1 00:00:32,496 --> 00:00:34,515 (花岡七桜)《15年前➡ 2 00:00:34,515 --> 00:00:37,017 老舗和菓子屋 光月庵で起きた➡ 3 00:00:37,017 --> 00:00:38,536 当主殺害事件》 4 00:00:38,536 --> 00:00:40,536 (高月今日子) 誰? 誰なの? 5 00:00:41,989 --> 00:00:43,507 (高月 椿) さくらのお母さん。 6 00:00:43,507 --> 00:00:47,044 《椿のひと言で 私は全てを奪われた》 7 00:00:47,044 --> 00:00:49,580 (多喜川 薫) やっと会えましたね 花岡七桜さん。 8 00:00:49,580 --> 00:00:51,599 お母様からの手紙です。 9 00:00:51,599 --> 00:00:53,599 《あの日の真相を知るため…》 10 00:00:54,485 --> 00:00:56,487 名前は? 花岡七桜。 11 00:00:56,487 --> 00:00:58,489 《私は正体を隠したまま➡ 12 00:00:58,489 --> 00:01:00,474 椿との結婚を利用して➡ 13 00:01:00,474 --> 00:01:02,493 光月庵に乗り込む決意をした》 14 00:01:02,493 --> 00:01:04,478 僕は この人と結婚する。 15 00:01:04,478 --> 00:01:05,996 《待っていたのは…》 16 00:01:05,996 --> 00:01:07,498 疫病神! 17 00:01:07,498 --> 00:01:10,050 《女将からの執拗な嫌がらせ そして…》 18 00:01:10,050 --> 00:01:12,086 (高月宗寿郎) 椿は 光月庵を継げん。 19 00:01:12,086 --> 00:01:14,488 (高月) 私の本当の孫じゃないからな。 20 00:01:14,488 --> 00:01:16,490 《複雑な お家事情》 21 00:01:16,490 --> 00:01:20,995 昔 この家に さくらって名前の 女の子がいて…。 22 00:01:20,995 --> 00:01:24,982 でも この暗い家の 唯一の明かりだった。 23 00:01:24,982 --> 00:01:27,485 《世界で一番憎い人》 24 00:01:27,485 --> 00:01:32,540 《そんな相手と結婚するなんて どうかしてる》 25 00:01:32,540 --> 00:01:35,126 《でも…》 26 00:01:35,126 --> 00:01:37,626 《後戻りはできない》 27 00:01:42,016 --> 00:01:46,516 ねぇ 椿… さん。 28 00:01:47,505 --> 00:01:50,007 もし 目の前に➡ 29 00:01:50,007 --> 00:01:53,511 さくらって子が現れたら…➡ 30 00:01:53,511 --> 00:01:55,511 どうするの? 31 00:01:59,066 --> 00:02:01,066 消えてもらうよ。 32 00:02:02,987 --> 00:02:04,989 俺の前から➡ 33 00:02:04,989 --> 00:02:06,989 永遠に。 34 00:02:08,509 --> 00:02:10,009 どうして? 35 00:02:14,999 --> 00:02:18,002 さくらの母親が➡ 36 00:02:18,002 --> 00:02:20,502 父を殺したからだ。 37 00:02:22,056 --> 00:02:23,991 殺した? 38 00:02:23,991 --> 00:02:26,010 見たんだ。 39 00:02:26,010 --> 00:02:29,010 15年前 父が死んだ日。 40 00:02:30,498 --> 00:02:34,518 (椿の声) 庭の椿の花が 満開になった あの日➡ 41 00:02:34,518 --> 00:02:37,538 まだ夜も明け切る前…。 42 00:02:37,538 --> 00:02:43,038 さくらの母親と 父が2人でいるところを。 43 00:02:44,578 --> 00:02:46,514 あの日から➡ 44 00:02:46,514 --> 00:02:49,517 さくらは明かりじゃなくなった。 45 00:02:49,517 --> 00:02:53,017 真っ暗な闇みたいな…。 46 00:02:55,523 --> 00:02:58,008 憎しみだけになった。 47 00:02:58,008 --> 00:03:04,098 ♬~ 48 00:03:04,098 --> 00:03:06,150 こんな話➡ 49 00:03:06,150 --> 00:03:08,519 あんたには関係なかったな。 50 00:03:08,519 --> 00:03:12,006 《ママは あの日 旦那様の部屋に行った?》 51 00:03:12,006 --> 00:03:14,525 《2人は そういう関係だったの?》 52 00:03:14,525 --> 00:03:19,025 《そこで何かあって 旦那様を…》 53 00:03:21,515 --> 00:03:23,515 七桜。 54 00:03:26,604 --> 00:03:29,023 やめよう こういうの。 55 00:03:29,023 --> 00:03:33,423 私たち 愛情があるわけじゃないんだし。 56 00:03:36,530 --> 00:03:38,530 そうだな。 57 00:03:43,037 --> 00:03:45,055 《信じない》 58 00:03:45,055 --> 00:03:48,555 《そんなこと 私は信じない!》 59 00:03:52,529 --> 00:03:55,516 《私が さくらだってことは➡ 60 00:03:55,516 --> 00:03:58,016 絶対 知られちゃいけない》 61 00:04:00,621 --> 00:04:03,591 ⦅それで 調べてくれたの?⦆ 62 00:04:03,591 --> 00:04:06,543 ⦅あの子の素性⦆ 63 00:04:06,543 --> 00:04:08,596 ⦅「旧姓➡ 64 00:04:08,596 --> 00:04:11,096 大倉七桜」⦆ 65 00:04:19,023 --> 00:04:24,023 (花を切る音) 66 00:04:28,015 --> 00:04:31,018 あっ…。 今日は早いんだな。 67 00:04:31,018 --> 00:04:33,418 おはよう 椿さん。 68 00:04:35,589 --> 00:04:38,089 椿に抱かれたの? 69 00:04:39,126 --> 00:04:41,011 おはよう 七桜さん。 70 00:04:41,011 --> 00:04:42,513 お義母様…。 71 00:04:42,513 --> 00:04:46,483 ねぇ 七桜さん 後で手伝ってくれないかしら。 72 00:04:46,483 --> 00:04:48,986 タンスから出したいものが あるんだけど➡ 73 00:04:48,986 --> 00:04:51,488 荷物が多くて 困ってるの。 74 00:04:51,488 --> 00:04:54,008 もちろんです お義母様。 75 00:04:54,008 --> 00:04:55,542 フフ…。 76 00:04:55,542 --> 00:04:59,980 お嫁さんになる七桜さんに ぜひ着てもらいたいの。 77 00:04:59,980 --> 00:05:03,984 光月庵に代々伝わる着物よ。 78 00:05:03,984 --> 00:05:05,502 でも…。 79 00:05:05,502 --> 00:05:07,488 《針でも入ってる?》 80 00:05:07,488 --> 00:05:08,988 フッ。 81 00:05:12,993 --> 00:05:16,046 ハッ! ハァ ハァ…。 82 00:05:16,046 --> 00:05:17,546 《真っ赤な椿》 83 00:05:20,100 --> 00:05:23,487 ハァ ハァ… すいません…。 84 00:05:23,487 --> 00:05:26,487 私には 着られません。 85 00:05:27,491 --> 00:05:28,992 そんなことないわ。 86 00:05:28,992 --> 00:05:32,496 黒髪に とっても似合ってる。 87 00:05:32,496 --> 00:05:35,499 でも…。 ねぇ 七桜さん。 88 00:05:35,499 --> 00:05:38,018 あなたのお母様って➡ 89 00:05:38,018 --> 00:05:40,554 どうしていらっしゃるの? 90 00:05:40,554 --> 00:05:43,490 母は…➡ 91 00:05:43,490 --> 00:05:45,509 亡くなりました。 92 00:05:45,509 --> 00:05:47,494 事故で。 93 00:05:47,494 --> 00:05:49,980 いつ? どこで? 94 00:05:49,980 --> 00:05:51,982 それは…。 95 00:05:51,982 --> 00:05:53,484 フフ…。 96 00:05:53,484 --> 00:05:56,487 ホ~ント うぶね。 97 00:05:56,487 --> 00:06:00,040 体も ウソも。 98 00:06:00,040 --> 00:06:01,592 やめて…。 99 00:06:01,592 --> 00:06:03,977 ずっと思ってたの。 100 00:06:03,977 --> 00:06:06,480 この黒髪➡ 101 00:06:06,480 --> 00:06:08,499 見覚えがあるって。 102 00:06:08,499 --> 00:06:11,001 ハァ ハァ… ハッ! 103 00:06:11,001 --> 00:06:15,489 病弱そうな 白い肌も。 104 00:06:15,489 --> 00:06:18,509 ねぇ 教えてちょうだい。 105 00:06:18,509 --> 00:06:22,579 あなたは どこで育ったの? 106 00:06:22,579 --> 00:06:26,579 15年前 どこにいたの? 107 00:06:30,487 --> 00:06:38,887 ♬~ 108 00:06:40,998 --> 00:06:42,483 さく…。 109 00:06:42,483 --> 00:06:45,486 (城島) あの! お話し中 すみません。 110 00:06:45,486 --> 00:06:48,539 取り込み中よ 後にしてちょうだい! 111 00:06:48,539 --> 00:06:51,592 でも その… いらしてるんです。 112 00:06:51,592 --> 00:06:54,011 七桜さんの母親だっていう方が。 113 00:06:54,011 --> 00:06:56,011 えっ? 114 00:06:57,498 --> 00:06:59,483 《一体 誰?》 115 00:06:59,483 --> 00:07:13,483 ♬~ 116 00:07:29,880 --> 00:07:31,515 117 00:07:31,515 --> 00:07:34,568 (夕子) 七桜! よかった~! 118 00:07:34,568 --> 00:07:36,587 やっと会えた。 119 00:07:36,587 --> 00:07:40,087 もう この子は心配掛けて…。 120 00:07:41,508 --> 00:07:43,510 あっ ホント➡ 121 00:07:43,510 --> 00:07:45,496 突然 押し掛けて すいません。 122 00:07:45,496 --> 00:07:47,514 私➡ 123 00:07:47,514 --> 00:07:49,500 花岡夕子と申します。 124 00:07:49,500 --> 00:07:52,002 花岡夕子さん。 125 00:07:52,002 --> 00:07:55,539 あっ あの… これ よかったら。 126 00:07:55,539 --> 00:07:58,075 故郷の輪島の芽かぶ茶です。 127 00:07:58,075 --> 00:07:59,610 輪島? 128 00:07:59,610 --> 00:08:02,012 七桜も そこで産んで 育てたんです。 129 00:08:02,012 --> 00:08:05,999 でも 私が母親として だらしがなくって➡ 130 00:08:05,999 --> 00:08:08,018 七桜は嫌気が差したんでしょう。 131 00:08:08,018 --> 00:08:11,505 18の時に家を出たまま ずっと音信不通で…。 132 00:08:11,505 --> 00:08:13,507 お恥ずかしいことに➡ 133 00:08:13,507 --> 00:08:16,507 結婚のことも 親戚から聞いたんです。 134 00:08:18,028 --> 00:08:20,080 ごめんね 七桜。 135 00:08:20,080 --> 00:08:24,501 でも よかった 幸せにやってるみたいで。 136 00:08:24,501 --> 00:08:27,004 母さん うれしい! フフフ…。 137 00:08:27,004 --> 00:08:30,507 七桜さんは 「母親は事故で亡くなった」➡ 138 00:08:30,507 --> 00:08:32,907 …と言ってましたけど。 えっ。 139 00:08:35,512 --> 00:08:36,997 すいません。 140 00:08:36,997 --> 00:08:41,068 私 親とは縁を切る覚悟で 家を出たので➡ 141 00:08:41,068 --> 00:08:44,004 つい そう言ってしまったんです。 142 00:08:44,004 --> 00:08:48,004 だから さっきの質問にも ちゃんと答えられなくて。 143 00:08:49,009 --> 00:08:52,012 15年前に こだわって らっしゃいましたけど➡ 144 00:08:52,012 --> 00:08:53,997 何かあったんですか? 145 00:08:53,997 --> 00:08:55,515 別に。 146 00:08:55,515 --> 00:08:58,018 お義母さん ご安心ください。 147 00:08:58,018 --> 00:09:01,588 七桜さんのことは 私が幸せにします。 148 00:09:01,588 --> 00:09:04,088 必ず。 149 00:09:06,009 --> 00:09:08,009 椿さん。 150 00:09:10,013 --> 00:09:14,513 信じたわけじゃないわよね? あの子の言ったこと。 151 00:09:16,520 --> 00:09:19,539 そうだ 僕たちの結婚式➡ 152 00:09:19,539 --> 00:09:21,558 来月の25日にしようと思って。 153 00:09:21,558 --> 00:09:23,610 何 言って…。 154 00:09:23,610 --> 00:09:26,029 25日って その日は…。 155 00:09:26,029 --> 00:09:28,048 何か? 156 00:09:28,048 --> 00:09:32,948 どうして そんなに こだわるの? あの子との結婚に。 157 00:09:34,521 --> 00:09:37,524 あんな得体の知れない子…。 158 00:09:37,524 --> 00:09:40,060 まさか➡ 159 00:09:40,060 --> 00:09:43,060 本気で愛してるとか ないでしょ? 160 00:09:46,516 --> 00:09:48,016 椿さん! 161 00:09:49,519 --> 00:09:52,522 私は信じないわよ。 162 00:09:52,522 --> 00:09:54,541 あの目➡ 163 00:09:54,541 --> 00:09:57,527 あれは あの女の目よ。 164 00:09:57,527 --> 00:09:59,527 許さない…。 165 00:10:01,081 --> 00:10:03,600 絶対に正体を暴いて➡ 166 00:10:03,600 --> 00:10:07,100 ここから追い出してやる! 167 00:10:09,022 --> 00:10:11,525 待って! 待ってください! 168 00:10:11,525 --> 00:10:13,026 誰なんですか? 169 00:10:13,026 --> 00:10:15,028 私の母親だなんてウソ どうして…。 170 00:10:15,028 --> 00:10:19,032 悪いけど 望む答えなら あげられないわよ。 171 00:10:19,032 --> 00:10:21,018 私は ただ頼まれただけだから。 172 00:10:21,018 --> 00:10:23,537 頼まれた? そう。 173 00:10:23,537 --> 00:10:26,590 店の常連客にね 人助けだからって。 174 00:10:26,590 --> 00:10:30,494 まぁ ちょっとばかり お小遣い もらったけど。 175 00:10:30,494 --> 00:10:33,497 実際 あんたも 助かった感じでしょ? 176 00:10:33,497 --> 00:10:36,016 誰が そんな…。 177 00:10:36,016 --> 00:10:38,602 私に そんなこと してくれる人なんて…。 178 00:10:38,602 --> 00:10:40,602 ⦅お母様のお菓子のファンです⦆ 179 00:10:42,522 --> 00:10:43,991 待ってください! 180 00:10:43,991 --> 00:10:46,043 その人って 男の人ですか? 181 00:10:46,043 --> 00:10:48,045 30代くらいで ヒゲの…。 182 00:10:48,045 --> 00:10:50,080 会わせていただけませんか? その人に。 183 00:10:50,080 --> 00:10:52,015 お願いします! 私 どこでも行きますから! 184 00:10:52,015 --> 00:10:55,519 面倒は ごめんなんだよ。 お願い! お願いします! 185 00:10:55,519 --> 00:10:57,504 だからさ…。 186 00:10:57,504 --> 00:10:59,506 お願いします! 187 00:10:59,506 --> 00:11:01,008 ちょっと! 188 00:11:01,008 --> 00:11:03,008 お願いします‼ 189 00:11:04,011 --> 00:11:05,529 ったく! 190 00:11:05,529 --> 00:11:08,081 残業代 もらわなきゃ。 191 00:11:08,081 --> 00:11:10,100 えっ…。 192 00:11:10,100 --> 00:11:12,019 店は6時からよ。 193 00:11:12,019 --> 00:11:14,504 客として来るのは 止められないから。 194 00:11:14,504 --> 00:11:18,504 会えるかどうかまでは 責任持てないけどね。 195 00:11:20,510 --> 00:11:22,496 ありがとうございます! 196 00:11:22,496 --> 00:11:25,532 今日から行きます 会えるまで行きます! 197 00:11:25,532 --> 00:11:35,025 ♬~ 198 00:11:35,025 --> 00:11:37,525 随分 長い見送りだな。 199 00:11:39,012 --> 00:11:43,016 ホント 久しぶりだったから 話が尽きなくて。 200 00:11:43,016 --> 00:11:46,019 お義母さんにも 来てもらわないとな。 201 00:11:46,019 --> 00:11:48,522 俺たちの結婚式。 202 00:11:48,522 --> 00:11:50,040 うん。 203 00:11:50,040 --> 00:11:53,126 《よかった ごまかせたんだ》 204 00:11:53,126 --> 00:11:57,126 式で出したいお菓子があるんだ。 お菓子? 205 00:11:58,548 --> 00:12:01,051 店に代々伝わるお菓子。 206 00:12:01,051 --> 00:12:03,551 菓子帳が 奥の部屋で眠ってる。 207 00:12:07,007 --> 00:12:09,509 こんな部屋あったんだ。 208 00:12:09,509 --> 00:12:13,009 式は 来月の25日にしようか。 209 00:12:14,598 --> 00:12:17,000 仏滅だけど。 210 00:12:17,000 --> 00:12:18,500 えっ? 211 00:12:19,503 --> 00:12:23,507 俺たちに ふさわしい日柄だろ? 212 00:12:23,507 --> 00:12:25,525 さっき 女将に言われたよ。 213 00:12:25,525 --> 00:12:29,012 七桜のこと 信じたのかって。 214 00:12:29,012 --> 00:12:32,912 やっぱり あの人は 俺のこと何も分かってない。 215 00:12:37,120 --> 00:12:41,024 俺は 信用ならないヤツは 手元に置いとく主義なんだ。 216 00:12:41,024 --> 00:12:44,024 《この人は そんなに甘くない》 217 00:12:45,512 --> 00:12:47,998 お前の目的は何だ? 218 00:12:47,998 --> 00:12:51,498 どうして あの時 結婚するって言ったんだ? 219 00:12:54,521 --> 00:12:57,073 椿さんと結婚すれば➡ 220 00:12:57,073 --> 00:13:00,527 ずっと お菓子が作れると 思ったから。 221 00:13:00,527 --> 00:13:05,027 お菓子が好きで ただ お菓子が作りたくて…。 222 00:13:07,000 --> 00:13:09,503 じゃあ…➡ 223 00:13:09,503 --> 00:13:11,521 ここは 宝の山だぞ。 224 00:13:11,521 --> 00:13:13,507 えっ? 225 00:13:13,507 --> 00:13:15,542 (戸が開く音) 226 00:13:15,542 --> 00:13:17,077 ちょっと! 227 00:13:17,077 --> 00:13:19,112 (戸をたたく音) 椿さん! 228 00:13:19,112 --> 00:13:20,997 何するのよ 椿さん! 229 00:13:20,997 --> 00:13:24,017 椿さん! 椿さん! 230 00:13:24,017 --> 00:13:26,520 (長谷由香莉) ≪新しい着物を 作ってくれるの?≫ 231 00:13:26,520 --> 00:13:29,005 (長谷健造) 2人とも 訪問着が古くなっていただろう。 232 00:13:29,005 --> 00:13:30,991 (由香莉) うれしい! 233 00:13:30,991 --> 00:13:34,511 あっ 私 辻が花がいいわ。 234 00:13:34,511 --> 00:13:37,564 (長谷沙織) 私は菊。 (由香莉:沙織) フフフ…。 235 00:13:37,564 --> 00:13:40,100 (長谷房枝) 栞は? 236 00:13:40,100 --> 00:13:41,501 (長谷 栞) 私は…。 237 00:13:41,501 --> 00:13:44,004 (長谷) 栞は 次の見合いが決まってからだ。 238 00:13:44,004 --> 00:13:46,990 (房枝) 光月庵さんとのことが あったばかりなのに…。 239 00:13:46,990 --> 00:13:51,027 何の取りえもないんだから お前は早く嫁に行ったほうがいい。 240 00:13:51,027 --> 00:13:53,513 (房枝) そんな…。 241 00:13:53,513 --> 00:13:57,513 いいの お父様の言う通りだから。 242 00:14:02,122 --> 00:14:03,506 誰か! 243 00:14:03,506 --> 00:14:05,506 誰か いませんか? 244 00:14:08,511 --> 00:14:11,031 《あれから どれくらい たったんだろう?》 245 00:14:11,031 --> 00:14:15,031 《もう6時は とっくに過ぎてるよね》 246 00:14:23,093 --> 00:14:25,093 こんなに たくさん!? 247 00:14:27,530 --> 00:14:31,051 子供用かな? かわいい! 248 00:14:31,051 --> 00:14:33,951 確かに 宝の山。 249 00:14:37,023 --> 00:14:39,042 《菓子帳も こんなに》 250 00:14:39,042 --> 00:14:42,045 《使わなくなったものかな》 251 00:14:42,045 --> 00:14:46,616 《これだけ新しい 「平成十七年」》 252 00:14:46,616 --> 00:14:49,116 《15年前》 253 00:14:50,537 --> 00:14:52,539 これ…。 254 00:14:52,539 --> 00:14:55,039 ママの字…。 255 00:14:59,546 --> 00:15:01,548 桜? 256 00:15:01,548 --> 00:15:04,048 これも桜。 257 00:15:05,552 --> 00:15:08,552 こっちも桜のお菓子。 258 00:15:11,207 --> 00:15:13,109 (百合子)⦅私は何も知りません⦆ 259 00:15:13,109 --> 00:15:16,609 ⦅私は ただ お菓子を作ってただけで…⦆ 260 00:15:17,530 --> 00:15:19,549 《どうして 一瞬でも➡ 261 00:15:19,549 --> 00:15:22,569 ママのことを 疑ったりしたんだろう》 262 00:15:22,569 --> 00:15:26,640 《このままじゃ この暗い物置に 封印されてしまう》 263 00:15:26,640 --> 00:15:30,610 《まるで そんな職人 いなかったみたいに》 264 00:15:30,610 --> 00:15:32,612 ⦅見たんだ⦆ 265 00:15:32,612 --> 00:15:37,534 ⦅さくらの母親と 父が2人でいるところを⦆ 266 00:15:37,534 --> 00:15:40,153 《それが本当なら…》 267 00:15:40,153 --> 00:15:43,623 ⦅どうして… どうして こんなことに…!?⦆ 268 00:15:43,623 --> 00:15:45,175 《女将にも➡ 269 00:15:45,175 --> 00:15:47,675 旦那様を殺す動機がある》 270 00:15:49,029 --> 00:15:53,049 《ここから出なくちゃ 何が何でも!》 271 00:15:53,049 --> 00:15:54,549 夕飯だ。 272 00:15:56,052 --> 00:15:58,052 七桜…。 273 00:15:59,039 --> 00:16:00,539 おい。 274 00:16:04,010 --> 00:16:06,010 何のまねだ? 275 00:16:07,063 --> 00:16:08,598 うっ…。 276 00:16:08,598 --> 00:16:14,004 ♬~ 277 00:16:14,004 --> 00:16:17,023 《行かなきゃ 夕子さんのお店に》 278 00:16:17,023 --> 00:16:22,012 ♬~ 279 00:16:22,012 --> 00:16:24,014 えっ!? 280 00:16:24,014 --> 00:16:26,499 七桜! (つぼが割れる音) 281 00:16:26,499 --> 00:16:34,107 ♬~ 282 00:16:34,107 --> 00:16:36,509 椿!? 椿! 283 00:16:36,509 --> 00:16:40,509 椿! 椿…。 284 00:18:13,022 --> 00:18:20,513 ♬~ 285 00:18:20,513 --> 00:18:25,535 (はなをすする音) 286 00:18:25,535 --> 00:18:27,520 (泣き声) 287 00:18:27,520 --> 00:18:29,520 何 泣いてるんだ。 288 00:18:31,074 --> 00:18:33,126 だって…。 289 00:18:33,126 --> 00:18:40,517 ♬~ 290 00:18:40,517 --> 00:18:44,020 別に お前を助けたわけじゃ ない。 291 00:18:44,020 --> 00:18:47,507 弱みを握られたくなかっただけだ。 292 00:18:47,507 --> 00:18:50,510 椿さん! あぁ…。 293 00:18:50,510 --> 00:18:54,030 何があったの? 一体。 294 00:18:54,030 --> 00:18:56,082 そんなこと➡ 295 00:18:56,082 --> 00:18:59,082 あなたが 一番よく知ってるじゃ ないですか。 296 00:19:03,022 --> 00:19:07,522 別に… 大丈夫なら いいのよ。 297 00:19:12,515 --> 00:19:14,017 (障子が閉まる音) 298 00:19:14,017 --> 00:19:15,535 お前も 感づいてるだろ。 299 00:19:15,535 --> 00:19:18,535 十中八九 あの人の仕業だ。 300 00:19:19,589 --> 00:19:23,009 (椿の声) 俺たちの結婚を 妨害するためにやったんだ。 301 00:19:23,009 --> 00:19:25,528 お前を狙って。 302 00:19:25,528 --> 00:19:28,014 そんなことしてまで…。 303 00:19:28,014 --> 00:19:31,014 どんな手を使ってでも 追い出すつもりだろうな。 304 00:19:32,519 --> 00:19:36,506 おとなしく あの部屋にいれば こんなことにならずに済んだんだ。 305 00:19:36,506 --> 00:19:38,558 えっ! 306 00:19:38,558 --> 00:19:40,560 待って…。 307 00:19:40,560 --> 00:19:44,497 もしかして 私をあの部屋から 出さなかったのって➡ 308 00:19:44,497 --> 00:19:46,983 私を守るため? 309 00:19:46,983 --> 00:19:49,485 だったら そう言ってよ! 310 00:19:49,485 --> 00:19:51,504 何をだ? 311 00:19:51,504 --> 00:19:54,991 「お前のためだ」とか そう言ってくれればいいじゃない。 312 00:19:54,991 --> 00:19:58,511 悪かったな こんな方法しか思い付かなくて。 313 00:19:58,511 --> 00:20:03,066 まぁ お前の逃げ方も どうかと思うけどな。 314 00:20:03,066 --> 00:20:04,566 えっ…。 315 00:20:06,486 --> 00:20:07,986 えっ! 316 00:20:09,505 --> 00:20:11,991 とにかく➡ 317 00:20:11,991 --> 00:20:14,491 お前は俺のそばにいろ。 318 00:20:17,513 --> 00:20:19,499 ねぇ 知ってる? 319 00:20:19,499 --> 00:20:21,517 毒を持った蝶は➡ 320 00:20:21,517 --> 00:20:24,604 幼虫の時に食べた草から➡ 321 00:20:24,604 --> 00:20:28,604 毒素を蓄えて 成虫になるそうよ。 322 00:20:30,009 --> 00:20:34,013 あなたなんでしょ? 余計なことをしたのは。 323 00:20:34,013 --> 00:20:38,017 椿さんには この店を 継いでもらわなきゃならないの。 324 00:20:38,017 --> 00:20:41,517 単独行動は やめてちょうだい。 325 00:20:43,006 --> 00:20:45,074 (安部) 椿さん!? 326 00:20:45,074 --> 00:20:47,126 (杉田) どうしたんすか? その手。 327 00:20:47,126 --> 00:20:48,511 ちょっと不注意で…。 328 00:20:48,511 --> 00:20:50,511 大したことありません。 329 00:20:52,515 --> 00:20:55,018 (山口) 椿さん。 はい。 330 00:20:55,018 --> 00:20:58,004 (山口) 実は 来週の日曜➡ 331 00:20:58,004 --> 00:21:00,506 五月雨亭で茶会が開かれるそうで。 332 00:21:00,506 --> 00:21:02,525 椿さんに 茶菓子をお願いしたいって➡ 333 00:21:02,525 --> 00:21:05,595 さっき 依頼があったんです あの草薫会から。 334 00:21:05,595 --> 00:21:09,015 (安部) 草薫会… えっ 草薫会!? マジ 草薫会っすか!? 335 00:21:09,015 --> 00:21:11,000 えっ 何なんですか? 草薫会って。 336 00:21:11,000 --> 00:21:13,519 金沢では屈指の茶道の流派で➡ 337 00:21:13,519 --> 00:21:17,523 そこにお菓子を出せることは 職人にとって自信と誇りになるの。 338 00:21:17,523 --> 00:21:21,511 (山口) 以前 椿さんが作った お菓子を気に入られたみたいで。 339 00:21:21,511 --> 00:21:24,564 この後 ご挨拶に来るって 言ってたんですが…。 340 00:21:24,564 --> 00:21:26,099 お~ すげぇじゃないっすか! 341 00:21:26,099 --> 00:21:28,017 (富岡) そう簡単な話じゃねえよ。 342 00:21:28,017 --> 00:21:31,004 (富岡) 下手なお菓子を出せば 茶会は台無しだ。 343 00:21:31,004 --> 00:21:34,007 光月庵の評判は 一気に落ちる。 344 00:21:34,007 --> 00:21:38,027 うちの大旦那様も 招かれてるはずだから➡ 345 00:21:38,027 --> 00:21:40,546 恥をかかしたら大変だよ。 346 00:21:40,546 --> 00:21:43,046 なぁ 椿さん。 347 00:21:47,086 --> 00:21:49,086 俺が代わりに作ってやろうか? 348 00:21:54,027 --> 00:21:57,013 このたびは 大事な茶事の お菓子の注文をいただき➡ 349 00:21:57,013 --> 00:21:59,015 ありがとうございます。 350 00:21:59,015 --> 00:22:03,503 (柴本) 実は 私 亭主を務めるのは初めてなんです。 351 00:22:03,503 --> 00:22:06,039 茶事の一切を取り仕切る上に➡ 352 00:22:06,039 --> 00:22:10,043 今回は 師匠である父が 正客なんですよ。 353 00:22:10,043 --> 00:22:12,095 正客? 354 00:22:12,095 --> 00:22:14,497 茶会における最上位の客だ。 355 00:22:14,497 --> 00:22:17,500 失敗はできないので とても不安でした。 356 00:22:17,500 --> 00:22:20,987 でも 光月庵さんのお菓子を 出せるのなら➡ 357 00:22:20,987 --> 00:22:22,987 自信が湧いて来そうで。 358 00:22:25,007 --> 00:22:30,546 《「作りたい」って 全身で言ってる 自分のお菓子を》 359 00:22:30,546 --> 00:22:32,946 どうか されましたか? 360 00:22:34,984 --> 00:22:36,502 申し訳…。 361 00:22:36,502 --> 00:22:38,488 大丈夫です。 362 00:22:38,488 --> 00:22:40,490 お任せください。 363 00:22:40,490 --> 00:22:42,992 よろしくお願いします。 364 00:22:42,992 --> 00:22:45,495 どういうつもりだ? 白藤屋さんの時のように➡ 365 00:22:45,495 --> 00:22:48,014 恥をかかせるつもりか? 違う! 366 00:22:48,014 --> 00:22:51,514 私が手伝うから やってください。 367 00:22:53,102 --> 00:22:56,489 愛する将来の旦那様のために 頑張りたいって? 368 00:22:56,489 --> 00:22:59,509 この店を立て直すんでしょ? 369 00:22:59,509 --> 00:23:01,994 私も その力になりたいの。 370 00:23:01,994 --> 00:23:05,998 《全ては あの日の真実を知るために》 371 00:23:05,998 --> 00:23:11,003 お前に託すからには やってもらいたいことがある。 372 00:23:11,003 --> 00:23:13,055 何? 373 00:23:13,055 --> 00:23:15,074 まずは着替えろ。 374 00:23:15,074 --> 00:23:17,074 えっ? 375 00:23:19,996 --> 00:23:22,999 茶会での主役は お菓子じゃ ない。 376 00:23:22,999 --> 00:23:26,486 お茶を引き立てる小道具だ。 377 00:23:26,486 --> 00:23:30,490 お茶を知らずに 茶席のお菓子は作れない。 378 00:23:30,490 --> 00:23:32,992 だから あんたには覚えてもらう。 379 00:23:32,992 --> 00:23:35,027 覚えるって? 380 00:23:35,027 --> 00:23:37,096 お茶だ。 381 00:23:37,096 --> 00:23:40,596 俺の見てる世界を あんたにも見てもらう。 382 00:23:41,517 --> 00:23:43,486 茶室に入ったら➡ 383 00:23:43,486 --> 00:23:45,488 まずは掛け軸に 一礼だ。 384 00:23:45,488 --> 00:23:55,998 ♬~ 385 00:23:55,998 --> 00:23:59,068 神聖な床の間に飾られる 掛け軸は➡ 386 00:23:59,068 --> 00:24:02,505 茶室を形作る 最も大事な道具だ。 387 00:24:02,505 --> 00:24:06,005 この掛け軸は どんな意味があるの? 388 00:24:06,993 --> 00:24:08,978 (高月) ≪何だ≫ 389 00:24:08,978 --> 00:24:10,997 ネズミが2匹も入り込んでるな。 390 00:24:10,997 --> 00:24:13,499 大旦那様。 すぐに片付けます。 391 00:24:13,499 --> 00:24:15,518 まぁ いいじゃないか。 392 00:24:15,518 --> 00:24:19,018 久しぶりに お前のたてた茶をいただこう。 393 00:24:21,073 --> 00:24:24,494 えっ! 椿さんと七桜さんの結婚式 来月なんですか? 394 00:24:24,494 --> 00:24:26,028 ああ。 395 00:24:26,028 --> 00:24:28,998 草薫会の後は その準備で忙しくなるぞ。 396 00:24:28,998 --> 00:24:30,516 はい。 397 00:24:30,516 --> 00:24:33,519 (安部) あれ? でも 確か 7月25日って➡ 398 00:24:33,519 --> 00:24:37,039 毎年 大旦那様が常連客を招いて 茶会 開いてませんでしたっけ? 399 00:24:37,039 --> 00:24:39,559 あっ 「夕ざりの茶事」! 400 00:24:39,559 --> 00:24:43,112 結婚式と重なるなら そっちには誰も行かないんじゃ…。 401 00:24:43,112 --> 00:24:45,014 はっは~ やってんな これ。 402 00:24:45,014 --> 00:24:47,550 椿さん わざと その日に したんじゃねえの? 403 00:24:47,550 --> 00:24:49,519 えっ 何で そんなことするんですか? 404 00:24:49,519 --> 00:24:51,519 当て付けに決まってんだろ! 405 00:24:55,024 --> 00:24:57,527 《流れるような指さばき》 406 00:24:57,527 --> 00:25:02,027 《しなやかで 丁寧で キレイ》 407 00:25:06,018 --> 00:25:09,522 草薫会の茶事➡ 408 00:25:09,522 --> 00:25:13,022 私も客として呼ばれているんだが。 409 00:25:14,527 --> 00:25:18,027 お菓子を食べることは なさそうだな。 410 00:25:21,534 --> 00:25:24,587 そんな… どうして言い切れるんですか? 411 00:25:24,587 --> 00:25:28,524 偽りの心を持つ者が 作ったものを➡ 412 00:25:28,524 --> 00:25:30,524 食べる気には ならん。 413 00:25:37,099 --> 00:25:39,599 ⦅このウソつきが‼⦆ 414 00:25:41,037 --> 00:25:43,037 作るよね? 415 00:25:44,073 --> 00:25:48,628 大旦那様が 食べずには いられなくなるような お菓子。 416 00:25:48,628 --> 00:25:51,030 作るお菓子は もう決まってる。 417 00:25:51,030 --> 00:25:52,999 何? 418 00:25:52,999 --> 00:25:55,017 「落とし文」だ。 419 00:25:55,017 --> 00:25:58,521 待って 「落とし文」は 定番のものとしてはいいけど➡ 420 00:25:58,521 --> 00:26:00,539 それよりも もっと華やかな…。 421 00:26:00,539 --> 00:26:02,508 それが 亭主の希望だ。 422 00:26:02,508 --> 00:26:06,078 お前なら分かるだろ あれが どんな意味か。 423 00:26:06,078 --> 00:26:08,631 「落とし文」は…。 424 00:26:08,631 --> 00:26:11,017 オトシブミっていう昆虫が➡ 425 00:26:11,017 --> 00:26:14,020 葉に卵を産み付けることを 模した和菓子で➡ 426 00:26:14,020 --> 00:26:17,023 親の愛を伝える 意味を持ってる。 427 00:26:17,023 --> 00:26:21,010 茶会が開かれるのは 6月の第3日曜日。 428 00:26:21,010 --> 00:26:22,995 父の日だ。 429 00:26:22,995 --> 00:26:25,031 そっか。 430 00:26:25,031 --> 00:26:26,565 でも…。 431 00:26:26,565 --> 00:26:28,601 安心しろ。 432 00:26:28,601 --> 00:26:31,101 大旦那の嫌みには慣れてる。 433 00:26:35,491 --> 00:26:37,510 《椿は みんなに愛されて➡ 434 00:26:37,510 --> 00:26:41,514 幸せな毎日を送ってたんだと 思ってた》 435 00:26:41,514 --> 00:26:43,516 《ホントは 椿も➡ 436 00:26:43,516 --> 00:26:46,516 ずっと心を殺して 生きて来たの?》 437 00:26:55,077 --> 00:26:56,577 あいつ…。 438 00:26:58,030 --> 00:27:00,516 (城島) あっ おはようございます。 七桜 ここに来てませんか? 439 00:27:00,516 --> 00:27:03,035 いえ まだ いらしてません。 440 00:27:03,035 --> 00:27:05,037 そうですか。 441 00:27:05,037 --> 00:27:08,537 へぇ~ あの人でも あんなに焦ったりするんですね。 442 00:27:21,520 --> 00:27:23,522 「落とし文」? 443 00:27:23,522 --> 00:27:26,522 ごめんなさい すぐ片付けます。 444 00:27:28,511 --> 00:27:31,514 どんな「落とし文」がいいか 考えてたら 眠れなくて。 445 00:27:31,514 --> 00:27:34,517 茶室なら イメージ湧くかなって。 446 00:27:34,517 --> 00:27:38,054 あっ それは さっき思い付いたの。 447 00:27:38,054 --> 00:27:39,588 椿さんの技術があれば➡ 448 00:27:39,588 --> 00:27:42,008 線を多くしても キレイだと思って。 449 00:27:42,008 --> 00:27:44,510 ひと晩中 これを考えてたのか? 450 00:27:44,510 --> 00:27:46,510 うん。 451 00:27:49,498 --> 00:27:51,998 眠くなっても知らないぞ。 452 00:27:53,519 --> 00:27:55,504 さっさと行くぞ。 453 00:27:55,504 --> 00:27:57,504 はい! 454 00:30:00,529 --> 00:30:02,498 違う! そうじゃ ない。 455 00:30:02,498 --> 00:30:04,517 どうして そこに線を入れるんだ? 456 00:30:04,517 --> 00:30:06,519 このほうが 葉っぱらしく見えるんじゃない? 457 00:30:06,519 --> 00:30:09,538 ごちゃついて見えるだろ。 そうかな? 458 00:30:09,538 --> 00:30:12,508 色粉を取って来る 続けろ。 459 00:30:12,508 --> 00:30:14,560 はい。 460 00:30:14,560 --> 00:30:16,095 (城島) う~わ~! 461 00:30:16,095 --> 00:30:19,515 随分 作りましたね。 城島君。 462 00:30:19,515 --> 00:30:22,017 納得行くものが なかなか作れなくて。 463 00:30:22,017 --> 00:30:24,019 椿さん 線に こだわるから。 464 00:30:24,019 --> 00:30:27,022 あの人 神懸かってますもんね フフっ。 465 00:30:27,022 --> 00:30:29,525 俺も 包餡が なかなか うまくできなくて➡ 466 00:30:29,525 --> 00:30:31,510 昨日 朝から晩まで やってたら➡ 467 00:30:31,510 --> 00:30:33,546 最後には 首が動かなくなっちゃって。 468 00:30:33,546 --> 00:30:37,116 分かる! この体勢から 1cmも動かせなくなるよね。 469 00:30:37,116 --> 00:30:39,018 いやいや 1mmっすよ。 470 00:30:39,018 --> 00:30:41,020 フフっ。 フフっ。 471 00:30:41,020 --> 00:30:44,506 七桜さんが作るお菓子って 薄い色が多いですよね。 472 00:30:44,506 --> 00:30:46,525 濃い色とか 使ったりしないんですか? 473 00:30:46,525 --> 00:30:48,527 赤とか 青とか。 474 00:30:48,527 --> 00:30:51,013 あ~ それは…。 475 00:30:51,013 --> 00:30:54,066 お前 分かってないな。 476 00:30:54,066 --> 00:30:56,619 薄い色じゃ ない 淡い色だ。 477 00:30:56,619 --> 00:30:58,520 配合が難しい。 478 00:30:58,520 --> 00:31:00,520 誰にでも出せる色じゃ ない。 479 00:31:02,007 --> 00:31:04,526 七桜の色だ。 480 00:31:04,526 --> 00:31:08,013 (富岡) おい 城島 こっち 手伝え。 はい。 481 00:31:08,013 --> 00:31:10,013 すいません。 482 00:31:11,517 --> 00:31:14,587 お前は 笑ったりしないんだと思ってた。 483 00:31:14,587 --> 00:31:17,523 えっ? 俺は見たことないからな。 484 00:31:17,523 --> 00:31:20,526 そんなことないんじゃない? じゃあ 見せてみろよ。 485 00:31:20,526 --> 00:31:22,026 いいよ! 486 00:31:27,016 --> 00:31:29,516 目が全く笑ってないな。 487 00:31:32,521 --> 00:31:35,074 ちょっと! 488 00:31:35,074 --> 00:31:38,510 椿さんこそ 笑うんだね。 489 00:31:38,510 --> 00:31:41,530 笑ってない 早くやれ。 490 00:31:41,530 --> 00:31:44,016 笑ってたじゃん。 笑ってない。 491 00:31:44,016 --> 00:31:46,018 もっと繊細に。 492 00:31:46,018 --> 00:31:54,043 ♬~ 493 00:31:54,043 --> 00:31:56,078 (城島) ≪あの…≫ 494 00:31:56,078 --> 00:31:59,578 ちょっと休憩しません? 城島君。 495 00:32:00,516 --> 00:32:02,518 (2人) ハァ~! 496 00:32:02,518 --> 00:32:05,537 ホッとする~。 フフっ。 497 00:32:05,537 --> 00:32:09,508 そういえば 「落とし文」って いろんな意味があるんですよね。 498 00:32:09,508 --> 00:32:11,026 1つは…。 499 00:32:11,026 --> 00:32:14,029 親への思い。 そう… でも 俺➡ 500 00:32:14,029 --> 00:32:16,065 もう一つの意味のほうが好きです。 501 00:32:16,065 --> 00:32:18,117 えっ? 502 00:32:18,117 --> 00:32:20,117 隠された思い。 503 00:32:21,537 --> 00:32:25,541 そのほうが 何かロマンチックじゃないですか。 504 00:32:25,541 --> 00:32:29,044 じゃあ あんまり 根 詰め過ぎないで。 505 00:32:29,044 --> 00:32:31,547 お茶 ありがとう。 506 00:32:31,547 --> 00:32:33,447 いえ。 507 00:32:36,085 --> 00:32:38,585 「隠された思い」か。 508 00:32:40,039 --> 00:32:41,557 よし。 509 00:32:41,557 --> 00:32:57,057 ♬~ 510 00:33:01,543 --> 00:33:07,549 511 00:33:07,549 --> 00:33:10,049 完璧な「落とし文」だな。 512 00:33:11,520 --> 00:33:13,038 (足音) 513 00:33:13,038 --> 00:33:15,074 大旦那様。 514 00:33:15,074 --> 00:33:17,626 もう お出掛けですか? 515 00:33:17,626 --> 00:33:25,551 ♬~ 516 00:33:25,551 --> 00:33:28,537 「落とし文」➡ 517 00:33:28,537 --> 00:33:31,037 1つだけ 俺に作らせてくれ。 518 00:33:35,060 --> 00:33:40,566 椿さんは 大旦那様と何があったの? 519 00:33:40,566 --> 00:33:43,619 もし 血が つながってなかったとしても➡ 520 00:33:43,619 --> 00:33:46,038 ずっと一緒に暮らしてたんなら➡ 521 00:33:46,038 --> 00:33:49,525 情が湧いたり 優しくなったり➡ 522 00:33:49,525 --> 00:33:52,528 自然と そうなって行くもの なんじゃないの? 523 00:33:52,528 --> 00:33:55,547 小さい頃➡ 524 00:33:55,547 --> 00:33:58,047 よく あの茶室で お茶を教わった。 525 00:33:59,635 --> 00:34:03,172 (高月 樹)⦅そうだ 筋がいいぞ⦆ 526 00:34:03,172 --> 00:34:05,190 ⦅いいか 椿⦆ 527 00:34:05,190 --> 00:34:07,142 ⦅いつか 立派に この店を継ぐんだぞ⦆ 528 00:34:07,142 --> 00:34:08,627 (椿の声) 時には父が。 529 00:34:08,627 --> 00:34:10,112 ⦅はい!⦆ 530 00:34:10,112 --> 00:34:12,631 ⦅お茶の世界は 一期一会⦆ 531 00:34:12,631 --> 00:34:15,067 ⦅そのお菓子を 我々は任されているんだ⦆ 532 00:34:15,067 --> 00:34:18,567 (椿の声) 時には 大旦那が熱心に教えてくれた。 533 00:34:20,656 --> 00:34:22,656 あの日までは。 534 00:34:24,626 --> 00:34:29,114 (高月)⦅ここのところ 心ここにあらずという感じだな⦆ 535 00:34:29,114 --> 00:34:32,514 ⦅あの事件の日からだ⦆ 536 00:34:34,103 --> 00:34:37,156 ⦅椿…➡ 537 00:34:37,156 --> 00:34:39,656 何を隠している?⦆ 538 00:34:41,126 --> 00:34:43,629 ⦅お前は言ったな⦆ 539 00:34:43,629 --> 00:34:47,629 ⦅父親の部屋に あの女がいたんだと⦆ 540 00:34:49,118 --> 00:34:51,637 ⦅そして 見たんだよな?⦆ 541 00:34:51,637 --> 00:34:54,606 ⦅2人が もめていたのを⦆ 542 00:34:54,606 --> 00:35:01,630 ♬~ 543 00:35:01,630 --> 00:35:04,130 ⦅違うのか?⦆ 544 00:35:06,118 --> 00:35:08,118 ⦅じゃあ 何だ?⦆ 545 00:35:09,588 --> 00:35:12,088 ⦅2人は何をしてたんだ?⦆ 546 00:35:18,597 --> 00:35:20,597 ⦅キスしてた⦆ 547 00:35:23,101 --> 00:35:25,103 ⦅ビックリして 僕…⦆ 548 00:35:25,103 --> 00:35:28,603 ⦅でも 気になって 朝 見に行ったら お父様が…⦆ 549 00:35:30,642 --> 00:35:32,661 ⦅本当に ごめんなさい!⦆ 550 00:35:32,661 --> 00:35:35,161 ⦅でも きっと あの人がお父様を…⦆ 551 00:35:36,198 --> 00:35:39,017 ⦅このウソつきが‼⦆ 552 00:35:39,017 --> 00:35:41,520 その日を境に➡ 553 00:35:41,520 --> 00:35:44,523 あの人は 俺を孫として扱わなくなった。 554 00:35:44,523 --> 00:35:50,028 いくら謝っても 俺のお菓子を食べてくれなかった。 555 00:35:50,028 --> 00:35:55,067 何度 作っても… ひと口も。 556 00:35:55,067 --> 00:35:57,619 そんな…。 557 00:35:57,619 --> 00:36:00,022 (椿の声) でも いつか きっと➡ 558 00:36:00,022 --> 00:36:02,541 完璧なお菓子を作れば➡ 559 00:36:02,541 --> 00:36:06,512 また この家の子だと 認めてくれる。 560 00:36:06,512 --> 00:36:08,512 いつか…。 561 00:36:12,100 --> 00:36:14,620 ⦅おじい様⦆ 562 00:36:14,620 --> 00:36:16,620 ⦅傘を持って来ました⦆ 563 00:36:19,691 --> 00:36:22,110 (高月) ⦅茶会で余った らくがんだ⦆ 564 00:36:22,110 --> 00:36:25,110 ⦅食べるなり 捨てるなり 好きにしろ⦆ 565 00:36:26,598 --> 00:36:28,598 ⦅おじい様!⦆ 566 00:36:34,122 --> 00:36:41,613 ⦅踏切の音⦆ 567 00:36:41,613 --> 00:36:44,683 ⦅おじい様 手が抜けないんです!⦆ 568 00:36:44,683 --> 00:36:48,520 ⦅助けて おじい様!⦆ ⦅踏切の音⦆ 569 00:36:48,520 --> 00:36:53,559 (椿の声) あの人が一番大事なのは 高月家の血。 570 00:36:53,559 --> 00:36:58,059 それ以外のものは どうでもいい 俺の命も。 571 00:36:59,014 --> 00:37:01,533 俺は誓ったんだ。 572 00:37:01,533 --> 00:37:05,533 一度 失いかけた この命を この店を継ぐことに使う。 573 00:37:07,005 --> 00:37:10,505 光月庵を必ず俺のものにする。 574 00:39:16,017 --> 00:39:19,037 ≪本日は どうもありがとうございます≫ 575 00:39:19,037 --> 00:39:21,022 失礼します。 576 00:39:21,022 --> 00:39:24,526 すいません そちらの大旦那様を お見掛けしてないでしょうか? 577 00:39:24,526 --> 00:39:27,529 大旦那なら 今朝 早く家を出ましたが。 578 00:39:27,529 --> 00:39:29,548 もしかして まだ来てないんですか? 579 00:39:29,548 --> 00:39:33,101 ええ… そろそろ 時間なんですけど。 580 00:39:33,101 --> 00:39:36,037 クッソ… ホントに食べないつもりか? 581 00:39:36,037 --> 00:39:38,037 私 捜して来ます。 582 00:39:39,524 --> 00:39:43,528 (今日子の声) ♪~ あんたがた どこさ 肥後さ 583 00:39:43,528 --> 00:39:48,033 ♪~ 肥後どこさ 熊本さ 584 00:39:48,033 --> 00:39:52,070 ♪~ 熊本どこさ せんばさ 585 00:39:52,070 --> 00:39:57,509 ♪~ せんば山には 狸がおってさ 586 00:39:57,509 --> 00:40:02,013 ♪~ それを猟師が 鉄砲で打ってさ 587 00:40:02,013 --> 00:40:07,035 ♪~ 煮てさ 焼いてさ 食ってさ 588 00:40:07,035 --> 00:40:22,501 ♬~ 589 00:40:22,501 --> 00:40:26,501 化け狸の皮を剥がないとね。 590 00:40:31,493 --> 00:40:33,028 あっ! 591 00:40:33,028 --> 00:40:35,013 あぁ… 痛っ。 592 00:40:35,013 --> 00:40:36,513 ≪大丈夫ですか?≫ 593 00:40:37,999 --> 00:40:40,569 あれ… 君 どうして ここに? 594 00:40:40,569 --> 00:40:42,604 どうして? 何で? 595 00:40:42,604 --> 00:40:44,604 動かないで。 596 00:40:48,009 --> 00:40:50,996 おっと… 茶会が始まる頃だ。 597 00:40:50,996 --> 00:40:52,996 じゃあ。 598 00:40:53,999 --> 00:40:58,003 待って! 聞きたいことが…。 599 00:40:58,003 --> 00:41:01,006 あなたに会って 話がしたいと思ってたんです。 600 00:41:01,006 --> 00:41:05,076 えっ? これってナンパ? はっ? 601 00:41:05,076 --> 00:41:08,013 ごめん 僕 年下って あんまりタイプじゃないんだ。 602 00:41:08,013 --> 00:41:10,515 はっ? でも 誘いに乗ろうかな。 603 00:41:10,515 --> 00:41:12,517 茶会は退屈だし。 604 00:41:12,517 --> 00:41:17,506 ♬~ 605 00:41:17,506 --> 00:41:20,006 ゆっくり 話 しようか。 606 00:41:21,493 --> 00:41:23,528 あっ…。 607 00:41:23,528 --> 00:41:26,064 でも 今は…。 608 00:41:26,064 --> 00:41:28,617 他に用があるみたいだね。 609 00:41:28,617 --> 00:41:30,519 大丈夫。 610 00:41:30,519 --> 00:41:34,419 僕は茶会が終わるまで 消えたりしないよ。 611 00:41:37,509 --> 00:41:39,494 (高月) ハァ…。 612 00:41:39,494 --> 00:41:40,996 大旦那様! 613 00:41:40,996 --> 00:41:42,998 大丈夫ですか? 今 人を…。 614 00:41:42,998 --> 00:41:46,568 私は ただ…➡ 615 00:41:46,568 --> 00:41:49,104 庭を眺めていただけだ。 616 00:41:49,104 --> 00:41:52,604 今 茶室に 行こうとしてたところだ。 617 00:41:54,009 --> 00:41:55,509 ハァ…。 618 00:41:57,996 --> 00:41:59,514 足元 お気を付けください。 619 00:41:59,514 --> 00:42:01,516 なれなれしく触るな! 620 00:42:01,516 --> 00:42:04,016 店の人間にでも なったつもりか!? 621 00:42:07,022 --> 00:42:11,522 お前は 椿の どこが好きなんだ? 622 00:42:13,044 --> 00:42:17,132 どうせ 光月庵の名に 目がくらんだ口だろう。 623 00:42:17,132 --> 00:42:22,632 それとも 家に縛られてる椿が かわいそうだとでも? 624 00:42:24,506 --> 00:42:27,492 お前も裏切られるぞ。 625 00:42:27,492 --> 00:42:29,492 あのウソつきに。 626 00:42:31,029 --> 00:42:33,498 違う。 627 00:42:33,498 --> 00:42:38,520 「ばかだな」って 思ったんです。 628 00:42:38,520 --> 00:42:43,091 椿さんは今も お菓子を作り続けてる。 629 00:42:43,091 --> 00:42:46,511 いつでも手放せたはずなのに➡ 630 00:42:46,511 --> 00:42:51,011 やめてしまったほうが 楽になれたかもしれないのに。 631 00:42:53,018 --> 00:42:55,018 好きなんです。 632 00:42:57,005 --> 00:42:59,005 ばかみたいに。 633 00:43:00,558 --> 00:43:04,095 お菓子のことが大好きで…➡ 634 00:43:04,095 --> 00:43:07,095 純粋な人なんです。 635 00:43:10,518 --> 00:43:12,518 フッ! 636 00:43:14,005 --> 00:43:16,024 おっ! 637 00:43:16,024 --> 00:43:18,510 いつまで 皆さんを待たせるつもりですか? 638 00:43:18,510 --> 00:43:22,047 離せ! お前の手は借りん。 639 00:43:22,047 --> 00:43:23,548 そうですよね。 640 00:43:23,548 --> 00:43:27,548 今なら俺は あんたを ここから 突き落とすことだってできる。 641 00:43:29,120 --> 00:43:31,022 でも➡ 642 00:43:31,022 --> 00:43:33,508 今日は大事なお茶会なんです。 643 00:43:33,508 --> 00:43:47,055 ♬~ 644 00:43:47,055 --> 00:43:49,090 ≪白餡の山芋か おいしいね≫ 645 00:43:49,090 --> 00:43:51,509 ≪ホントに いいお味がします≫ 646 00:43:51,509 --> 00:43:55,530 今日の軸は 「一期一会」か。 647 00:43:55,530 --> 00:43:59,517 茶の基本だ。 (多喜川) ええ。 648 00:43:59,517 --> 00:44:02,020 全ての瞬間を大事にしなければ。 649 00:44:02,020 --> 00:44:06,020 出会いは常に 奇跡みたいなものですから。 650 00:44:09,060 --> 00:44:11,096 無事に始まった。 651 00:44:11,096 --> 00:44:13,596 そろそろ お菓子の準備をしよう。 652 00:44:15,517 --> 00:44:18,503 少しだけ…。 653 00:44:18,503 --> 00:44:21,003 落ち着くまで待ってくれ。 654 00:44:23,008 --> 00:44:26,011 今日は ずっと緊張してる。 655 00:44:26,011 --> 00:44:28,511 こんなの初めてだ。 656 00:44:29,998 --> 00:44:33,034 この茶会を どうしても成功させたい。 657 00:44:33,034 --> 00:44:39,507 ♬~ 658 00:44:39,507 --> 00:44:42,027 大丈夫。 659 00:44:42,027 --> 00:44:44,527 今日は 一人じゃないんだから。 660 00:44:45,513 --> 00:44:48,513 ばかが2人もいるんだから。 661 00:44:50,518 --> 00:44:52,518 絶対 大丈夫! 662 00:44:56,041 --> 00:44:58,041 そうだな。 663 00:47:30,478 --> 00:47:32,497 《今日は 父の日》 664 00:47:32,497 --> 00:47:34,999 《愛情に感謝する日》 665 00:47:34,999 --> 00:47:37,518 お~ これは美しい。 666 00:47:37,518 --> 00:47:40,021 あでやかで 色合いも繊細だ。 667 00:47:40,021 --> 00:47:42,507 ≪ホントに おいしそうだわ≫ 668 00:47:42,507 --> 00:47:51,516 ♬~ 669 00:47:51,516 --> 00:47:55,486 (柴本) それでは 光月庵さん お菓子の説明をお願いできますか。 670 00:47:55,486 --> 00:47:58,986 はい 失礼いたします。 671 00:48:00,992 --> 00:48:04,512 本日は 父の日ということで➡ 672 00:48:04,512 --> 00:48:07,582 「落とし文」というお菓子を 用意させていただきました。 673 00:48:07,582 --> 00:48:10,985 葉の上の玉は 卵を模しております。 674 00:48:10,985 --> 00:48:12,987 卵が かえった時➡ 675 00:48:12,987 --> 00:48:18,493 子は その葉に 敵や悪天候から守られ…➡ 676 00:48:18,493 --> 00:48:21,496 親から与えられた愛を感じる➡ 677 00:48:21,496 --> 00:48:24,496 そんな意味を持つ お菓子です。 678 00:48:37,495 --> 00:48:40,481 私にとっての それは➡ 679 00:48:40,481 --> 00:48:43,001 光月庵のお菓子です。 680 00:48:43,001 --> 00:48:47,488 父が残してくれた大切な愛。 681 00:48:47,488 --> 00:48:52,543 幼い頃 父は よく教えてくれました。 682 00:48:52,543 --> 00:48:57,515 小豆 ひと粒 砂糖 ひとさじ 無駄にしては いけない。 683 00:48:57,515 --> 00:48:59,517 それが お菓子になって➡ 684 00:48:59,517 --> 00:49:04,505 お茶の席 祝いの心 手土産となって➡ 685 00:49:04,505 --> 00:49:07,025 世界に広がって行くのだと。 686 00:49:07,025 --> 00:49:10,025 私も その父の考えが好きでした。 687 00:49:11,496 --> 00:49:14,496 よく失敗をし 叱られましたが…。 688 00:49:16,584 --> 00:49:18,987 愛を感じていました。 689 00:49:18,987 --> 00:49:21,005 《それなのに…》 690 00:49:21,005 --> 00:49:24,492 《あの日から思い浮かべる 父の姿は➡ 691 00:49:24,492 --> 00:49:27,011 別人になってしまった》 692 00:49:27,011 --> 00:49:29,011 《でも…》 693 00:49:30,064 --> 00:49:34,068 ⦅うわ~ かわいい! お父様⦆ 694 00:49:34,068 --> 00:49:36,037 ⦅お前のために作った型だ⦆ 695 00:49:36,037 --> 00:49:41,993 ♬~ 696 00:49:41,993 --> 00:49:43,993 《信じたい》 697 00:49:45,496 --> 00:49:49,484 父の考えを継いで 大切に残して行きたい。 698 00:49:49,484 --> 00:49:53,484 光月庵の高月 椿として。 699 00:49:56,507 --> 00:49:58,543 《そうすれば いつか➡ 700 00:49:58,543 --> 00:50:01,579 いつか 父の愛を 真っすぐ受け止めていた自分を➡ 701 00:50:01,579 --> 00:50:03,579 取り戻せる》 702 00:50:04,999 --> 00:50:08,002 父も それを望んでいると➡ 703 00:50:08,002 --> 00:50:10,021 信じています。 704 00:50:10,021 --> 00:50:17,512 ♬~ 705 00:50:17,512 --> 00:50:20,565 《椿の緊張が伝わって来る》 706 00:50:20,565 --> 00:50:25,153 《それは きっと 期待しているから》 707 00:50:25,153 --> 00:50:30,153 《ずっと抱いていた望みが かなうことを》 708 00:50:32,026 --> 00:50:36,047 ≪うん おいしい! 餡が 滑らかね≫ 709 00:50:36,047 --> 00:50:46,547 ♬~ 710 00:50:48,092 --> 00:50:51,592 すみません。 (仲居) はい。 711 00:50:59,003 --> 00:51:01,003 かしこまりました。 712 00:51:03,524 --> 00:51:10,515 ♬~ 713 00:51:10,515 --> 00:51:12,517 《食べてもらえなかった》 714 00:51:12,517 --> 00:51:17,121 光月庵さん お菓子 大変おいしかったです。 715 00:51:17,121 --> 00:51:20,121 今度 私の茶会でも お願いしたい。 716 00:51:21,526 --> 00:51:23,526 ありがとうございます。 717 00:51:31,502 --> 00:51:34,038 あのジジイが食べるはずないだろ。 718 00:51:34,038 --> 00:51:36,574 最初から分かってたことだ。 719 00:51:36,574 --> 00:51:38,574 さっさと片付けるぞ。 720 00:51:40,111 --> 00:51:41,996 ≪今年も いいお茶会でしたね≫ 721 00:51:41,996 --> 00:51:44,015 茶会も終わったみたいだな。 722 00:51:44,015 --> 00:51:45,583 あっ! 723 00:51:45,583 --> 00:51:49,083 ⦅僕は茶会が終わるまで 消えたりしないよ⦆ 724 00:51:52,507 --> 00:51:54,992 光月庵さん どうされたんですか? 725 00:51:54,992 --> 00:51:58,563 あの… あの人…。 726 00:51:58,563 --> 00:52:02,483 うちの大旦那の隣にいた方 どういう方なんですか? 727 00:52:02,483 --> 00:52:05,503 あ~ あの方は 地主さんですよ。 728 00:52:05,503 --> 00:52:07,488 この辺り一帯の土地の持ち主で➡ 729 00:52:07,488 --> 00:52:09,474 いろんな事業も 手広くやってる方です。 730 00:52:09,474 --> 00:52:11,492 《そんな人が どうして…》 731 00:52:11,492 --> 00:52:15,496 ≪おい!≫ はい… 失礼します。 732 00:52:15,496 --> 00:52:18,496 (足音) あっ! 733 00:52:19,550 --> 00:52:22,119 待って… えっと…。 734 00:52:22,119 --> 00:52:23,488 え~っと…。 735 00:52:23,488 --> 00:52:25,488 ヒゲの人! 736 00:52:28,009 --> 00:52:29,994 (多喜川) その呼び方 ひどいな。 737 00:52:29,994 --> 00:52:32,997 僕には 多喜川って名前があるんだけど。 738 00:52:32,997 --> 00:52:34,982 多喜川さん…。 739 00:52:34,982 --> 00:52:38,519 今日のお菓子 君が作ったんだよね? 740 00:52:38,519 --> 00:52:41,088 すぐ分かった。 741 00:52:41,088 --> 00:52:44,008 お母さんと同じ味がしたから。 742 00:52:44,008 --> 00:52:45,993 どうして…。 743 00:52:45,993 --> 00:52:49,013 初めて会った時 言ったよね? 744 00:52:49,013 --> 00:52:51,513 僕は君のお母さんのファンなんだ。 745 00:52:54,001 --> 00:52:56,487 家族の味なんだよ。 746 00:52:56,487 --> 00:53:01,659 うちの父は 年の行事を大切にする人でね。 747 00:53:01,659 --> 00:53:03,561 (多喜川秀幸) ⦅今回のお菓子は どうだ?⦆ 748 00:53:03,561 --> 00:53:06,497 (多喜川美由紀) ⦅食べてしまうのが もったいないぐらいですね⦆ 749 00:53:06,497 --> 00:53:10,985 (多喜川の声) お正月 端午の節句 お彼岸➡ 750 00:53:10,985 --> 00:53:14,005 月に一度は 和菓子がテーブルに並び➡ 751 00:53:14,005 --> 00:53:18,593 その時だけは 忙しかった家族が みんな集まったんだ。 752 00:53:18,593 --> 00:53:20,995 僕は いつも思ってた。 753 00:53:20,995 --> 00:53:23,981 この すごい力を持った 和菓子を作ってるのは➡ 754 00:53:23,981 --> 00:53:26,481 どんな人なんだろうって。 755 00:53:28,069 --> 00:53:32,156 (百合子)⦅多喜川様 1つだけ白餡にしておきました⦆ 756 00:53:32,156 --> 00:53:34,625 ⦅いつも すまないね⦆ (百合子)⦅いえ⦆ 757 00:53:34,625 --> 00:53:37,578 ⦅おいしく食べていただくのが 一番ですから⦆ 758 00:53:37,578 --> 00:53:45,503 ♬~ 759 00:53:45,503 --> 00:53:48,005 父も去年 亡くなってね。 760 00:53:48,005 --> 00:53:51,008 その時に 手紙のことを頼まれたんだ。 761 00:53:51,008 --> 00:53:53,494 父が どんな いきさつで 手紙を受け取ったかは➡ 762 00:53:53,494 --> 00:53:55,496 分かんないんだけど➡ 763 00:53:55,496 --> 00:53:58,516 どこかにいる娘さんに 渡してほしいって。 764 00:53:58,516 --> 00:54:03,016 そして 力になってやってくれって。 765 00:54:05,506 --> 00:54:08,009 うれしかったよ。 766 00:54:08,009 --> 00:54:11,009 また 家族の味がする お菓子が食べられて。 767 00:54:11,979 --> 00:54:14,979 もう二度と 食べられないと思ってたから。 768 00:54:16,500 --> 00:54:19,503 君がお菓子を作り続ける限り➡ 769 00:54:19,503 --> 00:54:22,003 僕が見守ってる。 770 00:54:26,093 --> 00:54:28,093 ≪七桜≫ 771 00:54:29,497 --> 00:54:31,499 どうかしたのか? 772 00:54:31,499 --> 00:54:33,399 いえ。 773 00:54:38,990 --> 00:54:41,509 《多喜川さん…》 774 00:54:41,509 --> 00:54:46,009 《ただ一人 私の正体を知る人》 775 00:54:47,031 --> 00:54:49,531 今日は お疲れさまでした。 776 00:54:51,102 --> 00:54:55,489 あの… 1つ 食べ残された お菓子のお代は結構ですので。 777 00:54:55,489 --> 00:54:57,491 お菓子ですか? 778 00:54:57,491 --> 00:54:59,477 それなら全て なくなりましたが。 779 00:54:59,477 --> 00:55:02,997 えっ? でも うちの大旦那が…。 780 00:55:02,997 --> 00:55:04,482 アハハ…。 781 00:55:04,482 --> 00:55:06,984 あれは 「包んでほしい」と お願いされたんですよ。 782 00:55:06,984 --> 00:55:09,036 持ち帰りたいからと。 783 00:55:09,036 --> 00:55:16,494 ♬~ 784 00:55:16,494 --> 00:55:19,997 お前は認めていたのか? 785 00:55:19,997 --> 00:55:39,984 ♬~ 786 00:55:39,984 --> 00:55:46,484 ♬~ 787 00:55:50,494 --> 00:55:52,496 まだまだだな。 788 00:55:52,496 --> 00:56:00,588 ♬~ 789 00:56:00,588 --> 00:56:02,490 ♬~ 椿さん…。 790 00:56:02,490 --> 00:56:22,560 ♬~ 791 00:56:22,560 --> 00:56:27,498 ♬~ 792 00:56:27,498 --> 00:56:29,498 あんた…。 793 00:56:30,501 --> 00:56:32,901 どんな魔法を使えるんだ? 794 00:56:34,989 --> 00:56:36,490 えっ? 795 00:56:36,490 --> 00:56:39,009 15年…➡ 796 00:56:39,009 --> 00:56:42,009 ひと口も 食べることがなかったんだ。 797 00:56:44,048 --> 00:56:47,548 結婚を決めてから いろんなことが起こる。 798 00:56:48,986 --> 00:56:52,490 茶会の話を引き受ける って言った時➡ 799 00:56:52,490 --> 00:56:55,490 「ふざけるな」と思ったけど…。 800 00:56:57,495 --> 00:57:00,495 「やる」って言ってくれて ありがとな。 801 00:57:02,483 --> 00:57:07,037 私じゃなくて お菓子の力だよ。 802 00:57:07,037 --> 00:57:10,508 この間 聞いたよな? 803 00:57:10,508 --> 00:57:14,008 この掛け軸には どんな意味があるのかって。 804 00:57:15,529 --> 00:57:17,515 「不妄語戒」。 805 00:57:17,515 --> 00:57:20,518 「偽りの心を持ってはいけない」。 806 00:57:20,518 --> 00:57:24,555 この掛け軸の前で ウソをついた者は➡ 807 00:57:24,555 --> 00:57:27,055 地獄に落ちる。 808 00:57:29,009 --> 00:57:31,512 ⦅どうして そんなに こだわるの?➡ 809 00:57:31,512 --> 00:57:33,531 あの子との結婚に⦆ 810 00:57:33,531 --> 00:57:36,500 《そんなこと 俺にも分からない》 811 00:57:36,500 --> 00:57:40,538 《でも どんなに包み隠そうとしても➡ 812 00:57:40,538 --> 00:57:43,090 一つの答えが出て来る》 813 00:57:43,090 --> 00:57:45,009 七桜。 814 00:57:45,009 --> 00:57:50,531 ♬~ 815 00:57:50,531 --> 00:57:53,517 多分 俺は➡ 816 00:57:53,517 --> 00:57:55,517 あんたに引かれてる。 817 00:57:56,520 --> 00:58:00,591 自分の我を通すための 結婚相手としてじゃなく➡ 818 00:58:00,591 --> 00:58:03,091 一人の女として。 819 00:58:04,512 --> 00:58:06,512 椿…。 820 00:58:09,016 --> 00:58:12,503 でも もし お前が さくらなら➡ 821 00:58:12,503 --> 00:58:15,022 この気持ちを殺さなきゃいけない。 822 00:58:15,022 --> 00:58:21,078 ♬~ 823 00:58:21,078 --> 00:58:23,113 答えてくれ。 824 00:58:23,113 --> 00:58:27,017 あんたは本当に 花岡七桜なのか? 825 00:58:27,017 --> 00:58:30,004 それとも…➡ 826 00:58:30,004 --> 00:58:32,540 さくらなのか? 827 00:58:32,540 --> 00:58:38,495 ♬~ 828 00:58:38,495 --> 00:58:40,995 おかげで うまく行ったわ。 829 00:58:42,116 --> 00:58:46,616 ⦅このお茶 七桜さんに 持って行ってちょうだい⦆ 830 00:58:49,006 --> 00:58:52,493 でも あのつぼは やり過ぎよ。 831 00:58:52,493 --> 00:59:00,985 ♬~ 832 00:59:00,985 --> 00:59:05,039 だって ムカつくんですよね 椿さん。 833 00:59:05,039 --> 00:59:08,108 いつも涼しい顔して。 834 00:59:08,108 --> 00:59:11,108 絶望した顔とか 見たくなっちゃうんですよ。 835 00:59:12,479 --> 00:59:14,481 残念ね。 836 00:59:14,481 --> 00:59:17,484 あの子は そんなことで落ちたりしない。 837 00:59:17,484 --> 00:59:21,005 この光月庵を継ぐ人間なんだから。 838 00:59:21,005 --> 00:59:25,009 でも 俺 もっと いいこと思い付いたんで。 839 00:59:25,009 --> 00:59:27,009 何なの? 840 00:59:29,046 --> 00:59:31,615 奪うんですよ。 841 00:59:31,615 --> 00:59:34,001 大事なものを。 842 00:59:34,001 --> 00:59:36,503 ♬~ 843 00:59:36,503 --> 00:59:39,490 《偽りの心を持ってはいけない》 844 00:59:39,490 --> 00:59:42,993 《ウソをついた者は➡ 845 00:59:42,993 --> 00:59:45,493 地獄に落ちる》