1 00:00:32,112 --> 00:00:34,097 (花岡七桜) 私は さくらです。 2 00:00:34,097 --> 00:00:35,615 その職人の…➡ 3 00:00:35,615 --> 00:00:37,601 大倉百合子の娘です。 4 00:00:37,601 --> 00:00:39,619 (高月今日子) 聞いたでしょう? 5 00:00:39,619 --> 00:00:42,105 (高月 椿) 「さくらだ」って言ったのか? 6 00:00:42,105 --> 00:00:44,608 ウソ… だよな? 7 00:00:44,608 --> 00:00:46,660 (ふすまをたたく音) どうして…。 8 00:00:46,660 --> 00:00:48,712 (山口) 大変です! 火事です! 屋敷中 煙が充満していて➡ 9 00:00:48,712 --> 00:00:50,113 大旦那様だけが…。 10 00:00:50,113 --> 00:00:52,132 椿をここで待ってるから! 11 00:00:52,132 --> 00:00:55,135 俺から全てを奪いに来たんだな。 12 00:00:55,135 --> 00:00:57,135 (長谷 栞) 椿さん! 13 00:00:58,138 --> 00:01:00,607 《私たちは みんな とらわれている》 14 00:01:00,607 --> 00:01:02,142 《あの店の呪いに》 15 00:01:02,142 --> 00:01:04,127 (TV) (杉田) うちの若旦那が 守ってくれたんです。 16 00:01:04,127 --> 00:01:06,146 (TV) (安部) この道具を取りに戻ったんです。 17 00:01:06,146 --> 00:01:08,698 《椿は あれを守ったんだ》 18 00:01:08,698 --> 00:01:11,118 《全部 忘れよう 椿のことも》 19 00:01:11,118 --> 00:01:14,104 (栞) 私 やっぱり結婚できません。 20 00:01:14,104 --> 00:01:16,106 (栞) どうしても 欲しいものがあるんです。 21 00:01:16,106 --> 00:01:17,607 うちで働きたい? 22 00:01:17,607 --> 00:01:20,594 自分のこと もう諦めたくないんです。 23 00:01:20,594 --> 00:01:22,112 (山口) どういうことですか? 24 00:01:22,112 --> 00:01:23,613 (女将) 五月雨亭で出すお菓子は➡ 25 00:01:23,613 --> 00:01:25,615 他のお店に 決まってしまったんですよ。 26 00:01:25,615 --> 00:01:27,684 何というお店ですか? 27 00:01:27,684 --> 00:01:30,737 「花がすみ」といったかしら。 「花がすみ」。 28 00:01:30,737 --> 00:01:33,640 (多喜川) 君のお菓子に 気付くかな? 椿君は。 29 00:01:33,640 --> 00:01:35,208 関係ない。 30 00:01:35,208 --> 00:01:36,643 今の光月庵には➡ 31 00:01:36,643 --> 00:01:38,643 消えてもらうから。 32 00:01:40,113 --> 00:01:42,132 ≪どういうことなの? 椿さん≫ 33 00:01:42,132 --> 00:01:44,134 うちに決まらなかったって。 34 00:01:44,134 --> 00:01:46,703 (山口) すみません 私の力が足らず。 35 00:01:46,703 --> 00:01:49,222 「花がすみ」という店に 決まってしまったらしく…。 36 00:01:49,222 --> 00:01:51,625 あそこに茶亭が出来て 60年。 37 00:01:51,625 --> 00:01:54,628 ずっと うちのお菓子と 決まっていたのよ。 38 00:01:54,628 --> 00:01:57,130 もう一度 考え直してもらうわ。 39 00:01:57,130 --> 00:02:00,130 まだ 挽回のチャンスはある。 40 00:02:01,635 --> 00:02:06,139 五月雨亭が 毎年 主催する新春園遊会。 41 00:02:06,139 --> 00:02:09,139 お菓子の選定会は来週だ。 42 00:02:13,096 --> 00:02:16,096 そのお菓子は 俺が作ります。 43 00:02:17,117 --> 00:02:19,102 ≪光月庵の若旦那が…≫ 44 00:02:19,102 --> 00:02:23,102 テーマは 「月」。 45 00:02:24,608 --> 00:02:26,610 分かりました。 46 00:02:26,610 --> 00:02:29,629 楽しみにしていると 伝えてください。 47 00:02:29,629 --> 00:02:31,665 (ボタンを押す音) 48 00:02:31,665 --> 00:02:35,652 ♬~ 49 00:02:35,652 --> 00:02:39,152 突然 すいません 私 雑誌の記者をやってる者です。 50 00:02:40,624 --> 00:02:42,125 記者…。 51 00:02:42,125 --> 00:02:45,645 18年前の 当主殺害事件についてです。 52 00:02:45,645 --> 00:02:47,164 はい? 53 00:02:47,164 --> 00:02:49,182 「調べたら面白いことが分かる」。 54 00:02:49,182 --> 00:02:52,682 そう 情報提供があったんですよ。 55 00:02:55,205 --> 00:02:59,226 ⦅俺は あの日 七桜よりも この店を選んだ⦆ 56 00:02:59,226 --> 00:03:02,226 ⦅あいつは もう きっと前を向いてるよ⦆ 57 00:03:13,640 --> 00:03:15,625 栞さん? 58 00:03:15,625 --> 00:03:35,729 ♬~ 59 00:03:35,729 --> 00:03:37,229 ♬~ 60 00:03:53,480 --> 00:03:54,164 61 00:03:54,164 --> 00:03:56,164 今まで どうされてたんですか? 62 00:03:57,184 --> 00:04:00,237 東京のお店で 修業させてもらってました。 63 00:04:00,237 --> 00:04:04,140 3か月前に ようやく 自分の店を持てるようになって➡ 64 00:04:04,140 --> 00:04:06,126 金沢に戻って来たんです。 65 00:04:06,126 --> 00:04:09,112 すごい! 自分のお店なんて。 66 00:04:09,112 --> 00:04:11,131 栞さんは 今は? 67 00:04:11,131 --> 00:04:13,631 私は あの…。 68 00:04:15,135 --> 00:04:18,154 光月庵で働かせてもらってます。 69 00:04:18,154 --> 00:04:20,654 光月庵でですか? 70 00:04:22,209 --> 00:04:24,709 そっか~。 71 00:04:26,112 --> 00:04:30,133 栞さんが看板娘なら お客様も喜びそう。 72 00:04:30,133 --> 00:04:34,621 あの… 気にならないんですか? 73 00:04:34,621 --> 00:04:39,621 その… お客様の奪い合いとか。 74 00:04:42,112 --> 00:04:44,147 ならないですよ。 75 00:04:44,147 --> 00:04:45,682 でも…。 76 00:04:45,682 --> 00:04:47,717 「新月」。 77 00:04:47,717 --> 00:04:53,139 昔 そんな名前の羊羹を 作ったなと思って。 78 00:04:53,139 --> 00:04:57,139 今の光月庵も まさに そんな感じ。 79 00:04:58,628 --> 00:05:01,628 暗闇で 何も見えてない。 80 00:05:03,633 --> 00:05:05,635 今のお菓子➡ 81 00:05:05,635 --> 00:05:09,172 椿さんは ほとんど作ってないですよね。 82 00:05:09,172 --> 00:05:12,726 それは 店主の代わりになって お忙しいから…。 83 00:05:12,726 --> 00:05:16,112 一番美しくて おいしい お菓子を出す。 84 00:05:16,112 --> 00:05:19,132 それ以上に 大事なことってあるんですか? 85 00:05:19,132 --> 00:05:21,635 作れるのに 作らない。 86 00:05:21,635 --> 00:05:25,635 店の名前に あぐらをかいて お客様を甘く見てる。 87 00:05:27,624 --> 00:05:30,627 そんな店に 負ける気しないから。 88 00:05:30,627 --> 00:05:33,146 そんなことないです! 89 00:05:33,146 --> 00:05:38,218 光月庵は 立派な 誇れるお店です! 90 00:05:38,218 --> 00:05:44,624 ♬~ 91 00:05:44,624 --> 00:05:48,624 ずっと 一途に 思い続けてるなんて…。 92 00:05:50,130 --> 00:05:53,130 すごいね 栞さん。 93 00:05:55,719 --> 00:05:59,122 (記者)⦅18年前 当主には女の影があった⦆ 94 00:05:59,122 --> 00:06:01,641 ⦅それに逆上した女将が➡ 95 00:06:01,641 --> 00:06:03,176 夫をグサリ!⦆ 96 00:06:03,176 --> 00:06:05,245 ⦅そんな真相があったら➡ 97 00:06:05,245 --> 00:06:07,747 結構 スリルある記事になると 思うんですよね⦆ 98 00:06:07,747 --> 00:06:10,247 ⦅そこまで調べてるなら 知ってるでしょう⦆ 99 00:06:11,217 --> 00:06:13,217 ⦅女将には アリバイがある⦆ 100 00:06:14,120 --> 00:06:16,139 《でも➡ 101 00:06:16,139 --> 00:06:19,709 どうして 今更 そんな話が出て来るんだ?》 102 00:06:19,709 --> 00:06:28,134 ♬~ 103 00:06:28,134 --> 00:06:30,134 (多喜川) おかえり。 104 00:06:33,623 --> 00:06:35,623 どうしたの? 105 00:06:37,160 --> 00:06:41,614 私… 栞さんに会いました。 106 00:06:41,614 --> 00:06:43,633 それで? 107 00:06:43,633 --> 00:06:46,669 突然だったから ちょっと動揺しちゃって…。 108 00:06:46,669 --> 00:06:49,222 余計なこと 言っちゃったかもしれない。 109 00:06:49,222 --> 00:06:51,124 でも 大丈夫。 110 00:06:51,124 --> 00:06:54,124 私と会ったこと 椿には言わないと思うから。 111 00:06:56,129 --> 00:06:58,129 多喜川さん…。 112 00:06:59,616 --> 00:07:03,119 あれ? 泣いてないの? 113 00:07:03,119 --> 00:07:04,621 ハァ~。 114 00:07:04,621 --> 00:07:08,691 何だ やっと僕の出番が来たと 思ったのに。 115 00:07:08,691 --> 00:07:13,191 もう… そうやって すぐに 子供扱いするんだから。 116 00:07:15,615 --> 00:07:18,118 泣くわけない。 117 00:07:18,118 --> 00:07:20,620 私が どんな思い して来たか➡ 118 00:07:20,620 --> 00:07:23,620 多喜川さんが 一番よく知ってるでしょ。 119 00:07:24,607 --> 00:07:27,610 《多喜川さんが紹介してくれた お店で➡ 120 00:07:27,610 --> 00:07:30,130 やっと お菓子だけに向き合えるって➡ 121 00:07:30,130 --> 00:07:32,649 思ってた矢先…》 122 00:07:32,649 --> 00:07:34,167 いらっしゃいませ。 123 00:07:34,167 --> 00:07:38,221 県警の者ですが 花岡七桜さんですね。 124 00:07:38,221 --> 00:07:40,106 そうですけど…。 125 00:07:40,106 --> 00:07:43,109 《あの火事について 再捜査してるって刑事が来て…》 126 00:07:43,109 --> 00:07:45,128 見たという人がいるんですよ。 127 00:07:45,128 --> 00:07:48,131 あの日 あなたが 大旦那の部屋に入って行くのを。 128 00:07:48,131 --> 00:07:50,617 《女将の差し金だって確信した》 129 00:07:50,617 --> 00:07:52,602 《母の時みたいに➡ 130 00:07:52,602 --> 00:07:55,638 私のことも 犯罪者にしようとしてるって》 131 00:07:55,638 --> 00:07:59,209 (TV) (リポーター) 創業400年を超える 光月庵さん。 132 00:07:59,209 --> 00:08:01,110 (TV) 長い歴史の中には➡ 133 00:08:01,110 --> 00:08:03,129 つらいことも おありだったでしょう。 134 00:08:03,129 --> 00:08:06,132 (TV) ええ 15年前でしょうか。 135 00:08:06,132 --> 00:08:10,620 (TV) 鬼が入り込んで来た時には 本当に心を悩ませました。 136 00:08:10,620 --> 00:08:12,639 (TV) (リポーター) 「鬼」ですか? 137 00:08:12,639 --> 00:08:14,641 (TV) 心優しい主人に取り入って➡ 138 00:08:14,641 --> 00:08:19,729 店をダメにしようとした 卑劣な職人がいたんです。 139 00:08:19,729 --> 00:08:24,133 (TV) でも 神様は ちゃんと 見てくださっているんですね。 140 00:08:24,133 --> 00:08:26,102 (TV) その鬼には➡ 141 00:08:26,102 --> 00:08:29,122 天罰が下ったんです。 142 00:08:29,122 --> 00:08:32,125 (TV) 悪いことは でき…。 143 00:08:32,125 --> 00:08:34,625 どうして…。 144 00:08:37,130 --> 00:08:39,148 《忘れたいのに➡ 145 00:08:39,148 --> 00:08:43,219 どこまでも 光月庵の呪いが 追い掛けて来て…》 146 00:08:43,219 --> 00:08:44,719 あっ! 147 00:08:45,622 --> 00:08:47,122 うっ! 148 00:08:48,124 --> 00:08:51,124 痛い…。 149 00:08:53,129 --> 00:08:54,631 ハァ ハァ…。 150 00:08:54,631 --> 00:08:57,131 ハァ ハァ ハァ…。 151 00:08:58,701 --> 00:09:01,201 ⦅さくらのお母さん⦆ 152 00:09:02,105 --> 00:09:05,642 ママ… ごめん。 153 00:09:05,642 --> 00:09:08,711 ハァ ハァ ハァ…。 154 00:09:08,711 --> 00:09:11,211 ハァ ハァ…。 155 00:09:12,632 --> 00:09:16,119 ≪七桜ちゃん… 七桜ちゃん!≫ 156 00:09:16,119 --> 00:09:18,119 ≪七桜ちゃん!≫ 157 00:09:20,123 --> 00:09:22,125 七桜ちゃん…。 158 00:09:22,125 --> 00:09:24,627 多喜川さん…。 159 00:09:24,627 --> 00:09:26,629 いや ビックリしたよ。 160 00:09:26,629 --> 00:09:29,629 店へ行ったら 七桜ちゃん 帰ってないって聞いて。 161 00:09:31,200 --> 00:09:35,188 多喜川さん ごめんなさい。 162 00:09:35,188 --> 00:09:37,624 私 もう…。 163 00:09:37,624 --> 00:09:39,609 七桜ちゃん…。 164 00:09:39,609 --> 00:09:42,111 ダメだ 七桜ちゃん しっかりしろって! 165 00:09:42,111 --> 00:09:44,130 君がいなくなったら➡ 166 00:09:44,130 --> 00:09:46,165 誰がお母さんのことを 思い出すんだ!? 167 00:09:46,165 --> 00:09:48,217 全部 消えてしまうんだよ! 168 00:09:48,217 --> 00:09:50,717 優しさも 温かさも…。 169 00:09:51,621 --> 00:09:54,123 お母さんは 二度 死ぬことになるんだ。 170 00:09:54,123 --> 00:09:57,110 (七桜の声) あの時 多喜川さんの背中で➡ 171 00:09:57,110 --> 00:10:00,630 母の手紙を思い出してた。 172 00:10:00,630 --> 00:10:02,615 書いたのに出せなかった➡ 173 00:10:02,615 --> 00:10:05,668 旦那様宛ての手紙。 174 00:10:05,668 --> 00:10:09,205 (百合子の声) 「拝啓 高月 樹様➡ 175 00:10:09,205 --> 00:10:12,625 中学校の校舎で あなたに出会えたこと➡ 176 00:10:12,625 --> 00:10:15,144 奇跡みたいに思っています。 177 00:10:15,144 --> 00:10:19,632 幼い頃 両親を亡くした私にとって➡ 178 00:10:19,632 --> 00:10:24,621 あなたは 初めて 愛の温かさを教えてくれた人。 179 00:10:24,621 --> 00:10:26,623 かなうことなら➡ 180 00:10:26,623 --> 00:10:29,142 いつか 私の作ったお菓子を➡ 181 00:10:29,142 --> 00:10:32,195 光月庵で出せたらな。 182 00:10:32,195 --> 00:10:36,633 分かっています 私じゃ 女将になれないこと。 183 00:10:36,633 --> 00:10:42,121 でも 思い描くだけで 私は幸せになれる。 184 00:10:42,121 --> 00:10:44,641 それだけで…」。 185 00:10:44,641 --> 00:10:47,627 伝えられなかった思い。 186 00:10:47,627 --> 00:10:49,712 ささやかな幸せ。 187 00:10:49,712 --> 00:10:51,648 (TV)⦅その鬼には➡ 188 00:10:51,648 --> 00:10:53,650 天罰が下ったんです⦆ 189 00:10:53,650 --> 00:10:56,703 あの人が光月庵にいる限り➡ 190 00:10:56,703 --> 00:10:59,622 母は死んでも なお汚され続ける。 191 00:10:59,622 --> 00:11:02,141 だから➡ 192 00:11:02,141 --> 00:11:04,711 あの時 決めたんだね。 193 00:11:04,711 --> 00:11:10,711 ⦅多喜川さん… 力を貸してください⦆ 194 00:11:12,702 --> 00:11:15,738 ⦅必ず お返しします⦆ 195 00:11:15,738 --> 00:11:17,738 ⦅だから…⦆ 196 00:11:20,793 --> 00:11:25,293 ⦅私に 店をください⦆ 197 00:11:29,619 --> 00:11:34,624 母が奪われた夢は 私が代わりに かなえる。 198 00:11:34,624 --> 00:11:38,111 それ以外は もう何も望まない。 199 00:11:38,111 --> 00:11:40,613 そう決めたんです。 200 00:11:40,613 --> 00:11:42,632 あの後 一度だけ➡ 201 00:11:42,632 --> 00:11:45,632 光月庵のお菓子を食べました。 202 00:11:47,170 --> 00:11:50,223 ひと口 食べて すぐに分かった。 203 00:11:50,223 --> 00:11:53,223 椿が作ってないって。 204 00:11:55,111 --> 00:11:56,646 絶望しました! 205 00:11:56,646 --> 00:11:58,631 これだったの? あの火事の日➡ 206 00:11:58,631 --> 00:12:01,651 椿が命懸けで守ったものって。 207 00:12:01,651 --> 00:12:07,140 結局 光月庵を 自分のものにしたかっただけ。 208 00:12:07,140 --> 00:12:10,126 お菓子を作ることじゃ ない。 209 00:12:10,126 --> 00:12:12,126 本気なんだね。 210 00:12:13,680 --> 00:12:16,616 光月庵を乗っ取って➡ 211 00:12:16,616 --> 00:12:18,616 君のものにする。 212 00:12:20,136 --> 00:12:25,136 《泣かない 夢をかなえるまでは》 213 00:12:26,125 --> 00:12:28,111 (栞) 椿さん。 214 00:12:28,111 --> 00:12:31,114 何か 手伝えることありますか? 215 00:12:31,114 --> 00:12:33,166 大丈夫です。 216 00:12:33,166 --> 00:12:36,166 栞さんは休んでください。 217 00:12:39,622 --> 00:12:41,122 (箸が落ちた音) 218 00:12:46,129 --> 00:12:48,631 すいません 栞さん。 219 00:12:48,631 --> 00:12:51,134 そこの箸 取ってもらってもいいですか? 220 00:12:51,134 --> 00:12:53,134 はい。 221 00:12:56,656 --> 00:12:59,156 はい。 ありがとうございます。 222 00:13:05,631 --> 00:13:07,116 ≪できました≫ 223 00:13:07,116 --> 00:13:09,102 (富岡) これは…。 椿さん。 224 00:13:09,102 --> 00:13:11,102 「空明」です。 225 00:13:14,140 --> 00:13:16,125 かつて 名月は➡ 226 00:13:16,125 --> 00:13:18,644 見上げて じっと眺めるものではなかった。 227 00:13:18,644 --> 00:13:21,681 昔の人々は 月を直視せず➡ 228 00:13:21,681 --> 00:13:24,217 池の水面や杯に映った月を見て➡ 229 00:13:24,217 --> 00:13:26,636 楽しんだものです。 230 00:13:26,636 --> 00:13:30,623 「空明」 2つの月。 231 00:13:30,623 --> 00:13:33,142 夜空は 羽二重時雨か。 232 00:13:33,142 --> 00:13:36,646 (安部) すごいっす! 水面のナミナミが ナミナミ…。 233 00:13:36,646 --> 00:13:39,632 (杉田) さすが椿さんです! これなら 選定員も うなります。 234 00:13:39,632 --> 00:13:42,168 あの「花がすみ」って店にも 勝てますよ。 235 00:13:42,168 --> 00:13:44,187 (安部) ナミナミが すごいっす。 (杉田) マジで ヤバいっす これ。 236 00:13:44,187 --> 00:13:47,256 (城島) こんな すごいの作れるのに➡ 237 00:13:47,256 --> 00:13:49,142 どうして 店のお菓子 もっと作んねえんだよ。 238 00:13:49,142 --> 00:13:51,144 (山口) この水の泡は 上南ですか? 239 00:13:51,144 --> 00:13:52,644 はい そうです。 240 00:13:54,630 --> 00:13:57,133 お忙しいのに すみません。 241 00:13:57,133 --> 00:13:59,152 溝口先生。 242 00:13:59,152 --> 00:14:02,155 (溝口) 他でもない 女将のためだ。 243 00:14:02,155 --> 00:14:04,674 小耳に挟んだんですけど➡ 244 00:14:04,674 --> 00:14:08,174 五月雨亭の選定員を されるそうですね。 245 00:14:13,166 --> 00:14:15,666 椿を勝たせてちょうだい。 246 00:14:17,637 --> 00:14:19,637 フッ。 247 00:14:23,643 --> 00:14:25,645 分かってますよ。 248 00:14:25,645 --> 00:14:27,680 僕にとっても➡ 249 00:14:27,680 --> 00:14:30,680 光月庵は大切な店ですから。 250 00:14:35,204 --> 00:14:39,108 (女将) ≪それでは 選定会を始めます≫ 251 00:14:39,108 --> 00:14:41,608 まず 最初のお菓子です。 252 00:14:42,628 --> 00:14:44,630 (溝口) 時雨ですか! 253 00:14:44,630 --> 00:14:49,719 いや これは美しい 何とも 趣がある。 254 00:14:49,719 --> 00:14:58,127 ♬~ 255 00:14:58,127 --> 00:15:00,627 桜…。 256 00:15:02,114 --> 00:15:04,133 狂い咲き。 257 00:15:04,133 --> 00:15:14,126 ♬~ 258 00:15:14,126 --> 00:15:25,126 ♬~ 259 00:16:57,129 --> 00:16:59,129 (女将) では 次のお菓子を。 260 00:17:00,166 --> 00:17:03,119 (溝口) 随分 シンプルな…。 261 00:17:03,119 --> 00:17:05,119 団子? 262 00:17:08,140 --> 00:17:09,640 えっ? 263 00:17:11,110 --> 00:17:15,631 (女将) まぁ! 月が夜空に浮かんでる。 264 00:17:15,631 --> 00:17:19,702 ワクワクしますね! それに 花の香り? 265 00:17:19,702 --> 00:17:21,702 (溝口) キンモクセイ。 266 00:17:24,123 --> 00:17:26,625 《「明月」》 267 00:17:26,625 --> 00:17:32,114 《雲ひとつない空に輝く月》 268 00:17:32,114 --> 00:17:34,617 《今の私の➡ 269 00:17:34,617 --> 00:17:37,117 迷いのない気持ち》 270 00:17:38,137 --> 00:17:40,656 誰かいるのか? 271 00:17:40,656 --> 00:17:44,156 《光月庵の正式な後継者は 私》 272 00:17:45,227 --> 00:17:48,227 《今の光月庵には消えてもらう》 273 00:17:50,649 --> 00:17:53,149 《誰にも邪魔させない》 274 00:17:55,654 --> 00:17:57,654 つ…。 誰ですか? 275 00:18:01,127 --> 00:18:04,127 すいません すぐ治りますので。 276 00:18:05,114 --> 00:18:09,168 《椿… 目が見えてないの?》 277 00:18:09,168 --> 00:18:11,220 (栞) ≪椿さん≫ 278 00:18:11,220 --> 00:18:18,110 ♬~ 279 00:18:18,110 --> 00:18:20,129 栞さん。 280 00:18:20,129 --> 00:18:23,115 すいません 選定会の結果が 気になってしまって。 281 00:18:23,115 --> 00:18:25,117 あっ いや あの…➡ 282 00:18:25,117 --> 00:18:27,620 椿さんのお菓子が 不安というわけでは…。 283 00:18:27,620 --> 00:18:30,122 店に戻って 結果を待ちましょう。 284 00:18:30,122 --> 00:18:32,141 はい。 285 00:18:32,141 --> 00:18:47,656 ♬~ 286 00:18:47,656 --> 00:18:50,643 (安部) 椿さん ちょうど今 五月雨亭から連絡が。 287 00:18:50,643 --> 00:18:52,628 うちが選ばれたそうです。 288 00:18:52,628 --> 00:18:54,613 おめでとうございます 椿さん。 289 00:18:54,613 --> 00:18:57,116 よかったです いい仕事ができて。 290 00:18:57,116 --> 00:18:59,652 ホントよ~。 291 00:18:59,652 --> 00:19:03,722 これで ご先祖様にも 顔向けができるわ。 292 00:19:03,722 --> 00:19:06,125 (富岡) まぁ あの「空明」なら当然だな。 293 00:19:06,125 --> 00:19:10,646 あっ 認めた! 富岡さんが認めちゃった! 294 00:19:10,646 --> 00:19:14,146 「花がすみ」 気にするほどの店じゃ なかったですね。 295 00:19:17,653 --> 00:19:20,653 (多喜川) ≪夕子さんに頼んで 調べてもらった≫ 296 00:19:22,124 --> 00:19:25,624 (多喜川) やっぱり 女将が 裏で選定員を動かしてた。 297 00:19:27,196 --> 00:19:29,115 溝口議員。 298 00:19:29,115 --> 00:19:31,617 2人は 相当深い仲だよ。 299 00:19:31,617 --> 00:19:36,117 私のお菓子が印象に残ってると いいんですけど…。 300 00:19:38,124 --> 00:19:40,126 大丈夫。 301 00:19:40,126 --> 00:19:43,129 七桜ちゃんのお菓子は この世で 一番おいしい。 302 00:19:43,129 --> 00:19:46,165 誰の心にも残るよ。 303 00:19:46,165 --> 00:19:49,218 ありがとうございます。 304 00:19:49,218 --> 00:19:51,620 それで…➡ 305 00:19:51,620 --> 00:19:54,120 椿君とは会ったの? 306 00:19:56,142 --> 00:19:58,142 会ってないです。 307 00:20:03,115 --> 00:20:06,615 《椿が お菓子を作らなくなったのは…》 308 00:20:08,204 --> 00:20:09,638 ⦅すいません⦆ 309 00:20:09,638 --> 00:20:12,191 《目が悪いから?》 310 00:20:12,191 --> 00:20:16,191 《関係ない 私には もう…》 311 00:20:19,114 --> 00:20:20,633 以前より➡ 312 00:20:20,633 --> 00:20:23,619 ぼやけることが 頻繁になってます。 313 00:20:23,619 --> 00:20:27,122 やっぱり 火事の時の後遺症でしょうか? 314 00:20:27,122 --> 00:20:29,141 落下物などの衝撃で➡ 315 00:20:29,141 --> 00:20:32,641 網膜が傷ついたんだと思います。 316 00:20:34,163 --> 00:20:38,217 このまま 手術をしなければ…。 317 00:20:38,217 --> 00:20:41,654 失明の可能性が高いです。 318 00:20:41,654 --> 00:20:44,154 失明…。 319 00:20:47,643 --> 00:20:49,662 手術の後 どれぐらいで➡ 320 00:20:49,662 --> 00:20:52,147 細かい手作業は できるようになるんでしょうか? 321 00:20:52,147 --> 00:20:55,651 数か月から あるいは数年。 322 00:20:55,651 --> 00:20:59,738 完治が難しい場合もありますので。 323 00:20:59,738 --> 00:21:01,738 高月さん。 324 00:21:03,158 --> 00:21:05,158 あぁ…。 325 00:21:07,162 --> 00:21:10,162 今は 手術できません。 326 00:21:13,636 --> 00:21:16,636 起きていて 大丈夫なんですか? 327 00:21:17,640 --> 00:21:19,174 フッ。 328 00:21:19,174 --> 00:21:26,632 ♬~ 329 00:21:26,632 --> 00:21:30,119 これも…➡ 330 00:21:30,119 --> 00:21:32,638 おじい様の呪いですか? 331 00:21:32,638 --> 00:21:39,628 ♬~ 332 00:21:39,628 --> 00:21:43,649 ≪本当に ありがとうございます 溝口先生≫ 333 00:21:43,649 --> 00:21:47,202 (溝口) ≪いや~ 光月庵に 票を回せてよかったですよ≫ 334 00:21:47,202 --> 00:21:50,606 根回しがなかったら 他の店に決まるところでした。 335 00:21:50,606 --> 00:21:53,125 面白いお菓子を作る店があってね。 336 00:21:53,125 --> 00:21:54,610 確か➡ 337 00:21:54,610 --> 00:21:56,610 「花がすみ」だったかな。 338 00:21:57,646 --> 00:21:59,615 どういうことだ? 339 00:21:59,615 --> 00:22:03,118 お客様に失礼よ 椿さん。 340 00:22:03,118 --> 00:22:05,638 まぁ 気にしないで。 341 00:22:05,638 --> 00:22:08,173 古い付き合いなんですから。 342 00:22:08,173 --> 00:22:13,612 ♬~ 343 00:22:13,612 --> 00:22:16,632 裏で手を回してたのか そんなことしなくても…。 344 00:22:16,632 --> 00:22:18,600 「勝てた」とでも言うの? 345 00:22:18,600 --> 00:22:20,636 聞いていたんでしょう? 346 00:22:20,636 --> 00:22:24,623 他の店に 決まっていたかもしれないのよ。 347 00:22:24,623 --> 00:22:27,626 まさか 辞退しに行くんじゃ ないでしょうね? 348 00:22:27,626 --> 00:22:30,663 そんな甘い考えで➡ 349 00:22:30,663 --> 00:22:35,117 光月庵の のれんを守れると 思ってるの? 350 00:22:35,117 --> 00:22:37,619 この店のためなら➡ 351 00:22:37,619 --> 00:22:41,619 私は 地獄に落ちる覚悟だってある。 352 00:22:44,126 --> 00:22:47,626 同じよね? あなたも。 353 00:22:50,632 --> 00:22:54,186 あんたと 同じ血が流れてると思うと➡ 354 00:22:54,186 --> 00:22:56,186 ヘドが出る。 355 00:23:00,242 --> 00:23:01,643 おっ! (紙袋が落ちた音) 356 00:23:01,643 --> 00:23:03,645 ≪すみません おケガないですか?≫ 357 00:23:03,645 --> 00:23:05,631 大丈夫です。 358 00:23:05,631 --> 00:23:08,133 ≪お菓子 平気でしょうか≫ 359 00:23:08,133 --> 00:23:09,635 えっ? 360 00:23:09,635 --> 00:23:12,638 あっ 私も 和菓子屋をやっているので。 361 00:23:12,638 --> 00:23:17,192 「花がすみ」という 小さな店ですけど。 362 00:23:17,192 --> 00:23:19,192 フッ。 363 00:23:20,746 --> 00:23:23,246 《どうしても気になる》 364 00:23:24,149 --> 00:23:26,151 《「花がすみ」》 365 00:23:26,151 --> 00:23:30,656 《遠くから かすみかかったように 淡く見えること》 366 00:23:30,656 --> 00:23:35,056 《咲き誇る 桜の花が…》 367 00:23:36,145 --> 00:23:38,680 議員の先生だったんですね。 368 00:23:38,680 --> 00:23:41,734 先ほどは 失礼いたしました。 369 00:23:41,734 --> 00:23:44,153 当店の「亥の子餅」です。 370 00:23:44,153 --> 00:23:52,144 ♬~ 371 00:23:52,144 --> 00:23:55,147 ん~! いや~ うまい! 372 00:23:55,147 --> 00:23:57,166 選定会の時も思ったけど➡ 373 00:23:57,166 --> 00:23:59,168 本当に 印象深いお菓子を作るね。 374 00:23:59,168 --> 00:24:01,720 お褒めいただき うれしいです。 375 00:24:01,720 --> 00:24:05,140 光月庵さんに 負けない店にしたくて。 376 00:24:05,140 --> 00:24:07,640 へぇ~。 377 00:24:09,645 --> 00:24:11,663 ひと箱 包んでくれるかな。 378 00:24:11,663 --> 00:24:13,649 はい。 379 00:24:13,649 --> 00:24:22,149 ♬~ 380 00:26:24,112 --> 00:26:28,116 381 00:26:28,116 --> 00:26:31,620 《何だ このお菓子の感じ》 382 00:26:31,620 --> 00:26:34,106 《俺は知っている》 383 00:26:34,106 --> 00:26:35,607 (溝口) あれ? 384 00:26:35,607 --> 00:26:37,125 光月庵の若旦那も➡ 385 00:26:37,125 --> 00:26:39,645 ライバルの店が 気になったのかな? 386 00:26:39,645 --> 00:26:41,697 ≪お包み お待たせしました≫ 387 00:26:41,697 --> 00:26:43,697 先生…。 388 00:26:47,619 --> 00:26:49,619 七桜…。 389 00:26:54,126 --> 00:26:57,145 どうぞ。 ありがとう また立ち寄るよ。 390 00:26:57,145 --> 00:26:59,145 お待ちしております。 391 00:27:05,153 --> 00:27:09,207 (戸を閉める音) 七桜… 何で こんなところに? 392 00:27:09,207 --> 00:27:12,611 お客様 お待たせして 申し訳ありません。 393 00:27:12,611 --> 00:27:14,630 お持ち帰りでよろしいですか? 七桜…。 394 00:27:14,630 --> 00:27:18,617 オススメは羊羹です あとは 季節の上生菓子も。 395 00:27:18,617 --> 00:27:21,119 何なんだ? 「花がすみ」って。 396 00:27:21,119 --> 00:27:24,623 こんな 光月庵の近くに 店を構えて 一体…。 397 00:27:24,623 --> 00:27:27,626 自分の店を持つのが夢だったの。 398 00:27:27,626 --> 00:27:29,661 喜んでくれてもいいんじゃない? 399 00:27:29,661 --> 00:27:32,214 そうじゃ ない 何で!? 400 00:27:32,214 --> 00:27:34,616 あの火事の日…➡ 401 00:27:34,616 --> 00:27:37,616 どうして 何も言わずに消えたんだ? 402 00:27:39,621 --> 00:27:41,607 待ってたら➡ 403 00:27:41,607 --> 00:27:44,109 何か変わったの? 404 00:27:44,109 --> 00:27:46,612 椿 あの時 聞いたよね。 405 00:27:46,612 --> 00:27:49,612 「今までのこと 全部 ウソだったのか」って。 406 00:27:54,720 --> 00:27:56,722 そうだよ。 407 00:27:56,722 --> 00:27:59,222 全部 ウソだった。 408 00:28:00,108 --> 00:28:02,127 だって そうでしょ。 409 00:28:02,127 --> 00:28:04,630 ママを殺人者にした人のこと➡ 410 00:28:04,630 --> 00:28:06,630 好きになるわけない。 411 00:28:08,634 --> 00:28:10,636 《誰だ?》 412 00:28:10,636 --> 00:28:14,636 《これは… 誰?》 413 00:28:17,142 --> 00:28:22,142 私は さくらなんだよ… 椿。 414 00:28:24,616 --> 00:28:27,202 椿だって あの時…。 415 00:28:27,202 --> 00:28:29,638 ⦅椿をここで待ってるから!⦆ 416 00:28:29,638 --> 00:28:33,038 (七桜の声) 一番大事なものを 取りに行ったんでしょ。 417 00:28:37,629 --> 00:28:40,129 でも あれは 私のだから。 418 00:28:42,684 --> 00:28:44,219 七桜…。 419 00:28:44,219 --> 00:28:46,138 (多喜川) どうかされましたか? 420 00:28:46,138 --> 00:28:49,624 お客様。 多喜川さん。 421 00:28:49,624 --> 00:28:52,624 どうして あなたが ここに…。 422 00:28:55,113 --> 00:28:58,613 ここは 彼女と僕 2人の店だから。 423 00:29:00,118 --> 00:29:02,654 彼女は 僕の大事なパートナーだ。 424 00:29:02,654 --> 00:29:04,654 仕事の面でも…。 425 00:29:05,691 --> 00:29:08,191 一人の女性としても。 426 00:29:09,628 --> 00:29:11,630 だから➡ 427 00:29:11,630 --> 00:29:14,130 彼女を傷つけることは許さない。 428 00:29:18,120 --> 00:29:20,122 お客様➡ 429 00:29:20,122 --> 00:29:23,625 お菓子をお求めでなければ お帰りください。 430 00:29:23,625 --> 00:29:30,125 ♬~ 431 00:29:36,121 --> 00:29:39,624 (戸が閉まる音) ちょっと 盛り過ぎたかな。 432 00:29:39,624 --> 00:29:49,117 ♬~ 433 00:29:49,117 --> 00:29:51,119 七桜…。 434 00:29:51,119 --> 00:29:54,156 《忘れていたんだ》 435 00:29:54,156 --> 00:29:56,742 《会えば➡ 436 00:29:56,742 --> 00:29:59,742 また憎しみが生まれることを》 437 00:30:01,613 --> 00:30:04,113 (杉田) 皆さん 見てください これ! 438 00:30:05,617 --> 00:30:07,135 (山口) 七桜さん。 439 00:30:07,135 --> 00:30:10,105 (富岡) おいおい ウソだろ? 「花がすみ」の店主。 440 00:30:10,105 --> 00:30:11,623 (城島) 何で…。 441 00:30:11,623 --> 00:30:14,109 (安部) まぁ 俺は 最初から思ってましたけどね。 442 00:30:14,109 --> 00:30:16,661 こういうのが 一番恐ろしい子って。 443 00:30:16,661 --> 00:30:18,713 どうかしたの? 444 00:30:18,713 --> 00:30:22,213 (富岡) これ! 例の「花がすみ」ですよ。 445 00:30:24,619 --> 00:30:27,122 椿は どこ? 446 00:30:27,122 --> 00:30:29,107 (山口) 事務室に。 447 00:30:29,107 --> 00:30:30,609 椿さん! 448 00:30:30,609 --> 00:30:32,611 知ってたの? 449 00:30:32,611 --> 00:30:35,614 「花がすみ」の店主が この女だってこと! 450 00:30:35,614 --> 00:30:37,632 ええ。 451 00:30:37,632 --> 00:30:40,202 よくも こんなまねを! 452 00:30:40,202 --> 00:30:43,702 仕事に戻るぞ。 (杉田) はい。 453 00:30:48,627 --> 00:30:52,127 あの人を手に入れようなんて 無理だと思うけど。 454 00:30:53,615 --> 00:30:55,600 (城島) だって 見たことないだろ? 455 00:30:55,600 --> 00:30:59,654 椿さんの本当に怒ったとこや 弱いところ。 456 00:30:59,654 --> 00:31:02,674 あんたには 基本 優しいもんな。 457 00:31:02,674 --> 00:31:07,174 そういう顔を見せるのは 七桜さんにだけだ。 458 00:31:09,648 --> 00:31:13,134 (城島) かなわないんだよ 誰も。 459 00:31:13,134 --> 00:31:23,662 ♬~ 460 00:31:23,662 --> 00:31:27,265 一体 どういうつもりなのかしら? 461 00:31:27,265 --> 00:31:29,651 七桜…。 462 00:31:29,651 --> 00:31:33,051 さくらは 光月庵を乗っ取ろうと考えてる。 463 00:31:35,640 --> 00:31:38,660 18年前…➡ 464 00:31:38,660 --> 00:31:44,160 お父様を殺したのは 自分の母親ではないと信じてる。 465 00:31:45,183 --> 00:31:47,219 私じゃないわよ。 466 00:31:47,219 --> 00:31:51,640 そのことは あなたが証明してくれたでしょ。 467 00:31:51,640 --> 00:31:56,645 《そうだ あの日…》 468 00:31:56,645 --> 00:32:01,132 《俺はショックで 一睡もできず➡ 469 00:32:01,132 --> 00:32:02,651 この人は 朝まで➡ 470 00:32:02,651 --> 00:32:04,653 部屋を出ることはなかった》 471 00:32:04,653 --> 00:32:07,153 《今でも よく覚えてる》 472 00:32:08,173 --> 00:32:11,109 改めて聞けてよかったです。 473 00:32:11,109 --> 00:32:14,112 でも さくらの母親ではないなら➡ 474 00:32:14,112 --> 00:32:16,615 誰だったんですかね? 475 00:32:16,615 --> 00:32:19,601 あの女の言うこと信じるの? 476 00:32:19,601 --> 00:32:21,636 あなた まさか まだ➡ 477 00:32:21,636 --> 00:32:24,636 気持ちがあるんじゃ ないでしょうね? 478 00:32:27,659 --> 00:32:30,729 光月庵を乗っ取る!? 479 00:32:30,729 --> 00:32:33,129 冗談じゃない! 480 00:32:34,616 --> 00:32:38,616 あの小娘‼ 481 00:34:41,126 --> 00:34:49,617 482 00:34:49,617 --> 00:34:52,117 やっぱり 七桜だったのか。 483 00:34:56,124 --> 00:34:57,624 あぁ…。 484 00:34:58,643 --> 00:35:02,143 もしかして また目が見えないの? 485 00:35:03,214 --> 00:35:05,116 何のことだ? 486 00:35:05,116 --> 00:35:15,110 ♬~ 487 00:35:15,110 --> 00:35:17,595 栞さん。 488 00:35:17,595 --> 00:35:22,133 あなた 椿さんとは どうなってるの? 489 00:35:22,133 --> 00:35:27,188 ♬~ 490 00:35:27,188 --> 00:35:29,174 ⦅面白いな⦆ 491 00:35:29,174 --> 00:35:31,209 ⦅気に入ったので いただいて行きます⦆ 492 00:35:31,209 --> 00:35:33,194 ⦅どうして 決め付けるんですか?⦆ 493 00:35:33,194 --> 00:35:35,213 ⦅俺は 結構 好きです⦆ 494 00:35:35,213 --> 00:35:38,116 ⦅そんな店に 負ける気しないから⦆ 495 00:35:38,116 --> 00:35:39,734 やだ…。 496 00:35:39,734 --> 00:35:41,169 ⦅かなわないんだよ⦆ 497 00:35:41,169 --> 00:35:42,704 やだ…。 498 00:35:42,704 --> 00:35:47,625 ♬~ 499 00:35:47,625 --> 00:35:50,125 やだ やだ やだ やだ…。 500 00:35:54,599 --> 00:35:57,602 女将さん…。 501 00:35:57,602 --> 00:36:00,605 私 妊娠してるみたいなんです。 502 00:36:00,605 --> 00:36:03,124 えっ? 503 00:36:03,124 --> 00:36:05,124 椿さんの子です。 504 00:36:07,195 --> 00:36:11,116 栞さん! 素晴らしいわ! 505 00:36:11,116 --> 00:36:14,586 すぐに 結婚式の準備をしましょう! 506 00:36:14,586 --> 00:36:16,104 結婚…。 507 00:36:16,104 --> 00:36:19,107 だって 光月庵の跡取りよ。 508 00:36:19,107 --> 00:36:24,112 早速 長谷屋さんにも ご報告に行かないと! 509 00:36:24,112 --> 00:36:32,203 ♬~ 510 00:36:32,203 --> 00:36:35,106 諦めるなんて…➡ 511 00:36:35,106 --> 00:36:37,108 もう できない。 512 00:36:37,108 --> 00:36:39,127 (椿の声) 誰にも言うな。 513 00:36:39,127 --> 00:36:42,130 でも 目が おかしいんなら 早く治療したほうがいいんじゃ…。 514 00:36:42,130 --> 00:36:44,098 園遊会が終わるまで無理だ。 515 00:36:44,098 --> 00:36:46,601 どうして? 516 00:36:46,601 --> 00:36:48,620 園遊会なんて どうでもいいでしょ。 517 00:36:48,620 --> 00:36:50,655 もし このまま 目が見えなくなったら…。 518 00:36:50,655 --> 00:36:52,190 「どうでもいい」? 519 00:36:52,190 --> 00:36:54,108 どうして そんなことが言えるんだ!? 520 00:36:54,108 --> 00:36:57,629 園遊会には 地元の名士や著名人が たくさん集まる。 521 00:36:57,629 --> 00:37:01,629 そこで下手なお菓子を出せば 光月庵の評判は 地に落ちる。 522 00:37:02,600 --> 00:37:06,120 俺の光月庵が終わる。 523 00:37:06,120 --> 00:37:11,209 《そうだ 光月庵を 誰からも愛される店にする》 524 00:37:11,209 --> 00:37:13,778 ⦅そんな理想の店にいたします⦆ 525 00:37:13,778 --> 00:37:18,099 ⦅必ず お約束いたします⦆ 526 00:37:18,099 --> 00:37:21,119 《椿は何も変わってない》 527 00:37:21,119 --> 00:37:25,619 《私が好きだった 椿のままなんだ》 528 00:37:26,624 --> 00:37:28,610 だからって 私は➡ 529 00:37:28,610 --> 00:37:32,510 光月庵を自分のものにすることを 諦めないから。 530 00:37:34,115 --> 00:37:38,686 ママが残してくれたものを 私のものにする。 531 00:37:38,686 --> 00:37:41,686 ママの潔白を証明する。 532 00:37:42,607 --> 00:37:47,111 《そして 私が椿を➡ 533 00:37:47,111 --> 00:37:50,611 光月庵の呪いから解放する》 534 00:37:52,617 --> 00:37:55,119 おめでたいことですし➡ 535 00:37:55,119 --> 00:38:00,642 一刻も早く お嬢様を高月家に 迎えたいと思っておりますの。 536 00:38:00,642 --> 00:38:04,696 ずうずうしいお願いですが 過去のことは➡ 537 00:38:04,696 --> 00:38:07,615 水に流して いただけないでしょうか。 538 00:38:07,615 --> 00:38:11,603 (長谷健造) 栞は この家を出て行った身です。 539 00:38:11,603 --> 00:38:14,603 そちらの いいようにしてください。 540 00:38:16,608 --> 00:38:18,610 (長谷房枝) 栞。 541 00:38:18,610 --> 00:38:20,612 (房枝) おめでとう。 542 00:38:20,612 --> 00:38:23,665 これ クルミよ。 543 00:38:23,665 --> 00:38:26,718 妊娠中は 高血圧になりやすいから➡ 544 00:38:26,718 --> 00:38:28,620 よく食べて。 545 00:38:28,620 --> 00:38:32,607 (長谷沙織) それね お父様が 持たせろって言ったのよ。 546 00:38:32,607 --> 00:38:35,126 (長谷由香莉) 連絡があってから そわそわしちゃって。 547 00:38:35,126 --> 00:38:38,112 (由香莉) 内心 うれしくて しょうがないのよ。 548 00:38:38,112 --> 00:38:41,612 (沙織:由香莉) フフフ…。 (房枝) ダメよ フフフ…。 549 00:38:45,119 --> 00:38:47,672 (長谷のせき払い) まぁ 何だ。 550 00:38:47,672 --> 00:38:50,608 子供が生まれたら 見せに来なさい。 551 00:38:50,608 --> 00:38:53,608 母さんも 抱きたいだろうから。 552 00:38:56,614 --> 00:39:00,101 よかったわね~ 栞さん! 553 00:39:00,101 --> 00:39:04,605 子供って 本当に偉大なのよ。 554 00:39:04,605 --> 00:39:09,143 一瞬で全てを変えてくれるの。 555 00:39:09,143 --> 00:39:12,196 どんな状況でもね。 556 00:39:12,196 --> 00:39:18,119 ♬~ 557 00:39:18,119 --> 00:39:22,623 園遊会の仕事は 他の人に任せなさい。 558 00:39:22,623 --> 00:39:25,593 あなたは これから忙しくなるんだから。 559 00:39:25,593 --> 00:39:28,129 何の話ですか? 560 00:39:28,129 --> 00:39:32,116 栞さんとの結婚のことよ。 561 00:39:32,116 --> 00:39:34,152 また ばかばかしい話を。 562 00:39:34,152 --> 00:39:37,221 とぼけても無駄よ。 563 00:39:37,221 --> 00:39:41,221 ちゃ~んと 栞さん本人から 聞いたのだから。 564 00:39:42,610 --> 00:39:46,614 あなたとの子供ができたって。 565 00:39:46,614 --> 00:39:48,099 はぁ? 566 00:39:48,099 --> 00:39:53,104 今度こそ 責任取らないと許さないわよ。 567 00:39:53,104 --> 00:39:59,644 ♬~ 568 00:39:59,644 --> 00:40:02,697 (多喜川) 七桜ちゃんの策略 うまく行ったみたいだよ。 569 00:40:02,697 --> 00:40:05,249 今度の後援会に出すお菓子を➡ 570 00:40:05,249 --> 00:40:08,119 「花がすみ」に頼みたいって 溝口議員から依頼が来た。 571 00:40:08,119 --> 00:40:11,119 ホントですか! 絶対やりたいです。 572 00:40:13,124 --> 00:40:16,624 何かあったの? 椿君と。 573 00:40:17,612 --> 00:40:19,614 何もないですよ。 574 00:40:19,614 --> 00:40:22,114 ホント ウソつくのが下手だね。 575 00:40:23,151 --> 00:40:25,703 目が赤い。 576 00:40:25,703 --> 00:40:28,122 全てを知っていないと➡ 577 00:40:28,122 --> 00:40:30,122 力になれないよ。 578 00:40:33,611 --> 00:40:36,114 なるほど。 579 00:40:36,114 --> 00:40:40,101 椿君に 早く目の治療を 受けてもらうために➡ 580 00:40:40,101 --> 00:40:43,601 一刻も早く 光月庵を奪うことにしたわけだ。 581 00:40:46,190 --> 00:40:49,143 光月庵にいる限り➡ 582 00:40:49,143 --> 00:40:52,143 椿は ずっと縛られたまま。 583 00:40:53,614 --> 00:40:57,614 それ以外の未来を 思い描くこともできない。 584 00:40:58,603 --> 00:41:02,603 椿にしか作れないお菓子が あるのに…。 585 00:41:04,142 --> 00:41:06,661 本当は ただ純粋に➡ 586 00:41:06,661 --> 00:41:10,161 お菓子を作るのが大好きなのに…。 587 00:41:12,099 --> 00:41:15,119 椿君は 君を恨むだろうね。 588 00:41:15,119 --> 00:41:17,622 君を一生 許さない。 589 00:41:17,622 --> 00:41:23,628 ♬~ 590 00:41:23,628 --> 00:41:25,628 ハァ…。 591 00:41:27,114 --> 00:41:30,168 ホントに 君って子は…。 592 00:41:30,168 --> 00:41:34,605 椿君が うらやましいよ そんなふうに思ってもらえて。 593 00:41:34,605 --> 00:41:37,105 やけるよな。 594 00:41:38,125 --> 00:41:39,610 また からかって…。 595 00:41:39,610 --> 00:41:42,110 からかってなんか いないよ。 596 00:41:44,115 --> 00:41:46,617 七桜ちゃんを特別に思ってる。 597 00:41:46,617 --> 00:41:48,617 えっ? 598 00:41:50,104 --> 00:41:52,604 多喜川さん…。 599 00:41:54,175 --> 00:41:57,111 何があっても負けず➡ 600 00:41:57,111 --> 00:42:01,115 ただ真っすぐに お菓子への情熱を持ち続けてる。 601 00:42:01,115 --> 00:42:03,615 すごいよ。 602 00:42:05,603 --> 00:42:09,123 僕だけは…➡ 603 00:42:09,123 --> 00:42:11,623 ずっと君のそばにいる。 604 00:44:47,081 --> 00:44:49,081 栞さん 失礼します。 605 00:44:52,103 --> 00:44:54,605 (ふすまが閉まる音) 606 00:44:54,605 --> 00:44:56,605 栞さん? 607 00:45:03,097 --> 00:45:05,650 (栞) 椿さん…。 608 00:45:05,650 --> 00:45:08,202 私を抱いてください。 609 00:45:08,202 --> 00:45:10,087 栞さん…。 610 00:45:10,087 --> 00:45:11,589 ごめんなさい。 611 00:45:11,589 --> 00:45:13,607 分かってるんです。 612 00:45:13,607 --> 00:45:17,611 椿さんの心が 私に向かないってこと。 613 00:45:17,611 --> 00:45:19,611 でも…。 614 00:45:21,098 --> 00:45:23,617 お願いです。 615 00:45:23,617 --> 00:45:27,688 私に 椿さんの子供をください。 616 00:45:27,688 --> 00:45:30,188 現実にしてください。 617 00:45:32,226 --> 00:45:35,112 好きなんです。 618 00:45:35,112 --> 00:45:38,115 初めて会った日から。 619 00:45:38,115 --> 00:45:40,615 だから…。 620 00:45:42,119 --> 00:45:44,121 お願いです。 621 00:45:44,121 --> 00:45:57,702 ♬~ 622 00:45:57,702 --> 00:46:00,104 それで? 623 00:46:00,104 --> 00:46:02,623 俺の何が好きなんだ? 624 00:46:02,623 --> 00:46:04,123 えっ? 625 00:46:06,627 --> 00:46:08,612 俺の何を知ってる。 626 00:46:08,612 --> 00:46:10,612 椿さん…。 627 00:46:11,699 --> 00:46:13,718 (城島) ⦅だって 見たことないだろ?⦆ 628 00:46:13,718 --> 00:46:15,653 ⦅あんたには 基本 優しいもんな⦆ 629 00:46:15,653 --> 00:46:24,153 ♬~ 630 00:46:35,623 --> 00:46:38,125 以前の俺なら➡ 631 00:46:38,125 --> 00:46:41,625 躊躇なく 栞さんを 抱いてたかもしれません。 632 00:46:42,613 --> 00:46:45,613 気持ちがなくても 道具として。 633 00:46:47,118 --> 00:46:49,136 でも 今は…。 634 00:46:49,136 --> 00:46:55,609 ♬~ 635 00:46:55,609 --> 00:46:58,109 今の俺は 絶対に無理です。 636 00:47:02,633 --> 00:47:05,636 俺から 誰にも言うつもりはないので。 637 00:47:05,636 --> 00:47:08,122 ここでは 栞さんは自由ですから。 638 00:47:08,122 --> 00:47:11,622 (ふすまが開く音) 639 00:47:13,160 --> 00:47:14,660 (はなをすする音) 640 00:47:16,213 --> 00:47:18,599 (夕子) ≪溝口議員から注文?≫ 641 00:47:18,599 --> 00:47:20,618 おかげさまで。 642 00:47:20,618 --> 00:47:23,621 (夕子) 珍しく 入れ込むね~。 643 00:47:23,621 --> 00:47:27,124 まさか 本気で七桜のこと? 644 00:47:27,124 --> 00:47:29,126 おかしいな。 645 00:47:29,126 --> 00:47:34,148 年上が好みのはず だったんだけどな。 646 00:47:34,148 --> 00:47:39,148 でも 大丈夫なの? 光月庵 敵に回して。 647 00:47:40,721 --> 00:47:43,140 18年前のことといい➡ 648 00:47:43,140 --> 00:47:46,640 今日子さん 相当 厄介な女だよ。 649 00:47:49,113 --> 00:47:54,113 あ~ 光月庵といえば 常連さんから聞いたんだけど…。 650 00:47:55,102 --> 00:47:56,620 えっ!? 651 00:47:56,620 --> 00:47:58,672 大旦那様が…。 652 00:47:58,672 --> 00:48:02,226 持って今年いっぱいだろうって。 そんな…。 653 00:48:02,226 --> 00:48:05,613 光月庵の次期当主を誰にするか➡ 654 00:48:05,613 --> 00:48:08,632 決定権があるのは 大旦那だけだ。 655 00:48:08,632 --> 00:48:11,632 名乗りを上げるんだったら 今だよ。 656 00:48:14,138 --> 00:48:17,138 あら 溝口先生。 657 00:48:18,609 --> 00:48:22,146 えっ? 「花がすみ」? 658 00:48:22,146 --> 00:48:24,181 (溝口) ああ… あの店主➡ 659 00:48:24,181 --> 00:48:28,135 3年前 光月庵にいた若女将だよね。 660 00:48:28,135 --> 00:48:30,120 偶然かと思ったけど➡ 661 00:48:30,120 --> 00:48:32,623 意図的に近づいて来たみたいだ。 662 00:48:32,623 --> 00:48:34,625 もしかしたら➡ 663 00:48:34,625 --> 00:48:38,125 僕たちの関係も 調べてるかもしれないな。 664 00:48:44,184 --> 00:48:48,138 まさか そんなところまで…。 665 00:48:48,138 --> 00:48:52,159 (高月宗寿郎)⦅「高月家の血を引く 孫が現れた場合➡ 666 00:48:52,159 --> 00:48:57,159 その孫が 全ての財産を相続する」⦆ 667 00:48:58,632 --> 00:49:02,132 手元に置いておかないと。 668 00:49:04,722 --> 00:49:06,123 ハァ…。 669 00:49:06,123 --> 00:49:09,623 あ~ お義父様! 670 00:49:11,111 --> 00:49:13,611 お家に帰りましょうね。 671 00:49:18,102 --> 00:49:21,705 さ… さくら。 672 00:49:21,705 --> 00:49:23,691 どうして あなたが ここに? 673 00:49:23,691 --> 00:49:25,609 溝口議員➡ 674 00:49:25,609 --> 00:49:28,112 後援会のお菓子を うちに注文されましたよ。 675 00:49:28,112 --> 00:49:29,630 えっ? 676 00:49:29,630 --> 00:49:33,117 有力議員に突然 切られたなんて 世間に知られたら➡ 677 00:49:33,117 --> 00:49:35,135 どう思われるんでしょうね。 678 00:49:35,135 --> 00:49:39,135 信用第一の光月庵さんが。 679 00:49:40,591 --> 00:49:43,661 七桜さん うちはね➡ 680 00:49:43,661 --> 00:49:47,097 もうすぐ 長谷屋さんと親戚になるの。 681 00:49:47,097 --> 00:49:49,099 えっ? 682 00:49:49,099 --> 00:49:52,599 栞さんが妊娠したの。 683 00:49:54,621 --> 00:49:57,621 椿との子供よ。 684 00:50:00,694 --> 00:50:02,194 ⦅あっ…⦆ 685 00:50:05,616 --> 00:50:08,669 椿の? 686 00:50:08,669 --> 00:50:12,106 さぁ… 邪魔よ どいてちょうだい! 687 00:50:12,106 --> 00:50:14,108 (花瓶が割れる音) 688 00:50:14,108 --> 00:50:16,110 あっ。 689 00:50:16,110 --> 00:50:18,128 ハァ ハァ ハァ…。 690 00:50:18,128 --> 00:50:20,628 行きましょう お義父様。 691 00:50:21,615 --> 00:50:23,133 でも➡ 692 00:50:23,133 --> 00:50:26,633 私が 光月庵の正式な跡継ぎなのは 変わらない! 693 00:50:27,638 --> 00:50:30,638 樹さんの本当の子供は私です! 694 00:50:32,209 --> 00:50:33,627 (舌打ち) 695 00:50:33,627 --> 00:50:42,603 ♬~ 696 00:50:42,603 --> 00:50:44,138 ≪どういうつもりなんだ!?≫ 697 00:50:44,138 --> 00:50:47,124 一度も見舞いに行かなかったのに 急に 家で面倒見るなんて。 698 00:50:47,124 --> 00:50:49,624 私にだって 情があるの。 699 00:50:51,195 --> 00:50:53,614 家族なんだから。 700 00:50:53,614 --> 00:50:56,633 さぁ お義父様 入りましょう。 701 00:50:56,633 --> 00:50:58,633 さぁ さぁ…。 702 00:51:00,137 --> 00:51:03,624 《今 ひるんだら 女将の思うつぼ》 703 00:51:03,624 --> 00:51:06,627 《ママの夢も かなえられない》 704 00:51:06,627 --> 00:51:10,627 《椿を自由にすることも できないまま終わってしまう》 705 00:51:11,698 --> 00:51:16,698 《今度こそ 私は大切なものを守る》 706 00:51:18,138 --> 00:51:19,623 (戸が開く音) 707 00:51:19,623 --> 00:51:23,623 ♬~ 708 00:51:26,597 --> 00:51:29,633 大旦那様に話があって来ました。 709 00:51:29,633 --> 00:51:32,136 会わせていただけませんか? 710 00:51:32,136 --> 00:51:34,136 お待ちください。 711 00:51:36,173 --> 00:51:39,610 あの… もう一つ お願いが。 712 00:51:39,610 --> 00:51:43,614 椿さんに 目の治療をするように 言ってもらえませんか。 713 00:51:43,614 --> 00:51:45,616 目? 714 00:51:45,616 --> 00:51:48,619 園遊会が終わってからじゃなくて 今すぐ…。 715 00:51:48,619 --> 00:51:51,605 手遅れになってしまってからじゃ どうしようもないから…。 716 00:51:51,605 --> 00:51:54,725 このまま視力を失ったりしたら…。 717 00:51:54,725 --> 00:51:56,243 ⦅すいません 栞さん⦆ 718 00:51:56,243 --> 00:51:59,279 ⦅そこの箸 取ってもらってもいいですか?⦆ 719 00:51:59,279 --> 00:52:00,697 (栞)⦅はい⦆ 720 00:52:00,697 --> 00:52:02,616 あっ…。 私じゃ無理なんです! 721 00:52:02,616 --> 00:52:05,135 でも 栞さんなら➡ 722 00:52:05,135 --> 00:52:08,639 これから 一緒に生きて行く 栞さんの言葉なら➡ 723 00:52:08,639 --> 00:52:11,139 きっと聞いてくれる。 724 00:52:13,627 --> 00:52:15,627 お願い。 725 00:52:19,166 --> 00:52:21,166 お願いです! 726 00:52:22,719 --> 00:52:26,219 無理です 私には。 727 00:52:30,627 --> 00:52:32,527 すいません。 728 00:52:34,114 --> 00:52:37,618 お体 大事になさってください。 729 00:52:37,618 --> 00:52:48,178 ♬~ 730 00:52:48,178 --> 00:52:51,098 大旦那様 失礼します。 731 00:52:51,098 --> 00:53:00,607 ♬~ 732 00:53:00,607 --> 00:53:02,092 あの…。 733 00:53:02,092 --> 00:53:04,094 さくら…➡ 734 00:53:04,094 --> 00:53:06,094 なのか? 735 00:53:10,200 --> 00:53:15,589 お前が… 本当に…➡ 736 00:53:15,589 --> 00:53:19,589 樹の子供なのか? 737 00:53:21,595 --> 00:53:23,595 はい。 738 00:53:29,119 --> 00:53:30,619 これを…。 739 00:53:32,089 --> 00:53:33,589 やめて! 740 00:53:37,177 --> 00:53:39,613 証拠が…。 741 00:53:39,613 --> 00:53:42,613 ママが残してくれた…。 742 00:53:44,117 --> 00:53:45,586 返して! 743 00:53:45,586 --> 00:53:48,086 返して! 返して! 744 00:53:50,090 --> 00:53:52,609 お義父様…。 745 00:53:52,609 --> 00:53:56,680 あ~ 意識が戻ってらしたなんて。 746 00:53:56,680 --> 00:53:58,180 七桜。 747 00:54:00,601 --> 00:54:03,101 何の騒ぎですか? 748 00:54:04,605 --> 00:54:07,605 その子と2人にしてくれ。 749 00:54:09,109 --> 00:54:12,079 そんな… どうして また? 750 00:54:12,079 --> 00:54:14,097 いいから するんだ。 751 00:54:14,097 --> 00:54:26,093 ♬~ 752 00:54:26,093 --> 00:54:28,093 (障子が閉まる音) 753 00:54:32,599 --> 00:54:35,602 ずっと気になってたことがある。 754 00:54:35,602 --> 00:54:39,606 お父様の本当の子供が さくらなら➡ 755 00:54:39,606 --> 00:54:42,106 俺の父親は…。 756 00:54:44,161 --> 00:54:45,679 まさか➡ 757 00:54:45,679 --> 00:54:47,598 その男が お父様を…。 758 00:54:47,598 --> 00:55:07,668 ♬~ 759 00:55:07,668 --> 00:55:21,168 ♬~ 760 00:55:27,621 --> 00:55:43,770 761 00:55:43,770 --> 00:55:45,806 (高月)⦅このお菓子は…⦆ 762 00:55:45,806 --> 00:55:48,208 ⦅さくらって女の子が 作ったんです⦆ 763 00:55:48,208 --> 00:55:50,208 ⦅ほう!⦆ 764 00:55:51,628 --> 00:55:53,628 うん! 765 00:55:56,650 --> 00:55:59,169 私は➡ 766 00:55:59,169 --> 00:56:02,622 知っていたんだ。 767 00:56:02,622 --> 00:56:07,122 樹に ず~っと思い人がいたことを。 768 00:56:09,179 --> 00:56:11,181 (高月)⦅中学の同級生?⦆ 769 00:56:11,181 --> 00:56:14,184 ⦅そんな子と 一緒になれるわけないだろう⦆ 770 00:56:14,184 --> 00:56:15,669 (高月 樹)⦅でも お父様…⦆ 771 00:56:15,669 --> 00:56:18,605 ⦅その子の未来が どうなってもいいのか?⦆ 772 00:56:18,605 --> 00:56:22,659 (高月の声) 名前も 顔も知らないまま➡ 773 00:56:22,659 --> 00:56:26,159 私は2人を別れさせた。 774 00:56:28,098 --> 00:56:32,619 結婚相手は 家が決める。 775 00:56:32,619 --> 00:56:37,607 今も そういう風習が残っている 世界だ。 776 00:56:37,607 --> 00:56:43,613 2人が その後も 思いを断ち切ることができずに➡ 777 00:56:43,613 --> 00:56:50,203 しかも 相手が 職人として 店で働いていたのを知ったのは➡ 778 00:56:50,203 --> 00:56:54,191 2人が死んで しばらく たった後だった。 779 00:56:54,191 --> 00:56:57,694 ⦅2人は何をしてたんだ?⦆ 780 00:56:57,694 --> 00:57:00,197 ⦅キスしてた⦆ 781 00:57:00,197 --> 00:57:02,115 ⦅このウソつきが‼⦆ 782 00:57:02,115 --> 00:57:05,152 (高月の声) 私が許していれば➡ 783 00:57:05,152 --> 00:57:11,625 樹も… お前の母親も➡ 784 00:57:11,625 --> 00:57:16,625 今も一緒に 幸せに 暮らしていたかもしれない。 785 00:57:19,099 --> 00:57:25,099 全ての原因を作った私を 許せるのか? 786 00:57:31,194 --> 00:57:34,598 許せません。 787 00:57:34,598 --> 00:57:37,098 だけど…。 788 00:57:42,589 --> 00:57:45,091 私は➡ 789 00:57:45,091 --> 00:57:50,630 父と母が大切にしていた この店が欲しいです。 790 00:57:50,630 --> 00:57:53,700 この店で➡ 791 00:57:53,700 --> 00:57:55,619 お菓子が作りたい。 792 00:57:55,619 --> 00:58:03,093 ♬~ 793 00:58:03,093 --> 00:58:07,093 《18年前の あの日 俺が見た光景》 794 00:58:08,114 --> 00:58:10,614 《何か忘れているんじゃないか》 795 00:58:12,118 --> 00:58:13,720 《何か…》 796 00:58:13,720 --> 00:58:15,188 ⦅物音⦆ 797 00:58:15,188 --> 00:58:16,590 《何か…》 798 00:58:16,590 --> 00:58:18,590 《大切な…》 799 00:58:20,594 --> 00:58:22,629 (高月) 皮肉なものだな。 800 00:58:22,629 --> 00:58:27,100 入院中 見舞いに来て 世話を焼いてくれたのは➡ 801 00:58:27,100 --> 00:58:29,085 お前だけだった。 802 00:58:29,085 --> 00:58:32,122 くたばる姿を 見届けたかっただけです。 803 00:58:32,122 --> 00:58:34,658 光月庵を継ぐのは➡ 804 00:58:34,658 --> 00:58:37,594 正式な血筋を持つ者だけ。 805 00:58:37,594 --> 00:58:42,599 そして その権利があるのは誰なのか。 806 00:58:42,599 --> 00:58:47,103 今なら 調べれば すぐに分かることだ。 807 00:58:47,103 --> 00:58:49,089 だが➡ 808 00:58:49,089 --> 00:58:53,610 本当に それが 正しいことなのか? 809 00:58:53,610 --> 00:58:57,681 何よりも 守るべきことなのか? 810 00:58:57,681 --> 00:58:59,681 椿。 811 00:59:01,101 --> 00:59:02,601 さくら。 812 00:59:04,087 --> 00:59:08,592 12月31日 除夜祭の日➡ 813 00:59:08,592 --> 00:59:11,595 お菓子を作って来てくれないか? 814 00:59:11,595 --> 00:59:17,133 より おいしく 魂を震わす➡ 815 00:59:17,133 --> 00:59:23,106 そんな お菓子を作った者…。 816 00:59:23,106 --> 00:59:25,609 ♬~ 817 00:59:25,609 --> 00:59:29,095 その者に 私は光月庵を譲る。 818 00:59:29,095 --> 00:59:38,495 ♬~