1 00:00:01,070 --> 00:00:03,540 (花岡七桜) 《15年前 椿のひと言で・ 2 00:00:03,540 --> 00:00:06,070 私は全てを奪われた》 3 00:00:06,070 --> 00:00:08,080 (高月今日子) 誰? 誰なの? 4 00:00:09,540 --> 00:00:12,050 (高月 椿) さくらのお母さん。 5 00:00:12,050 --> 00:00:14,580 ママ! (百合子) 私は何も知りません。 6 00:00:14,580 --> 00:00:17,090 私は ただ お菓子を作ってただけで…。 7 00:00:18,650 --> 00:00:21,060 (多喜川) やっと会えましたね 花岡七桜さん。 8 00:00:21,060 --> 00:00:23,060 お母様からの手紙です。 9 00:00:23,060 --> 00:00:25,060 《事件の真相を知るため…》 10 00:00:25,060 --> 00:00:27,560 あんたさ 俺と結婚しない? 11 00:00:27,560 --> 00:00:29,560 しましょう 結婚。 12 00:00:29,560 --> 00:00:34,070 《世界で一番憎い人 椿との結婚を利用して・ 13 00:00:34,070 --> 00:00:36,070 私は正体を隠したまま・ 14 00:00:36,070 --> 00:00:38,610 あの日 追い出された 老舗和菓子屋・ 15 00:00:38,610 --> 00:00:40,640 光月庵に乗り込んだ》 16 00:00:40,640 --> 00:00:42,540 僕は この人と結婚する。 17 00:00:42,540 --> 00:00:44,550 《そこで待ち受けていたのは…》 18 00:00:44,550 --> 00:00:47,050 わがままも いいかげんにしなさい 恥ずかしい! 19 00:00:47,050 --> 00:00:50,050 《椿の母親である 光月庵の女将と…》 20 00:00:50,050 --> 00:00:53,550 (高月宗寿郎) そこまで言うなら 3か月で成果を出してみろ! 21 00:00:53,550 --> 00:00:56,060 《店の全権を握る 大旦那》 22 00:00:56,060 --> 00:00:59,590 近いうちに 必ず この店を俺のものにする。 23 00:00:59,590 --> 00:01:03,060 《婚約者なんて 甘いものじゃ ない》 24 00:01:03,060 --> 00:01:07,540 《それでも 真実だけは 必ず見つけ出す》 25 00:01:07,540 --> 00:01:11,040 今日から お世話になります。 26 00:01:18,550 --> 00:01:20,580 (障子が開く音) 27 00:01:20,580 --> 00:01:22,620 えっ…。 28 00:01:22,620 --> 00:01:25,050 おい もう6時だぞ。 29 00:01:25,050 --> 00:01:26,550 えっ! 30 00:01:26,550 --> 00:01:28,060 早く来い。 31 00:01:33,530 --> 00:01:36,530 ここが光月庵の心臓だ。 32 00:01:36,530 --> 00:01:38,530 職人の山口さんと富岡さん。 33 00:01:38,530 --> 00:01:41,100 (山口) どうも。 (富岡) おたくがウワサの…。 34 00:01:41,100 --> 00:01:42,600 あとは 見習が3人いる。 35 00:01:42,600 --> 00:01:44,670 (安部) まとめられちった フフっ。 36 00:01:44,670 --> 00:01:47,540 花岡七桜です よろしくお願いします。 37 00:01:47,540 --> 00:01:49,540 七桜 お前は こっちだ。 38 00:01:49,540 --> 00:01:51,050 はい。 39 00:01:52,550 --> 00:01:54,550 お前には これをやってもらう。 40 00:01:54,550 --> 00:01:56,050 洗い物? 41 00:01:56,050 --> 00:01:57,550 不服か? 42 00:01:57,550 --> 00:02:00,050 下っ端のやることだからな。 43 00:02:00,050 --> 00:02:03,120 ここでは 嫁の仕事だ。 44 00:02:03,120 --> 00:02:04,660 富岡さん。 45 00:02:04,660 --> 00:02:07,060 明後日のお菓子のことで 相談があるんですが。 46 00:02:07,060 --> 00:02:09,560 (富岡) ああ。 47 00:02:09,560 --> 00:02:11,570 しっかり やれよ。 48 00:02:14,040 --> 00:02:16,540 私の仕事。 49 00:02:17,570 --> 00:02:19,570 (安部) あれだろ? 結婚式に乗り込んで来て・ 50 00:02:19,570 --> 00:02:21,110 ぶち壊したって。 51 00:02:21,110 --> 00:02:23,640 (城島) そうそうそう。 (杉田) 地味っすね。 52 00:02:23,640 --> 00:02:27,080 (安部) 逆に ああいうタイプが 一番・ 53 00:02:27,080 --> 00:02:28,550 恐ろしい子! 54 00:02:28,550 --> 00:02:31,050 (山口のせき払い) 55 00:02:34,560 --> 00:02:36,560 《小豆の炊ける香り》 56 00:02:36,560 --> 00:02:38,060 (ふるいをたたく音) 57 00:02:38,060 --> 00:02:40,560 《ふるいをたたく音》 58 00:02:41,600 --> 00:02:44,670 《ガスをつけるたび 熱を感じる》 59 00:02:44,670 --> 00:02:47,570 《あ~! いいわ~!》 60 00:02:47,570 --> 00:02:49,570 《私 一生 ここにいたい!》 61 00:02:49,570 --> 00:02:52,540 (山口) 城島 小豆の渋切り やれるか? 62 00:02:52,540 --> 00:02:54,040 はい。 63 00:02:54,040 --> 00:02:58,050 《渋切りって その言葉も いとおしい!》 64 00:02:58,050 --> 00:02:59,550 (城島) よし…。 65 00:02:59,550 --> 00:03:01,550 待って。 えっ? 66 00:03:01,550 --> 00:03:03,580 忘れてる びっくり水。 67 00:03:03,580 --> 00:03:06,650 小豆は 煮上がったら差し水をして・ 68 00:03:06,650 --> 00:03:08,560 湯の温度を一気に下げる。 69 00:03:08,560 --> 00:03:11,060 こうすることで ふっくらと煮上がるの。 70 00:03:12,030 --> 00:03:14,530 小豆の表情をよ~く見て。 71 00:03:14,530 --> 00:03:16,060 顔つきが変わって・ 72 00:03:16,060 --> 00:03:18,570 おいしくなった瞬間を 教えてくれるから。 73 00:03:18,570 --> 00:03:21,070 小豆の表情? 74 00:03:22,040 --> 00:03:24,570 なんてね… フッ。 75 00:03:24,570 --> 00:03:28,040 差し水ですね ハァ~ すいません。 76 00:03:28,040 --> 00:03:31,050 俺 まだ入って1か月で 聞いても すぐ忘れちゃって。 77 00:03:31,050 --> 00:03:33,550 あ~ 代わります。 うん。 78 00:03:33,550 --> 00:03:35,520 《懐かしいな~》 79 00:03:35,520 --> 00:03:38,050 《子供の頃 私も夢見てた》 80 00:03:38,050 --> 00:03:40,020 《ママみたいに ここで・ 81 00:03:40,020 --> 00:03:42,060 たくさんのお菓子を 作るんだって》 82 00:03:42,060 --> 00:03:44,090 安部 白いんげんは足りてるか? 83 00:03:44,090 --> 00:03:45,630 あ~ はい! 84 00:03:45,630 --> 00:03:48,530 杉田 山芋の準備しておいてくれ。 はい 山芋。 85 00:03:48,530 --> 00:03:51,030 随分と忙しそうだね。 86 00:03:51,030 --> 00:03:54,040 明後日 三坂神社で祈晴祭が あるんです。 87 00:03:54,040 --> 00:03:57,540 毎年 その祭りの奉納菓子を 光月庵が任されているので・ 88 00:03:57,540 --> 00:04:01,040 当日まで 店総出で大忙しなんですよ。 89 00:04:01,040 --> 00:04:03,040 毎年…。 90 00:04:04,080 --> 00:04:07,650 ねぇ ここで一番古い人って 何年前からいるの? 91 00:04:07,650 --> 00:04:09,050 確か…・ 92 00:04:09,050 --> 00:04:12,550 富岡さんが ちょうど10年だって 言ってました。 93 00:04:12,550 --> 00:04:14,060 10年…。 94 00:04:14,060 --> 00:04:17,020 山口さんも 同じくらいなんじゃないかな。 95 00:04:17,020 --> 00:04:19,060 でも 歴史ある店なのに・ 96 00:04:19,060 --> 00:04:22,060 それ以上の人がいないなんて 不思議ですよね。 97 00:04:22,060 --> 00:04:25,630 15年前 先代が亡くなった時に・ 98 00:04:25,630 --> 00:04:28,040 従業員が 一気に 変わったらしいんですけど…。 99 00:04:28,040 --> 00:04:30,040 ん~ 逆に・ 100 00:04:30,040 --> 00:04:34,040 お客様のほうが 古い付き合いに なるんじゃないですかね。 101 00:04:34,040 --> 00:04:37,040 常連のお客様…。 102 00:04:40,550 --> 00:04:49,620 ・~ 103 00:04:49,620 --> 00:04:53,030 《事件当時のことを 知っている人に話を聞けたら・ 104 00:04:53,030 --> 00:04:55,560 何か手掛かりが つかめるかもしれない》 105 00:04:55,560 --> 00:05:06,040 ・~ 106 00:05:06,040 --> 00:05:08,080 《この店・ 107 00:05:08,080 --> 00:05:10,610 50年以上前から お菓子の注文がある》 108 00:05:10,610 --> 00:05:15,120 「呉服屋 白藤屋」。 109 00:05:17,550 --> 00:05:39,110 ・~ 110 00:05:56,090 --> 00:05:57,590 (富岡) 誰だ・ 111 00:05:57,590 --> 00:06:00,160 白藤屋さんの注文を 明日で受けたのは・ お前か? 112 00:06:00,160 --> 00:06:02,200 どうしたんです? 113 00:06:02,200 --> 00:06:05,070 祈晴祭の日に 白藤屋さんの注文が 入ってるんです。 114 00:06:05,070 --> 00:06:08,100 明日は 一切の注文を受けないと みんな知ってるはずなのに。 115 00:06:08,100 --> 00:06:09,570 誰が…。 116 00:06:09,570 --> 00:06:11,570 私です。 117 00:06:12,570 --> 00:06:15,080 私が受けました。 118 00:06:15,080 --> 00:06:17,080 偶然 注文の電話があったので。 119 00:06:17,080 --> 00:06:19,080 何てことしてくれたんだ・ 120 00:06:19,080 --> 00:06:21,650 しかも 奉納菓子の納品と同じ 12時っすよ! 121 00:06:21,650 --> 00:06:23,680 みんな 祭りに かかりっきりで・ 122 00:06:23,680 --> 00:06:26,050 お菓子を白藤屋さんに 届けることもできませんよ。 123 00:06:26,050 --> 00:06:28,060 じゃあ 私が届けます。 124 00:06:28,060 --> 00:06:30,560 私は 祭りの人手には 入っていないですし。 125 00:06:30,560 --> 00:06:33,060 ダメだ。 えっ? 126 00:06:33,060 --> 00:06:36,060 白藤屋さんは大切なお客様だ。 127 00:06:36,060 --> 00:06:38,100 僕が届けます。 でも…。 128 00:06:38,100 --> 00:06:40,070 椿さん! 129 00:06:40,070 --> 00:06:43,640 祭りには この辺りの地主が 皆 集まるのよ。 130 00:06:43,640 --> 00:06:46,170 あなたが顔を出さなければ・ 131 00:06:46,170 --> 00:06:48,680 跡取り失格と見なされますよ。 132 00:06:50,080 --> 00:06:53,050 皆さんは予定通り 仕事をこなしてください。 133 00:06:53,050 --> 00:06:54,580 椿さん! 134 00:06:54,580 --> 00:06:58,090 《せっかく つくった チャンスなのに…》 135 00:06:58,090 --> 00:07:00,090 待って! 136 00:07:01,090 --> 00:07:03,060 信じて 椿さん。 137 00:07:03,060 --> 00:07:06,090 白藤屋さんには しっかり届けるから だから…。 138 00:07:06,090 --> 00:07:07,630 (壁をたたく音) 139 00:07:07,630 --> 00:07:09,700 何を信じるんだ・ 勝手なことしておいて! 140 00:07:09,700 --> 00:07:12,700 お前は言われたことだけ してればいい! 141 00:07:15,070 --> 00:07:17,570 白藤屋さんの注文するお菓子は・ 142 00:07:17,570 --> 00:07:20,570 先代から ずっと同じ・ 143 00:07:20,570 --> 00:07:23,580 藤の花を模した 上生菓子。 144 00:07:23,580 --> 00:07:27,080 藤には 子孫繁栄の意味があり・ 145 00:07:27,080 --> 00:07:31,120 家族で店を守ってらっしゃる 白藤屋さんの心根。 146 00:07:31,120 --> 00:07:33,150 餡は 白餡。 147 00:07:33,150 --> 00:07:37,160 形は 商売である 衣をかたどったもの。 148 00:07:41,560 --> 00:07:43,560 私にも作れます。 149 00:07:43,560 --> 00:07:45,570 信頼を大事にする店は・ 150 00:07:45,570 --> 00:07:48,070 注文を断ったりなんて しないでしょ? 151 00:07:49,570 --> 00:07:53,070 分かった お前に任せる。 152 00:07:53,070 --> 00:07:54,580 えっ? 153 00:07:54,580 --> 00:07:56,610 でも お菓子は俺が作る。 祭りのお菓子は…。 154 00:07:56,610 --> 00:07:58,610 寝なければ 作れる。 155 00:08:01,580 --> 00:08:04,050 (長谷健造) だから私は最初から・ 156 00:08:04,050 --> 00:08:07,050 和菓子屋の嫁なんて やめておけと言ったんだ! 157 00:08:07,050 --> 00:08:09,560 なのに お前が どうしてもと言うから! 158 00:08:09,560 --> 00:08:11,060 (長谷房枝) あなた…。 159 00:08:11,060 --> 00:08:14,060 (長谷) いいか 栞 あの男のことは忘れるんだ。 160 00:08:14,060 --> 00:08:16,100 今後一切 関わるな! 161 00:08:16,100 --> 00:08:19,530 (長谷 栞) お父様 でも 私は…。 162 00:08:19,530 --> 00:08:21,040 うるさい! 163 00:08:23,070 --> 00:08:47,060 ・~ 164 00:08:47,060 --> 00:08:49,060 (富岡) おい 急げ。 (安部) はい! 165 00:08:49,060 --> 00:08:52,070 (杉田) 安部さん これ どうやるんでしたっけ? 166 00:08:54,070 --> 00:08:56,070 あの…。 167 00:08:58,040 --> 00:09:01,080 それでは いってまいります。 168 00:09:01,080 --> 00:09:02,610 お~! 169 00:09:02,610 --> 00:09:04,610 城島。 はい。 170 00:09:14,050 --> 00:09:17,590 少しでも粗相があったら 許さないからな。 171 00:09:17,590 --> 00:09:19,590 はい。 172 00:09:21,600 --> 00:09:24,100 《言われなくても うまくやる》 173 00:09:28,100 --> 00:09:31,610 《そのために 行くんだから》 174 00:09:35,180 --> 00:09:39,080 このたび 光月庵の長男 椿さんと 結婚することになりました・ 175 00:09:39,080 --> 00:09:41,080 七桜と申します。 176 00:09:41,080 --> 00:09:43,080 突然 押し掛けて 申し訳ございません。 177 00:09:43,080 --> 00:09:48,060 まぁまぁ わざわざ来ていただいて。 178 00:09:48,060 --> 00:09:51,590 あの これ… ご挨拶に。 179 00:09:51,590 --> 00:09:54,630 ご丁寧に ありがとうございます。 180 00:09:54,630 --> 00:09:58,130 今 主人 呼んでまいりますね。 181 00:10:01,070 --> 00:10:02,570 ハァ…。 182 00:10:03,570 --> 00:10:05,570 うまくやらなきゃ。 183 00:10:05,570 --> 00:10:09,540 《今日 聞けなくても 何回か通わせてもらえば・ 184 00:10:09,540 --> 00:10:12,050 事件の手掛かりが きっと…》 185 00:10:12,050 --> 00:10:14,080 お菓子の器 用意してちょうだい。 186 00:10:14,080 --> 00:10:15,580 はい。 187 00:10:19,650 --> 00:10:21,660 キャ~! 188 00:10:23,060 --> 00:10:25,060 どうかされましたか? 189 00:10:25,060 --> 00:10:27,560 お菓子が…。 えっ? 190 00:10:31,070 --> 00:10:32,570 ハッ! 191 00:10:32,570 --> 00:10:35,600 光月庵さん ご挨拶のお菓子が こんなことって・ 192 00:10:35,600 --> 00:10:37,610 どういうつもりなんですか・ 193 00:10:37,610 --> 00:10:39,610 赤… 赤い色…。 194 00:10:43,680 --> 00:10:48,080 ハァ ハァ ハァ…。 195 00:10:48,080 --> 00:10:50,080 (女将) 七桜さん? 196 00:10:50,080 --> 00:10:55,590 (今日子の声) ♪~ 通りゃんせ 通りゃんせ 197 00:10:55,590 --> 00:10:59,590 ♪~ ここは どこの細道じゃ 198 00:10:59,590 --> 00:11:01,630 どうして…。 199 00:11:01,630 --> 00:11:06,570 ♪~ 天神さまの細道じゃ 200 00:11:06,570 --> 00:11:11,570 ♪~ ちょっと通してくだしゃんせ 201 00:11:11,570 --> 00:11:15,580 椿さん どういうことなんですか? 202 00:11:15,580 --> 00:11:18,080 罰ですよ。 203 00:11:18,080 --> 00:11:21,080 彼女は ウソをついていたようなので。 204 00:11:21,080 --> 00:11:23,120 ハァ ハァ…。 205 00:11:23,120 --> 00:11:28,560 ♪~ お札を納めに参ります 206 00:11:28,560 --> 00:11:35,060 ♪~ 行きは よいよい 帰りは こわい 207 00:11:35,060 --> 00:11:37,560 ハァ ハァ ハァ…。 208 00:11:37,560 --> 00:11:41,040 ハァ ハァ ハァ…。 自業自得だな。 209 00:11:41,040 --> 00:11:44,610 ウソをつくから こんなことになるんだ。 210 00:11:44,610 --> 00:11:47,170 ♪~ こわいながらも 211 00:11:47,170 --> 00:11:54,680 ♪~ とーおりゃんせ とーおりゃんせ 212 00:11:56,050 --> 00:11:58,550 本当に 申し訳ありません! 213 00:11:58,550 --> 00:12:01,560 まぁまぁ お顔を上げてくださいな。 214 00:12:01,560 --> 00:12:04,060 お体のほうは もういいの? 215 00:12:04,060 --> 00:12:07,060 お騒がせして 申し訳ありませんでした。 216 00:12:07,060 --> 00:12:09,100 あの 次の時は…。 217 00:12:09,100 --> 00:12:11,100 お菓子には・ 218 00:12:11,100 --> 00:12:16,170 贈る方の気持ちが 込められているものなんですよね。 219 00:12:16,170 --> 00:12:18,570 七桜さんのお気持ち・ 220 00:12:18,570 --> 00:12:22,580 存分に伝わりましたわ。 221 00:12:22,580 --> 00:12:24,580 《確信》 222 00:12:24,580 --> 00:12:29,580 《この店の敷居は 二度と またがせてもらえない》 223 00:12:29,580 --> 00:12:32,090 ひどい顔だな。 224 00:12:33,090 --> 00:12:35,120 本当に ごめんなさい。 225 00:12:35,120 --> 00:12:37,160 でも 誰がお菓子を? 226 00:12:37,160 --> 00:12:45,570 ・~ 227 00:12:45,570 --> 00:12:48,070 お前は 何でウソをついた? 228 00:12:48,070 --> 00:12:49,570 えっ…。 229 00:12:49,570 --> 00:12:51,570 お前が出て行った後・ 230 00:12:51,570 --> 00:12:55,080 確認のために 白藤屋さんに電話を入れた。 231 00:12:55,080 --> 00:12:57,580 返って来た言葉は・ 232 00:12:57,580 --> 00:13:00,480 「そんな注文は していない」 だった。 233 00:13:02,150 --> 00:13:04,550 誰が犯人だとか・ 234 00:13:04,550 --> 00:13:07,590 そんなことは今更 どうでもいい。 235 00:13:07,590 --> 00:13:10,060 分かってるのは・ 236 00:13:10,060 --> 00:13:16,060 大切なお客様を1人 失ったという現実だ。 237 00:13:20,070 --> 00:13:23,640 《光月庵なんて なくなればいい》 238 00:13:23,640 --> 00:13:26,710 《ずっと そう思って来た》 239 00:13:26,710 --> 00:13:30,140 それ 光月庵の和菓子? 手土産に持って来たの 240 00:13:30,140 --> 00:13:33,080 うわ~ 楽しみ! フフフ… 241 00:13:33,080 --> 00:13:37,580 《光月庵のお菓子は みんなに愛されてる》 242 00:13:38,650 --> 00:13:43,660 《どうして? 私から全てを奪ったのに》 243 00:13:45,060 --> 00:13:50,560 《光月庵がなくなれば 私の苦しみは きっと終わる》 244 00:13:52,070 --> 00:13:57,070 《でも 今 ここが なくなってしまったら・ 245 00:13:57,070 --> 00:14:00,070 真実が分からなくなってしまう》 246 00:14:04,650 --> 00:14:06,580 椿。 247 00:14:06,580 --> 00:14:09,580 3か月で結果が出せそうか? 248 00:14:19,090 --> 00:14:22,100 お~! びっくりした 何してんですか こんなところで。 249 00:14:22,100 --> 00:14:25,170 ごめんなさい 考え事してて。 250 00:14:25,170 --> 00:14:28,070 お茶なら 部屋で飲んだらいいのに。 251 00:14:28,070 --> 00:14:32,070 やっぱり ここが落ち着くんだよね~。 252 00:14:32,070 --> 00:14:34,580 小豆の香りとか。 253 00:14:34,580 --> 00:14:38,050 分かります! めちゃくちゃ癒やされますよね。 254 00:14:38,050 --> 00:14:41,050 蒸気がモワっと立つとことか。 年季の入った道具とか。 255 00:14:41,050 --> 00:14:43,080 妄想しちゃわない? どんなお菓子ができるとか! 256 00:14:43,080 --> 00:14:45,120 するする それで 腹いっぱいになったり…。 257 00:14:45,120 --> 00:14:46,650 ハハハ…。 ハハハ…。 258 00:14:46,650 --> 00:14:50,060 《あ~ こんな話 久々!》 259 00:14:50,060 --> 00:14:53,560 考え事って どうかしたんですか? 260 00:14:53,560 --> 00:14:56,060 ちょっと 白藤屋さんのことで…。 261 00:14:56,060 --> 00:15:00,070 あ~ 注文 受けられて よかったですよね。 262 00:15:00,070 --> 00:15:03,540 光月庵にとっては 一番のお得意さんですし。 263 00:15:03,540 --> 00:15:05,610 女将まで お菓子をチェックしたりして。 264 00:15:05,610 --> 00:15:08,640 えっ? 女将が? 265 00:15:08,640 --> 00:15:11,040 はい 今朝 チラっと見ただけだけど・ 266 00:15:11,040 --> 00:15:14,550 今まで そんなことなかったから 珍しいなって。 267 00:15:17,050 --> 00:15:19,050 まさか…。 268 00:15:19,050 --> 00:15:21,050 ちょっ… 七桜さん? 269 00:15:25,060 --> 00:15:26,590 あら。 270 00:15:26,590 --> 00:15:28,630 随分 遅かったのね。 271 00:15:28,630 --> 00:15:31,200 私の荷物 何するんですか? 272 00:15:31,200 --> 00:15:34,070 荷造りをしてさしあげてるのよ。 273 00:15:34,070 --> 00:15:39,070 お客様に失礼をする人間は 置いておけないでしょ。 274 00:15:39,070 --> 00:15:43,540 あら どうしたの? そんな顔して。 275 00:15:43,540 --> 00:15:46,550 あ~! お金ね。 276 00:15:51,080 --> 00:15:54,120 最初から・ 277 00:15:54,120 --> 00:15:57,120 これが目当てだったんでしょ? 278 00:15:59,060 --> 00:16:04,060 はい さよなら 七桜さん。 279 00:16:04,060 --> 00:16:07,570 私を追い出すために お菓子を…。 280 00:16:11,070 --> 00:16:14,570 私 出て行ったりしません! 281 00:16:14,570 --> 00:16:18,150 白藤屋さんには 何とか お許しをいただきます。 282 00:16:18,150 --> 00:16:20,180 何言ってるの? 283 00:16:20,180 --> 00:16:22,580 その爪・ 284 00:16:22,580 --> 00:16:24,580 お着物には似合わない・ 285 00:16:24,580 --> 00:16:27,590 随分 赤いマニキュアですね。 286 00:16:29,560 --> 00:16:32,060 何が言いたいの? 287 00:16:32,060 --> 00:16:35,600 私は 椿さんと結婚するんです! 288 00:16:35,600 --> 00:16:38,600 椿さんに言われるまでは 出て行きません! 289 00:16:38,600 --> 00:16:53,580 ・~ 290 00:16:53,580 --> 00:16:56,620 この…。 291 00:16:56,620 --> 00:16:58,620 疫病神! 292 00:17:00,590 --> 00:17:02,590 蝶はね・ 293 00:17:02,590 --> 00:17:07,590 自分と同じ美しい蝶としか 子孫を残さないの。 294 00:17:07,590 --> 00:17:10,660 蛾を家族にしたりしない。 295 00:17:10,660 --> 00:17:13,170 よそ者は いらないの・ 296 00:17:15,600 --> 00:17:17,600 (高月) なぁ 椿。 297 00:17:17,600 --> 00:17:20,610 あの子は見つかったか? 298 00:17:22,080 --> 00:17:24,580 また その話ですか。 299 00:17:26,080 --> 00:17:28,580 それより 薬をお飲みください。 300 00:17:28,580 --> 00:17:30,580 (山口) ・失礼します・ 301 00:17:32,120 --> 00:17:34,620 椿さん 電話が入ってます。 302 00:17:37,590 --> 00:17:40,090 (高月) 椿。 303 00:17:40,090 --> 00:17:44,560 私が この世で 一番大切にしているのが・ 304 00:17:44,560 --> 00:17:46,570 何か分かるか? 305 00:17:49,640 --> 00:17:53,670 お前は絶対に 光月庵を継げん。 306 00:17:53,670 --> 00:18:00,180 ・~ 307 00:18:02,050 --> 00:18:04,050 女将さん やめて! やめてください! 308 00:18:04,050 --> 00:18:06,020 椿さんが あなたなんか 相手にするわけないでしょ! 309 00:18:06,020 --> 00:18:08,060 さっさと出て行きなさい! 310 00:18:08,060 --> 00:18:10,060 お願いだから やめてください! 311 00:18:10,060 --> 00:18:12,030 こんなもの! 離して! 312 00:18:12,030 --> 00:18:14,030 離してください! 313 00:18:15,060 --> 00:18:17,100 《あの中には…》 314 00:18:17,100 --> 00:18:19,130 (百合子) 七桜がやりたいって思うなら・ 315 00:18:19,130 --> 00:18:21,540 作り続けてほしいな 316 00:18:21,540 --> 00:18:31,550 ・~ 317 00:18:31,550 --> 00:18:33,550 キャっ! 318 00:18:33,550 --> 00:18:36,550 フフ… まぁ 汚い。 319 00:18:36,550 --> 00:18:41,660 もう二度と光月庵に 足を踏み入れないでちょうだい。 320 00:18:41,660 --> 00:18:44,060 ・何をしてるんです?・ 321 00:18:44,060 --> 00:18:46,060 椿さん。 322 00:18:47,530 --> 00:18:49,530 《泣いちゃダメ》 323 00:18:49,530 --> 00:18:52,030 ここを出て行くそうよ。 324 00:18:52,030 --> 00:18:55,040 あなたも そうしてもらうつもり だったんでしょ? 325 00:18:55,040 --> 00:18:57,570 《最初から分かってたはず》 326 00:18:57,570 --> 00:19:01,680 《ここには 手を差し伸べてくれる人なんて・ 327 00:19:01,680 --> 00:19:03,680 誰もいないって》 328 00:19:08,050 --> 00:19:10,050 椿さん! 329 00:19:29,100 --> 00:19:31,510 七桜には もう少し ここにいてもらいます。 330 00:19:31,510 --> 00:19:33,010 な…。 331 00:19:33,010 --> 00:19:35,510 白藤屋さんから 電話があったんです。 332 00:19:35,510 --> 00:19:38,010 最中を20個 お願いしたいと。 333 00:19:38,010 --> 00:19:40,010 ただし・ 334 00:19:40,010 --> 00:19:42,520 七桜が作ったものでと 指名付きで。 335 00:19:45,020 --> 00:19:49,090 やっぱり 先生が たてられた お茶は最高ですわ。 336 00:19:49,090 --> 00:19:52,030 (男性) いや ただの道楽ですよ。 337 00:19:52,030 --> 00:19:55,530 そういえば 先生の言われた通り・ 338 00:19:55,530 --> 00:19:58,500 光月庵さんに注文を入れましたよ。 339 00:19:58,500 --> 00:20:02,040 私には正直 分かりませんわ。 340 00:20:02,040 --> 00:20:05,510 椿さんが なぜ あの子を妻にしたいのか。 341 00:20:05,510 --> 00:20:07,570 彼女のお菓子を食べれば・ 342 00:20:07,570 --> 00:20:09,580 分かるかもしれませんね。 343 00:20:11,110 --> 00:20:13,610 楽しみにしていましょう。 344 00:20:23,520 --> 00:20:26,530 お前に 光月庵の餡を教えてやる。 345 00:20:31,000 --> 00:20:32,530 (店員) ・ありがとうございます・ 346 00:20:32,530 --> 00:20:35,570 (椿の声) 「中秋の名月」の意味を持つ最中。 347 00:20:35,570 --> 00:20:38,070 光月庵の最中は 粒餡だ。 348 00:20:38,070 --> 00:20:42,080 食べると口の中で 最中の皮と しっとり 一体となる。 349 00:20:43,110 --> 00:20:45,050 小豆が炊き上がったら・ 350 00:20:45,050 --> 00:20:47,050 同量のざらめを入れて 練り上げる。 351 00:20:47,050 --> 00:20:48,550 はい。 352 00:20:48,550 --> 00:20:50,550 照りが減って 赤紫色になって来た時が・ 353 00:20:50,550 --> 00:20:52,590 練り上がりのタイミングだ。 354 00:20:52,590 --> 00:20:55,060 ここで 餡子のおいしさが決まる。 355 00:20:55,060 --> 00:20:57,060 はい。 356 00:20:57,060 --> 00:21:07,530 ・~ 357 00:21:07,530 --> 00:21:09,540 全然ダメだな。 358 00:21:11,070 --> 00:21:13,070 練りの時の火力が強い。 359 00:21:13,070 --> 00:21:15,080 それに 早く火を止め過ぎだ。 360 00:21:15,080 --> 00:21:16,580 はい! 361 00:21:21,580 --> 00:21:24,580 富岡さん お疲れさま。 362 00:21:24,580 --> 00:21:26,120 あ~ 女将。 363 00:21:26,120 --> 00:21:28,150 どうです? 厨房のほうは。 364 00:21:28,150 --> 00:21:30,590 やりにくくなってるんじゃ ありません? 365 00:21:30,590 --> 00:21:34,090 まったくですよ 小娘が ちょろちょろしやがって。 366 00:21:35,560 --> 00:21:38,060 今の光月庵があるのも・ 367 00:21:38,060 --> 00:21:40,070 富岡さんのおかげよ。 368 00:21:40,070 --> 00:21:42,070 もっと自信を持って・ 369 00:21:42,070 --> 00:21:45,070 富岡さんの やりやすいように してちょうだい。 370 00:21:45,070 --> 00:21:47,070 あぁ…。 371 00:21:48,610 --> 00:21:50,140 えっ? 372 00:21:50,140 --> 00:21:52,550 だから 厨房は使わせないって 言ってんだよ。 373 00:21:52,550 --> 00:21:54,050 作業の邪魔なんだ。 374 00:21:54,050 --> 00:21:56,050 じゃあ もっと隅でやります。 鍋も使わないでくれ。 375 00:21:56,050 --> 00:21:58,050 あんたが いいかげんな餡子を作って・ 376 00:21:58,050 --> 00:22:00,050 その味が付いちまったら どうすんだよ。 377 00:22:00,050 --> 00:22:02,560 なぁ 山口さん あんただって気に入らないだろ? 378 00:22:02,560 --> 00:22:04,560 私は別に。 379 00:22:04,560 --> 00:22:07,590 邪魔だよな? 邪魔です はい なっ? 380 00:22:07,590 --> 00:22:09,130 はい。 とにかく・ 381 00:22:09,130 --> 00:22:11,060 さっさと出て行ってくれ。 そんな…。 382 00:22:11,060 --> 00:22:13,570 ここが使えないと 餡子が作れないんです。 383 00:22:13,570 --> 00:22:15,570 お願いします。 384 00:22:15,570 --> 00:22:17,040 どけって! 385 00:22:17,040 --> 00:22:19,070 すいません 富岡さん。 386 00:22:19,070 --> 00:22:22,040 白藤屋さんの注文を上げるまで 我慢してもらえませんか? 387 00:22:22,040 --> 00:22:25,650 店にとって 名誉挽回できる 大切な注文なんです。 388 00:22:25,650 --> 00:22:27,150 知らねえな。 389 00:22:28,180 --> 00:22:30,180 お願いではなく・ 390 00:22:30,180 --> 00:22:32,090 命令だと言っても? 391 00:22:33,590 --> 00:22:35,590 椿さん。 392 00:22:35,590 --> 00:22:38,090 あんた まだ修業の身だろ? 393 00:22:38,090 --> 00:22:41,090 私が従うのは どんな時も 一人だけだ。 394 00:22:41,090 --> 00:22:45,630 大旦那様だけ 勝手な指図は受けねえ。 395 00:22:45,630 --> 00:22:48,640 光月庵の当主は 大旦那様だ。 396 00:22:48,640 --> 00:22:51,570 あんたには 何の権限もない。 397 00:22:51,570 --> 00:22:58,580 ・~ 398 00:22:58,580 --> 00:23:01,580 富岡さんの おっしゃる通りです。 399 00:23:03,080 --> 00:23:04,580 ハッ…。 400 00:23:04,580 --> 00:23:07,090 作業に戻れ! (安部たち) はい。 401 00:23:09,620 --> 00:23:11,690 (壁をたたく音) クッソ! 402 00:23:11,690 --> 00:23:13,560 椿…。 403 00:23:13,560 --> 00:23:17,560 (高月) 大事な手を 随分 乱暴に使うもんだ。 404 00:23:19,100 --> 00:23:22,070 おじい様の差し金ですか? 405 00:23:22,070 --> 00:23:24,570 何の話だ? 406 00:23:33,080 --> 00:23:35,080 お願いがあります。 407 00:23:35,080 --> 00:23:38,050 私に厨房を仕切る権限をください。 408 00:23:38,050 --> 00:23:41,520 私も ボケが始まったかな。 409 00:23:41,520 --> 00:23:45,560 その話は 昨日もした気がするが。 410 00:23:45,560 --> 00:23:48,090 権限を譲るのは・ 411 00:23:48,090 --> 00:23:52,170 この店を正式に継ぐ者だけだ。 412 00:23:52,170 --> 00:23:57,670 今 あそこに眠る道具を 使うことができる者だけ。 413 00:23:58,570 --> 00:24:01,070 お前には 譲ることはできん。 414 00:24:04,540 --> 00:24:07,080 あの…。 415 00:24:07,080 --> 00:24:10,580 七桜さんといったかな? 416 00:24:10,580 --> 00:24:15,090 あんた 知ってて 椿と一緒になろうとしてるのか? 417 00:24:16,620 --> 00:24:20,130 椿は 光月庵を継げん。 418 00:24:21,190 --> 00:24:24,700 私の本当の孫じゃないからな。 419 00:24:26,570 --> 00:24:28,070 えっ? 420 00:24:45,520 --> 00:24:48,020 あっ キレイ! 421 00:24:48,020 --> 00:24:50,060 120年前・ 422 00:24:50,060 --> 00:24:54,130 光月庵は一度 経営が大きく傾いたことがある。 423 00:24:54,130 --> 00:24:57,030 当時 名物だった まんじゅうの製造方法を・ 424 00:24:57,030 --> 00:24:59,030 弟子に盗まれたんだ。 425 00:24:59,030 --> 00:25:02,540 その弟子は 新しく自分の店を出して・ 426 00:25:02,540 --> 00:25:06,040 光月庵は まんじゅうを作れなくなった。 427 00:25:08,540 --> 00:25:11,040 それから・ 428 00:25:11,040 --> 00:25:14,610 光月庵は 血縁を何よりも大切にして・ 429 00:25:14,610 --> 00:25:18,050 それ以外の者に 決して店を譲らないことにした。 430 00:25:18,050 --> 00:25:23,060 金科玉条のごとく 店の守り事になったんだ。 431 00:25:25,530 --> 00:25:28,530 この道具は その象徴だ。 432 00:25:29,530 --> 00:25:32,570 道具には 職人の魂が宿るもの。 433 00:25:32,570 --> 00:25:36,140 店を正式に継ぐ者だけに・ 434 00:25:36,140 --> 00:25:38,640 代々 譲り渡される。 435 00:25:39,540 --> 00:25:42,040 15年間・ 436 00:25:42,040 --> 00:25:45,040 この道具は 使う者がいなくて・ 437 00:25:45,040 --> 00:25:47,550 ここで眠ってる。 438 00:25:47,550 --> 00:25:50,050 15年…。 439 00:25:55,590 --> 00:25:57,590 椿は…。 440 00:25:59,130 --> 00:26:03,030 おじい様の本当の孫じゃないって どういう? 441 00:26:03,030 --> 00:26:05,000 フッ。 442 00:26:05,000 --> 00:26:08,500 女将の不貞でできた子。 443 00:26:08,500 --> 00:26:11,100 あの人は そう思ってる。 444 00:26:11,100 --> 00:26:14,110 このウソつきが・ 445 00:26:14,110 --> 00:26:17,140 お前は この家の人間じゃ ない 446 00:26:17,140 --> 00:26:19,150 出て行け! 447 00:26:20,580 --> 00:26:23,120 くだらない。 448 00:26:23,120 --> 00:26:26,550 血のつながりに何の意味がある? 449 00:26:26,550 --> 00:26:30,620 大切なのは 和菓子に対する情熱だ 意志だ! 450 00:26:30,620 --> 00:26:32,590 (高月 樹)いいな? 椿 451 00:26:32,590 --> 00:26:35,130 (樹)いつか 立派に この店を継ぐんだぞ 452 00:26:35,130 --> 00:26:37,130 はい! 453 00:26:39,570 --> 00:26:42,070 約束したんだ。 454 00:26:46,040 --> 00:26:48,540 この店は・ 455 00:26:48,540 --> 00:26:51,010 絶対 誰にも渡さない。 456 00:26:51,010 --> 00:26:57,550 ・~ 457 00:26:57,550 --> 00:27:02,120 《椿は 本当に この店を守ろうとしている》 458 00:27:02,120 --> 00:27:05,120 《真剣に お菓子と向き合ってる》 459 00:27:07,190 --> 00:27:09,530 ほら キレイ! 460 00:27:09,530 --> 00:27:13,030 《今も 私が知ってる椿のままなの?》 461 00:27:14,100 --> 00:27:17,100 《じゃあ あの日の椿も…》 462 00:27:18,640 --> 00:27:20,510 さくらのお母さん 463 00:27:20,510 --> 00:27:24,010 《もしかして 本当にママの姿を見たの?》 464 00:27:26,010 --> 00:27:28,050 七桜さん! 465 00:27:28,050 --> 00:27:30,580 城島君。 物音がしたんで…。 466 00:27:30,580 --> 00:27:32,520 どうしたんですか? こんな遅くに。 467 00:27:32,520 --> 00:27:34,020 うん…。 468 00:27:34,020 --> 00:27:37,020 店の作業が終わった 夜10時すぎから朝までなら・ 469 00:27:37,020 --> 00:27:39,030 こっそり 厨房 使えるかなって。 470 00:27:39,030 --> 00:27:42,500 店で炊いた餡子のストック 使えばいいじゃないですか。 471 00:27:42,500 --> 00:27:44,530 明日 俺がバレないように 取っときましょうか。 472 00:27:44,530 --> 00:27:46,530 そんな ダメだよ。 大丈夫です。 473 00:27:46,530 --> 00:27:49,600 最中20個分くらいの量 分かりませんって。 474 00:27:49,600 --> 00:27:51,500 それに 七桜さんには・ 475 00:27:51,500 --> 00:27:53,510 まだ この店に いてほしいんですよね。 476 00:27:53,510 --> 00:27:55,040 ほら・ 477 00:27:55,040 --> 00:27:58,010 「小豆 癒やされ仲間」として。 478 00:27:58,010 --> 00:28:00,510 城島君。 479 00:28:04,520 --> 00:28:17,000 ・~ 480 00:28:17,000 --> 00:28:19,030 今日子さん。 481 00:28:19,030 --> 00:28:22,540 屋敷の中じゃ さすがに マズいでしょ。 482 00:28:22,540 --> 00:28:25,040 まぁ…。 483 00:28:25,040 --> 00:28:27,540 それも悪くないか。 484 00:28:27,540 --> 00:28:31,440 なぁ 早く 俺に新しい店をくれよ。 485 00:28:33,080 --> 00:28:35,620 ・ゲスいですね 富岡さん・ 486 00:28:35,620 --> 00:28:38,620 (富岡) あっ びっくりした… お前! 487 00:28:43,020 --> 00:28:46,030 厨房を返してもらえますか? 488 00:28:47,530 --> 00:28:50,530 (城島) えっ 何でダメなんですか? 489 00:28:50,530 --> 00:28:54,600 店で作った餡子を使うのは ズルいってことですか? 490 00:28:54,600 --> 00:28:58,100 ううん もったいないなって 思っちゃったの。 491 00:28:58,100 --> 00:29:01,110 こんなに たくさん餡子を作れる 機会なんてないでしょ。 492 00:29:01,110 --> 00:29:05,040 よく考えたら こんな ワクワクすることないなって。 493 00:29:05,040 --> 00:29:08,050 忘れてた こんな気持ち。 494 00:29:08,050 --> 00:29:11,520 何か 恥ずかしいっすね 俺。 495 00:29:11,520 --> 00:29:13,550 職人 目指してるのに。 496 00:29:13,550 --> 00:29:16,520 城島君は どうして和菓子職人に? 497 00:29:16,520 --> 00:29:19,060 実家が和菓子屋なんです。 498 00:29:19,060 --> 00:29:22,100 「しまや」って 能登にある 小さな店なんですけど・ 499 00:29:22,100 --> 00:29:24,030 ここには修業に来てて。 500 00:29:24,030 --> 00:29:27,530 だから 早く 一人前になって 親を安心させないと。 501 00:29:27,530 --> 00:29:29,540 和菓子屋の跡取り息子? 502 00:29:29,540 --> 00:29:32,040 ハハっ うちは そんな 大層な あれじゃないんで。 503 00:29:32,040 --> 00:29:33,540 フフフ…。 504 00:29:33,540 --> 00:29:36,040 城島君 髪に餡子 付いてる。 505 00:29:36,040 --> 00:29:39,110 えっ! マジっすか? えっ どこ? 506 00:29:39,110 --> 00:29:40,610 あっ…。 507 00:29:40,610 --> 00:29:44,050 う~わ ハッズ! もう いつからだよ。 508 00:29:44,050 --> 00:29:46,050 ちょっと待って もう一個 付いてる。 509 00:29:46,050 --> 00:29:48,050 えっ? 待って。 510 00:29:50,520 --> 00:29:53,030 あっ ごめん。 ごめん。 511 00:29:53,030 --> 00:29:54,530 おい。 512 00:29:55,530 --> 00:29:57,530 俺の妻だぞ。 513 00:29:59,600 --> 00:30:01,530 すいません 俺 失礼します。 514 00:30:01,530 --> 00:30:03,500 あっ。 515 00:30:03,500 --> 00:30:05,510 ありがとう 城島君。 516 00:30:14,510 --> 00:30:16,550 随分 親しくなったんだな。 517 00:30:16,550 --> 00:30:19,050 別に そんなんじゃ…。 518 00:30:21,020 --> 00:30:23,520 《おや? 今のって・ 519 00:30:23,520 --> 00:30:26,530 焼きもち とか?》 520 00:30:28,530 --> 00:30:31,030 何だ? いえ。 521 00:30:31,030 --> 00:30:34,030 《今は 餡子に集中!》 522 00:30:37,540 --> 00:30:40,570 てっきり…。 えっ。 523 00:30:40,570 --> 00:30:43,010 あんたは出て行くと思ってた。 524 00:30:43,010 --> 00:30:46,050 俺が この店の 正式な跡取りじゃないと知って・ 525 00:30:46,050 --> 00:30:49,550 正直 俺との結婚に 興味が なくなったんじゃないのか? 526 00:30:53,050 --> 00:30:57,520 白藤屋さんに 和菓子を 嫌いになってほしくないから。 527 00:30:57,520 --> 00:31:00,030 あのまま終わりにしたくない。 528 00:31:04,100 --> 00:31:08,030 それに 餡子は私の憧れなの。 529 00:31:08,030 --> 00:31:10,040 憧れ? 530 00:31:10,040 --> 00:31:13,040 小さい頃 私 お気に入りの絵本を・ 531 00:31:13,040 --> 00:31:15,110 親に読んでもらうのが好きだった。 532 00:31:15,110 --> 00:31:17,540 「にばんめ やぎの がらがらどんが…」 533 00:31:17,540 --> 00:31:19,550 (七桜の声) せがむと どんなに忙しくても・ 534 00:31:19,550 --> 00:31:22,080 時間を見つけて読んでくれた。 535 00:31:22,080 --> 00:31:27,050 でも 餡子を作ってる時だけは 違ったの。 536 00:31:27,050 --> 00:31:30,560 餡子の前から 絶対 離れてくれなくて・ 537 00:31:30,560 --> 00:31:33,060 ずっと見詰めてた。 538 00:31:34,560 --> 00:31:37,060 あんたの親も職人だったのか? 539 00:31:37,060 --> 00:31:39,070 えっ? 540 00:31:40,570 --> 00:31:42,600 ううん…。 541 00:31:42,600 --> 00:31:46,610 家で… たまに作ってくれてただけ。 542 00:31:49,040 --> 00:31:51,040 でも・ 543 00:31:51,040 --> 00:31:54,050 おいしい餡子を作る人 だったんだろうな。 544 00:31:56,050 --> 00:32:00,020 餡子は 作る時の気温 火加減 時間・ 545 00:32:00,020 --> 00:32:03,560 その時の状況に 味が すごく左右される。 546 00:32:03,560 --> 00:32:07,130 作る者の感情も例外じゃ ない。 547 00:32:07,130 --> 00:32:11,060 いらついてる時や悲しい時に 作ったものは すぐ分かる。 548 00:32:11,060 --> 00:32:15,070 いわば 自分を映す鏡だ。 549 00:32:18,040 --> 00:32:21,040 「自分を映す…」。 550 00:32:21,040 --> 00:32:26,610 だから 俺は 餡子を作る時…・ 551 00:32:26,610 --> 00:32:29,120 少し怖い。 552 00:32:29,120 --> 00:32:31,520 椿…。 553 00:32:32,550 --> 00:32:35,550 あっ… 差し水 用意しておけ。 554 00:32:35,550 --> 00:32:37,560 はい。 555 00:32:37,560 --> 00:32:50,070 ・~ 556 00:32:52,100 --> 00:32:55,040 小豆のつぶし具合は ちょうどいい。 557 00:32:55,040 --> 00:32:58,040 砂糖の量も間違ってない。 558 00:32:58,040 --> 00:33:00,550 程よい しっとり感もある。 559 00:33:02,010 --> 00:33:04,050 完璧な光月庵の餡子だ。 560 00:33:04,050 --> 00:33:07,550 あ~ よかった~。 561 00:33:07,550 --> 00:33:10,090 でも 何かが足りない。 562 00:33:10,090 --> 00:33:12,630 えっ? 563 00:33:12,630 --> 00:33:16,030 あんた 光月庵の餡子を おいしいと思ってないだろ? 564 00:33:16,030 --> 00:33:17,530 何で? 565 00:33:17,530 --> 00:33:22,030 言ったろ? 「餡子は自分を映す鏡だ」って。 566 00:33:22,030 --> 00:33:25,040 あんたが 本当に おいしいと思う餡子・ 567 00:33:25,040 --> 00:33:27,040 作ってみろよ。 568 00:33:30,980 --> 00:33:32,480 どういうことなの・ 569 00:33:32,480 --> 00:33:34,980 あの子 わが物顔で 厨房を使ってるわよ。 570 00:33:34,980 --> 00:33:37,950 まぁ いいじゃないか それより・ 571 00:33:37,950 --> 00:33:39,990 俺の店のことなんだが…。 572 00:33:39,990 --> 00:33:43,490 そんなこと 自力で何とかしてちょうだい! 573 00:33:43,490 --> 00:33:46,530 ホントに 使えない男。 574 00:33:46,530 --> 00:33:48,030 フッ! 575 00:33:49,600 --> 00:33:52,500 光月庵の最中は もち米で しっとりさせて・ 576 00:33:52,500 --> 00:33:55,000 薄めに焼いてるでしょ? 577 00:33:55,000 --> 00:33:57,970 だから 豆のつぶしを少し緩くして・ 578 00:33:57,970 --> 00:34:00,470 豆の食感を もっと残すのがいいと思う。 579 00:34:00,470 --> 00:34:03,980 それに いい豆を使ってるから 甘さを控えめにして・ 580 00:34:03,980 --> 00:34:05,980 本来のうま味を引き出すの! 581 00:34:05,980 --> 00:34:07,980 甘さ控えめか。 582 00:34:10,080 --> 00:34:12,120 蜂蜜を使うのも ありかもな。 583 00:34:12,120 --> 00:34:14,620 それ 隠し味に使いたい! 584 00:34:16,490 --> 00:34:33,540 ・~ 585 00:34:33,540 --> 00:34:35,070 ・~ できた。 586 00:34:35,070 --> 00:34:39,080 ・~ 587 00:34:52,990 --> 00:34:54,990 どう? 588 00:34:54,990 --> 00:34:58,000 白藤屋さんには・ 589 00:34:58,000 --> 00:35:00,000 この最中を持って行くぞ。 590 00:35:00,000 --> 00:35:02,000 いいの? 591 00:35:02,000 --> 00:35:06,010 この世界で 絶対的なことが何か分かるか? 592 00:35:07,570 --> 00:35:09,580 「おいしい」ってことだ。 593 00:35:15,510 --> 00:35:19,020 (女将) まぁまぁ ホントに いらしたのね~。 594 00:35:19,020 --> 00:35:22,020 もう諦めたのかと 思っておりましたわ。 595 00:35:22,020 --> 00:35:25,020 遅くなって 申し訳ありません。 596 00:35:25,020 --> 00:35:29,030 自信を持って お出しする最中が できたと思います。 597 00:35:33,100 --> 00:35:35,100 (女将) いただきますね。 598 00:35:41,510 --> 00:35:45,480 これ… 本当に七桜さんが お作りになったの? 599 00:35:45,480 --> 00:35:48,480 どうですか? この最中。 600 00:35:48,480 --> 00:35:51,480 全く変わらないわ。 601 00:35:51,480 --> 00:35:57,020 昔から いただいていた 光月庵さんの最中の味ね~。 602 00:35:57,020 --> 00:35:59,590 変わらない? 603 00:35:59,590 --> 00:36:01,460 そんなはずはないと思いますが…。 604 00:36:01,460 --> 00:36:04,560 私には そう思えるけど。 605 00:36:04,560 --> 00:36:07,500 ひと口 よろしいですか? どうぞ。 606 00:36:07,500 --> 00:36:09,500 いただきます。 607 00:36:17,010 --> 00:36:18,540 どうして? 608 00:36:18,540 --> 00:36:20,480 白藤屋さんは・ 609 00:36:20,480 --> 00:36:23,980 最中を予約で注文されたことは ありませんよね? 610 00:36:23,980 --> 00:36:26,990 えっ? 過去の注文を見返してみたんです。 611 00:36:26,990 --> 00:36:31,960 予約は全て 上生菓子中心で 最中は一度もありませんでした。 612 00:36:31,960 --> 00:36:33,960 だから 思ったんです。 613 00:36:33,960 --> 00:36:37,030 白藤屋さんにとって 光月庵の最中は・ 614 00:36:37,030 --> 00:36:40,970 きっと日常の中で ふと急に食べたくなって・ 615 00:36:40,970 --> 00:36:43,970 お店に立ち寄って 買われるものなんじゃないかと。 616 00:36:43,970 --> 00:36:45,970 いつものお茶に合わせて・ 617 00:36:45,970 --> 00:36:49,480 変わらない味に ホッと ひと息つく。 618 00:36:49,480 --> 00:36:51,480 そんな お菓子なのではと。 619 00:36:51,480 --> 00:36:53,480 ええ そう。 620 00:36:53,480 --> 00:36:57,050 本当に そうだわ。 621 00:36:57,050 --> 00:36:59,990 久しぶりに いただいたけど・ 622 00:36:59,990 --> 00:37:05,460 この味 やっぱり おいしいわ~。 623 00:37:05,460 --> 00:37:07,960 光月庵さんのお菓子・ 624 00:37:07,960 --> 00:37:11,960 これからも ずっと いただきたいと思っております。 625 00:37:11,960 --> 00:37:14,500 ありがとうございます。 ありがとうございます。 626 00:37:14,500 --> 00:37:16,540 お2人の結婚式のお着物は・ 627 00:37:16,540 --> 00:37:19,610 ぜひ うちで 仕立ててくださいましね。 628 00:37:19,610 --> 00:37:22,110 ぜひ。 フフフ…。 629 00:37:25,480 --> 00:37:27,980 新しい最中を 持って行かなかったこと・ 630 00:37:27,980 --> 00:37:29,980 怒ってるの? 631 00:37:31,980 --> 00:37:37,490 「餡子は自分を映す鏡だ」って 椿さんが言ってくれたから。 632 00:37:40,460 --> 00:37:43,000 確かに あの餡子には自信があったけど・ 633 00:37:43,000 --> 00:37:45,530 私の勝手な思いも たくさん詰まってた。 634 00:37:45,530 --> 00:37:47,970 白藤屋さんが 本当に望んでいるのは・ 635 00:37:47,970 --> 00:37:50,470 いつもの光月庵の味なんだって・ 636 00:37:50,470 --> 00:37:52,970 椿さんが気付かせてくれたの。 637 00:37:54,470 --> 00:37:58,980 結果的には あんたの判断のほうが 正しかったんだ。 638 00:38:00,480 --> 00:38:03,550 俺は 何も言う権利はない。 639 00:38:03,550 --> 00:38:05,550 ただ…。 640 00:38:07,020 --> 00:38:10,020 どうして ひと言 相談がなかったのか・ 641 00:38:10,020 --> 00:38:12,020 ムカついては いるけどな。 642 00:38:13,490 --> 00:38:16,500 俺が焦るのを見て 優越感に浸りたかったのか? 643 00:38:16,500 --> 00:38:18,960 違う 言ったら反対すると思ったから。 644 00:38:18,960 --> 00:38:21,000 勝手に決めるな。 するでしょ? 645 00:38:21,000 --> 00:38:23,000 最終的には 差し替えたり…。 646 00:38:28,470 --> 00:38:29,980 フッ。 647 00:38:29,980 --> 00:38:32,480 こんなんで結婚式とか・ 648 00:38:32,480 --> 00:38:35,480 白藤屋さんも どうかしてるよな。 649 00:38:37,980 --> 00:38:39,990 だね。 650 00:38:44,520 --> 00:38:47,060 やってみるか。 651 00:38:47,060 --> 00:38:48,490 えっ? 652 00:38:48,490 --> 00:38:51,000 一度 夫婦らしいこと。 653 00:38:53,500 --> 00:39:07,080 ・~ 654 00:39:07,080 --> 00:39:10,120 《これも駆け引きなんだから・ 655 00:39:10,120 --> 00:39:14,120 ドキドキなんて したりしない》 656 00:39:17,490 --> 00:39:22,460 先生 あの子は 一体 何者なんです? 657 00:39:22,460 --> 00:39:25,000 母親譲りの・ 658 00:39:25,000 --> 00:39:27,500 腕のいい和菓子職人ですよ。 659 00:39:27,500 --> 00:39:35,540 ・~ 660 00:39:35,540 --> 00:39:38,080 (女性) あ~ 着物デート かわいいね。 661 00:39:38,080 --> 00:39:40,080 (女性) うん うらやましい。 662 00:39:41,510 --> 00:39:46,020 こんなことで 夫婦や恋人に見えるんだな。 663 00:39:47,020 --> 00:39:49,020 うん。 664 00:39:51,020 --> 00:39:53,530 随分 簡単なものだ。 665 00:39:54,490 --> 00:39:59,030 これも 変わらないものなのかも。 666 00:39:59,030 --> 00:40:01,600 好きだから手をつなぐ。 667 00:40:01,600 --> 00:40:05,470 ずっと変わらないことだから 安心する。 668 00:40:05,470 --> 00:40:09,980 光月庵の餡子も そういうのを大切にしてるのかも。 669 00:40:11,480 --> 00:40:14,480 ねぇ 大旦那様と ちゃんと話をしてみたら? 670 00:40:14,480 --> 00:40:16,980 もしかしたら 分かり合えるかも。 671 00:40:16,980 --> 00:40:19,520 あんた・ 672 00:40:19,520 --> 00:40:22,020 やっぱり 甘ちゃんだな。 673 00:40:27,490 --> 00:40:29,500 椿…。 674 00:40:49,880 --> 00:40:55,850 ・~ 675 00:40:55,850 --> 00:40:59,890 (足音) 676 00:40:59,890 --> 00:41:02,430 白藤屋さんには・ 677 00:41:02,430 --> 00:41:06,930 昔ながらの光月庵の最中を 持って行ったそうだね。 678 00:41:09,330 --> 00:41:16,380 ・~ 679 00:41:16,380 --> 00:41:20,380 どうして あなたが 家族の食事の席にいるの? 680 00:41:20,380 --> 00:41:22,880 私が呼んだんだよ。 681 00:41:22,880 --> 00:41:26,920 白藤屋さんの信頼を 失わずに済んだのは・ 682 00:41:26,920 --> 00:41:28,990 この子のおかげだ。 683 00:41:28,990 --> 00:41:31,390 敬意を払わなければ。 684 00:41:31,390 --> 00:41:32,890 ハァ…。 685 00:41:36,900 --> 00:41:38,900 久しぶり。 686 00:41:41,870 --> 00:41:44,900 誰かと一緒に食卓を囲むなんて・ 687 00:41:44,900 --> 00:41:48,970 ずっと一人だったので うれしいです。 688 00:41:48,970 --> 00:41:50,880 今日は お祝いだ。 689 00:41:50,880 --> 00:41:53,380 酒を持って来てくれ 椿。 690 00:41:53,380 --> 00:41:54,880 はい。 691 00:41:57,850 --> 00:42:01,850 七桜さんは らくがんは作れるのかね? 692 00:42:01,850 --> 00:42:03,890 はい。 693 00:42:03,890 --> 00:42:05,920 まだまだですけど。 694 00:42:05,920 --> 00:42:07,960 らくがんって繊細で・ 695 00:42:07,960 --> 00:42:10,860 ちょっとした力で 簡単に崩れてしまうので・ 696 00:42:10,860 --> 00:42:12,870 熟練の技だと思います。 697 00:42:12,870 --> 00:42:15,370 よく分かっている。 698 00:42:15,370 --> 00:42:17,870 私は らくがんが好きでね。 699 00:42:17,870 --> 00:42:20,370 材料も 作り方もシンプル。 700 00:42:20,370 --> 00:42:23,910 だから 職人のセンスが要求される。 701 00:42:23,910 --> 00:42:28,510 ひと粒に 美しさの全てが詰まってるんだ。 702 00:42:28,510 --> 00:42:33,390 だが 椿は らくがんを 店頭から おろすという。 703 00:42:33,390 --> 00:42:35,890 売れ行きが良くないといって。 704 00:42:35,890 --> 00:42:38,890 ばかな考えだ。 705 00:42:38,890 --> 00:42:41,390 あいつには何にもない。 706 00:42:41,390 --> 00:42:46,400 職人としてのプライドも 和菓子に対する愛も。 707 00:42:46,400 --> 00:42:50,900 愚かで どうしようもないヤツだ。 708 00:42:52,370 --> 00:42:55,370 そんなことないと思います。 709 00:42:55,370 --> 00:42:57,380 椿さんは・ 710 00:42:57,380 --> 00:42:59,880 大旦那様に負けないくらい・ 711 00:42:59,880 --> 00:43:02,380 このお店のことを 大事にしています。 712 00:43:04,850 --> 00:43:07,920 椿のこと・ 713 00:43:07,920 --> 00:43:09,920 愛しているのかね? 714 00:43:11,460 --> 00:43:12,960 はい。 715 00:43:15,360 --> 00:43:17,860 そうか。 716 00:43:17,860 --> 00:43:22,370 愛してるか… うん。 717 00:43:24,370 --> 00:43:26,340 ウソをつくな! (茶わんが転がる音) 718 00:43:26,340 --> 00:43:31,410 お前たちは結婚すると言いながら 部屋も別々ではないか。 719 00:43:31,410 --> 00:43:34,850 私は だまされんぞ! 720 00:43:34,850 --> 00:43:37,350 かつて・ 721 00:43:37,350 --> 00:43:41,850 この家に入り込んで来た女が 2人いた。 722 00:43:41,850 --> 00:43:43,860 1人は・ 723 00:43:43,860 --> 00:43:45,860 この女狐だ。 724 00:43:45,860 --> 00:43:47,860 息子を裏切り・ 725 00:43:47,860 --> 00:43:50,930 何の血のつながりもない 子供を残した。 726 00:43:50,930 --> 00:43:53,370 椿は ちゃんと あの人との…。 727 00:43:53,370 --> 00:43:55,370 黙れ! 728 00:43:55,370 --> 00:43:57,840 もう一人は・ 729 00:43:57,840 --> 00:44:01,840 職人だといって入って来た。 730 00:44:01,840 --> 00:44:04,880 その女は・ 731 00:44:04,880 --> 00:44:07,880 息子の命を奪った。 732 00:44:08,980 --> 00:44:10,980 さくらのお母さん 733 00:44:12,950 --> 00:44:14,350 お前は・ 734 00:44:14,350 --> 00:44:19,260 私から 大切な何を奪うつもりなんだ? 735 00:44:22,860 --> 00:44:24,860 うぅ… うぅ…。 736 00:44:26,370 --> 00:44:29,870 僕の妻を いじめないでもらえますか。 737 00:44:29,870 --> 00:44:33,870 椿さん おじい様に何てことを! 738 00:44:38,880 --> 00:44:41,380 俺の部屋に来い。 739 00:44:42,850 --> 00:44:45,350 今晩から 七桜と部屋を一緒にします。 740 00:44:45,350 --> 00:44:47,850 それで文句ないでしょ? 741 00:44:47,850 --> 00:44:49,860 行くぞ。 742 00:44:49,860 --> 00:44:52,890 お前が ひとを幸せにできるのか? 743 00:44:52,890 --> 00:45:06,870 ・~ 744 00:45:09,370 --> 00:45:12,380 今まで 結婚に反対されていたので・ 745 00:45:12,380 --> 00:45:14,880 遠慮していました。 746 00:45:14,880 --> 00:45:17,380 でも…・ 747 00:45:17,380 --> 00:45:20,890 認めていただけたようで うれしいです。 748 00:45:21,850 --> 00:45:24,960 ありがとうございます おじい様。 749 00:45:24,960 --> 00:45:38,940 ・~ 750 00:45:38,940 --> 00:45:43,440 その女は 息子の命を奪った 751 00:45:44,380 --> 00:45:48,350 《悔しい 何も言い返せなかった》 752 00:45:48,350 --> 00:45:50,350 (はなをすする音) 753 00:45:54,390 --> 00:45:56,860 お前の荷物・ 754 00:45:56,860 --> 00:45:59,360 ホントに少ないな。 755 00:45:59,360 --> 00:46:01,360 うん。 756 00:46:01,360 --> 00:46:17,880 ・~ 757 00:46:17,880 --> 00:46:20,380 ごめん。 758 00:46:20,380 --> 00:46:24,380 話し合えば 分かり合えるとか…・ 759 00:46:24,380 --> 00:46:26,890 簡単に言っちゃって。 760 00:46:28,390 --> 00:46:30,390 ホントに ごめんなさい。 761 00:46:30,390 --> 00:46:42,900 ・~ 762 00:46:42,900 --> 00:46:44,900 ん… ちょっと! 763 00:46:47,370 --> 00:46:49,370 大旦那様も見てないんだし・ 764 00:46:49,370 --> 00:46:51,880 私たちに こういうの必要ないでしょ。 765 00:46:51,880 --> 00:46:54,910 フッ… 何だ。 766 00:46:54,910 --> 00:46:58,980 そういうつもりで来たんだと 思ったけど 違ったのか。 767 00:46:58,980 --> 00:47:00,990 悪かったな。 768 00:47:04,860 --> 00:47:09,360 《何 動揺してるの? 私…》 769 00:47:27,380 --> 00:47:31,380 この部屋 意外と狭いんだね。 770 00:47:31,380 --> 00:47:34,890 子供の頃から変わってないからな。 771 00:47:34,890 --> 00:47:37,860 《あの頃 椿に会うために・ 772 00:47:37,860 --> 00:47:40,390 隠れて来てた部屋だ》 773 00:47:40,390 --> 00:47:42,960 七桜って・ 774 00:47:42,960 --> 00:47:44,960 さくらなんだな。 775 00:47:46,400 --> 00:47:47,870 えっ…。 776 00:47:47,870 --> 00:47:52,370 「七つの桜」。 777 00:47:53,370 --> 00:47:55,870 漢字の話? 778 00:47:55,870 --> 00:48:00,950 昔 この家に さくらって名前の 女の子がいて・ 779 00:48:00,950 --> 00:48:03,880 ここで よく 2人でお菓子を作った。 780 00:48:03,880 --> 00:48:06,850 《覚えてる 椿も》 781 00:48:06,850 --> 00:48:09,860 どんな子だったの? 782 00:48:09,860 --> 00:48:13,860 おとなしくて…・ 783 00:48:13,860 --> 00:48:16,260 泣き虫で。 784 00:48:17,900 --> 00:48:21,870 (椿の声) でも この暗い家の・ 785 00:48:21,870 --> 00:48:24,870 唯一の明かりだった。 786 00:48:24,870 --> 00:48:32,840 ・~ 787 00:48:32,840 --> 00:48:34,850 ・~ あんた…。 788 00:48:34,850 --> 00:48:41,490 ・~ 789 00:48:41,490 --> 00:48:44,360 太陽丘の手だよな。 790 00:48:44,360 --> 00:48:46,860 初めて会った時・ 791 00:48:46,860 --> 00:48:50,860 この手が俺の隣にいたら・ 792 00:48:50,860 --> 00:48:53,870 何か変わるんじゃないかって。 793 00:48:56,870 --> 00:49:00,910 《初対面の男との結婚を 承諾する女なんて・ 794 00:49:00,910 --> 00:49:03,980 利用するだけ すればいいと思った》 795 00:49:03,980 --> 00:49:06,880 《この店の看板だけが 目当ての女なんて・ 796 00:49:06,880 --> 00:49:08,880 今までと 一緒だ》 797 00:49:10,350 --> 00:49:13,350 なのに・ 798 00:49:13,350 --> 00:49:15,920 何で あんたは…。 799 00:49:15,920 --> 00:49:19,930 椿さんは このお店のことを 大事にしています 800 00:49:21,390 --> 00:49:24,400 ハァ… どうかしてるな。 801 00:49:26,870 --> 00:49:28,870 《椿…》 802 00:49:32,870 --> 00:49:34,870 《ダメ…》 803 00:49:36,370 --> 00:49:38,380 《ダメなのに…》 804 00:49:43,920 --> 00:49:46,450 ・~ 805 00:49:46,450 --> 00:49:50,860 《子供の頃と違う私にしたのは・ 806 00:49:50,860 --> 00:49:53,360 椿なのに…》 807 00:49:53,360 --> 00:49:56,360 ・~ 808 00:49:56,360 --> 00:49:59,360 《世界で一番・ 809 00:49:59,360 --> 00:50:01,370 憎いはずなのに…》 810 00:50:03,370 --> 00:50:05,370 《嫌い…》 811 00:50:08,410 --> 00:50:11,340 《大嫌いなのに…》 812 00:50:11,340 --> 00:50:14,850 それで 調べてくれたの? 813 00:50:14,850 --> 00:50:17,350 あの子の素性。 814 00:50:17,350 --> 00:50:24,360 ・~ 815 00:50:24,360 --> 00:50:26,390 「旧姓・ 816 00:50:26,390 --> 00:50:28,930 大倉七桜」。 817 00:50:28,930 --> 00:50:44,340 ・~ 818 00:50:44,340 --> 00:50:49,850 ねぇ 椿… さん。 819 00:50:49,850 --> 00:50:52,380 もし 目の前に・ 820 00:50:52,380 --> 00:50:56,390 さくらって子が現れたら…・ 821 00:50:56,390 --> 00:50:58,390 どうするの? 822 00:51:00,860 --> 00:51:03,860 さくらが目の前に…。 823 00:51:03,860 --> 00:51:07,870 ・~ 824 00:51:07,870 --> 00:51:09,870 消えてもらうよ。 825 00:51:11,870 --> 00:51:14,340 俺の前から・ 826 00:51:14,340 --> 00:51:16,740 永遠に。