1 00:00:34,019 --> 00:00:38,740 (赤ん坊の声) 2 00:00:38,740 --> 00:00:41,677 (佐久) ほんとに よく頑張ったな。➡ 3 00:00:41,677 --> 00:00:47,032 元気な男の子だ。 (みね)はい。 4 00:00:47,032 --> 00:00:50,018 明治20年1月➡ 5 00:00:50,018 --> 00:00:55,340 みねは 同志社の教師となった 伊勢時雄と共に 京都に戻り➡ 6 00:00:55,340 --> 00:00:59,040 長男 平馬を出産した。 7 00:01:01,747 --> 00:01:04,082 (八重)少し休んだ方がいい。 8 00:01:04,082 --> 00:01:06,418 ほら。 はい。 9 00:01:06,418 --> 00:01:12,741 (赤ん坊の泣き声) 10 00:01:12,741 --> 00:01:15,441 泣かねえでくなんしょ。 11 00:01:17,012 --> 00:01:21,433 (佐久)泣くのは 赤子の仕事だ。 12 00:01:21,433 --> 00:01:25,003 (覚馬)威勢のいい泣き声だ。 13 00:01:25,003 --> 00:01:30,008 (伊勢)父上。 大事な跡取りだった みねさんを頂き➡ 14 00:01:30,008 --> 00:01:34,079 改めて 感謝しております。 15 00:01:34,079 --> 00:01:36,081 山本家は➡ 16 00:01:36,081 --> 00:01:40,381 久栄に しっかりとした婿を取って 継がせる。 17 00:01:43,338 --> 00:01:49,745 叔母様 もっと右手を上に 頭に手を添えて。 18 00:01:49,745 --> 00:01:53,045 こうか? (みね)はい。 19 00:02:10,732 --> 00:02:13,032 (久栄)健次郎さん。 20 00:02:20,075 --> 00:02:24,246 健次郎は 徳富猪一郎の弟で➡ 21 00:02:24,246 --> 00:02:27,399 いとこである 伊勢時雄の家に身を寄せ➡ 22 00:02:27,399 --> 00:02:31,099 同志社に通っていた。 23 00:02:34,406 --> 00:02:37,692 (健次郎)う~ん! あ~。 24 00:02:37,692 --> 00:02:44,683 ♬~ 25 00:02:44,683 --> 00:02:48,983 これ おおきに ありがとう。 面白かった。 26 00:02:51,406 --> 00:02:55,076 戻らんで よかと? 27 00:02:55,076 --> 00:03:00,076 ええんや。 うちは 厄介者の娘やからな。 28 00:03:01,750 --> 00:03:03,750 久栄さん。 29 00:03:06,404 --> 00:03:10,342 健次郎さんこそ 戻らんでええの? 30 00:03:10,342 --> 00:03:13,342 俺も 厄介な居候たい。 31 00:03:18,099 --> 00:03:22,099 次は 何を借りよかな? 32 00:03:25,023 --> 00:03:28,026 これは? 33 00:03:28,026 --> 00:03:30,679 「将来之日本」。 34 00:03:30,679 --> 00:03:33,682 それは 兄貴の書いた本たい。 35 00:03:33,682 --> 00:03:37,982 そぎゃん説教臭か 政治評論より…。 36 00:03:40,739 --> 00:03:42,739 はい。 37 00:03:46,411 --> 00:03:49,411 小説? うん。 38 00:03:51,066 --> 00:03:57,005 若者の間では 小説が 流行の兆しを見せていた。 39 00:03:57,005 --> 00:04:01,409 近代文学の夜明けである。 40 00:04:01,409 --> 00:04:10,352 ♬~(テーマ音楽) 41 00:04:10,352 --> 00:06:36,052 ♬~ 42 00:06:40,402 --> 00:06:43,671 襄。 薬の時間ですよ。 43 00:06:43,671 --> 00:06:45,671 (新島)はい。 44 00:06:48,343 --> 00:06:52,347 また 根を詰めで…。 45 00:06:52,347 --> 00:06:56,067 何を書いてんです? 46 00:06:56,067 --> 00:06:58,069 猪一郎さんに➡ 47 00:06:58,069 --> 00:07:02,407 次に印刷する「将来之日本」の 序文を書くよう 頼まれたんです。 48 00:07:02,407 --> 00:07:05,744 襄が 猪一郎さんの本に 序文を!? 49 00:07:05,744 --> 00:07:11,015 ええ。 売れ行きがいいので 次で もう 第3版となるそうです。 50 00:07:11,015 --> 00:07:13,451 そんなに! 51 00:07:13,451 --> 00:07:18,451 平民主義を唱える猪一郎さんは 今や 花形の言論人です。 52 00:07:21,409 --> 00:07:25,080 あの やんちゃだった 猪一郎さんが…。 53 00:07:25,080 --> 00:07:29,684 でも 猪一郎さんだけでは ありませんよ。 54 00:07:29,684 --> 00:07:31,686 これは? 55 00:07:31,686 --> 00:07:35,573 猪一郎さんに憧れた学生たちが 作った雑誌です。 56 00:07:35,573 --> 00:07:38,410 弟の健次郎さんの小説が 載っています。 57 00:07:38,410 --> 00:07:40,412 小説? 58 00:07:40,412 --> 00:07:44,412 徳富兄弟は 2人とも 文章に 才があります。 59 00:07:47,352 --> 00:07:50,004 猪一郎は このころ➡ 60 00:07:50,004 --> 00:07:55,743 日本初の総合雑誌 「国民之友」を創刊した。 61 00:07:55,743 --> 00:08:01,043 (初子)猪一郎。 全国に送る支度ができたたい。 62 00:08:03,401 --> 00:08:08,673 「国民之友」は 明治のジャーナリズムを 牽引する存在へと➡ 63 00:08:08,673 --> 00:08:11,673 成長する事となる。 64 00:08:16,748 --> 00:08:23,404 おい おい! この書生と芸妓 最後は どうなるんだ? 65 00:08:23,404 --> 00:08:30,011 「恋の奴に身を卑しめ 学びの窓にありながら」…。➡ 66 00:08:30,011 --> 00:08:33,414 学問か 恋か どっちを取ると思う? 67 00:08:33,414 --> 00:08:36,017 (健次郎)何を言っとるのだ! 山川教授! 68 00:08:36,017 --> 00:08:39,354 帝大生が 小説など! あっ! 69 00:08:39,354 --> 00:08:43,007 こんな低俗な娯楽に うつつを抜かしてる場合か! 70 00:08:43,007 --> 00:08:47,745 東京大学は 今や 帝国大学となった! 71 00:08:47,745 --> 00:08:53,351 お前たちには 日本を正しく導く 重責がある事を忘れるな。 72 00:08:53,351 --> 00:08:56,051 (帝大生たち)はい。 73 00:08:59,340 --> 00:09:01,743 (学生1) 徴兵なんて 真っ平ごめんや。➡ 74 00:09:01,743 --> 00:09:05,747 徴兵 懲役 1字違いとは よう言うたもんや。 75 00:09:05,747 --> 00:09:07,732 (学生2)でも 朝鮮を挟んで➡ 76 00:09:07,732 --> 00:09:11,402 清とロシアが 日本をうかごうてる。 負けてられん。 77 00:09:11,402 --> 00:09:14,405 (学生3)列強は 次々と アジアを占領してる。➡ 78 00:09:14,405 --> 00:09:18,443 軍備を急がんと 日本も のみ込まれるで。 79 00:09:18,443 --> 00:09:21,443 (戸が開く音) 80 00:09:32,407 --> 00:09:36,344 おおきにな。 この小説は 面白かったわ。 81 00:09:36,344 --> 00:09:38,413 おう。 82 00:09:38,413 --> 00:09:41,065 今日は 英語のご本? 83 00:09:41,065 --> 00:09:43,685 あ… 「レ・ミゼラブル」。 84 00:09:43,685 --> 00:09:48,072 どないな お話え? 85 00:09:48,072 --> 00:09:50,072 ちょ…。 86 00:09:51,743 --> 00:09:53,743 こっち。 87 00:09:58,349 --> 00:10:05,757 ある罪深い男が 娼婦の娘のために 一生ば ささげる話たい。 88 00:10:05,757 --> 00:10:09,777 何が罪で 何が愛か。 89 00:10:09,777 --> 00:10:13,681 何が愛か? 90 00:10:13,681 --> 00:10:17,018 俺は 小説ば書く。 91 00:10:17,018 --> 00:10:20,672 ペンで 人間の本当を書きたか。 92 00:10:20,672 --> 00:10:25,076 うちも 健次郎さんの小説 読みたいな。 93 00:10:25,076 --> 00:10:31,032 (学生1)猪一郎さんの足元にも 及ばんくせに 何を偉そうに。 94 00:10:31,032 --> 00:10:33,418 同志社の風紀を乱すなや。 95 00:10:33,418 --> 00:10:36,070 ふぬけた本ばっかり読んで➡ 96 00:10:36,070 --> 00:10:39,073 ひどい成績を 恥とは思わんのか? 97 00:10:39,073 --> 00:10:41,743 そっちこそ 寄ってたかって 恥ずかしゅうないのん? 98 00:10:41,743 --> 00:10:45,413 恥知らずは どっちや! お前の母親のせいで➡ 99 00:10:45,413 --> 00:10:47,682 どんだけ 学校の名に 傷がついたか! 100 00:10:47,682 --> 00:10:51,069 おい! 何え? 101 00:10:51,069 --> 00:10:56,090 (市原)ここにおったか。 久栄さん ちょっと来んね。 102 00:10:56,090 --> 00:10:59,790 何しよっとか! ええから 早う! みねさんが! 103 00:11:13,024 --> 00:11:16,077 (久栄)姉様…。 104 00:11:16,077 --> 00:11:21,733 今 息を引き取られました。 105 00:11:21,733 --> 00:11:27,338 (伊勢) 力の入らん手で 平馬を抱いて➡ 106 00:11:27,338 --> 00:11:30,408 最期まで笑っとって…。 107 00:11:30,408 --> 00:11:33,108 (赤ん坊の泣き声) 108 00:11:35,029 --> 00:11:44,005 ♬~ 109 00:11:44,005 --> 00:11:47,025 悔しかったろう…。 110 00:11:47,025 --> 00:12:08,363 ♬~ 111 00:12:08,363 --> 00:12:14,018 (泣き声) 112 00:12:14,018 --> 00:12:17,018 おっ母様…。 113 00:12:20,742 --> 00:12:28,015 あの むごい戦を 生き延びたというのに…➡ 114 00:12:28,015 --> 00:12:35,315 平馬が産まれて やっと これからという時に…。 115 00:12:38,076 --> 00:12:40,376 なじょして! 116 00:12:42,346 --> 00:12:44,348 (床をたたく音) 117 00:12:44,348 --> 00:12:46,751 (泣き声) 118 00:12:46,751 --> 00:12:52,774 神様が いんなら 私の命を持ってってくなんしょ! 119 00:12:52,774 --> 00:12:56,010 そんな事 言うもんでねえ! 120 00:12:56,010 --> 00:12:59,010 みねが悲しむべ。 121 00:13:02,016 --> 00:13:15,413 みねも 平馬も 久栄も みんな➡ 122 00:13:15,413 --> 00:13:20,017 なじょして 母親と別れねば なんねえんだ! 123 00:13:20,017 --> 00:13:33,017 ♬~ 124 00:13:34,682 --> 00:13:40,982 みねの葬儀は 同志社で執り行われた。 125 00:14:06,414 --> 00:14:08,714 形見分けだ。 126 00:14:17,675 --> 00:14:26,400 ♬~ 127 00:14:26,400 --> 00:14:30,671 これを 久栄に。 128 00:14:30,671 --> 00:14:34,675 久栄は 優秀だ。 129 00:14:34,675 --> 00:14:40,364 勉強を頑張って 好きな事をしてほしい。 130 00:14:40,364 --> 00:14:43,684 みね…。 131 00:14:43,684 --> 00:14:48,739 久栄は つれえ思いをした。 132 00:14:48,739 --> 00:14:52,039 気持ちは分がるんだ。 133 00:14:56,080 --> 00:15:06,407 叔母様。 久栄の事 よろしくお願いします。 134 00:15:06,407 --> 00:15:15,082 ♬~ 135 00:15:15,082 --> 00:15:20,382 私ができる事は 何でも するつもりだ。 136 00:15:23,407 --> 00:15:27,107 叔母様の力を借りるつもりは ありません。 137 00:15:28,679 --> 00:15:30,679 久栄…。 138 00:15:32,683 --> 00:15:36,687 母を追い出した人に 頼る訳には いかへん。 139 00:15:36,687 --> 00:15:48,749 ♬~ 140 00:15:48,749 --> 00:15:54,755 [ 回想 ] 久栄。 この人は もう 母様ではねえ。 141 00:15:54,755 --> 00:15:58,776 山本家とは 縁を切った人だ。 142 00:15:58,776 --> 00:16:02,013 ほら 早ぐ出てけ! 143 00:16:02,013 --> 00:16:05,349 ♬~ 144 00:16:05,349 --> 00:16:08,352 やめて! 145 00:16:08,352 --> 00:16:11,339 母様に ひどい事せんといて! 146 00:16:11,339 --> 00:16:22,416 ♬~ 147 00:16:22,416 --> 00:16:25,416 何か 嫌な事 言われたと? 148 00:16:27,405 --> 00:16:31,409 うちは 跡取り娘や。 149 00:16:31,409 --> 00:16:36,080 けど あんな家 もう出ていきたい。 150 00:16:36,080 --> 00:16:41,080 不貞な母親の娘やと 一生 言われる。 151 00:16:52,413 --> 00:16:56,413 母親てちゃ 人間たい。 152 00:16:59,086 --> 00:17:02,406 心迷う時もある。 153 00:17:02,406 --> 00:17:06,106 みんな それば隠して 生きとっと。 154 00:17:07,695 --> 00:17:11,032 久栄さんの お母上は➡ 155 00:17:11,032 --> 00:17:14,685 人間らしか人て思う。 156 00:17:14,685 --> 00:17:39,410 ♬~ 157 00:17:39,410 --> 00:17:44,682 健次郎さんの小説 読んだ。 158 00:17:44,682 --> 00:17:47,682 これが ペンネームやろ? 159 00:17:50,004 --> 00:17:53,407 徳冨蘆花。 160 00:17:53,407 --> 00:17:58,412 「蘆の花は 見所とてもなく」…。 161 00:17:58,412 --> 00:18:01,032 清少納言? 162 00:18:01,032 --> 00:18:03,684 うん。 163 00:18:03,684 --> 00:18:10,074 兄貴に比べたら 俺は 取るに足らん蘆の花たい。 164 00:18:10,074 --> 00:18:13,074 ばってん 俺は そぎゃん花の方が よか。 165 00:18:16,030 --> 00:18:19,083 フフッ…。 何ね? 166 00:18:19,083 --> 00:18:29,083 ♬~ 167 00:18:30,678 --> 00:18:38,352 みねの葬儀の翌日から 民治は 風邪をこじらせ 寝込んでいた。 168 00:18:38,352 --> 00:18:42,740 (せきこみ) 169 00:18:42,740 --> 00:18:45,342 お待たせ致しました。 170 00:18:45,342 --> 00:18:48,012 ありがとう 八重さん。 171 00:18:48,012 --> 00:18:53,400 (民治)すまんな。 大変な時に 面倒をかけて。 172 00:18:53,400 --> 00:18:59,100 (登美)みねさんの葬儀で 雨に ぬれたものだから。 173 00:19:01,742 --> 00:19:05,746 しっかり食べて 力をつけてくなんしょ。 174 00:19:05,746 --> 00:19:08,046 ありがとう。 175 00:19:09,750 --> 00:19:12,050 ハッハッハ…。 176 00:19:15,406 --> 00:19:20,010 伊勢君のところは 大丈夫なのか? 乳飲み子を抱えて。 177 00:19:20,010 --> 00:19:23,347 久栄が 家事を手伝いに行っています。 178 00:19:23,347 --> 00:19:27,067 随分と賢い娘だと聞く。 179 00:19:27,067 --> 00:19:32,690 ええ。 女学校でも 一 二を争う成績です。 180 00:19:32,690 --> 00:19:37,077 賢いという事は 心こまやかという事。 181 00:19:37,077 --> 00:19:41,077 親御さんの事では 胸を痛めておろう。 182 00:19:44,018 --> 00:19:47,004 母親になったつもりで➡ 183 00:19:47,004 --> 00:19:50,007 しっかり育ててえと 思うげんじょ➡ 184 00:19:50,007 --> 00:19:52,743 ながなが…。 185 00:19:52,743 --> 00:19:56,347 子は 思うようにはならんという事を➡ 186 00:19:56,347 --> 00:19:59,347 心得ておくといい。 187 00:20:01,685 --> 00:20:05,339 すいません。 ハッハッハッハ。 188 00:20:05,339 --> 00:20:11,078 いや いや…。 断りもなく アメリカに渡ってくれて よかった。 189 00:20:11,078 --> 00:20:17,351 相談されたら 反対せねばならんところだった。 190 00:20:17,351 --> 00:20:26,076 子を信じきるという事は 親にとって 一番難しい。 191 00:20:26,076 --> 00:20:28,376 父上…。 192 00:20:30,080 --> 00:20:35,352 京都に 耶蘇の大学が出来たら➡ 193 00:20:35,352 --> 00:20:40,407 愉快であろうな。 ハッハッハッハ。 194 00:20:40,407 --> 00:20:46,397 七五三太 励めよ。 195 00:20:46,397 --> 00:20:48,415 はい。 196 00:20:48,415 --> 00:20:54,438 (民治の笑い声) 197 00:20:54,438 --> 00:21:01,695 この数日後 民治もまた 急な死を遂げるのであった。 198 00:21:01,695 --> 00:21:08,419 ♬~ 199 00:21:08,419 --> 00:21:12,719 それは お父様の…。 200 00:21:19,346 --> 00:21:23,350 (せきこみ) 201 00:21:23,350 --> 00:21:37,050 ♬~ 202 00:21:38,766 --> 00:21:41,766 そして 6月。 203 00:22:08,012 --> 00:22:15,936 ♬~ 204 00:22:15,936 --> 00:22:19,340 新島先生の親族が 校則違反やなんて。 205 00:22:19,340 --> 00:22:23,077 あの母親の娘やもの。 あの母親って? 206 00:22:23,077 --> 00:22:30,734 校内では 久栄と健次郎が 交際しているという噂が広まった。 207 00:22:30,734 --> 00:22:34,338 噂と違います。 交際は ほんまです。 208 00:22:34,338 --> 00:22:36,340 えっ!? 209 00:22:36,340 --> 00:22:39,640 健次郎さんから頂きました。 210 00:22:43,080 --> 00:22:49,737 「艱難の山 苦痛の谷も 手を携えて渡らん。➡ 211 00:22:49,737 --> 00:22:54,358 君が将来の夫より 我が未来の妻へ」。 212 00:22:54,358 --> 00:22:57,011 妻? 213 00:22:57,011 --> 00:23:01,365 うちら 今から 結婚するつもりや。 214 00:23:01,365 --> 00:23:04,018 何を ばかな事を。 215 00:23:04,018 --> 00:23:06,020 健次郎さんは 同志社をやめて➡ 216 00:23:06,020 --> 00:23:08,739 東京で 小説家になると 言うてます。 217 00:23:08,739 --> 00:23:11,742 うちも 東京についていく。 218 00:23:11,742 --> 00:23:15,746 学生の身で 結婚など 許せるはずがねえ。 219 00:23:15,746 --> 00:23:19,016 山本家から追い出した おなごの娘や。 220 00:23:19,016 --> 00:23:22,036 厄介払いできて ええやないの。 221 00:23:22,036 --> 00:23:24,671 うちも追い出して下さい。 222 00:23:24,671 --> 00:23:29,410 厄介者な訳ねえ! 家族だから 反対すんだ。 223 00:23:29,410 --> 00:23:33,080 こんな結婚 久栄のためにならねえ。 224 00:23:33,080 --> 00:23:36,083 叔母様に 口出しされる いわれは ないわ! 225 00:23:36,083 --> 00:23:38,783 母親にでも なったつもりなんか! 226 00:23:43,440 --> 00:23:48,078 「レ・ミゼラブル」いう小説。 ここには➡ 227 00:23:48,078 --> 00:23:52,733 我が子のために命を懸ける 母の愛が書いてあります。 228 00:23:52,733 --> 00:23:56,336 一遍 読んでみたら 叔母様にも分かるやろ。 229 00:23:56,336 --> 00:23:59,740 私は 久栄の事を心配してんだ。 230 00:23:59,740 --> 00:24:04,040 小説なんて 絵空事の話をしてんでねえ! 231 00:24:05,696 --> 00:24:08,749 小説は 絵空事じゃなか。 232 00:24:08,749 --> 00:24:13,070 小説には 人間の本当が書いてあっと。 233 00:24:13,070 --> 00:24:18,742 だけん 俺は 小説ば書く。 小説で 有名になっと。 234 00:24:18,742 --> 00:24:21,745 そんな事 言って…。 ばってん➡ 235 00:24:21,745 --> 00:24:24,445 今すぐ 結婚は…。 236 00:24:26,717 --> 00:24:29,736 健次郎さん? 237 00:24:29,736 --> 00:24:32,436 まだ 難しか。 238 00:24:43,684 --> 00:24:49,406 それじゃ 久栄の勇み足って事か? 239 00:24:49,406 --> 00:24:54,745 んだ。 健次郎さんは 口では 大きな事を言っているげんじょ➡ 240 00:24:54,745 --> 00:24:58,348 まだ 何もできねえ子どもだ。 241 00:24:58,348 --> 00:25:01,351 明治の生まれか。 242 00:25:01,351 --> 00:25:08,075 昔に比べっと 身分も家柄も 構いなしになった。➡ 243 00:25:08,075 --> 00:25:12,079 己の才覚だけで 生きていく自由もまた➡ 244 00:25:12,079 --> 00:25:15,065 恐ろしかろう。 245 00:25:15,065 --> 00:25:19,403 んだげんじょ あまりに軟弱だ。 246 00:25:19,403 --> 00:25:21,672 兄様が あのぐらいの時は➡ 247 00:25:21,672 --> 00:25:24,675 江戸で 藩のために 必死に学んでた。 248 00:25:24,675 --> 00:25:28,111 近頃の若い者は…。 249 00:25:28,111 --> 00:25:33,066 八重も そういう事を言う年になったか。 250 00:25:33,066 --> 00:25:36,069 私も 娘の頃は➡ 251 00:25:36,069 --> 00:25:41,675 「近頃の若い者は」と 言われたもんだ。 フフフ…。 252 00:25:41,675 --> 00:25:48,375 (覚馬)夏の休暇で会わぬうちに 久栄も 落ち着くだろう。 253 00:25:52,736 --> 00:25:59,736 7月 襄と八重は 静養のため 北海道へと渡った。 254 00:26:04,081 --> 00:26:09,381 ここから アメリカの船に忍び込んだのですか? 255 00:26:11,338 --> 00:26:16,026 心躍る 一世一代の旅でした。 256 00:26:16,026 --> 00:26:25,736 ♬~ 257 00:26:25,736 --> 00:26:29,006 八重と襄は 札幌に向かった。 258 00:26:29,006 --> 00:26:32,743 函館に住む 元斗南藩士から➡ 259 00:26:32,743 --> 00:26:38,043 幼なじみの日向ユキが 札幌にいると聞いたのだ。 260 00:26:40,350 --> 00:26:44,504 ごめんくなんしょ。 (一雄)どなた様ですか? 261 00:26:44,504 --> 00:26:46,740 新島八重と申します。 262 00:26:46,740 --> 00:26:50,010 こちらに 日向ユキさんが いらっしゃると聞いで。 263 00:26:50,010 --> 00:26:52,412 ユキは 母ですが…。 264 00:26:52,412 --> 00:26:56,112 えっ! 今 呼んでまいります。 265 00:26:58,735 --> 00:27:02,435 あんな大ぎな息子さんがいんのか。 266 00:27:04,358 --> 00:27:07,344 (ユキ)八重ねえ様! 267 00:27:07,344 --> 00:27:10,080 ユキさん! 268 00:27:10,080 --> 00:27:14,080 元気だった? ユキさんこそ! 269 00:27:17,754 --> 00:27:20,407 (内藤) ようこそ おいでなさいもした。➡ 270 00:27:20,407 --> 00:27:25,095 八重さあの お話は 家内から 常々聞いちょいもす。 271 00:27:25,095 --> 00:27:29,416 夫の内藤兼備です。 272 00:27:29,416 --> 00:27:32,716 薩摩のお方ですか? 273 00:27:35,405 --> 00:27:40,105 初めまして。 新島八重でございます。 274 00:27:42,079 --> 00:27:47,351 ユキさんとは あの日以来だ。 275 00:27:47,351 --> 00:27:50,687 割場の早鐘が鳴って…。 276 00:27:50,687 --> 00:27:52,687 [ 回想 ] ユキさん! 277 00:27:54,358 --> 00:27:56,743 八重ねえ様 その格好…。 278 00:27:56,743 --> 00:28:00,414 いいがら 早ぐ! みんな 続々と お城に向がってる。 279 00:28:00,414 --> 00:28:04,418 分がった。 すぐ行ぐ。 280 00:28:04,418 --> 00:28:10,741 (ユキ)城に入りそびれて 山ん中 逃げ回って➡ 281 00:28:10,741 --> 00:28:15,746 戦が終わってからは 斗南では食べていかんにぇくて➡ 282 00:28:15,746 --> 00:28:18,746 函館に渡って 奉公したんだ。 283 00:28:20,417 --> 00:28:23,717 つれえ思いをしたんだなし。 284 00:28:26,073 --> 00:28:30,773 鉄砲で戦った 八重ねえ様ほどではねえ。 285 00:28:35,415 --> 00:28:41,415 まさか 20年もたって会えるとは 思わねがった。 286 00:28:43,073 --> 00:28:46,373 お互い よく生き延びた。 287 00:28:48,362 --> 00:28:51,081 今は 幸せそうで。 288 00:28:51,081 --> 00:28:54,081 優しそうな旦那様だ。 289 00:28:57,404 --> 00:29:06,346 薩摩の者と所帯を持つなど 許さねえと 一族中に反対されて。 290 00:29:06,346 --> 00:29:10,734 悩み抜いたげんじょ いい人だったから。 291 00:29:10,734 --> 00:29:13,734 もう 15年になんだ。 292 00:29:15,355 --> 00:29:17,655 あっ! 293 00:29:22,012 --> 00:29:25,749 一雄! 先に 風呂の支度をするように言ったべ。 294 00:29:25,749 --> 00:29:27,749 はい。 295 00:29:29,403 --> 00:29:34,103 もう すっかり おっかねえ おっ母様だ。 296 00:29:35,742 --> 00:29:41,348 八重ねえ様は? 私は 子どもには恵まれながった。 297 00:29:41,348 --> 00:29:44,048 そうがし。 298 00:29:46,103 --> 00:29:53,360 今 みねの妹で 16になる姪っ子の面倒を見でる。 299 00:29:53,360 --> 00:29:56,012 んだげんじょ➡ 300 00:29:56,012 --> 00:30:00,400 学校をやめて 結婚してえと 言いだした。 301 00:30:00,400 --> 00:30:04,354 相手は 小説家になると言ってる学生だ。 302 00:30:04,354 --> 00:30:08,008 心配で 反対したげんじょ➡ 303 00:30:08,008 --> 00:30:11,708 実の母でもねえのにと言われて…。 304 00:30:13,697 --> 00:30:18,018 どうしたら 母親らしくなれんのか。 305 00:30:18,018 --> 00:30:21,318 八重ねえ様らしくねえな。 306 00:30:24,407 --> 00:30:31,014 私は 斗南にいっ時も 結婚すっ時も➡ 307 00:30:31,014 --> 00:30:33,400 苦しい時は よく➡ 308 00:30:33,400 --> 00:30:37,404 八重ねえ様だったら どうすっかなって考えた。 309 00:30:37,404 --> 00:30:40,423 壁に ぶつかっても➡ 310 00:30:40,423 --> 00:30:44,678 自分で決めた道を行くのが 八重ねえ様だ。 311 00:30:44,678 --> 00:30:50,016 お父様に反対されでも 鉄砲 撃って➡ 312 00:30:50,016 --> 00:30:53,403 宣教師様とも 結婚されたんだべ? 313 00:30:53,403 --> 00:30:56,006 ユキさん…。 314 00:30:56,006 --> 00:31:00,744 迷った時は 母親らしくではなくて➡ 315 00:31:00,744 --> 00:31:05,044 八重ねえ様らしく やってみたら どうだべ? 316 00:31:08,068 --> 00:31:12,068 そうがもしんねえ。 うん。 317 00:31:13,723 --> 00:31:17,077 どっちが あね様か 分がんねえな。 318 00:31:17,077 --> 00:31:19,029 (笑い声) 319 00:31:19,029 --> 00:31:24,751 ♬~ 320 00:31:24,751 --> 00:31:27,751 随分 熱心に読んでいますね。 321 00:31:29,406 --> 00:31:32,075 何の本ですか? 322 00:31:32,075 --> 00:31:34,344 「レ・ミゼラブル」です。 323 00:31:34,344 --> 00:31:37,044 英語が難しくて。 324 00:31:40,400 --> 00:31:50,100 私は 久栄の母親代わりになろうと 気負い過ぎてたのかもしんねえ。 325 00:31:57,400 --> 00:31:59,400 八重さん。 326 00:32:01,004 --> 00:32:06,704 私たちには もう 1,000人を超す 子どもたちがいます。 327 00:32:09,012 --> 00:32:11,712 学生たちです。 328 00:32:14,367 --> 00:32:20,073 八重さんが 共に歩んでくれたから➡ 329 00:32:20,073 --> 00:32:24,744 私は 子だくさんな父親になれました。 330 00:32:24,744 --> 00:32:27,044 襄…。 331 00:32:32,352 --> 00:32:36,907 八重と襄は 夏休みを北海道で過ごし➡ 332 00:32:36,907 --> 00:32:41,411 秋からの新学期に向け 京都に戻った。 333 00:32:41,411 --> 00:32:43,747 (学生1)お前 この本 どうしたんや? 334 00:32:43,747 --> 00:32:46,066 (学生3)徳富から まとめて 安う買うた。 335 00:32:46,066 --> 00:32:49,352 (学生2)徳富から? ちょっと見せてくれ。 336 00:32:49,352 --> 00:32:52,652 これ くれよ。 まあ ええわ。 337 00:32:55,008 --> 00:33:00,013 (健次郎)「久栄さん。 私は 家財を全て売り➡ 338 00:33:00,013 --> 00:33:04,017 東京へ行く金は 用立てました」。 339 00:33:04,017 --> 00:33:07,687 「どうか ついてきて下さい」。 340 00:33:07,687 --> 00:33:27,674 ♬~ 341 00:33:27,674 --> 00:33:29,676 健次郎さんが? 342 00:33:29,676 --> 00:33:36,066 今朝 起きてこんだったけん 部屋ば開けたら もぬけの殻で…。 343 00:33:36,066 --> 00:33:39,069 (佐久)八重! 344 00:33:39,069 --> 00:33:41,404 おっ母様 なじょした? 345 00:33:41,404 --> 00:33:44,674 久栄は 学校に来てっか? え? 346 00:33:44,674 --> 00:33:48,078 朝から 家に姿が見えねえがら➡ 347 00:33:48,078 --> 00:33:52,082 もしかして 学校に来てっかと思って。 348 00:33:52,082 --> 00:33:54,351 あの2人 一緒に! 349 00:33:54,351 --> 00:33:56,703 捜しましょう。 350 00:33:56,703 --> 00:34:15,739 ♬~ 351 00:34:15,739 --> 00:34:18,408 無理を言うて 堪忍え。 352 00:34:18,408 --> 00:34:22,708 最後に 姉様に 挨拶をしておきとうて。 353 00:34:28,068 --> 00:34:30,353 久栄! 354 00:34:30,353 --> 00:34:37,677 ♬~ 355 00:34:37,677 --> 00:34:41,414 学校休んで 何してんだ! 356 00:34:41,414 --> 00:34:45,402 これから 2人で 東京に行きます。 357 00:34:45,402 --> 00:34:50,090 認められねえがらって 黙って行く気か? 358 00:34:50,090 --> 00:35:04,671 ♬~ 359 00:35:04,671 --> 00:35:07,371 健次郎さん。 360 00:35:13,413 --> 00:35:20,070 私に 人間の本当を書きたいと 言ったな。 361 00:35:20,070 --> 00:35:23,370 小説で食べていく自信は あんのか? 362 00:35:31,698 --> 00:35:33,698 …ある。 363 00:35:38,071 --> 00:35:41,071 それは 本当なのがし? 364 00:35:54,437 --> 00:35:57,137 怖くて たまらん。 365 00:36:00,677 --> 00:36:03,680 自信なんて ある訳なか。 366 00:36:03,680 --> 00:36:06,380 そんな…。 367 00:36:10,019 --> 00:36:14,407 俺は 情けなか人間たい。 368 00:36:14,407 --> 00:36:18,344 うそもつくし…➡ 369 00:36:18,344 --> 00:36:22,415 兄貴に比べて 勉強もできん。 370 00:36:22,415 --> 00:36:25,415 兄貴が憎うて…。 371 00:36:30,073 --> 00:36:32,773 羨ましか。 372 00:36:34,410 --> 00:36:37,110 健次郎さん…。 373 00:36:40,750 --> 00:36:45,071 ばってん それが 人間じゃなかですか? 374 00:36:45,071 --> 00:36:50,076 そぎゃん自分ば こらえて まっとうな人間になろうと➡ 375 00:36:50,076 --> 00:36:53,776 みんな 必死に もがいとっとじゃなかですか!? 376 00:36:57,350 --> 00:36:59,650 俺は…。 377 00:37:03,740 --> 00:37:08,678 俺は そぎゃん人間の本当ば 書きたか。 378 00:37:08,678 --> 00:37:12,682 書かんと 自分じゃおられん。 379 00:37:12,682 --> 00:37:16,382 食べるために 小説ば書いとるんじゃなか。 380 00:37:18,671 --> 00:37:21,971 小説ば書くために 食べると! 381 00:37:37,106 --> 00:37:48,017 ♬~ 382 00:37:48,017 --> 00:37:52,405 人が やらねえ事を すっ時は➡ 383 00:37:52,405 --> 00:37:55,405 そういうもんかもしんねえな。 384 00:37:58,077 --> 00:38:00,077 分がった。 385 00:38:04,367 --> 00:38:06,367 久栄。 386 00:38:08,671 --> 00:38:14,677 お前が決めた道なら 応援する。 387 00:38:14,677 --> 00:38:18,081 ただ 駆け落ちは 駄目だ。 388 00:38:18,081 --> 00:38:21,381 里帰りが できなくなる。 389 00:38:23,403 --> 00:38:25,403 叔母様…。 390 00:38:29,425 --> 00:38:34,747 東京に行ったら きっと苦労する。 391 00:38:34,747 --> 00:38:39,747 んだげんじょ 苦労と不幸は違う。 392 00:38:43,740 --> 00:38:51,030 健次郎さん。 久栄の事 必ず幸せにしてくなんしょ。 393 00:38:51,030 --> 00:39:00,406 ♬~ 394 00:39:00,406 --> 00:39:05,678 よし! んだら 帰んべ! ほれ! 395 00:39:05,678 --> 00:39:11,017 ♬~ 396 00:39:11,017 --> 00:39:15,717 それから 数日がたって…。 397 00:39:19,008 --> 00:39:23,746 八重さん! 襄 なじょした? 398 00:39:23,746 --> 00:39:28,067 健次郎さんから手紙が届きました。 399 00:39:28,067 --> 00:39:31,067 一人で 東京へ行ったそうです。 400 00:39:34,407 --> 00:39:41,414 (健次郎)「もはや この思いを 止める事ができないのです。➡ 401 00:39:41,414 --> 00:39:48,714 このような策をとる 己の身勝手を ただただ恥じ入るばかりです」。 402 00:39:52,692 --> 00:40:03,736 ♬~ 403 00:40:03,736 --> 00:40:05,736 健次郎? 404 00:40:11,744 --> 00:40:14,744 (健次郎)「お世話になりました」。 405 00:40:17,734 --> 00:40:21,687 (健次郎)「徳冨蘆花」。 406 00:40:21,687 --> 00:40:34,684 ♬~ 407 00:40:34,684 --> 00:40:40,022 きっと こうなると思うてた。 408 00:40:40,022 --> 00:40:43,342 身勝手な人や。 409 00:40:43,342 --> 00:40:45,642 久栄…。 410 00:40:47,680 --> 00:40:52,980 けど 誰よりも正直な人や。 411 00:40:57,006 --> 00:41:04,006 健次郎さんの決めた道に うちは いいひんかったんや。 412 00:41:11,404 --> 00:41:15,741 うち 学問が好きや。 413 00:41:15,741 --> 00:41:18,041 もっと勉強したい。 414 00:41:25,451 --> 00:41:27,751 叔母様。 415 00:41:36,362 --> 00:41:39,031 おおきに。 416 00:41:39,031 --> 00:41:54,347 ♬~ 417 00:41:54,347 --> 00:41:57,016 さすけねえ。 418 00:41:57,016 --> 00:42:07,743 ♬~ 419 00:42:07,743 --> 00:42:14,243 自分が傷つくより ずっと つれえ。 420 00:42:19,405 --> 00:42:25,405 母親は みんなそうだ。 421 00:42:28,030 --> 00:42:31,067 分がったか? 422 00:42:31,067 --> 00:42:37,367 跳ねっ返りを娘に持つと 苦労すんだ。 423 00:42:39,342 --> 00:42:42,042 おっ母様。 424 00:42:48,734 --> 00:42:51,003 んだなし。 425 00:42:51,003 --> 00:43:02,064 ♬~ 426 00:43:02,064 --> 00:43:05,067 (槇村) 募金集会を開いたそうじゃな。➡ 427 00:43:05,067 --> 00:43:08,070 何で わしを 訪ねてこんかったんじゃい! 428 00:43:08,070 --> 00:43:10,172 (勝) 人民のために作る大学だろう?➡ 429 00:43:10,172 --> 00:43:12,408 国民の力を借りて 作っちゃ どうだい。 430 00:43:12,408 --> 00:43:15,411 (徳富) これは 新生日本への檄文たい。 431 00:43:15,411 --> 00:43:19,348 (明石)次に発作が起きたら 破れるかもしれん。 432 00:43:19,348 --> 00:43:21,734 私には やる事があるんです。 433 00:43:21,734 --> 00:43:25,338 あと もう少し! もう少しで 大学に 手が届くのに…。 434 00:43:25,338 --> 00:43:27,740 死が 私に追いついてしまう! 435 00:43:27,740 --> 00:43:32,040 襄の命が削られるぐらいなら 大学なんか 出来なくていい! 436 00:43:33,746 --> 00:43:38,734 <山本覚馬の娘 久栄と別れた 徳富健次郎は➡ 437 00:43:38,734 --> 00:43:41,904 明治22年 東京・銀座の➡ 438 00:43:41,904 --> 00:43:46,342 兄 猪一郎が始めた出版社に 入社します。➡ 439 00:43:46,342 --> 00:43:49,679 ペンネームを 徳冨蘆花とし➡ 440 00:43:49,679 --> 00:43:53,749 念願だった作家活動を 始めたのです。➡ 441 00:43:53,749 --> 00:43:59,405 明治33年 蘆花は 「不如帰」を出版。➡ 442 00:43:59,405 --> 00:44:03,743 恋愛を描いた この作品は 当時のベストセラーとなり➡ 443 00:44:03,743 --> 00:44:08,043 対立していた兄から自立する 足掛かりとなります> 444 00:44:09,749 --> 00:44:12,735 <その後 民友社を退社した蘆花は➡ 445 00:44:12,735 --> 00:44:15,738 土に親しむ生活を求め➡ 446 00:44:15,738 --> 00:44:19,408 現在の東京・世田谷区粕谷に 移り住み➡ 447 00:44:19,408 --> 00:44:22,745 執筆活動を続けます。➡ 448 00:44:22,745 --> 00:44:26,749 大正3年 蘆花 46歳の時に➡ 449 00:44:26,749 --> 00:44:28,684 久栄との恋愛を描いた➡ 450 00:44:28,684 --> 00:44:32,388 「黒い眼と茶色の目」を 出版します。➡ 451 00:44:32,388 --> 00:44:34,907 この作品を世に出す事で➡ 452 00:44:34,907 --> 00:44:40,012 ようやく 過去の恋人と 決別できたといいます。➡ 453 00:44:40,012 --> 00:44:46,452 晩年は 執筆の傍ら 晴耕雨読の静かな生活を送り➡ 454 00:44:46,452 --> 00:44:51,340 昭和2年 明治 大正の文豪 徳冨蘆花は➡ 455 00:44:51,340 --> 00:44:55,340 59年の人生を終えたのです> 456 00:45:34,033 --> 00:45:40,756 ♬~ 457 00:45:40,756 --> 00:45:43,426 (打ち壊す音) 458 00:45:43,426 --> 00:45:46,912 こら~! 何してる! 459 00:45:46,912 --> 00:45:50,700 来たぞ! 来るんは分かっとら。 ヘヘヘ! 460 00:45:50,700 --> 00:45:52,702 おい! 461 00:45:52,702 --> 00:45:54,704 ≪こら! 何してる! 462 00:45:54,704 --> 00:45:56,706 うわっ!? 463 00:45:56,706 --> 00:46:00,710 (悲鳴とうめき声)