1 00:00:02,003 --> 00:00:07,008 {\an8}(健)俺生きたいんだ。 どうしても生きたいんだ。 2 00:00:10,511 --> 00:00:12,446 ごめん母さん。 3 00:00:12,513 --> 00:00:17,518 (すすり泣き) 4 00:00:34,535 --> 00:00:39,473 (直)わざわざお墓まで 来てくれるなんて。 5 00:00:39,540 --> 00:00:42,476 (健)いつから? 6 00:00:42,543 --> 00:00:45,546 (直)今来たところよ。どうして? 7 00:00:48,549 --> 00:00:54,555 (直)まさかあなたが ここまで来てくれるなんて。 8 00:00:56,557 --> 00:01:01,562 (健)近くに来たから。 (直)そう。 9 00:01:04,498 --> 00:01:09,437 (健)ああバラがさ 好きだったみたいだから。 10 00:01:09,503 --> 00:01:14,508 (直)お母さん喜ぶわ。 (健)それじゃ。 11 00:01:16,510 --> 00:01:18,512 (直)浩志! 12 00:01:21,515 --> 00:01:23,517 (直)浩志に…。 13 00:01:26,520 --> 00:01:33,461 (直)浩志に“赤の月”を弾くって 報告してくれた? 14 00:01:33,527 --> 00:01:36,464 (健)ああ…うん。 15 00:01:36,530 --> 00:01:42,470 (直)そう。 浩志もきっと喜んでるわ。 16 00:01:42,536 --> 00:01:44,538 ありがとう。 17 00:01:53,547 --> 00:01:58,552 (直)やっぱりそうだったのね。 18 00:01:58,552 --> 00:02:20,508 ♪~ 19 00:02:20,508 --> 00:02:28,449 (直)お母さん。お母さんの おっしゃるとおりでしたね。 20 00:02:28,516 --> 00:02:34,522 彼が浩志だって。 21 00:02:45,533 --> 00:02:52,540 (直)わたしは結局ずっと 浩志を愛してたのね。 22 00:03:19,500 --> 00:03:21,435 {\an8}(ミツコ)どうしたの? また難しい顔して。 23 00:03:21,502 --> 00:03:23,437 {\an8}(健)ミツコさんは 自分のお墓ってありますか? 24 00:03:23,504 --> 00:03:26,440 {\an8}(ミツコ)えっ?お墓? 25 00:03:26,507 --> 00:03:28,442 {\an8}(健)すいません変なこと聞いて。 26 00:03:28,509 --> 00:03:31,445 {\an8}生きてるうちに 買っておく人もいるから。 27 00:03:31,512 --> 00:03:37,451 {\an8}お墓ねえ。そんなこと 考えたこともなかったわ。 28 00:03:37,518 --> 00:03:39,453 {\an8}でもわたしは一人っ子だから→ 29 00:03:39,520 --> 00:03:42,456 {\an8}うちのお墓は わたしの代で終わりね。 30 00:03:42,523 --> 00:03:48,462 {\an8}親不孝…ううん先祖不幸だわ。 31 00:03:48,529 --> 00:03:50,464 {\an8}(健)俺もそうですよ。 32 00:03:50,531 --> 00:03:57,471 {\an8}俺は親よりも嘘をついてでも 自分が生きること…→ 33 00:03:57,538 --> 00:03:59,473 {\an8}直を選んだんです。 34 00:03:59,540 --> 00:04:01,542 {\an8}どういうこと? 35 00:04:03,477 --> 00:04:06,413 苦しいわね何かを選ぶって。 36 00:04:06,480 --> 00:04:09,416 でも人生には そんな瞬間が幾つもあるわ。 37 00:04:09,483 --> 00:04:13,420 選ばなかった道を 後悔することもある。 38 00:04:13,487 --> 00:04:16,423 でもせっかく苦しい思いして 選んだんだから→ 39 00:04:16,490 --> 00:04:21,495 選んだ道を直ちゃんを 離さないように頑張ってみたら? 40 00:04:23,497 --> 00:04:25,432 (健)そうですね。 41 00:04:25,499 --> 00:04:29,436 俺はそこまでして 直を選んだんだ。 42 00:04:29,503 --> 00:04:32,439 もう思うように生きるしかない。 43 00:04:32,506 --> 00:04:36,510 親はねきっといつか 分かってくれるわよ。 44 00:04:41,515 --> 00:04:44,451 (江利子)よし。 あっおかえりなさい。→ 45 00:04:44,518 --> 00:04:46,453 ご飯は? (健)まだ。 46 00:04:46,520 --> 00:04:49,523 (江利子)よかった。 じゃ一緒に食べましょ。 47 00:04:55,529 --> 00:04:57,464 ああそれ? 48 00:04:57,531 --> 00:05:00,467 健から母の日に カーネーションもらって→ 49 00:05:00,534 --> 00:05:04,405 このところ花を飾るのも 忘れてたって気が付いたわ。 50 00:05:04,471 --> 00:05:08,409 ありがとう。 (健)俺は何にも。 51 00:05:08,475 --> 00:05:13,414 ううん。こうやって一緒にご飯 食べられるだけで親孝行なのよ。 52 00:05:13,480 --> 00:05:19,420 親にとっての一番の親不孝はね 親より先に死ぬこと。 53 00:05:19,486 --> 00:05:23,424 健はあんな事故から 奇蹟の復活をしてくれた。 54 00:05:23,490 --> 00:05:26,427 それだけで じゅうぶんに親孝行だわ。 55 00:05:26,493 --> 00:05:31,432 (健)いや俺は何にもできなかった。 56 00:05:31,498 --> 00:05:35,436 女手一つで 俺を育ててくれたのに。 57 00:05:35,502 --> 00:05:43,510 (多恵)《浩志の母親で 母さん幸せだった》 58 00:05:50,517 --> 00:05:53,454 (健)《俺だよ直》 59 00:05:53,520 --> 00:05:55,522 《浩志だよ》 60 00:05:57,524 --> 00:06:03,464 《俺は堤浩志じゃない。 俺は林田健だ》 61 00:06:05,466 --> 00:06:07,468 (直)どうして嘘つくの? 62 00:06:16,477 --> 00:06:19,413 (直)どうしたの? 63 00:06:19,480 --> 00:06:24,418 レコーディングのことだったら…。 (健)仕事の話じゃない。 64 00:06:24,485 --> 00:06:30,491 (直)昨日は驚いたわ。あなたが お墓にまで来てくれるなんて。 65 00:06:32,493 --> 00:06:39,433 やっぱりバラの花束を病院に 持ってきたのあなただったのね。 66 00:06:39,500 --> 00:06:42,436 どうして本当のこと 言ってくれなかったの? 67 00:06:42,503 --> 00:06:48,442 (健)いや俺じゃない。 (直)そう。 68 00:06:48,509 --> 00:06:51,445 (健)なあ直。 69 00:06:51,512 --> 00:06:55,449 俺たちやっと今 向き合えるんじゃないか? 70 00:06:55,516 --> 00:06:57,451 浩志さんのお母さんが あんなことになって→ 71 00:06:57,518 --> 00:07:01,455 それどころじゃなかったし。 72 00:07:01,522 --> 00:07:05,392 すぐに一緒に暮らすってわけには いかないけど俺は…。 73 00:07:05,459 --> 00:07:11,398 (直)どうしてあなたはそこまで わたしのこと思ってくれるの? 74 00:07:11,465 --> 00:07:15,402 わたしたちまだ知り合って 半年もたってないのよ。 75 00:07:15,469 --> 00:07:18,405 (健)人を好きになるのに 時間なんか関係ない。 76 00:07:18,472 --> 00:07:20,474 直だって知ってるだろ。 77 00:07:25,479 --> 00:07:30,484 (浩志)《音楽は感情だ。思いだ》 78 00:07:32,486 --> 00:07:35,422 (直)知ってるわ。 79 00:07:35,489 --> 00:07:42,429 でも健のことを知れば知るほど 分からなくなるの。 80 00:07:42,496 --> 00:07:46,433 あなたへの気持ちだけで 進んでいいのか。 81 00:07:46,500 --> 00:07:50,437 (健)何にも問題ない。 気持ちだけでいいんだよ。 82 00:07:50,504 --> 00:07:59,446 (直)初めて…初めてうちに来た日→ 83 00:07:59,513 --> 00:08:06,386 どうして自分が浩志だって 名乗ったか記憶は戻った? 84 00:08:06,453 --> 00:08:12,392 (健)記憶のことはもうあきらめた。 戻る気がしない。 85 00:08:12,459 --> 00:08:15,462 俺はこれからの未来を 大事にしたい。 86 00:08:19,466 --> 00:08:24,404 (健)俺は直を愛してる。 誰よりも何よりも。 87 00:08:24,471 --> 00:08:27,407 俺にとって 直が生きる意味だから。 88 00:08:27,474 --> 00:08:31,411 (直)生きる意味? (健)ああ。 89 00:08:31,478 --> 00:08:36,416 《俺生きたいんだ。 どうしても生きたいんだ》 90 00:08:36,483 --> 00:08:39,486 《ごめん母さん》 91 00:08:41,488 --> 00:08:45,425 事故に遭ってから よく考えるんだ。 92 00:08:45,492 --> 00:08:49,429 俺が今生きてる意味を。 93 00:08:49,496 --> 00:08:52,432 答えはいつも直だ。 94 00:08:52,499 --> 00:08:55,435 直がいなきゃ意味がない。 95 00:08:55,502 --> 00:09:00,440 初めて直に会ったあの日も 気が付けば直のうちにいた。 96 00:09:00,507 --> 00:09:03,443 《信じてくれ。おっ…俺…》 97 00:09:03,510 --> 00:09:05,445 《ううっ…》 98 00:09:05,512 --> 00:09:08,515 (直)《えっ?ねえ? ちょっと…ちょっと…!?》 99 00:09:10,517 --> 00:09:15,455 《やっぱりあなた浩志なのね》 100 00:09:15,522 --> 00:09:21,461 (健)《ああ俺は…》 101 00:09:21,528 --> 00:09:23,463 (鍵盤の上に倒れる音) 102 00:09:23,530 --> 00:09:26,533 (健)《あっ…》 (直)《どうしたの?》 103 00:09:30,537 --> 00:09:34,541 (健)どうした?直? 104 00:09:37,544 --> 00:09:41,481 (直)ごめんなさい。帰って。 105 00:09:41,548 --> 00:09:43,483 (健)えっ? 106 00:09:43,550 --> 00:09:46,486 (直)用事思い出したの。 お願い帰って。 107 00:09:46,553 --> 00:09:53,560 (健)おい。 (直)お願い今は帰って。 108 00:09:56,563 --> 00:09:58,565 (健)分かった。 109 00:10:07,507 --> 00:10:11,445 (直)そういうことなの? 110 00:10:11,511 --> 00:10:20,520 お互いが浩志だって認めたら 健は…浩志は死んでしまうの? 111 00:10:24,524 --> 00:10:28,462 いまさら謝りに いらしたんですか? 112 00:10:28,528 --> 00:10:31,465 (直)許してくださるとは 思っていません。 113 00:10:31,531 --> 00:10:34,468 今わたしと息子さんは→ 114 00:10:34,534 --> 00:10:37,471 単なる音楽会社の社長と アーティストです。 115 00:10:37,537 --> 00:10:40,474 それをご理解いただきたくて。 116 00:10:40,540 --> 00:10:46,480 健には言いました ピアノは認めると。 117 00:10:46,546 --> 00:10:52,486 受け入れることにしたんです 今の健を。 118 00:10:52,552 --> 00:10:55,489 あの事故で 記憶をなくしてから→ 119 00:10:55,555 --> 00:10:59,493 突然ピアノが弾けるように なったって言われても→ 120 00:10:59,559 --> 00:11:02,429 ずっと信じられなくて…。 121 00:11:02,496 --> 00:11:08,435 事故の前の健とは まるで別人みたいで…。 122 00:11:08,502 --> 00:11:10,437 (直)別人…。 123 00:11:10,504 --> 00:11:18,445 でも気付いたんです。 そんな情けない母親を→ 124 00:11:18,512 --> 00:11:23,450 健の方が一生懸命 受け入れようとしてくれてるって。 125 00:11:23,517 --> 00:11:29,456 あの子にとっては見ず知らずの おばさんでしかないわたしを→ 126 00:11:29,523 --> 00:11:32,526 「お母さん」って。 127 00:11:34,528 --> 00:11:41,535 あの子母の日に 初めてお花をくれたんです。 128 00:11:44,538 --> 00:11:48,475 事故に遭う前の健も→ 129 00:11:48,542 --> 00:11:52,479 わたしのことを忘れてしまった 今の健も→ 130 00:11:52,546 --> 00:11:57,484 わたしにとっては 大事な息子です。 131 00:11:57,551 --> 00:12:02,422 だからわたしもあの子の全てを 受け入れようって→ 132 00:12:02,489 --> 00:12:08,495 やっと心の底から 思えるようになりました。 133 00:12:10,497 --> 00:12:14,434 今度ピアノも 聞かせてもらうつもりです。 134 00:12:14,501 --> 00:12:21,441 (直)息子さんのピアノは 思いや感情があふれていて→ 135 00:12:21,508 --> 00:12:26,446 それでいて優しくて 本当にすてきですから。 136 00:12:26,513 --> 00:12:36,456 堤さん。あなたのことも もう受け入れるわ。 137 00:12:36,523 --> 00:12:42,462 憎くてたまらなかった。 記憶もない二十歳の息子を→ 138 00:12:42,529 --> 00:12:47,467 いい年した未亡人が もてあそんでって。 139 00:12:47,534 --> 00:12:51,471 でももしあなたがホントに→ 140 00:12:51,538 --> 00:12:54,474 健のことを 愛しているというのなら→ 141 00:12:54,541 --> 00:12:58,478 認めることに決めました。 142 00:12:58,545 --> 00:13:03,483 あの子のあなたへの気持ちは 本気だわ。 143 00:13:06,486 --> 00:13:10,423 結局母親は 子供が幸せだったら→ 144 00:13:10,490 --> 00:13:14,494 それで全て 許せてしまうものなのね。 145 00:13:17,497 --> 00:13:21,501 (直)一つ伺ってもいいですか? 146 00:13:23,503 --> 00:13:28,441 以前わたしの家で息子さん 胸を押さえて倒れて→ 147 00:13:28,508 --> 00:13:31,444 病院に運ばれたことが ありましたよね? 148 00:13:31,511 --> 00:13:36,449 >>背筋が凍る思いでした。 (直)あのときの状態は? 149 00:13:36,516 --> 00:13:41,454 あっ…堤さんの前で 先生が言ってらしたように→ 150 00:13:41,521 --> 00:13:48,461 心肺停止状態でいつ亡くなっても おかしくなかったって。 151 00:13:48,528 --> 00:13:51,464 (直)その後同じような症状は? 152 00:13:51,531 --> 00:13:55,468 息子さん胸を押さえて 痛がるようなこと→ 153 00:13:55,535 --> 00:13:59,472 今でもありますか? >>いいえあの日だけです。 154 00:13:59,539 --> 00:14:04,411 (直)そうですか。 >>何か問題でも? 155 00:14:04,477 --> 00:14:09,482 (直)いえ心配だったものですから。 156 00:14:18,491 --> 00:14:21,428 堤さん。 157 00:14:21,494 --> 00:14:27,434 あの子のこと よろしくお願いします。 158 00:14:27,500 --> 00:14:29,502 (直)林田さん…。 159 00:14:33,006 --> 00:14:38,011 ♪(“赤の月”の演奏) 160 00:14:38,011 --> 00:15:15,048 ♪~ 161 00:15:15,048 --> 00:15:18,985 《堤さんの前で 先生が言ってらしたように→ 162 00:15:19,052 --> 00:15:24,991 心肺停止状態でいつ亡くなっても おかしくなかったって》 163 00:15:25,058 --> 00:15:26,993 (健)《ううっ…》 164 00:15:27,060 --> 00:15:30,063 (直)《えっ?ねえ? ちょっと…ちょっと…!?》 165 00:15:30,063 --> 00:15:37,003 ♪~ 166 00:15:39,005 --> 00:15:40,940 (健)直…。 167 00:15:41,007 --> 00:15:43,009 (直)ごめんなさい。 168 00:15:45,011 --> 00:15:47,013 (健)戻ってたのか。 169 00:15:51,017 --> 00:15:56,956 (健)直が俺とのことで 混乱してんのはよく分かってる。 170 00:15:57,023 --> 00:16:01,027 俺は年下で記憶もなくて…。 171 00:16:05,031 --> 00:16:10,970 (健)でも俺を信じてくれないか。 絶対に直を裏切ったりはしない。 172 00:16:11,037 --> 00:16:15,975 俺の親だって 直の周りの人たちだって→ 173 00:16:16,042 --> 00:16:20,046 俺たちの思いが真剣だって 分かれば絶対に理解してくれる。 174 00:16:22,048 --> 00:16:24,050 (直)そうね。 175 00:16:26,052 --> 00:16:29,989 (健)この指輪を今無理に 外せとは言わない。 176 00:16:30,056 --> 00:16:32,992 俺は直の全てを愛してる。 177 00:16:36,996 --> 00:16:44,938 (直)でもわたしはもう 君に仕事以外の感情はないの。 178 00:16:45,004 --> 00:16:48,942 健のピアノは好きよ本当に。 179 00:16:49,008 --> 00:16:50,944 人としても嫌いじゃない。 180 00:16:51,010 --> 00:16:55,949 でも男として見ることは もうできないの。 181 00:16:56,015 --> 00:16:58,952 (健)何言ってんだよ?急に。 182 00:16:59,018 --> 00:17:03,957 どうした?直? 183 00:17:04,023 --> 00:17:07,961 (直)好きな人ができたの。 184 00:17:08,027 --> 00:17:10,964 柏木さんよ。 185 00:17:11,030 --> 00:17:14,968 (健)また下手な芝居する気か? 俺はもうだまされないぞ。 186 00:17:15,034 --> 00:17:18,972 (直)芝居なんかじゃないわ。 気付いたの。 187 00:17:19,038 --> 00:17:21,975 わたしを幸せにしてくれるのは 柏木さんだって。 188 00:17:22,041 --> 00:17:23,977 二十歳の君じゃ無理だわ。 189 00:17:24,044 --> 00:17:26,980 (健)直は誰かに幸せにして もらいたいなんて言う女じゃない。 190 00:17:27,046 --> 00:17:29,983 (直)君にわたしの何が 分かるっていうの? 191 00:17:30,049 --> 00:17:33,987 たった数カ月の付き合いで。 192 00:17:34,053 --> 00:17:37,991 (柏木)よう。おっ来てたのか。 調子はどうだ? 193 00:17:38,057 --> 00:17:39,993 (健)柏木さん。 >>うん。 194 00:17:40,059 --> 00:17:44,063 (健)何で? (直)わたしが呼んだのよ。 195 00:17:46,065 --> 00:17:51,004 今わたしを支えてくれているのは 君じゃなくて柏木さんなの。 196 00:17:51,070 --> 00:17:53,006 (健)直がこんな男 好きになるはずない。 197 00:17:53,073 --> 00:17:55,008 ちょっと待て。 こんな男って言い方はないだろ。 198 00:17:55,074 --> 00:18:00,013 (直)柏木さんはホントは優しい人よ。 199 00:18:00,079 --> 00:18:05,018 君の言うとおり浩志が亡くなって 1年もたたずに→ 200 00:18:05,084 --> 00:18:09,022 別の誰かを好きになったら 非難されるって分かってる。 201 00:18:09,088 --> 00:18:12,025 でもわたしは幸せになりたいの。 202 00:18:12,092 --> 00:18:17,030 二十歳の林田健とは 幸せになれるわけがないわ。 203 00:18:17,096 --> 00:18:21,034 (健)ううん違う。 204 00:18:21,100 --> 00:18:27,040 違う。俺は…俺は…。 205 00:18:27,106 --> 00:18:31,044 (直)何も言わないで! 今日はもう帰って! 206 00:18:31,111 --> 00:18:32,979 (健)直…。 207 00:18:33,046 --> 00:18:35,982 (直)わたしと君は 仕事のパートナーよ。 208 00:18:36,049 --> 00:18:38,985 ピアノの練習が終わったんなら 帰って。 209 00:18:39,052 --> 00:18:44,057 君の居場所は家族の所だわ。 210 00:18:54,067 --> 00:18:59,005 >>このために俺を呼んだのか? (直)すいません。 211 00:18:59,072 --> 00:19:02,008 バカにするのも いいかげんにしてもらいたいね。 212 00:19:02,075 --> 00:19:06,012 (直)バカになんかしてません。 今言ったことは本当です。 213 00:19:06,079 --> 00:19:09,015 柏木さんは ホントは優しい人です。 214 00:19:09,082 --> 00:19:13,019 フフッ。嘘をつくな。 215 00:19:13,086 --> 00:19:18,024 まあこのことがあいつの ヒットに少しでも役立つなら→ 216 00:19:18,091 --> 00:19:20,093 それはそれで許せる範囲だ。 217 00:19:22,095 --> 00:19:24,030 なあ何があったか 分からんけど→ 218 00:19:24,097 --> 00:19:27,033 今あいつは どういう状態なんだ? 219 00:19:27,100 --> 00:19:33,973 (直)彼は今つらくて苦しくて たまらないんだと思います。 220 00:19:34,040 --> 00:19:39,979 本当の思いを胸に押し込めて。 >>本当の思いを? 221 00:19:40,046 --> 00:19:44,984 (直)記憶がない特殊な状況ですから つらくて当たり前です。 222 00:19:45,051 --> 00:19:52,992 知らない人が母親で自分の顔すら 見覚えがないはずですから。 223 00:19:53,059 --> 00:19:58,998 誰にも理解されなくて ずっとつらかったはずです。 224 00:19:59,065 --> 00:20:03,002 あいつにとって 記憶にない家族よりも→ 225 00:20:03,069 --> 00:20:07,006 手島の方がずっと大切なんだろ。 226 00:20:07,073 --> 00:20:10,009 それを理解してて なぜ突き放す? 227 00:20:10,076 --> 00:20:12,011 堤への義理立てか? 228 00:20:12,078 --> 00:20:15,014 (直)そんなんじゃありません。 あんな子供。 229 00:20:15,081 --> 00:20:22,021 まあどういう感情にしろそれを 音楽に昇華してくれるなら→ 230 00:20:22,088 --> 00:20:24,023 俺は構わない。 231 00:20:24,090 --> 00:20:27,026 あいつをうまく コントロールしてくれよな。 232 00:20:27,093 --> 00:20:29,028 (直)はい。 233 00:20:29,095 --> 00:20:32,966 あっそうだ。手島。 越川から何か聞いてないか? 234 00:20:33,032 --> 00:20:34,968 (直)えっ? 235 00:20:35,034 --> 00:20:36,970 自分を「アポロン」へ雇えと 言ってきた。 236 00:20:37,036 --> 00:20:38,972 (直)博人さんが? >>うん。 237 00:20:39,038 --> 00:20:43,977 理由は分からんが 林田の仕事にかかわりたいって。 238 00:20:44,043 --> 00:20:47,046 何か心当たりないか? 239 00:20:51,050 --> 00:20:55,989 また何そんな飲み方して。 240 00:20:56,055 --> 00:20:58,992 はい水。 241 00:20:59,058 --> 00:21:01,995 (健)お代わり下さい。 >>直ちゃんのことよね? 242 00:21:02,061 --> 00:21:04,998 最近行夫さんと一緒に 仕事してるみたいだけど? 243 00:21:05,064 --> 00:21:11,070 (健)仕事ねえ。仕事なのか。 244 00:21:13,072 --> 00:21:17,076 直は何を考えてるんだ? 245 00:21:19,078 --> 00:21:24,017 (直)浩志…。浩志の性格じゃ→ 246 00:21:24,083 --> 00:21:30,089 わたしといて永遠に 嘘をつき通せるはずないわよね。 247 00:21:33,026 --> 00:21:35,962 そばにいなくてもいい。 248 00:21:36,029 --> 00:21:42,035 生きてさえいてくれたら それでいいの。 249 00:21:46,039 --> 00:21:49,042 \(ノック) \(ドアの開く音) 250 00:21:51,044 --> 00:21:53,980 (直)急に呼び出してごめんなさい。 (博人)いや。 251 00:21:54,047 --> 00:22:00,053 (直)柏木さんの所へ行ったそうね。 目的は何? 252 00:22:02,055 --> 00:22:07,994 林田健のことで 博人さんに頼みたいことがあるの。 253 00:22:08,061 --> 00:22:11,064 (博人)頼みたいこと?