御所さま… 269 00:21:26,124 --> 00:21:28,126 (奥女中たち)よいしょ! 270 00:21:28,126 --> 00:21:32,130 (笑い声) 271 00:21:32,130 --> 00:21:35,130 (せきばらい) 272 00:21:37,135 --> 00:21:42,140 地震が いつ来るかというのは どれぐらいの言い回しで? 273 00:21:42,140 --> 00:21:44,142 (水野)言い回し? 274 00:21:44,142 --> 00:21:50,148 つまり 30年以内とか もっと絞って 20年以内とか 275 00:21:50,148 --> 00:21:56,154 文政何年何月何日 できれば何の刻 276 00:21:56,154 --> 00:21:59,157 それは ちょっと… 277 00:21:59,157 --> 00:22:03,161 う~ん… そうだな 少なくとも 何月には来ると 278 00:22:03,161 --> 00:22:09,167 その程度には 絞っていただきたい 以上! 279 00:22:09,167 --> 00:22:12,170 (地響き) 280 00:22:12,170 --> 00:22:17,175 大御所さま 相撲は おやめくだされ 281 00:22:17,175 --> 00:22:19,177 ンンッ… 282 00:22:19,177 --> 00:22:22,113 (奥女中たち)よいしょ! 283 00:22:22,113 --> 00:22:24,115 よいしょ! 284 00:22:24,115 --> 00:22:28,119 よいしょ! よいしょ! よいしょ! よいしょ! 285 00:22:28,119 --> 00:22:31,122 よいしょ! 286 00:22:31,122 --> 00:22:33,122 よいしょ! 287 00:22:38,129 --> 00:22:44,135 (半田)「半田半蔵 この度 地震改め特別職を命ず」か 288 00:22:44,135 --> 00:22:46,137 だんだん 出世してくる感じね この俺 289 00:22:46,137 --> 00:22:48,137 (笑い声) 290 00:22:50,141 --> 00:22:53,144 おい こら! (職人)えっ? 291 00:22:53,144 --> 00:22:55,146 瓦を乗せちゃいかん! 292 00:22:55,146 --> 00:22:58,149 えっ!? (半田)瓦を下ろすんだ! 293 00:22:58,149 --> 00:23:01,152 どうして瓦を 下ろさなきゃいけねえんでえ!? 294 00:23:01,152 --> 00:23:03,154 この野郎 お上に向かって➡ 295 00:23:03,154 --> 00:23:05,156 見下ろして くっちゃべりやがって 太え野郎だ 296 00:23:05,156 --> 00:23:09,160 見下ろすっておっしゃっても あっしのほうが上におりますんで 297 00:23:09,160 --> 00:23:11,162 どうも そいつは… (半田)うるせえ! 298 00:23:11,162 --> 00:23:13,164 上を見上げて しゃべれ 299 00:23:13,164 --> 00:23:15,166 見上げて しゃべれ 俺が見下ろして しゃべる 300 00:23:15,166 --> 00:23:18,169 でけえ声で しゃべりゃ ちゃんと聞こえる 301 00:23:18,169 --> 00:23:20,171 えっ? 302 00:23:20,171 --> 00:23:23,108 おう (職人)えっ? 303 00:23:23,108 --> 00:23:27,112 ですから 瓦を 屋根の上に置くっちゅうことは➡ 304 00:23:27,112 --> 00:23:30,115 火事のとき 火の粉が防げるっちゅうんで➡ 305 00:23:30,115 --> 00:23:32,117 お上が 勧めておられることなんですが 306 00:23:32,117 --> 00:23:38,123 うるせえ! 口答えすんな! 今までは そうだったんだ! 307 00:23:38,123 --> 00:23:41,126 いいか? よ~く聞け 308 00:23:41,126 --> 00:23:44,129 今度 新しく 地震取り締まり法と いうのができてな 309 00:23:44,129 --> 00:23:47,132 屋根の上に重い物を乗せちゃ いけねえってことになったんだ 310 00:23:47,132 --> 00:23:49,134 分かるか!? 311 00:23:49,134 --> 00:23:52,137 地震のときに 屋根から瓦が落ちでもしたら➡ 312 00:23:52,137 --> 00:23:54,139 下の者が けがをするだろうが (職人)えっ… 313 00:23:54,139 --> 00:23:58,143 分かったか? 分かったら さっさと その瓦を下ろす 314 00:23:58,143 --> 00:24:00,145 (職人)アア… 315 00:24:00,145 --> 00:24:02,145 カッ! 316 00:24:11,156 --> 00:24:14,159 (鋭之介)お蘭ちゃん 地震雲を眺めるのもいいけど➡ 317 00:24:14,159 --> 00:24:17,162 結局は 地震を防ぐことは できないんだろう? 318 00:24:17,162 --> 00:24:20,165 うん… できない 319 00:24:20,165 --> 00:24:23,101 できないとなったら 雲眺めたり➡ 320 00:24:23,101 --> 00:24:26,104 なまず にらんだりしても 始まらないよ 321 00:24:26,104 --> 00:24:30,104 なあ? 写楽さん (写楽斉)うん 始まらないね 322 00:24:32,110 --> 00:24:36,114 だから 大地震が来る前に見つけて… 323 00:24:36,114 --> 00:24:41,119 (鋭之介)逃げるわけだろう? うん 逃げるしかないわね 324 00:24:41,119 --> 00:24:43,121 どこに逃げるんだよ? 325 00:24:43,121 --> 00:24:47,125 あっ 本当だ どこに逃げるんだろう? 326 00:24:47,125 --> 00:24:49,127 持って逃げるのに いちばんは➡ 327 00:24:49,127 --> 00:24:51,129 やっぱり 握り飯が いちばんですよね 328 00:24:51,129 --> 00:24:53,131 何日も もつかしら? 329 00:24:53,131 --> 00:24:56,131 梅干しを入れると ぐんと日持ちがよくって… 330 00:24:58,136 --> 00:25:02,140 でも 地震が来てから おにぎり 作るわけにいかないでしょう? 331 00:25:02,140 --> 00:25:05,143 平素から準備しておける物 ないかしら? 332 00:25:05,143 --> 00:25:07,143 はい 333 00:25:11,149 --> 00:25:16,154 大昔から 保存食は これ 干飯です 334 00:25:16,154 --> 00:25:19,157 戦のときなどは これを持って歩いたのです 335 00:25:19,157 --> 00:25:23,094 これに こういう物をつけます 336 00:25:23,094 --> 00:25:26,097 細かく刻んでおくと あとで食べやすいのです 337 00:25:26,097 --> 00:25:31,102 分かったわ できるだけ たくさん 干飯と昆布を作ってちょうだい 338 00:25:31,102 --> 00:25:34,105 ええっ? 売り出すんですか? 339 00:25:34,105 --> 00:25:37,108 ご近所に分けてあげるんですよ 340 00:25:37,108 --> 00:25:49,120 ♬~ 341 00:25:49,120 --> 00:25:52,123 なんでえ 家ばっかりだな 本当 342 00:25:52,123 --> 00:25:54,125 これじゃ 自分ん家 逃げ出したって➡ 343 00:25:54,125 --> 00:25:57,128 人の家に 逃げ込むことになるわけだ 344 00:25:57,128 --> 00:26:02,128 ♬~ 345 00:26:10,141 --> 00:26:12,141 (水野)う~ん… 346 00:26:14,145 --> 00:26:17,145 水だ (遠山)はぁ? 347 00:26:19,150 --> 00:26:24,088 江戸城は 大地震でも崩れる心配は まずない 348 00:26:24,088 --> 00:26:28,092 櫓も石垣も そのように組んである 349 00:26:28,092 --> 00:26:32,096 はい 江戸城は そのように作ってあります 350 00:26:32,096 --> 00:26:35,099 ところが いちばん恐ろしいのは火だ 351 00:26:35,099 --> 00:26:38,102 火が出て燃えるのが いちばん恐ろしい 352 00:26:38,102 --> 00:26:42,106 はい 確かに 江戸の町は火が問題でございます 353 00:26:42,106 --> 00:26:45,109 ただいまは 江戸城のことを考えておるのだ 354 00:26:45,109 --> 00:26:49,113 大御所さまをお守りするのが 真っ先の務めであろうが 355 00:26:49,113 --> 00:26:51,115 はっ… 356 00:26:51,115 --> 00:26:56,120 早速に 大奥で 地震到来の折の訓練じゃ 357 00:26:56,120 --> 00:27:02,126 (奥女中たち) はい はい はい はい… 358 00:27:02,126 --> 00:27:04,128 (奥女中)急げ! 359 00:27:04,128 --> 00:27:09,133 ♬~ 360 00:27:09,133 --> 00:27:16,140 <大奥は男子禁制ですから 女ばかりで やらねばなりません> 361 00:27:16,140 --> 00:27:23,081 ♬~ 362 00:27:23,081 --> 00:27:26,084 (奥女中たち) はい はい はい はい… 363 00:27:26,084 --> 00:27:29,087 はい はい はい はい… 364 00:27:29,087 --> 00:27:34,092 面白いのぅ 毎日 これをやろう 365 00:27:34,092 --> 00:27:36,094 (子供たちの はしゃぎ声) 366 00:27:36,094 --> 00:27:38,096 (玄々)ハハッ… 367 00:27:38,096 --> 00:27:40,096 (女性)お願いいたします (玄々)うむ… 368 00:27:42,100 --> 00:27:45,103 (玄々)ああ お待たせしましたな 369 00:27:45,103 --> 00:27:47,105 先生 今のお人は? 370 00:27:47,105 --> 00:27:50,108 あっ 乳癌です 371 00:27:50,108 --> 00:27:53,111 まあ 切り取るしか方法はありませんな 372 00:27:53,111 --> 00:27:55,113 まあ… 373 00:27:55,113 --> 00:27:59,117 (毬夜)大変な手術ですが 紀州の華岡青洲先生が➡ 374 00:27:59,117 --> 00:28:02,120 麻酔薬を使われて 成功なさっています 375 00:28:02,120 --> 00:28:07,125 先生 そんなときに やっかいなご相談なんですが 376 00:28:07,125 --> 00:28:10,128 ほう… どっか具合がお悪い? 377 00:28:10,128 --> 00:28:16,134 あっ いえ この江戸に 大きな地震があったときの話です 378 00:28:16,134 --> 00:28:19,137 おお… 大地震ですか 379 00:28:19,137 --> 00:28:21,139 大ざっぱな話ですけども➡ 380 00:28:21,139 --> 00:28:24,075 どれだけ 死人や けが人が出るんでしょうか? 381 00:28:24,075 --> 00:28:31,082 う~ん… いやぁ これは大変な質問ですなぁ 382 00:28:31,082 --> 00:28:33,084 江戸に大地震… 383 00:28:33,084 --> 00:28:41,092 あ~ 死者 数十万 けが人も恐らくは数十万 384 00:28:41,092 --> 00:28:46,097 江戸にお医者の数は? 1000人もおりません 385 00:28:46,097 --> 00:28:49,100 では 数十万人のけが人は? 386 00:28:49,100 --> 00:28:54,105 ンン… もう 我々は ハハッ… 途方に暮れるばかりですな 387 00:28:54,105 --> 00:28:57,108 先生と私が 必死になって頑張っても➡ 388 00:28:57,108 --> 00:29:01,108 100人のけが人を診るのが 精いっぱいです 389 00:29:04,115 --> 00:29:09,120 御免! 半田半蔵 地震改めである 390 00:29:09,120 --> 00:29:11,122 いらっしゃいませ 391 00:29:11,122 --> 00:29:13,124 ああ お蘭 ご苦労 392 00:29:13,124 --> 00:29:18,129 地震改め 分かるな? 地震改め? 何でしょう? 393 00:29:18,129 --> 00:29:21,132 人が集まる所では 何かあったときに➡ 394 00:29:21,132 --> 00:29:25,069 避難できる設備を設置すべしと こういうことになった 395 00:29:25,069 --> 00:29:27,071 避難できる設備? 396 00:29:27,071 --> 00:29:30,074 中国では 「太平門」 我が国では とりあえず➡ 397 00:29:30,074 --> 00:29:33,074 「非常門」ということになった あらためるぞ 398 00:29:36,080 --> 00:29:39,083 例えば 火事や地震になったときに 399 00:29:39,083 --> 00:29:43,087 ここの客は 一体 どうやって外へ逃げ出す? 400 00:29:43,087 --> 00:29:48,092 はい やっぱり玄関からと思います 401 00:29:48,092 --> 00:29:51,095 2階は? 2階? 402 00:29:51,095 --> 00:29:54,098 階段が 壊れるかもしれんじゃないか 403 00:29:54,098 --> 00:29:58,102 …の場合には 屋根から出ていただくしか 404 00:29:58,102 --> 00:30:03,107 なるほど ここには屋根に抜ける道がある 405 00:30:03,107 --> 00:30:06,110 平賀源内に逃げられたんだ! 406 00:30:06,110 --> 00:30:12,116 チッ… そうか 当長崎屋には もともとあったわけだ 非常門が 407 00:30:12,116 --> 00:30:22,059 ♬~ 408 00:30:22,059 --> 00:30:25,062 これを門口に貼っておきなさい 409 00:30:25,062 --> 00:30:29,066 <昔から こういうときは適印> 410 00:30:29,066 --> 00:30:32,069 (せきばらい) 411 00:30:32,069 --> 00:30:36,073 はい? 分からんかな? ほっ ほっ… 412 00:30:36,073 --> 00:30:40,077 何をしとる? のぞいちゃっちゃ駄目じゃないか 413 00:30:40,077 --> 00:30:44,081 鈍い鈍い 今日のお蘭は非常に鈍い 414 00:30:44,081 --> 00:30:46,083 もうよい 要らん 415 00:30:46,083 --> 00:30:54,091 ♬~ 416 00:30:54,091 --> 00:31:00,097 あ~ こりゃいかん どこに逃げても家ばっかりだ 417 00:31:00,097 --> 00:31:03,100 つまり 地震が来たら➡ 418 00:31:03,100 --> 00:31:05,100 死んじまうしか しょうがないみたい 419 00:31:07,104 --> 00:31:09,106 ありゃりゃ… 420 00:31:09,106 --> 00:31:12,109 (遠山)ご老中 421 00:31:12,109 --> 00:31:16,113 将軍さまの御大事は よ~く分かりますが➡ 422 00:31:16,113 --> 00:31:20,117 江戸100万近い 町民の命も また大事 423 00:31:20,117 --> 00:31:25,122 是非とも 町民を助けるための 算段をよろしく願い上げます 424 00:31:25,122 --> 00:31:28,125 いや そうは言うが どうする? 425 00:31:28,125 --> 00:31:31,128 逃げるというても どこも家ばかりじゃ 426 00:31:31,128 --> 00:31:33,130 ここ 浜離宮 427 00:31:33,130 --> 00:31:37,134 ここを開け放ち 町民を遊離してくだされば➡ 428 00:31:37,134 --> 00:31:40,137 芝一体の町民は助かります 429 00:31:40,137 --> 00:31:42,139 浜離宮は将軍さまの別荘じゃ 430 00:31:42,139 --> 00:31:45,142 町民を入れることなど まかりならん 431 00:31:45,142 --> 00:31:49,146 しかし 町民の命を助けるためにも是非 432 00:31:49,146 --> 00:31:52,146 100年に一度の ことでございます 433 00:31:54,151 --> 00:31:56,151 (ため息) 434 00:31:59,156 --> 00:32:03,160 (備前守)なに? 我が屋敷の 門を開けろとおっしゃるか 435 00:32:03,160 --> 00:32:07,164 いや 実は… 町民どもの逃げ場がないと➡ 436 00:32:07,164 --> 00:32:10,167 この遠山が 騒いでおるものですから 437 00:32:10,167 --> 00:32:14,171 何とぞ 大地震のときだけで ございますから 438 00:32:14,171 --> 00:32:17,174 (備前守) 江戸屋敷とはいえ これは城と同様 439 00:32:17,174 --> 00:32:22,113 門を開け放ち 町民などを引き入れるとは➡ 440 00:32:22,113 --> 00:32:25,116 つまり これは 城が落ちたと同様 441 00:32:25,116 --> 00:32:30,121 邸内に 町民など入れることは断る 442 00:32:30,121 --> 00:32:35,126 備前守さま 100万石のお庭 町民どものために➡ 443 00:32:35,126 --> 00:32:39,130 開け放ってくださることは できませぬか? 444 00:32:39,130 --> 00:32:42,133 何人を入れればよいのか? 445 00:32:42,133 --> 00:32:45,136 何人と言われると分かりませぬが 446 00:32:45,136 --> 00:32:49,140 500人でも1000人でも あの広いお庭なら可能かと 447 00:32:49,140 --> 00:32:52,143 庭園には名木1000本がござる 448 00:32:52,143 --> 00:32:57,148 1000人の避難民を入れれば 必ず名木が傷つくが➡ 449 00:32:57,148 --> 00:33:02,153 その補償は 誰がいたしてくれるのかな? 450 00:33:02,153 --> 00:33:04,153 補償? 451 00:33:06,157 --> 00:33:11,162 (備前守)100年にわたって 集めたる物ゆえ 石も また汚れる 452 00:33:11,162 --> 00:33:14,165 何万両もろうても 元に戻らぬと思うが➡ 453 00:33:14,165 --> 00:33:16,167 どうしてくださる? 454 00:33:16,167 --> 00:33:21,172 人が何万人も死のうかという ときのことでざいます 455 00:33:21,172 --> 00:33:26,110 どうか そのことをご勘案のうえ ご配慮願います 456 00:33:26,110 --> 00:33:33,117 (越前守)第一 江戸町民は 徳川幕府のものでござろう 457 00:33:33,117 --> 00:33:37,121 我らが屋敷を開け放つ前に➡ 458 00:33:37,121 --> 00:33:40,124 江戸城を 開け放つというのであれば➡ 459 00:33:40,124 --> 00:33:43,127 これは我らも考えぬでもござらん 460 00:33:43,127 --> 00:33:45,129 江戸城を? 461 00:33:45,129 --> 00:33:50,134 江戸城ならば 何万人でも避難できるでござろう 462 00:33:50,134 --> 00:33:52,136 (水野)ならん! 463 00:33:52,136 --> 00:33:56,140 この江戸城を何と考えるか 464 00:33:56,140 --> 00:34:00,144 上さまをお守りするこの城の 門を開くとあれば➡ 465 00:34:00,144 --> 00:34:02,146 この水野の腹➡ 466 00:34:02,146 --> 00:34:07,146 何百ぺん かっ切っても 申し訳が立たぬわ! 467 00:34:09,153 --> 00:34:11,153 (ため息) 468 00:34:13,157 --> 00:34:15,159 進め~! 469 00:34:15,159 --> 00:34:20,164 ♬~ 470 00:34:20,164 --> 00:34:23,100 (家斉)ハイヤー! 471 00:34:23,100 --> 00:34:25,100 進め~! 472 00:34:27,104 --> 00:34:30,107 進め 進め~! 473 00:34:30,107 --> 00:34:35,112 我は征夷大将軍なるぞ 474 00:34:35,112 --> 00:34:38,112 ドウドウ ドウドウ… 475 00:34:42,119 --> 00:34:45,122 戦とは どんなであるかなぁ 476 00:34:45,122 --> 00:34:50,127 (鶏の鳴き声) 477 00:34:50,127 --> 00:34:54,131 ≪♪(子供たち)かごめ かごめ 478 00:34:54,131 --> 00:34:57,134 ≪♪ かごのなかのとりは 479 00:34:57,134 --> 00:35:01,138 ≪(水の音) 480 00:35:01,138 --> 00:35:08,145 あれ? 少し水が減ってるようだけど… 481 00:35:08,145 --> 00:35:11,145 お~い 大丈夫か? 482 00:35:13,150 --> 00:35:15,150 ≪(鶏の鳴き声) 483 00:35:17,154 --> 00:35:22,093 《大地震が来るまでに 『八犬伝』を書き上げねば》 484 00:35:22,093 --> 00:35:24,093 アア… 485 00:35:26,097 --> 00:35:29,100 ハァ… 気がくるいそう 486 00:35:29,100 --> 00:35:31,102 (半田)よし ご苦労 487 00:35:31,102 --> 00:35:34,105 次は両国地区だ それ (役人たち)はっ! 488 00:35:34,105 --> 00:35:40,111 ♬~ 489 00:35:40,111 --> 00:35:42,113 (鋭之介)あっ ごめんよ 490 00:35:42,113 --> 00:35:45,116 ちょっと ごめんよ 491 00:35:45,116 --> 00:35:47,118 避難路? 492 00:35:47,118 --> 00:35:52,123 あら 浜離宮だったら こっちは反対でしょう? 493 00:35:52,123 --> 00:35:56,127 あっ 本当だ ねえ? 皆さん ねえ 494 00:35:56,127 --> 00:36:04,135 ♬~ 495 00:36:04,135 --> 00:36:07,138 (半田)いいな? みんな よく分かったな? うん? 496 00:36:07,138 --> 00:36:12,143 日本橋近くの連中はだな 埋め立て地の百万坪に避難をする 497 00:36:12,143 --> 00:36:14,145 (男性)百万坪といいますと? 498 00:36:14,145 --> 00:36:17,148 霊岸島の脇に ごみの埋め立て地があるだろう 499 00:36:17,148 --> 00:36:21,152 あれが百万坪だ (男性)ああ 50万坪の隣の 500 00:36:21,152 --> 00:36:25,089 お前 50万が好きだな ひとりで行くか? 501 00:36:25,089 --> 00:36:28,092 とにかく 江戸湾の埋め立て地に みんな 避難をする 502 00:36:28,092 --> 00:36:30,094 あすこが いちばん安全だ 503 00:36:30,094 --> 00:36:33,097 (鋭之介)半田さん (半田)おう 何か質問かい? 504 00:36:33,097 --> 00:36:36,100 こっから百万坪までは どれぐらいの遠さで? 505 00:36:36,100 --> 00:36:39,103 そうよな… 1里近くかな 506 00:36:39,103 --> 00:36:44,108 1里近く (写楽斉)そうね 1里はあるわ 507 00:36:44,108 --> 00:36:46,110 それが どうしたい? 508 00:36:46,110 --> 00:36:50,114 大地震ともなれば 多分 方々から火が出て➡ 509 00:36:50,114 --> 00:36:54,118 道の両側の家は 燃えてるでしょうが 510 00:36:54,118 --> 00:36:57,121 そんな火の道を1里近く➡ 511 00:36:57,121 --> 00:37:00,124 どうやって たどりつくんですかねえ? 512 00:37:00,124 --> 00:37:03,127 そりゃ まあ 布団でも水でも ひっかぶって走れ 513 00:37:03,127 --> 00:37:06,130 50歩や100歩だったら できるでしょうがね 514 00:37:06,130 --> 00:37:11,135 半里や1里も 火の中 走ったら 間違いなく死にますね 515 00:37:11,135 --> 00:37:13,135 焼き鳥みたいに真っ黒焦げだ 516 00:37:16,140 --> 00:37:20,144 いいか? お上はな わざわざ親切に➡ 517 00:37:20,144 --> 00:37:23,080 いちばん近くて安全な場所を 教えてやってるんだ 518 00:37:23,080 --> 00:37:25,082 そこに どうやって 無事に たどりつけるかは➡ 519 00:37:25,082 --> 00:37:30,087 それぞれの才覚だろうが てめえの命は てめえで守れ 520 00:37:30,087 --> 00:37:32,087 (男性)おおっ!? 521 00:37:34,091 --> 00:37:37,094 自分の命は 自分で守れと おっしゃるなら➡ 522 00:37:37,094 --> 00:37:39,096 親切ごかしの立て札は無用 523 00:37:39,096 --> 00:37:41,098 みんな 笑ってやれ! 524 00:37:41,098 --> 00:37:45,102 (一同の笑い声) 525 00:37:45,102 --> 00:37:50,102 野郎… 笑うな! おかしかねえ! 526 00:37:53,110 --> 00:37:58,115 ♪(三味線の演奏) 527 00:37:58,115 --> 00:38:03,120 ♪(お鈴)お化粧長けりゃノーエ 528 00:38:03,120 --> 00:38:07,124 ♪ お化粧長けりゃノーエ 529 00:38:07,124 --> 00:38:15,132 ♪ お化粧サイサイ 長けりゃお客が… 530 00:38:15,132 --> 00:38:18,135 ちょっと まだかかるのかい? 531 00:38:18,135 --> 00:38:22,072 あ~… 地熱が上がっとる 532 00:38:22,072 --> 00:38:27,077 早く仕事 終えちゃわないと 怪しまれますよ 533 00:38:27,077 --> 00:38:32,082 いや 地の熱が異常に高いぞね 534 00:38:32,082 --> 00:38:37,087 箱根の関所も近いし ンンッ… 早よう頼んまっせ 535 00:38:37,087 --> 00:38:41,091 ♪ 富士が風邪ひきゃノーエ 536 00:38:41,091 --> 00:38:46,096 ♪ 富士が風邪ひきゃノーエ 537 00:38:46,096 --> 00:38:53,103 ♪ 富士がサイサイ 風邪ひきゃお熱が高い 538 00:38:53,103 --> 00:38:57,107 (役人)おい そこで何をしておる? 539 00:38:57,107 --> 00:39:00,110 うん? 怪しい奴め 関所まで来い! 540 00:39:00,110 --> 00:39:03,113 あっ いや あの… 私は富士山麓のぞうり虫を… 541 00:39:03,113 --> 00:39:07,117 いいから来い! おい 引っ立てい (源内)ぞうり虫を あの… あの… 542 00:39:07,117 --> 00:39:09,119 お待ち (役人)なに!? 543 00:39:09,119 --> 00:39:11,121 ハアッ! 544 00:39:11,121 --> 00:39:13,123 (斬る音) 545 00:39:13,123 --> 00:39:16,123 (うめき声) 546 00:39:18,128 --> 00:39:22,066 さあ 急ぎましょう ほ~ら (源内)あの… 温度計… 547 00:39:22,066 --> 00:39:26,066 温度計は もういいの 早く (源内)ああっ… 548 00:39:29,073 --> 00:39:31,075 (役人)いけ! (役人)アアッ… 549 00:39:31,075 --> 00:39:33,077 (役人)おい どうした? 550 00:39:33,077 --> 00:39:39,083 ♬~ 551 00:39:39,083 --> 00:39:42,086 あなた… 552 00:39:42,086 --> 00:39:50,094 大地震が来たら 私たちは とても 無事に逃げ出す自信はありません 553 00:39:50,094 --> 00:39:56,100 ♬~ 554 00:39:56,100 --> 00:40:01,100 あなたとも もう会えないのでしょうか 555 00:40:03,107 --> 00:40:08,112 (半鐘の音) 556 00:40:08,112 --> 00:40:10,114 いいか? 今のが➡ 557 00:40:10,114 --> 00:40:14,118 「地震が来たぞ 皆 逃げろ」という半鐘だ 558 00:40:14,118 --> 00:40:19,123 もう一度やるから これが鳴ったら みんな避難所に走るんだ いいな? 559 00:40:19,123 --> 00:40:22,059 やってみろ (男性)へい 560 00:40:22,059 --> 00:40:25,062 (半鐘の音) 561 00:40:25,062 --> 00:40:29,066 こら こら こら! 全然 違うじゃないか 562 00:40:29,066 --> 00:40:33,070 「か~ん かんかん とて かんかん」だ 563 00:40:33,070 --> 00:40:36,073 「地震が来たぞ 皆 逃げろ」だ なっ? 564 00:40:36,073 --> 00:40:46,083 (半鐘の音) 565 00:40:46,083 --> 00:40:50,087 いいか? 分かったな? 分かったな? 566 00:40:50,087 --> 00:40:52,089 どうなんだ!? 567 00:40:52,089 --> 00:40:54,089 (半鐘の音) 568 00:40:57,094 --> 00:41:07,104 ≪(半鐘の音) 569 00:41:07,104 --> 00:41:10,107 馬鹿野郎 まだ あんなこと やってやがる 570 00:41:10,107 --> 00:41:14,111 走りながら 焼き鳥になれっていうのかよ! 571 00:41:14,111 --> 00:41:17,114 家また家 (鋭之介)お蘭ちゃん 572 00:41:17,114 --> 00:41:20,117 源内先生の 『地震百計』には どう書いてあるんだい? 573 00:41:20,117 --> 00:41:22,119 どうって? 574 00:41:22,119 --> 00:41:25,122 地震から逃れる決め手とか そういうもの書いてないのか? 575 00:41:25,122 --> 00:41:30,127 うん 地震の予知方法とか いろいろ書いてあるんだけど➡ 576 00:41:30,127 --> 00:41:33,127 いちばん最後に こう書いてあるの 577 00:41:35,132 --> 00:41:39,136 「地震は結局 逃げるにしかず つまり 逃げるが百計」 578 00:41:39,136 --> 00:41:42,139 「これ 地震百計なり」ですって 579 00:41:42,139 --> 00:41:45,142 ハハハハッ… 逃げるが百計か 580 00:41:45,142 --> 00:41:49,146 ねえ 見て 道は 家で ぎっしりだけど➡ 581 00:41:49,146 --> 00:41:51,148 川がある (鋭之介)川? 582 00:41:51,148 --> 00:41:56,153 本当 堀がいっぱい そして隅田川 583 00:41:56,153 --> 00:42:04,161 ♬~ 584 00:42:04,161 --> 00:42:08,165 そうか 川に飛び込むしかねえんだよ 585 00:42:08,165 --> 00:42:11,168 そうね 川なのよね 586 00:42:11,168 --> 00:42:17,174 ♬~ 587 00:42:17,174 --> 00:42:19,176 はい 写楽さん 588 00:42:19,176 --> 00:42:26,116 ♬~ 589 00:42:26,116 --> 00:42:28,118 (鋭之介)よし! 590 00:42:28,118 --> 00:42:35,118 ♬~ 591 00:42:37,127 --> 00:42:46,136 ♬~ 592 00:42:46,136 --> 00:42:57,147 ♬ 病葉を 水に浮かべて 593 00:42:57,147 --> 00:43:07,157 ♬ 町の谷 川は流れる 594 00:43:07,157 --> 00:43:18,168 ♬ ある人は 心つめたく 595 00:43:18,168 --> 00:43:28,111 ♬ ある人は 好きで別れて 596 00:43:28,111 --> 00:43:39,122 ♬ 吹き抜ける 風に泣いてる 597 00:43:39,122 --> 00:43:45,122 ((我は征夷大将軍なるぞ 進め!)) 598 00:43:52,135 --> 00:43:58,141 <誠 写楽さんたちが言ったとおり いつも 川は最後の逃げ道で➡ 599 00:43:58,141 --> 00:44:02,145 関東大震災 更に 東京大空襲➡ 600 00:44:02,145 --> 00:44:07,145 隅田川は 市民たちで埋め尽くされたのです> 601 00:44:09,152 --> 00:44:13,156 <今度も また そうなんでしょうか> 602 00:44:13,156 --> 00:44:18,156 ♬~ 603 00:44:26,103 --> 00:44:30,107 ヘヘヘヘッ… やっと帰ってきたぞ 604 00:44:30,107 --> 00:44:35,112 ♬~ 605 00:44:35,112 --> 00:44:40,117 あなた お蘭たちは 長崎へ向かってるんです 606 00:44:40,117 --> 00:44:42,117 長崎へ!? 607 00:44:46,123 --> 00:44:49,126 いかがいたされる? (半田)この船は どこへ? 608 00:44:49,126 --> 00:44:51,128 オランダ (半田)ゲッ! 609 00:44:51,128 --> 00:44:53,130 いってきます 610 00:44:53,130 --> 00:44:57,134 二度と戻ってこれないかも しれない日本だぜ 611 00:44:57,134 --> 00:45:04,141 ♬~ 612 00:45:04,141 --> 00:45:10,147 (一同)ばんざ~い ばんざ~い ばんざ~い 613 00:45:10,147 --> 00:45:19,147 ♬~ 614 00:50:12,248 --> 00:50:13,116 615 00:50:13,116 --> 00:50:16,119 (小林)皆さん お元気ですか 小林綾子です 616 00:50:16,119 --> 00:50:22,125 日本には 古くから 神社仏閣に伝わる行事や飾り物 617 00:50:22,125 --> 00:50:27,130 季節によって味わう旬な食べ物や その土地に伝わる風習など 618 00:50:27,130 --> 00:50:33,136 幸運を呼び込むために縁起を担ぐ さまざまな物や行いがあります 619 00:50:33,136 --> 00:50:38,141 皆さんの周りにも きっとある 幸運を呼ぶ縁起物 620 00:50:38,141 --> 00:50:42,145 この番組では そんな縁起物を ご紹介していきます 621 00:50:42,145 --> 00:50:45,145 さて 今日の縁起物は? 622 00:50:57,160 --> 00:51:02,165 香りと色で 春を感じさせてくれる桜餅 623 00:51:02,165 --> 00:51:06,169 桜の葉で餅を包む工夫は 江戸時代に始まったそうです 624 00:51:06,169 --> 00:51:10,173 ちなみに 桜餅は 2種類あることをご存じですか 625 00:51:10,173 --> 00:51:14,110 関東で多いといわれている桜餅は 626 00:51:14,110 --> 00:51:19,115 小麦粉などの生地を焼いた皮で あんを巻いたクレープ状のお餅 627 00:51:19,115 --> 00:51:21,117 一方 関西の桜餅は➡ 628 00:51:21,117 --> 00:51:26,122 道明寺粉で皮を作り あんを包んだ饅頭状のお餅で➡ 629 00:51:26,122 --> 00:51:30,126 道明寺粉の 粒々した食感が特徴です 630 00:51:30,126 --> 00:51:32,128 桜餅といえば➡ 631 00:51:32,128 --> 00:51:37,133 餅を包んでいる塩漬けの桜の葉の 存在が欠かせません 632 00:51:37,133 --> 00:51:41,137 正式には 葉を取って食べるのが 推奨されているそうです 633 00:51:41,137 --> 00:51:44,140 もちろん 食べても 問題はないそうですよ 634 00:51:44,140 --> 00:51:47,140 私は 時々 食べちゃうかな 635 00:51:52,148 --> 00:51:56,152 突然ですが 皆さんは 竹の子 お好きですか 636 00:51:56,152 --> 00:51:59,155 歯ごたえがよく 食べ飽きない風味で➡ 637 00:51:59,155 --> 00:52:02,158 私は もう大好きです 638 00:52:02,158 --> 00:52:05,161 昔から 出世運がアップする 縁起のよい食べ物として➡ 639 00:52:05,161 --> 00:52:07,163 愛されてきました 640 00:52:07,163 --> 00:52:11,167 竹の子は すくすくと まっすぐに 太陽に向かって伸びるため➡ 641 00:52:11,167 --> 00:52:16,106 神さまのご加護が得られやすいと 考えられていました 642 00:52:16,106 --> 00:52:19,109 また竹の子は 成長が早いため➡ 643 00:52:19,109 --> 00:52:22,112 竹の子のように 早く成長してほしいと➡ 644 00:52:22,112 --> 00:52:25,115 親が子供に 竹の子を食べさせたそうです 645 00:52:25,115 --> 00:52:30,120 そのほかにも めったに 病気にならない 子だくさんなど 646 00:52:30,120 --> 00:52:33,123 さまざまな効果があると 信じられていました 647 00:52:33,123 --> 00:52:36,126 おいしくて こんなに たくさんのご利益があるなら➡ 648 00:52:36,126 --> 00:52:38,128 食べないとですよね 649 00:52:38,128 --> 00:52:43,128 私は 竹の子ご飯が好きかなぁ ん~… 650 00:52:48,138 --> 00:52:52,142 突然ですが 皆さんは お茶はお好きですか 651 00:52:52,142 --> 00:52:59,149 ♪ 夏も近づく八十八夜 652 00:52:59,149 --> 00:53:02,152 この歌 一度は 聞いたことがありますよね 653 00:53:02,152 --> 00:53:07,152 『茶摘み』 でも 「八十八夜」とは 何のことでしょうか 654 00:53:12,095 --> 00:53:16,099 つまり 5月の初めごろのことをいいます 655 00:53:16,099 --> 00:53:21,104 節目の日とされる八十八夜は 末広がりの八が2つあることから 656 00:53:21,104 --> 00:53:23,106 縁起がよいとされてきました 657 00:53:23,106 --> 00:53:26,109 そのため 八十八夜に摘み取られるお茶は➡ 658 00:53:26,109 --> 00:53:29,112 不老長寿の縁起物として重宝され 659 00:53:29,112 --> 00:53:35,118 その新茶を飲むと 1年を災いなく 過ごせるといわれています 660 00:53:35,118 --> 00:53:39,122 また 「八十八夜の別れ霜」という 言葉があり➡ 661 00:53:39,122 --> 00:53:43,126 八十八夜以降は 霜の心配がなくなるので➡ 662 00:53:43,126 --> 00:53:47,130 農家では茶摘みや農作業を 始める時期でもありました 663 00:53:47,130 --> 00:53:52,135 縁起もよく さわやかな香りと 甘みもある新茶を飲んで➡ 664 00:53:52,135 --> 00:53:54,135 今年1年を元気に過ごしましょう 665 00:53:59,142 --> 00:54:04,147 七月七日といえば 七夕の日ですよね 666 00:54:04,147 --> 00:54:07,150 江戸時代には旧暦の七月七日は➡ 667 00:54:07,150 --> 00:54:11,154 もうひとつの大切な仕事が あったそうなんですが… 668 00:54:11,154 --> 00:54:14,090 それは 「井戸替え」です 669 00:54:14,090 --> 00:54:17,093 夏に 疫病が 流行するのを防ぐために➡ 670 00:54:17,093 --> 00:54:21,097 この時期に 井戸の中の掃除をしました 671 00:54:21,097 --> 00:54:25,101 「井戸浚え」 「晒井戸」とも呼ばれ➡ 672 00:54:25,101 --> 00:54:29,105 「つるつる」という落語や 歌舞伎にも登場するほど➡ 673 00:54:29,105 --> 00:54:32,108 夏の風物詩でもあったようです 674 00:54:32,108 --> 00:54:37,113 井戸の水を全て出して 井戸職人を中を掃除するのですが 675 00:54:37,113 --> 00:54:43,119 深~い井戸の中に入っての作業は 時に危険を伴ったそうです 676 00:54:43,119 --> 00:54:46,122 一方 水をくむときに➡ 677 00:54:46,122 --> 00:54:49,125 井戸に落としてしまった 髪飾りなども見つかるので➡ 678 00:54:49,125 --> 00:54:53,125 その日を楽しみに していた女性もいたそうですよ 679 00:54:58,134 --> 00:55:03,139 江戸時代から続く 夏の風物詩のひとつ 花火 680 00:55:03,139 --> 00:55:09,145 中でも 線香花火は 古くから 日本人に愛されていますが 681 00:55:09,145 --> 00:55:12,081 実は 国産の線香花火の製造は➡ 682 00:55:12,081 --> 00:55:15,084 一度 途絶えてしまったそうなんですが 683 00:55:15,084 --> 00:55:17,086 職人さんの手によって➡ 684 00:55:17,086 --> 00:55:21,090 今は 純国産の線香花火を 楽しめるようになりました 685 00:55:21,090 --> 00:55:25,094 1本1本 手作業で作られているため➡ 686 00:55:25,094 --> 00:55:28,097 表情や持続時間も 微妙に異なります 687 00:55:28,097 --> 00:55:32,097 また 純国産線香花火の 燃え方は… 688 00:55:40,109 --> 00:55:43,112 …と変化していきます 689 00:55:43,112 --> 00:55:45,114 この美しい変化は➡ 690 00:55:45,114 --> 00:55:49,118 はかなく消えゆく 人の一生が表現されているそうで 691 00:55:49,118 --> 00:55:53,118 この辺りは日本人ならではの 感性ですよね 692 00:55:58,127 --> 00:56:03,132 皆さんは 9月9日の 「重陽の節句」をご存じでしょうか 693 00:56:03,132 --> 00:56:07,136 大人の雛祭りとも いわれていますが… 694 00:56:07,136 --> 00:56:10,139 重陽は 菊の節句として伝わり➡ 695 00:56:10,139 --> 00:56:14,077 菊酒や 食用菊を 盛り込んだ料理・和菓子をたしなみ 696 00:56:14,077 --> 00:56:16,079 健康を祈願します 697 00:56:16,079 --> 00:56:22,085 また 行事として 「後の雛」という 風習も江戸時代から生まれ➡ 698 00:56:22,085 --> 00:56:27,085 3月に飾った雛人形を9月に もう一度 出すことで… 699 00:56:33,096 --> 00:56:35,098 桃の節句と違い➡ 700 00:56:35,098 --> 00:56:40,103 重陽は 菊が主役の節句なので 少し落ち着い雰囲気 701 00:56:40,103 --> 00:56:43,106 そして お酒に菊の花びらを浮かべて➡ 702 00:56:43,106 --> 00:56:46,109 長寿を願い飲む菊酒が 定番だそうで➡ 703 00:56:46,109 --> 00:56:51,109 正に大人の雛祭りといえますね 704 00:56:56,119 --> 00:57:00,123 突然ですが おはぎはお好きですか 705 00:57:00,123 --> 00:57:03,126 では ぼたもちは いかがでしょう? 706 00:57:03,126 --> 00:57:08,131 うん? おはぎと ぼたもちって 似ていますよね 707 00:57:08,131 --> 00:57:11,134 違いってあるんでしょうか… 708 00:57:11,134 --> 00:57:14,070 おはぎと ぼたもち その違いは➡ 709 00:57:14,070 --> 00:57:17,073 作られる季節によって 名前を変えていたそうです 710 00:57:17,073 --> 00:57:21,077 春のお彼岸に食べるのが 「ぼたもち」 711 00:57:21,077 --> 00:57:24,080 牡丹の咲く時期に 食べられたことから➡ 712 00:57:24,080 --> 00:57:28,084 「牡丹餅」と呼ばれていたのが 「ぼたもち」になったそうです 713 00:57:28,084 --> 00:57:32,088 一方 秋のお彼岸に 食べるのが 「おはぎ」です 714 00:57:32,088 --> 00:57:35,091 その由来は もちろん 萩です 715 00:57:35,091 --> 00:57:40,096 おはぎに使用する粒あんを 秋に咲く萩の花に見立て➡ 716 00:57:40,096 --> 00:57:42,098 こう呼ばれるようになりました 717 00:57:42,098 --> 00:57:45,101 同じものでも 季節によって 呼び方を変えるって➡ 718 00:57:45,101 --> 00:57:47,101 風流ですよねえ 719 00:57:53,109 --> 00:57:58,114 秋の味覚の最高峰とも言えるのが 松茸ではないでしょうか 720 00:57:58,114 --> 00:58:02,118 ウ~ン! このいい香りが たまりませ~ん! 721 00:58:02,118 --> 00:58:05,121 日本では 昔から親しまれ➡ 722 00:58:05,121 --> 00:58:09,125 『日本書紀』に 庶民から 天皇への献上品として➡ 723 00:58:09,125 --> 00:58:13,062 栗・鮎 そして 松茸を送ったそうです 724 00:58:13,062 --> 00:58:18,067 また 『万葉集』では 「秋の香りのよさ」と詠まれ➡ 725 00:58:18,067 --> 00:58:21,070 吉田兼好は 『徒然草』の中で➡ 726 00:58:21,070 --> 00:58:25,074 3大珍味の ひとつとして挙げています 727 00:58:25,074 --> 00:58:28,077 その後も 松尾芭蕉をはじめとする➡ 728 00:58:28,077 --> 00:58:31,080 江戸時代の俳人たちにも 詠まれてきました 729 00:58:31,080 --> 00:58:35,084 江戸時代では 庶民の食べ物だったそうで 730 00:58:35,084 --> 00:58:40,089 お吸い物や焼き物など さまざまな 料理で愛されていました 731 00:58:40,089 --> 00:58:45,089 ちなみに 私は 松茸の土瓶蒸しが大好きで~す 732 00:58:50,099 --> 00:58:55,104 皆さんは 冬の訪れの風物詩 亥の子餅って ご存じですか 733 00:58:55,104 --> 00:58:58,107 大変 ご利益もあり➡ 734 00:58:58,107 --> 00:59:01,110 紫式部の 『源氏物語』にも 登場するそうですが 735 00:59:01,110 --> 00:59:06,115 いのししの子供・ウリ坊の形に かたどった和菓子 736 00:59:06,115 --> 00:59:10,119 亥の月の 亥の日 亥の刻に➡ 737 00:59:10,119 --> 00:59:13,055 亥の子餅を食べると 無病息災となり 738 00:59:13,055 --> 00:59:17,059 また 子供をたくさん産む いのししにあやかって➡ 739 00:59:17,059 --> 00:59:20,062 子孫繁栄を願う意味が あるそうです 740 00:59:20,062 --> 00:59:24,066 平安時代に 中国から日本に伝わり 741 00:59:24,066 --> 00:59:27,069 亥の子祝いとして 貴族の間に広まり➡ 742 00:59:27,069 --> 00:59:31,073 紫式部の 『源氏物語』に 登場するほど➡ 743 00:59:31,073 --> 00:59:33,075 身近なイベントだったようです 744 00:59:33,075 --> 00:59:37,079 江戸時代になると 亥の子祝いの日に➡ 745 00:59:37,079 --> 00:59:41,083 亥の子餅を食べ いろりや こたつなどを使い始めると➡ 746 00:59:41,083 --> 00:59:45,087 火事が起きないという風習が 広まりました 747 00:59:45,087 --> 00:59:47,089 いかがでしたでしょうか 748 00:59:47,089 --> 00:59:52,094 まだまだ 私たちの知らないものや 意外なものにも➡ 749 00:59:52,094 --> 00:59:56,098 さまざまな縁起担ぎの意味が 込められているようですね 750 00:59:56,098 --> 00:59:59,101 身近にある そんな縁起物 751 00:59:59,101 --> 01:00:02,104 皆さんも お店や神社で探してみたり 752 01:00:02,104 --> 01:00:06,108 幸せを呼び込んでみては いかがでしょうか 753 01:00:06,108 --> 01:00:10,108 それでは またお会いしましょう 小林綾子でした