1 00:00:40,740 --> 00:00:47,747 明治21年1月 翌年に控えた憲法発布を前に➡ 2 00:00:47,747 --> 00:00:54,447 伊藤博文を中心とした草案作りが 大詰めを迎えていた。 3 00:00:58,808 --> 00:01:02,078 (側近)閣下 大隈伯が お見えになりました。 4 00:01:02,078 --> 00:01:04,378 (伊藤)うむ。 5 00:01:11,137 --> 00:01:15,407 ハッハッハッハ。 6 00:01:15,407 --> 00:01:21,080 やあ。 よう来てくれましたな。 7 00:01:21,080 --> 00:01:27,136 (大隈)おいを政府から追い出した 張本人が 何の用か? 8 00:01:27,136 --> 00:01:30,806 あんたに 外務大臣を お願いしたい。➡ 9 00:01:30,806 --> 00:01:34,410 今 日本には 大問題が 2つあります。 10 00:01:34,410 --> 00:01:39,832 帝国憲法の作成と 不平等条約の改正です。 11 00:01:39,832 --> 00:01:45,137 あんたとは 政策が違いますばい。 12 00:01:45,137 --> 00:01:49,437 条約改正の緊急性に比べりゃ 取るに足らん事でしょう。 13 00:01:51,076 --> 00:01:55,414 この難局に 交渉に当たれる人物は➡ 14 00:01:55,414 --> 00:01:58,114 あんたしか おらんのです。 15 00:02:00,803 --> 00:02:05,474 この後 大隈は 伊藤内閣に入閣。 16 00:02:05,474 --> 00:02:11,313 不平等条約改正の交渉に向けて 動き出した。 17 00:02:11,313 --> 00:02:13,299 (八重)ん~ ばあ! 18 00:02:13,299 --> 00:02:15,417 んん~ べえ! 19 00:02:15,417 --> 00:02:18,137 (泣き声) 20 00:02:18,137 --> 00:02:20,739 (久栄) 叔母様。 平馬が怖がってる。 21 00:02:20,739 --> 00:02:24,476 ほれ ほれ ほれ ほれ! 平馬! 22 00:02:24,476 --> 00:02:26,412 (佐久)ほら ほら なじょした? 23 00:02:26,412 --> 00:02:29,165 よいしょ! ほら! 24 00:02:29,165 --> 00:02:35,165 (泣き声) 25 00:02:38,140 --> 00:02:43,145 おがしいなあ。 おっ母様だと泣ぎやむのに…。 26 00:02:43,145 --> 00:02:46,415 (佐久)平馬に 手ぇ かかんなくなんには➡ 27 00:02:46,415 --> 00:02:49,468 あと10年は かかる。 28 00:02:49,468 --> 00:02:53,088 まだまだ 老け込んではいらんにぇい。 29 00:02:53,088 --> 00:02:55,140 なあ! 30 00:02:55,140 --> 00:03:02,140 覚馬は みねの遺児 平馬を 山本家の養子に迎えていた。 31 00:03:04,466 --> 00:03:07,753 おっ母様が張り切ってる。 32 00:03:07,753 --> 00:03:11,073 まるで 若返ったみてえだ。 33 00:03:11,073 --> 00:03:14,510 (覚馬)そうか。 34 00:03:14,510 --> 00:03:21,467 久栄も 立ち直って よがったなし。 35 00:03:21,467 --> 00:03:23,467 (覚馬)ああ。 36 00:03:27,406 --> 00:03:34,706 この年の元旦 襄は 心臓の発作を起こしていた。 37 00:03:38,817 --> 00:03:43,072 ちっと よくなっと すぐ 仕事を始めてしまう。 38 00:03:43,072 --> 00:03:46,408 お医者様から 安静にするようにと 言われでんのに。 39 00:03:46,408 --> 00:03:50,145 (新島)いやいや もう大丈夫です。 40 00:03:50,145 --> 00:03:53,832 来年は いよいよ 憲法が発布されます。 41 00:03:53,832 --> 00:03:57,069 立憲国家が 道を誤らぬためには➡ 42 00:03:57,069 --> 00:04:00,472 それを支える人材が必要です。 43 00:04:00,472 --> 00:04:04,772 国会が始まる前に 大学を作らなければ。 44 00:04:12,084 --> 00:04:21,143 ♬~(テーマ音楽) 45 00:04:21,143 --> 00:06:47,143 ♬~ 46 00:06:49,741 --> 00:06:52,428 (徳富)最新刊です。 47 00:06:52,428 --> 00:06:54,913 もう 17号も出ましたか。 48 00:06:54,913 --> 00:06:58,801 (徳富)評判が よかですけん 月2回刊行に変えたとです。 49 00:06:58,801 --> 00:07:00,969 (市原)大したもんたい。 50 00:07:00,969 --> 00:07:04,807 民友社社長にして 「国民之友」の主筆じゃけん。 51 00:07:04,807 --> 00:07:09,411 ぬしゃ 我ら熊本バンドの出世頭たい。 52 00:07:09,411 --> 00:07:12,411 こん記事 見て下さい。 53 00:07:16,468 --> 00:07:21,073 「福澤諭吉君と新島襄君」。 54 00:07:21,073 --> 00:07:24,092 襄の事を記事に!? 55 00:07:24,092 --> 00:07:26,812 困りますね…。 56 00:07:26,812 --> 00:07:31,812 著名な福澤先生と私を 並べて語るなんて…。 57 00:07:33,819 --> 00:07:37,473 「二君は 実に 明治年間➡ 58 00:07:37,473 --> 00:07:40,876 教育の二大主義を 代表する人なれば➡ 59 00:07:40,876 --> 00:07:47,149 すなわち 物質的知識の教育は 福澤君によって代表せられ➡ 60 00:07:47,149 --> 00:07:52,404 精神的道徳の教育は 新島君によって代表せらる」。 61 00:07:52,404 --> 00:07:54,473 こん記事が 評判を呼んどっとです。 62 00:07:54,473 --> 00:08:00,412 「東に 慶應義塾の福澤あり。 西に 同志社の新島あり」と。 63 00:08:00,412 --> 00:08:04,816 これは 先生の名ば 全国に広める のろしになったいね。 64 00:08:04,816 --> 00:08:10,405 ありがてえなし。 襄の仕事が 世間の人に認めてもらえて。 65 00:08:10,405 --> 00:08:12,407 名声が高まれば➡ 66 00:08:12,407 --> 00:08:16,812 大学設立に 力ば貸してくれる人が 増えっとです。 67 00:08:16,812 --> 00:08:19,464 (市原)よか折ですたい。 68 00:08:19,464 --> 00:08:23,468 東京に押し出して 伝道演説会ば開きまっしょ。 69 00:08:23,468 --> 00:08:26,805 市原さん。 襄は 病み上がりですよ。 70 00:08:26,805 --> 00:08:30,742 無理をさせねえでくなんしょ。 すいまっせん。 71 00:08:30,742 --> 00:08:33,742 まだ お体 悪かとですか? 72 00:08:36,481 --> 00:08:40,085 東京での募金集会は 難しかろか…。 73 00:08:40,085 --> 00:08:42,471 募金集会? 74 00:08:42,471 --> 00:08:45,807 取材で 大隈伯の知己を得ました。 75 00:08:45,807 --> 00:08:49,811 東京専門学校の大隈さん? 今は 外務大臣の。 76 00:08:49,811 --> 00:08:52,481 こん記事に いたく共感されたそうで➡ 77 00:08:52,481 --> 00:08:54,800 新島先生ば 東京に お招きし➡ 78 00:08:54,800 --> 00:08:58,804 募金を呼びかける集会を開いては どうかと仰せになっとっとです。 79 00:08:58,804 --> 00:09:03,075 そうそうたる顔ぶれが そろうじゃろね。 80 00:09:03,075 --> 00:09:08,430 有力者が後ろ盾につけば 同志社も 心強か。 81 00:09:08,430 --> 00:09:11,483 確かに いい話です。 82 00:09:11,483 --> 00:09:14,803 まだ 本調子ではねえんですから➡ 83 00:09:14,803 --> 00:09:17,803 寒い時に 旅に出んのは よぐねえ。 84 00:09:19,474 --> 00:09:22,494 うちには 大警視がいて➡ 85 00:09:22,494 --> 00:09:25,080 私の行動は 常に見張られています。 86 00:09:25,080 --> 00:09:27,082 襄! 87 00:09:27,082 --> 00:09:32,804 私も行きます。 襄は すぐ無理すっから 目が離せねえ。 88 00:09:32,804 --> 00:09:35,907 では 大警視殿も ご一緒に。 89 00:09:35,907 --> 00:09:38,407 また そんな事を! 90 00:09:40,762 --> 00:09:44,466 その年の6月。 91 00:09:44,466 --> 00:09:46,802 東京に行っている間➡ 92 00:09:46,802 --> 00:09:49,821 たまに うちの様子を 見に行ってくなんしょ。 93 00:09:49,821 --> 00:09:55,744 ええよ。 けど 早う帰ってこんと うちも おらんようになるえ。 94 00:09:55,744 --> 00:09:58,430 秋には 神戸に行くさかい。 95 00:09:58,430 --> 00:10:01,149 神戸に? 96 00:10:01,149 --> 00:10:04,086 卒業したら 英和女学校に 進学さしてもらえるよう➡ 97 00:10:04,086 --> 00:10:06,471 父様に お願いしたんや。 98 00:10:06,471 --> 00:10:10,075 [ 回想 ] (久栄)おなごも 一個の独立した人間にならんと➡ 99 00:10:10,075 --> 00:10:14,079 ほんまの人生には 出会えへんわ。 100 00:10:14,079 --> 00:10:17,416 そうか。 101 00:10:17,416 --> 00:10:21,086 しっかり学んでこい。 102 00:10:21,086 --> 00:10:23,138 父様。 103 00:10:23,138 --> 00:10:26,141 (覚馬)家の事は 心配すんな。 104 00:10:26,141 --> 00:10:32,814 久栄は 思うように 自由に生きていけ。 105 00:10:32,814 --> 00:10:38,403 兄様 それで 平馬を養子に。 106 00:10:38,403 --> 00:10:43,075 卒業したら 学校で働こうかな? 107 00:10:43,075 --> 00:10:47,479 え? まだ 分からんけど。 108 00:10:47,479 --> 00:10:51,149 うち やっぱり 叔母様に似てんのやろか? 109 00:10:51,149 --> 00:10:53,449 (笑い声) 110 00:10:57,806 --> 00:11:04,806 明治21年 夏 八重と襄は 東京にやって来た。 111 00:11:07,182 --> 00:11:10,419 さすがは 帝国大学だ。 112 00:11:10,419 --> 00:11:15,807 (健次郎)これでも まだまだ足りないものだらけです。 113 00:11:15,807 --> 00:11:20,807 懐かしい…。 角場を思い出す。 114 00:11:23,815 --> 00:11:28,515 [ 回想 ] 銃の仕組みや 火薬の事 もっと知りてえのです。 115 00:11:30,405 --> 00:11:34,142 硝石の量が 爆発の威力を決めやす。 116 00:11:34,142 --> 00:11:36,411 慎重に。 はい。 117 00:11:36,411 --> 00:11:38,413 (健次郎)あの角場は➡ 118 00:11:38,413 --> 00:11:43,713 私が 物理の道に進んだ 出発点でした。 119 00:11:46,138 --> 00:11:49,474 今の同志社には サイエンスが足りません。 120 00:11:49,474 --> 00:11:53,812 山川先生 教員の招へいや 設備の買い付けに➡ 121 00:11:53,812 --> 00:11:56,081 お力を お借りできませんか? 122 00:11:56,081 --> 00:11:59,484 科学の重要性を 広く世に伝える事は➡ 123 00:11:59,484 --> 00:12:01,486 私の願いでもあります。 124 00:12:01,486 --> 00:12:03,805 お力になりましょう。 125 00:12:03,805 --> 00:12:07,759 ありがとうございます。 (健次郎)ただ…➡ 126 00:12:07,759 --> 00:12:11,146 金のかかる学問ですよ。 127 00:12:11,146 --> 00:12:14,416 今回は 資金を集めに来たのです。 128 00:12:14,416 --> 00:12:18,737 外務大臣の大隈様が 集会を開いて下さる事になって。 129 00:12:18,737 --> 00:12:21,406 ああ それは よがった。 130 00:12:21,406 --> 00:12:27,145 しかし 一朝一夕には 成果の上がらない学問に➡ 131 00:12:27,145 --> 00:12:29,845 どれだけ理解を示すか…。 132 00:12:33,468 --> 00:12:36,471 (大隈)考えるに 教育とは➡ 133 00:12:36,471 --> 00:12:43,145 個人の事業でもなければ 政府のみの事業でもなか。➡ 134 00:12:43,145 --> 00:12:47,082 国民共同の事業であるからして➡ 135 00:12:47,082 --> 00:12:50,469 本日 お集まりの 諸君におかれましては➡ 136 00:12:50,469 --> 00:12:57,469 新島君の事業を 率先して 援助されたし! 137 00:13:03,148 --> 00:13:06,148 今日 お集まりの方々です。 138 00:13:07,769 --> 00:13:12,808 すごい…。 高名な方ばかりですね。 139 00:13:12,808 --> 00:13:18,814 みんな 金持ちですが 財布のひもを緩めるかどうかは➡ 140 00:13:18,814 --> 00:13:22,514 先生の弁舌に懸かっとります。 141 00:13:26,071 --> 00:13:30,141 大学設立の目的は➡ 142 00:13:30,141 --> 00:13:37,415 一国の精神となり 柱となる人々を 育成する事にあります。 143 00:13:37,415 --> 00:13:47,409 まず 文学専門部を創設し 歴史 哲学 経済学などを教え➡ 144 00:13:47,409 --> 00:13:53,148 理学部 医学部と広げる計画です。 145 00:13:53,148 --> 00:13:55,848 しかしながら…。 146 00:13:58,136 --> 00:14:05,477 しかしながら 校舎の建築や 教員の招へいには➡ 147 00:14:05,477 --> 00:14:08,480 莫大な金が かかります。 148 00:14:08,480 --> 00:14:14,480 どうか 援助をお願い致します。 149 00:14:24,145 --> 00:14:29,751 新島先生のお話 大いに 共感ば致しました。 150 00:14:29,751 --> 00:14:34,806 1,000円 寄付させてもらいたか。 151 00:14:34,806 --> 00:14:38,076 1,000円も!? 152 00:14:38,076 --> 00:14:41,076 ありがとうございます。 153 00:14:43,748 --> 00:14:47,469 財界ん方々は どがんですかな? 154 00:14:47,469 --> 00:14:54,476 西欧諸国では 富める者が慈善を行うのは…➡ 155 00:14:54,476 --> 00:14:58,776 慣例ではあるとですが…。 156 00:15:03,468 --> 00:15:08,139 6,000円 寄贈しましょう。 157 00:15:08,139 --> 00:15:11,977 私も同じく。 私は 5,000円 寄付しよう。 158 00:15:11,977 --> 00:15:13,979 私も 5,000円を。 私も。 159 00:15:13,979 --> 00:15:16,481 私も 5,000円 出そう。 私も出そう。 160 00:15:16,481 --> 00:15:19,781 ありがとう 皆さん。 ありがとうございます! 161 00:15:22,070 --> 00:15:25,073 先生の熱意の勝利たい。 162 00:15:25,073 --> 00:15:30,412 よがった。 東京に来たかいがあった。 163 00:15:30,412 --> 00:15:37,802 集まった寄付金は 現在の価値で 億を超える額であった。 164 00:15:37,802 --> 00:15:42,474 新聞で見ましたぞ ホテル会社設立の件。 165 00:15:42,474 --> 00:15:46,811 農家に 繭玉を買うための元手を 出すんですわ。 166 00:15:46,811 --> 00:15:50,432 それは 鹿鳴館のように 目に見えるものだけの話ではない。 167 00:15:50,432 --> 00:15:53,418 (せきこみ) 168 00:15:53,418 --> 00:15:55,804 大丈夫がし? 169 00:15:55,804 --> 00:15:58,807 気分が悪いなら 先に失礼すんべ。 170 00:15:58,807 --> 00:16:01,810 いや… それでは 申し訳ない。 171 00:16:01,810 --> 00:16:07,766 いや~ 先生のお話 感服致しました! 172 00:16:07,766 --> 00:16:09,751 さあさ 一杯 どうぞ。 173 00:16:09,751 --> 00:16:11,803 申し訳ありませんが 酒は…。 174 00:16:11,803 --> 00:16:19,144 何じゃ 下戸ですか…。 奥方は 洋装が お似合いですな。 175 00:16:19,144 --> 00:16:24,482 しかし 男たちの会合に 奥方同伴とは➡ 176 00:16:24,482 --> 00:16:28,737 これも キリスト教式ですかな? 全く。 177 00:16:28,737 --> 00:16:35,744 (笑い声) 178 00:16:35,744 --> 00:16:39,147 新島さんは こげな集まりは お嫌いじゃろうが➡ 179 00:16:39,147 --> 00:16:43,084 募金運動のためには こんぐらいの事は せんばいかん。 180 00:16:43,084 --> 00:16:45,804 この度は お力添え ありがとうございました。 181 00:16:45,804 --> 00:16:47,806 いや いや いや いや…。 182 00:16:47,806 --> 00:16:50,809 おいも 政府ば下野して 学校ば作った時には➡ 183 00:16:50,809 --> 00:16:53,511 金繰りには 苦労したんです。 184 00:16:53,511 --> 00:16:55,747 しかし 立派な学校を作られた。 185 00:16:55,747 --> 00:16:59,801 フッフッフッフ。 おう 聞いたかね? 186 00:16:59,801 --> 00:17:04,072 福澤君も 慶應義塾ば大学にすると 言うておっと。 187 00:17:04,072 --> 00:17:06,474 こりゃ 負けてはおられんばい! 188 00:17:06,474 --> 00:17:11,813 失礼します。 先生 条約改正交渉は 今 どの辺りに? 189 00:17:11,813 --> 00:17:14,313 何か そげな話か。 190 00:17:17,469 --> 00:17:21,769 脂汗が…。 大丈夫がし? 191 00:17:23,808 --> 00:17:26,808 ちょっと 外へ…。 192 00:17:41,476 --> 00:17:44,596 襄。 先生。 193 00:17:44,596 --> 00:17:51,069 ♬~ 194 00:17:51,069 --> 00:17:53,805 気分は どうですか? 195 00:17:53,805 --> 00:17:56,805 息は苦しくねえがし? 196 00:17:58,810 --> 00:18:01,079 まだ 起きたらなんねえ。 197 00:18:01,079 --> 00:18:07,085 いや 体に不安があると思われては 寄付が滞る。 198 00:18:07,085 --> 00:18:09,804 徳富さんたちが うまく言ってくれたから➡ 199 00:18:09,804 --> 00:18:12,474 心配いらねえ。 200 00:18:12,474 --> 00:18:14,474 そうですか。 201 00:18:16,478 --> 00:18:20,478 では もう少し…。 202 00:18:29,808 --> 00:18:34,078 もう うちに帰りましょう。 203 00:18:34,078 --> 00:18:37,778 これ以上 無理したら なんねえ。 204 00:18:41,085 --> 00:18:44,472 そうですね。 205 00:18:44,472 --> 00:18:48,772 明日は 少し風通しのいい所に 行きましょうか。 206 00:18:51,479 --> 00:18:54,149 (せみの声) 207 00:18:54,149 --> 00:18:56,801 (勝)今まで会った人間で➡ 208 00:18:56,801 --> 00:19:00,471 本当に恐ろしいと思ったのは 2人だ。➡ 209 00:19:00,471 --> 00:19:04,475 一人は 薩摩の西郷。 210 00:19:04,475 --> 00:19:09,480 もう一人は 横井小楠先生。 211 00:19:09,480 --> 00:19:13,084 西郷も 小楠先生も もういねえ。 212 00:19:13,084 --> 00:19:18,139 見どころのある人物は あらかた死んじまった。 213 00:19:18,139 --> 00:19:22,139 今の政財界なんざ 小物ぞろいさ。 214 00:19:23,811 --> 00:19:29,811 しかし 皆さん 快く寄付を申し出て下さいました。 215 00:19:32,403 --> 00:19:34,703 あんた どう見た? 216 00:19:37,141 --> 00:19:40,478 寄付は ありがたいと思います。 217 00:19:40,478 --> 00:19:43,081 んだげんじょ➡ 218 00:19:43,081 --> 00:19:46,467 大学に 関心がねえ方も おいでのようでした。 219 00:19:46,467 --> 00:19:51,072 キリスト教の大学は 西欧化の象徴に 使えると踏んだんだろう。 220 00:19:51,072 --> 00:19:57,078 早い話 猿のダンスと笑われた 鹿鳴館と同じさ。 221 00:19:57,078 --> 00:20:00,148 それは お言葉が過ぎます。 222 00:20:00,148 --> 00:20:06,404 しかし そうだとしても しかたがありません。 223 00:20:06,404 --> 00:20:09,140 大学を作るには 金が要ります。 224 00:20:09,140 --> 00:20:12,827 せっかくの大学を ひも付きにする気かい。 225 00:20:12,827 --> 00:20:18,827 官からの独立 自由教育を うたっている新島さんが。 226 00:20:23,404 --> 00:20:29,093 政府のために作るんではなく 人民のために作る大学だろう。 227 00:20:29,093 --> 00:20:33,414 だったら 志を 全国に訴えて➡ 228 00:20:33,414 --> 00:20:36,801 国民の力を借りて 作っちゃどうだい。 229 00:20:36,801 --> 00:20:39,737 1人から 1,000円もらうのも➡ 230 00:20:39,737 --> 00:20:45,737 1,000人から 1円ずつ集めるのも 同じ1,000円だ。 231 00:20:47,478 --> 00:20:50,148 襄の体は 一つです。 232 00:20:50,148 --> 00:20:52,417 日本中を説いて回る事は できません。 233 00:20:52,417 --> 00:20:55,136 徳富が いるじゃないか。 234 00:20:55,136 --> 00:20:59,424 「国民之友」には 数万人の読者がいる。 235 00:20:59,424 --> 00:21:01,809 これを載せて 読んでもらえば➡ 236 00:21:01,809 --> 00:21:07,148 数万人相手に 集会を開くようなもんじゃないか。 237 00:21:07,148 --> 00:21:09,417 そうですね。 238 00:21:09,417 --> 00:21:11,419 よくよく 草案がまとまったら➡ 239 00:21:11,419 --> 00:21:14,172 最後は 徳富に仕上げてもらうといい。 240 00:21:14,172 --> 00:21:18,426 あいつの文章は 人を奮起させる力がある。 241 00:21:18,426 --> 00:21:20,478 はい! 242 00:21:20,478 --> 00:21:24,478 宿に戻ったら 徳富さんに お願いしましょう。 243 00:21:26,134 --> 00:21:29,137 おい! 蘇峰君 いるかい? 244 00:21:29,137 --> 00:21:32,140 ≪(徳富)は~い! 245 00:21:32,140 --> 00:21:36,077 通りを挟んだ向かいが 徳富の借家さ。 246 00:21:36,077 --> 00:21:43,077 あっ…。 では 早速 相談に行ってきます。 247 00:21:48,756 --> 00:21:53,144 新島さん 痩せたようだね。 248 00:21:53,144 --> 00:21:58,483 心臓の調子が よくなくて。 心臓か…。 249 00:21:58,483 --> 00:22:01,135 鎌倉に行ってみるかい? 250 00:22:01,135 --> 00:22:03,137 鎌倉? 251 00:22:03,137 --> 00:22:06,474 いい静養所があるから 紹介してあげよう。 252 00:22:06,474 --> 00:22:12,174 あんなに突っ走ってちゃ いつか ポキリと折れちまうよ。 253 00:22:13,748 --> 00:22:16,134 (波の音) 254 00:22:16,134 --> 00:22:19,137 静かで いい所ですね。 255 00:22:19,137 --> 00:22:24,409 こごなら 襄も ゆっくりできそうですね。 256 00:22:24,409 --> 00:22:30,798 八重と襄は その夏を 鎌倉の静養所で過ごす事にした。 257 00:22:30,798 --> 00:22:34,298 これから行ってみましょうか。 出店もあるかもしれない。 258 00:22:46,097 --> 00:22:48,132 おおっ! 259 00:22:48,132 --> 00:22:50,134 よし。 命中! 260 00:22:50,134 --> 00:22:57,408 (店の男)いい腕してんな~。 旦那 やられっぱなしだねえ! 261 00:22:57,408 --> 00:23:00,078 次は 私が。 262 00:23:00,078 --> 00:23:13,141 ♬~ 263 00:23:13,141 --> 00:23:15,760 ほれ 筒先を固定して。 あ…。 264 00:23:15,760 --> 00:23:17,812 右目で よ~ぐ狙って撃ちなんしょ。 265 00:23:17,812 --> 00:23:22,112 うるさいな。 口を出さないで下さい。 266 00:23:25,086 --> 00:23:28,739 アッハハハ! (店の男)大外れ~! (太鼓の音) 267 00:23:28,739 --> 00:23:34,145 ♬~ 268 00:23:34,145 --> 00:23:39,133 次は負けませんよ。 私に勝とうなんて 10年早い。 269 00:23:39,133 --> 00:23:42,470 10年か…。 270 00:23:42,470 --> 00:23:44,770 随分 先だ。 271 00:23:48,810 --> 00:23:52,480 でも いいものですね。 272 00:23:52,480 --> 00:23:56,417 こんなふうに 2人だけで ゆっくりと過ごすのは。 273 00:23:56,417 --> 00:23:58,417 はい。 274 00:24:05,409 --> 00:24:07,812 槇村さん! 槇村さん…。 275 00:24:07,812 --> 00:24:12,467 (槇村)どこ行っとったんじゃい! 待ちかねたぞ。 276 00:24:12,467 --> 00:24:14,735 なじょして こごに? 277 00:24:14,735 --> 00:24:21,409 大隈君とこで 募金集会を開いたそうじゃな。 278 00:24:21,409 --> 00:24:24,145 何か問題でも? 279 00:24:24,145 --> 00:24:29,750 何で わしを 訪ねてこんかったんじゃい! 280 00:24:29,750 --> 00:24:32,403 大阪を締め出された あんたに➡ 281 00:24:32,403 --> 00:24:35,473 学校を開く許可 出したんは このわしじゃろ! 282 00:24:35,473 --> 00:24:38,476 いわば 同志社の生みの親じゃろ! 283 00:24:38,476 --> 00:24:44,176 真っ先に わしを頼ってくるんが 筋じゃなかろうか! きぃ~っ! 284 00:24:48,085 --> 00:24:50,385 寄付じゃ! 285 00:24:53,741 --> 00:24:56,744 生みの親じゃけえの! 286 00:24:56,744 --> 00:24:59,413 ちっと使うたけどな。 287 00:24:59,413 --> 00:25:04,113 槇村さん…。 ありがとうございます。 おう。 288 00:25:07,138 --> 00:25:14,412 わしも まだまだ 日本のために働くつもりじゃ。 289 00:25:14,412 --> 00:25:18,749 去年 男爵に叙せられてな。 290 00:25:18,749 --> 00:25:22,403 帝国議会が発足すりゃ 貴族院が出来る。 291 00:25:22,403 --> 00:25:28,426 今度は 国会で 剛腕を振るうちゃる。 ハッハッハ! 292 00:25:28,426 --> 00:25:31,078 (女中)失礼致します。 293 00:25:31,078 --> 00:25:33,981 あの~ お客さんの分の夕飯は…。 294 00:25:33,981 --> 00:25:37,084 あほか! 支度せえや! あ~っとっと…。 295 00:25:37,084 --> 00:25:39,420 田舎料理は いけんぞ。 296 00:25:39,420 --> 00:25:43,407 町の料亭から 豪勢な料理を 取り寄せるんじゃ。 ぱ~っとな。 297 00:25:43,407 --> 00:25:48,145 あ~ あ~ う~んと… それと酒じゃな。➡ 298 00:25:48,145 --> 00:25:52,083 ちいと離れたとこに 有名な酒蔵があったじゃろ? 299 00:25:52,083 --> 00:25:55,136 そこの飛び切り上等な酒を 届けさせるんじゃ。 300 00:25:55,136 --> 00:25:58,139 ぬるいのは いけん。 キンキンに 冷やしてな。 301 00:25:58,139 --> 00:26:00,474 (女中)はい。 おら もう行け! 302 00:26:00,474 --> 00:26:07,081 さあ 今夜は飲ますぞ! ワッハッハッハ! 303 00:26:07,081 --> 00:26:11,081 変わんねえな 槇村様は。 304 00:26:14,138 --> 00:26:19,810 1か月の静養の後 八重と襄は 京都に帰ってきた。 305 00:26:19,810 --> 00:26:24,110 治る見込みが… ない? 306 00:26:26,133 --> 00:26:30,972 (明石)新島先生には 知らせん方がいいでしょう。 307 00:26:30,972 --> 00:26:34,475 どないな精神修養を 積んだ人かて➡ 308 00:26:34,475 --> 00:26:39,975 自分の死と向き合うのは 難しいもんやから。 309 00:26:42,800 --> 00:26:46,100 今 何と? 310 00:26:48,806 --> 00:26:53,077 襄が… 死ぬ? 311 00:26:53,077 --> 00:26:58,082 心臓が えろう弱ってます。 312 00:26:58,082 --> 00:27:02,069 次に発作が起きたら…➡ 313 00:27:02,069 --> 00:27:05,806 破れるかもしれん。 314 00:27:05,806 --> 00:27:09,410 いつですか? 分かりません。 315 00:27:09,410 --> 00:27:14,410 しかし 何年も先という訳ではないな。 316 00:27:16,467 --> 00:27:21,422 (明石)今のうちに 大切な事は 聞いといた方が いいでしょう。 317 00:27:21,422 --> 00:27:25,810 ♬~ 318 00:27:25,810 --> 00:27:29,480 毛布…。 319 00:27:29,480 --> 00:27:34,468 襄の毛布 買いに行かなくちゃ。 320 00:27:34,468 --> 00:27:36,921 夜は冷えっから➡ 321 00:27:36,921 --> 00:27:39,740 風邪をひかせたらなんねえ。 322 00:27:39,740 --> 00:28:04,815 ♬~ 323 00:28:04,815 --> 00:28:11,405 ♬「丸竹夷二押御池」 324 00:28:11,405 --> 00:28:15,409 ただいま戻りました。 325 00:28:15,409 --> 00:28:20,147 ♬「姉三六角蛸錦」 326 00:28:20,147 --> 00:28:23,801 お帰りなさい。 御機嫌ですね。 327 00:28:23,801 --> 00:28:26,804 あれ 起ぎていたんですか。 328 00:28:26,804 --> 00:28:29,473 もう 熱は下がりました。 329 00:28:29,473 --> 00:28:32,773 徳富さんに送る草案 早く仕上げなければ。 330 00:28:34,762 --> 00:28:36,814 また無理をする。 331 00:28:36,814 --> 00:28:41,085 駄目ですよ。 今日は一日 寝ててくなんしょ。 332 00:28:41,085 --> 00:28:43,085 ほら。 333 00:28:47,091 --> 00:28:51,145 奮発して 上等なのにしました。 334 00:28:51,145 --> 00:28:54,445 ふわふわです。 触ってみらんしょ。 335 00:28:56,083 --> 00:28:59,737 八重さん。 はい。 336 00:28:59,737 --> 00:29:04,737 明石先生は 何と言ってましたか? 337 00:29:06,811 --> 00:29:12,750 薬は 食後 忘れずに のみなさいと。 338 00:29:12,750 --> 00:29:15,753 白湯にしろと おっしゃっていました。 339 00:29:15,753 --> 00:29:19,053 水は 冷えて よぐねえがら。 340 00:29:22,743 --> 00:29:27,481 心臓の事 何と? 341 00:29:27,481 --> 00:29:31,919 いつもと同じです。 大事にしなさいと。 342 00:29:31,919 --> 00:29:39,176 八重さん 隠し事は困ります。 343 00:29:39,176 --> 00:29:43,481 話して下さい。 何を聞いても驚きませんから。 344 00:29:43,481 --> 00:29:47,134 本当に 何も。 私 夕飯の支度を…。 345 00:29:47,134 --> 00:29:53,073 私には やる事があるんです。 346 00:29:53,073 --> 00:30:00,080 その日が近いなら 準備をしなければならない。 347 00:30:00,080 --> 00:30:04,084 怖いのは 死ぬ事ではない。 348 00:30:04,084 --> 00:30:09,139 覚悟も決めず 支度もできぬままに➡ 349 00:30:09,139 --> 00:30:13,477 突然 命を絶たれる事です。 350 00:30:13,477 --> 00:30:16,480 八重さん。 351 00:30:16,480 --> 00:30:23,537 ♬~ 352 00:30:23,537 --> 00:30:29,837 襄の心臓は いつ破れても おかしくねえと。 353 00:30:33,480 --> 00:30:40,070 今のうちに 大切な事は 聞いておけと言われました。 354 00:30:40,070 --> 00:30:49,813 ♬~ 355 00:30:49,813 --> 00:30:52,813 かわいそうに。 356 00:30:55,419 --> 00:30:58,806 驚いたでしょう。 357 00:30:58,806 --> 00:31:02,409 一人で そんな話を聞いて。 358 00:31:02,409 --> 00:31:08,082 こんな時に 人の心配なんか…。 359 00:31:08,082 --> 00:31:15,139 ♬~ 360 00:31:15,139 --> 00:31:21,139 命は 主の御手に委ねてあります。 361 00:31:22,746 --> 00:31:25,099 恐れる事はない。 362 00:31:25,099 --> 00:31:36,399 ♬~ 363 00:31:44,134 --> 00:31:48,834 (山路)蘇峰さん。 蘇峰さん! 364 00:31:50,474 --> 00:31:54,812 猪一郎 呼んどらっせ。 365 00:31:54,812 --> 00:31:58,512 印刷に回す前に 目を通して下さい。 366 00:32:00,751 --> 00:32:03,751 何を読んでいるんですか? 367 00:32:08,742 --> 00:32:12,746 (初子)「同志社大学設立の旨意」。 368 00:32:12,746 --> 00:32:17,134 新島先生から ようやく届いた。 これに 手ば加えて➡ 369 00:32:17,134 --> 00:32:21,472 「国民之友」に掲載してほしかと 頼まれとったばってん。 370 00:32:21,472 --> 00:32:27,811 「吾人が 私立大学を設立せんと 欲したるは 一日に非ず」。 371 00:32:27,811 --> 00:32:32,466 なるほど。 資金集めのための 宣伝文という訳か。 372 00:32:32,466 --> 00:32:34,435 考えましたね。 373 00:32:34,435 --> 00:32:37,137 いや そぎゃんもんじゃなか。 374 00:32:37,137 --> 00:32:43,093 先生が 心ば砕いとっとは 日本の将来たい。 375 00:32:43,093 --> 00:32:45,496 日本の将来? 376 00:32:45,496 --> 00:32:52,503 自ら立ち 自ら治める国民を 育てなければならない。 377 00:32:52,503 --> 00:32:57,074 もうじき 憲法が発布され 日本は変わるけん。 378 00:32:57,074 --> 00:33:02,374 これは 新生日本への檄文たい。 379 00:33:04,815 --> 00:33:11,472 襄の原稿を基に 蘇峰が仕上げた 大学設立の旨意は➡ 380 00:33:11,472 --> 00:33:17,077 「国民之友」をはじめ 全国20余りの新聞に掲載され➡ 381 00:33:17,077 --> 00:33:19,413 大きな反響を呼んだ。 382 00:33:19,413 --> 00:33:22,466 だが…➡ 383 00:33:22,466 --> 00:33:28,766 それは 襄を ますます 仕事に駆り立てる事となった。 384 00:34:05,142 --> 00:34:10,481 心配しなくても まだ 息をしていますよ。 385 00:34:10,481 --> 00:34:12,781 襄…。 386 00:34:14,418 --> 00:34:18,405 ちゃんと寝て下さい。 387 00:34:18,405 --> 00:34:25,412 私の見張りで 夜も寝ないようでは あなたが倒れてしまう。 388 00:34:25,412 --> 00:34:28,082 心配させないで下さい。 389 00:34:28,082 --> 00:34:31,135 心臓に悪い。 390 00:34:31,135 --> 00:34:33,135 ごめんなんしょ。 391 00:34:39,810 --> 00:34:46,110 何だか 目がさえてしまったな。 392 00:34:47,818 --> 00:34:52,473 ミルク 温めてきましょうか? 393 00:34:52,473 --> 00:34:54,973 お願いします。 394 00:35:04,084 --> 00:35:06,470 (倒れる音) 395 00:35:06,470 --> 00:35:10,474 襄! なじょしたんです! 396 00:35:10,474 --> 00:35:17,174 大丈夫です。 祈りをささげようとして 足が…。 397 00:35:19,133 --> 00:35:23,133 やはり 間に合わないのか…。 398 00:35:26,140 --> 00:35:32,479 あと もう少し! もう少しで 大学に 手が届くのに…。 399 00:35:32,479 --> 00:35:35,482 もう 横になってくなんしょ。 400 00:35:35,482 --> 00:35:39,102 何一つ たやすくできた事はない。 401 00:35:39,102 --> 00:35:43,073 邪魔され 罵られ…。 402 00:35:43,073 --> 00:35:50,747 全ては 主のおぼし召しだと思えば 試練も 喜びに変えられた。 403 00:35:50,747 --> 00:35:55,402 でも 耐えられない! 404 00:35:55,402 --> 00:36:02,142 ここまで来て 学校が出来るのを 見届けられないなんて! 405 00:36:02,142 --> 00:36:04,745 こんなところで…➡ 406 00:36:04,745 --> 00:36:08,098 こんなところで 死ぬなんて! 407 00:36:08,098 --> 00:36:12,753 ♬~ 408 00:36:12,753 --> 00:36:20,053 主は なぜ もう少し 時を与えて下さらないのだ! 409 00:36:21,812 --> 00:36:23,812 襄…。 410 00:36:25,799 --> 00:36:30,420 死が 私に追いついてしまう! 411 00:36:30,420 --> 00:36:34,408 ♬~ 412 00:36:34,408 --> 00:36:36,810 手紙を書かなければ! 413 00:36:36,810 --> 00:36:40,414 まだまだ 支援を頼む先がある! 414 00:36:40,414 --> 00:36:44,418 やめてくなんしょ! 今は 休まねえと駄目だから! 415 00:36:44,418 --> 00:36:49,756 徳富さんのおかげで 一気に 賛同者が増えた。 416 00:36:49,756 --> 00:36:52,409 この機会を逃す訳にはいかない! 417 00:36:52,409 --> 00:36:54,411 今 やらなければ! 418 00:36:54,411 --> 00:36:57,080 もういい! もう やめてくなんしょ! 419 00:36:57,080 --> 00:37:00,083 襄の心臓が破れてしまう! 420 00:37:00,083 --> 00:37:02,486 大学なんか要らねえ! 421 00:37:02,486 --> 00:37:05,806 襄の命が削られるぐらいなら➡ 422 00:37:05,806 --> 00:37:08,506 大学なんか出来なくていい! 423 00:37:12,145 --> 00:37:18,135 一年でも 一日でも 長く生きようと➡ 424 00:37:18,135 --> 00:37:21,435 なぜ 思ってくれねえのですか!? 425 00:37:27,811 --> 00:37:33,417 私は 襄を失いたくねえ! 426 00:37:33,417 --> 00:37:36,420 同志社は 大事だ。 427 00:37:36,420 --> 00:37:39,806 日本は 大事だ。 428 00:37:39,806 --> 00:37:46,480 だげんじょ この世のどんな事も➡ 429 00:37:46,480 --> 00:37:50,480 襄の命とは 引き換えには できねえのだし! 430 00:37:53,136 --> 00:38:00,077 襄 大学は ほかの人でも作れる。 431 00:38:00,077 --> 00:38:03,377 襄でなくとも。 432 00:38:13,473 --> 00:38:17,477 私が いなくなっても➡ 433 00:38:17,477 --> 00:38:22,099 そのあとに続く人が 作り上げてくれる。 434 00:38:22,099 --> 00:38:26,069 私も そう信じます。 435 00:38:26,069 --> 00:38:33,810 けれど そのためには 誰かが 種をまかなければ。 436 00:38:33,810 --> 00:38:39,510 一粒の麦を 地に落とさなければ! 437 00:38:41,802 --> 00:38:45,502 私がやらなければ ならないのです! 438 00:39:07,411 --> 00:39:14,411 これは 襄の戦だった。 439 00:39:18,755 --> 00:39:22,075 戦なら➡ 440 00:39:22,075 --> 00:39:26,075 おじけづいて 逃げる訳には いがねえな。 441 00:39:31,468 --> 00:39:37,407 最後の一日まで 共に戦って下さい。 442 00:39:37,407 --> 00:39:53,407 ♬~ 443 00:39:55,409 --> 00:40:00,814 翌年 明治22年2月11日➡ 444 00:40:00,814 --> 00:40:08,805 宮中正殿で 大日本帝国憲法の 発布式が執り行われた。 445 00:40:08,805 --> 00:40:14,094 憲法は 天皇主権を原則としていたが➡ 446 00:40:14,094 --> 00:40:17,147 帝国議会の開設が定められ➡ 447 00:40:17,147 --> 00:40:23,753 人民の声が 国を動かす時代の到来を告げた。 448 00:40:23,753 --> 00:40:27,407 その年の秋。 449 00:40:27,407 --> 00:40:31,707 母上 お加減いかがですか? 450 00:40:36,183 --> 00:40:43,883 (登美)今日は いくらか いいようです。 451 00:40:46,409 --> 00:40:52,132 医者の言う事を聞いて よくよく療養して下さい。 452 00:40:52,132 --> 00:40:56,419 関東で募金を集めたら すぐに戻ってきます。 453 00:40:56,419 --> 00:41:27,100 ♬~ 454 00:41:27,100 --> 00:41:29,400 では。 455 00:41:32,739 --> 00:41:37,439 どうしても 一緒に行っては いげませんか? 456 00:41:40,080 --> 00:41:43,149 留守をお願いします。 457 00:41:43,149 --> 00:41:49,422 親不孝な息子に代わって 母親の世話を頼みます。 458 00:41:49,422 --> 00:41:52,475 でも…。 心配いりません。 459 00:41:52,475 --> 00:41:55,475 医者の許しも得たのですから。 460 00:42:00,083 --> 00:42:03,069 約束してくなんしょ。 461 00:42:03,069 --> 00:42:09,409 具合が悪い時には 無理をせずに休む事。 462 00:42:09,409 --> 00:42:11,478 はい。 463 00:42:11,478 --> 00:42:14,147 葉書を送って下さいね。 464 00:42:14,147 --> 00:42:18,084 「当方無事」と書いて送ります。 465 00:42:18,084 --> 00:42:27,844 ♬~ 466 00:42:27,844 --> 00:42:29,846 行ってきます。 467 00:42:29,846 --> 00:42:42,425 ♬~ 468 00:42:42,425 --> 00:42:44,811 行ってきます。 469 00:42:44,811 --> 00:42:49,466 (鐘の音) 470 00:42:49,466 --> 00:42:57,766 明治22年10月 襄は一人 関東へと旅立っていった。 471 00:43:03,146 --> 00:43:05,815 愛国心とは そんなものではない! 472 00:43:05,815 --> 00:43:09,419 (秋月)教育界では 会津人が 大いに活躍してっぞ。 473 00:43:09,419 --> 00:43:13,807 (テイ)会津が敗れた責めは 自分にあると悔いておいででした。 474 00:43:13,807 --> 00:43:16,176 (小崎)先生! 先生! 475 00:43:16,176 --> 00:43:19,813 私は そばにいて一緒に戦うと 決めたんだし! 476 00:43:19,813 --> 00:43:22,749 (徳富) 日本の宝が 消えようとしとる。 477 00:43:22,749 --> 00:43:25,802 今はまだ 別れたくねえ。 478 00:43:25,802 --> 00:43:31,408 グッバイ…。 また会いましょう。 479 00:43:31,408 --> 00:43:37,263 <新聞記者になる夢を持ち 上京した 徳富猪一郎は➡ 480 00:43:37,263 --> 00:43:40,800 赤坂で暮らす事になりました。➡ 481 00:43:40,800 --> 00:43:45,138 父の知り合いだった 勝 海舟の邸宅裏に住み➡ 482 00:43:45,138 --> 00:43:48,408 勝とも交流を深めました。➡ 483 00:43:48,408 --> 00:43:53,079 明治20年 猪一郎は 民友社を設立し➡ 484 00:43:53,079 --> 00:43:58,084 日本初の総合雑誌 「国民之友」を創刊。➡ 485 00:43:58,084 --> 00:44:00,136 雑誌は 大いに売れ➡ 486 00:44:00,136 --> 00:44:06,476 猪一郎は ジャーナリストとして 不動の地位を確立したのです。➡ 487 00:44:06,476 --> 00:44:12,148 更に 財界人を集めて行われた 大隈重信邸での➡ 488 00:44:12,148 --> 00:44:16,136 同志社大学設立の募金集会にも 参加するなど➡ 489 00:44:16,136 --> 00:44:21,436 新島 襄を助け 大学設立に向け奔走します> 490 00:44:23,476 --> 00:44:28,314 <明治21年には 襄の理想を熱く記した➡ 491 00:44:28,314 --> 00:44:32,135 「同志社大学設立の旨意」を作成。➡ 492 00:44:32,135 --> 00:44:36,406 全国20以上の新聞や雑誌に 掲載されると➡ 493 00:44:36,406 --> 00:44:39,706 大きな反響が寄せられました> 494 00:44:41,811 --> 00:44:47,801 <徳富猪一郎の協力により 同志社の名は 全国に知れ渡り➡ 495 00:44:47,801 --> 00:44:52,801 大学設立への 更なる進展を遂げるのです> 496 00:45:39,419 --> 00:45:44,741 (足音) 497 00:45:44,741 --> 00:45:47,744 これ。 上様を お見かけ致さなんだか? 498 00:45:47,744 --> 00:45:49,744 いえ…。