1 00:01:22,373 --> 00:01:24,373 2 00:01:29,247 --> 00:01:49,267 ・~ 3 00:01:49,267 --> 00:02:09,287 ・~ 4 00:02:09,287 --> 00:02:29,240 ・~ 5 00:02:29,240 --> 00:02:49,260 ・~ 6 00:02:49,260 --> 00:03:09,280 ・~ 7 00:03:09,280 --> 00:03:29,233 ・~ 8 00:03:29,233 --> 00:03:42,233 ・~ 9 00:03:44,248 --> 00:03:49,248 (拍手) 10 00:03:51,255 --> 00:04:09,273 ♪ ああ 君よ 美しい花のように生きて 11 00:04:09,273 --> 00:04:28,225 ♪ 愛する人を思い輝き続けて 12 00:04:28,225 --> 00:04:46,243 ♪ ああ 君よ 故郷の風のように生きて 13 00:04:46,243 --> 00:05:03,243 ♪ 懐かしい父や母の ほほえみ忘れず 14 00:05:07,264 --> 00:05:11,268 (お蘭) 変な夢! 変な異人服 着て… 15 00:05:11,268 --> 00:05:15,272 あっ! 隣に立ってた人は… 16 00:05:15,272 --> 00:05:21,278 金四郎さん? 嫌だわ 何だろう 今の夢 17 00:05:21,278 --> 00:05:24,215 嫌だぁ… 18 00:05:24,215 --> 00:05:28,219 (金四郎)何だ・ 今の夢は オランダ風の格好して… 19 00:05:28,219 --> 00:05:31,222 隣に立ってたのは お蘭ちゃんだった 20 00:05:31,222 --> 00:05:33,224 確かに お蘭ちゃん! 21 00:05:33,224 --> 00:05:38,229 覚めるな 覚めるな ずっと あのまま 夢みてろってんだ 22 00:05:38,229 --> 00:05:42,233 あの顔だ あの顔が出てきたんで 目が覚めたんだ! 23 00:05:42,233 --> 00:05:46,237 アア… たまんねえよ くそ! 24 00:05:46,237 --> 00:05:50,241 アアッ! くそ! 25 00:05:50,241 --> 00:05:52,243 ヤーッ! トーッ! ヤーッ! 26 00:05:52,243 --> 00:05:55,246 ンンッ! デヤッ! ヤーッ! 27 00:05:55,246 --> 00:05:57,248 ・(金四郎の騒ぎ声) 28 00:05:57,248 --> 00:06:00,251 (律)あの声… 29 00:06:00,251 --> 00:06:04,255 (遠山)真夜中に 刀を振り回す奴がおるか! 30 00:06:04,255 --> 00:06:06,257 申し訳ありません 31 00:06:06,257 --> 00:06:09,260 もやもやするのであれば 始末する場所を・ 32 00:06:09,260 --> 00:06:11,262 教えてあるであろうが (金四郎)そういうわけでは… 33 00:06:11,262 --> 00:06:13,264 いやいや 恥ずかしがることはない 34 00:06:13,264 --> 00:06:16,267 男子たるもの 若いときは もやもやするもんだ 35 00:06:16,267 --> 00:06:19,270 父上もですか? 36 00:06:19,270 --> 00:06:24,208 いや 恥ずかしながら… もやもやいたした 37 00:06:24,208 --> 00:06:27,211 そうですか 父上もですか 38 00:06:27,211 --> 00:06:31,215 男と生まれたからには 致し方ないことだ 39 00:06:31,215 --> 00:06:33,217 父上 (遠山)うん? 40 00:06:33,217 --> 00:06:36,220 もやもやというのは いつごろまで続くんでしょうか? 41 00:06:36,220 --> 00:06:39,223 それは… 42 00:06:39,223 --> 00:06:46,230 「残念ながら」と言うべきか 「不覚に」とも言うべきか… 43 00:06:46,230 --> 00:06:48,232 一生 (金四郎)一生・ 44 00:06:48,232 --> 00:06:50,232 これ 大きな声を… 45 00:06:53,237 --> 00:06:55,239 どうした? 律 46 00:06:55,239 --> 00:06:59,243 「どうした」は こちらがお聞きしたいこと 47 00:06:59,243 --> 00:07:04,248 真夜中に お2人して刀を手に 何事でございますか? 48 00:07:04,248 --> 00:07:09,253 いや その… ちょっと 金四郎と男同士のというか… 49 00:07:09,253 --> 00:07:12,256 まあ 男だけの話を ちと… 50 00:07:12,256 --> 00:07:17,261 男だけの話と申しますと お城のお仕事のお話で? 51 00:07:17,261 --> 00:07:20,264 いやいや いやいや 仕事は関係ないが 52 00:07:20,264 --> 00:07:24,201 男にとって 抜き差しならぬことで 53 00:07:24,201 --> 00:07:28,205 抜き差しならぬとは 容易ならぬこと 54 00:07:28,205 --> 00:07:32,209 できれば 私にもお聞かせ願えれば 55 00:07:32,209 --> 00:07:37,209 だから言ったろう 男同士の 男だけの話じゃと 56 00:07:39,216 --> 00:07:46,223 ひとつ家に 親子 夫婦の関係でありながら 57 00:07:46,223 --> 00:07:53,230 男同士と申されて 私ひとりが のけ者にされるとは… 58 00:07:53,230 --> 00:07:57,234 なんとも寂しゅうございます 59 00:07:57,234 --> 00:08:00,237 そんな大仰なことではない 60 00:08:00,237 --> 00:08:03,240 では お話しくだされませ 61 00:08:03,240 --> 00:08:08,245 だから 男子たるもの 何をもって男たりうるか 62 00:08:08,245 --> 00:08:12,249 はたまた 何がゆえに男と呼ばれるか 63 00:08:12,249 --> 00:08:16,253 そんな難しいお話を 寝巻き姿で真夜中に? 64 00:08:16,253 --> 00:08:18,255 ああ… そうであった 65 00:08:18,255 --> 00:08:21,258 金四郎 明朝にいたそう 明朝に 早く休め 66 00:08:21,258 --> 00:08:26,196 父上 母上 金四郎 お願いがござります 67 00:08:26,196 --> 00:08:29,199 何ですか? そんな改まって 68 00:08:29,199 --> 00:08:34,204 金四郎 結婚を決めましてございます 69 00:08:34,204 --> 00:08:37,207 結婚を決めた? (金四郎)はい! 70 00:08:37,207 --> 00:08:40,210 金四郎 今は真夜中じゃ 明朝に話せ 71 00:08:40,210 --> 00:08:43,213 (金四郎)いえ ただいま決めましてございます 72 00:08:43,213 --> 00:08:46,216 おお… おお よう言うた 73 00:08:46,216 --> 00:08:52,222 そろそろ金四郎も24歳 長崎勤めがあって 嫁取りが遅れ・ 74 00:08:52,222 --> 00:08:55,225 母は ひそかに気をもんでおりました 75 00:08:55,225 --> 00:08:58,228 はい 金四郎 嫁をもらいとうございます 76 00:08:58,228 --> 00:09:02,232 おお… その言葉を待っておりました 77 00:09:02,232 --> 00:09:07,237 私も ひそかに 心積もりしておる娘御がおります 78 00:09:07,237 --> 00:09:10,240 誰じゃ? (律)ほれ 寺社奉行の… 79 00:09:10,240 --> 00:09:13,243 母上 父上! 嫁は もう決めてございます 80 00:09:13,243 --> 00:09:16,246 なに? もう決めておる? 81 00:09:16,246 --> 00:09:18,246 はい (遠山)金四郎 誰じゃ? 82 00:09:21,251 --> 00:09:23,187 お蘭どの (遠山)ああ… お蘭どの 83 00:09:23,187 --> 00:09:26,190 (金四郎)はい (律)何ですか? 「おらん」とは 84 00:09:26,190 --> 00:09:29,193 鬼ごっこではあるまいし 「おらん」では分かりません 85 00:09:29,193 --> 00:09:33,197 長崎屋の娘 お蘭どのじゃ (金四郎)はい! 86 00:09:33,197 --> 00:09:36,200 長崎屋… 87 00:09:36,200 --> 00:09:39,203 町方の娘ではございませぬか・ 88 00:09:39,203 --> 00:09:43,207 (鶏の鳴き声) 89 00:09:43,207 --> 00:09:47,211 エイッ エイッ! 90 00:09:47,211 --> 00:09:50,214 エイッ… あっ いけない! 91 00:09:50,214 --> 00:09:52,214 鋭之介さん… 92 00:09:54,218 --> 00:09:56,218 鋭之介さん? 93 00:09:58,222 --> 00:10:00,222 (鋭之介)はぁ… 94 00:10:02,226 --> 00:10:04,228 (柏手) 95 00:10:04,228 --> 00:10:12,228 ・~ 96 00:10:17,241 --> 00:10:19,241 (かおる)あなた (源内)ああ 97 00:10:21,245 --> 00:10:25,245 あなた… だから 何ですか? 98 00:10:27,184 --> 00:10:29,186 あっ… 99 00:10:29,186 --> 00:10:33,190 ご本を読みながらは やめてください 100 00:10:33,190 --> 00:10:37,194 ハハッ… そうか あ~ だったら・ 101 00:10:37,194 --> 00:10:42,199 あんたを見ながらということに なりますが よろしいかな? 102 00:10:42,199 --> 00:10:46,203 食べる物も見てください なるほど! 103 00:10:46,203 --> 00:10:50,207 ああ きれいに 漬け上がっておりますな うん 104 00:10:50,207 --> 00:10:54,211 相談があります うん 食べながら? 105 00:10:54,211 --> 00:10:57,214 あっ そうですね 食べてからにしましょう 106 00:10:57,214 --> 00:11:02,219 いやいや 良かったら 食べながらでも かまいませんよ 107 00:11:02,219 --> 00:11:06,223 ゆうべ 夜中に目が覚めて ず~っと眠れませんでした 108 00:11:06,223 --> 00:11:08,225 うん 何かありました? 109 00:11:08,225 --> 00:11:12,229 いえ 別にありませんけれども 眠れなくて 110 00:11:12,229 --> 00:11:15,232 あっ 私のいびき 111 00:11:15,232 --> 00:11:18,235 いえ そうじゃないんです 112 00:11:18,235 --> 00:11:23,235 ふっと… ふっと? 113 00:11:26,243 --> 00:11:31,248 私のような者をかくまっている こんな暮らしが嫌になりましたか 114 00:11:31,248 --> 00:11:34,251 そんな… そんなことじゃありません 115 00:11:34,251 --> 00:11:40,257 いや こちらに かくまわれてから 20年余り 116 00:11:40,257 --> 00:11:43,260 何にも 何ひとつ働きもせず・ 117 00:11:43,260 --> 00:11:46,263 こうやって ご飯を食べさしてもらい その上… 118 00:11:46,263 --> 00:11:50,267 あなた そんなことじゃないって… いや 聞いてください 119 00:11:50,267 --> 00:11:55,272 その上 あんたのような 美しい人を女房にして・ 120 00:11:55,272 --> 00:12:00,277 かわいい娘まで持つことができた 121 00:12:00,277 --> 00:12:04,281 ありがとう あなた… 122 00:12:04,281 --> 00:12:08,285 夫婦の私に ありがとうなんて おっしゃらないでください 123 00:12:08,285 --> 00:12:11,288 しかし そうじゃありませんか 124 00:12:11,288 --> 00:12:15,292 私のような 天下のお尋ね者をかくまって・ 125 00:12:15,292 --> 00:12:18,295 万一 発覚すれば あんたも罪になる 126 00:12:18,295 --> 00:12:23,233 ・~ 127 00:12:23,233 --> 00:12:29,239 あなたが仮の死体となって 運び込まれた夜のこと… 128 00:12:29,239 --> 00:12:33,239 本当に 昨日のことのように 覚えております 129 00:12:35,245 --> 00:12:39,249 偉いオランダ学者の 杉田玄白先生が・ 130 00:12:39,249 --> 00:12:44,254 私のような者に 両手をついて おっしゃった 131 00:12:44,254 --> 00:12:48,258 「ここに 死にかけているような人物は・ 132 00:12:48,258 --> 00:12:52,262 やがて息を吹き返しますが どうしても 伝馬町の牢の中で・ 133 00:12:52,262 --> 00:12:56,266 死なせるわけには いかない人物なのです」 134 00:12:56,266 --> 00:13:03,273 「我々のため 世の中のため いえ 日本のために・ 135 00:13:03,273 --> 00:13:07,277 死なせてはならない人物なのです」 136 00:13:07,277 --> 00:13:10,280 「どうぞ かおるさん」 137 00:13:10,280 --> 00:13:16,280 「この男をこの家にかくまって 助けてやってください」 138 00:13:18,288 --> 00:13:21,291 玄白が そう言いましたか 139 00:13:21,291 --> 00:13:24,228 (泣き声) 140 00:13:24,228 --> 00:13:32,236 今考えると 私も 間の抜けたことを言ったものです 141 00:13:32,236 --> 00:13:37,241 「何日お泊めすれば いいのですか」って 142 00:13:37,241 --> 00:13:42,246 フフッ… 長年 宿屋を やっているもんですから つい… 143 00:13:42,246 --> 00:13:47,251 「何日お泊めすればよろしいか」 144 00:13:47,251 --> 00:13:55,251 そうしましたら 玄白先生は 怖いような顔でおっしゃった 145 00:13:57,261 --> 00:14:00,264 「一生です」 146 00:14:00,264 --> 00:14:03,264 「一生 お泊め願いたい」 147 00:14:05,269 --> 00:14:09,269 それで 私は承知いたしました 148 00:14:11,275 --> 00:14:18,275 「一生 お泊めします」と 返事をしたんです 149 00:14:21,285 --> 00:14:24,285 お味噌汁が冷めます 150 00:14:47,244 --> 00:14:50,247 ・(うぐいすの鳴き声) あっ うぐいす 151 00:14:50,247 --> 00:14:52,249 食事中 言葉を慎め 152 00:14:52,249 --> 00:14:57,254 そのとおりです ですが それも 時と場合によってのこと 153 00:14:57,254 --> 00:15:01,258 お家の一大事の折は 食事の折も 口を利かねばならんと思います 154 00:15:01,258 --> 00:15:04,261 (遠山)律… 155 00:15:04,261 --> 00:15:11,268 金四郎 ゆうべ 長崎屋の娘を 嫁に欲しいと申したのは本当か? 156 00:15:11,268 --> 00:15:13,270 本当でございます 157 00:15:13,270 --> 00:15:17,274 やめとけ 食事中じゃよ 終わってからにいたせ 158 00:15:17,274 --> 00:15:22,212 終わってからと申されますが 終われば ひげそりもそこそこに・ 159 00:15:22,212 --> 00:15:25,215 お城に出かけられてしまうでは ござりませぬか 160 00:15:25,215 --> 00:15:29,219 あっ いかん 今日は ご老中さま じきじきの会議があった 161 00:15:29,219 --> 00:15:31,221 ごちそうであった 162 00:15:31,221 --> 00:15:35,225 旦那さま お家の一大事と申しておるのです 163 00:15:35,225 --> 00:15:39,229 (遠山)今言うたであろう お城では ご老中じきじきの会議 164 00:15:39,229 --> 00:15:42,232 待たせれば よろしいではござりませぬか 165 00:15:42,232 --> 00:15:45,235 そちは なんということを言うのだ 166 00:15:45,235 --> 00:15:48,238 会議では 次な長崎奉行も含めて… 167 00:15:48,238 --> 00:15:50,240 こちらは お家の一大事 168 00:15:50,240 --> 00:15:53,243 遠山家が 浮くか沈むかの 一大事でございます 169 00:15:53,243 --> 00:15:55,245 何を大仰な 170 00:15:55,245 --> 00:15:59,249 この金四郎は 遠山家の ただひとりの跡継ぎ 171 00:15:59,249 --> 00:16:04,254 その嫁取りで 遠山家の今後が 大きゅう変わるというのが・ 172 00:16:04,254 --> 00:16:06,256 大仰でござりましょうか? 173 00:16:06,256 --> 00:16:10,260 長崎奉行を務めたお方とは 見えぬお言葉 174 00:16:10,260 --> 00:16:13,263 分かった分かった そちの申すとおりであった 175 00:16:13,263 --> 00:16:17,267 金四郎 当方は徳川直参 武士の家柄 176 00:16:17,267 --> 00:16:20,270 しかるに 長崎屋というのは旅籠であろうが 177 00:16:20,270 --> 00:16:23,206 旅籠といっても… (律)旅籠とは つまり・ 178 00:16:23,206 --> 00:16:27,210 客を呼び込み 食を出し 布団を敷いて寝かせ・ 179 00:16:27,210 --> 00:16:31,214 それで お金をもらえるという つまり 下世話な商い 180 00:16:31,214 --> 00:16:33,216 下世話といっても 旅籠がなければ・ 181 00:16:33,216 --> 00:16:35,218 旅するお人は困ります 182 00:16:35,218 --> 00:16:38,221 母上とて 旅すれば必ず やっかいになる所でございます 183 00:16:38,221 --> 00:16:41,224 (咀嚼音) 184 00:16:41,224 --> 00:16:44,227 身分が違うと言うておるのじゃ 185 00:16:44,227 --> 00:16:48,231 身分というても… あっ 将軍さまとて・ 186 00:16:48,231 --> 00:16:51,234 町人の出である お美代の方さまを おそばに召していらっしゃいます 187 00:16:51,234 --> 00:16:53,234 それは… (咀嚼音) 188 00:16:55,238 --> 00:16:59,242 それは側女としてじゃ 正式の奥方ではない 189 00:16:59,242 --> 00:17:03,246 金四郎 お前も その長崎屋のお蘭という娘を・ 190 00:17:03,246 --> 00:17:06,249 そうしたいのか? (金四郎)とんでもない! 191 00:17:06,249 --> 00:17:10,249 正式も正式 ちゃんとした嫁として 結婚したいのです 192 00:17:12,255 --> 00:17:16,259 食べずに お聞きになったら どうです? 193 00:17:16,259 --> 00:17:18,261 ちゃんと聞いておる 194 00:17:18,261 --> 00:17:20,263 一度 母上も お蘭どのに お会いになれば・ 195 00:17:20,263 --> 00:17:22,199 必ず気に入ってくださいます 196 00:17:22,199 --> 00:17:24,201 ねっ? 父上 そうでございましょう? 197 00:17:24,201 --> 00:17:28,205 (遠山) うん お蘭どのは実によい娘御じゃ 198 00:17:28,205 --> 00:17:32,209 旦那さまは その娘をよくご存じなので? 199 00:17:32,209 --> 00:17:36,213 長崎屋は オランダ商館の連中が 泊まる異人宿 200 00:17:36,213 --> 00:17:38,215 仕事の関係で よう知っとる 201 00:17:38,215 --> 00:17:40,217 母上 本当に 一度 会ってごらんになれば・ 202 00:17:40,217 --> 00:17:43,220 分かっていただけます (遠山)うん 203 00:17:43,220 --> 00:17:48,225 私をのけ者にして… (遠山)誰が のけ者にした? 204 00:17:48,225 --> 00:17:53,230 だって 知らぬのは 私ひとりではございませぬか 205 00:17:53,230 --> 00:17:56,233 ・(うぐいすの鳴き声) 206 00:17:56,233 --> 00:17:58,233 アア… 207 00:18:02,239 --> 00:18:06,243 いやぁ かおるさん 本当のことを言うとな… 208 00:18:06,243 --> 00:18:09,246 いや よそう 209 00:18:09,246 --> 00:18:14,251 言いかけて やめられると 逆さまつげになったようで… 210 00:18:14,251 --> 00:18:19,256 あっ そうか ハハハハッ… 211 00:18:19,256 --> 00:18:22,192 いやぁ わしはな 212 00:18:22,192 --> 00:18:29,192 こんな暮らしが いつ崩れるかと 心配で心配でならんときがある 213 00:18:31,201 --> 00:18:37,207 そんなことを考えると ひと晩中 一睡もできんこともある 214 00:18:37,207 --> 00:18:43,213 あっ かおるさん ゆうべ あんた 眠れんかったと言うとった 215 00:18:43,213 --> 00:18:46,216 それを聞こうと思っとったのに わしが余計なことを・ 216 00:18:46,216 --> 00:18:49,219 話してしもうたもんじゃから… あの… 何じゃったかいね? 217 00:18:49,219 --> 00:18:52,222 いえ もういいんです 218 00:18:52,222 --> 00:18:56,226 わしが話したようなことで 眠れないですか? 219 00:18:56,226 --> 00:19:01,231 いえ そういうことも 考えることもありますけど・ 220 00:19:01,231 --> 00:19:06,236 ゆうべは別のことで 221 00:19:06,236 --> 00:19:08,238 いえ もういいんです 222 00:19:08,238 --> 00:19:11,241 かおるさん ちゃんと話してくれんと・ 223 00:19:11,241 --> 00:19:15,241 わしの心の中が 逆さまつげになりますぞね 224 00:19:17,247 --> 00:19:21,251 お蘭の結婚のことです 225 00:19:21,251 --> 00:19:25,188 お蘭の結婚… 何か話があるんかいね? 226 00:19:25,188 --> 00:19:31,194 いえ ありませんけれど… もう あの子も二十歳を超えました 227 00:19:31,194 --> 00:19:37,200 もう二十歳か… なんか 16~17の感じじゃったが 228 00:19:37,200 --> 00:19:41,204 世間では 二十歳を超えた娘が 嫁入りをしないと・ 229 00:19:41,204 --> 00:19:44,207 少々 けげんな顔をされます 230 00:19:44,207 --> 00:19:48,211 勝手に けげんな顔をさせておけ 231 00:19:48,211 --> 00:19:51,214 それでもいいんですけれど… 232 00:19:51,214 --> 00:19:56,219 お蘭は一人娘 この長崎屋のことを考えますと・ 233 00:19:56,219 --> 00:20:01,224 もうそろそろ 相手を決めなければと… 234 00:20:01,224 --> 00:20:07,230 そうか お蘭は長崎屋の跡取り娘だ 235 00:20:07,230 --> 00:20:11,234 …とすれば 嫁入りではのうて 婿取りぞね 236 00:20:11,234 --> 00:20:16,239 まあ 長崎屋のことを 第一に考えますと そのとおりです 237 00:20:16,239 --> 00:20:19,242 うんうん 長崎屋は普通の旅籠とは違うぞね 238 00:20:19,242 --> 00:20:24,180 異国のお客さまたちをもてなす 日本で ただひとつの旅籠ぞね 239 00:20:24,180 --> 00:20:28,184 言うなれば 長崎屋は日本の迎賓館じゃ 240 00:20:28,184 --> 00:20:31,187 大切に続けねばならぬ旅籠ぞね 241 00:20:31,187 --> 00:20:34,190 はい そのとおりです 242 00:20:34,190 --> 00:20:40,196 ですから お婿さんが 大切になってくるんです 243 00:20:40,196 --> 00:20:44,200 はぁ… 誰か おるであろう 244 00:20:44,200 --> 00:20:48,204 長崎屋も長崎屋だが ハハッ… 245 00:20:48,204 --> 00:20:52,208 第一 お蘭のような娘は ちょいと おらん! 246 00:20:52,208 --> 00:20:54,210 はい 247 00:20:54,210 --> 00:20:58,214 笑わんのかいね 「お蘭のような娘は おらん」 248 00:20:58,214 --> 00:21:00,216 商売のこともありますけど・ 249 00:21:00,216 --> 00:21:06,222 もし 婿さんが うちに入ってくることになったら 250 00:21:06,222 --> 00:21:10,222 もっと大事なことがあります 何が? 251 00:21:12,228 --> 00:21:15,231 何かいね? 252 00:21:15,231 --> 00:21:18,231 あなたのことです 253 00:21:21,237 --> 00:21:23,239 そうか… 254 00:21:23,239 --> 00:21:28,244 平賀源内というお方が ここに こうして暮らしていることを・ 255 00:21:28,244 --> 00:21:33,249 胸にたたんで 守ってくださる お方でなくてはなりません 256 00:21:33,249 --> 00:21:38,254 そうであったか… 257 00:21:38,254 --> 00:21:44,254 そのようなことも気づかんで 平賀源内 もうろくしたか! 258 00:21:46,262 --> 00:21:50,266 あんたたちの優しさに もたれてしもうて・ 259 00:21:50,266 --> 00:21:54,270 娘の将来を 考えることもできん男に・ 260 00:21:54,270 --> 00:21:56,272 成り下がってしもうたか… あなた 261 00:21:56,272 --> 00:22:01,277 あっ すまん 本当にすまんかった 本当に あんたの言うとおりじゃ 262 00:22:01,277 --> 00:22:04,280 あなた よく聞いてください 263 00:22:04,280 --> 00:22:08,284 私は そんなこと 言ってるんじゃありません 264 00:22:08,284 --> 00:22:14,284 あなたの生き死には 私の生き死にです 265 00:22:16,292 --> 00:22:23,233 あなたの生き死には お蘭の生き死にです 266 00:22:23,233 --> 00:22:28,233 私は お蘭を そのように育ててきました 267 00:22:30,240 --> 00:22:32,240 かおるさん… 268 00:22:35,245 --> 00:22:37,245 ごちそうさまでした 269 00:22:40,250 --> 00:22:43,250 (鶏の鳴き声) 270 00:22:45,255 --> 00:22:49,259 (馬琴)《4月16日 晴れ》 271 00:22:49,259 --> 00:22:55,265 《本日 一人息子の登 帰宅する日なり》 272 00:22:55,265 --> 00:22:59,269 (お百の いびき) 273 00:22:59,269 --> 00:23:04,274 《ついに 医者となって帰り来たるなり》 274 00:23:04,274 --> 00:23:08,274 (いびき) 275 00:23:10,280 --> 00:23:12,282 (ため息) 276 00:23:12,282 --> 00:23:17,287 (馬琴)まあ 起きて がちゃがちゃ しゃべられるより ましか 277 00:23:17,287 --> 00:23:20,287 ・(戸の開閉音) 278 00:23:28,231 --> 00:23:32,235 仏滅? やな感じ 279 00:23:32,235 --> 00:23:36,235 鋭之介さん… 鋭之介さん? 280 00:23:40,243 --> 00:23:43,246 (写楽斉)おはよう おはようございます 281 00:23:43,246 --> 00:23:45,246 (写楽斉)お・は・よ・う 282 00:23:48,251 --> 00:23:50,253 (写楽斉)どうしたの? あの人 283 00:23:50,253 --> 00:23:53,256 今は何を言っても駄目みたい うん? 284 00:23:53,256 --> 00:24:00,263 ・(騒ぎ声) 285 00:24:00,263 --> 00:24:02,265 (越川)侍は みんな 真ん中を… 286 00:24:02,265 --> 00:24:04,267 (マイ)何言ってんのよ! 文句があるんだったら・ 287 00:24:04,267 --> 00:24:06,269 私らに分かる言葉で言ってよ! 288 00:24:06,269 --> 00:24:11,274 (越川)女子に似ず ぼっけもんが! どげんも これも 許しゃならん! 289 00:24:11,274 --> 00:24:14,277 よし! あっ… 290 00:24:14,277 --> 00:24:17,280 (半田)まあまあ まあまあ まあまあ まあまあ 291 00:24:17,280 --> 00:24:20,283 (半田) こんな所で立ち止まってはいかん 通行人の邪魔になるではないか 292 00:24:20,283 --> 00:24:22,218 だって この人が急に怒りだして (半田)急に? 293 00:24:22,218 --> 00:24:24,220 怒ってんの分かるけど 何言ってんだか・ 294 00:24:24,220 --> 00:24:27,223 さっぱり分かんないんですよ 分かんないって言ってんの 295 00:24:27,223 --> 00:24:29,225 侍を何じゃち思っちょっとか! 296 00:24:29,225 --> 00:24:32,228 町人は みんな 端を歩かんか ほんなごて 297 00:24:32,228 --> 00:24:34,230 みんな 端を歩けって 言うちょったい! 298 00:24:34,230 --> 00:24:38,234 あいや しばらく! そこもとは 薩摩藩のお方と お見受け申した 299 00:24:38,234 --> 00:24:43,239 拙者は江戸南町奉行 格別同心 半田半蔵と申す 300 00:24:43,239 --> 00:24:48,244 ご丁寧なご挨拶 おいどんは じっちゃな こんしが… 301 00:24:48,244 --> 00:24:53,249 まあまあ お… 落ち着いて ごゆっくり 冷静に 深呼吸をして 302 00:24:53,249 --> 00:24:55,251 (深呼吸) どうぞ 303 00:24:55,251 --> 00:25:01,257 おいどんは 薩摩藩江戸屋 越川権六ごわす 304 00:25:01,257 --> 00:25:04,260 ゆっくりしゃべれば とくと分かり申した なっ? 305 00:25:04,260 --> 00:25:07,263 早く この材木を運ばないと 大工が待ってんですよ 306 00:25:07,263 --> 00:25:11,267 どう? これ 見てたもせ 袖が破けんぼした 307 00:25:11,267 --> 00:25:13,269 こんしが もう… 308 00:25:13,269 --> 00:25:15,271 何言ってんですか! こっちは・ 309 00:25:15,271 --> 00:25:17,273 「へい ごめんよ」っつって 走ってきたじゃないですか 310 00:25:17,273 --> 00:25:19,275 やんやじゃ こげんことを言うと… 311 00:25:19,275 --> 00:25:23,212 (半田)いやいや 分かった分かった 分かり申した 312 00:25:23,212 --> 00:25:26,215 まあ つまり これは 冷静に考えればだな 313 00:25:26,215 --> 00:25:28,217 お互い通行しとる者同士が・ 314 00:25:28,217 --> 00:25:32,221 他意なく 悪気なく 衝突を しただけのことではないか なっ? 315 00:25:32,221 --> 00:25:34,223 なんで このお人は 道のど真ん中を・ 316 00:25:34,223 --> 00:25:36,225 空を見上げながら 歩いてくんですか 317 00:25:36,225 --> 00:25:38,227 田舎の田んぼ道じゃないですよ 318 00:25:38,227 --> 00:25:41,230 侍は みんな 真ん中を歩くもんじゃ! 319 00:25:41,230 --> 00:25:43,232 何言ってんですか この人 320 00:25:43,232 --> 00:25:46,235 侍は すべからく道の真ん中を 歩くものだと申しておる 321 00:25:46,235 --> 00:25:48,237 うむ… そのとおりじゃ 322 00:25:48,237 --> 00:25:51,240 よく分かりますですね (半田)ああ いや それは つまり… 323 00:25:51,240 --> 00:25:56,245 江戸はな 全国から400の なまりが集まってきておる 324 00:25:56,245 --> 00:25:58,247 (マイ)400のなまり 325 00:25:58,247 --> 00:26:00,249 江戸取り締まりの我ら同心はだな 326 00:26:00,249 --> 00:26:03,252 その400の 日本のなまりを研究して・ 327 00:26:03,252 --> 00:26:05,254 日々 職務に励んでおる 328 00:26:05,254 --> 00:26:08,257 ちっとは わしらの苦労を分かってくれた? 329 00:26:08,257 --> 00:26:11,260 お侍さんは道の真ん中を 歩くって決まってるんですか? 330 00:26:11,260 --> 00:26:13,262 まあな (マイ)じゃ 私たちは? 331 00:26:13,262 --> 00:26:15,264 町人は道の両脇を歩くんだ 332 00:26:15,264 --> 00:26:17,266 なんで そんなことになったんですか・ 333 00:26:17,266 --> 00:26:20,269 それは侍というものは いつ何どき 敵に襲われるか分からん 334 00:26:20,269 --> 00:26:22,205 うかつに軒下などを歩いとったら 335 00:26:22,205 --> 00:26:24,207 家の中から ぶわっと刃が飛び出るかもしれん 336 00:26:24,207 --> 00:26:28,211 だから 侍は いつも道の真ん中を 歩くべしということになっとる 337 00:26:28,211 --> 00:26:30,213 いつ 家ん中から 刃が飛び出してくるんですか? 338 00:26:30,213 --> 00:26:32,215 江戸は そんな物騒な町じゃないですよ 339 00:26:32,215 --> 00:26:35,218 だから それは建て前なんだ なっ? 340 00:26:35,218 --> 00:26:38,221 冗談じゃないわ こっちは働いてるんです! 341 00:26:38,221 --> 00:26:40,223 急いで この材木を・ 342 00:26:40,223 --> 00:26:42,225 立て場に運ぶんで 駆けてたんじゃないですか 343 00:26:42,225 --> 00:26:45,228 第一 大八車に軒下なんて通れません 344 00:26:45,228 --> 00:26:48,231 お前 なかなか かわいいな 345 00:26:48,231 --> 00:26:50,233 はぁ? (半田)うん? 346 00:26:50,233 --> 00:26:52,235 女だてらに材木など扱っとるが・ 347 00:26:52,235 --> 00:26:55,238 奉行所に ちゃんと許しは得とるか? 348 00:26:55,238 --> 00:26:58,241 女が働くの 奉行所に届け出るんですか? 349 00:26:58,241 --> 00:27:01,244 働くのは かまわん でも その格好がな… 350 00:27:01,244 --> 00:27:04,247 胸元の この白いさらし お前 一生懸命 働いて・ 351 00:27:04,247 --> 00:27:06,249 ほいさ ほいさ ほいさって 走っとるうちに・ 352 00:27:06,249 --> 00:27:08,251 ぺろっ ぴろぴろっ ぼろんと 落ちたりせんか? 353 00:27:08,251 --> 00:27:10,253 落ちませんよ 354 00:27:10,253 --> 00:27:12,255 ぱっちがよくねえ ぱっちが! 何だ? このぱっちは 355 00:27:12,255 --> 00:27:16,259 ぱっちんぱっちんじゃないか つまめんじゃないか こりゃ 356 00:27:16,259 --> 00:27:20,263 こりゃ細すぎる こういうものは 風紀上 困る困る 非常に困る 357 00:27:20,263 --> 00:27:24,200 もっと たっぷりと 豊かな生地を使ってだな… 358 00:27:24,200 --> 00:27:27,203 うるさい 359 00:27:27,203 --> 00:27:29,205 何だ? (鋭之介)こちらがお待ちですよ 360 00:27:29,205 --> 00:27:34,210 こげなとこで 女子に色目ば使うて なんちゅうこっちゃ! 361 00:27:34,210 --> 00:27:37,213 わいは 早よう 薩摩藩邸に行かんやならんとじゃ 362 00:27:37,213 --> 00:27:39,215 い… いいかげんに してもらいたい! 363 00:27:39,215 --> 00:27:43,219 あ~ 腹すきぃた もう これぎりじゃ! 364 00:27:43,219 --> 00:27:46,219 さあ 早く! (半田)江戸幕府が斬れるか! 365 00:27:55,231 --> 00:27:57,231 ・(からすの鳴き声) 366 00:28:03,239 --> 00:28:06,239 (お百)あっ… あんた! 367 00:28:09,245 --> 00:28:12,248 おかえり 368 00:28:12,248 --> 00:28:16,252 あんた! 登が帰ってきたよ 369 00:28:16,252 --> 00:28:21,257 何してんだよ 早く早く! 370 00:28:21,257 --> 00:28:25,194 おお… よう帰った 371 00:28:25,194 --> 00:28:30,199 (宗伯) 父上 母上 ただいま帰りました 372 00:28:30,199 --> 00:28:34,203 立派になって (馬琴)さあ さあさあ… 373 00:28:34,203 --> 00:28:37,206 (猫の鳴き声) 374 00:28:37,206 --> 00:28:41,210 アハハハッ… 馬琴さんの 一人息子が帰ってきたぞね 375 00:28:41,210 --> 00:28:43,212 まあ… 376 00:28:43,212 --> 00:28:48,217 確か 息子さんを お医者さまにさせたいとか 377 00:28:48,217 --> 00:28:50,219 馬琴さん 一生懸命に 378 00:28:50,219 --> 00:28:55,224 医者か ハハハハッ… なんか 病人みたいな息子ぞね 379 00:28:55,224 --> 00:28:58,227 あっ いけない うん? どうしたんかいね? 380 00:28:58,227 --> 00:29:01,230 息子さんが お医者さまに なった そのときには・ 381 00:29:01,230 --> 00:29:04,233 是非 オランダ医者を 紹介してくれって・ 382 00:29:04,233 --> 00:29:06,233 頼まれていたんです 383 00:29:14,243 --> 00:29:17,246 いらっしゃいませ 384 00:29:17,246 --> 00:29:20,246 あら… どうぞ 385 00:29:22,185 --> 00:29:27,190 あら! 金四郎さんじゃないですか 386 00:29:27,190 --> 00:29:30,193 こんにちは 387 00:29:30,193 --> 00:29:33,196 はい こんにちは 388 00:29:33,196 --> 00:29:37,196 よいお天気ですね はい よいお天気です 389 00:29:39,202 --> 00:29:44,207 川のめだかも喜んでおるでしょう 川のめだか? 喜んでました? 390 00:29:44,207 --> 00:29:46,209 あっ… い… いや あの… 391 00:29:46,209 --> 00:29:52,209 そうじゃないかなって 想像しただけで 確認はしてません 392 00:29:54,217 --> 00:29:57,220 金四郎さん 厠でしたら すぐそこですから・ 393 00:29:57,220 --> 00:30:02,225 ご遠慮なく どうぞ いやいやいや 厠ではない 394 00:30:02,225 --> 00:30:04,227 お… お蘭どの 395 00:30:04,227 --> 00:30:08,231 金四郎 大事な話があって まいった 396 00:30:08,231 --> 00:30:13,236 大事な? はい 一生に関わる大事 397 00:30:13,236 --> 00:30:16,239 一生… 誰のですか? 398 00:30:16,239 --> 00:30:21,239 私と お蘭さんとです はい 399 00:30:23,179 --> 00:30:26,182 (律)少しお疲れのご様子で 400 00:30:26,182 --> 00:30:31,187 (遠山)ああ 近ごろ エゲレスやロシアの船が出没して 401 00:30:31,187 --> 00:30:34,190 城中では会議ばかりじゃ 402 00:30:34,190 --> 00:30:38,194 (律)箱根の湯でも お出かけになれば お疲れも… 403 00:30:38,194 --> 00:30:44,200 行ってみたいが… 無理じゃろう 404 00:30:44,200 --> 00:30:46,202 あの… (遠山)うん? 405 00:30:46,202 --> 00:30:48,204 毎日 お働きの旦那さまに・ 406 00:30:48,204 --> 00:30:52,208 こんなことを申して 相すみませぬが… 407 00:30:52,208 --> 00:30:55,211 何じゃ? 言うてみい 408 00:30:55,211 --> 00:31:00,216 実は私 箱根の湯に 入りたいと思うております 409 00:31:00,216 --> 00:31:03,219 (遠山)おお? 410 00:31:03,219 --> 00:31:09,225 何も働きもいたしませぬ私が 骨休めもございませぬが・ 411 00:31:09,225 --> 00:31:16,232 近ごろ 目が舞い 眠りも浅うて 難渋いたしております 412 00:31:16,232 --> 00:31:19,235 おお そりゃ いかんな 413 00:31:19,235 --> 00:31:25,241 箱根の湯は 女子の そのような気の病に よう効くとか 414 00:31:25,241 --> 00:31:27,243 1泊で よろしゅうございますので 415 00:31:27,243 --> 00:31:29,245 出かけさせて いただけないでしょうか 416 00:31:29,245 --> 00:31:34,250 ああ 湯治で治るんだったら すぐにも出かけたらよい 417 00:31:34,250 --> 00:31:37,253 わしも 一緒に行けたらいいんじゃが・ 418 00:31:37,253 --> 00:31:40,256 会議 会議の毎日でのぅ 419 00:31:40,256 --> 00:31:45,256 早速のお許し ありがとうございます 420 00:31:48,264 --> 00:31:53,269 まあ… いらっしゃいませ 421 00:31:53,269 --> 00:31:57,273 長崎屋さん 前々から話しておりました・ 422 00:31:57,273 --> 00:32:01,277 これが この… せがれの登です 423 00:32:01,277 --> 00:32:03,279 さっき お帰りになったのですね 424 00:32:03,279 --> 00:32:08,284 (馬琴)はぁ? よくご存じで あっ いえ 425 00:32:08,284 --> 00:32:12,288 山勘で言ってみただけで… すみません 426 00:32:12,288 --> 00:32:17,293 あっ… ああ いよいよ 医者の免状もいただき・ 427 00:32:17,293 --> 00:32:22,231 晴れて名前も 「宗伯」と名乗ることができました 428 00:32:22,231 --> 00:32:25,234 それは どうも おめでとうございます 429 00:32:25,234 --> 00:32:30,239 まだ ほやほやの医者 滝沢宗伯です 430 00:32:30,239 --> 00:32:35,244 長崎屋さん 見てください 登の この格好 431 00:32:35,244 --> 00:32:39,248 似合いますでしょう? 本当ですね 432 00:32:39,248 --> 00:32:43,252 (お百)主人は朝から晩まで わけの分からん小説とか・ 433 00:32:43,252 --> 00:32:45,254 何とか草紙とかいうものを 書いて あなた 434 00:32:45,254 --> 00:32:48,257 それが これになればいいですよ 全然 435 00:32:48,257 --> 00:32:50,259 お百 よさんか! 436 00:32:50,259 --> 00:32:55,264 せがれが この人に似なくて 本当に良かったですよ フフフッ… 437 00:32:55,264 --> 00:32:58,267 ほれ! 全然 似てないでしょう? ハハハハッ… 438 00:32:58,267 --> 00:33:01,270 (馬琴)お百 黙んなさい! (お百)あんたも うるさいよ! 439 00:33:01,270 --> 00:33:03,272 人がしゃべってりゃ いちいち止めて! 440 00:33:03,272 --> 00:33:08,277 なんだよ! 松の廊下で こうやってる・ 441 00:33:08,277 --> 00:33:12,281 浅野内匠頭を止めた 加古川本蔵みたいだよ! 442 00:33:12,281 --> 00:33:15,284 ハァハァ… (馬琴)ああ いや まったく… 443 00:33:15,284 --> 00:33:18,287 不作法な所をお目にかけて 申し訳ありません 444 00:33:18,287 --> 00:33:23,225 あっ オランダ仕込みの お医者さまのことでしたよね 445 00:33:23,225 --> 00:33:26,228 あっ… そうです そうです 446 00:33:26,228 --> 00:33:30,232 いらっしゃいます 立派な方が 447 00:33:30,232 --> 00:33:35,232 登! いや… 宗伯 喜べ! 448 00:33:37,239 --> 00:33:40,242 ちょっとお待ちください 449 00:33:40,242 --> 00:33:42,242 安奈さん 450 00:33:45,247 --> 00:33:47,249 安奈さん 451 00:33:47,249 --> 00:33:49,251 ・(毬夜)は~い 452 00:33:49,251 --> 00:33:53,255 うちにおります安奈さんが これからご紹介する・ 453 00:33:53,255 --> 00:33:57,259 柳田先生の所に 勉強に出かけております 454 00:33:57,259 --> 00:34:02,264 一緒に案内させてもらいます 455 00:34:02,264 --> 00:34:05,264 (毬夜)お待たせしました 456 00:34:09,271 --> 00:34:12,274 (鋭之介)ハァ… 457 00:34:12,274 --> 00:34:15,277 駄目ね 目に力が全然ないじゃない 458 00:34:15,277 --> 00:34:20,282 風邪に似てるね (写楽斉)風邪って くしゃみの? 459 00:34:20,282 --> 00:34:24,220 人を好きになるっていうのは ぞくっとしたら もうひいてやがる 460 00:34:24,220 --> 00:34:27,223 なんだ あの子 461 00:34:27,223 --> 00:34:33,229 俺… あの… あの娘と一緒になりてえ! 462 00:34:33,229 --> 00:34:35,231 そうそう その目 463 00:34:35,231 --> 00:34:40,236 ねえ 写楽さん なんとかしてくれよ 464 00:34:40,236 --> 00:34:42,238 ハァ… 駄目だ 465 00:34:42,238 --> 00:34:45,241 あら 俺 何か悪いことした? 466 00:34:45,241 --> 00:34:49,245 そうじゃないのよ 描けないの (鋭之介)俺の顔? 467 00:34:49,245 --> 00:34:52,248 ううん そうじゃなくて… あれ 468 00:34:52,248 --> 00:34:55,251 「あれ」? 「あれ」って何だよ? 469 00:34:55,251 --> 00:34:57,253 まあ 絵描きとしては・ 470 00:34:57,253 --> 00:35:00,256 いちばん お金に なる仕事なんだけど 471 00:35:00,256 --> 00:35:03,259 何だよ? 言ってみなよ 472 00:35:03,259 --> 00:35:05,261 ンン… 枕絵 473 00:35:05,261 --> 00:35:08,264 枕絵? 絵を枕にしちゃうの? 474 00:35:08,264 --> 00:35:11,267 違うの ほら ンン… 475 00:35:11,267 --> 00:35:15,271 あっ あの… 娘さんがね お嫁に行くとき 持っていく絵 476 00:35:15,271 --> 00:35:17,273 うん… 477 00:35:17,273 --> 00:35:22,211 あっ! あの… 男と女とか どうやって夫婦するかっていう・ 478 00:35:22,211 --> 00:35:27,216 あの… あの手ほどきの絵本・ (写楽斉)そんなに興奮しないで 479 00:35:27,216 --> 00:35:32,221 実はね さるお大名のお姫さま用に って頼まれたんだけど 480 00:35:32,221 --> 00:35:34,223 大名の? (写楽斉)うん 481 00:35:34,223 --> 00:35:37,226 まあ お金が あんまりいいから つい引き受けちゃったんだけど・ 482 00:35:37,226 --> 00:35:42,231 正直言って 私 男と女のこと よく知らないの 483 00:35:42,231 --> 00:35:45,234 えっ? 写楽さん 知らないの? 484 00:35:45,234 --> 00:35:48,237 鋭之介さんは よく知ってる? 485 00:35:48,237 --> 00:35:51,240 まあ 知ってるってほどじゃ ねえけど まあな 486 00:35:51,240 --> 00:35:53,242 ねえ どう描けばいいのか教えて 487 00:35:53,242 --> 00:35:57,246 よし じゃ その代わりに・ 488 00:35:57,246 --> 00:36:00,249 あの娘と一緒になれるように 力貸してくれるかい? 489 00:36:00,249 --> 00:36:02,251 うん いいわよ (鋭之介)よし! 490 00:36:02,251 --> 00:36:05,254 そうと決まりゃ 早いとこ その枕絵 片づけちまおうよ 491 00:36:05,254 --> 00:36:08,257 簡単だよ 歌に合わせて絡ませるから・ 492 00:36:08,257 --> 00:36:11,260 それを見て描きゃいい (写楽斉)何を絡ませんの? 493 00:36:11,260 --> 00:36:15,264 体と体を …ていうわけには まあ 俺ひとりだから いかねえから 494 00:36:15,264 --> 00:36:19,268 あ~… 指だよ 指を絡ませりゃいい 495 00:36:19,268 --> 00:36:21,270 指? 496 00:36:21,270 --> 00:36:25,207 想像力だよ 想像力 いくよ 497 00:36:25,207 --> 00:36:30,212 ・~ 498 00:36:30,212 --> 00:36:39,221 ・ 小指と小指 からませて 2人で見ている青い空 499 00:36:39,221 --> 00:36:47,229 ・ 地球は小っちゃな 星だから 500 00:36:47,229 --> 00:36:52,234 ・ 幸福いっぱい 空いっぱい 501 00:36:52,234 --> 00:37:00,234 ・ だって だって 私は 恋しているんだもん 502 00:37:03,245 --> 00:37:07,249 ハァ… いい気持ち 503 00:37:07,249 --> 00:37:10,249 あっ そうだね 504 00:37:17,259 --> 00:37:21,263 なんですよ? 大事な話があるっていうから・ 505 00:37:21,263 --> 00:37:25,200 人のいない置いてけ堀まで 来たんじゃないですか 506 00:37:25,200 --> 00:37:27,200 話してください 507 00:37:29,204 --> 00:37:32,207 実は ゆうべ よく眠れなかった 508 00:37:32,207 --> 00:37:36,211 どうして? どうしてですか? 509 00:37:36,211 --> 00:37:38,213 なんか たまらなくなってくる 510 00:37:38,213 --> 00:37:42,217 たまらなくなってくる… どうして? 511 00:37:42,217 --> 00:37:47,222 えっ… どうしてって言われても 私にも分からん 512 00:37:47,222 --> 00:37:49,224 父上は もやもやしたのなら・ 513 00:37:49,224 --> 00:37:51,226 早く行ってまいれと おっしゃるんだ 514 00:37:51,226 --> 00:37:54,229 どこへです? いや あの… 515 00:37:54,229 --> 00:37:56,231 こんな話をするつもりで 来たんじゃないんだ 516 00:37:56,231 --> 00:37:59,234 どこへ? どこへですか? 517 00:37:59,234 --> 00:38:02,237 途中まで話をして やめるのは卑怯です 518 00:38:02,237 --> 00:38:05,240 卑怯? ええ 卑怯です 519 00:38:05,240 --> 00:38:07,242 侍にとって 卑怯と言われるのは・ 520 00:38:07,242 --> 00:38:09,244 能なしと言われるより 無念なことです 521 00:38:09,244 --> 00:38:11,246 言います 言う 522 00:38:11,246 --> 00:38:14,249 はい どこへ行かれたんですか? 523 00:38:14,249 --> 00:38:18,253 女の所です 女? 524 00:38:18,253 --> 00:38:22,191 はい お… 女といっても ただの女ではなく 525 00:38:22,191 --> 00:38:28,197 つまり 男を扱うのを職業とした郭の女 526 00:38:28,197 --> 00:38:32,201 遊郭 はい 遊郭の女郎どのです 527 00:38:32,201 --> 00:38:35,204 「どの」をつけるんですか? 528 00:38:35,204 --> 00:38:37,206 つまり 学習でありますから 529 00:38:37,206 --> 00:38:40,209 相手は ずっと年上の女郎でありました 530 00:38:40,209 --> 00:38:43,209 あっ い… いや みんな そうだそうです 531 00:38:51,220 --> 00:38:53,222 何と言えばよいか… 532 00:38:53,222 --> 00:38:58,227 恐ろしいような 悪い夢のような学習でした 533 00:38:58,227 --> 00:39:05,234 ・~ 534 00:39:05,234 --> 00:39:08,237 (女性)フフフフッ… 535 00:39:08,237 --> 00:39:15,244 もっと楽に… 楽にお座んなさいな 536 00:39:15,244 --> 00:39:17,244 さあ 537 00:39:20,249 --> 00:39:25,187 触るほど硬うなって フフフフッ… 538 00:39:25,187 --> 00:39:32,194 ようござんすか? せいては し損じまするぞえ 539 00:39:32,194 --> 00:39:36,198 まずは深い呼吸を… うん 540 00:39:36,198 --> 00:39:41,203 吸うて 吐いて 541 00:39:41,203 --> 00:39:46,208 吸うて 吐いて… 542 00:39:46,208 --> 00:39:50,212 そうそうそう 543 00:39:50,212 --> 00:39:54,216 これから ここでいたしますことは・ 544 00:39:54,216 --> 00:39:58,220 この世に 人間が生まれてきてより・ 545 00:39:58,220 --> 00:40:04,226 何千年 何万年と 繰り返し 繰り返し・ 546 00:40:04,226 --> 00:40:08,230 ご先祖さまより 伝えられてきたもの 547 00:40:08,230 --> 00:40:15,237 ゆめ おろそかに してはなりませんぞいな 548 00:40:15,237 --> 00:40:17,239 はい 549 00:40:17,239 --> 00:40:23,178 はい 深呼吸 吸うて 吐いて 550 00:40:23,178 --> 00:40:29,178 さあ 小指と小指 絡めなまんし 551 00:40:33,188 --> 00:40:35,190 あっ! 552 00:40:35,190 --> 00:40:39,194 何か ついてありんすか? (金四郎)は… 母上! 553 00:40:39,194 --> 00:40:41,196 フフフフッ… 554 00:40:41,196 --> 00:40:46,201 まだ赤ちゃんでありんすかい? ヒヒヒヒッ… 555 00:40:46,201 --> 00:40:48,203 (金四郎)ンッ! ンッ! 556 00:40:48,203 --> 00:40:50,203 ウワーッ! 557 00:40:52,207 --> 00:40:56,211 学ばざる者に 災いあれでありんす! 558 00:40:56,211 --> 00:41:05,220 ・ この世に神様が 本当にいるなら 559 00:41:05,220 --> 00:41:14,229 ・ あなたに抱かれて 私は死にたい 560 00:41:14,229 --> 00:41:24,239 ・ ああ湖に 小舟がただひとつ 561 00:41:24,239 --> 00:41:34,249 ・ やさしくやさしく くちづけしてね 562 00:41:34,249 --> 00:41:46,261 ・ くり返すくり返す さざ波のように 563 00:41:46,261 --> 00:41:50,265 (子供たちの はしゃぎ声) 564 00:41:50,265 --> 00:41:53,268 どうか 先生 よろしくお願いいたします 565 00:41:53,268 --> 00:41:59,274 (玄々) ああ 「医師免許状 滝沢宗伯」 566 00:41:59,274 --> 00:42:01,276 (玄々)ふ~ん… 567 00:42:01,276 --> 00:42:05,280 まあ ここは 幕府の診療所とは 違う医学ですから 568 00:42:05,280 --> 00:42:07,282 まあ この免状は免状として・ 569 00:42:07,282 --> 00:42:12,282 いちから出直すつもりで やるんですな ああ 570 00:42:14,289 --> 00:42:16,289 ・(鐘の音) 571 00:42:30,238 --> 00:42:35,243 お願いいたします ・ は~い 572 00:42:35,243 --> 00:42:37,243 いらっしゃいませ 573 00:42:41,249 --> 00:42:45,253 お宿をお願いできますか? どうぞ 574 00:42:45,253 --> 00:42:48,253 ハァ… 良かった 575 00:42:50,258 --> 00:42:53,261 変わったお宿でありますね 576 00:42:53,261 --> 00:42:57,265 はい 異人さんも お泊めするものですから 577 00:42:57,265 --> 00:43:01,269 (手をたたく音) 雀さん すすぎ 578 00:43:01,269 --> 00:43:13,281 ・~ 579 00:43:13,281 --> 00:43:25,227 ・~ 580 00:43:25,227 --> 00:43:28,230 確かに夢の中で見た人だわ 581 00:43:28,230 --> 00:43:34,230 ・~ 582 00:43:41,243 --> 00:43:44,246 危ないよ! 583 00:43:44,246 --> 00:43:48,250 急いで 急いで! どいて はい どいて 行くわよ! 584 00:43:48,250 --> 00:43:50,252 (床屋)あっ う… 動かないで! 585 00:43:50,252 --> 00:43:54,252 今 切ったのか? 頭 切れたのか? 586 00:43:56,258 --> 00:43:59,261 切れたではないか! 587 00:43:59,261 --> 00:44:01,263 お蘭という人は おりますか? 588 00:44:01,263 --> 00:44:04,266 お蘭は私ですけど 589 00:44:04,266 --> 00:44:07,269 なに? そなたがお蘭? 590 00:44:07,269 --> 00:44:09,271 くそ! 591 00:44:09,271 --> 00:44:11,273 鋭之介さん! 592 00:44:11,273 --> 00:44:16,278 ・~ 593 00:44:16,278 --> 00:44:18,280 (写楽斉)青いわ (鋭之介)なに? 594 00:44:18,280 --> 00:44:21,280 青いから どうしたっていうのよ! 595 00:44:24,219 --> 00:44:27,222 何か言ったか? (飛太郎)いえ… 596 00:44:27,222 --> 00:44:29,222 あっ そう 597 00:44:31,226 --> 00:44:34,229 (男性)アターッ! (玄々)我慢だ 我慢! 598 00:44:34,229 --> 00:44:37,232 はい 我慢ですよ 599 00:44:37,232 --> 00:44:40,235 先生 あの… うちの宗伯が結婚いたします 600 00:44:40,235 --> 00:44:42,237 なんだ? 601 00:44:42,237 --> 00:44:47,242 ・~ 602 00:44:47,242 --> 00:44:52,242 母上 この人がお蘭さんです よく見てください 603 00:44:54,249 --> 00:44:57,252 逆さまです 反対にお休みです 604 00:44:57,252 --> 00:45:00,255 放っといてください! 605 00:45:00,255 --> 00:45:06,261 遠山金四郎 今日より ただの金四郎になってやるんだ! 606 00:45:06,261 --> 00:45:08,263 金四郎! 607 00:45:08,263 --> 00:45:12,267 ああ ああ そりゃいかん やめろ やめろ 608 00:45:12,267 --> 00:45:14,269 あとで悔やまれましても… 609 00:45:14,269 --> 00:45:16,269 いや 早くやれ! (床屋)へいへい 610 00:48:12,347 --> 00:48:13,214 611 00:48:13,214 --> 00:48:16,217 (小林)皆さん お元気ですか 小林綾子です 612 00:48:16,217 --> 00:48:22,223 日本には 古くから 神社仏閣に伝わる行事や飾り物 613 00:48:22,223 --> 00:48:27,228 季節によって味わう旬な食べ物や その土地に伝わる風習など 614 00:48:27,228 --> 00:48:33,234 幸運を呼び込むために縁起を担ぐ さまざまな物や行いがあります 615 00:48:33,234 --> 00:48:38,239 皆さんの周りにも きっとある 幸運を呼ぶ縁起物 616 00:48:38,239 --> 00:48:42,243 この番組では そんな縁起物を ご紹介していきます 617 00:48:42,243 --> 00:48:45,243 さて 今日の縁起物は? 618 00:48:57,258 --> 00:49:02,263 香りと色で 春を感じさせてくれる桜餅 619 00:49:02,263 --> 00:49:06,267 桜の葉で餅を包む工夫は 江戸時代に始まったそうです 620 00:49:06,267 --> 00:49:10,271 ちなみに 桜餅は 2種類あることをご存じですか 621 00:49:10,271 --> 00:49:14,209 関東で多いといわれている桜餅は 622 00:49:14,209 --> 00:49:19,214 小麦粉などの生地を焼いた皮で あんを巻いたクレープ状のお餅 623 00:49:19,214 --> 00:49:21,216 一方 関西の桜餅は・ 624 00:49:21,216 --> 00:49:26,221 道明寺粉で皮を作り あんを包んだ饅頭状のお餅で・ 625 00:49:26,221 --> 00:49:30,225 道明寺粉の 粒々した食感が特徴です 626 00:49:30,225 --> 00:49:32,227 桜餅といえば・ 627 00:49:32,227 --> 00:49:37,232 餅を包んでいる塩漬けの桜の葉の 存在が欠かせません 628 00:49:37,232 --> 00:49:41,236 正式には 葉を取って食べるのが 推奨されているそうです 629 00:49:41,236 --> 00:49:44,239 もちろん 食べても 問題はないそうですよ 630 00:49:44,239 --> 00:49:47,239 私は 時々 食べちゃうかな 631 00:49:52,247 --> 00:49:56,251 突然ですが 皆さんは 竹の子 お好きですか 632 00:49:56,251 --> 00:49:59,254 歯ごたえがよく 食べ飽きない風味で・ 633 00:49:59,254 --> 00:50:02,257 私は もう大好きです 634 00:50:02,257 --> 00:50:05,260 昔から 出世運がアップする 縁起のよい食べ物として・ 635 00:50:05,260 --> 00:50:07,262 愛されてきました 636 00:50:07,262 --> 00:50:11,266 竹の子は すくすくと まっすぐに 太陽に向かって伸びるため・ 637 00:50:11,266 --> 00:50:16,204 神さまのご加護が得られやすいと 考えられていました 638 00:50:16,204 --> 00:50:19,207 また竹の子は 成長が早いため・ 639 00:50:19,207 --> 00:50:22,210 竹の子のように 早く成長してほしいと・ 640 00:50:22,210 --> 00:50:25,213 親が子供に 竹の子を食べさせたそうです 641 00:50:25,213 --> 00:50:30,218 そのほかにも めったに 病気にならない 子だくさんなど 642 00:50:30,218 --> 00:50:33,221 さまざまな効果があると 信じられていました 643 00:50:33,221 --> 00:50:36,224 おいしくて こんなに たくさんのご利益があるなら・ 644 00:50:36,224 --> 00:50:38,226 食べないとですよね 645 00:50:38,226 --> 00:50:43,226 私は 竹の子ご飯が好きかなぁ ん~… 646 00:50:48,236 --> 00:50:52,240 突然ですが 皆さんは お茶はお好きですか 647 00:50:52,240 --> 00:50:59,247 ♪ 夏も近づく八十八夜 648 00:50:59,247 --> 00:51:02,250 この歌 一度は 聞いたことがありますよね 649 00:51:02,250 --> 00:51:07,250 『茶摘み』 でも 「八十八夜」とは 何のことでしょうか 650 00:51:12,193 --> 00:51:16,197 つまり 5月の初めごろのことをいいます 651 00:51:16,197 --> 00:51:21,202 節目の日とされる八十八夜は 末広がりの八が2つあることから 652 00:51:21,202 --> 00:51:23,204 縁起がよいとされてきました 653 00:51:23,204 --> 00:51:26,207 そのため 八十八夜に摘み取られるお茶は・ 654 00:51:26,207 --> 00:51:29,210 不老長寿の縁起物として重宝され 655 00:51:29,210 --> 00:51:35,216 その新茶を飲むと 1年を災いなく 過ごせるといわれています 656 00:51:35,216 --> 00:51:39,220 また 「八十八夜の別れ霜」という 言葉があり・ 657 00:51:39,220 --> 00:51:43,224 八十八夜以降は 霜の心配がなくなるので・ 658 00:51:43,224 --> 00:51:47,228 農家では茶摘みや農作業を 始める時期でもありました 659 00:51:47,228 --> 00:51:52,233 縁起もよく さわやかな香りと 甘みもある新茶を飲んで・ 660 00:51:52,233 --> 00:51:54,233 今年1年を元気に過ごしましょう 661 00:51:59,240 --> 00:52:04,245 七月七日といえば 七夕の日ですよね 662 00:52:04,245 --> 00:52:07,248 江戸時代には旧暦の七月七日は・ 663 00:52:07,248 --> 00:52:11,252 もうひとつの大切な仕事が あったそうなんですが… 664 00:52:11,252 --> 00:52:14,189 それは 「井戸替え」です 665 00:52:14,189 --> 00:52:17,192 夏に 疫病が 流行するのを防ぐために・ 666 00:52:17,192 --> 00:52:21,196 この時期に 井戸の中の掃除をしました 667 00:52:21,196 --> 00:52:25,200 「井戸浚え」 「晒井戸」とも呼ばれ・ 668 00:52:25,200 --> 00:52:29,204 「つるつる」という落語や 歌舞伎にも登場するほど・ 669 00:52:29,204 --> 00:52:32,207 夏の風物詩でもあったようです 670 00:52:32,207 --> 00:52:37,212 井戸の水を全て出して 井戸職人を中を掃除するのですが 671 00:52:37,212 --> 00:52:43,218 深~い井戸の中に入っての作業は 時に危険を伴ったそうです 672 00:52:43,218 --> 00:52:46,221 一方 水をくむときに・ 673 00:52:46,221 --> 00:52:49,224 井戸に落としてしまった 髪飾りなども見つかるので・ 674 00:52:49,224 --> 00:52:53,224 その日を楽しみに していた女性もいたそうですよ 675 00:52:58,233 --> 00:53:03,238 江戸時代から続く 夏の風物詩のひとつ 花火 676 00:53:03,238 --> 00:53:09,244 中でも 線香花火は 古くから 日本人に愛されていますが 677 00:53:09,244 --> 00:53:12,180 実は 国産の線香花火の製造は・ 678 00:53:12,180 --> 00:53:15,183 一度 途絶えてしまったそうなんですが 679 00:53:15,183 --> 00:53:17,185 職人さんの手によって・ 680 00:53:17,185 --> 00:53:21,189 今は 純国産の線香花火を 楽しめるようになりました 681 00:53:21,189 --> 00:53:25,193 1本1本 手作業で作られているため・ 682 00:53:25,193 --> 00:53:28,196 表情や持続時間も 微妙に異なります 683 00:53:28,196 --> 00:53:32,196 また 純国産線香花火の 燃え方は… 684 00:53:40,208 --> 00:53:43,211 …と変化していきます 685 00:53:43,211 --> 00:53:45,213 この美しい変化は・ 686 00:53:45,213 --> 00:53:49,217 はかなく消えゆく 人の一生が表現されているそうで 687 00:53:49,217 --> 00:53:53,217 この辺りは日本人ならではの 感性ですよね 688 00:53:58,226 --> 00:54:03,231 皆さんは 9月9日の 「重陽の節句」をご存じでしょうか 689 00:54:03,231 --> 00:54:07,235 大人の雛祭りとも いわれていますが… 690 00:54:07,235 --> 00:54:10,238 重陽は 菊の節句として伝わり・ 691 00:54:10,238 --> 00:54:14,175 菊酒や 食用菊を 盛り込んだ料理・和菓子をたしなみ 692 00:54:14,175 --> 00:54:16,177 健康を祈願します 693 00:54:16,177 --> 00:54:22,183 また 行事として 「後の雛」という 風習も江戸時代から生まれ・ 694 00:54:22,183 --> 00:54:27,183 3月に飾った雛人形を9月に もう一度 出すことで… 695 00:54:33,194 --> 00:54:35,196 桃の節句と違い・ 696 00:54:35,196 --> 00:54:40,201 重陽は 菊が主役の節句なので 少し落ち着い雰囲気 697 00:54:40,201 --> 00:54:43,204 そして お酒に菊の花びらを浮かべて・ 698 00:54:43,204 --> 00:54:46,207 長寿を願い飲む菊酒が 定番だそうで・ 699 00:54:46,207 --> 00:54:51,207 正に大人の雛祭りといえますね 700 00:54:56,217 --> 00:55:00,221 突然ですが おはぎはお好きですか 701 00:55:00,221 --> 00:55:03,224 では ぼたもちは いかがでしょう? 702 00:55:03,224 --> 00:55:08,229 うん? おはぎと ぼたもちって 似ていますよね 703 00:55:08,229 --> 00:55:11,232 違いってあるんでしょうか… 704 00:55:11,232 --> 00:55:14,168 おはぎと ぼたもち その違いは・ 705 00:55:14,168 --> 00:55:17,171 作られる季節によって 名前を変えていたそうです 706 00:55:17,171 --> 00:55:21,175 春のお彼岸に食べるのが 「ぼたもち」 707 00:55:21,175 --> 00:55:24,178 牡丹の咲く時期に 食べられたことから・ 708 00:55:24,178 --> 00:55:28,182 「牡丹餅」と呼ばれていたのが 「ぼたもち」になったそうです 709 00:55:28,182 --> 00:55:32,186 一方 秋のお彼岸に 食べるのが 「おはぎ」です 710 00:55:32,186 --> 00:55:35,189 その由来は もちろん 萩です 711 00:55:35,189 --> 00:55:40,194 おはぎに使用する粒あんを 秋に咲く萩の花に見立て・ 712 00:55:40,194 --> 00:55:42,196 こう呼ばれるようになりました 713 00:55:42,196 --> 00:55:45,199 同じものでも 季節によって 呼び方を変えるって・ 714 00:55:45,199 --> 00:55:47,199 風流ですよねえ 715 00:55:53,207 --> 00:55:58,212 秋の味覚の最高峰とも言えるのが 松茸ではないでしょうか 716 00:55:58,212 --> 00:56:02,216 ウ~ン! このいい香りが たまりませ~ん! 717 00:56:02,216 --> 00:56:05,219 日本では 昔から親しまれ・ 718 00:56:05,219 --> 00:56:09,223 『日本書紀』に 庶民から 天皇への献上品として・ 719 00:56:09,223 --> 00:56:13,161 栗・鮎 そして 松茸を送ったそうです 720 00:56:13,161 --> 00:56:18,166 また 『万葉集』では 「秋の香りのよさ」と詠まれ・ 721 00:56:18,166 --> 00:56:21,169 吉田兼好は 『徒然草』の中で・ 722 00:56:21,169 --> 00:56:25,173 3大珍味の ひとつとして挙げています 723 00:56:25,173 --> 00:56:28,176 その後も 松尾芭蕉をはじめとする・ 724 00:56:28,176 --> 00:56:31,179 江戸時代の俳人たちにも 詠まれてきました 725 00:56:31,179 --> 00:56:35,183 江戸時代では 庶民の食べ物だったそうで 726 00:56:35,183 --> 00:56:40,188 お吸い物や焼き物など さまざまな 料理で愛されていました 727 00:56:40,188 --> 00:56:45,188 ちなみに 私は 松茸の土瓶蒸しが大好きで~す 728 00:56:50,198 --> 00:56:55,203 皆さんは 冬の訪れの風物詩 亥の子餅って ご存じですか 729 00:56:55,203 --> 00:56:58,206 大変 ご利益もあり・ 730 00:56:58,206 --> 00:57:01,209 紫式部の 『源氏物語』にも 登場するそうですが 731 00:57:01,209 --> 00:57:06,214 いのししの子供・ウリ坊の形に かたどった和菓子 732 00:57:06,214 --> 00:57:10,218 亥の月の 亥の日 亥の刻に・ 733 00:57:10,218 --> 00:57:13,154 亥の子餅を食べると 無病息災となり 734 00:57:13,154 --> 00:57:17,158 また 子供をたくさん産む いのししにあやかって・ 735 00:57:17,158 --> 00:57:20,161 子孫繁栄を願う意味が あるそうです 736 00:57:20,161 --> 00:57:24,165 平安時代に 中国から日本に伝わり 737 00:57:24,165 --> 00:57:27,168 亥の子祝いとして 貴族の間に広まり・ 738 00:57:27,168 --> 00:57:31,172 紫式部の 『源氏物語』に 登場するほど・ 739 00:57:31,172 --> 00:57:33,174 身近なイベントだったようです 740 00:57:33,174 --> 00:57:37,178 江戸時代になると 亥の子祝いの日に・ 741 00:57:37,178 --> 00:57:41,182 亥の子餅を食べ いろりや こたつなどを使い始めると・ 742 00:57:41,182 --> 00:57:45,186 火事が起きないという風習が 広まりました 743 00:57:45,186 --> 00:57:47,188 いかがでしたでしょうか 744 00:57:47,188 --> 00:57:52,193 まだまだ 私たちの知らないものや 意外なものにも・ 745 00:57:52,193 --> 00:57:56,197 さまざまな縁起担ぎの意味が 込められているようですね 746 00:57:56,197 --> 00:57:59,200 身近にある そんな縁起物 747 00:57:59,200 --> 00:58:02,203 皆さんも お店や神社で探してみたり 748 00:58:02,203 --> 00:58:06,207 幸せを呼び込んでみては いかがでしょうか 749 00:58:06,207 --> 00:58:10,207 それでは またお会いしましょう 小林綾子でした