1 00:00:01,040 --> 00:00:03,040 (花岡七桜)《15年前・ 2 00:00:03,040 --> 00:00:05,540 老舗和菓子屋 光月庵で起きた・ 3 00:00:05,540 --> 00:00:07,080 当主殺害事件》 4 00:00:07,080 --> 00:00:09,040 (高月今日子) 誰? 誰なの? 5 00:00:10,510 --> 00:00:12,050 (高月 椿) さくらのお母さん。 6 00:00:12,050 --> 00:00:15,580 《椿のひと言で 私は全てを奪われた》 7 00:00:15,580 --> 00:00:18,120 (多喜川 薫) やっと会えましたね 花岡七桜さん。 8 00:00:18,120 --> 00:00:20,120 お母様からの手紙です。 9 00:00:20,120 --> 00:00:22,120 《あの日の真相を知るため…》 10 00:00:23,020 --> 00:00:25,030 名前は? 花岡七桜。 11 00:00:25,030 --> 00:00:27,030 《私は正体を隠したまま・ 12 00:00:27,030 --> 00:00:29,000 椿との結婚を利用して・ 13 00:00:29,000 --> 00:00:31,030 光月庵に乗り込む決意をした》 14 00:00:31,030 --> 00:00:33,000 僕は この人と結婚する。 15 00:00:33,000 --> 00:00:34,540 《待っていたのは…》 16 00:00:34,540 --> 00:00:36,040 疫病神! 17 00:00:36,040 --> 00:00:38,570 《女将からの執拗な嫌がらせ そして…》 18 00:00:38,570 --> 00:00:40,610 (高月宗寿郎) 椿は 光月庵を継げん。 19 00:00:40,610 --> 00:00:43,010 (高月) 私の本当の孫じゃないからな。 20 00:00:43,010 --> 00:00:45,010 《複雑な お家事情》 21 00:00:45,010 --> 00:00:49,520 昔 この家に さくらって名前の 女の子がいて…。 22 00:00:49,520 --> 00:00:53,520 でも この暗い家の 唯一の明かりだった。 23 00:00:53,520 --> 00:00:56,020 《世界で一番憎い人》 24 00:00:56,020 --> 00:01:01,060 《そんな相手と結婚するなんて どうかしてる》 25 00:01:01,060 --> 00:01:03,660 《でも…》 26 00:01:03,660 --> 00:01:06,130 《後戻りはできない》 27 00:01:10,540 --> 00:01:15,040 ねぇ 椿… さん。 28 00:01:16,040 --> 00:01:18,550 もし 目の前に・ 29 00:01:18,550 --> 00:01:22,050 さくらって子が現れたら…・ 30 00:01:22,050 --> 00:01:24,020 どうするの? 31 00:01:27,590 --> 00:01:29,590 消えてもらうよ。 32 00:01:31,530 --> 00:01:33,530 俺の前から・ 33 00:01:33,530 --> 00:01:35,500 永遠に。 34 00:01:37,030 --> 00:01:38,530 どうして? 35 00:01:43,540 --> 00:01:46,540 さくらの母親が・ 36 00:01:46,540 --> 00:01:49,010 父を殺したからだ。 37 00:01:50,580 --> 00:01:52,510 殺した? 38 00:01:52,510 --> 00:01:54,550 見たんだ。 39 00:01:54,550 --> 00:01:57,520 15年前 父が死んだ日。 40 00:01:59,020 --> 00:02:03,060 (椿の声) 庭の椿の花が 満開になった あの日・ 41 00:02:03,060 --> 00:02:06,060 まだ夜も明け切る前…。 42 00:02:06,060 --> 00:02:11,570 さくらの母親と 父が2人でいるところを。 43 00:02:13,100 --> 00:02:15,040 あの日から・ 44 00:02:15,040 --> 00:02:18,040 さくらは明かりじゃなくなった。 45 00:02:18,040 --> 00:02:21,540 真っ暗な闇みたいな…。 46 00:02:24,050 --> 00:02:26,550 憎しみだけになった。 47 00:02:26,550 --> 00:02:32,620 ・~ 48 00:02:32,620 --> 00:02:34,690 こんな話・ 49 00:02:34,690 --> 00:02:37,060 あんたには関係なかったな。 50 00:02:37,060 --> 00:02:40,530 《ママは あの日 旦那様の部屋に行った?》 51 00:02:40,530 --> 00:02:43,060 《2人は そういう関係だったの?》 52 00:02:43,060 --> 00:02:47,540 《そこで何かあって 旦那様を…》 53 00:02:50,040 --> 00:02:52,040 七桜。 54 00:02:55,140 --> 00:02:57,550 やめよう こういうの。 55 00:02:57,550 --> 00:03:01,950 私たち 愛情があるわけじゃないんだし。 56 00:03:05,050 --> 00:03:07,050 そうだな。 57 00:03:11,560 --> 00:03:13,590 《信じない》 58 00:03:13,590 --> 00:03:17,060 《そんなこと 私は信じない!》 59 00:03:21,070 --> 00:03:24,040 《私が さくらだってことは・ 60 00:03:24,040 --> 00:03:26,540 絶対 知られちゃいけない》 61 00:03:29,140 --> 00:03:32,110 それで 調べてくれたの? 62 00:03:32,110 --> 00:03:35,080 あの子の素性 63 00:03:35,080 --> 00:03:37,120 「旧姓・ 64 00:03:37,120 --> 00:03:39,620 大倉七桜」 65 00:03:47,560 --> 00:03:52,530 (花を切る音) 66 00:03:56,540 --> 00:03:59,540 あっ…。 今日は早いんだな。 67 00:03:59,540 --> 00:04:01,940 おはよう 椿さん。 68 00:04:04,110 --> 00:04:06,610 椿に抱かれたの? 69 00:04:07,650 --> 00:04:09,550 おはよう 七桜さん。 70 00:04:09,550 --> 00:04:11,050 お義母様…。 71 00:04:11,050 --> 00:04:15,020 ねぇ 七桜さん 後で手伝ってくれないかしら。 72 00:04:15,020 --> 00:04:17,530 タンスから出したいものが あるんだけど・ 73 00:04:17,530 --> 00:04:20,030 荷物が多くて 困ってるの。 74 00:04:20,030 --> 00:04:22,530 もちろんです お義母様。 75 00:04:22,530 --> 00:04:24,070 フフ…。 76 00:04:24,070 --> 00:04:28,500 お嫁さんになる七桜さんに ぜひ着てもらいたいの。 77 00:04:28,500 --> 00:04:32,510 光月庵に代々伝わる着物よ。 78 00:04:32,510 --> 00:04:34,040 でも…。 79 00:04:34,040 --> 00:04:36,010 《針でも入ってる?》 80 00:04:36,010 --> 00:04:37,510 フッ。 81 00:04:41,520 --> 00:04:44,590 ハッ! ハァ ハァ…。 82 00:04:44,590 --> 00:04:46,050 《真っ赤な椿》 83 00:04:48,620 --> 00:04:52,030 ハァ ハァ… すいません…。 84 00:04:52,030 --> 00:04:55,000 私には 着られません。 85 00:04:56,030 --> 00:04:57,530 そんなことないわ。 86 00:04:57,530 --> 00:05:01,040 黒髪に とっても似合ってる。 87 00:05:01,040 --> 00:05:04,040 でも…。 ねぇ 七桜さん。 88 00:05:04,040 --> 00:05:06,540 あなたのお母様って・ 89 00:05:06,540 --> 00:05:09,080 どうしていらっしゃるの? 90 00:05:09,080 --> 00:05:12,010 母は…・ 91 00:05:12,010 --> 00:05:14,050 亡くなりました。 92 00:05:14,050 --> 00:05:16,020 事故で。 93 00:05:16,020 --> 00:05:18,520 いつ? どこで? 94 00:05:18,520 --> 00:05:20,520 それは…。 95 00:05:20,520 --> 00:05:22,020 フフ…。 96 00:05:22,020 --> 00:05:25,030 ホ~ント うぶね。 97 00:05:25,030 --> 00:05:28,560 体も ウソも。 98 00:05:28,560 --> 00:05:30,130 やめて…。 99 00:05:30,130 --> 00:05:32,500 ずっと思ってたの。 100 00:05:32,500 --> 00:05:35,000 この黒髪・ 101 00:05:35,000 --> 00:05:37,040 見覚えがあるって。 102 00:05:37,040 --> 00:05:39,540 ハァ ハァ… ハッ! 103 00:05:39,540 --> 00:05:44,010 病弱そうな 白い肌も。 104 00:05:44,010 --> 00:05:47,050 ねぇ 教えてちょうだい。 105 00:05:47,050 --> 00:05:51,120 あなたは どこで育ったの? 106 00:05:51,120 --> 00:05:55,090 15年前 どこにいたの? 107 00:05:59,030 --> 00:06:07,400 ・~ 108 00:06:09,540 --> 00:06:11,010 さく…。 109 00:06:11,010 --> 00:06:14,010 (城島) あの! お話し中 すみません。 110 00:06:14,010 --> 00:06:17,080 取り込み中よ 後にしてちょうだい! 111 00:06:17,080 --> 00:06:20,110 でも その… いらしてるんです。 112 00:06:20,110 --> 00:06:22,550 七桜さんの母親だっていう方が。 113 00:06:22,550 --> 00:06:24,520 えっ? 114 00:06:26,020 --> 00:06:28,020 《一体 誰?》 115 00:06:28,020 --> 00:06:42,000 ・~ 116 00:07:00,050 --> 00:07:03,090 (夕子) 七桜! よかった~! 117 00:07:03,090 --> 00:07:05,130 やっと会えた。 118 00:07:05,130 --> 00:07:08,600 もう この子は心配掛けて…。 119 00:07:10,030 --> 00:07:12,030 あっ ホント・ 120 00:07:12,030 --> 00:07:14,030 突然 押し掛けて すいません。 121 00:07:14,030 --> 00:07:16,040 私・ 122 00:07:16,040 --> 00:07:18,040 花岡夕子と申します。 123 00:07:18,040 --> 00:07:20,540 花岡夕子さん。 124 00:07:20,540 --> 00:07:24,080 あっ あの… これ よかったら。 125 00:07:24,080 --> 00:07:26,610 故郷の輪島の芽かぶ茶です。 126 00:07:26,610 --> 00:07:28,150 輪島? 127 00:07:28,150 --> 00:07:30,550 七桜も そこで産んで 育てたんです。 128 00:07:30,550 --> 00:07:34,520 でも 私が母親として だらしがなくって・ 129 00:07:34,520 --> 00:07:36,560 七桜は嫌気が差したんでしょう。 130 00:07:36,560 --> 00:07:40,030 18の時に家を出たまま ずっと音信不通で…。 131 00:07:40,030 --> 00:07:42,030 お恥ずかしいことに・ 132 00:07:42,030 --> 00:07:45,030 結婚のことも 親戚から聞いたんです。 133 00:07:46,570 --> 00:07:48,600 ごめんね 七桜。 134 00:07:48,600 --> 00:07:53,040 でも よかった 幸せにやってるみたいで。 135 00:07:53,040 --> 00:07:55,540 母さん うれしい! フフフ…。 136 00:07:55,540 --> 00:07:59,050 七桜さんは 「母親は事故で亡くなった」・ 137 00:07:59,050 --> 00:08:01,420 …と言ってましたけど。 えっ。 138 00:08:04,050 --> 00:08:05,520 すいません。 139 00:08:05,520 --> 00:08:09,590 私 親とは縁を切る覚悟で 家を出たので・ 140 00:08:09,590 --> 00:08:12,530 つい そう言ってしまったんです。 141 00:08:12,530 --> 00:08:16,530 だから さっきの質問にも ちゃんと答えられなくて。 142 00:08:17,530 --> 00:08:20,530 15年前に こだわって らっしゃいましたけど・ 143 00:08:20,530 --> 00:08:22,540 何かあったんですか? 144 00:08:22,540 --> 00:08:24,040 別に。 145 00:08:24,040 --> 00:08:26,540 お義母さん ご安心ください。 146 00:08:26,540 --> 00:08:30,110 七桜さんのことは 私が幸せにします。 147 00:08:30,110 --> 00:08:32,610 必ず。 148 00:08:34,550 --> 00:08:36,520 椿さん。 149 00:08:38,550 --> 00:08:43,020 信じたわけじゃないわよね? あの子の言ったこと。 150 00:08:45,060 --> 00:08:48,060 そうだ 僕たちの結婚式・ 151 00:08:48,060 --> 00:08:50,100 来月の25日にしようと思って。 152 00:08:50,100 --> 00:08:52,130 何 言って…。 153 00:08:52,130 --> 00:08:54,570 25日って その日は…。 154 00:08:54,570 --> 00:08:56,570 何か? 155 00:08:56,570 --> 00:09:01,480 どうして そんなに こだわるの? あの子との結婚に。 156 00:09:03,040 --> 00:09:06,050 あんな得体の知れない子…。 157 00:09:06,050 --> 00:09:08,580 まさか・ 158 00:09:08,580 --> 00:09:11,590 本気で愛してるとか ないでしょ? 159 00:09:15,060 --> 00:09:16,520 椿さん! 160 00:09:18,060 --> 00:09:21,060 私は信じないわよ。 161 00:09:21,060 --> 00:09:23,060 あの目・ 162 00:09:23,060 --> 00:09:26,070 あれは あの女の目よ。 163 00:09:26,070 --> 00:09:28,040 許さない…。 164 00:09:29,600 --> 00:09:32,140 絶対に正体を暴いて・ 165 00:09:32,140 --> 00:09:35,610 ここから追い出してやる! 166 00:09:37,550 --> 00:09:40,050 待って! 待ってください! 167 00:09:40,050 --> 00:09:41,550 誰なんですか? 168 00:09:41,550 --> 00:09:43,550 私の母親だなんてウソ どうして…。 169 00:09:43,550 --> 00:09:47,560 悪いけど 望む答えなら あげられないわよ。 170 00:09:47,560 --> 00:09:49,560 私は ただ頼まれただけだから。 171 00:09:49,560 --> 00:09:52,060 頼まれた? そう。 172 00:09:52,060 --> 00:09:55,130 店の常連客にね 人助けだからって。 173 00:09:55,130 --> 00:09:59,030 まぁ ちょっとばかり お小遣い もらったけど。 174 00:09:59,030 --> 00:10:02,040 実際 あんたも 助かった感じでしょ? 175 00:10:02,040 --> 00:10:04,540 誰が そんな…。 176 00:10:04,540 --> 00:10:07,140 私に そんなこと してくれる人なんて…。 177 00:10:07,140 --> 00:10:09,110 お母様のお菓子のファンです 178 00:10:11,050 --> 00:10:12,510 待ってください! 179 00:10:12,510 --> 00:10:14,580 その人って 男の人ですか? 180 00:10:14,580 --> 00:10:16,580 30代くらいで ヒゲの…。 181 00:10:16,580 --> 00:10:18,620 会わせていただけませんか? その人に。 182 00:10:18,620 --> 00:10:20,550 お願いします! 私 どこでも行きますから! 183 00:10:20,550 --> 00:10:24,060 面倒は ごめんなんだよ。 お願い! お願いします! 184 00:10:24,060 --> 00:10:26,030 だからさ…。 185 00:10:26,030 --> 00:10:28,030 お願いします! 186 00:10:28,030 --> 00:10:29,530 ちょっと! 187 00:10:29,530 --> 00:10:31,530 お願いします・ 188 00:10:32,530 --> 00:10:34,070 ったく! 189 00:10:34,070 --> 00:10:36,600 残業代 もらわなきゃ。 190 00:10:36,600 --> 00:10:38,640 えっ…。 191 00:10:38,640 --> 00:10:40,540 店は6時からよ。 192 00:10:40,540 --> 00:10:43,040 客として来るのは 止められないから。 193 00:10:43,040 --> 00:10:47,010 会えるかどうかまでは 責任持てないけどね。 194 00:10:49,050 --> 00:10:51,020 ありがとうございます! 195 00:10:51,020 --> 00:10:54,050 今日から行きます 会えるまで行きます! 196 00:10:54,050 --> 00:11:03,560 ・~ 197 00:11:03,560 --> 00:11:06,030 随分 長い見送りだな。 198 00:11:07,530 --> 00:11:11,540 ホント 久しぶりだったから 話が尽きなくて。 199 00:11:11,540 --> 00:11:14,540 お義母さんにも 来てもらわないとな。 200 00:11:14,540 --> 00:11:17,040 俺たちの結婚式。 201 00:11:17,040 --> 00:11:18,580 うん。 202 00:11:18,580 --> 00:11:21,650 《よかった ごまかせたんだ》 203 00:11:21,650 --> 00:11:25,650 式で出したいお菓子があるんだ。 お菓子? 204 00:11:27,090 --> 00:11:29,590 店に代々伝わるお菓子。 205 00:11:29,590 --> 00:11:32,060 菓子帳が 奥の部屋で眠ってる。 206 00:11:35,530 --> 00:11:38,030 こんな部屋あったんだ。 207 00:11:38,030 --> 00:11:41,540 式は 来月の25日にしようか。 208 00:11:43,140 --> 00:11:45,540 仏滅だけど。 209 00:11:45,540 --> 00:11:47,010 えっ? 210 00:11:48,040 --> 00:11:52,050 俺たちに ふさわしい日柄だろ? 211 00:11:52,050 --> 00:11:54,050 さっき 女将に言われたよ。 212 00:11:54,050 --> 00:11:57,550 七桜のこと 信じたのかって。 213 00:11:57,550 --> 00:12:01,420 やっぱり あの人は 俺のこと何も分かってない。 214 00:12:05,660 --> 00:12:09,560 俺は 信用ならないヤツは 手元に置いとく主義なんだ。 215 00:12:09,560 --> 00:12:12,530 《この人は そんなに甘くない》 216 00:12:14,030 --> 00:12:16,540 お前の目的は何だ? 217 00:12:16,540 --> 00:12:20,010 どうして あの時 結婚するって言ったんだ? 218 00:12:23,040 --> 00:12:25,610 椿さんと結婚すれば・ 219 00:12:25,610 --> 00:12:29,050 ずっと お菓子が作れると 思ったから。 220 00:12:29,050 --> 00:12:33,550 お菓子が好きで ただ お菓子が作りたくて…。 221 00:12:35,520 --> 00:12:38,030 じゃあ…・ 222 00:12:38,030 --> 00:12:40,060 ここは 宝の山だぞ。 223 00:12:40,060 --> 00:12:42,030 えっ? 224 00:12:42,030 --> 00:12:44,060 (戸が開く音) 225 00:12:44,060 --> 00:12:45,600 ちょっと! 226 00:12:45,600 --> 00:12:47,630 (戸をたたく音) 椿さん! 227 00:12:47,630 --> 00:12:49,540 何するのよ 椿さん! 228 00:12:49,540 --> 00:12:52,540 椿さん! 椿さん! 229 00:12:52,540 --> 00:12:55,040 (長谷由香莉) ・新しい着物を 作ってくれるの?・ 230 00:12:55,040 --> 00:12:57,540 (長谷健造) 2人とも 訪問着が古くなっていただろう。 231 00:12:57,540 --> 00:12:59,510 (由香莉) うれしい! 232 00:12:59,510 --> 00:13:03,050 あっ 私 辻が花がいいわ。 233 00:13:03,050 --> 00:13:06,090 (長谷沙織) 私は菊。 (由香莉:沙織) フフフ…。 234 00:13:06,090 --> 00:13:08,620 (長谷房枝) 栞は? 235 00:13:08,620 --> 00:13:10,020 (長谷 栞) 私は…。 236 00:13:10,020 --> 00:13:12,530 (長谷) 栞は 次の見合いが決まってからだ。 237 00:13:12,530 --> 00:13:15,530 (房枝) 光月庵さんとのことが あったばかりなのに…。 238 00:13:15,530 --> 00:13:19,570 何の取りえもないんだから お前は早く嫁に行ったほうがいい。 239 00:13:19,570 --> 00:13:22,040 (房枝) そんな…。 240 00:13:22,040 --> 00:13:26,040 いいの お父様の言う通りだから。 241 00:13:30,640 --> 00:13:32,050 誰か! 242 00:13:32,050 --> 00:13:34,010 誰か いませんか? 243 00:13:37,050 --> 00:13:39,550 《あれから どれくらい たったんだろう?》 244 00:13:39,550 --> 00:13:43,560 《もう6時は とっくに過ぎてるよね》 245 00:13:51,630 --> 00:13:53,600 こんなに たくさん・ 246 00:13:56,070 --> 00:13:59,570 子供用かな? かわいい! 247 00:13:59,570 --> 00:14:02,480 確かに 宝の山。 248 00:14:05,550 --> 00:14:07,580 《菓子帳も こんなに》 249 00:14:07,580 --> 00:14:10,580 《使わなくなったものかな》 250 00:14:10,580 --> 00:14:15,160 《これだけ新しい 「平成十七年」》 251 00:14:15,160 --> 00:14:17,620 《15年前》 252 00:14:19,060 --> 00:14:21,060 これ…。 253 00:14:21,060 --> 00:14:23,560 ママの字…。 254 00:14:28,070 --> 00:14:30,070 桜? 255 00:14:30,070 --> 00:14:32,570 これも桜。 256 00:14:34,070 --> 00:14:37,080 こっちも桜のお菓子。 257 00:14:39,750 --> 00:14:41,650 (百合子)私は何も知りません 258 00:14:41,650 --> 00:14:45,120 私は ただ お菓子を作ってただけで… 259 00:14:46,050 --> 00:14:48,090 《どうして 一瞬でも・ 260 00:14:48,090 --> 00:14:51,090 ママのことを 疑ったりしたんだろう》 261 00:14:51,090 --> 00:14:55,160 《このままじゃ この暗い物置に 封印されてしまう》 262 00:14:55,160 --> 00:14:59,130 《まるで そんな職人 いなかったみたいに》 263 00:14:59,130 --> 00:15:01,130 見たんだ 264 00:15:01,130 --> 00:15:06,070 さくらの母親と 父が2人でいるところを 265 00:15:06,070 --> 00:15:08,680 《それが本当なら…》 266 00:15:08,680 --> 00:15:12,150 どうして… どうして こんなことに…・ 267 00:15:12,150 --> 00:15:13,710 《女将にも・ 268 00:15:13,710 --> 00:15:16,180 旦那様を殺す動機がある》 269 00:15:17,550 --> 00:15:21,590 《ここから出なくちゃ 何が何でも!》 270 00:15:21,590 --> 00:15:23,060 夕飯だ。 271 00:15:24,590 --> 00:15:26,560 七桜…。 272 00:15:27,560 --> 00:15:29,060 おい。 273 00:15:32,530 --> 00:15:34,530 何のまねだ? 274 00:15:35,600 --> 00:15:37,140 うっ…。 275 00:15:37,140 --> 00:15:42,540 ・~ 276 00:15:42,540 --> 00:15:45,550 《行かなきゃ 夕子さんのお店に》 277 00:15:45,550 --> 00:15:50,550 ・~ 278 00:15:50,550 --> 00:15:52,550 えっ・ 279 00:15:52,550 --> 00:15:55,020 七桜! (つぼが割れる音) 280 00:15:55,020 --> 00:16:02,630 ・~ 281 00:16:02,630 --> 00:16:05,030 椿・ 椿! 282 00:16:05,030 --> 00:16:09,040 椿! 椿…。 283 00:16:11,570 --> 00:16:19,050 ・~ 284 00:16:19,050 --> 00:16:24,080 (はなをすする音) 285 00:16:24,080 --> 00:16:26,050 (泣き声) 286 00:16:26,050 --> 00:16:28,060 何 泣いてるんだ。 287 00:16:29,620 --> 00:16:31,660 だって…。 288 00:16:31,660 --> 00:16:39,070 ・~ 289 00:16:39,070 --> 00:16:42,570 別に お前を助けたわけじゃ ない。 290 00:16:42,570 --> 00:16:46,040 弱みを握られたくなかっただけだ。 291 00:16:46,040 --> 00:16:49,040 椿さん! あぁ…。 292 00:16:49,040 --> 00:16:52,580 何があったの? 一体。 293 00:16:52,580 --> 00:16:54,610 そんなこと・ 294 00:16:54,610 --> 00:16:57,620 あなたが 一番よく知ってるじゃ ないですか。 295 00:17:01,560 --> 00:17:06,060 別に… 大丈夫なら いいのよ。 296 00:17:11,060 --> 00:17:12,570 (障子が閉まる音) 297 00:17:12,570 --> 00:17:14,070 お前も 感づいてるだろ。 298 00:17:14,070 --> 00:17:17,070 十中八九 あの人の仕業だ。 299 00:17:18,140 --> 00:17:21,540 (椿の声) 俺たちの結婚を 妨害するためにやったんだ。 300 00:17:21,540 --> 00:17:24,080 お前を狙って。 301 00:17:24,080 --> 00:17:26,550 そんなことしてまで…。 302 00:17:26,550 --> 00:17:29,550 どんな手を使ってでも 追い出すつもりだろうな。 303 00:17:31,050 --> 00:17:35,060 おとなしく あの部屋にいれば こんなことにならずに済んだんだ。 304 00:17:35,060 --> 00:17:37,090 えっ! 305 00:17:37,090 --> 00:17:39,090 待って…。 306 00:17:39,090 --> 00:17:43,030 もしかして 私をあの部屋から 出さなかったのって・ 307 00:17:43,030 --> 00:17:45,530 私を守るため? 308 00:17:45,530 --> 00:17:48,040 だったら そう言ってよ! 309 00:17:48,040 --> 00:17:50,040 何をだ? 310 00:17:50,040 --> 00:17:53,540 「お前のためだ」とか そう言ってくれればいいじゃない。 311 00:17:53,540 --> 00:17:57,040 悪かったな こんな方法しか思い付かなくて。 312 00:17:57,040 --> 00:18:01,620 まぁ お前の逃げ方も どうかと思うけどな。 313 00:18:01,620 --> 00:18:03,080 えっ…。 314 00:18:05,020 --> 00:18:06,520 えっ! 315 00:18:08,060 --> 00:18:10,520 とにかく・ 316 00:18:10,520 --> 00:18:13,030 お前は俺のそばにいろ。 317 00:18:16,060 --> 00:18:18,030 ねぇ 知ってる? 318 00:18:18,030 --> 00:18:20,070 毒を持った蝶は・ 319 00:18:20,070 --> 00:18:23,140 幼虫の時に食べた草から・ 320 00:18:23,140 --> 00:18:27,140 毒素を蓄えて 成虫になるそうよ。 321 00:18:28,540 --> 00:18:32,550 あなたなんでしょ? 余計なことをしたのは。 322 00:18:32,550 --> 00:18:36,550 椿さんには この店を 継いでもらわなきゃならないの。 323 00:18:36,550 --> 00:18:40,050 単独行動は やめてちょうだい。 324 00:18:41,560 --> 00:18:43,620 (安部) 椿さん・ 325 00:18:43,620 --> 00:18:45,660 (杉田) どうしたんすか? その手。 326 00:18:45,660 --> 00:18:47,060 ちょっと不注意で…。 327 00:18:47,060 --> 00:18:49,030 大したことありません。 328 00:18:51,060 --> 00:18:53,570 (山口) 椿さん。 はい。 329 00:18:53,570 --> 00:18:56,540 (山口) 実は 来週の日曜・ 330 00:18:56,540 --> 00:18:59,040 五月雨亭で茶会が開かれるそうで。 331 00:18:59,040 --> 00:19:01,070 椿さんに 茶菓子をお願いしたいって・ 332 00:19:01,070 --> 00:19:04,140 さっき 依頼があったんです あの草薫会から。 333 00:19:04,140 --> 00:19:07,550 (安部) 草薫会… えっ 草薫会・ マジ 草薫会っすか・ 334 00:19:07,550 --> 00:19:09,550 えっ 何なんですか? 草薫会って。 335 00:19:09,550 --> 00:19:12,050 金沢では屈指の茶道の流派で・ 336 00:19:12,050 --> 00:19:16,060 そこにお菓子を出せることは 職人にとって自信と誇りになるの。 337 00:19:16,060 --> 00:19:20,060 (山口) 以前 椿さんが作った お菓子を気に入られたみたいで。 338 00:19:20,060 --> 00:19:23,100 この後 ご挨拶に来るって 言ってたんですが…。 339 00:19:23,100 --> 00:19:24,630 お~ すげぇじゃないっすか! 340 00:19:24,630 --> 00:19:26,570 (富岡) そう簡単な話じゃねえよ。 341 00:19:26,570 --> 00:19:29,540 (富岡) 下手なお菓子を出せば 茶会は台無しだ。 342 00:19:29,540 --> 00:19:32,540 光月庵の評判は 一気に落ちる。 343 00:19:32,540 --> 00:19:36,580 うちの大旦那様も 招かれてるはずだから・ 344 00:19:36,580 --> 00:19:39,080 恥をかかしたら大変だよ。 345 00:19:39,080 --> 00:19:41,580 なぁ 椿さん。 346 00:19:45,620 --> 00:19:47,620 俺が代わりに作ってやろうか? 347 00:19:52,560 --> 00:19:55,560 このたびは 大事な茶事の お菓子の注文をいただき・ 348 00:19:55,560 --> 00:19:57,560 ありがとうございます。 349 00:19:57,560 --> 00:20:02,040 (柴本) 実は 私 亭主を務めるのは初めてなんです。 350 00:20:02,040 --> 00:20:04,570 茶事の一切を取り仕切る上に・ 351 00:20:04,570 --> 00:20:08,580 今回は 師匠である父が 正客なんですよ。 352 00:20:08,580 --> 00:20:10,640 正客? 353 00:20:10,640 --> 00:20:13,050 茶会における最上位の客だ。 354 00:20:13,050 --> 00:20:16,050 失敗はできないので とても不安でした。 355 00:20:16,050 --> 00:20:19,520 でも 光月庵さんのお菓子を 出せるのなら・ 356 00:20:19,520 --> 00:20:21,520 自信が湧いて来そうで。 357 00:20:23,560 --> 00:20:29,100 《「作りたい」って 全身で言ってる 自分のお菓子を》 358 00:20:29,100 --> 00:20:31,460 どうか されましたか? 359 00:20:33,530 --> 00:20:35,040 申し訳…。 360 00:20:35,040 --> 00:20:37,040 大丈夫です。 361 00:20:37,040 --> 00:20:39,040 お任せください。 362 00:20:39,040 --> 00:20:41,540 よろしくお願いします。 363 00:20:41,540 --> 00:20:44,040 どういうつもりだ? 白藤屋さんの時のように・ 364 00:20:44,040 --> 00:20:46,550 恥をかかせるつもりか? 違う! 365 00:20:46,550 --> 00:20:50,050 私が手伝うから やってください。 366 00:20:51,650 --> 00:20:55,020 愛する将来の旦那様のために 頑張りたいって? 367 00:20:55,020 --> 00:20:58,060 この店を立て直すんでしょ? 368 00:20:58,060 --> 00:21:00,530 私も その力になりたいの。 369 00:21:00,530 --> 00:21:04,530 《全ては あの日の真実を知るために》 370 00:21:04,530 --> 00:21:09,540 お前に託すからには やってもらいたいことがある。 371 00:21:09,540 --> 00:21:11,610 何? 372 00:21:11,610 --> 00:21:13,610 まずは着替えろ。 373 00:21:13,610 --> 00:21:15,610 えっ? 374 00:21:18,550 --> 00:21:21,550 茶会での主役は お菓子じゃ ない。 375 00:21:21,550 --> 00:21:25,020 お茶を引き立てる小道具だ。 376 00:21:25,020 --> 00:21:29,020 お茶を知らずに 茶席のお菓子は作れない。 377 00:21:29,020 --> 00:21:31,520 だから あんたには覚えてもらう。 378 00:21:31,520 --> 00:21:33,560 覚えるって? 379 00:21:33,560 --> 00:21:35,630 お茶だ。 380 00:21:35,630 --> 00:21:39,130 俺の見てる世界を あんたにも見てもらう。 381 00:21:40,070 --> 00:21:42,040 茶室に入ったら・ 382 00:21:42,040 --> 00:21:44,040 まずは掛け軸に 一礼だ。 383 00:21:44,040 --> 00:21:54,550 ・~ 384 00:21:54,550 --> 00:21:57,620 神聖な床の間に飾られる 掛け軸は・ 385 00:21:57,620 --> 00:22:01,050 茶室を形作る 最も大事な道具だ。 386 00:22:01,050 --> 00:22:04,520 この掛け軸は どんな意味があるの? 387 00:22:05,530 --> 00:22:07,530 (高月) ・何だ・ 388 00:22:07,530 --> 00:22:09,530 ネズミが2匹も入り込んでるな。 389 00:22:09,530 --> 00:22:12,030 大旦那様。 すぐに片付けます。 390 00:22:12,030 --> 00:22:14,070 まぁ いいじゃないか。 391 00:22:14,070 --> 00:22:17,540 久しぶりに お前のたてた茶をいただこう。 392 00:22:19,610 --> 00:22:23,040 えっ! 椿さんと七桜さんの結婚式 来月なんですか? 393 00:22:23,040 --> 00:22:24,580 ああ。 394 00:22:24,580 --> 00:22:27,550 草薫会の後は その準備で忙しくなるぞ。 395 00:22:27,550 --> 00:22:29,050 はい。 396 00:22:29,050 --> 00:22:32,050 (安部) あれ? でも 確か 7月25日って・ 397 00:22:32,050 --> 00:22:35,590 毎年 大旦那様が常連客を招いて 茶会 開いてませんでしたっけ? 398 00:22:35,590 --> 00:22:38,090 あっ 「夕ざりの茶事」! 399 00:22:38,090 --> 00:22:41,660 結婚式と重なるなら そっちには誰も行かないんじゃ…。 400 00:22:41,660 --> 00:22:43,560 はっは~ やってんな これ。 401 00:22:43,560 --> 00:22:46,100 椿さん わざと その日に したんじゃねえの? 402 00:22:46,100 --> 00:22:48,070 えっ 何で そんなことするんですか? 403 00:22:48,070 --> 00:22:50,040 当て付けに決まってんだろ! 404 00:22:53,570 --> 00:22:56,080 《流れるような指さばき》 405 00:22:56,080 --> 00:23:00,550 《しなやかで 丁寧で キレイ》 406 00:23:04,550 --> 00:23:08,050 草薫会の茶事・ 407 00:23:08,050 --> 00:23:11,560 私も客として呼ばれているんだが。 408 00:23:13,060 --> 00:23:16,560 お菓子を食べることは なさそうだな。 409 00:23:20,070 --> 00:23:23,140 そんな… どうして言い切れるんですか? 410 00:23:23,140 --> 00:23:27,070 偽りの心を持つ者が 作ったものを・ 411 00:23:27,070 --> 00:23:29,040 食べる気には ならん。 412 00:23:35,650 --> 00:23:38,120 このウソつきが・ 413 00:23:39,590 --> 00:23:41,550 作るよね? 414 00:23:42,620 --> 00:23:47,160 大旦那様が 食べずには いられなくなるような お菓子。 415 00:23:47,160 --> 00:23:49,560 作るお菓子は もう決まってる。 416 00:23:49,560 --> 00:23:51,530 何? 417 00:23:51,530 --> 00:23:53,570 「落とし文」だ。 418 00:23:53,570 --> 00:23:57,070 待って 「落とし文」は 定番のものとしてはいいけど・ 419 00:23:57,070 --> 00:23:59,070 それよりも もっと華やかな…。 420 00:23:59,070 --> 00:24:01,040 それが 亭主の希望だ。 421 00:24:01,040 --> 00:24:04,610 お前なら分かるだろ あれが どんな意味か。 422 00:24:04,610 --> 00:24:07,180 「落とし文」は…。 423 00:24:07,180 --> 00:24:09,550 オトシブミっていう昆虫が・ 424 00:24:09,550 --> 00:24:12,550 葉に卵を産み付けることを 模した和菓子で・ 425 00:24:12,550 --> 00:24:15,560 親の愛を伝える 意味を持ってる。 426 00:24:15,560 --> 00:24:19,560 茶会が開かれるのは 6月の第3日曜日。 427 00:24:19,560 --> 00:24:21,530 父の日だ。 428 00:24:21,530 --> 00:24:23,560 そっか。 429 00:24:23,560 --> 00:24:25,100 でも…。 430 00:24:25,100 --> 00:24:27,130 安心しろ。 431 00:24:27,130 --> 00:24:29,640 大旦那の嫌みには慣れてる。 432 00:24:34,040 --> 00:24:36,040 《椿は みんなに愛されて・ 433 00:24:36,040 --> 00:24:40,050 幸せな毎日を送ってたんだと 思ってた》 434 00:24:40,050 --> 00:24:42,050 《ホントは 椿も・ 435 00:24:42,050 --> 00:24:45,050 ずっと心を殺して 生きて来たの?》 436 00:24:53,630 --> 00:24:55,090 あいつ…。 437 00:24:56,560 --> 00:24:59,070 (城島) あっ おはようございます。 七桜 ここに来てませんか? 438 00:24:59,070 --> 00:25:01,570 いえ まだ いらしてません。 439 00:25:01,570 --> 00:25:03,570 そうですか。 440 00:25:03,570 --> 00:25:07,070 へぇ~ あの人でも あんなに焦ったりするんですね。 441 00:25:20,050 --> 00:25:22,060 「落とし文」? 442 00:25:22,060 --> 00:25:25,060 ごめんなさい すぐ片付けます。 443 00:25:27,060 --> 00:25:30,060 どんな「落とし文」がいいか 考えてたら 眠れなくて。 444 00:25:30,060 --> 00:25:33,070 茶室なら イメージ湧くかなって。 445 00:25:33,070 --> 00:25:36,600 あっ それは さっき思い付いたの。 446 00:25:36,600 --> 00:25:38,140 椿さんの技術があれば・ 447 00:25:38,140 --> 00:25:40,540 線を多くしても キレイだと思って。 448 00:25:40,540 --> 00:25:43,040 ひと晩中 これを考えてたのか? 449 00:25:43,040 --> 00:25:45,040 うん。 450 00:25:48,050 --> 00:25:50,520 眠くなっても知らないぞ。 451 00:25:52,050 --> 00:25:54,050 さっさと行くぞ。 452 00:25:54,050 --> 00:25:56,020 はい! 453 00:25:59,060 --> 00:26:01,030 違う! そうじゃ ない。 454 00:26:01,030 --> 00:26:03,030 どうして そこに線を入れるんだ? 455 00:26:03,030 --> 00:26:05,030 このほうが 葉っぱらしく見えるんじゃない? 456 00:26:05,030 --> 00:26:08,070 ごちゃついて見えるだろ。 そうかな? 457 00:26:08,070 --> 00:26:11,040 色粉を取って来る 続けろ。 458 00:26:11,040 --> 00:26:13,070 はい。 459 00:26:13,070 --> 00:26:14,610 (城島) う~わ~! 460 00:26:14,610 --> 00:26:18,040 随分 作りましたね。 城島君。 461 00:26:18,040 --> 00:26:20,550 納得行くものが なかなか作れなくて。 462 00:26:20,550 --> 00:26:22,550 椿さん 線に こだわるから。 463 00:26:22,550 --> 00:26:25,550 あの人 神懸かってますもんね フフっ。 464 00:26:25,550 --> 00:26:28,050 俺も 包餡が なかなか うまくできなくて・ 465 00:26:28,050 --> 00:26:30,020 昨日 朝から晩まで やってたら・ 466 00:26:30,020 --> 00:26:32,060 最後には 首が動かなくなっちゃって。 467 00:26:32,060 --> 00:26:35,630 分かる! この体勢から 1cmも動かせなくなるよね。 468 00:26:35,630 --> 00:26:37,530 いやいや 1mmっすよ。 469 00:26:37,530 --> 00:26:39,530 フフっ。 フフっ。 470 00:26:39,530 --> 00:26:43,040 七桜さんが作るお菓子って 薄い色が多いですよね。 471 00:26:43,040 --> 00:26:45,040 濃い色とか 使ったりしないんですか? 472 00:26:45,040 --> 00:26:47,040 赤とか 青とか。 473 00:26:47,040 --> 00:26:49,540 あ~ それは…。 474 00:26:49,540 --> 00:26:52,580 お前 分かってないな。 475 00:26:52,580 --> 00:26:55,150 薄い色じゃ ない 淡い色だ。 476 00:26:55,150 --> 00:26:57,050 配合が難しい。 477 00:26:57,050 --> 00:26:59,020 誰にでも出せる色じゃ ない。 478 00:27:00,520 --> 00:27:03,060 七桜の色だ。 479 00:27:03,060 --> 00:27:06,530 (富岡) おい 城島 こっち 手伝え。 はい。 480 00:27:06,530 --> 00:27:08,530 すいません。 481 00:27:10,030 --> 00:27:13,100 お前は 笑ったりしないんだと思ってた。 482 00:27:13,100 --> 00:27:16,040 えっ? 俺は見たことないからな。 483 00:27:16,040 --> 00:27:19,040 そんなことないんじゃない? じゃあ 見せてみろよ。 484 00:27:19,040 --> 00:27:20,540 いいよ! 485 00:27:25,550 --> 00:27:28,010 目が全く笑ってないな。 486 00:27:31,050 --> 00:27:33,590 ちょっと! 487 00:27:33,590 --> 00:27:37,020 椿さんこそ 笑うんだね。 488 00:27:37,020 --> 00:27:40,060 笑ってない 早くやれ。 489 00:27:40,060 --> 00:27:42,530 笑ってたじゃん。 笑ってない。 490 00:27:42,530 --> 00:27:44,530 もっと繊細に。 491 00:27:44,530 --> 00:27:52,570 ・~ 492 00:27:52,570 --> 00:27:54,610 (城島) ・あの…・ 493 00:27:54,610 --> 00:27:58,080 ちょっと休憩しません? 城島君。 494 00:27:59,050 --> 00:28:01,050 (2人) ハァ~! 495 00:28:01,050 --> 00:28:04,050 ホッとする~。 フフっ。 496 00:28:04,050 --> 00:28:08,020 そういえば 「落とし文」って いろんな意味があるんですよね。 497 00:28:08,020 --> 00:28:09,560 1つは…。 498 00:28:09,560 --> 00:28:12,560 親への思い。 そう… でも 俺・ 499 00:28:12,560 --> 00:28:14,590 もう一つの意味のほうが好きです。 500 00:28:14,590 --> 00:28:16,630 えっ? 501 00:28:16,630 --> 00:28:18,630 隠された思い。 502 00:28:20,070 --> 00:28:24,070 そのほうが 何かロマンチックじゃないですか。 503 00:28:24,070 --> 00:28:27,570 じゃあ あんまり 根 詰め過ぎないで。 504 00:28:27,570 --> 00:28:30,080 お茶 ありがとう。 505 00:28:30,080 --> 00:28:31,940 いえ。 506 00:28:34,610 --> 00:28:37,080 「隠された思い」か。 507 00:28:38,550 --> 00:28:40,090 よし。 508 00:28:40,090 --> 00:28:55,570 ・~ 509 00:29:06,080 --> 00:29:08,550 完璧な「落とし文」だな。 510 00:29:10,050 --> 00:29:11,550 (足音) 511 00:29:11,550 --> 00:29:13,590 大旦那様。 512 00:29:13,590 --> 00:29:16,160 もう お出掛けですか? 513 00:29:16,160 --> 00:29:24,060 ・~ 514 00:29:24,060 --> 00:29:27,070 「落とし文」・ 515 00:29:27,070 --> 00:29:29,540 1つだけ 俺に作らせてくれ。 516 00:29:33,570 --> 00:29:39,080 椿さんは 大旦那様と何があったの? 517 00:29:39,080 --> 00:29:42,150 もし 血が つながってなかったとしても・ 518 00:29:42,150 --> 00:29:44,550 ずっと一緒に暮らしてたんなら・ 519 00:29:44,550 --> 00:29:48,050 情が湧いたり 優しくなったり・ 520 00:29:48,050 --> 00:29:51,060 自然と そうなって行くもの なんじゃないの? 521 00:29:51,060 --> 00:29:54,060 小さい頃・ 522 00:29:54,060 --> 00:29:56,560 よく あの茶室で お茶を教わった。 523 00:29:58,160 --> 00:30:01,700 (高月 樹)そうだ 筋がいいぞ 524 00:30:01,700 --> 00:30:03,700 いいか 椿 525 00:30:03,700 --> 00:30:05,670 いつか 立派に この店を継ぐんだぞ 526 00:30:05,670 --> 00:30:07,140 (椿の声) 時には父が。 527 00:30:07,140 --> 00:30:08,640 はい! 528 00:30:08,640 --> 00:30:11,140 お茶の世界は 一期一会 529 00:30:11,140 --> 00:30:13,580 そのお菓子を 我々は任されているんだ 530 00:30:13,580 --> 00:30:17,080 (椿の声) 時には 大旦那が熱心に教えてくれた。 531 00:30:19,190 --> 00:30:21,150 あの日までは。 532 00:30:23,160 --> 00:30:27,630 (高月)ここのところ 心ここにあらずという感じだな 533 00:30:27,630 --> 00:30:31,030 あの事件の日からだ 534 00:30:32,630 --> 00:30:35,670 椿…・ 535 00:30:35,670 --> 00:30:38,170 何を隠している? 536 00:30:39,640 --> 00:30:42,140 お前は言ったな 537 00:30:42,140 --> 00:30:46,150 父親の部屋に あの女がいたんだと 538 00:30:47,650 --> 00:30:50,150 そして 見たんだよな? 539 00:30:50,150 --> 00:30:53,120 2人が もめていたのを 540 00:30:53,120 --> 00:31:00,160 ・~ 541 00:31:00,160 --> 00:31:02,630 違うのか? 542 00:31:04,630 --> 00:31:06,630 じゃあ 何だ? 543 00:31:08,100 --> 00:31:10,600 2人は何をしてたんだ? 544 00:31:17,110 --> 00:31:19,110 キスしてた 545 00:31:21,610 --> 00:31:23,620 ビックリして 僕… 546 00:31:23,620 --> 00:31:27,120 でも 気になって 朝 見に行ったら お父様が… 547 00:31:29,160 --> 00:31:31,190 本当に ごめんなさい! 548 00:31:31,190 --> 00:31:33,660 でも きっと あの人がお父様を… 549 00:31:34,730 --> 00:31:37,530 このウソつきが・ 550 00:31:37,530 --> 00:31:40,030 その日を境に・ 551 00:31:40,030 --> 00:31:43,040 あの人は 俺を孫として扱わなくなった。 552 00:31:43,040 --> 00:31:48,540 いくら謝っても 俺のお菓子を食べてくれなかった。 553 00:31:48,540 --> 00:31:53,580 何度 作っても… ひと口も。 554 00:31:53,580 --> 00:31:56,150 そんな…。 555 00:31:56,150 --> 00:31:58,550 (椿の声) でも いつか きっと・ 556 00:31:58,550 --> 00:32:01,050 完璧なお菓子を作れば・ 557 00:32:01,050 --> 00:32:05,020 また この家の子だと 認めてくれる。 558 00:32:05,020 --> 00:32:07,030 いつか…。 559 00:32:10,630 --> 00:32:13,130 おじい様 560 00:32:13,130 --> 00:32:15,130 傘を持って来ました 561 00:32:18,200 --> 00:32:20,640 (高月) 茶会で余った らくがんだ 562 00:32:20,640 --> 00:32:23,610 食べるなり 捨てるなり 好きにしろ 563 00:32:25,110 --> 00:32:27,110 おじい様! 564 00:32:32,650 --> 00:32:40,130 踏切の音 565 00:32:40,130 --> 00:32:43,200 おじい様 手が抜けないんです! 566 00:32:43,200 --> 00:32:47,030 助けて おじい様! 踏切の音 567 00:32:47,030 --> 00:32:52,070 (椿の声) あの人が一番大事なのは 高月家の血。 568 00:32:52,070 --> 00:32:56,580 それ以外のものは どうでもいい 俺の命も。 569 00:32:57,540 --> 00:33:00,050 俺は誓ったんだ。 570 00:33:00,050 --> 00:33:04,050 一度 失いかけた この命を この店を継ぐことに使う。 571 00:33:05,520 --> 00:33:09,020 光月庵を必ず俺のものにする。 572 00:33:14,530 --> 00:33:17,530 ・本日は どうもありがとうございます・ 573 00:33:17,530 --> 00:33:19,530 失礼します。 574 00:33:19,530 --> 00:33:23,040 すいません そちらの大旦那様を お見掛けしてないでしょうか? 575 00:33:23,040 --> 00:33:26,040 大旦那なら 今朝 早く家を出ましたが。 576 00:33:26,040 --> 00:33:28,040 もしかして まだ来てないんですか? 577 00:33:28,040 --> 00:33:31,610 ええ… そろそろ 時間なんですけど。 578 00:33:31,610 --> 00:33:34,550 クッソ… ホントに食べないつもりか? 579 00:33:34,550 --> 00:33:36,520 私 捜して来ます。 580 00:33:38,020 --> 00:33:42,020 (今日子の声) ♪~ あんたがた どこさ 肥後さ 581 00:33:42,020 --> 00:33:46,530 ♪~ 肥後どこさ 熊本さ 582 00:33:46,530 --> 00:33:50,560 ♪~ 熊本どこさ せんばさ 583 00:33:50,560 --> 00:33:56,000 ♪~ せんば山には 狸がおってさ 584 00:33:56,000 --> 00:34:00,510 ♪~ それを猟師が 鉄砲で打ってさ 585 00:34:00,510 --> 00:34:05,540 ♪~ 煮てさ 焼いてさ 食ってさ 586 00:34:05,540 --> 00:34:20,990 ・~ 587 00:34:20,990 --> 00:34:25,000 化け狸の皮を剥がないとね。 588 00:34:30,000 --> 00:34:31,540 あっ! 589 00:34:31,540 --> 00:34:33,510 あぁ… 痛っ。 590 00:34:33,510 --> 00:34:35,010 ・大丈夫ですか?・ 591 00:34:36,510 --> 00:34:39,080 あれ… 君 どうして ここに? 592 00:34:39,080 --> 00:34:41,110 どうして? 何で? 593 00:34:41,110 --> 00:34:43,080 動かないで。 594 00:34:46,520 --> 00:34:49,490 おっと… 茶会が始まる頃だ。 595 00:34:49,490 --> 00:34:51,490 じゃあ。 596 00:34:52,490 --> 00:34:56,500 待って! 聞きたいことが…。 597 00:34:56,500 --> 00:34:59,500 あなたに会って 話がしたいと思ってたんです。 598 00:34:59,500 --> 00:35:03,570 えっ? これってナンパ? はっ? 599 00:35:03,570 --> 00:35:06,510 ごめん 僕 年下って あんまりタイプじゃないんだ。 600 00:35:06,510 --> 00:35:09,010 はっ? でも 誘いに乗ろうかな。 601 00:35:09,010 --> 00:35:11,010 茶会は退屈だし。 602 00:35:11,010 --> 00:35:16,020 ・~ 603 00:35:16,020 --> 00:35:18,480 ゆっくり 話 しようか。 604 00:35:19,990 --> 00:35:22,020 あっ…。 605 00:35:22,020 --> 00:35:24,560 でも 今は…。 606 00:35:24,560 --> 00:35:27,130 他に用があるみたいだね。 607 00:35:27,130 --> 00:35:29,030 大丈夫。 608 00:35:29,030 --> 00:35:32,900 僕は茶会が終わるまで 消えたりしないよ。 609 00:35:36,000 --> 00:35:38,000 (高月) ハァ…。 610 00:35:38,000 --> 00:35:39,510 大旦那様! 611 00:35:39,510 --> 00:35:41,510 大丈夫ですか? 今 人を…。 612 00:35:41,510 --> 00:35:45,080 私は ただ…・ 613 00:35:45,080 --> 00:35:47,610 庭を眺めていただけだ。 614 00:35:47,610 --> 00:35:51,080 今 茶室に 行こうとしてたところだ。 615 00:35:52,520 --> 00:35:53,990 ハァ…。 616 00:35:56,490 --> 00:35:58,020 足元 お気を付けください。 617 00:35:58,020 --> 00:36:00,030 なれなれしく触るな! 618 00:36:00,030 --> 00:36:02,500 店の人間にでも なったつもりか・ 619 00:36:05,530 --> 00:36:10,000 お前は 椿の どこが好きなんだ? 620 00:36:11,540 --> 00:36:15,640 どうせ 光月庵の名に 目がくらんだ口だろう。 621 00:36:15,640 --> 00:36:21,110 それとも 家に縛られてる椿が かわいそうだとでも? 622 00:36:23,020 --> 00:36:25,990 お前も裏切られるぞ。 623 00:36:25,990 --> 00:36:27,990 あのウソつきに。 624 00:36:29,520 --> 00:36:31,990 違う。 625 00:36:31,990 --> 00:36:37,030 「ばかだな」って 思ったんです。 626 00:36:37,030 --> 00:36:41,600 椿さんは今も お菓子を作り続けてる。 627 00:36:41,600 --> 00:36:45,000 いつでも手放せたはずなのに・ 628 00:36:45,000 --> 00:36:49,510 やめてしまったほうが 楽になれたかもしれないのに。 629 00:36:51,510 --> 00:36:53,510 好きなんです。 630 00:36:55,510 --> 00:36:57,480 ばかみたいに。 631 00:36:59,050 --> 00:37:02,590 お菓子のことが大好きで…・ 632 00:37:02,590 --> 00:37:05,590 純粋な人なんです。 633 00:37:09,030 --> 00:37:11,000 フッ! 634 00:37:12,500 --> 00:37:14,530 おっ! 635 00:37:14,530 --> 00:37:17,000 いつまで 皆さんを待たせるつもりですか? 636 00:37:17,000 --> 00:37:20,540 離せ! お前の手は借りん。 637 00:37:20,540 --> 00:37:22,040 そうですよね。 638 00:37:22,040 --> 00:37:26,050 今なら俺は あんたを ここから 突き落とすことだってできる。 639 00:37:27,610 --> 00:37:29,520 でも・ 640 00:37:29,520 --> 00:37:32,020 今日は大事なお茶会なんです。 641 00:37:32,020 --> 00:37:45,560 ・~ 642 00:37:45,560 --> 00:37:47,600 ・白餡の山芋か おいしいね・ 643 00:37:47,600 --> 00:37:50,000 ・ホントに いいお味がします・ 644 00:37:50,000 --> 00:37:54,040 今日の軸は 「一期一会」か。 645 00:37:54,040 --> 00:37:58,010 茶の基本だ。 (多喜川) ええ。 646 00:37:58,010 --> 00:38:00,510 全ての瞬間を大事にしなければ。 647 00:38:00,510 --> 00:38:04,520 出会いは常に 奇跡みたいなものですから。 648 00:38:07,550 --> 00:38:09,590 無事に始まった。 649 00:38:09,590 --> 00:38:12,090 そろそろ お菓子の準備をしよう。 650 00:38:14,030 --> 00:38:17,000 少しだけ…。 651 00:38:17,000 --> 00:38:19,500 落ち着くまで待ってくれ。 652 00:38:21,500 --> 00:38:24,500 今日は ずっと緊張してる。 653 00:38:24,500 --> 00:38:27,010 こんなの初めてだ。 654 00:38:28,510 --> 00:38:31,540 この茶会を どうしても成功させたい。 655 00:38:31,540 --> 00:38:38,020 ・~ 656 00:38:38,020 --> 00:38:40,520 大丈夫。 657 00:38:40,520 --> 00:38:43,020 今日は 一人じゃないんだから。 658 00:38:44,020 --> 00:38:46,990 ばかが2人もいるんだから。 659 00:38:49,030 --> 00:38:51,000 絶対 大丈夫! 660 00:38:54,530 --> 00:38:56,540 そうだな。 661 00:39:13,890 --> 00:39:15,890 《今日は 父の日》 662 00:39:15,890 --> 00:39:18,390 《愛情に感謝する日》 663 00:39:18,390 --> 00:39:20,930 お~ これは美しい。 664 00:39:20,930 --> 00:39:23,430 あでやかで 色合いも繊細だ。 665 00:39:23,430 --> 00:39:25,900 ・ホントに おいしそうだわ・ 666 00:39:25,900 --> 00:39:34,910 ・~ 667 00:39:34,910 --> 00:39:38,880 (柴本) それでは 光月庵さん お菓子の説明をお願いできますか。 668 00:39:38,880 --> 00:39:42,380 はい 失礼いたします。 669 00:39:44,380 --> 00:39:47,920 本日は 父の日ということで・ 670 00:39:47,920 --> 00:39:50,990 「落とし文」というお菓子を 用意させていただきました。 671 00:39:50,990 --> 00:39:54,390 葉の上の玉は 卵を模しております。 672 00:39:54,390 --> 00:39:56,400 卵が かえった時・ 673 00:39:56,400 --> 00:40:01,900 子は その葉に 敵や悪天候から守られ…・ 674 00:40:01,900 --> 00:40:04,900 親から与えられた愛を感じる・ 675 00:40:04,900 --> 00:40:07,870 そんな意味を持つ お菓子です。 676 00:40:20,890 --> 00:40:23,890 私にとっての それは・ 677 00:40:23,890 --> 00:40:26,390 光月庵のお菓子です。 678 00:40:26,390 --> 00:40:30,900 父が残してくれた大切な愛。 679 00:40:30,900 --> 00:40:35,930 幼い頃 父は よく教えてくれました。 680 00:40:35,930 --> 00:40:40,910 小豆 ひと粒 砂糖 ひとさじ 無駄にしては いけない。 681 00:40:40,910 --> 00:40:42,910 それが お菓子になって・ 682 00:40:42,910 --> 00:40:47,910 お茶の席 祝いの心 手土産となって・ 683 00:40:47,910 --> 00:40:50,420 世界に広がって行くのだと。 684 00:40:50,420 --> 00:40:53,420 私も その父の考えが好きでした。 685 00:40:54,890 --> 00:40:57,890 よく失敗をし 叱られましたが…。 686 00:40:59,990 --> 00:41:02,390 愛を感じていました。 687 00:41:02,390 --> 00:41:04,400 《それなのに…》 688 00:41:04,400 --> 00:41:07,900 《あの日から思い浮かべる 父の姿は・ 689 00:41:07,900 --> 00:41:10,400 別人になってしまった》 690 00:41:10,400 --> 00:41:12,400 《でも…》 691 00:41:13,470 --> 00:41:17,480 うわ~ かわいい! お父様 692 00:41:17,480 --> 00:41:19,450 お前のために作った型だ 693 00:41:19,450 --> 00:41:25,380 ・~ 694 00:41:25,380 --> 00:41:27,390 《信じたい》 695 00:41:28,890 --> 00:41:32,890 父の考えを継いで 大切に残して行きたい。 696 00:41:32,890 --> 00:41:36,860 光月庵の高月 椿として。 697 00:41:39,900 --> 00:41:41,930 《そうすれば いつか・ 698 00:41:41,930 --> 00:41:44,970 いつか 父の愛を 真っすぐ受け止めていた自分を・ 699 00:41:44,970 --> 00:41:46,970 取り戻せる》 700 00:41:48,410 --> 00:41:51,410 父も それを望んでいると・ 701 00:41:51,410 --> 00:41:53,410 信じています。 702 00:41:53,410 --> 00:42:00,920 ・~ 703 00:42:00,920 --> 00:42:03,960 《椿の緊張が伝わって来る》 704 00:42:03,960 --> 00:42:08,560 《それは きっと 期待しているから》 705 00:42:08,560 --> 00:42:13,530 《ずっと抱いていた望みが かなうことを》 706 00:42:15,430 --> 00:42:19,440 ・うん おいしい! 餡が 滑らかね・ 707 00:42:19,440 --> 00:42:29,950 ・~ 708 00:42:31,480 --> 00:42:34,990 すみません。 (仲居) はい。 709 00:42:42,390 --> 00:42:44,400 かしこまりました。 710 00:42:46,930 --> 00:42:53,910 ・~ 711 00:42:53,910 --> 00:42:55,910 《食べてもらえなかった》 712 00:42:55,910 --> 00:43:00,510 光月庵さん お菓子 大変おいしかったです。 713 00:43:00,510 --> 00:43:03,520 今度 私の茶会でも お願いしたい。 714 00:43:04,920 --> 00:43:06,920 ありがとうございます。 715 00:43:14,890 --> 00:43:17,430 あのジジイが食べるはずないだろ。 716 00:43:17,430 --> 00:43:19,970 最初から分かってたことだ。 717 00:43:19,970 --> 00:43:21,970 さっさと片付けるぞ。 718 00:43:23,500 --> 00:43:25,400 ・今年も いいお茶会でしたね・ 719 00:43:25,400 --> 00:43:27,410 茶会も終わったみたいだな。 720 00:43:27,410 --> 00:43:28,970 あっ! 721 00:43:28,970 --> 00:43:32,480 僕は茶会が終わるまで 消えたりしないよ 722 00:43:35,910 --> 00:43:38,380 光月庵さん どうされたんですか? 723 00:43:38,380 --> 00:43:41,950 あの… あの人…。 724 00:43:41,950 --> 00:43:45,890 うちの大旦那の隣にいた方 どういう方なんですか? 725 00:43:45,890 --> 00:43:48,890 あ~ あの方は 地主さんですよ。 726 00:43:48,890 --> 00:43:50,900 この辺り一帯の土地の持ち主で・ 727 00:43:50,900 --> 00:43:52,860 いろんな事業も 手広くやってる方です。 728 00:43:52,860 --> 00:43:54,900 《そんな人が どうして…》 729 00:43:54,900 --> 00:43:58,900 ・おい!・ はい… 失礼します。 730 00:43:58,900 --> 00:44:01,870 (足音) あっ! 731 00:44:02,940 --> 00:44:05,510 待って… えっと…。 732 00:44:05,510 --> 00:44:06,880 え~っと…。 733 00:44:06,880 --> 00:44:08,880 ヒゲの人! 734 00:44:11,420 --> 00:44:13,390 (多喜川) その呼び方 ひどいな。 735 00:44:13,390 --> 00:44:16,390 僕には 多喜川って名前があるんだけど。 736 00:44:16,390 --> 00:44:18,390 多喜川さん…。 737 00:44:18,390 --> 00:44:21,930 今日のお菓子 君が作ったんだよね? 738 00:44:21,930 --> 00:44:24,500 すぐ分かった。 739 00:44:24,500 --> 00:44:27,400 お母さんと同じ味がしたから。 740 00:44:27,400 --> 00:44:29,400 どうして…。 741 00:44:29,400 --> 00:44:32,400 初めて会った時 言ったよね? 742 00:44:32,400 --> 00:44:34,910 僕は君のお母さんのファンなんだ。 743 00:44:37,410 --> 00:44:39,880 家族の味なんだよ。 744 00:44:39,880 --> 00:44:45,050 うちの父は 年の行事を大切にする人でね。 745 00:44:45,050 --> 00:44:46,950 (多喜川秀幸) 今回のお菓子は どうだ? 746 00:44:46,950 --> 00:44:49,890 (多喜川美由紀) 食べてしまうのが もったいないぐらいですね 747 00:44:49,890 --> 00:44:54,390 (多喜川の声) お正月 端午の節句 お彼岸・ 748 00:44:54,390 --> 00:44:57,400 月に一度は 和菓子がテーブルに並び・ 749 00:44:57,400 --> 00:45:02,000 その時だけは 忙しかった家族が みんな集まったんだ。 750 00:45:02,000 --> 00:45:04,400 僕は いつも思ってた。 751 00:45:04,400 --> 00:45:07,370 この すごい力を持った 和菓子を作ってるのは・ 752 00:45:07,370 --> 00:45:09,880 どんな人なんだろうって。 753 00:45:11,480 --> 00:45:15,550 (百合子)多喜川様 1つだけ白餡にしておきました 754 00:45:15,550 --> 00:45:18,020 いつも すまないね (百合子)いえ 755 00:45:18,020 --> 00:45:20,990 おいしく食べていただくのが 一番ですから 756 00:45:20,990 --> 00:45:28,890 ・~ 757 00:45:28,890 --> 00:45:31,400 父も去年 亡くなってね。 758 00:45:31,400 --> 00:45:34,400 その時に 手紙のことを頼まれたんだ。 759 00:45:34,400 --> 00:45:36,900 父が どんな いきさつで 手紙を受け取ったかは・ 760 00:45:36,900 --> 00:45:38,900 分かんないんだけど・ 761 00:45:38,900 --> 00:45:41,910 どこかにいる娘さんに 渡してほしいって。 762 00:45:41,910 --> 00:45:46,410 そして 力になってやってくれって。 763 00:45:48,910 --> 00:45:51,420 うれしかったよ。 764 00:45:51,420 --> 00:45:54,390 また 家族の味がする お菓子が食べられて。 765 00:45:55,390 --> 00:45:58,360 もう二度と 食べられないと思ってたから。 766 00:45:59,890 --> 00:46:02,890 君がお菓子を作り続ける限り・ 767 00:46:02,890 --> 00:46:05,400 僕が見守ってる。 768 00:46:09,500 --> 00:46:11,470 ・七桜・ 769 00:46:12,900 --> 00:46:14,910 どうかしたのか? 770 00:46:14,910 --> 00:46:16,780 いえ。 771 00:46:22,380 --> 00:46:24,920 《多喜川さん…》 772 00:46:24,920 --> 00:46:29,390 《ただ一人 私の正体を知る人》 773 00:46:30,420 --> 00:46:32,920 今日は お疲れさまでした。 774 00:46:34,490 --> 00:46:38,900 あの… 1つ 食べ残された お菓子のお代は結構ですので。 775 00:46:38,900 --> 00:46:40,900 お菓子ですか? 776 00:46:40,900 --> 00:46:42,870 それなら全て なくなりましたが。 777 00:46:42,870 --> 00:46:46,400 えっ? でも うちの大旦那が…。 778 00:46:46,400 --> 00:46:47,870 アハハ…。 779 00:46:47,870 --> 00:46:50,380 あれは 「包んでほしい」と お願いされたんですよ。 780 00:46:50,380 --> 00:46:52,440 持ち帰りたいからと。 781 00:46:52,440 --> 00:46:59,890 ・~ 782 00:46:59,890 --> 00:47:03,390 お前は認めていたのか? 783 00:47:03,390 --> 00:47:29,880 ・~ 784 00:47:33,890 --> 00:47:35,890 まだまだだな。 785 00:47:35,890 --> 00:47:44,000 ・~ 786 00:47:44,000 --> 00:47:45,900 ・~ 椿さん…。 787 00:47:45,900 --> 00:48:10,890 ・~ 788 00:48:10,890 --> 00:48:12,890 あんた…。 789 00:48:13,890 --> 00:48:16,290 どんな魔法を使えるんだ? 790 00:48:18,400 --> 00:48:19,900 えっ? 791 00:48:19,900 --> 00:48:22,400 15年…・ 792 00:48:22,400 --> 00:48:25,400 ひと口も 食べることがなかったんだ。 793 00:48:27,440 --> 00:48:30,940 結婚を決めてから いろんなことが起こる。 794 00:48:32,380 --> 00:48:35,880 茶会の話を引き受ける って言った時・ 795 00:48:35,880 --> 00:48:38,880 「ふざけるな」と思ったけど…。 796 00:48:40,890 --> 00:48:43,890 「やる」って言ってくれて ありがとな。 797 00:48:45,890 --> 00:48:50,430 私じゃなくて お菓子の力だよ。 798 00:48:50,430 --> 00:48:53,900 この間 聞いたよな? 799 00:48:53,900 --> 00:48:57,400 この掛け軸には どんな意味があるのかって。 800 00:48:58,940 --> 00:49:00,910 「不妄語戒」。 801 00:49:00,910 --> 00:49:03,910 「偽りの心を持ってはいけない」。 802 00:49:03,910 --> 00:49:07,950 この掛け軸の前で ウソをついた者は・ 803 00:49:07,950 --> 00:49:10,450 地獄に落ちる。 804 00:49:12,420 --> 00:49:14,920 どうして そんなに こだわるの?・ 805 00:49:14,920 --> 00:49:16,920 あの子との結婚に 806 00:49:16,920 --> 00:49:19,890 《そんなこと 俺にも分からない》 807 00:49:19,890 --> 00:49:23,930 《でも どんなに包み隠そうとしても・ 808 00:49:23,930 --> 00:49:26,500 一つの答えが出て来る》 809 00:49:26,500 --> 00:49:28,400 七桜。 810 00:49:28,400 --> 00:49:33,940 ・~ 811 00:49:33,940 --> 00:49:36,910 多分 俺は・ 812 00:49:36,910 --> 00:49:38,910 あんたに引かれてる。 813 00:49:39,910 --> 00:49:43,980 自分の我を通すための 結婚相手としてじゃなく・ 814 00:49:43,980 --> 00:49:46,480 一人の女として。 815 00:49:47,920 --> 00:49:49,890 椿…。 816 00:49:52,420 --> 00:49:55,890 でも もし お前が さくらなら・ 817 00:49:55,890 --> 00:49:58,430 この気持ちを殺さなきゃいけない。 818 00:49:58,430 --> 00:50:04,470 ・~ 819 00:50:04,470 --> 00:50:06,500 答えてくれ。 820 00:50:06,500 --> 00:50:10,410 あんたは本当に 花岡七桜なのか? 821 00:50:10,410 --> 00:50:13,410 それとも…・ 822 00:50:13,410 --> 00:50:15,950 さくらなのか? 823 00:50:15,950 --> 00:50:21,890 ・~ 824 00:50:21,890 --> 00:50:24,390 おかげで うまく行ったわ。 825 00:50:25,520 --> 00:50:30,000 このお茶 七桜さんに 持って行ってちょうだい 826 00:50:32,400 --> 00:50:35,900 でも あのつぼは やり過ぎよ。 827 00:50:35,900 --> 00:50:44,380 ・~ 828 00:50:44,380 --> 00:50:48,450 だって ムカつくんですよね 椿さん。 829 00:50:48,450 --> 00:50:51,520 いつも涼しい顔して。 830 00:50:51,520 --> 00:50:54,490 絶望した顔とか 見たくなっちゃうんですよ。 831 00:50:55,890 --> 00:50:57,890 残念ね。 832 00:50:57,890 --> 00:51:00,890 あの子は そんなことで落ちたりしない。 833 00:51:00,890 --> 00:51:04,400 この光月庵を継ぐ人間なんだから。 834 00:51:04,400 --> 00:51:08,400 でも 俺 もっと いいこと思い付いたんで。 835 00:51:08,400 --> 00:51:10,400 何なの? 836 00:51:12,440 --> 00:51:15,010 奪うんですよ。 837 00:51:15,010 --> 00:51:17,410 大事なものを。 838 00:51:17,410 --> 00:51:19,910 ・~ 839 00:51:19,910 --> 00:51:22,880 《偽りの心を持ってはいけない》 840 00:51:22,880 --> 00:51:26,380 《ウソをついた者は・ 841 00:51:26,380 --> 00:51:28,890 地獄に落ちる》