1 00:00:02,690 --> 00:00:05,390 (藤吉)よう分かった。 2 00:00:08,560 --> 00:00:13,330 なら この借金は 俺が なんとかする。 3 00:00:13,330 --> 00:00:17,230 そのかわり ちゃんと 店を立て直す事ができたら➡ 4 00:00:17,230 --> 00:00:20,230 おてんちゃんを 嫁として認めてほしい。 5 00:00:22,370 --> 00:00:26,040 借金はあるわ 番頭には裏切られるわ➡ 6 00:00:26,040 --> 00:00:28,380 なんとか 店を立て直して➡ 7 00:00:28,380 --> 00:00:30,410 お母ちゃんに 認めてほしいんやが…。 8 00:00:30,410 --> 00:00:32,720 (万丈目)いや~っ ああ~っ! 9 00:00:32,720 --> 00:00:34,750 ボン! 10 00:00:34,750 --> 00:00:37,590 (キース)よっしゃ! 任さんかい! 11 00:00:37,590 --> 00:00:41,390 ええ儲け話 あるで。 12 00:00:41,390 --> 00:00:43,330 え? 13 00:00:43,330 --> 00:00:48,730 それからというもの 藤吉は なぜか帰りが遅くなり…。 14 00:00:48,730 --> 00:00:53,070 (マツ)若旦さん 昨夜も 遅うに帰ってきたようでっせ。 15 00:00:53,070 --> 00:00:55,410 ここんとこ よう出歩いてはりますな。 16 00:00:55,410 --> 00:00:57,740 (スミ)何してはるんやろ? 17 00:00:57,740 --> 00:01:01,510 まさか 商売が嫌になって また芸の虫が…。 18 00:01:01,510 --> 00:01:04,010 そない言うたら 豆蔵はんが 寄席の前で見た言うてましたで。 19 00:01:04,010 --> 00:01:06,350 そら えらいこっちゃ。➡ 20 00:01:06,350 --> 00:01:09,650 やっぱり この店 危ないんと違うか? 21 00:01:11,220 --> 00:01:14,220 (トキ)おてん様。 (てん)大丈夫や。 22 00:01:14,220 --> 00:01:17,960 藤吉さんが 必ず 店を立て直してくれはるさかい。 23 00:01:17,960 --> 00:01:20,700 信じて待つだけや。 24 00:01:20,700 --> 00:01:24,700 本当に? 大丈夫でしょうか。 25 00:01:26,570 --> 00:01:37,250 ♬~ 26 00:01:37,250 --> 00:01:42,890 ♬「出かける時の忘れ物」 27 00:01:42,890 --> 00:01:48,060 ♬「ひょいとつかむ ハンカチのように」 28 00:01:48,060 --> 00:01:53,400 ♬「心の中に すべり込む」 29 00:01:53,400 --> 00:01:59,070 ♬「いちばん ちいさな魔法」 30 00:01:59,070 --> 00:02:04,340 ♬「泣いたり 笑ったり」 31 00:02:04,340 --> 00:02:09,010 ♬「今日も歩き出す」 32 00:02:09,010 --> 00:02:16,890 ♬「ありがとうと言いたい あなたのために」 33 00:02:16,890 --> 00:02:26,030 ♬「ごめんねと言えない あなたのために」 34 00:02:26,030 --> 00:02:34,330 ♬「パレードは まわり続けてる」 35 00:02:46,350 --> 00:02:52,720 (啄子)あぁ 暮れも近いいうのに 一向に売り上げが伸びひん。 36 00:02:52,720 --> 00:02:56,020 藤吉郎は 何してますねん! 37 00:02:57,590 --> 00:03:01,000 (佐吉)すんまへん。 38 00:03:01,000 --> 00:03:04,330 ごりょんさん 近江屋さんに➡ 39 00:03:04,330 --> 00:03:07,670 「もう 注文取りに来んでええ」 言われました。 40 00:03:07,670 --> 00:03:10,340 え? (豆蔵)実は➡ 41 00:03:10,340 --> 00:03:13,010 加納屋さんにも 「もう 来んでええ」と。 42 00:03:13,010 --> 00:03:15,350 どういう事や。 43 00:03:15,350 --> 00:03:21,350 どうも 天野屋に お得意さんを 持っていかれてるようで…。 44 00:03:23,020 --> 00:03:25,360 ≪ごめんやす。 45 00:03:25,360 --> 00:03:28,660 天野屋でございます。 46 00:03:30,230 --> 00:03:32,530 番頭さん…。 47 00:03:36,000 --> 00:03:41,910 本日は この又八と娘の婚儀が 調うた ご挨拶に参りました。 48 00:03:41,910 --> 00:03:46,380 これは ほん 心ばかりの 品でございます。 49 00:03:46,380 --> 00:03:49,280 それは ご丁寧に。 50 00:03:49,280 --> 00:03:54,250 又八が来てくれたおかげで いろいろ助かりました。 51 00:03:54,250 --> 00:04:00,950 この不景気の中 潰れる店も ぎょうさん ありますよってなぁ。 52 00:04:02,660 --> 00:04:07,000 のれんを守るために えげつない事する店も➡ 53 00:04:07,000 --> 00:04:09,700 ありますよってなぁ。 54 00:04:11,870 --> 00:04:18,870 又八っつぁんも よう気ぃ付けて 今度は しっかり務め上げなはれ。 55 00:04:22,010 --> 00:04:25,710 ほな 失礼致します。 56 00:04:27,350 --> 00:04:30,250 ご苦労さんでごありました。 57 00:04:30,250 --> 00:04:42,900 ♬~ 58 00:04:42,900 --> 00:04:45,200 し… 塩 持ってきます! 59 00:04:51,040 --> 00:04:54,710 騒がして悪かったな。 仕事に戻っとくれやす。 60 00:04:54,710 --> 00:04:56,650 どないしまひょ。 61 00:04:56,650 --> 00:04:59,380 このままやったら 天野屋に出し抜かれて➡ 62 00:04:59,380 --> 00:05:02,150 店が潰れてしまうんや…。 北村屋は➡ 63 00:05:02,150 --> 00:05:05,190 そんな事で揺らぐような店やない。 64 00:05:05,190 --> 00:05:08,660 そやけど… 噂では➡ 65 00:05:08,660 --> 00:05:10,990 一等米に安い米を ぎょうさん混ぜて➡ 66 00:05:10,990 --> 00:05:13,330 うちの半値で売りさばいてるとか。 67 00:05:13,330 --> 00:05:16,030 うちらも そないしたら どうですやろ。 68 00:05:18,000 --> 00:05:21,670 北村の のれんにかけて そんな事はできまへん。 69 00:05:21,670 --> 00:05:25,010 そやけど ほかに打つ手ぇが…。 70 00:05:25,010 --> 00:05:28,680 お客さんの信頼を 裏切るようなまねしたらアカン! 71 00:05:28,680 --> 00:05:33,380 それが 商いをする者の 誇りちゅうもんや。 72 00:05:53,370 --> 00:05:56,210 お帰りやす。 おてんちゃん。 73 00:05:56,210 --> 00:05:59,540 新しいお客さん 見つからはりましたか? 74 00:05:59,540 --> 00:06:01,980 相変わらずや。 75 00:06:01,980 --> 00:06:04,650 そうですか。 うん。 76 00:06:04,650 --> 00:06:06,650 (物音) 77 00:06:11,320 --> 00:06:13,360 佐吉? 78 00:06:13,360 --> 00:06:18,560 すんまへん。 わても お暇を頂きたいと。 79 00:06:27,340 --> 00:06:31,210 (頼子)今度は 手代も やめたそやないの。 80 00:06:31,210 --> 00:06:35,010 びっくりしたわぁ。 81 00:06:35,010 --> 00:06:39,520 お母さんが 奉公人に 「始末始末」ば~っかり言うから➡ 82 00:06:39,520 --> 00:06:42,350 こういう時に 見限られてしまうんとちゃうの? 83 00:06:42,350 --> 00:06:45,190 姉さんも 心配して来てくれたんやったら➡ 84 00:06:45,190 --> 00:06:47,520 店 手伝うてや。 85 00:06:47,520 --> 00:06:51,360 ちょっと お茶 まだ? へえ! 86 00:06:51,360 --> 00:06:53,300 うん! 87 00:06:53,300 --> 00:06:57,030 せや それより ええ話があるそうやないの。 88 00:06:57,030 --> 00:06:59,940 ええ話? この 家 土地➡ 89 00:06:59,940 --> 00:07:02,840 高値で買いたいいう業者が おるて。 90 00:07:02,840 --> 00:07:08,310 この辺りが開発されるて噂やで。 あっ 売ったら 財産分けてな。 91 00:07:08,310 --> 00:07:11,650 あんた そんな話しに来たんか? 92 00:07:11,650 --> 00:07:14,550 なあ 店潰れる前に 売ってしもたらええのに! 93 00:07:14,550 --> 00:07:18,320 もう 帰り! 二度と言うたら許さへんで。 94 00:07:18,320 --> 00:07:22,660 言われんでも帰るし。 こっちこそ 二度と来んわ。 95 00:07:22,660 --> 00:07:26,000 もらえる物は な~んもないし➡ 96 00:07:26,000 --> 00:07:29,870 こんなうち どうなっても知らんわ。 97 00:07:29,870 --> 00:07:32,370 ほな お邪魔しました。 98 00:07:34,170 --> 00:07:36,210 姉さん! ほっとき! そやかて➡ 99 00:07:36,210 --> 00:07:39,340 今は 家族で力合わせんと。 人手も足らんし。 100 00:07:39,340 --> 00:07:43,040 わてが 3人分でも4人分でも 働くさかい 大丈夫や。 101 00:07:44,680 --> 00:07:48,020 あんたも 京都に帰ってええんやで。 102 00:07:48,020 --> 00:07:51,350 うちは帰りまへん。 103 00:07:51,350 --> 00:07:55,350 ほな 勝手にし。 へそ曲がりの女中や! 104 00:08:03,630 --> 00:08:08,330 心配せんでええ。 店の事は 俺が なんとかするから。 105 00:08:09,970 --> 00:08:12,310 はい。 106 00:08:12,310 --> 00:08:20,310 そして 啄子は 獅子奮迅の働きで 商人魂を見せ…。 107 00:08:21,990 --> 00:08:25,320 ごりょんさん 少し お休みになった方が…。 108 00:08:25,320 --> 00:08:29,660 口動かす前に 足動かしなはれ。 109 00:08:29,660 --> 00:08:31,660 へえ。 110 00:08:34,330 --> 00:08:38,670 毎度 格別のご贔屓賜り まことに ありがとさんでございます。 111 00:08:38,670 --> 00:08:40,600 いえいえ ヘッヘッ。 112 00:08:40,600 --> 00:08:44,170 これは ご挨拶代わりに 手前どもで炊いた➡ 113 00:08:44,170 --> 00:08:48,040 塩昆布でございます。 こらまた ご丁寧に! 114 00:08:48,040 --> 00:08:51,350 うちのばあさんも これが楽しみで。 115 00:08:51,350 --> 00:08:55,020 引き続き 一層のお引き立て よろしゅうお頼申します。 116 00:08:55,020 --> 00:08:57,690 そらもう! エヘヘ。 117 00:08:57,690 --> 00:08:59,990 (啄子)おおきに。 118 00:09:02,960 --> 00:09:05,860 ごりょんさん 何してはりますの! 119 00:09:05,860 --> 00:09:09,630 見たら分かるやろ。 風呂入ってるように見えるか? 120 00:09:09,630 --> 00:09:14,800 まさか 行商に? 藤吉郎だけに任せてはおけん。 121 00:09:14,800 --> 00:09:19,640 今ある米を 全部 売りさばいて 月末の支払いに間に合わせんと。 122 00:09:19,640 --> 00:09:22,480 ほな うちも手伝います あんたが いてたら➡ 123 00:09:22,480 --> 00:09:25,280 足手まといや。 あんた 店番しとき。 124 00:09:28,990 --> 00:09:31,990 ああ…。 ごりょんさん。 125 00:09:35,660 --> 00:09:40,000 あ… もっと下や。 126 00:09:40,000 --> 00:09:43,670 へえ。 ここですやろか? 127 00:09:43,670 --> 00:09:47,370 違う。 もっと上や。 へえ。 128 00:09:49,010 --> 00:09:51,910 イタタッ あ~ 痛いやないの! 129 00:09:51,910 --> 00:09:54,880 すんまへん。 130 00:09:54,880 --> 00:09:58,880 そやけど こないに凝ってはって…。 131 00:10:00,720 --> 00:10:07,020 こんな事 昔は 慣れたもんやったのに。 132 00:10:07,020 --> 00:10:10,360 情けないなぁ。 133 00:10:10,360 --> 00:10:12,360 (ため息) 134 00:10:14,230 --> 00:10:19,040 子どもの頃 お父ちゃんについて➡ 135 00:10:19,040 --> 00:10:22,710 行商で いろんなとこ行ったけど➡ 136 00:10:22,710 --> 00:10:27,580 この船場は 憧れの町やった。 137 00:10:27,580 --> 00:10:30,210 憧れの町? 138 00:10:30,210 --> 00:10:39,390 商いの成功を夢みて 失敗しても だ~れも 決して諦めない。 139 00:10:39,390 --> 00:10:42,390 そういう町や。 140 00:10:48,730 --> 00:10:53,600 この船場に… 店を持つ事が➡ 141 00:10:53,600 --> 00:10:57,300 一生の夢やった。 142 00:11:00,680 --> 00:11:07,020 先々代は 貧しい行商人の娘のわてを➡ 143 00:11:07,020 --> 00:11:10,520 この家に迎えてくれはった。 144 00:11:10,520 --> 00:11:15,360 その恩に報いるためにも➡ 145 00:11:15,360 --> 00:11:21,030 この北村屋の のれん 守らなアカンねや。 146 00:11:21,030 --> 00:11:36,050 ♬~ 147 00:11:36,050 --> 00:11:39,380 おっ! 遅うなって すまんな。 148 00:11:39,380 --> 00:11:43,250 新しいお得意さん探して 堺まで足伸ばしてたもんで。 149 00:11:43,250 --> 00:11:47,450 遠くまで ご苦労はんやったな。 で どないや? 150 00:11:51,390 --> 00:11:55,730 安心せえ。 例の儲け話 話つけてきたで。 151 00:11:55,730 --> 00:11:58,730 話つけてきたて…。 一体 何や? 152 00:12:00,570 --> 00:12:04,340 電気式髪結い機 略して…➡ 153 00:12:04,340 --> 00:12:07,010 電髪や。 電髪? 154 00:12:07,010 --> 00:12:08,950 (キース)ほら。 155 00:12:08,950 --> 00:12:15,350 キースが 適当に名付けた電髪とは 今で言う パーマの事です。 156 00:12:15,350 --> 00:12:18,690 当時 パーマ機は まだ日本には➡ 157 00:12:18,690 --> 00:12:21,190 入ってきていない はずなのですが…。 158 00:12:21,190 --> 00:12:24,030 エゲレスで発明されたばっかりの 機械や。 159 00:12:24,030 --> 00:12:27,530 神戸の倉庫に品があって 今すぐ 現金で払たら➡ 160 00:12:27,530 --> 00:12:29,570 安い値ぇで譲ってくれる。 161 00:12:29,570 --> 00:12:33,040 これは めったにない 掘り出し物やで。 162 00:12:33,040 --> 00:12:36,370 いや~ そんな妙ちくりんなもんで 何するいうんや。 163 00:12:36,370 --> 00:12:42,050 電気で 髪の毛 くるくるにするんや。 164 00:12:42,050 --> 00:12:45,720 くるくる? おお。 外国のお嬢さんみたいに。 165 00:12:45,720 --> 00:12:48,380 (歌子)何が くるくるや。 こんなもん…。 166 00:12:48,380 --> 00:12:50,890 これは当たる! これは当たるで! 167 00:12:50,890 --> 00:12:53,790 (キース)せやろ? おお。 このくるくるお嬢さん➡ 168 00:12:53,790 --> 00:12:56,690 何や 可愛らしいなぁ。 もう 結婚したいわ。 169 00:12:56,690 --> 00:12:59,060 可愛らしい嫁はんが いてるやろ ホンマ。 痛い。 170 00:12:59,060 --> 00:13:02,330 オモロイな言うてんねん。 オモロイもんは みんな飛びつく。 171 00:13:02,330 --> 00:13:06,670 ホンマか? それ。 ああ。 これは 日本中で はやるで。 172 00:13:06,670 --> 00:13:08,670 (キース)おお。 173 00:13:16,010 --> 00:13:19,950 藤吉さん。 174 00:13:21,880 --> 00:13:23,890 ほう…。 175 00:13:23,890 --> 00:13:27,360 こんな人らの話 乗ったらアカンで。 いやいやいや。 176 00:13:27,360 --> 00:13:30,690 店が潰れんのを 指くわえて見てるだけやったら➡ 177 00:13:30,690 --> 00:13:34,030 勝負した方がええやろ。 そやけど こんなもん➡ 178 00:13:34,030 --> 00:13:36,370 買う金ないで。 そやから➡ 179 00:13:36,370 --> 00:13:39,700 お前んとこの家と土地 担保にして 借金するんや。 180 00:13:39,700 --> 00:13:43,570 家と土地!? アホか! できるか そんな事! 181 00:13:43,570 --> 00:13:46,210 ここで 男見せて勝負せな! 182 00:13:46,210 --> 00:13:50,710 店救って お母ちゃんに 認めさしたいんやろ? 183 00:13:50,710 --> 00:13:53,620 お母ちゃんを見返したるんや。 184 00:13:53,620 --> 00:14:02,320 ♬~ 185 00:14:29,020 --> 00:14:32,360 藤吉さん? 186 00:14:32,360 --> 00:14:34,290 おてんちゃん! 187 00:14:34,290 --> 00:14:37,590 どないしはりました? いや 何でもない。 188 00:14:39,230 --> 00:14:42,930 おてんちゃんは 何も心配せんでええから。 189 00:14:44,930 --> 00:14:47,700 これは 大変です。 190 00:14:47,700 --> 00:14:54,700 藤吉の男の意地が あらぬ方向へ 走り始めてしまったようです。