1 00:00:02,003 --> 00:00:03,938 {\an8}(多恵)彼が林田さん? 2 00:00:05,005 --> 00:00:08,943 {\an8}(直)はい。 でもこれには訳があって…。 3 00:00:09,009 --> 00:00:12,947 (健)初めまして。 林田健といいます。 4 00:00:13,013 --> 00:00:18,018 初めまして。 亡くなった堤浩志の母です。 5 00:00:20,020 --> 00:00:22,957 (多恵)実花さんから 連絡があってね。 6 00:00:23,023 --> 00:00:27,962 直さんが二十歳の男の子と 暮らしてるって。 7 00:00:28,029 --> 00:00:30,965 (直)それは…。 >>責めてるんじゃないの。 8 00:00:31,031 --> 00:00:33,968 心配して来たの。 9 00:00:34,034 --> 00:00:38,973 (直)彼は…。 彼は浩志なんです。 10 00:00:39,039 --> 00:00:43,978 少なくとも わたしにはそう思えるんです。 11 00:00:44,045 --> 00:00:46,981 直さん…。 12 00:00:47,048 --> 00:00:48,983 (直)自分でおかしなこと言ってるのは よく分かってます。 13 00:00:49,049 --> 00:00:53,988 でもそう感じるのは 事実なんです。 14 00:00:54,054 --> 00:00:57,992 確かに彼は二十歳の男の子です。 15 00:00:58,058 --> 00:01:03,998 でも彼の中に 浩志を感じるんです。 16 00:01:06,000 --> 00:01:09,937 >>林田君とおっしゃったわね? (健)はい。 17 00:01:10,004 --> 00:01:13,007 あなたは直さんのこと どう思ってるの? 18 00:01:15,009 --> 00:01:19,947 (健)大切に思っています。 愛してます。 19 00:01:20,014 --> 00:01:22,950 浩志のこと言われて つらくないの? 20 00:01:23,017 --> 00:01:27,955 (健)それで直さんが癒やされるなら 今は構いません。 21 00:01:28,022 --> 00:01:30,958 でも浩志さんのお母さまには 申し訳ありませんが→ 22 00:01:31,025 --> 00:01:33,961 直さんには浩志さんへの思いに 区切りをつけて→ 23 00:01:34,028 --> 00:01:36,964 俺と前を向いて 歩いてほしいと思っています。 24 00:01:37,031 --> 00:01:41,035 若いのにしっかりしてるわね。 25 00:01:46,040 --> 00:01:50,978 直さんのこと よろしくお願いします。 26 00:01:51,045 --> 00:01:53,981 (直)お母さんやめてください。 違うんです彼は…。 27 00:01:54,048 --> 00:01:56,984 彼はホントに違うんです。 28 00:01:57,051 --> 00:02:02,923 直さん。 いいのよ浩志のことは忘れて。 29 00:02:02,990 --> 00:02:07,928 死んだ人とは 一緒には生きてはいけないわ。 30 00:02:07,995 --> 00:02:14,935 浩志のことは わたしが忘れないでいるから→ 31 00:02:15,002 --> 00:02:17,938 直さんは忘れていいの。 32 00:02:18,005 --> 00:02:22,009 (直)でも彼は…。 33 00:02:26,013 --> 00:02:28,949 (健)これ浩志さんのコートです。 すいませんが引き取ってください。 34 00:02:29,016 --> 00:02:33,954 (直)何するの!やめて! (健)それと…。これも。 35 00:02:34,021 --> 00:02:38,959 (直)どうして? どうして?浩志じゃないの? 36 00:02:39,026 --> 00:02:42,029 本当に違うの? (健)現実を受け入れてくれ。 37 00:03:10,991 --> 00:03:12,993 {\an8}直さん。 38 00:03:14,995 --> 00:03:19,934 {\an8}浩志に罪悪感を感じる必要は ないのよ。 39 00:03:20,000 --> 00:03:23,938 {\an8}生きていれば 新しくすてきな人に出会ったり→ 40 00:03:24,004 --> 00:03:29,944 {\an8}恋をしたりするものよ。 何にも悪くなんかない。 41 00:03:30,010 --> 00:03:37,017 {\an8}悪いのは 先に死んだりなんかした浩志よ。 42 00:03:40,020 --> 00:03:42,957 {\an8}あなたをこんなに追い詰めて。 43 00:03:43,023 --> 00:03:47,962 {\an8}わたしたちを こんなに悲しませて。 44 00:03:48,028 --> 00:03:50,030 {\an8}そう思えばいいわ。 45 00:03:52,032 --> 00:03:57,037 {\an8}それじゃわたしは行くわね。 46 00:03:57,037 --> 00:04:05,980 ♪~ 47 00:04:12,987 --> 00:04:15,923 あなたの親御さんは→ 48 00:04:15,990 --> 00:04:19,927 あなたたちのこと 何て言ってるの? 49 00:04:19,994 --> 00:04:22,930 (健)まだ認めてくれてないです。 50 00:04:22,997 --> 00:04:30,938 そう。 親御さんも大切にしてあげてね。 51 00:04:31,005 --> 00:04:33,007 (健)はい。 52 00:04:42,016 --> 00:04:47,021 (直すすり泣き) 53 00:04:53,027 --> 00:04:56,964 (健)もう俺が誰かなんて 考えないでくれ。 54 00:04:57,031 --> 00:05:00,968 俺が浩志さんじゃなくても 浩志さんに似てなくても→ 55 00:05:01,035 --> 00:05:02,903 直は今俺が必要なんだろ? 56 00:05:02,970 --> 00:05:06,907 それでも目の前の俺が 好きなんだろ? 57 00:05:06,974 --> 00:05:11,979 自分が許せないなら その罰は俺が受けるから。 58 00:05:25,492 --> 00:05:29,430 (健)光。 (光)お前何やってんだよ。 59 00:05:29,496 --> 00:05:31,498 ちょっと顔貸せよ。 60 00:05:42,509 --> 00:05:49,450 (直)当たり前よね。 浩志は死んだのに。 61 00:05:49,516 --> 00:05:57,524 ごめんなさい浩志。 ごめんなさい。 62 00:05:57,524 --> 00:06:11,472 ♪~ 63 00:06:15,476 --> 00:06:20,414 おばさんお前が家を出てから ずっとあんなだよ。 64 00:06:20,481 --> 00:06:24,418 料理だって上手で いつも奇麗な格好してたのにさ。 65 00:06:24,485 --> 00:06:26,420 仕事も休みがちみたいだ。 66 00:06:26,487 --> 00:06:30,424 あの姿見て どうも思わねえのかよ。 67 00:06:30,491 --> 00:06:32,426 (健)悪いとは思う。 68 00:06:32,493 --> 00:06:34,428 でも俺には どうすることもできないんだ。 69 00:06:34,495 --> 00:06:37,831 この家にはもういられない。 >>おい待てよ。 70 00:06:39,500 --> 00:06:43,437 ふざけんなよ。 どうにだってできんだろ。 71 00:06:43,504 --> 00:06:46,440 お前が家に戻ればいいんだよ。 72 00:06:46,507 --> 00:06:48,442 昔のお前に戻れなんて 言わねえよ。 73 00:06:48,509 --> 00:06:51,445 記憶が戻らないなら仕方ない。 74 00:06:51,512 --> 00:06:56,450 でもだったら少しぐらい うまく嘘つけよ。 75 00:06:56,517 --> 00:07:00,454 嘘でもいいからいい息子 やってりゃいいじゃねえか。 76 00:07:00,521 --> 00:07:04,391 親捨てて 年上の女の所に居候か? 77 00:07:04,458 --> 00:07:08,395 そんなの 認められるわけねえだろ。 78 00:07:08,462 --> 00:07:11,398 大学も辞めるって 言ったらしいな。 79 00:07:11,465 --> 00:07:15,402 辞めてどうする気だ。 (健)働くよ。 80 00:07:15,469 --> 00:07:18,472 仕事見つかったのか? 81 00:07:20,474 --> 00:07:23,410 当たり前だろ。 82 00:07:23,477 --> 00:07:27,414 よく考えろよ。 どうするにしたって→ 83 00:07:27,481 --> 00:07:31,418 今のやり方じゃ うまくいくはずない。 84 00:07:31,485 --> 00:07:33,420 記憶がなくたって何だって→ 85 00:07:33,487 --> 00:07:37,491 お前は林田健ってことからは 逃げられない。 86 00:07:40,494 --> 00:07:45,499 それと仁美のこと。 俺は許さないからな。 87 00:07:53,507 --> 00:07:55,509 (横井)よし。 88 00:07:57,511 --> 00:08:01,448 (直)横井君。就職先は決まった? (横井)いやまだ…。 89 00:08:01,515 --> 00:08:04,384 こうなったらしばらく 旅行でも行こうかなって。 90 00:08:04,451 --> 00:08:07,387 こんな機会 めったにないですから。 91 00:08:07,454 --> 00:08:10,390 (直)もう会社の整理も ほとんどついたし→ 92 00:08:10,457 --> 00:08:13,393 会社に来なくていいわ。 後は有給扱いにするから。 93 00:08:13,460 --> 00:08:15,462 でも直さん…。 94 00:08:17,464 --> 00:08:19,466 (江利子)すみません。 95 00:08:25,472 --> 00:08:27,474 (実花)どうぞ。 96 00:08:34,481 --> 00:08:41,421 あの子元気ですか? (直)はい。 97 00:08:41,488 --> 00:08:44,424 そうですか。 98 00:08:44,491 --> 00:08:47,494 (直)申し訳ありません。 99 00:08:49,496 --> 00:08:56,436 まだ二十歳のあの子の どこが好きなんですか? 100 00:08:56,503 --> 00:09:01,508 記憶のないあの子の 何を愛してるんですか? 101 00:09:03,510 --> 00:09:05,445 (直)分かりません。 102 00:09:05,512 --> 00:09:10,450 自分でもどうして 別れようって言えないのか。 103 00:09:10,517 --> 00:09:18,458 きっと間違ってるのに…。 許されないことなのに。 104 00:09:18,525 --> 00:09:24,464 でもただ…ただ好きなんです。 105 00:09:24,531 --> 00:09:29,469 そんな話母親が 受け入れられると思いますか! 106 00:09:29,536 --> 00:09:32,472 (直)すみません。 107 00:09:32,539 --> 00:09:35,475 謝るくらいだったら あの子返してください。 108 00:09:35,542 --> 00:09:38,478 お願いします。返してください。 109 00:09:38,545 --> 00:09:41,481 健は大学を辞めるって 言ってます。 110 00:09:41,548 --> 00:09:43,483 あなたそんな あやふやな気持ちで→ 111 00:09:43,550 --> 00:09:46,486 あの子の将来壊すんですか。 112 00:09:46,553 --> 00:09:50,490 あの子大人になったら→ 113 00:09:50,557 --> 00:09:56,496 俺が母さんを楽にしてやるって 言ってたんです。 114 00:09:56,563 --> 00:10:00,500 健は優しい子です。 115 00:10:00,567 --> 00:10:06,440 それは記憶があってもなくても 変わらないはず。 116 00:10:06,506 --> 00:10:09,443 そろそろわたしのことが 心配になって→ 117 00:10:09,509 --> 00:10:11,511 帰ってくるころだわ。 118 00:10:13,513 --> 00:10:15,449 どこまで続くか 好きにしたらいいわ。 119 00:10:15,515 --> 00:10:19,453 二十歳の男の子の気まぐれに 振り回されるだけよ。 120 00:10:19,519 --> 00:10:26,526 ただ健を傷つけたら 絶対に許しませんから! 121 00:10:36,536 --> 00:10:42,476 (実花)お姉ちゃん今の人…。 122 00:10:42,542 --> 00:10:46,480 (直)林田君のお母さんよ。 123 00:10:46,546 --> 00:10:52,486 けさ浩志のお母さんが うちに来たわ。 124 00:10:52,552 --> 00:10:54,554 実花が話したのね。 125 00:10:56,556 --> 00:11:03,430 あの子お母さんに 「初めまして」って言ったの。 126 00:11:03,497 --> 00:11:08,435 お姉ちゃん。 浩志さんとあの子は違うわ。 127 00:11:08,502 --> 00:11:14,441 当然でしょ。 (直)そうね。 128 00:11:14,508 --> 00:11:20,447 よかった。正気に戻ったのね。 129 00:11:20,514 --> 00:11:29,523 (直)あの子と浩志は違う。 なのに…わたしは最低ね。 130 00:11:35,529 --> 00:11:39,466 (健)お疲れさまです。 >>おう。あっそうだ。 131 00:11:39,533 --> 00:11:41,468 今さっきお前のおふくろ…。 (実花)横井君。 132 00:11:41,535 --> 00:11:43,537 いや…。 133 00:11:47,541 --> 00:11:49,476 俺正直ショックですよ。 134 00:11:49,543 --> 00:11:52,479 まだ浩志さんが亡くなって 半年もたってないのに→ 135 00:11:52,546 --> 00:11:55,549 直さんあんながきと。 136 00:11:58,552 --> 00:12:00,487 (健)仕事を決めてきた。 (直)何? 137 00:12:00,554 --> 00:12:03,423 (健)クリーニング屋と 深夜のビルの清掃。 138 00:12:03,490 --> 00:12:06,426 仕事の内容なんかさ 選んでられないから。 139 00:12:06,493 --> 00:12:10,430 まずは経験を積んで また違う仕事に転職するつもり。 140 00:12:10,497 --> 00:12:14,434 (直)ねえ大学に戻った方が いいんじゃない? 141 00:12:14,501 --> 00:12:18,438 (健)そのつもりはない。 今日親に会って話してくる。 142 00:12:18,505 --> 00:12:21,441 (直)そう。 (健)今後のことを→ 143 00:12:21,508 --> 00:12:23,443 ちゃんと説明してくる。 144 00:12:23,510 --> 00:12:28,448 (直)そうね。 ゆっくりしてくるといいわ。 145 00:12:28,515 --> 00:12:33,453 あっ。 まだお礼言ってなかったわね。 146 00:12:33,520 --> 00:12:37,457 君のおかげでわたし 命を救われたわ。 147 00:12:37,524 --> 00:12:39,459 ありがとう。 148 00:12:39,526 --> 00:12:43,463 ありがとう。健。 149 00:12:43,530 --> 00:12:45,465 (健)健…? 150 00:12:45,532 --> 00:12:50,537 (直)そう。 あなたは健なんでしょ。 151 00:12:52,539 --> 00:12:54,541 (健)直。 152 00:13:07,487 --> 00:13:13,426 >>健…。帰ってきたの? (健)話があるんだ。 153 00:13:13,493 --> 00:13:18,498 これからのことを話しに来た。 >>これからのこと…。 154 00:13:23,503 --> 00:13:26,439 大学を辞めるって そんなの認められないわ。 155 00:13:26,506 --> 00:13:28,441 (健)もう決めたことだから。 156 00:13:28,508 --> 00:13:30,443 どっちにしても 今は大学に行けない。 157 00:13:30,510 --> 00:13:34,381 就職するつもりだ。 >>就職? 158 00:13:34,447 --> 00:13:37,384 じゃあ大学は 休学にするしかないわね。 159 00:13:37,450 --> 00:13:41,388 (健)いやもう大学に行くことは…。 >>ねえ健目を覚まして。 160 00:13:41,454 --> 00:13:43,390 堤さんは健なんか愛してないわ。 161 00:13:43,456 --> 00:13:46,393 あなたは亡くなった夫の 穴埋めに使われてるだけよ。 162 00:13:46,459 --> 00:13:49,396 (健)それでもいいんだ俺は。 >>何言ってるの。 163 00:13:49,462 --> 00:13:52,399 (健)それに彼女は 今もう俺自身を愛してる。 164 00:13:52,465 --> 00:13:54,401 そんなことない。 165 00:13:54,467 --> 00:13:58,405 35歳の女と二十歳の男が うまくいくはずがないじゃないの。 166 00:13:58,471 --> 00:14:01,408 一時の気の迷いで あんた人生を棒に振るのよ。 167 00:14:01,474 --> 00:14:04,411 (健)お母さんごめん。 168 00:14:04,477 --> 00:14:08,415 でも俺今 すごく必死で生きてる。 169 00:14:08,481 --> 00:14:11,418 昔よりもずっと人生を 大事にして生きてる気がする。 170 00:14:11,484 --> 00:14:15,422 何言ってんの。 昔の記憶なんかないんでしょ。 171 00:14:15,488 --> 00:14:20,427 だったらせめて うちに帰ってきて。 172 00:14:20,493 --> 00:14:24,431 健お願いよ。 173 00:14:24,497 --> 00:14:28,435 (健)わがまま言って ホントにごめん。 174 00:14:28,501 --> 00:14:30,503 健。 175 00:14:36,443 --> 00:14:42,382 (多恵)《浩志のことは わたしが忘れないでいるから→ 176 00:14:42,449 --> 00:14:45,452 直さんは忘れていいの》 177 00:14:52,459 --> 00:14:57,397 (直)《ありがとう。健》 178 00:14:57,464 --> 00:14:59,399 (健)《健…?》 179 00:14:59,466 --> 00:15:03,470 (直)《そう。 あなたは健なんでしょ》 180 00:15:05,472 --> 00:15:12,479 (健)浩志を忘れられても構わない。 俺は健として愛されればいい。 181 00:15:14,481 --> 00:15:17,417 (ミツコ)もう一杯飲む? (健)いやもう帰ります。 182 00:15:17,484 --> 00:15:19,419 一杯だけ 祝杯を挙げたかったんです。 183 00:15:19,486 --> 00:15:24,424 そう。亡くなった浩志さんが ライバルなんて強敵だけど→ 184 00:15:24,491 --> 00:15:27,427 林田君なら 勝てるかもしれないわね。 185 00:15:27,494 --> 00:15:29,496 (健)ライバルは自分ですよ。 186 00:15:34,434 --> 00:15:38,371 (柏木)堤の残した曲か。 (直)ええ。 187 00:15:38,438 --> 00:15:40,373 心配すんな。 188 00:15:40,440 --> 00:15:43,376 彼を切り売りするようなことは しない。 189 00:15:43,443 --> 00:15:46,379 息の長いピアニストに育てる。 190 00:15:46,446 --> 00:15:51,384 (直)ありがとうございます。 それでこのことは彼には…。 191 00:15:51,451 --> 00:15:55,388 うん。 できるだけ冷酷に伝えよう。 192 00:15:55,455 --> 00:16:00,393 でもそんなことで 彼はこの話に乗ってくるのか? 193 00:16:00,460 --> 00:16:02,395 (直)彼はわたしを愛してます。 194 00:16:02,462 --> 00:16:06,399 わたしの借金と引き換えと言えば 断れないはずです。 195 00:16:06,466 --> 00:16:11,404 それにピアノを弾きたい気持ちが ないわけではないんです。 196 00:16:11,471 --> 00:16:14,407 なるほどな。 197 00:16:14,474 --> 00:16:21,414 でも手島が堤を忘れて若い男に 走るとは思わなかったな。 198 00:16:21,481 --> 00:16:23,416 (直)一時の気の迷いです。 199 00:16:23,483 --> 00:16:26,419 だからきっぱりと 終わらせたいんです。 200 00:16:26,486 --> 00:16:30,423 会社も音楽からも手を引きます。 201 00:16:30,490 --> 00:16:32,359 で会社手放して 手島どうすんだ? 202 00:16:32,425 --> 00:16:34,361 (直)まだ決めてません。 203 00:16:34,427 --> 00:16:40,433 柏木さんに会社と社員たちを 託せただけでもう十分です。 204 00:16:42,435 --> 00:16:44,437 (健)ただいま。 205 00:16:46,439 --> 00:16:53,380 >>おかえり。 (健)柏木さん。何で? 206 00:16:53,446 --> 00:16:58,385 あ…堤は新曲を 2曲残してたんだな。 207 00:16:58,451 --> 00:17:03,390 (健)そ…。こっこれ。 (直)この曲を柏木さんに売ったわ。 208 00:17:03,456 --> 00:17:06,393 (健)は?何でそんなこと…。 209 00:17:06,459 --> 00:17:08,395 これは浩志さんの 大事な曲だって言ったろ。 210 00:17:08,461 --> 00:17:11,398 (直)もちろん弾くのはあなたよ。 (健)何言ってんだ。 211 00:17:11,464 --> 00:17:13,400 ピアノやるなら2人でって 言ったじゃないかよ! 212 00:17:13,466 --> 00:17:16,403 ああ2人でな。 213 00:17:16,469 --> 00:17:19,406 偽者のピアニストを売り出して 会社をつぶした女と→ 214 00:17:19,472 --> 00:17:25,412 無名の二十歳の小僧この2人で いったい何ができる? 215 00:17:25,478 --> 00:17:29,416 それに手島は「ダブルエックス」の 負債を抱えてる。 216 00:17:29,482 --> 00:17:31,484 まあ不可能だな。 217 00:17:33,486 --> 00:17:38,425 まだ分からんか。 君は売られたんだ。 218 00:17:38,491 --> 00:17:42,429 君がうちに来れば ダブルエックスは負債も含めて→ 219 00:17:42,495 --> 00:17:45,432 「アポロン」が 買い取ることになってる。 220 00:17:45,498 --> 00:17:48,435 もちろん 君に選択の自由はある。 221 00:17:48,501 --> 00:17:51,438 君が断ったらこの話はなしだ。 222 00:17:51,504 --> 00:17:55,442 手島はこの先借金を背負って 生きていくことになる。 223 00:17:55,508 --> 00:17:58,445 (健)直。どういうことだよ。 224 00:17:58,511 --> 00:18:01,448 何でそんな話 勝手に決めるんだよ。 225 00:18:01,514 --> 00:18:05,452 直! (直)夢から目が覚めたのよ。 226 00:18:05,518 --> 00:18:09,456 二十歳のあなたとうまく やっていけるはずがないって。 227 00:18:09,522 --> 00:18:11,458 (健)そんなことないよ。 だって俺たち…。 228 00:18:11,524 --> 00:18:14,461 (直)俺たちは何? 229 00:18:14,527 --> 00:18:19,466 わたしはただ 浩志のいない寂しさを→ 230 00:18:19,532 --> 00:18:22,535 あなたで 埋めようとしてただけなのよ。 231 00:18:24,537 --> 00:18:27,540 そういうことだな。 232 00:18:29,542 --> 00:18:35,482 (直)こうやって寄り掛かれる所が 欲しかっただけなの。 233 00:18:39,486 --> 00:18:42,422 あっいい返事を期待してる。 234 00:18:42,489 --> 00:18:46,493 あの曲をほかのやつに 弾かせたくないからな。 235 00:18:56,503 --> 00:18:59,506 いい顔してるな。 236 00:19:02,509 --> 00:19:07,447 あいつが一方的にほれてるとは 見えなかったけどな。 237 00:19:07,514 --> 00:19:09,449 (直)わたしはただ→ 238 00:19:09,516 --> 00:19:13,453 彼のピアノが埋もれるのが 惜しかっただけです。 239 00:19:13,520 --> 00:19:18,458 浩志の音が。 >>堤の音か。 240 00:19:18,525 --> 00:19:25,465 (直)わたしには浩志との思い出が あればそれでいいんです。 241 00:19:25,532 --> 00:19:32,405 手島。手島にミツコのような 生き方は勧められないな。 242 00:19:32,472 --> 00:19:38,411 (直)柏木さんにも 優しいところがあるんですね。 243 00:19:38,478 --> 00:19:44,484 そりゃああんな顔されたら 男はたまんないからな。 244 00:19:47,487 --> 00:19:49,422 (直)やめてください! 245 00:19:49,489 --> 00:19:55,428 ああ。きついいい目だ。 手島はその方が似合う。 246 00:19:55,495 --> 00:19:59,432 んじゃ失礼する。 247 00:19:59,499 --> 00:20:04,504 寄り掛かりたくなったら いつでも相談に乗る。 248 00:20:09,509 --> 00:20:11,511 (直ため息) 249 00:20:14,514 --> 00:20:18,451 それじゃ帰るわね。 もう飲まないで寝なさい。 250 00:20:18,518 --> 00:20:21,454 鍵はこの次 返してくれればいいから。 251 00:20:21,521 --> 00:20:23,523 じゃあね。 252 00:20:23,523 --> 00:20:35,468 ♪~ 253 00:20:35,468 --> 00:20:43,409 (健)直の借金のためなら 何したっていいと思ってた。 254 00:20:43,476 --> 00:20:45,411 でも…。 255 00:20:45,478 --> 00:20:47,413 (直)《浩志のいない寂しさを→ 256 00:20:47,480 --> 00:20:50,416 あなたで 埋めようとしてただけなのよ》 257 00:20:50,483 --> 00:20:53,486 《この曲を柏木さんに売ったわ》 258 00:20:56,489 --> 00:20:59,492 (健)何で俺の曲売ったんだよ! 259 00:21:06,499 --> 00:21:13,506 (健)今の俺も堤浩志も捨てたのか。 260 00:21:18,511 --> 00:21:20,446 (直)横井君。 就職先はどうなった? 261 00:21:20,513 --> 00:21:23,449 いやぁまだですけど。 262 00:21:23,516 --> 00:21:26,452 もう俺の心配は大丈夫ですから 気長にやりますよ。 263 00:21:26,519 --> 00:21:30,456 (直)もしかしたらアポロンに 戻れるかもしれないから→ 264 00:21:30,523 --> 00:21:32,392 もう少し待ってて。 >>えっ? 265 00:21:32,458 --> 00:21:34,394 そういう話になってるんですか? 直さんも? 266 00:21:34,460 --> 00:21:37,397 (直)わたしはもういいわ。 >>お姉ちゃん。 267 00:21:37,463 --> 00:21:41,401 いっそのこと 自己破産も考えてみたら? 268 00:21:41,467 --> 00:21:45,405 1人で全部 借金を返すのは無理よ。 269 00:21:45,471 --> 00:21:47,407 (健)その必要ないんじゃないですか。 270 00:21:47,473 --> 00:21:50,410 (実花)林田君。 271 00:21:50,476 --> 00:21:53,479 彼はアポロンと 契約してくれた。 272 00:21:55,481 --> 00:21:57,417 (柏木)この会社は アポロンが買収した。 273 00:21:57,483 --> 00:22:00,420 今後は社内のクラシック部門と 合わせて→ 274 00:22:00,486 --> 00:22:04,424 アポロンの子会社となる。 名前は「アポロンクラシック」 275 00:22:04,490 --> 00:22:07,427 彼は所属が決まった ピアニストの林田君だ。→ 276 00:22:07,493 --> 00:22:11,497 ゼノが残した新曲で デビューしてもらう。