1 00:00:34,205 --> 00:00:39,705 (風の音) 2 00:01:01,699 --> 00:01:05,699 (小崎)先生 お水ば お持ちしました。 3 00:01:14,028 --> 00:01:17,699 (新島)戻るか… 京都に。 4 00:01:17,699 --> 00:01:20,702 先生 何か? 5 00:01:20,702 --> 00:01:25,039 いや… 何でもありません。 6 00:01:25,039 --> 00:01:27,358 (徳富)一大事です!➡ 7 00:01:27,358 --> 00:01:31,045 大隈伯が襲われました。 8 00:01:31,045 --> 00:01:33,698 (爆発音) 大隈さん! 9 00:01:33,698 --> 00:01:37,698 (徳富)閣議の帰り 馬車に 爆裂弾が投げ込まれて。 10 00:01:42,357 --> 00:01:45,526 (大隈)ばか者が~! (来島)放せ! 11 00:01:45,526 --> 00:01:49,697 大隈さんは ご無事か!? おけがは!? 12 00:01:49,697 --> 00:01:53,534 右足の傷が深うて 切断するしかなかと。 13 00:01:53,534 --> 00:01:56,034 なんちゅうこつか…。 14 00:01:57,638 --> 00:02:01,359 犯人は 大隈伯の条約改正案が➡ 15 00:02:01,359 --> 00:02:04,979 外国に対し 弱腰じゃと憤った 愛国者で…。 16 00:02:04,979 --> 00:02:07,031 (机をたたく音) 17 00:02:07,031 --> 00:02:10,331 愛国心とは そんなものではない! 18 00:02:12,036 --> 00:02:15,973 意見が違う者を 力で封じ込めるなら➡ 19 00:02:15,973 --> 00:02:19,644 何のための国会開設だ! 20 00:02:19,644 --> 00:02:21,696 (せきこみ) 21 00:02:21,696 --> 00:02:23,698 (小崎)先生! (徳富)先生! 22 00:02:23,698 --> 00:02:27,969 (せきこみ) 先生 大丈夫ですか? 23 00:02:27,969 --> 00:02:43,034 ♬~ 24 00:02:43,034 --> 00:02:49,040 (佐久)新島様は まだ お戻りではないのかい? 25 00:02:49,040 --> 00:02:52,360 (八重) 今朝も 葉書が届いたけんじょ➡ 26 00:02:52,360 --> 00:02:56,360 これじゃあ 前橋にいる事しか分がんねえ。 27 00:02:58,966 --> 00:03:04,038 兄様は? 今は 学校だ。 28 00:03:04,038 --> 00:03:07,738 ちょっと行ってくる。 留守を お願いしやす。 29 00:03:11,679 --> 00:03:14,198 (市原)徳富からの知らせでは➡ 30 00:03:14,198 --> 00:03:17,702 新島先生のご体調が 思わしくなかごたっです。 31 00:03:17,702 --> 00:03:20,037 (覚馬)そうか…。 32 00:03:20,037 --> 00:03:22,737 ≪失礼します。 33 00:03:24,725 --> 00:03:28,725 八重さん。 何か用か? 34 00:03:30,965 --> 00:03:36,971 兄様。 襄から こっちに何か 知らせが来てねえべか? 35 00:03:36,971 --> 00:03:40,308 (覚馬) 学校運営についての指示なら➡ 36 00:03:40,308 --> 00:03:43,608 徳富君を通じて 届いているが。 37 00:03:48,299 --> 00:03:51,636 ≪山本覚馬殿は こちらかな? 38 00:03:51,636 --> 00:03:53,636 はい。 39 00:04:01,979 --> 00:04:05,366 秋月様! 40 00:04:05,366 --> 00:04:11,372 ♬~(テーマ音楽) 41 00:04:11,372 --> 00:06:40,372 ♬~ 42 00:06:43,691 --> 00:06:48,696 (秋月)新島先生は お留守か…。 43 00:06:48,696 --> 00:06:53,701 前に 講演を拝聴した事があってな。 44 00:06:53,701 --> 00:07:00,725 静かな口調の中に 火の玉のような熱を放ってた。 45 00:07:00,725 --> 00:07:02,743 そうがし。 46 00:07:02,743 --> 00:07:06,630 おお そうだ。 会津の戦の折➡ 47 00:07:06,630 --> 00:07:12,036 城中を鼓舞して回った八重殿に どこやら似ていた。 48 00:07:12,036 --> 00:07:14,372 私と襄が? 49 00:07:14,372 --> 00:07:18,642 襄!? 新島先生を 襄か! 50 00:07:18,642 --> 00:07:22,630 (笑い声) 51 00:07:22,630 --> 00:07:27,702 秋月さんは 今 何をしておいでですか? 52 00:07:27,702 --> 00:07:33,691 長らく 東大予備門で 漢学を教えていましたが➡ 53 00:07:33,691 --> 00:07:38,996 こたび 熊本の第五高等中学から お呼びが かかって➡ 54 00:07:38,996 --> 00:07:42,299 今から 赴任すっとこだ。 55 00:07:42,299 --> 00:07:44,368 熊本に! 56 00:07:44,368 --> 00:07:51,058 隠居は 当分 先延ばしだ…。 アッハッハッハッハ! 57 00:07:51,058 --> 00:07:53,758 御苦労さまです。 58 00:07:55,296 --> 00:07:58,699 (秋月)実はな 八重殿➡ 59 00:07:58,699 --> 00:08:03,037 わしが 熊本行きを決めたのは 新聞で➡ 60 00:08:03,037 --> 00:08:08,037 「同志社大学設立の旨意」を 読んだからだ。 61 00:08:09,693 --> 00:08:13,297 あれで 気持ちが奮い立った。 62 00:08:13,297 --> 00:08:19,370 今こそ 学問の力がいる。 隠居などは してはおられんとな。 63 00:08:19,370 --> 00:08:23,641 襄の言葉が お役に立ったのですね。 64 00:08:23,641 --> 00:08:26,026 フッフッフ…。 そう。 65 00:08:26,026 --> 00:08:30,698 襄の言葉が 役に立ったのだ。 ハッハッハッハ。 66 00:08:30,698 --> 00:08:37,037 秋月は 明治27年まで 熊本で 教鞭を執った。 67 00:08:37,037 --> 00:08:42,026 同僚教師のラフカディオ・ハーンは その人柄を➡ 68 00:08:42,026 --> 00:08:47,631 「神のごとき人」と称した。 69 00:08:47,631 --> 00:08:54,371 そのころ 襄は 前橋で 募金活動を続けていたが…。 70 00:08:54,371 --> 00:08:58,375 (強い風の音) ひどか風ですね。 71 00:08:58,375 --> 00:09:02,646 宿は まだ遠いですか? 72 00:09:02,646 --> 00:09:05,032 もう少しです。 73 00:09:05,032 --> 00:09:08,302 (強い風の音) 74 00:09:08,302 --> 00:09:11,038 先生 どぎゃんしたとです!? 75 00:09:11,038 --> 00:09:14,038 先生! 先生! 76 00:09:16,677 --> 00:09:19,697 「長々の留守にて➡ 77 00:09:19,697 --> 00:09:24,718 八重殿も さぞ さみしき事と 気の毒に存じ候えども➡ 78 00:09:24,718 --> 00:09:28,739 今しばらく ご辛抱下されたく。➡ 79 00:09:28,739 --> 00:09:33,694 母上には お部屋を暖かくなし➡ 80 00:09:33,694 --> 00:09:39,633 葛湯 水あめなどが ご老体に よろしく」…。 81 00:09:39,633 --> 00:09:43,370 (登美)こっちの心配ばかりして…。 82 00:09:43,370 --> 00:09:45,670 ええ。 83 00:09:47,641 --> 00:09:53,464 「なんとか都合して 年内には 帰りたい」と書いであります。 84 00:09:53,464 --> 00:09:57,664 そう。 よかった。 85 00:09:59,487 --> 00:10:03,641 もうじき会えます きっと。 86 00:10:03,641 --> 00:10:08,295 ♬~ 87 00:10:08,295 --> 00:10:10,965 しかし そのころ➡ 88 00:10:10,965 --> 00:10:16,654 体調が悪化した襄は 療養のために 大磯に移っていた。 89 00:10:16,654 --> 00:10:22,993 「度重なる お願いは…➡ 90 00:10:22,993 --> 00:10:28,966 心苦しき事に…➡ 91 00:10:28,966 --> 00:10:31,986 何とぞ」…。 92 00:10:31,986 --> 00:10:40,686 ♬~ 93 00:10:42,630 --> 00:10:44,930 いらっしゃいませ。 94 00:10:47,034 --> 00:10:50,034 先生は 養生しておいでか? 95 00:11:07,705 --> 00:11:12,705 先生 起きて大丈夫ですか? 96 00:11:14,979 --> 00:11:21,635 すいませんが これを投函してきて下さい。 97 00:11:21,635 --> 00:11:25,306 また こぎゃん…。 98 00:11:25,306 --> 00:11:29,710 これじゃ 療養にならんとです。 99 00:11:29,710 --> 00:11:35,010 私が代筆しますけん 先生は 休んで下さい。 100 00:11:52,967 --> 00:11:56,704 (徳富) こればっかりは 代筆しきらん…。 101 00:11:56,704 --> 00:12:03,694 その葉書 東京から投函して下さい。 102 00:12:03,694 --> 00:12:11,394 先生。 大磯に いるこつば 八重さんに伝えましょう。 103 00:12:13,737 --> 00:12:17,041 いけません。 104 00:12:17,041 --> 00:12:23,741 療養していると知ったら 飛んできてしまう。 105 00:12:26,300 --> 00:12:33,691 このありさまを見たら きっと 苦しむ。 106 00:12:33,691 --> 00:12:38,362 ばってん 学校には 様子を知らせにゃなりません。 107 00:12:38,362 --> 00:12:44,062 大磯に いるこつは 覚馬先生の耳にも入っとです。 108 00:12:47,638 --> 00:12:49,938 先生。 109 00:12:51,642 --> 00:13:01,368 くれぐれも 内密にと 覚馬さんに よく頼んで下さい。 110 00:13:01,368 --> 00:13:08,092 私は 東京で募金活動をしている。 111 00:13:08,092 --> 00:13:16,092 このうそに もう少し つきあって下さい。 112 00:13:19,703 --> 00:13:22,403 先生…。 113 00:13:24,358 --> 00:13:29,358 (せきこみ) 114 00:13:34,301 --> 00:13:42,001 その年の暮れ 山川家には 梶原平馬の訃報が届いた。 115 00:13:45,295 --> 00:13:50,300 (浩)これが 兄上の…。 116 00:13:50,300 --> 00:13:52,970 (テイ)はい。➡ 117 00:13:52,970 --> 00:13:57,374 近所の子どもたちに 書や絵を教えて➡ 118 00:13:57,374 --> 00:14:03,363 何一つ 欲もなく ひっそりと暮らしておりました。 119 00:14:03,363 --> 00:14:08,035 (梶原) 伸び伸びと 思い切って描げ。 120 00:14:08,035 --> 00:14:10,035 (子どもたち)はい! 121 00:14:12,372 --> 00:14:16,643 (子ども1)これ 母ちゃんから 平馬先生に お礼だって。 122 00:14:16,643 --> 00:14:20,631 (子ども2)これしかねえけど 月謝の代わりに。 123 00:14:20,631 --> 00:14:24,401 (梶原)持って帰って お前たちが食え。 うん。 124 00:14:24,401 --> 00:14:27,805 なあ。 よし。 平馬さん。 125 00:14:27,805 --> 00:14:30,474 おっ 出来たか。 はい。 126 00:14:30,474 --> 00:14:34,294 (梶原)よ~し! ほら みんな 汁粉だ! 127 00:14:34,294 --> 00:14:39,366 (テイ)私が 根室に 小学校を開くのを➡ 128 00:14:39,366 --> 00:14:43,971 ずっと支えて下さいました。 129 00:14:43,971 --> 00:14:47,357 (二葉)わざわざ お越し頂いたげんじょ➡ 130 00:14:47,357 --> 00:14:50,694 梶原様とは とうに 縁が切れでおりますから。 131 00:14:50,694 --> 00:14:52,994 姉上。 132 00:14:59,036 --> 00:15:01,305 (テイ)二葉様。 133 00:15:01,305 --> 00:15:06,605 私の事 覚えておいででは ありませんか? 134 00:15:09,029 --> 00:15:11,965 [ 回想 ] どけ! 135 00:15:11,965 --> 00:15:13,965 お待ちなさい! 136 00:15:15,636 --> 00:15:18,038 (テイ)危ない! こちらへ! 137 00:15:18,038 --> 00:15:22,976 召し捕れ! 手向かう者は斬れ! (一同)お~! 138 00:15:22,976 --> 00:15:27,631 危ねえところを ありがとなし。 139 00:15:27,631 --> 00:15:31,331 もしや 会津のお方ですか? 140 00:15:34,371 --> 00:15:36,371 ああ。 141 00:15:37,975 --> 00:15:44,314 あの時 坊ちゃんを 抱いておいででしたね。 142 00:15:44,314 --> 00:15:46,633 はい。 143 00:15:46,633 --> 00:15:48,933 実は…。 144 00:15:56,360 --> 00:16:00,360 これを お見せしたくて。 145 00:16:03,050 --> 00:16:10,974 ♬~ 146 00:16:10,974 --> 00:16:12,974 [ 回想 ] めごいごと。 147 00:16:15,028 --> 00:16:18,728 何枚も この絵を描いていました。 148 00:16:20,968 --> 00:16:26,640 (テイ)もしや 坊ちゃんの ゆかりのものではと…。 149 00:16:26,640 --> 00:16:37,985 ♬~ 150 00:16:37,985 --> 00:16:40,704 旦那様…。 151 00:16:40,704 --> 00:16:43,707 最期まで➡ 152 00:16:43,707 --> 00:16:46,977 会津が敗れた責めは 自分にあると➡ 153 00:16:46,977 --> 00:16:49,396 悔いておいででした。 154 00:16:49,396 --> 00:16:52,096 (浩)…んな事はねえ。 155 00:16:59,973 --> 00:17:06,973 (浩)責任は 十分に果たされた。 156 00:17:09,366 --> 00:17:15,305 (健次郎)平馬様が 開いて下さった道➡ 157 00:17:15,305 --> 00:17:17,975 無駄にはしません。 158 00:17:17,975 --> 00:17:23,964 ♬~ 159 00:17:23,964 --> 00:17:25,964 テイ様。 160 00:17:30,971 --> 00:17:38,712 最期まで 旦那様のそばに いでくれで➡ 161 00:17:38,712 --> 00:17:41,965 ありがとうございました。 162 00:17:41,965 --> 00:18:04,665 ♬~ 163 00:18:27,978 --> 00:18:30,030 (ため息) 164 00:18:30,030 --> 00:18:36,319 新島様の容体 よくねえみてえだ。➡ 165 00:18:36,319 --> 00:18:42,025 なあ 早ぐ知らせねえと。 なあ? 166 00:18:42,025 --> 00:18:47,025 八重を 大磯に行かせんべ! なあ。 167 00:18:49,700 --> 00:18:53,704 何の話をしてんだし? 168 00:18:53,704 --> 00:18:58,642 私 東京に行ぎます。 八重。 169 00:18:58,642 --> 00:19:01,628 襄から届く葉書が おかしい。 170 00:19:01,628 --> 00:19:06,633 見らんしょ。 「当方無事」とあっけんじょ➡ 171 00:19:06,633 --> 00:19:09,633 こんな弱々しい字で…。 172 00:19:11,705 --> 00:19:15,005 大磯って 何の事です? 173 00:19:21,631 --> 00:19:23,931 兄様? 174 00:19:25,702 --> 00:19:33,026 新島さんは 大磯にいる。➡ 175 00:19:33,026 --> 00:19:38,298 体調を崩して 療養している。 176 00:19:38,298 --> 00:19:42,035 なじょして それを 私に黙って…。 177 00:19:42,035 --> 00:19:46,039 責めてはなんねえ! 堅ぐ口止めされてたんだ。 178 00:19:46,039 --> 00:19:49,976 新島様は 八重に…。 大磯のどこに いんですか!? 179 00:19:49,976 --> 00:19:53,676 襄を一人にしては おげねえ! 180 00:19:55,365 --> 00:20:00,665 私は そばにいて一緒に戦うと 決めたんだし! 181 00:20:02,973 --> 00:20:04,973 兄様! 182 00:20:09,629 --> 00:20:13,633 百足屋という旅館だ。 183 00:20:13,633 --> 00:20:16,333 百足屋。 184 00:20:19,039 --> 00:20:21,739 早く行け。 185 00:20:23,310 --> 00:20:25,310 はい! 186 00:20:28,365 --> 00:20:31,635 (汽笛) 187 00:20:31,635 --> 00:20:35,639 大磯まで 1枚。 5円60銭です。 188 00:20:35,639 --> 00:21:26,639 ♬~ 189 00:21:33,363 --> 00:21:36,299 (医者)腹膜炎を起こしています。➡ 190 00:21:36,299 --> 00:21:43,640 心臓に 病を抱えて よく ここまで もっている。 191 00:21:43,640 --> 00:21:48,361 ご家族に お知らせした方が よいでしょう。 192 00:21:48,361 --> 00:21:53,061 ばってん 先生は 決して知らせるなと。 193 00:21:55,035 --> 00:21:59,735 先生… すいまっせん! 194 00:22:03,643 --> 00:22:05,643 おい! 195 00:22:10,033 --> 00:22:12,535 待て! どこに行くとや!? 196 00:22:12,535 --> 00:22:16,056 電報ば打つ。 ばってん…。 知らせんといかん! 197 00:22:16,056 --> 00:22:19,056 八重さんに もう隠してはおけん。 198 00:22:22,696 --> 00:22:26,316 あ…。 徳富さん。 199 00:22:26,316 --> 00:22:33,373 ♬~ 200 00:22:33,373 --> 00:22:35,642 襄は どこですか? 201 00:22:35,642 --> 00:23:12,028 ♬~ 202 00:23:12,028 --> 00:23:13,980 襄…。 203 00:23:13,980 --> 00:23:33,700 ♬~ 204 00:23:33,700 --> 00:23:35,700 襄。 205 00:23:38,638 --> 00:23:40,638 八重さん。 206 00:23:42,642 --> 00:23:47,642 なじょしたんです? こんな所で。 207 00:23:50,367 --> 00:23:54,704 夢かと思った。 208 00:23:54,704 --> 00:23:57,404 私は こごにいます。 209 00:23:59,042 --> 00:24:02,742 来てくれたんですね。 210 00:24:04,964 --> 00:24:11,964 今日は とても苦しくて…。 211 00:24:14,974 --> 00:24:20,980 会いたかった 八重さん。 212 00:24:20,980 --> 00:24:24,300 何も 心配いらねえ。 213 00:24:24,300 --> 00:24:28,038 私が一緒だ。 214 00:24:28,038 --> 00:24:30,738 そばにいるがら。 215 00:24:32,308 --> 00:24:40,033 ♬~ 216 00:24:40,033 --> 00:24:43,636 はよ 行け。 国中の人に知らせんといかん。 217 00:24:43,636 --> 00:24:48,641 日本の宝が 消えようとしとる。 218 00:24:48,641 --> 00:24:51,941 行け 猪一郎。 219 00:24:55,965 --> 00:24:58,651 電報です。 220 00:24:58,651 --> 00:25:07,977 ♬~ 221 00:25:07,977 --> 00:25:12,632 (市原)新島先生が 重体に陥ったとの知らせです。 222 00:25:12,632 --> 00:25:17,320 (ざわめき) 223 00:25:17,320 --> 00:25:21,024 祈りましょう。 224 00:25:21,024 --> 00:25:26,029 主が 私たちの先生を お救い下さるよう。 225 00:25:26,029 --> 00:25:28,648 ♬~ 226 00:25:28,648 --> 00:25:38,308 (鐘の音) 227 00:25:38,308 --> 00:25:45,632 (デイヴィス・英語で) 228 00:25:45,632 --> 00:25:52,038 ♬~ 229 00:25:52,038 --> 00:26:00,980 学生は 型にはめず➡ 230 00:26:00,980 --> 00:26:09,706 まことの自由と 国を愛する人物を➡ 231 00:26:09,706 --> 00:26:12,006 育てて下さい。 232 00:26:13,693 --> 00:26:16,362 神様…。➡ 233 00:26:16,362 --> 00:26:20,700 2人を 引き裂かねえでくなんしょ。 234 00:26:20,700 --> 00:26:27,040 多くの同志たちに 助けられてきました。 235 00:26:27,040 --> 00:26:38,635 天を怨まず 人を尤めず。 236 00:26:38,635 --> 00:26:45,635 ただ 感謝あるのみ。 237 00:26:54,968 --> 00:26:56,968 襄。 238 00:27:00,039 --> 00:27:09,039 小崎さん 最後に 「聖書」を読んで下さい。 239 00:27:10,700 --> 00:27:14,700 どこを お読みしましょう。 240 00:27:16,306 --> 00:27:21,306 「エペソ人」を お願いします。 241 00:27:24,030 --> 00:27:26,299 待ってくなんしょ! 242 00:27:26,299 --> 00:27:28,599 待って! 243 00:27:32,739 --> 00:27:34,739 八重さん。 244 00:27:42,298 --> 00:27:45,301 始めて下さい。 245 00:27:45,301 --> 00:27:52,976 ♬~ 246 00:27:52,976 --> 00:28:00,700 「私は 神の力が 私に働いて➡ 247 00:28:00,700 --> 00:28:08,141 自分に与えられた 神の恵みの賜物により➡ 248 00:28:08,141 --> 00:28:14,631 福音の僕とされたのである。➡ 249 00:28:14,631 --> 00:28:25,325 すなわち 聖なる者たちのうちで 最も小さい者である私に➡ 250 00:28:25,325 --> 00:28:30,363 この恵みが与えられたが➡ 251 00:28:30,363 --> 00:28:39,372 それは キリストの限りない愛を➡ 252 00:28:39,372 --> 00:28:45,645 全ての人に 宣べ伝えるためである」。 253 00:28:45,645 --> 00:28:49,649 ♬~ 254 00:28:49,649 --> 00:28:52,986 ありがとう。 255 00:28:52,986 --> 00:29:29,038 ♬~ 256 00:29:29,038 --> 00:29:40,400 あなたに話したい事は まだ たくさんあるのに➡ 257 00:29:40,400 --> 00:29:47,400 残された時間は… あと僅かです。 258 00:29:50,977 --> 00:29:54,630 やっと 2人になれたんですよ。 259 00:29:54,630 --> 00:29:58,330 もう少し 一緒に いてくなんしょ。 260 00:30:00,319 --> 00:30:06,025 気がかりなのは➡ 261 00:30:06,025 --> 00:30:12,025 八重さん あなたの事だけです。 262 00:30:15,034 --> 00:30:23,659 あなたを置いて 先に逝く事だけが…。 263 00:30:23,659 --> 00:30:26,295 心配いらねえ。 264 00:30:26,295 --> 00:30:29,295 私は 大丈夫です。 265 00:30:31,033 --> 00:30:33,703 言ったはずですよ。 266 00:30:33,703 --> 00:30:38,703 私は 守られて生きるような おなごではねえ。 267 00:30:43,713 --> 00:30:47,967 だけんじょ…➡ 268 00:30:47,967 --> 00:30:52,967 今はまだ 別れたくねえ。 269 00:30:55,641 --> 00:30:57,641 八重さん。 270 00:31:00,696 --> 00:31:03,699 襄。 271 00:31:03,699 --> 00:31:09,999 ありがとなし 私を 妻にしてくれで。 272 00:31:12,692 --> 00:31:24,637 戦の傷も 犯した罪も 悲しみも➡ 273 00:31:24,637 --> 00:31:28,637 みんな一緒に 背負ってくれた。 274 00:31:31,310 --> 00:31:37,310 私を 愛で満たしてくれた。 275 00:31:41,304 --> 00:31:44,304 ありがとなし。 276 00:31:49,028 --> 00:31:51,328 八重さん。 277 00:31:53,633 --> 00:31:55,633 はい。 278 00:31:57,703 --> 00:32:03,042 泣かないで。 279 00:32:03,042 --> 00:32:13,742 私は あなたの笑顔が 大好きだ。 280 00:32:18,391 --> 00:32:22,695 泣いでなんかいねえ。 281 00:32:22,695 --> 00:32:30,703 襄と私は 神様の絆で結ばれた➡ 282 00:32:30,703 --> 00:32:34,403 離れる事のない夫婦なんだがら。 283 00:32:35,975 --> 00:32:39,362 (泣き声) 284 00:32:39,362 --> 00:32:42,965 八重さん…➡ 285 00:32:42,965 --> 00:32:46,265 狼狽してはいけません。 286 00:32:49,655 --> 00:32:54,310 (泣き声) 287 00:32:54,310 --> 00:32:58,698 グッバイ…。 襄! 288 00:32:58,698 --> 00:33:03,319 (泣き声) 289 00:33:03,319 --> 00:33:09,308 また 会いましょう。 290 00:33:09,308 --> 00:33:11,294 (泣き声) 291 00:33:11,294 --> 00:33:13,294 襄! 292 00:33:24,974 --> 00:33:27,360 襄! 293 00:33:27,360 --> 00:33:30,963 (泣き声) 294 00:33:30,963 --> 00:33:33,699 襄! 295 00:33:33,699 --> 00:33:45,311 (泣き声) 296 00:33:45,311 --> 00:33:53,302 1月23日午後 襄 永眠。 297 00:33:53,302 --> 00:34:03,296 ♬~ 298 00:34:03,296 --> 00:34:08,301 (勝)「彼等ハ 世から取らんとす➡ 299 00:34:08,301 --> 00:34:13,001 我等ハ 世ニ與へんと欲ス」。 300 00:34:15,358 --> 00:34:20,963 新島さん あんたは この言葉どおり➡ 301 00:34:20,963 --> 00:34:25,963 日本に 掛けがえのないものを もたらしてくれた。 302 00:34:27,637 --> 00:34:50,326 (鐘の音) 303 00:34:50,326 --> 00:34:59,368 ♬~ 304 00:34:59,368 --> 00:35:05,157 1月27日 同志社で行われた葬儀には➡ 305 00:35:05,157 --> 00:35:08,027 4,000人が参列。 306 00:35:08,027 --> 00:35:15,727 襄の棺は 東山の若王子山頂に葬られた。 307 00:35:17,303 --> 00:35:32,968 ♬~(「賛美歌」) 308 00:35:32,968 --> 00:36:00,963 ♬~ 309 00:36:00,963 --> 00:36:04,366 ≪(覚馬)八重。➡ 310 00:36:04,366 --> 00:36:07,987 八重 いるか? 311 00:36:07,987 --> 00:36:18,631 ♬~ 312 00:36:18,631 --> 00:36:24,631 八重 東京に行ってこい。 313 00:36:29,692 --> 00:36:36,966 日本赤十字社が 篤志看護婦人会を作る事になった。 314 00:36:36,966 --> 00:36:41,036 日本赤十字? 315 00:36:41,036 --> 00:36:47,693 東京では 捨松さんが中心になって 動き始めた。 316 00:36:47,693 --> 00:36:56,693 にしも行って 赤十字の精神と 最新の看護法を学んでこい。 317 00:36:58,370 --> 00:37:01,370 私は 行がねえ。 318 00:37:04,360 --> 00:37:06,660 行ってこい。 319 00:37:10,316 --> 00:37:15,304 京都を離れたくねえのだし。 320 00:37:15,304 --> 00:37:18,691 私が ここにいないと➡ 321 00:37:18,691 --> 00:37:22,027 襄が さみしがる。 322 00:37:22,027 --> 00:37:26,699 情けねえやつだ! 323 00:37:26,699 --> 00:37:28,968 (床をたたく音) 324 00:37:28,968 --> 00:37:36,358 ♬~ 325 00:37:36,358 --> 00:37:40,696 新島 襄の妻は➡ 326 00:37:40,696 --> 00:37:45,396 こんな 意気地のねえ女だったのか! 327 00:37:46,986 --> 00:37:52,641 赤十字の看護の神髄は➡ 328 00:37:52,641 --> 00:37:56,695 敵味方の区別なく➡ 329 00:37:56,695 --> 00:38:03,636 傷ついた者に 手を差し伸べる事にある。 330 00:38:03,636 --> 00:38:10,025 苦しむ者 悲しむ者に 寄り添い➡ 331 00:38:10,025 --> 00:38:15,314 慈しみの光で 世を照らす。 332 00:38:15,314 --> 00:38:22,705 新島さんが つくろうとした世界だ。 333 00:38:22,705 --> 00:38:31,630 襄が つくろうとした世界…。 334 00:38:31,630 --> 00:38:50,330 ♬~ 335 00:38:51,967 --> 00:38:54,703 立派な お屋敷だなし。 336 00:38:54,703 --> 00:38:57,003 (捨松)さあ こちらに。 337 00:38:59,725 --> 00:39:04,363 看護を 卑しい仕事だと 思っている人たちもいます。 338 00:39:04,363 --> 00:39:09,301 私たち 篤志看護婦人会が 率先して学ぶ事で➡ 339 00:39:09,301 --> 00:39:13,372 どれほど誇りある職務であるかを 世の中に示しましょう。 340 00:39:13,372 --> 00:39:15,357 (一同)はい。 341 00:39:15,357 --> 00:39:18,360 今日は 赤十字から 先生を お招きしました。 342 00:39:18,360 --> 00:39:20,360 (英語で) 343 00:39:26,969 --> 00:39:29,638 (英語で) 344 00:39:29,638 --> 00:39:31,638 (カルプ・英語で) 345 00:39:36,695 --> 00:39:38,695 ありがとうございます。 346 00:39:55,030 --> 00:39:57,730 お願いします。 お願いします。 347 00:40:01,704 --> 00:40:03,706 サンキュー。 348 00:40:03,706 --> 00:40:08,060 八重さんは 会津の籠城戦を 戦い抜いたお方ですもの。 349 00:40:08,060 --> 00:40:10,329 まあ あの戦を? 350 00:40:10,329 --> 00:40:12,631 八重さんが いてくれたので➡ 351 00:40:12,631 --> 00:40:16,635 子どもだった私も 随分 勇ましい気持ちになったものです。 352 00:40:16,635 --> 00:40:21,307 薩長など 恐れるに足らずと。 フフフフッ。➡ 353 00:40:21,307 --> 00:40:24,007 あら 失礼。 フフフッ。 354 00:40:25,694 --> 00:40:28,697 先生方が感心していました。 355 00:40:28,697 --> 00:40:32,701 八重さんなら 今からでも 医者になれると。 356 00:40:32,701 --> 00:40:37,401 いくつになっても 学ぶ事は 楽しいがら。 357 00:40:38,974 --> 00:40:45,364 私は アメリカへ留学した時に 学問の面白さを知りました。➡ 358 00:40:45,364 --> 00:40:50,369 その時 背中を押して下さったのは➡ 359 00:40:50,369 --> 00:40:54,373 新島先生でした。 360 00:40:54,373 --> 00:41:00,373 あの人は こごにも種をまいてた。 361 00:41:05,367 --> 00:41:11,357 私も やります 篤志看護婦人会。 362 00:41:11,357 --> 00:41:13,359 はい。 363 00:41:13,359 --> 00:41:17,379 ♬~ 364 00:41:17,379 --> 00:41:23,635 その年の11月 第1回帝国議会が開かれた。 365 00:41:23,635 --> 00:41:27,306 軍備予算の削減を要求するとは➡ 366 00:41:27,306 --> 00:41:32,361 民選議員たちには 世界の情勢が 見えちょらんとごわんそか! 367 00:41:32,361 --> 00:41:38,700 (大山)じゃっどな。 日本は まだ 土台がしっかり固まっちゃおらん。 368 00:41:38,700 --> 00:41:43,972 ロシアは シベリア鉄道の敷設で アジア進出をば ねらっちょいもす。 369 00:41:43,972 --> 00:41:49,978 国防の危機は 間近に迫っちょる。 370 00:41:49,978 --> 00:42:10,299 ♬~ 371 00:42:10,299 --> 00:42:14,703 お~ いい匂いだなし。 372 00:42:14,703 --> 00:42:20,642 おっ母様 いいところに。 手伝ってくなんしょ。 373 00:42:20,642 --> 00:42:23,695 こんなに たくさん なじょすんだ? 374 00:42:23,695 --> 00:42:26,698 学生たちに 作って食べさせるのです。 375 00:42:26,698 --> 00:42:32,037 たまには ごちそうするようにと 襄に頼まれでいっから。 376 00:42:32,037 --> 00:42:37,025 母親は いつまでたっても 使われんな。 377 00:42:37,025 --> 00:42:40,028 すまねえなし。 378 00:42:40,028 --> 00:42:45,367 ♬~ 379 00:42:45,367 --> 00:42:51,067 襄が こごに残したものを 守っていかなくては。 380 00:42:53,375 --> 00:42:56,311 まだまだ これからだ。 381 00:42:56,311 --> 00:43:01,633 ♬~ 382 00:43:01,633 --> 00:43:06,638 看護婦は 命の危険に身をさらして 患者を救うのです。 383 00:43:06,638 --> 00:43:10,976 兄は 今 会津に 何があったのかを 書き残そうとしています。 384 00:43:10,976 --> 00:43:15,964 (容保)戒めとして 御宸翰を そなたらに託した。 385 00:43:15,964 --> 00:43:23,305 いかなる力にも 知恵であらがい 己で 道を切り開いて下さい。 386 00:43:23,305 --> 00:43:26,642 強くあるように。 387 00:43:26,642 --> 00:43:28,627 ありがとう。 388 00:43:28,627 --> 00:43:31,630 ありがとなし。 389 00:43:31,630 --> 00:43:39,371 <明治22年12月 大学設立に奔走した新島 襄は➡ 390 00:43:39,371 --> 00:43:43,976 体調を崩し 大磯の旅館で 療養していました。➡ 391 00:43:43,976 --> 00:43:47,362 しかし 病状は 更に悪化。➡ 392 00:43:47,362 --> 00:43:51,383 危篤の知らせを聞いた八重も 駆けつけます。➡ 393 00:43:51,383 --> 00:43:53,986 襄は 遺言を伝えました。➡ 394 00:43:53,986 --> 00:43:56,989 「信念と独立心がある学生を➡ 395 00:43:56,989 --> 00:43:59,358 圧迫しないように」。➡ 396 00:43:59,358 --> 00:44:04,363 同志社の教育を 案ずるものでした。➡ 397 00:44:04,363 --> 00:44:08,700 明治23年1月23日➡ 398 00:44:08,700 --> 00:44:15,707 襄は 大学設立の夢半ば 47年の生涯を終えました。➡ 399 00:44:15,707 --> 00:44:20,007 八重が 襄をしのび 詠んだ和歌です> 400 00:44:29,371 --> 00:44:33,025 <襄の棺は 京都 若王子山の墓地へ➡ 401 00:44:33,025 --> 00:44:37,696 学生たちの手によって 運ばれました。➡ 402 00:44:37,696 --> 00:44:41,633 墓石の字は 勝 海舟が書いたものです。➡ 403 00:44:41,633 --> 00:44:45,637 「島」の字に 1本 横棒が足りません。➡ 404 00:44:45,637 --> 00:44:48,974 これは 型に はまらなかった➡ 405 00:44:48,974 --> 00:44:53,274 襄の生き方を 表したものとも いわれています> 406 00:45:35,687 --> 00:45:37,623 喜之助さんがねえ。 407 00:45:37,623 --> 00:45:39,625 嫁をもらう年になったかい。 408 00:45:39,625 --> 00:45:43,028 (進兵ヱ)はい! …で 相手は? 409 00:45:43,028 --> 00:45:47,966 村上様も ご存じの 古着屋の おしんさんの娘さん! 410 00:45:47,966 --> 00:45:51,136 おとみちゃん? (喜之助)はい。 411 00:45:51,136 --> 00:45:55,023 ああ… ありゃあ いい娘だ。 412 00:45:55,023 --> 00:45:58,460 若いのに しっかりしてて。 ねえ?