1 00:01:33,059 --> 00:01:35,127 おお 又十郎 2 00:01:35,127 --> 00:01:37,927 あっ またお前か 3 00:01:47,540 --> 00:01:50,810 待てい 4 00:01:50,810 --> 00:01:52,845 無礼な 何をする 5 00:01:52,845 --> 00:01:56,449 通行の者を蹴散らして 何が無礼だ 謝れ 6 00:01:56,449 --> 00:01:59,349 火急のことゆえ御免 7 00:02:04,290 --> 00:02:08,728 東海道 府中宿は江戸より44里26町 8 00:02:08,728 --> 00:02:11,497 駿府城の城下町である 9 00:02:11,497 --> 00:02:17,003 この城は 将軍職を秀忠に譲り 大御所となった家康の居城であり 10 00:02:17,003 --> 00:02:22,375 そのために一時 府中は すべての政の中心地であった 11 00:02:22,375 --> 00:02:26,445 その家康亡き後 今は3代将軍 家光の 12 00:02:26,445 --> 00:02:30,549 実の弟 忠長の居城となっている 13 00:02:30,549 --> 00:02:34,654 いいか たとえ目立たぬように 城下を抜け出しても 14 00:02:34,654 --> 00:02:38,891 明日には小畑一派も 俺たちが 消えたことに気づくだろう 15 00:02:38,891 --> 00:02:41,294 必ず追っ手はかかってくる 16 00:02:41,294 --> 00:02:44,530 でも何としてでも誰かが生き残り 17 00:02:44,530 --> 00:02:46,899 あの砦を焼き払わねば 18 00:02:46,899 --> 00:02:51,604 駿河55万石を救う道は それ以外に 19 00:02:51,604 --> 00:02:54,904 では必ず あの砦を 20 00:02:58,110 --> 00:03:00,110 おっ 21 00:03:02,949 --> 00:03:06,585 山崎 おのれらの謀反 破れたぞ 22 00:03:06,585 --> 00:03:10,222 何が謀反だ!貴様らこそ 殿を おいさめするどころか! 23 00:03:10,222 --> 00:03:12,222 問答無用 24 00:03:31,744 --> 00:03:33,746 そりゃっ 25 00:03:33,746 --> 00:03:36,048 新之助殿 とりゃっ 26 00:03:36,048 --> 00:03:38,050 新之助殿! それっ 27 00:03:38,050 --> 00:03:40,050 待て 待てい 28 00:03:43,556 --> 00:03:46,726 あんたは… 何事だ 29 00:03:46,726 --> 00:03:49,328 おのれは? 人違いするな 30 00:03:49,328 --> 00:03:51,864 通りがかりの旅の者だ 31 00:03:51,864 --> 00:03:54,664 その者を渡せ 渡さぬと… だあっ 32 00:04:06,012 --> 00:04:08,012 とりゃーっ! 33 00:04:17,790 --> 00:04:20,926 やめろ 34 00:04:20,926 --> 00:04:24,897 無益な殺生はしたくない 刀を引けい 35 00:04:24,897 --> 00:04:27,197 あっ う… 36 00:04:29,702 --> 00:04:31,802 引けい 37 00:04:42,948 --> 00:04:45,748 しっかりしろ おい 38 00:04:53,392 --> 00:04:55,761 ここでございます どうも 39 00:04:55,761 --> 00:04:58,764 いろいろと ありがとうございました 40 00:04:58,764 --> 00:05:02,835 お咲 父上 新之助殿たちが… 41 00:05:02,835 --> 00:05:05,037 このお方は? 危ないところを 42 00:05:05,037 --> 00:05:07,406 助けてくださった お方です 43 00:05:07,406 --> 00:05:09,408 それはどうも かたじけない 44 00:05:09,408 --> 00:05:12,445 いや 殿の火急のお召しゆえ 45 00:05:12,445 --> 00:05:16,015 登城しなければなりません 失礼の段は何とぞ 46 00:05:16,015 --> 00:05:18,015 はっ 47 00:05:20,352 --> 00:05:22,352 あっ 48 00:05:25,658 --> 00:05:28,094 言うな!余がこれほど申しても 49 00:05:28,094 --> 00:05:30,794 しかし 殿 黙れ! 50 00:05:33,699 --> 00:05:37,703 何が物の順序か 何が物の順序か! 51 00:05:37,703 --> 00:05:39,839 父の秀忠公でさえ 52 00:05:39,839 --> 00:05:43,642 実の兄 秀康殿を差し置いて 将軍職に就いておる 53 00:05:43,642 --> 00:05:46,278 父はな この忠長を 54 00:05:46,278 --> 00:05:50,116 次期将軍職に据える意向を 固めておったのだ 55 00:05:50,116 --> 00:05:52,118 それを覆したのは 56 00:05:52,118 --> 00:05:56,222 柳生但馬ら 兄 家光の側近どもだ 57 00:05:56,222 --> 00:06:01,427 その兄たちに 恭順の意を表せと言うのか 58 00:06:01,427 --> 00:06:04,063 頭を下げて 59 00:06:04,063 --> 00:06:07,263 その足元にひざまずけと申すか 60 00:06:28,921 --> 00:06:32,791 早速 将軍に申し伝えよ 61 00:06:32,791 --> 00:06:36,829 忠長は他の大名と 同列の者ではない 62 00:06:36,829 --> 00:06:41,767 わずか甲斐 信濃 駿河 遠江を 領する55万石では 63 00:06:41,767 --> 00:06:44,770 大いに不足 64 00:06:44,770 --> 00:06:49,408 忠長は将軍の支配の 外にある君主だと 65 00:06:49,408 --> 00:06:52,378 申し伝えい 66 00:06:52,378 --> 00:06:54,547 馬引け 馬! 67 00:06:54,547 --> 00:06:57,147 殿 殿! 68 00:07:07,927 --> 00:07:10,196 小畑 69 00:07:10,196 --> 00:07:15,301 殿の申し状 決して 将軍家へ申し伝えてはならぬぞ 70 00:07:15,301 --> 00:07:19,738 殿の御意を奉じて立つのが 臣の道でござろう 71 00:07:19,738 --> 00:07:21,740 そこもとは! 72 00:07:21,740 --> 00:07:25,444 これ以上 将軍家と事を構えては 73 00:07:25,444 --> 00:07:28,781 このままでは駿河55万石は 74 00:07:28,781 --> 00:07:31,884 お取り潰しになる 75 00:07:31,884 --> 00:07:34,284 見苦しい 下げい 76 00:07:37,456 --> 00:07:39,856 さっ 御家老 77 00:07:41,894 --> 00:07:47,733 頼む 殿のご乱行を 決して江戸表へ漏らしてはならん 78 00:07:47,733 --> 00:07:50,836 わしは粗相があって お手討ちになったのだ 79 00:07:50,836 --> 00:07:53,505 決して殿のせいではない 80 00:07:53,505 --> 00:07:56,108 殿の御身に万一のことがあれば… 81 00:07:56,108 --> 00:07:58,244 あの砦を焼き払え 82 00:07:58,244 --> 00:08:03,249 あれを将軍家に知られては 殿のお命が 83 00:08:03,249 --> 00:08:05,949 頼む 頼むぞ 84 00:08:11,290 --> 00:08:14,190 曲者だ 出合え 出合え! 85 00:08:25,170 --> 00:08:30,042 お嬢様 旦那様が 旦那様が! 86 00:08:30,042 --> 00:08:32,578 父上 ああっ 87 00:08:32,578 --> 00:08:35,114 父上 父上 88 00:08:35,114 --> 00:08:37,116 布と焼酎を早く 89 00:08:37,116 --> 00:08:39,985 あなた様… 水だ 先に湯を沸かせ 90 00:08:39,985 --> 00:08:41,985 早く! 91 00:08:44,556 --> 00:08:49,862 城代家老が城中で手傷を負った… どうも合点がいかんな 92 00:08:49,862 --> 00:08:52,064 合点がいかぬのは 又十郎様のほうですよ 93 00:08:52,064 --> 00:08:55,301 ん? どうして あんなに親切に… 94 00:08:55,301 --> 00:08:58,203 ちょっと調べてきます お… おい お紋 95 00:08:58,203 --> 00:09:03,003 ん… どうも女が絡むと 合点がいかんな 96 00:09:07,713 --> 00:09:11,313 この眠りさえ覚めれば まず大丈夫だ 97 00:09:14,286 --> 00:09:16,522 お咲殿といったな 98 00:09:16,522 --> 00:09:19,258 はい 99 00:09:19,258 --> 00:09:24,697 医者も恐れて この屋敷には近づかぬ様子だが 100 00:09:24,697 --> 00:09:29,435 あの寺での斬り合いといい この有り様といい 101 00:09:29,435 --> 00:09:32,871 何か深い訳があるようだが 102 00:09:32,871 --> 00:09:34,873 聞かせてもらえぬか 103 00:09:34,873 --> 00:09:36,909 たとえ どのような お方であろうとも 104 00:09:36,909 --> 00:09:39,545 申し上げるわけにはまいりません 105 00:09:39,545 --> 00:09:42,948 どうかお許しを 106 00:09:42,948 --> 00:09:47,252 それより ここにおられては あなた様に難が及びます 107 00:09:47,252 --> 00:09:50,322 一刻も早く いや そうはいかん 108 00:09:50,322 --> 00:09:54,259 これだけ関わった以上 訳も聞かずに立ち去るわけには 109 00:09:54,259 --> 00:09:56,261 それにケガ人もいる 110 00:09:56,261 --> 00:10:00,461 第一 いつ先程の者たちが 襲ってくるかも 111 00:10:03,569 --> 00:10:07,439 あ… 実を言うと 112 00:10:07,439 --> 00:10:09,708 少し腹が 113 00:10:09,708 --> 00:10:11,710 まあ 114 00:10:11,710 --> 00:10:14,910 ちょっといい女だと 図々しいんだから 115 00:10:25,824 --> 00:10:28,394 ごめんくださいまし 116 00:10:28,394 --> 00:10:31,594 あのー お連れ様がお見えです ああ 117 00:10:35,434 --> 00:10:38,470 どうだ 又十郎の様子は? 118 00:10:38,470 --> 00:10:41,070 見ちゃいられませんよ まったく 119 00:11:02,795 --> 00:11:05,697 申し上げます ただ今 小畑兵庫様 120 00:11:05,697 --> 00:11:08,066 火急のご用にて 121 00:11:08,066 --> 00:11:11,066 構わぬ 通せ はっ 122 00:11:20,846 --> 00:11:23,715 お休みのところ 恐縮にござりまする 123 00:11:23,715 --> 00:11:26,115 何事 はっ 124 00:11:31,957 --> 00:11:33,959 先般より 125 00:11:33,959 --> 00:11:37,429 小耳に挟んでいたことでは ござりまするが 126 00:11:37,429 --> 00:11:39,498 柳生の手の者が 127 00:11:39,498 --> 00:11:43,936 ひそかに巡検使と称して ご領内へ 128 00:11:43,936 --> 00:11:47,139 何?巡検使 129 00:11:47,139 --> 00:11:50,342 いかにも 上様の命により 130 00:11:50,342 --> 00:11:54,913 この東海道の宿場を整え直すのが その役目とか 131 00:11:54,913 --> 00:11:59,451 しかし それは恐らく 名目でござりましょう 132 00:11:59,451 --> 00:12:03,789 ご領内を隠密裏に視察し あわよくば 133 00:12:03,789 --> 00:12:08,560 殿を亡きものにせんとたくらむ 刺客に間違いござりません 134 00:12:08,560 --> 00:12:12,097 その者たちは すでに領内に入っておるのか 135 00:12:12,097 --> 00:12:17,803 隠密のことゆえ はや城下に 忍び込んでおるやもしれませぬ 136 00:12:17,803 --> 00:12:22,741 それに今日 恐ろしく腕の立つ侍が1人 137 00:12:22,741 --> 00:12:25,244 よし 138 00:12:25,244 --> 00:12:27,713 その者たちを引っ捕らえい 139 00:12:27,713 --> 00:12:31,750 何としてでも引っ捕らえて その素っ首を将軍家へ 140 00:12:31,750 --> 00:12:33,819 よいな 141 00:12:33,819 --> 00:12:35,819 はっ 142 00:12:37,956 --> 00:12:39,956 兄上 143 00:12:43,262 --> 00:12:47,933 心配するな 巡検使ごときに何ができる 144 00:12:47,933 --> 00:12:53,872 私が殿を意のままにしておる限り 何の手出しができるものか 145 00:12:53,872 --> 00:12:56,875 それより殿を頼むぞ 146 00:12:56,875 --> 00:13:01,146 殿はあれで お気の弱いところがおありだ 147 00:13:01,146 --> 00:13:05,784 石上を斬りつけておきながら どうしても 148 00:13:05,784 --> 00:13:09,484 切腹だけはお申し付けにならぬ 149 00:13:12,190 --> 00:13:15,460 お前の頼みならば 150 00:13:15,460 --> 00:13:17,460 殿は必ず 151 00:13:20,332 --> 00:13:22,935 おい 開けろ! 152 00:13:22,935 --> 00:13:26,305 おーい お前たちは向こうだ 続け! 153 00:13:26,305 --> 00:13:28,307 おい 開けろ! 154 00:13:28,307 --> 00:13:31,443 (又右衛門のいびき) 155 00:13:31,443 --> 00:13:34,813 あー 花形 何とかならんか あ… はあ 156 00:13:34,813 --> 00:13:38,450 金兵衛 何とかしろ これ もう 雷みたいの これ 157 00:13:38,450 --> 00:13:41,420 いや わたくしも さっきから 考えておったんでございますがね 158 00:13:41,420 --> 00:13:43,422 ちょっと おまじないでも やってみますか 159 00:13:43,422 --> 00:13:47,392 よし 多羅三藐三菩提 やっ 160 00:13:47,392 --> 00:13:49,995 ねっ (又右衛門のいびき) 161 00:13:49,995 --> 00:13:52,831 (戸を叩く音) 開けろ 宿改めだ 開けろ! 162 00:13:52,831 --> 00:13:55,133 お頭 163 00:13:55,133 --> 00:13:58,503 お紋か どうした? 「お紋か」じゃありませんよ 早く 164 00:13:58,503 --> 00:14:01,073 ん? 宿改めなんですよ 巡検使だと 165 00:14:01,073 --> 00:14:03,575 知られたら 面倒なことになるかも しれないじゃありませんか 166 00:14:03,575 --> 00:14:06,745 そうだな よし 167 00:14:06,745 --> 00:14:08,747 持っていきますよ 168 00:14:08,747 --> 00:14:11,450 いくぞ いやいや お紋ちゃん お紋ちゃん 169 00:14:11,450 --> 00:14:14,052 あの… 俺たちもすぐ行くから そこで待ってて 170 00:14:14,052 --> 00:14:18,323 じゃあね 「じゃあね」?あ… 171 00:14:18,323 --> 00:14:20,492 まったく さっと行っちゃって 性格がきつい 172 00:14:20,492 --> 00:14:23,462 宿改めだ おっ 173 00:14:23,462 --> 00:14:25,731 神妙にせい 宿改めだ 174 00:14:25,731 --> 00:14:28,100 道中手形 往来切手を改める 175 00:14:28,100 --> 00:14:30,900 何事かございましたか? んん? 176 00:14:33,038 --> 00:14:36,675 もう一人は? いや この界隈の色町に その… 177 00:14:36,675 --> 00:14:39,077 なんだ ハハハハ… おっ そうそうそう 178 00:14:39,077 --> 00:14:41,079 おっ これだ 179 00:14:41,079 --> 00:14:44,082 ん… 幕府勘定改め… 180 00:14:44,082 --> 00:14:47,786 あっ これはご無礼つかまつった いやいやいや… 181 00:14:47,786 --> 00:14:51,423 して この駿河には何の… いやいや 単なる物見遊山じゃ 182 00:14:51,423 --> 00:14:54,459 遊びじゃ 遊びじゃ だによってな その者も色町で 183 00:14:54,459 --> 00:14:56,659 フホホホホ… 184 00:15:02,701 --> 00:15:06,004 兄上 おう 185 00:15:06,004 --> 00:15:10,676 又十郎 お前はここで 斬り合いを見たな 186 00:15:10,676 --> 00:15:15,576 そして 一人の娘を助け 筆頭家老 石上の屋敷へ 187 00:15:18,417 --> 00:15:21,253 おいおいおい… そう四角い顔して とんがるなって 188 00:15:21,253 --> 00:15:23,255 兄上 おっとっと 189 00:15:23,255 --> 00:15:26,058 お前が表で 俺が裏だ 190 00:15:26,058 --> 00:15:28,393 それが俺たち それぞれの 持ち場じゃないか 191 00:15:28,393 --> 00:15:32,798 あっ それよりな 阿里助が妙なことを耳にしたぞ 192 00:15:32,798 --> 00:15:36,334 あの筆頭家老の石上がな 「砦を焼き払え」 193 00:15:36,334 --> 00:15:40,872 「砦のあることを悟られては 駿河55万石が危ない」 194 00:15:40,872 --> 00:15:44,109 そう言ったそうだ 砦?何の砦です 195 00:15:44,109 --> 00:15:46,511 いや… それは分からん 196 00:15:46,511 --> 00:15:48,513 ここの斬り合いといい 197 00:15:48,513 --> 00:15:52,384 石上と 次席家老 小畑兵庫の争いといい 198 00:15:52,384 --> 00:15:55,187 駿河には何かある ましてや 199 00:15:55,187 --> 00:15:58,423 上様と そりの合わぬ忠長様のことだ 200 00:15:58,423 --> 00:16:00,823 これは何かあるな 201 00:16:02,861 --> 00:16:05,297 俺たちは城下に残って それを探る 202 00:16:05,297 --> 00:16:07,432 お前は砦の在りかを 突き止めてくれ 203 00:16:07,432 --> 00:16:09,835 しかし ただ砦というだけでは… 204 00:16:09,835 --> 00:16:13,805 手はあるだろ ほれほれ あの娘だ えっ? 205 00:16:13,805 --> 00:16:16,675 十兵衛様 あんな女 使わなくたって 206 00:16:16,675 --> 00:16:20,278 はあ?フッハハハ… 207 00:16:20,278 --> 00:16:22,681 石上の配下はほとんど倒された 208 00:16:22,681 --> 00:16:28,081 その石上の命を受けて 砦に向かう者があるとすれば… 209 00:16:48,039 --> 00:16:50,039 待てい 210 00:17:08,460 --> 00:17:11,160 お嬢様 早く 早く 211 00:17:25,277 --> 00:17:27,677 お咲殿 追え 212 00:17:58,210 --> 00:18:00,810 おいで はよ おいで おいで おいで 213 00:18:24,836 --> 00:18:28,840 おい 誰かいねえのかい 214 00:18:28,840 --> 00:18:32,510 開けてくれ 俺は怪しいもんじゃねえ 215 00:18:32,510 --> 00:18:35,810 又平 又平ではないか 216 00:18:39,184 --> 00:18:41,519 よう ハハッ 217 00:18:41,519 --> 00:18:43,989 どうした?こんな所で 218 00:18:43,989 --> 00:18:45,991 道中 腹が減っちまってよ 219 00:18:45,991 --> 00:18:48,226 ここらで飯にありつこうと 思ったんだが 220 00:18:48,226 --> 00:18:50,228 誰も出てきやがらねえ 221 00:18:50,228 --> 00:18:53,665 あー そういえば ちょっと様子が変だな 222 00:18:53,665 --> 00:18:57,936 ここだけじゃねえんだ この周りの村全部がこの有り様だ 223 00:18:57,936 --> 00:19:01,206 あ… うわっ ああ… 224 00:19:01,206 --> 00:19:03,541 勘弁してください 225 00:19:03,541 --> 00:19:05,541 うっ ああ… 226 00:19:07,579 --> 00:19:09,579 てやっ うわあっ 227 00:19:11,616 --> 00:19:13,852 おい しっかりしろ 大丈夫か 228 00:19:13,852 --> 00:19:16,154 滝蔵さん 229 00:19:16,154 --> 00:19:18,623 おきくちゃん くっ… 230 00:19:18,623 --> 00:19:22,560 留吉さんは? 一緒じゃなかったの? 231 00:19:22,560 --> 00:19:25,897 ねえ 留吉さんは? 232 00:19:25,897 --> 00:19:30,168 逃げられねえんだ 早くしねえと みんな… 233 00:19:30,168 --> 00:19:33,271 早く助け出さねえと… どういうことだ これは 234 00:19:33,271 --> 00:19:35,941 おい 男たちはどうした? 235 00:19:35,941 --> 00:19:38,241 村の男たちは 236 00:19:41,947 --> 00:19:46,418 すると 村の働き手のほとんどは 237 00:19:46,418 --> 00:19:49,287 無理に役人に駆り出された 238 00:19:49,287 --> 00:19:52,624 それで残ったお前たちは 駆り出されるのを恐れて 239 00:19:52,624 --> 00:19:55,124 裏の山へ逃げ込んでいたんだな 240 00:19:57,495 --> 00:20:00,795 駆り出された者たちは 石を掘っていたそうだが 241 00:20:02,834 --> 00:20:05,437 ぐずぐずするな! 242 00:20:05,437 --> 00:20:07,505 その白い石は何なのだ 243 00:20:07,505 --> 00:20:11,543 それは… 私たちには 分かりませんので 244 00:20:11,543 --> 00:20:15,480 あの地獄谷には まだたくさんの村の衆が 245 00:20:15,480 --> 00:20:17,916 地獄谷? 246 00:20:17,916 --> 00:20:21,853 助けてくだせえ 早くしねえと みんなが役人に殺されて… 247 00:20:21,853 --> 00:20:23,953 お願いします お願いします 248 00:20:26,257 --> 00:20:29,057 お咲殿 ちょっと 249 00:20:39,871 --> 00:20:42,440 何だい あの女 250 00:20:42,440 --> 00:20:45,076 どうして こんな所へ いらしたんです 251 00:20:45,076 --> 00:20:47,379 どうして? 252 00:20:47,379 --> 00:20:50,248 なぜあの時 舟を出したんだ 253 00:20:50,248 --> 00:20:53,551 あなたに 来てほしくなかったんです 254 00:20:53,551 --> 00:20:58,723 あなたは 追っ手の侍たちに 負けるような方じゃありません 255 00:20:58,723 --> 00:21:01,526 あの舟に乗れば どうしても わたくしと一緒に 256 00:21:01,526 --> 00:21:03,828 ここへ来ることになります 257 00:21:03,828 --> 00:21:06,231 ですから舟を… 258 00:21:06,231 --> 00:21:08,767 なぜここへ来てはいけないのだ 259 00:21:08,767 --> 00:21:12,303 危ないからです 命を失うことになるからです 260 00:21:12,303 --> 00:21:16,908 お咲殿 村人たちは地獄谷で 何をさせられているんだ 261 00:21:16,908 --> 00:21:19,708 あなたは どこへ行こうとしているのだ 262 00:21:37,262 --> 00:21:39,764 歩け ほら 歩け 263 00:21:39,764 --> 00:21:42,767 ぐずぐずするな 264 00:21:42,767 --> 00:21:45,370 お前さん! 265 00:21:45,370 --> 00:21:47,772 留吉さん 266 00:21:47,772 --> 00:21:50,241 きく!あっ 267 00:21:50,241 --> 00:21:53,311 きく 茂作! 268 00:21:53,311 --> 00:21:55,611 茂作 269 00:21:57,582 --> 00:22:00,218 おっかあ おっかあ 270 00:22:00,218 --> 00:22:02,918 ちゃん! お前さん 271 00:22:05,657 --> 00:22:08,693 きく 留吉さん 272 00:22:08,693 --> 00:22:10,962 留吉さん 273 00:22:10,962 --> 00:22:13,064 茂作 留吉さん 274 00:22:13,064 --> 00:22:15,266 茂作 275 00:22:15,266 --> 00:22:17,268 茂作… 276 00:22:17,268 --> 00:22:21,206 何だ?あれは どういうことなんだ 277 00:22:21,206 --> 00:22:24,209 お願いです ここで見たこと 聞いたこと 278 00:22:24,209 --> 00:22:27,409 すべてお忘れください お願いいたします 279 00:23:15,560 --> 00:23:17,560 さっさと運べ 280 00:23:31,209 --> 00:23:33,609 貴様ら そこで何をしておる 281 00:23:35,947 --> 00:23:37,947 ううっ あ… 282 00:24:00,405 --> 00:24:04,075 お湯加減 いかがですか? もう少し焚きましょうか 283 00:24:04,075 --> 00:24:08,246 いやあ 結構 しかし驚いたな 284 00:24:08,246 --> 00:24:12,550 あのじゃじゃ馬が… いや 御家老の娘御が 285 00:24:12,550 --> 00:24:16,254 煮炊きから風呂焚き 洗い物までできるとはな 286 00:24:16,254 --> 00:24:21,659 母が早くに亡くなったので ばあやから教えてもらったのです 287 00:24:21,659 --> 00:24:24,359 いい花嫁になるだろうな 288 00:24:28,132 --> 00:24:30,201 なあ お咲殿 289 00:24:30,201 --> 00:24:34,339 村人たちも あなたも なぜあの荷車の中身や 290 00:24:34,339 --> 00:24:37,008 地獄谷のことを 言ってはくれぬのだ 291 00:24:37,008 --> 00:24:39,010 それは… 292 00:24:39,010 --> 00:24:42,714 あなた方が どんな素性の方か分からないし 293 00:24:42,714 --> 00:24:45,750 素性? 294 00:24:45,750 --> 00:24:47,750 そうか 295 00:24:49,754 --> 00:24:54,259 着替えはここに 汚れ物は頂いていきます 296 00:24:54,259 --> 00:24:57,359 いや そのままで 私が洗うから 297 00:25:02,133 --> 00:25:05,803 人に洗ってもらうと悪い癖がつく 298 00:25:05,803 --> 00:25:10,103 これからも長い旅を 続けなければならないし 299 00:25:13,711 --> 00:25:15,711 お咲殿 300 00:25:34,232 --> 00:25:36,601 おい まだかよ 301 00:25:36,601 --> 00:25:38,603 あー お先に 302 00:25:38,603 --> 00:25:42,240 まったく ここの娘っこときたら 何? 303 00:25:42,240 --> 00:25:45,376 バーカ 変に気を回すんじゃねえよ 304 00:25:45,376 --> 00:25:49,247 俺はな あの荷車の中身と 地獄谷のことを 305 00:25:49,247 --> 00:25:51,349 聞き出そうと思って あちこち当たってみたんだが 306 00:25:51,349 --> 00:25:54,552 まるっきり サザエが口をつぐんだみたいに 307 00:25:54,552 --> 00:25:56,954 言いやがらねえんだよ 308 00:25:56,954 --> 00:26:00,091 これはな 俺の素性… 309 00:26:00,091 --> 00:26:04,062 いや おめえが 素性を明かさねえからだよ 310 00:26:04,062 --> 00:26:06,164 巡検使だってこと みんなに明かしゃ 311 00:26:06,164 --> 00:26:10,335 バカ そんなことしてみろ みんなが余計 口を堅くするだけだ 312 00:26:10,335 --> 00:26:12,904 なぜよ 313 00:26:12,904 --> 00:26:18,576 村人たちは お咲殿に 口止めをされている節がある 314 00:26:18,576 --> 00:26:22,480 そこへ素性が知れたら… 315 00:26:22,480 --> 00:26:25,180 地獄谷には何かある 316 00:27:07,191 --> 00:27:09,694 あんた 317 00:27:09,694 --> 00:27:12,130 お咲殿 318 00:27:12,130 --> 00:27:16,167 うっ くっ なぜだ 319 00:27:16,167 --> 00:27:18,469 巡検使 何? 320 00:27:18,469 --> 00:27:20,905 あなたは最初から仕組んで わたくしに 321 00:27:20,905 --> 00:27:23,107 違う それとも知らず 322 00:27:23,107 --> 00:27:26,010 心を許したのが愚かでした 323 00:27:26,010 --> 00:27:28,446 卑怯… 324 00:27:28,446 --> 00:27:32,483 待て 違う!それは違う 325 00:27:32,483 --> 00:27:36,754 たとえ何であったとしても 巡検使に地獄谷を知られることは 326 00:27:36,754 --> 00:27:39,354 それだけは… 327 00:27:44,028 --> 00:27:48,866 お嬢様 この方たちは 滝蔵を助けてくださった 328 00:27:48,866 --> 00:27:52,537 訳さえ話せば 手を貸して くださる方じゃないですか? 329 00:27:52,537 --> 00:27:56,307 このお方の手は 借りることはできねえんだ 330 00:27:56,307 --> 00:27:59,677 なぜです どうして? いや… 分かってくれ 331 00:27:59,677 --> 00:28:01,813 そりゃ こちら様の手は借りたい 332 00:28:01,813 --> 00:28:07,084 でも このお方は 幕府のお役人様なんだ 333 00:28:07,084 --> 00:28:11,884 そのお方に 地獄谷のことを知られれば… 334 00:28:15,293 --> 00:28:19,797 お願いでございます お嬢様の胸の内を 335 00:28:19,797 --> 00:28:23,897 どうか… どうか くみ取ってくださいませ 336 00:28:25,903 --> 00:28:28,706 そりゃ 337 00:28:28,706 --> 00:28:31,175 助けていただきたい 338 00:28:31,175 --> 00:28:35,513 でも地獄谷のことを知られれば 339 00:28:35,513 --> 00:28:39,584 駿河55万石の命に関わることゆえ 340 00:28:39,584 --> 00:28:43,221 お願い申し上げる次第で ございます 341 00:28:43,221 --> 00:28:46,224 どうか どうか! 342 00:28:46,224 --> 00:28:50,194 お願いでございます どうか地獄谷のこと 343 00:28:50,194 --> 00:28:52,930 お聞き捨てくださいませ 344 00:28:52,930 --> 00:28:56,801 まだ あの砦にいる村人は きっと わたくしと太平の手で 345 00:28:56,801 --> 00:28:59,537 いえ ここにいる村人たちと共に 346 00:28:59,537 --> 00:29:03,508 しかし お咲殿 あなたや村人たちの力だけで 347 00:29:03,508 --> 00:29:05,910 地獄谷の砦が破れるとでも 思ってるのか 348 00:29:05,910 --> 00:29:09,881 何 言ってんだよ 命まで狙ってきたんだぜ 349 00:29:09,881 --> 00:29:12,683 ほっときゃいいじゃねえかよ 350 00:29:12,683 --> 00:29:15,987 せっかく手を貸して やろうってのに なんだかんだと 351 00:29:15,987 --> 00:29:18,089 くたばっちまえよ! 352 00:29:18,089 --> 00:29:21,759 役人たちに叩き斬られて 皆殺しにされちまえばいいんだよ 353 00:29:21,759 --> 00:29:24,462 そうはさせられん 354 00:29:24,462 --> 00:29:28,900 私は巡検使としてではなく 一人の侍として 355 00:29:28,900 --> 00:29:31,235 お断り申し上げます 356 00:29:31,235 --> 00:29:33,437 それは昨日も 申し上げましたとおり 357 00:29:33,437 --> 00:29:36,841 バカげてるとは思わんのか それほどまでにして 358 00:29:36,841 --> 00:29:39,610 なぜ藩の秘密を 守らねばならんのだ 359 00:29:39,610 --> 00:29:42,513 なぜ多くの命を失っても… 360 00:29:42,513 --> 00:29:46,050 いや 藩を守ろうとする気持ちは よく分かる 361 00:29:46,050 --> 00:29:49,353 しかし それほど 藩を救いたいのなら 362 00:29:49,353 --> 00:29:52,590 なぜ事の次第を打ち明けて… ほっとけ! 363 00:29:52,590 --> 00:29:55,090 俺は死んでも手を貸さねえよ 364 00:29:57,929 --> 00:30:02,166 あなた様は どうしても わたくしどもだけでは 365 00:30:02,166 --> 00:30:05,002 行かせぬと おっしゃいますか? 366 00:30:05,002 --> 00:30:08,172 そうだ たとえ どのような訳があろうとも 367 00:30:08,172 --> 00:30:11,572 むざむざ死にに行く者を 見殺しにはできぬ 368 00:30:17,381 --> 00:30:20,017 バカ者! 369 00:30:20,017 --> 00:30:22,053 お願いでございます 370 00:30:22,053 --> 00:30:25,453 どうか わたくしの一命に代えて 371 00:30:29,126 --> 00:30:32,229 お咲殿 372 00:30:32,229 --> 00:30:34,629 それほど あなたは 373 00:30:42,640 --> 00:30:45,276 地獄谷には何がある 374 00:30:45,276 --> 00:30:49,146 そうまでして守らなければならぬ 藩の秘密は何だ 375 00:30:49,146 --> 00:30:52,183 さあ 来い 地獄谷へ行くんだ! 376 00:30:52,183 --> 00:30:54,452 おい こんな奴らのために 手を貸すのかよ 377 00:30:54,452 --> 00:30:57,254 うるさい!こうなったら俺の手で 378 00:30:57,254 --> 00:30:59,991 地獄谷の秘密を暴き出してやる さあ 来い! 379 00:30:59,991 --> 00:31:03,761 あの… おらたちも バカ野郎! 380 00:31:03,761 --> 00:31:06,361 お前たちまで 死にに行くことはねえんだ 381 00:31:10,835 --> 00:31:14,235 地獄谷へ入るには道は1つしか 382 00:31:16,440 --> 00:31:19,076 逃げてきた者たちの話によると 383 00:31:19,076 --> 00:31:22,613 その地獄谷で作られている物は 384 00:31:22,613 --> 00:31:26,517 1つは炭 1つは山から掘った白い石 385 00:31:26,517 --> 00:31:30,917 もう1つは 谷底の温泉場から採った黄色い粉 386 00:31:32,990 --> 00:31:35,726 その3つを混ぜ合わせて… 387 00:31:35,726 --> 00:31:38,262 そうか 火薬だな 388 00:31:38,262 --> 00:31:40,965 火薬? そうだ 389 00:31:40,965 --> 00:31:44,435 滝蔵たちが 掘っていた白い石は硝石だ 390 00:31:44,435 --> 00:31:46,671 駿河藩は御禁制の火薬をひそかに 391 00:31:46,671 --> 00:31:50,274 しかし なぜ駿河藩が そんなことを? 392 00:31:50,274 --> 00:31:52,643 謀反以外に何がある 393 00:31:52,643 --> 00:31:55,579 いや それより まだ残っている村人たちが 394 00:31:55,579 --> 00:31:59,750 生きていてくれればよいが… 急ごう 395 00:31:59,750 --> 00:32:02,253 えーい ぐずぐずするな 396 00:32:02,253 --> 00:32:05,256 貴様たちが このご領内で 生き永らえておられるのは 397 00:32:05,256 --> 00:32:07,525 誰のおかげだと思っておる 398 00:32:07,525 --> 00:32:10,628 皆 ご領主様のおかげだ さあ 早くしろ 399 00:32:10,628 --> 00:32:12,663 それを ありがたいと思うなら 400 00:32:12,663 --> 00:32:16,363 息が続く限り働くんだ! 401 00:32:21,138 --> 00:32:23,841 ほら さっさと歩け こら 402 00:32:23,841 --> 00:32:27,241 ほら おい おい! 403 00:32:30,448 --> 00:32:32,450 おう 又右衛門 404 00:32:32,450 --> 00:32:36,253 十兵衛殿に言われて来た 使い道があるか? 405 00:32:36,253 --> 00:32:38,253 うん… 406 00:32:40,858 --> 00:32:42,858 ある 407 00:32:50,301 --> 00:32:53,404 こら この死に損ないめ 408 00:32:53,404 --> 00:32:56,340 運べ 運ぶんだ 409 00:32:56,340 --> 00:32:58,340 運ばんか おい 410 00:33:01,212 --> 00:33:04,048 駿河のイモ侍め! 411 00:33:04,048 --> 00:33:08,552 おっ 曲者 おっ 何だ? 412 00:33:08,552 --> 00:33:11,489 待て 413 00:33:11,489 --> 00:33:13,691 曲者 あーっ 414 00:33:13,691 --> 00:33:16,091 ああーっ 415 00:34:59,163 --> 00:35:01,565 逃げろ 416 00:35:01,565 --> 00:35:04,268 早く 逃げるんだ 逃げるんだ! 417 00:35:04,268 --> 00:35:06,968 おい 大丈夫か? 418 00:35:38,736 --> 00:35:41,805 又平 419 00:35:41,805 --> 00:35:46,076 早く城下へ 石上様が閉門になり いつ切腹させられるかも 420 00:35:46,076 --> 00:35:49,776 十兵衛様は? 城下におられるんだな 421 00:36:02,393 --> 00:36:05,596 又十郎 422 00:36:05,596 --> 00:36:10,334 兄上 又十郎 よくやった 423 00:36:10,334 --> 00:36:13,771 又平 変わりはなかったか 424 00:36:13,771 --> 00:36:16,273 十兵衛様 教えてくれ 425 00:36:16,273 --> 00:36:18,442 あんた この短刀の持ち主を 知ってるはずだ 426 00:36:18,442 --> 00:36:22,212 それさえ分かれば 俺の本当の親父が分かるんだ 427 00:36:22,212 --> 00:36:25,115 教えてくれ! 京へ行け 428 00:36:25,115 --> 00:36:28,385 粟田口の兼光殿に その短刀を見せるんだ 429 00:36:28,385 --> 00:36:30,585 また会おう 430 00:36:36,894 --> 00:36:38,896 待てい 431 00:36:38,896 --> 00:36:43,000 どけ どけい 柳生十兵衛 上様のご返事を持参いたした 432 00:36:43,000 --> 00:36:45,000 どけい 433 00:37:00,551 --> 00:37:06,390 すると火薬密造 鉄砲 大筒の買い入れについては 434 00:37:06,390 --> 00:37:09,059 まったくご存じなかったと? 435 00:37:09,059 --> 00:37:11,662 知らぬな 436 00:37:11,662 --> 00:37:13,797 小畑殿 437 00:37:13,797 --> 00:37:16,734 しかと さようにございまするな 438 00:37:16,734 --> 00:37:18,736 いかにも 439 00:37:18,736 --> 00:37:24,074 すると 心ない役人の一部の者が 440 00:37:24,074 --> 00:37:26,744 私腹を肥やすために 441 00:37:26,744 --> 00:37:30,547 作り 買い求めていたと いうことになる 442 00:37:30,547 --> 00:37:34,752 いや それならば結構 443 00:37:34,752 --> 00:37:37,588 では今までどおり 444 00:37:37,588 --> 00:37:40,824 上様に対するご忠誠に 445 00:37:40,824 --> 00:37:43,324 二心はないと 446 00:37:47,898 --> 00:37:51,468 さようにございますな? 447 00:37:51,468 --> 00:37:53,470 小畑殿 448 00:37:53,470 --> 00:37:57,474 いかにも 決して二心など 449 00:37:57,474 --> 00:38:01,278 それを しかと確かめた上で 450 00:38:01,278 --> 00:38:05,783 かようお伝えするようにと 451 00:38:05,783 --> 00:38:09,586 たとえ血を分けた兄弟であろうと 452 00:38:09,586 --> 00:38:13,991 上様と忠長様は主人と家臣 453 00:38:13,991 --> 00:38:17,394 列外の大名などという扱いは 454 00:38:17,394 --> 00:38:20,230 決してできぬ 455 00:38:20,230 --> 00:38:23,767 それが兄 家光の言葉か? 456 00:38:23,767 --> 00:38:26,503 あくまでも ただの大名として 朽ち果てろと 457 00:38:26,503 --> 00:38:29,873 まだお分かりになりませぬか 458 00:38:29,873 --> 00:38:32,576 血を分けた兄弟であればこそ 459 00:38:32,576 --> 00:38:35,145 次々に領地を与えられ 460 00:38:35,145 --> 00:38:37,748 世に駿河大納言と称されるのは… 461 00:38:37,748 --> 00:38:39,948 もうよい! 462 00:38:47,157 --> 00:38:51,728 帰って兄に伝えるがよい 十兵衛 463 00:38:51,728 --> 00:38:56,100 忠長は将軍支配の外にある 464 00:38:56,100 --> 00:39:00,003 きっとそれを押し通すとな 465 00:39:00,003 --> 00:39:02,673 お待ちくだされ 466 00:39:02,673 --> 00:39:05,375 それがご返事と 467 00:39:05,375 --> 00:39:10,714 承ってよろしいので ございますな? 468 00:39:10,714 --> 00:39:13,650 小畑殿 469 00:39:13,650 --> 00:39:15,652 ご返事は! 470 00:39:15,652 --> 00:39:19,256 返事はこれに 471 00:39:19,256 --> 00:39:21,358 小畑殿 472 00:39:21,358 --> 00:39:24,495 あくまで忠長様をそそのかす気か 473 00:39:24,495 --> 00:39:26,795 斬れ! わーっ 474 00:40:22,319 --> 00:40:25,919 お待ちください お待ちください 475 00:40:28,592 --> 00:40:30,861 十兵衛殿 476 00:40:30,861 --> 00:40:34,097 この度のこと 家老職たる それがしの一存にて 477 00:40:34,097 --> 00:40:36,967 殿には露ほどもご存じなきこと 478 00:40:36,967 --> 00:40:39,636 願わくは殿へのご疑念 479 00:40:39,636 --> 00:40:43,236 何とぞ この石上の一命に代えて 480 00:40:51,248 --> 00:40:54,585 三左衛門 481 00:40:54,585 --> 00:40:57,287 何とぞ 482 00:40:57,287 --> 00:40:59,823 それがしの 483 00:40:59,823 --> 00:41:02,923 命に代えて 484 00:41:09,466 --> 00:41:11,766 ぐあーっ 485 00:41:15,038 --> 00:41:17,038 おおっ 486 00:41:34,558 --> 00:41:36,558 三左衛門 487 00:41:38,562 --> 00:41:42,462 余が不明であった 488 00:41:44,501 --> 00:41:46,937 そちたち 489 00:41:46,937 --> 00:41:50,337 心ある者の苦衷も知らず 490 00:41:52,876 --> 00:41:56,179 将軍家よりの 491 00:41:56,179 --> 00:41:59,179 蟄居の申し渡し 492 00:42:01,184 --> 00:42:05,555 当然の報いと思うておる 493 00:42:05,555 --> 00:42:07,991 だがな 494 00:42:07,991 --> 00:42:12,091 あとに残された家臣たちを 思うと… 495 00:42:16,266 --> 00:42:19,736 十兵衛 496 00:42:19,736 --> 00:42:23,807 将軍家への取り成し 497 00:42:23,807 --> 00:42:25,807 よしなに 498 00:42:29,946 --> 00:42:33,483 その年 忠長は甲府押し込めとなり 499 00:42:33,483 --> 00:42:37,621 街道筋の不穏な空気は 拭い去られた 500 00:42:37,621 --> 00:42:40,991 よいしょっ はいはい はい 501 00:42:40,991 --> 00:42:43,591 あー 金兵衛 これ お前 やれ なっ 502 00:42:45,696 --> 00:42:48,965 あー 503 00:42:48,965 --> 00:42:51,401 又十郎様 504 00:42:51,401 --> 00:42:55,639 まだ ここが少し痛いような は? 505 00:42:55,639 --> 00:42:59,142 あの時 力いっぱい叩かれたこと 506 00:42:59,142 --> 00:43:01,244 わたくし一生 忘れずに 507 00:43:01,244 --> 00:43:03,680 あ… いやあ… 508 00:43:03,680 --> 00:43:09,252 大切にしてまいります どうか又十郎様も お達者で 509 00:43:09,252 --> 00:43:13,657 はっ お咲殿も達者で 510 00:43:13,657 --> 00:43:15,657 では 511 00:43:22,399 --> 00:43:26,336 おう 又十郎 512 00:43:26,336 --> 00:43:29,406 おぬしはバカだなあ バカ? 513 00:43:29,406 --> 00:43:33,009 なぜ抱いてやらん? 兄上 なんてことを 514 00:43:33,009 --> 00:43:35,312 お咲殿はな おぬしのことを… 515 00:43:35,312 --> 00:43:37,647 うわっ イテッ いや… 516 00:43:37,647 --> 00:43:40,684 お紋 おったのか ああ… いや ふんっ 517 00:43:40,684 --> 00:43:43,286 いや こりゃ ハッ おい お紋 518 00:43:43,286 --> 00:43:48,425 駿河国に嵐が吠えて 謀反の戦火 危機一髪 519 00:43:48,425 --> 00:43:51,228 無事に収めた隠密巡検使 520 00:43:51,228 --> 00:43:56,528 行く手の道は難所で知られる 宇津ノ谷峠へ向かっていた 521 00:45:36,800 --> 00:45:39,336 東海道の難所 宇津ノ谷峠 522 00:45:39,336 --> 00:45:43,473 盗賊 鬼面党に襲われ 裸にされた二人組 523 00:45:43,473 --> 00:45:48,578 一方 岡部宿 本陣には もう一人の柳生十兵衛が出現 524 00:45:48,578 --> 00:45:52,249 拙者が柳生十兵衛である 525 00:45:52,249 --> 00:45:57,454 しかも本物と偽者の立ち合いは なんと偽者 十兵衛の勝ち 526 00:45:57,454 --> 00:45:59,456 兄さんなんでしょ? 527 00:45:59,456 --> 00:46:02,058 あっ うわあっ 528 00:46:02,058 --> 00:46:04,261 うう… 待て 529 00:46:04,261 --> 00:46:08,999 運上金は襲わせてもらう 待ちに待った機会だ 530 00:46:08,999 --> 00:46:13,370 恐らく巡検使にも連絡が… 奴らの始末は任せてもらおう 531 00:46:13,370 --> 00:46:16,339 そうか 532 00:46:16,339 --> 00:46:18,339 鬼面党の狙いは… 533 00:46:20,443 --> 00:46:25,248 盗賊団と手を組む悪役人の たくらみを見破った一つ目天狗 534 00:46:25,248 --> 00:46:28,518 怒りに立ち上がる隠密巡検使 535 00:46:28,518 --> 00:46:30,520 柳生あばれ旅 536 00:46:30,520 --> 00:46:32,620 「ふたり十兵衛恋娘」に ご期待ください