1 00:00:02,000 --> 00:00:04,940 (楓)なあ。 2 00:00:04,940 --> 00:00:07,940 どれが似合う思う? 3 00:00:07,940 --> 00:00:13,420 うちは 飾りたてるんが 好きやないんやけど➡ 4 00:00:13,420 --> 00:00:18,290 結納の反物 選んでええ 言わはるから。 5 00:00:18,290 --> 00:00:21,090 (てん)うちには分かりまへん。 6 00:00:23,090 --> 00:00:25,430 (走り去る音) 7 00:00:25,430 --> 00:00:28,100 (藤吉)楓さんと祝言? 8 00:00:28,100 --> 00:00:32,430 (啄子)黒羽二重紋付き 高いわぁ。 9 00:00:32,430 --> 00:00:35,770 何で いきなり… 商い勝負は おてんちゃんの勝ちやったやろ。 10 00:00:35,770 --> 00:00:39,110 「負けるが勝ち」言いますやろ? 11 00:00:39,110 --> 00:00:41,780 俺は おてんちゃんのために 一人前になろうと➡ 12 00:00:41,780 --> 00:00:44,610 必死に頑張ってるんやで。 その必死さが➡ 13 00:00:44,610 --> 00:00:48,120 空回りしてるんちゃいますか? 14 00:00:48,120 --> 00:00:52,790 やっぱり ほれた腫れたは 結婚には無用です。 15 00:00:52,790 --> 00:00:55,790 お母ちゃん 何で そんなに…。 16 00:00:59,460 --> 00:01:01,760 もう ええ。 17 00:01:03,730 --> 00:01:07,070 俺は俺のやり方で この家の主として➡ 18 00:01:07,070 --> 00:01:09,370 必ず 認めさしたる。 19 00:01:12,940 --> 00:01:17,410 おやまあ 威勢のええ事で。 20 00:01:17,410 --> 00:01:22,750 藤吉は 勝負をかけて仕入れた 北国の米を➡ 21 00:01:22,750 --> 00:01:25,650 試食してもらう事にしました。 22 00:01:25,650 --> 00:01:27,650 (又八)ん? 23 00:01:34,360 --> 00:01:36,770 どないです? 番頭さん。 24 00:01:36,770 --> 00:01:40,640 ん? うまい! 25 00:01:40,640 --> 00:01:44,440 ですやろ? さすが 北村屋の若旦さんや。 26 00:01:44,440 --> 00:01:47,140 目利きは一人前ですなぁ。 27 00:01:50,110 --> 00:01:53,980 そやけど これ運ぶのに なんぼ かかりますねん? 28 00:01:53,980 --> 00:01:55,980 へ? 「へ?」やありまへん。 29 00:01:55,980 --> 00:01:59,120 北国から汽車で米運ぶんは 高う つく。 30 00:01:59,120 --> 00:02:01,390 けど これだけ味がよかったら…。 31 00:02:01,390 --> 00:02:04,690 大阪人は 味より 値ぇでおます。 32 00:02:08,060 --> 00:02:18,410 ♬~ 33 00:02:18,410 --> 00:02:24,080 ♬「出かける時の忘れ物」 34 00:02:24,080 --> 00:02:29,420 ♬「ひょいとつかむ ハンカチのように」 35 00:02:29,420 --> 00:02:34,760 ♬「心の中に すべり込む」 36 00:02:34,760 --> 00:02:40,430 ♬「いちばん ちいさな魔法」 37 00:02:40,430 --> 00:02:45,300 ♬「泣いたり 笑ったり」 38 00:02:45,300 --> 00:02:50,110 ♬「今日も歩き出す」 39 00:02:50,110 --> 00:02:58,280 ♬「ありがとうと言いたい あなたのために」 40 00:02:58,280 --> 00:03:06,990 ♬「ごめんねと言えない あなたのために」 41 00:03:06,990 --> 00:03:15,690 ♬「パレードは まわり続けてる」 42 00:03:22,070 --> 00:03:24,740 5円30銭。 43 00:03:24,740 --> 00:03:27,640 14円70銭。 44 00:03:27,640 --> 00:03:30,410 3円40銭。 45 00:03:30,410 --> 00:03:34,920 結納 かかるわぁ。 お返し なんぼ来るやろ。 46 00:03:34,920 --> 00:03:37,420 ≪(又八)ごりょんさ~ん! 47 00:03:37,420 --> 00:03:41,090 え… えらいこっちゃ。 きょ きょ… 京都から➡ 48 00:03:41,090 --> 00:03:44,090 討ち入りや! 討ち入り? 49 00:03:50,430 --> 00:03:55,300 てんの母 藤岡しずと申します。 50 00:03:55,300 --> 00:04:11,720 ♬~ 51 00:04:11,720 --> 00:04:14,390 (頼子) 質素倹約のごりょんさん 対➡ 52 00:04:14,390 --> 00:04:17,090 豪華けんらんの奥様や~。 53 00:04:25,400 --> 00:04:30,070 京都のええとこのお嬢さんが 駆け落ちやなんて。 54 00:04:30,070 --> 00:04:32,570 よろしごわりますんか? 55 00:04:32,570 --> 00:04:36,080 お恥ずかしい限りどす。 56 00:04:36,080 --> 00:04:39,110 では お連れ戻しに? 57 00:04:39,110 --> 00:04:42,950 いいえ。 あの子は勘当した身。 58 00:04:42,950 --> 00:04:45,090 許す気ぃはありまへん。 59 00:04:45,090 --> 00:04:49,960 さいでごわりますか。 ほな 何のご用で? 60 00:04:49,960 --> 00:04:54,100 あの子は 私が 大事に大事に育ててきた➡ 61 00:04:54,100 --> 00:04:57,000 大切な娘どす。 62 00:04:57,000 --> 00:05:00,900 至らんとこも ぎょうさん ありますけど➡ 63 00:05:00,900 --> 00:05:03,910 あの子は どんな つらい時も わろうて➡ 64 00:05:03,910 --> 00:05:07,640 私ら家族を 明るう照らしてくれました。 65 00:05:07,640 --> 00:05:14,050 その子が 藤吉さんといると もっと笑顔になれる言います。 66 00:05:14,050 --> 00:05:17,390 笑うだけで おなかいっぱいに なるんやったら➡ 67 00:05:17,390 --> 00:05:19,320 言う事ごわへんなぁ。 68 00:05:19,320 --> 00:05:25,890 おなかいっぱいになっても 笑いのあらへん食卓は寂しおす。 69 00:05:25,890 --> 00:05:29,560 ひもじい思いをなさった事が あらへんから➡ 70 00:05:29,560 --> 00:05:32,070 おっしゃれるんですやろなぁ。 71 00:05:32,070 --> 00:05:36,570 私は あの子を 信じてるだけですさかい。 72 00:05:36,570 --> 00:05:41,370 それは 無責任というものや あらしまへんか? 73 00:05:43,750 --> 00:05:49,620 若い2人は半人前同士 補い合って一人前。 74 00:05:49,620 --> 00:05:52,920 結局のとこ やっていけるかどうかは➡ 75 00:05:52,920 --> 00:05:55,590 2人次第。 76 00:05:55,590 --> 00:06:01,030 親には できる事と できひん事が あるいう事です。 77 00:06:01,030 --> 00:06:06,370 わてが 息子を構い過ぎや いう事ですか? 78 00:06:06,370 --> 00:06:11,670 私にも 後継ぎの息子が おりました。 79 00:06:13,240 --> 00:06:20,380 小さい頃から 体が弱ぁて 何かと 気にかけてたもんどしたけど➡ 80 00:06:20,380 --> 00:06:25,050 亡くして初めて 気ぃ付いたんどす。 81 00:06:25,050 --> 00:06:29,350 親が思うてるより 子ぉは強い。 82 00:06:30,930 --> 00:06:37,630 私らが守っていたようで あの子に支えられていたのは➡ 83 00:06:37,630 --> 00:06:41,070 私ら親の方やったと。 84 00:06:41,070 --> 00:06:53,080 ♬~ 85 00:06:53,080 --> 00:06:55,420 サエ。 ≪(サエ)へえ。 86 00:06:55,420 --> 00:07:23,040 ♬~ 87 00:07:23,040 --> 00:07:26,380 (しず)どうぞ お受け取り下さい。 88 00:07:26,380 --> 00:07:30,050 うちは 藤岡屋さんから こんなものを頂く筋合いは…。 89 00:07:30,050 --> 00:07:35,720 てんは ああ見えて 父親似の頑固者。 90 00:07:35,720 --> 00:07:38,060 きっと 何があっても➡ 91 00:07:38,060 --> 00:07:41,060 一度決めた事は やり抜くはずです。 92 00:07:52,410 --> 00:07:57,080 ふつつかな娘どすけど どうぞ この北村屋さんで➡ 93 00:07:57,080 --> 00:08:00,380 一人前に仕込んでやって下さい。 94 00:08:10,360 --> 00:08:15,030 私は 貧しい行商人の家に生まれ➡ 95 00:08:15,030 --> 00:08:19,330 物乞い同然の扱いを 受けた事もございます。 96 00:08:20,900 --> 00:08:24,170 生きるために 必死に商いに励んで➡ 97 00:08:24,170 --> 00:08:30,070 その才覚を認められ この家に嫁いだんです。 98 00:08:32,380 --> 00:08:35,720 初めて のれんをくぐった日ぃの うれしさを➡ 99 00:08:35,720 --> 00:08:38,720 決して忘れはしまへん。 100 00:08:43,060 --> 00:08:48,930 船場では ごりょんさんは 女の成功の証し。 101 00:08:48,930 --> 00:08:54,400 そやけど この仕事の 本当のつらさを➡ 102 00:08:54,400 --> 00:08:59,740 あの子が 受け止められると 思わはりますか? 103 00:08:59,740 --> 00:09:03,440 あの子やからできるんやと 思うてます。 104 00:09:06,520 --> 00:09:11,350 それに あなたなら あの子を仕込んでくれはると➡ 105 00:09:11,350 --> 00:09:14,020 信じています。 106 00:09:14,020 --> 00:09:17,690 それでも 使い物にならへんかったら➡ 107 00:09:17,690 --> 00:09:19,630 煮るなり焼くなり➡ 108 00:09:19,630 --> 00:09:22,930 河原に捨ててもろても構しまへん。 109 00:09:31,240 --> 00:09:33,740 お母ちゃん もう その辺で…。 110 00:09:38,710 --> 00:09:41,620 よう分かりました。 111 00:09:41,620 --> 00:09:46,590 ほな 遠慮のう 仕込まさしてもらいまひょ。 112 00:09:46,590 --> 00:09:51,590 今までは 少~し 手加減さしてもろてましたよって。 113 00:10:00,740 --> 00:10:04,070 ほな おてんちゃんを 認めてくれるんか? 114 00:10:04,070 --> 00:10:06,740 認めた訳やない。 115 00:10:06,740 --> 00:10:11,610 望みどおり ぼろ雑巾にして 河原に捨ててやるっちゅう事や。 116 00:10:11,610 --> 00:10:16,750 何で? 何で そんな言い方しか できへんのや。 117 00:10:16,750 --> 00:10:20,090 お母ちゃん 昔っから そうや。 118 00:10:20,090 --> 00:10:22,760 何で そんな ほれた腫れたを嫌うんや。 119 00:10:22,760 --> 00:10:26,460 嫌てないわ。 虫ずが走るだけや。 120 00:10:28,430 --> 00:10:31,770 わてが ほれた腫れたの どれあいを嫌うのは➡ 121 00:10:31,770 --> 00:10:35,470 あんたの お父さんのせいや。 え…? 122 00:10:37,440 --> 00:10:40,780 ここに嫁ぐ時➡ 123 00:10:40,780 --> 00:10:44,650 お父さんには 好きな芸妓はんが いてはったんや。 124 00:10:44,650 --> 00:10:51,420 身請けしようとして親に反対され わてと いやいや結婚。 125 00:10:51,420 --> 00:10:58,130 そやけど その芸妓を忘れられんで 通い詰めては 店の金を貢いで➡ 126 00:10:58,130 --> 00:11:01,430 死ぬまで商人になれんかった ボンクラや! 127 00:11:03,930 --> 00:11:08,630 絶対に あんたを お父さんのようにはさせん! 128 00:11:25,290 --> 00:11:28,990 よう お気張りやしたんやなぁ。 129 00:11:30,760 --> 00:11:32,760 お母はん…。 130 00:11:34,430 --> 00:11:40,300 ホンマは てんの顔を見て 連れ戻すか決めるつもりやった。 131 00:11:40,300 --> 00:11:43,600 お父はんが何と言うてもな。 132 00:11:45,770 --> 00:11:50,450 そやけど あんたを一目見たら➡ 133 00:11:50,450 --> 00:11:59,150 ここに 「連れ戻されたない」って 書いてあったわ。 134 00:12:01,060 --> 00:12:17,070 ♬~ 135 00:12:17,070 --> 00:12:19,740 これは おばあ様が➡ 136 00:12:19,740 --> 00:12:25,410 一針一針 縫うて仕立てた お着物どす。 137 00:12:25,410 --> 00:12:27,710 おばあ様が。 138 00:12:39,430 --> 00:12:42,730 喪服や。 139 00:12:47,770 --> 00:12:54,440 一旦 嫁いだら 妻は何があっても 夫と墓場まで添い遂げる。 140 00:12:54,440 --> 00:13:00,050 その覚悟で 死に装束を持って嫁げ いう事どす。 141 00:13:00,050 --> 00:13:15,600 ♬~ 142 00:13:15,600 --> 00:13:18,300 ありがとうございます。 143 00:13:21,740 --> 00:13:28,080 この着物に誓うて この先 どんな苦難にも耐え➡ 144 00:13:28,080 --> 00:13:32,080 藤吉さんと 墓場まで添い遂げてみせます。 145 00:13:37,090 --> 00:13:41,420 まだ 結婚できるかも 分からへんけどな。 146 00:13:41,420 --> 00:13:43,720 そやったわ。 147 00:13:54,000 --> 00:13:58,440 (楓)うちに 出てけいう事ですか? 148 00:13:58,440 --> 00:14:02,140 頼む! このとおりや! 149 00:14:09,380 --> 00:14:11,320 分かってくれたか? 150 00:14:11,320 --> 00:14:13,890 ほな うちも ごりょんさんに倣うて➡ 151 00:14:13,890 --> 00:14:19,390 そのいけず 遠慮のう やらしてもらいまっさ。 152 00:14:19,390 --> 00:14:24,730 ♬~ 153 00:14:24,730 --> 00:14:28,070 (スミ)はあ~ 今日も疲れたわ。 154 00:14:28,070 --> 00:14:30,070 (マツ)ホンマでんなぁ。 155 00:14:31,740 --> 00:14:33,740 あれ? 156 00:14:38,080 --> 00:14:40,380 着物がない。 157 00:14:41,950 --> 00:14:45,420 (トキ)まさか 楓さん…? 158 00:14:45,420 --> 00:14:53,120 決して負けられない女の戦いの 火蓋が切られたようです。