1 00:00:01,460 --> 00:00:04,764 今日から この家の人なんや。 2 00:00:04,764 --> 00:00:09,635 ♬~ 3 00:00:09,635 --> 00:00:11,637 お帰りなさい…。 4 00:00:11,637 --> 00:00:24,337 ♬~ 5 00:00:34,660 --> 00:00:39,265 予科練にやって来た裕一は 新たな曲を書くため➡ 6 00:00:39,265 --> 00:00:44,065 練習生たちの生活を 見学させてもらいました。 7 00:00:46,438 --> 00:00:51,911 練習生たちは 海の上での生活と 同じように吊り床で寝ています。 8 00:00:51,911 --> 00:00:55,781 先生たちの吊り床は低くしておきました。 9 00:00:55,781 --> 00:00:58,617 試しに寝てみて下さい。 10 00:00:58,617 --> 00:01:00,553 (三隅)じゃあ 先生も。 11 00:01:00,553 --> 00:01:13,132 ♬~ 12 00:01:13,132 --> 00:01:16,035 (裕一)おっと…。 (笑い声) 13 00:01:16,035 --> 00:01:18,003 こら! いてて…。 14 00:01:18,003 --> 00:01:22,808 大丈夫ですか? あっ ハハ… これ… む… 難しいですね。 15 00:01:22,808 --> 00:01:27,008 最初は そんなもんです。 あっ そうですか。 すいません。 16 00:01:29,582 --> 00:01:36,382 先生… その~ 「何か」は見つかりましたか? 17 00:01:39,758 --> 00:01:45,264 すいません… もう一日だけ待ってもらえませんか? 18 00:01:45,264 --> 00:01:49,602 あと一日ですよ。 曲の発表は あさってにしますね。 19 00:01:49,602 --> 00:01:54,273 ありがとうございます。 絶対に完成させますね。 20 00:01:54,273 --> 00:01:58,143 では… せっかくですから➡ 21 00:01:58,143 --> 00:02:02,014 2曲聴いてもらって教官が選ぶというのは どうでしょう? 22 00:02:02,014 --> 00:02:04,450 それ いいですね。 23 00:02:04,450 --> 00:02:07,353 歌手と伴奏を呼びましょう。 さすがです 三隅さん。 24 00:02:07,353 --> 00:02:10,789 ヘヘヘ… もう乗りかかった船ですから。 25 00:02:10,789 --> 00:02:13,692 ただ…。 また? 26 00:02:13,692 --> 00:02:20,466 せっかくなら 練習生の皆さんにも 選んでほしいんです。 彼らの曲だから。 27 00:02:20,466 --> 00:02:24,637 それは… ちょっと難しいかもしれま…。 28 00:02:24,637 --> 00:02:27,937 どうか… 交渉をお願いします。 29 00:02:29,942 --> 00:02:31,877 はい。 30 00:02:31,877 --> 00:02:38,083 ♬~ 31 00:02:38,083 --> 00:02:43,756 ♬「泣いて 生まれて 響く命」 32 00:02:43,756 --> 00:02:49,094 ♬「きっと嬉しくて 笑っているんだ」 33 00:02:49,094 --> 00:02:54,767 ♬「僕らはきっと 出逢うでしょう」 34 00:02:54,767 --> 00:03:00,639 ♬「手を引き 背を押し 出逢うでしょう」 35 00:03:00,639 --> 00:03:08,781 ♬「きっといつか今日の日も 意味を持って ほら」 36 00:03:08,781 --> 00:03:12,651 ♬「耳をすませば」 37 00:03:12,651 --> 00:03:18,123 ♬「星の見えない日々を 超えるたびに」 38 00:03:18,123 --> 00:03:23,796 ♬「互い照らすその意味を 知るのでしょう」 39 00:03:23,796 --> 00:03:26,799 ♬「愛する人よ」 40 00:03:26,799 --> 00:03:29,668 ♬「親愛なる友よ」 41 00:03:29,668 --> 00:03:37,468 ♬「遠くまで 響くはエール」 42 00:03:39,878 --> 00:03:47,252 ♬~(ラッパ) 43 00:03:47,252 --> 00:03:49,188 総員 起こ~し! 44 00:03:49,188 --> 00:03:52,091 (立ち上がる音) 45 00:03:52,091 --> 00:03:54,760 総員 吊り床収め~! 46 00:03:54,760 --> 00:03:57,096 あっ… えっ…? 47 00:03:57,096 --> 00:03:59,296 整列! 48 00:04:07,272 --> 00:04:10,909 番号! 1! 2! 3! 4! 5! 6! 49 00:04:10,909 --> 00:04:16,782 古山先生に対し 敬礼! 50 00:04:16,782 --> 00:04:22,982 裕一は 予科練の生活を 体験することにしました。 51 00:04:25,924 --> 00:04:29,294 力が入っとら~ん! 52 00:04:29,294 --> 00:04:32,197 腰を入れろ 腰を! 53 00:04:32,197 --> 00:04:38,971 回れ! 回れ 回れ~ もたもたするな~! 54 00:04:38,971 --> 00:04:41,940 回れ! 55 00:04:41,940 --> 00:04:44,410 先生? 先生 先生 先生…! はい? 56 00:04:44,410 --> 00:04:47,312 「回れ」です。 あっ… はい。 57 00:04:47,312 --> 00:04:51,083 回ります 回ります… よいしょ…。 58 00:04:51,083 --> 00:04:58,257 飛行兵に憧れて 国のために 命懸けで戦う覚悟を決めた練習生たちは➡ 59 00:04:58,257 --> 00:05:01,760 厳しい訓練を耐え抜いていました。 60 00:05:01,760 --> 00:05:07,099 体力錬成運動 軍事教練➡ 61 00:05:07,099 --> 00:05:11,970 機械や通信 英語の教育など➡ 62 00:05:11,970 --> 00:05:16,442 訓練は多岐にわたりました。 63 00:05:16,442 --> 00:05:22,442 訓練の合間には つかの間の自由な時間もありました。 64 00:05:28,153 --> 00:05:34,393 ふだんの彼らは まだ幼さが残る少年でした。 65 00:05:34,393 --> 00:05:37,693 強い! ああ…。 えいっ えいっ! 66 00:05:39,731 --> 00:05:42,731 こんにちは! こんにちは。 67 00:05:47,873 --> 00:05:50,373 こんにちは! あっ こんにちは。 68 00:06:00,752 --> 00:06:02,688 どうしたの? こんにちは。 69 00:06:02,688 --> 00:06:06,558 (風間)あっ はい! こんにちは。 70 00:06:06,558 --> 00:06:08,558 ど… どうかした? 71 00:06:12,764 --> 00:06:17,636 あっ… ごめんなさい。 座って下さい。 すいません。 72 00:06:17,636 --> 00:06:23,836 今ね 頑張ってさ 曲作ってるんだけど 全然思い浮かばなくてさ。 73 00:06:28,914 --> 00:06:35,114 よかったらでいいんだけど あの… 話 聞かせてもらえないかな? 74 00:06:37,623 --> 00:06:40,859 朝から晩まで みっちりだもんね。 75 00:06:40,859 --> 00:06:44,229 僕なんか体力ないから すぐ へばっちゃう。 76 00:06:44,229 --> 00:06:47,266 体力的なものは すぐに慣れます。 77 00:06:47,266 --> 00:06:51,566 うん? じゃあ… 何? 78 00:06:54,873 --> 00:06:57,743 ≪1 2 1 2! ≪そ~れ! 79 00:06:57,743 --> 00:07:01,079 ≪1 2 1 2! ≪そ~れ! 80 00:07:01,079 --> 00:07:03,882 おはようござい… ます…。 81 00:07:03,882 --> 00:07:07,252 ≪1 2 3 4! 1 2 3 4! 82 00:07:07,252 --> 00:07:09,252 先生!? 83 00:07:11,757 --> 00:07:14,660 先生 まさか… 書けなかったんじゃ? おはようございます。 84 00:07:14,660 --> 00:07:17,629 (あくび) うん? 85 00:07:17,629 --> 00:07:20,829 ああっ! あっ…。 86 00:07:22,901 --> 00:07:26,438 よかった! はあ… 無駄になるかと思った。 87 00:07:26,438 --> 00:07:30,108 では遅くまで頑張られたのですね。 お疲れさまです。 88 00:07:30,108 --> 00:07:35,847 いえいえ… ある練習生の話 聞いたら 喉の骨が こう ポイッと取れて➡ 89 00:07:35,847 --> 00:07:37,916 5分くらいで書けました。 90 00:07:37,916 --> 00:07:42,721 アハハ… 才能って嫌い。 91 00:07:42,721 --> 00:07:47,521 どう思います? その曲。 へっ? 92 00:07:51,730 --> 00:07:53,665 そ… そうですね…。 93 00:07:53,665 --> 00:07:57,236 この人 全く楽譜は読めません。 94 00:07:57,236 --> 00:08:03,936 1曲目とは… 正反対のところが面白い! 95 00:08:05,744 --> 00:08:09,581 伝わりましたか~! よかった~! 96 00:08:09,581 --> 00:08:13,252 偶然でした。 こういうツイてる人 います。 97 00:08:13,252 --> 00:08:17,089 短調だけど 悲しくない旋律に 苦労したんですよ。 なるほど。 98 00:08:17,089 --> 00:08:20,759 勇気の源にある愛を 表現できたんじゃないかなと思います。 99 00:08:20,759 --> 00:08:24,596 全く同感です! それで練習生の方の件はどうなりました? 100 00:08:24,596 --> 00:08:27,099 手抜かりはありません。 教官では反対されると思い➡ 101 00:08:27,099 --> 00:08:30,602 その上の副長の濱名中佐に 直談判しました。 102 00:08:30,602 --> 00:08:32,537 この人 話が分かる方でして…。 103 00:08:32,537 --> 00:08:35,040 何から何まで 本当にすみません。 104 00:08:35,040 --> 00:08:36,975 ただ 先生…。 はい。 105 00:08:36,975 --> 00:08:40,379 皆さんが選んだ曲が 「若鷲の歌」になるんですから➡ 106 00:08:40,379 --> 00:08:45,679 思い入れがあるからって 「こっち!」は なしですよ。 いいですね? 107 00:08:47,252 --> 00:08:49,388 はい。 108 00:08:49,388 --> 00:08:53,558 「若鷲の歌」を 教官たちの前で披露しました。 109 00:08:53,558 --> 00:08:57,062 1曲目は 高揚感のある明るい曲。 110 00:08:57,062 --> 00:09:02,934 2曲目は 裕一が予科練に来てから作った 短調の曲でした。 111 00:09:02,934 --> 00:09:05,237 (拍手) 112 00:09:05,237 --> 00:09:12,878 え~ 今のが2曲目 短調のものでした。 では 挙手をお願いします。 113 00:09:12,878 --> 00:09:17,749 1曲目がよいと思われた方。 114 00:09:17,749 --> 00:09:23,549 あっ… まあ 分かりやすいですからね。 115 00:09:25,757 --> 00:09:30,896 (濱名)待て。 せっかくだ。 練習生の意見も聞いてみないか? 116 00:09:30,896 --> 00:09:34,700 「若鷲の歌」は彼らの歌であり 彼らが歌うんだから。 117 00:09:34,700 --> 00:09:38,036 ねえ? 三隅さん。 ええ! 118 00:09:38,036 --> 00:09:43,909 濱名中佐 お言葉ですが 映画の主題歌とはいえ 予科練の歌です。 119 00:09:43,909 --> 00:09:46,378 指導する我々が決めた方がよいかと。 120 00:09:46,378 --> 00:09:49,047 まあ そう固いこと言うな。 私は聞いてみたい。 121 00:09:49,047 --> 00:09:53,385 別に 皆を集める必要はない。 なっ いいだろう? 122 00:09:53,385 --> 00:09:57,055 あっ…。 123 00:09:57,055 --> 00:10:01,555 練習生にも2曲 披露しました。 124 00:10:05,230 --> 00:10:09,067 では 決を採る。 125 00:10:09,067 --> 00:10:11,767 1曲目がいいと思う者。 126 00:10:13,739 --> 00:10:17,242 2曲目がいいと思う者。➡ 127 00:10:17,242 --> 00:10:19,177 よし 決まったな! 128 00:10:19,177 --> 00:10:22,414 し… しかし…。 何だ? 129 00:10:22,414 --> 00:10:24,449 いえ…。 130 00:10:24,449 --> 00:10:29,187 せっかくだ 古山裕一先生のために 皆で歌おう。 131 00:10:29,187 --> 00:10:31,123 (一同)はい! 132 00:10:31,123 --> 00:10:38,764 ♬~ 133 00:10:38,764 --> 00:10:46,505 ♬「若い血潮の予科練の」 134 00:10:46,505 --> 00:10:54,613 ♬「七つボタンは桜に錨」 135 00:10:54,613 --> 00:10:57,649 つらさは いろいろあります。 136 00:10:57,649 --> 00:11:04,289 家族と離れた寂しさ 訓練についていけない時の惨めさ➡ 137 00:11:04,289 --> 00:11:07,192 集団生活になじめない孤独➡ 138 00:11:07,192 --> 00:11:11,930 私のせいで班員がしごかれてる時の ふがいなさ…。 139 00:11:11,930 --> 00:11:17,302 中でも 一番つらかったのが洗濯です。 140 00:11:17,302 --> 00:11:23,475 寒さで指先が切れ 痛くて痛くて…。 141 00:11:23,475 --> 00:11:27,475 それを母は 僕のために ずっとしてくれていた。 142 00:11:29,815 --> 00:11:34,653 予科練に入るまで 服がきれいなのは 当たり前だと思っていた➡ 143 00:11:34,653 --> 00:11:37,153 自分が情けなくて。 144 00:11:40,091 --> 00:11:44,763 親に報いるためにも 私は立派な飛行兵になり➡ 145 00:11:44,763 --> 00:11:47,265 皇国の御為に戦います! 146 00:11:47,265 --> 00:11:59,765 ♬~ 147 00:12:08,920 --> 00:12:12,123 (音)わあ… 羊羹なんてぜいたく! 148 00:12:12,123 --> 00:12:14,793 (鉄男)取材先でもらったから お裾分けに。 149 00:12:14,793 --> 00:12:17,295 (華)うわ~! ありがとう 鉄男おじさん! 150 00:12:17,295 --> 00:12:20,932 お母さん 今すぐ食べていい? お父さんの分も残しておくのよ。 151 00:12:20,932 --> 00:12:22,868 うん 分かってる。 152 00:12:22,868 --> 00:12:25,770 ありがとうございます。 いえ…。 153 00:12:25,770 --> 00:12:28,770 音さん… ちっといい? 154 00:12:33,411 --> 00:12:40,285 大本営の発表と現実は違う。 日本は負け続けてる。 155 00:12:40,285 --> 00:12:42,754 そんなに悪いんですか? 156 00:12:42,754 --> 00:12:46,591 同盟国のドイツも旗色が悪い。 157 00:12:46,591 --> 00:12:50,262 そう…。 158 00:12:50,262 --> 00:12:53,164 取材中のうわさ話なんだけど➡ 159 00:12:53,164 --> 00:12:59,271 激戦地への慰問 裕一が候補に挙がってるらしい。 160 00:12:59,271 --> 00:13:03,141 頼まれたら期待に応えようとしちまう 性格だから➡ 161 00:13:03,141 --> 00:13:06,341 要請来たら 行くんじゃねえかと思って。 162 00:13:09,781 --> 00:13:14,781 優しさって… 時に命取りになっから。 163 00:13:23,128 --> 00:13:26,828 古山先生。 あっ 中佐。 164 00:13:29,301 --> 00:13:32,571 本当にありがとうございました。 165 00:13:32,571 --> 00:13:36,875 実は 2曲目の方が 圧倒的に好きだったもので。 166 00:13:36,875 --> 00:13:40,579 私利私欲も入ってます。 もしかして音楽をされていたんですか? 167 00:13:40,579 --> 00:13:45,750 いえ… ただ 懐かしくなって。 168 00:13:45,750 --> 00:13:52,090 ここの初期の練習生が卒業する時に 私は 「愛染かつら」の…。 169 00:13:52,090 --> 00:14:00,265 ♬「花も嵐も 踏み越えて」 170 00:14:00,265 --> 00:14:08,139 ♬「行くが男の 生きる道」 171 00:14:08,139 --> 00:14:10,976 あの一節を歌い➡ 172 00:14:10,976 --> 00:14:15,780 「若いお前たちには 花のような まだ見果てぬ夢があるだろう。➡ 173 00:14:15,780 --> 00:14:20,285 また行く手には 恐怖をそそる嵐もあるだろう。➡ 174 00:14:20,285 --> 00:14:28,994 だが それを勇敢に踏み越えて進むのが 日本男児の道だ」と言葉を贈りました。 175 00:14:28,994 --> 00:14:34,933 その中に 爆弾小僧とあだ名された 田丸という暴れん坊がいたんです。 176 00:14:34,933 --> 00:14:37,736 すごいあだ名ですね。 フフフ…。 177 00:14:37,736 --> 00:14:40,405 勇猛果敢なやつでした。 178 00:14:40,405 --> 00:14:46,211 炎で燃え上がる飛行機を田丸は操縦し続け 敵艦に体当たりして➡ 179 00:14:46,211 --> 00:14:49,414 大きな戦果を上げました。 180 00:14:49,414 --> 00:14:56,287 きっと田丸は あの歌を心に刻んで 立派に戦ったんです。 181 00:14:56,287 --> 00:15:04,596 先生… 歌には 人の心を奮い立たせる力があります。 182 00:15:04,596 --> 00:15:08,900 何百万人の心を一つにする力があります。 183 00:15:08,900 --> 00:15:16,200 どうか これからも 命を賭して生きる 若者のために よろしくお願いします。 184 00:15:23,481 --> 00:15:25,481 はい!