1 00:00:02,710 --> 00:00:04,170 いいかげん 自由にさせてくれよ! 2 00:00:04,170 --> 00:00:06,850 あなたと麻美さんって 何でつながってたの? 3 00:00:06,850 --> 00:00:09,640 私とあなたをつなぐものは 小説でしょ。 4 00:00:09,640 --> 00:00:12,360 先生を探しにきました。 どこに監禁してるの? 5 00:00:12,360 --> 00:00:15,360 不倫の件を謝罪して 会社に戻してもらうんだから! 6 00:00:17,080 --> 00:00:20,940 正隆さん…。 7 00:00:20,940 --> 00:00:25,940 どいつもこいつも うるさい女ばかりだ。 8 00:00:45,690 --> 00:00:49,560 (玄関チャイム) 9 00:00:49,560 --> 00:00:51,560 誰だよ こんなときに。 10 00:00:54,780 --> 00:00:56,460 ご無沙汰してます。 11 00:00:56,460 --> 00:01:01,180 今は 編集長でしたっけ? 12 00:01:01,180 --> 00:01:06,900 俺宛てに届いた。 森林麻美からだ。 13 00:01:06,900 --> 00:01:09,260 麻美から? 14 00:01:09,260 --> 00:01:12,260 気になるだろ? 見ろよ。 15 00:01:25,920 --> 00:01:30,960 これを僕に読ませて どうするんですか? 16 00:01:30,960 --> 00:01:34,960 お前との関係について 彼女が本音で語ってる。 17 00:01:37,540 --> 00:01:43,600 神永先輩へ。 この手紙は 私がブログをアップしてから 18 00:01:43,600 --> 00:01:47,140 1か月後に届くよう指定しました。 19 00:01:47,140 --> 00:01:51,680 世間は多少は 騒いでくれましたか? 20 00:01:51,680 --> 00:01:54,880 あるいは とっくに消費され 21 00:01:54,880 --> 00:01:57,570 何事もなかったように 22 00:01:57,570 --> 00:02:01,110 次の話題に 飛びついているでしょうか。 23 00:02:01,110 --> 00:02:06,490 大学時代 文芸サークルでの 三島の振る舞いは 24 00:02:06,490 --> 00:02:09,360 先輩も よくご存じかと思います。 25 00:02:09,360 --> 00:02:12,890 自分では一切 書こうとせず 26 00:02:12,890 --> 00:02:15,750 人の作品を批評してばかり。 27 00:02:15,750 --> 00:02:18,620 特に 私へのあたりは 非常に強く 28 00:02:18,620 --> 00:02:21,810 何度も書くのをやめようかと 思ったほどです。 29 00:02:21,810 --> 00:02:25,690 なんだよ それ… 僕は麻美のためを思って…。 30 00:02:25,690 --> 00:02:28,210 それでも つきあうことになった理由は 31 00:02:28,210 --> 00:02:30,910 自分でも よくわかりません。 32 00:02:30,910 --> 00:02:32,930 ただ ひとつ言えるのは 33 00:02:32,930 --> 00:02:37,810 三島の 私への異様なまでの執着が 34 00:02:37,810 --> 00:02:42,520 必ずしも不快では なかったということです。 35 00:02:42,520 --> 00:02:47,400 幼い頃から 愛情を知らずに 育った私にとって 36 00:02:47,400 --> 00:02:50,930 自分に関心が向けられることを 37 00:02:50,930 --> 00:02:55,650 愛情と勘違いしていたのかも しれません。 38 00:02:55,650 --> 00:02:59,700 表向きは 三島は私の作品を 一切 読んでいないことに 39 00:02:59,700 --> 00:03:03,570 なっていますよね。 でも実際は 40 00:03:03,570 --> 00:03:08,950 私が プロデビューしてからも 私のすべての作品を 41 00:03:08,950 --> 00:03:11,980 けなしてきたのです。 42 00:03:11,980 --> 00:03:14,840 褒められたことなど 一度もありません。 43 00:03:14,840 --> 00:03:17,370 違う。 麻美は褒めると すぐ調子に乗るから 44 00:03:17,370 --> 00:03:21,370 ダメなところを 指摘してやってたんだ。 45 00:03:30,330 --> 00:03:36,900 彼女が初めて 文学賞を 受賞したときの写真だ。 46 00:03:36,900 --> 00:03:40,100 この晴れの日に お前がやったことを 47 00:03:40,100 --> 00:03:42,100 忘れたとは言わせないぞ。 48 00:04:54,840 --> 00:04:56,840 ただいま。 49 00:05:12,350 --> 00:05:16,720 ちょ… どういうことよ? 50 00:05:16,720 --> 00:05:20,600 聞いてないわよ。 あ…。 51 00:05:20,600 --> 00:05:23,960 何? これ。 52 00:05:23,960 --> 00:05:27,840 ちょっと お店で 盛り上がっちゃって。 53 00:05:27,840 --> 00:05:33,060 今日は 私の大事な日だって 知ってたよね。 54 00:05:33,060 --> 00:05:35,060 わざとなの? 55 00:05:38,780 --> 00:05:42,780 授賞式 楽しかったか? 56 00:05:53,260 --> 00:05:58,310 <鈍感な私でも ようやく気づきました。 57 00:05:58,310 --> 00:06:03,190 三島は 私の才能に 嫉妬していたのだと。 58 00:06:03,190 --> 00:06:08,240 私にとって 最高の一日を 台なしにするためだけに 59 00:06:08,240 --> 00:06:10,430 あんなことをしたのです> 60 00:06:10,430 --> 00:06:12,780 黙れ…。 61 00:06:12,780 --> 00:06:14,310 それなら むしろ いちばん近くにいて 62 00:06:14,310 --> 00:06:19,020 私の成功を 眺め続ければいいと思いました。 63 00:06:19,020 --> 00:06:23,900 三島の存在は 私が ものを書き続けるうえでの 64 00:06:23,900 --> 00:06:26,900 原動力に変わったのです。 65 00:06:30,130 --> 00:06:32,150 楽しかったよ。 66 00:06:32,150 --> 00:06:35,150 黙れ! 67 00:06:40,400 --> 00:06:43,930 お前は 昔から何も変わってない。 68 00:06:43,930 --> 00:06:47,930 わがままで 自分勝手な ガキのままだ。 69 00:06:52,860 --> 00:06:58,250 アンタ いったい何なんだ? 昔っから偉そうに。 70 00:06:58,250 --> 00:07:01,440 何様のつもりだ! 71 00:07:01,440 --> 00:07:05,150 お前のせいだ! お前が 麻美を壊したんだ! 72 00:07:05,150 --> 00:07:08,150 麻美を返せ! アンタには 関係ないだろ! 73 00:07:15,250 --> 00:07:19,790 麻美がいなくなって いちばんつらいのは 僕だ。 74 00:07:19,790 --> 00:07:22,650 どの口が言う! お前の都合だろ! 75 00:07:22,650 --> 00:07:25,680 褒めたら すぐ調子に乗るだと? 76 00:07:25,680 --> 00:07:28,680 俺なら 褒めて褒めて褒めまくる! 77 00:07:39,150 --> 00:07:42,150 麻美がつかみかけていた 大切な感情を…。 78 00:07:44,040 --> 00:07:48,750 俺なら 形にしてあげられたのに。 79 00:07:48,750 --> 00:07:50,100 なんのことだ? 80 00:07:50,100 --> 00:07:54,100 お前には 一生わからないさ。 81 00:07:58,840 --> 00:08:00,840 (ドアの閉まる音) 82 00:08:05,250 --> 00:08:08,610 <先輩にも 話したことがありましたよね。 83 00:08:08,610 --> 00:08:13,820 私にも 愛情に近い何かが 84 00:08:13,820 --> 00:08:15,680 三島に 芽生えた時期があったことを。 85 00:08:15,680 --> 00:08:21,910 三島が与え 三島が奪った あの感情をなくしたことが 86 00:08:21,910 --> 00:08:24,910 私には どうしてもつらかった> 87 00:08:28,980 --> 00:08:30,170 < そんな私の一番の復讐は 88 00:08:30,170 --> 00:08:34,200 三島と一緒に 居続けることだったのです> 89 00:08:34,200 --> 00:08:37,200 復讐か。 90 00:08:44,470 --> 00:08:46,160 ハッハッハッ…。 91 00:08:46,160 --> 00:08:49,360 復讐…。 92 00:08:49,360 --> 00:08:59,460 ~ 93 00:08:59,460 --> 00:09:03,660 どうだった? 94 00:09:03,660 --> 00:09:06,660 うん おもしろかったよ。 95 00:09:10,400 --> 00:09:12,920 その年で よく こんなもの書けるなって 96 00:09:12,920 --> 00:09:16,290 逆に感心しちゃった。 えっ? 97 00:09:16,290 --> 00:09:19,990 そもそも これ 誰に向けて書いたものなの? 98 00:09:19,990 --> 00:09:23,860 誰って… 読者に。 99 00:09:23,860 --> 00:09:26,060 もっと明確にイメージしないと だめだと思う。 100 00:09:26,060 --> 00:09:30,760 それから 正隆さん 最近の小説って読んでる? 101 00:09:30,760 --> 00:09:33,620 特に同世代の。 なんで そんな連中の 102 00:09:33,620 --> 00:09:35,810 読まなきゃいけないんだよ。 103 00:09:35,810 --> 00:09:37,170 いいから感想を言えよ。 全体的に古い。 104 00:09:37,170 --> 00:09:40,860 あなたそのものって 感じなのよね。 105 00:09:40,860 --> 00:09:44,410 男尊女卑 バンザイ ジェンダー 何それとか思ってるでしょ。 106 00:09:44,410 --> 00:09:46,090 アップデートできてない。 107 00:09:46,090 --> 00:09:49,120 主人公に魅力が まるでない。 108 00:09:49,120 --> 00:09:52,820 なのに若い子には 妙にモテるって設定が また痛くて。 109 00:09:52,820 --> 00:09:56,190 褒めてくれる人もいる。 どっかに投稿してるんだ。 110 00:09:56,190 --> 00:09:58,210 『小説家になりましょう』とか? 111 00:09:58,210 --> 00:10:04,430 その褒めてくれるのは何百人? 何千人? 112 00:10:04,430 --> 00:10:08,980 まさか 1人ってことないよね? 113 00:10:08,980 --> 00:10:13,690 1人でも熱烈な読者がいるのは いいことだろ。 114 00:10:13,690 --> 00:10:16,890 フフ… それ たぶん からかわれてる。 115 00:10:16,890 --> 00:10:21,600 いるのよ そういう暇な人。 116 00:10:21,600 --> 00:10:26,330 あと正隆さん 取材とか 全然してないよね? 117 00:10:26,330 --> 00:10:30,330 そんなの ネットでいくらでも…。 118 00:10:37,940 --> 00:10:42,980 私が小説を書くのに どれだけ 人に会いに行ってるかわかる? 119 00:10:42,980 --> 00:10:44,510 警察とか医者とか。 120 00:10:44,510 --> 00:10:49,510 犯罪に リアリティーがないと 最近の読者は目が肥えてるから。 121 00:10:52,750 --> 00:10:55,120 私が せっかく いろいろ教えてあげてたのに 122 00:10:55,120 --> 00:10:58,120 な~んにも 聞いてなかったんだね。 123 00:11:01,500 --> 00:11:08,080 麻美 お前… バカにしてるのか? 124 00:11:08,080 --> 00:11:11,940 忙しいのに こんなくだらないものを 125 00:11:11,940 --> 00:11:14,470 読まされた身にもなってほしいの。 時間の無駄。 126 00:11:14,470 --> 00:11:17,470 あ… くだらなすぎて笑えたわ。 127 00:11:21,210 --> 00:11:27,100 ねぇ 正隆さん あなたには 10年近く 128 00:11:27,100 --> 00:11:32,980 誰にも邪魔されることのない 時間があったはずでしょ? 129 00:11:32,980 --> 00:11:36,530 お金の心配もせずに。 130 00:11:36,530 --> 00:11:41,530 なのに なんなの? このありさまは。 131 00:11:43,420 --> 00:11:49,320 それは お前と 感性が合わないだけだろう。 132 00:11:49,320 --> 00:11:51,010 誰か別の…。 133 00:11:51,010 --> 00:11:54,030 そうだ 池上さんに 読んでもらえば…。 134 00:11:54,030 --> 00:11:56,050 勘弁してよ。 135 00:11:56,050 --> 00:11:59,750 私にまで恥をかかせる気? 136 00:11:59,750 --> 00:12:01,440 ゴミなんか読ませちゃったら 私の信頼まで 137 00:12:01,440 --> 00:12:03,630 失うことになるんですけど。 138 00:12:03,630 --> 00:12:06,990 それこそ 新人賞にでも 応募すればいいじゃない。 139 00:12:06,990 --> 00:12:08,990 どうして そういう 当たり前のことができないの? 140 00:12:10,360 --> 00:12:12,380 ゴミ? ええ そうよ ゴミ。 141 00:12:12,380 --> 00:12:15,910 あなただって 私の作品を いつも ゴミって言ってるでしょ? 142 00:12:15,910 --> 00:12:17,930 ゴミにゴミって言って 何が悪いの? 143 00:12:17,930 --> 00:12:19,120 これ 書き上げてすら いないじゃない。 144 00:12:19,120 --> 00:12:21,980 そんな どうしようもない あなたに 145 00:12:21,980 --> 00:12:23,330 ぴったりの格言をプレゼントします。 146 00:12:23,330 --> 00:12:28,330 「未完成の作品はどんな駄作より 無価値である」ってね。 147 00:12:35,610 --> 00:12:37,610 うっ…。 148 00:12:39,150 --> 00:12:43,150 くっ…。 149 00:12:48,580 --> 00:12:50,430 ああ…。 150 00:12:50,430 --> 00:13:24,430 ~ 151 00:13:24,430 --> 00:13:26,460 ああ…。 152 00:13:26,460 --> 00:13:30,330 ハァ ハァ ハァ…。 153 00:13:30,330 --> 00:13:34,370 ハァハァ ハァハァ…。 154 00:13:34,370 --> 00:13:37,370 死体の処理は 手早く冷静に。 155 00:13:40,430 --> 00:13:43,430 死後硬直が始まったら 運ぶのにも ひと苦労なの。 156 00:13:48,840 --> 00:13:51,530 聞いてる? 157 00:13:51,530 --> 00:13:54,530 あなたが 興味ありそうだったから。 158 00:13:56,260 --> 00:13:58,280 今は 死体があれば 159 00:13:58,280 --> 00:14:00,300 ほぼ確実に 犯人は捕まる時代だから 160 00:14:00,300 --> 00:14:04,300 完全犯罪を描くのも難しいの。 161 00:14:06,520 --> 00:14:10,230 スマホは 位置情報を辿られないよう 電源を切っておくこと。 162 00:14:10,230 --> 00:14:14,430 捨てるなら遺体とは 別の場所を選ぶこと。 163 00:14:14,430 --> 00:14:16,430 基本よ。 164 00:14:19,980 --> 00:14:21,840 エレベーターは 防犯カメラがあるから 165 00:14:21,840 --> 00:14:25,040 非常階段を使うのがベターね。 166 00:14:25,040 --> 00:14:27,400 もちろん いったん手ぶらで戻って 167 00:14:27,400 --> 00:14:31,400 エレベーターで 降りてくることも忘れずに。 168 00:14:36,660 --> 00:14:41,660 カーナビの履歴も いずれ消しておいたほうがいいわ。 169 00:14:49,620 --> 00:14:54,830 土に埋めたって 警察犬なんかはすぐに嗅ぎつける。 170 00:14:54,830 --> 00:14:57,530 いかにして警察を 現場に近づけさせないか 171 00:14:57,530 --> 00:15:00,530 そこが ミステリー作家の腕の見せどころね。 172 00:15:09,150 --> 00:15:23,150 ハァ ハァ ハァ… 173 00:15:27,660 --> 00:15:33,560 大丈夫だ バレやしない。 174 00:15:33,560 --> 00:15:38,560 僕と麻美は共犯なんだから。 175 00:15:40,290 --> 00:15:42,640 <僕に殺されたのに 176 00:15:42,640 --> 00:15:45,670 ご丁寧に麻美は 遺書を残していた> 177 00:15:45,670 --> 00:15:47,860 世間じゃ もう大騒ぎです。 178 00:15:47,860 --> 00:15:50,560 編集部も 今朝から 対応に追われっぱなしで 179 00:15:50,560 --> 00:15:54,560 <麻美は 僕に 最大のアリバイをくれたのだ> 180 00:15:56,960 --> 00:15:59,960 こんなバカげたもの 信じるのか? 181 00:16:02,340 --> 00:16:07,340 このあとがき 書いたの 正隆さんですよね。 182 00:16:12,780 --> 00:16:14,800 私が見抜いたくらいだから 熱心な読者なんか 183 00:16:14,800 --> 00:16:17,800 とっくに 気づいてるんじゃないですか? 184 00:16:33,820 --> 00:16:35,510 いや 待て。 185 00:16:35,510 --> 00:16:39,510 今消したら それこそまずいだろ。 186 00:16:44,430 --> 00:16:47,130 麻美…。 187 00:16:47,130 --> 00:16:52,130 アイツまさか 初めから…。 188 00:16:54,700 --> 00:16:57,570 授賞式 楽しかったか? 189 00:16:57,570 --> 00:17:03,790 もし あなたが 誰かを妊娠させたりしたら 190 00:17:03,790 --> 00:17:06,490 そのときだけは絶対に許さない。 191 00:17:06,490 --> 00:17:08,490 別れます。 192 00:17:10,360 --> 00:17:20,300 ~ 193 00:17:20,300 --> 00:17:23,300 うぅ… 194 00:17:26,690 --> 00:17:34,930 《僕に殺されるように 自分から そう仕組んだんだ》 195 00:17:34,930 --> 00:17:37,930 《私の死体を探してください》 196 00:17:44,030 --> 00:17:50,030 何なんだよ そんな復讐あるかよ。 197 00:18:10,130 --> 00:18:12,130 はっ! 198 00:18:16,520 --> 00:18:19,520 ハァ ハァ…。 199 00:18:21,410 --> 00:18:24,410 なんだか富士山に 見張られてるみたい 200 00:18:31,830 --> 00:18:35,870 あぁ… あぁ…。 201 00:18:35,870 --> 00:18:39,870 やめろ 見るな 見るな! 202 00:18:59,120 --> 00:19:03,510 私は医者から 脳腫瘍だと診断されていました。 203 00:19:03,510 --> 00:19:07,040 どのみち長くは 生きられなかったのです。 204 00:19:07,040 --> 00:19:11,080 死を目前にして私が選んだのは 205 00:19:11,080 --> 00:19:14,110 おいしいご飯を食べることでも 206 00:19:14,110 --> 00:19:18,150 まだ見ぬ外国へ 行くことでもなく 207 00:19:18,150 --> 00:19:24,150 私の大切な感情を奪った 夫への復讐でした。 208 00:19:27,410 --> 00:19:34,410 お前たちをつないでいたものは 互いへの執着だったんだな。 209 00:19:38,190 --> 00:19:43,070 《神永先輩を 好きになればよかったと 210 00:19:43,070 --> 00:19:45,430 思ったこともあります。 211 00:19:45,430 --> 00:19:47,280 きっと ありふれた 212 00:19:47,280 --> 00:19:53,010 けれど かけがえのない 幸せな家庭が築けたでしょう。 213 00:19:53,010 --> 00:20:00,910 でも人間は 必ずしも 正しい道を選ぶことができない。 214 00:20:00,910 --> 00:20:05,910 4人の親友が そう教えて くれていたはずなのに…》 215 00:20:13,530 --> 00:20:17,410 《でも 4人の代わりに 216 00:20:17,410 --> 00:20:22,630 少しでも私が この世に 爪痕を残せたのなら 217 00:20:22,630 --> 00:20:26,630 それが正しい道だったんだと 思います》 218 00:20:39,630 --> 00:20:45,630 私も やっと 飛び立つことができるよ 219 00:21:09,590 --> 00:21:14,480 《愛の対義語は無関心だと マザー・テレサは言った。 220 00:21:14,480 --> 00:21:18,850 無関心の対義語は執着。 221 00:21:18,850 --> 00:21:24,850 であれば 執着もまた 一つの愛の形なのだろう》 222 00:21:28,450 --> 00:21:30,300 パパ! 223 00:21:30,300 --> 00:21:34,670 はい よいしょ。 224 00:21:34,670 --> 00:21:38,220 楽しかったか? 麻美。 うん! 225 00:21:38,220 --> 00:21:41,250 ハハハ 帰ろうか。 ええ。 226 00:21:41,250 --> 00:21:44,280 麻美 晩ご飯 何がいい? 227 00:21:44,280 --> 00:21:46,300 う~んとね ハンバーグ! 228 00:21:46,300 --> 00:21:49,500 好きねぇ ハンバーグ。 うん。 229 00:21:49,500 --> 00:21:52,500 パパ おてて。 はい。 230 00:21:54,710 --> 00:21:57,910 はぁ こことも もうお別れね。 231 00:21:57,910 --> 00:21:59,260 ですね 高く売りますんで。 232 00:21:59,260 --> 00:22:02,290 わぁ! は~い お願いします。 233 00:22:02,290 --> 00:22:05,290 さよならですね。 そう。 234 00:22:21,810 --> 00:22:23,810 麻美…。 235 00:22:27,540 --> 00:22:29,540 麻美。 236 00:22:41,010 --> 00:22:46,010 麻美 麻美。 237 00:22:51,310 --> 00:22:52,310 麻美…。