1 00:00:02,202 --> 00:00:06,406 (環)あなたは 何を伝えたいの? 2 00:00:06,406 --> 00:00:09,276 どこまで役を理解している? 3 00:00:09,276 --> 00:00:11,778 (音)そうか 分かった! 4 00:00:11,778 --> 00:00:14,615 本を読むより 実践で学ばんと。 5 00:00:14,615 --> 00:00:17,951 「椿姫」のヴィオレッタも 社交場の華だった。 6 00:00:17,951 --> 00:00:22,823 初めまして 新人の音江です。 7 00:00:22,823 --> 00:00:26,627 (希穂子)ここは夢を売る場所だからね。 8 00:00:26,627 --> 00:00:28,662 勉強になります。 9 00:00:28,662 --> 00:00:32,299 (裕一) あっ 音! 音… えっ えっ えっ えっ? 10 00:00:32,299 --> 00:00:35,302 ただいま。 うん…。 11 00:00:35,302 --> 00:00:37,437 臭っ。 12 00:00:37,437 --> 00:00:43,644 ♬~ 13 00:00:43,644 --> 00:00:49,149 ♬「泣いて 生まれて 響く命」 14 00:00:49,149 --> 00:00:54,454 ♬「きっと嬉しくて 笑っているんだ」 15 00:00:54,454 --> 00:01:00,160 ♬「僕らはきっと 出逢うでしょう」 16 00:01:00,160 --> 00:01:06,266 ♬「手を引き 背を押し 出逢うでしょう」 17 00:01:06,266 --> 00:01:14,141 ♬「きっといつか今日の日も 意味を持って ほら」 18 00:01:14,141 --> 00:01:17,878 ♬「耳をすませば」 19 00:01:17,878 --> 00:01:23,617 ♬「星の見えない日々を 超えるたびに」 20 00:01:23,617 --> 00:01:29,289 ♬「互い照らすその意味を 知るのでしょう」 21 00:01:29,289 --> 00:01:32,292 ♬「愛する人よ」 22 00:01:32,292 --> 00:01:35,095 ♬「親愛なる友よ」 23 00:01:35,095 --> 00:01:43,303 ♬「遠くまで 響くはエール」 24 00:01:45,839 --> 00:01:50,310 (潔子)女給さん!? (和子)カフェーで働いてるの? 音さんが? 25 00:01:50,310 --> 00:01:54,982 うん。 一週間の臨時雇いだけどね。 26 00:01:54,982 --> 00:01:57,317 (あくび) 27 00:01:57,317 --> 00:02:01,321 眠い。 先生来たら 起こして。 28 00:02:11,398 --> 00:02:13,934 (廿日市)う~ん… 駄目だね~。 29 00:02:13,934 --> 00:02:16,603 いや…。 せっかく チャンスあげたのに これじゃあね…。 30 00:02:16,603 --> 00:02:19,106 いや… すいません えっと…。 まあ いいよ うん。 31 00:02:19,106 --> 00:02:22,776 これは ほかの作曲家にも頼んでたのよ。 そっちで なんとかなりそうだから。 32 00:02:22,776 --> 00:02:25,278 いや… 廿日市さん…。 33 00:02:28,415 --> 00:02:32,285 (木枯)チャンスなんかじゃねえよ。 あいつ 本当に適当だな…。 34 00:02:32,285 --> 00:02:34,287 えっ? な な… 何? それ。 35 00:02:34,287 --> 00:02:40,027 いや あれ 作詞した磯貝ってやつ 重役の息子だってさ。 えっ? 36 00:02:40,027 --> 00:02:43,997 親の七光りで作詞家になろうとしてる ボンクラだよ。 37 00:02:43,997 --> 00:02:47,134 廿日市も ババ引かされたって ぼやいてたらしい。 38 00:02:47,134 --> 00:02:51,805 えっ… そのババ 僕に あてがったってこと? 39 00:02:51,805 --> 00:02:56,977 うん まあ…。 へえ~ そうか… なんだ。 40 00:02:56,977 --> 00:03:00,247 君の才能をあんなとこで 無駄遣いする必要ないよ。 41 00:03:00,247 --> 00:03:05,085 まあ… どっちみち あの歌詞には 乗れなかったんだけどね 全然。 42 00:03:05,085 --> 00:03:07,120 切り替えてこう 次 次。 43 00:03:07,120 --> 00:03:09,589 次 あんのかな~? 44 00:03:09,589 --> 00:03:13,760 泣き言 言うなよ。 嫁さんだって カフェーで頑張ってんだろ? 45 00:03:13,760 --> 00:03:18,965 が… 頑張ってんのかな… どうなのか…。 46 00:03:21,268 --> 00:03:25,272 昨日 ちょっと様子見てきた。 えっ!? 47 00:03:25,272 --> 00:03:29,776 彼女 なかなかやるね~。 なっ… やる やる やる? 48 00:03:29,776 --> 00:03:32,112 何… 何をやるの!? 何を? 何…? 49 00:03:32,112 --> 00:03:35,949 男を喜ばせるコツを よ~く知ってる。 50 00:03:35,949 --> 00:03:40,754 お… 男を喜ばせる~!? 51 00:03:48,528 --> 00:03:52,132 あれは天性の素質だな。 お~…。 52 00:03:52,132 --> 00:03:55,035 そんな弱気になって どうするの? 53 00:03:55,035 --> 00:03:59,306 上司でも何でも ビシッと言ってやればいいでしょう。 54 00:03:59,306 --> 00:04:03,176 ほら 自信持って。 はい どうぞ。 55 00:04:03,176 --> 00:04:07,114 ありがとう。 元気出てきた! おっ! 56 00:04:07,114 --> 00:04:09,950 音江ちゃん! 57 00:04:09,950 --> 00:04:13,754 俺の話も聞いてよ~。 どうしたの? フクさんは。 58 00:04:13,754 --> 00:04:15,789 そのまま? そのまま。割らなくて…? 59 00:04:15,789 --> 00:04:19,392 音江ちゃ~ん。 こっちも来て 音江ちゃん。 60 00:04:19,392 --> 00:04:22,295 ちょっと フクちゃん 終わってからね。 あっ フクちゃんって言っちゃった…。 61 00:04:22,295 --> 00:04:27,100 指名も ひっきりなしだった。 うわ~ 指名も ひっきりなし…。 62 00:04:27,100 --> 00:04:29,136 え~? 63 00:04:29,136 --> 00:04:31,605 頑張れ。 え~?じゃあね。 64 00:04:31,605 --> 00:04:35,475 木枯君! 悪いんだけどさ 今日も 様子見に行ってきてよ。 65 00:04:35,475 --> 00:04:39,346 やだよ 自分で行けよ。 何で… お願いだ。 友達だろう? 66 00:04:39,346 --> 00:04:42,949 自分の嫁だろ? 何で… お願いだから…。 67 00:04:42,949 --> 00:04:46,620 お願い…。自分で行ってこい。 友達でしょ…。 68 00:04:46,620 --> 00:04:52,959 木枯君! お~い 木枯正人~! 69 00:04:52,959 --> 00:04:57,631 はあ…。 70 00:04:57,631 --> 00:05:01,501 おい 何 もたもたしてんだ。 早くしろよ。 71 00:05:01,501 --> 00:05:05,805 すいません お待たせしました。 どうぞ。 72 00:05:08,575 --> 00:05:11,478 何だ この酒は。 こんな薄い酒が飲めるか! 73 00:05:11,478 --> 00:05:13,446 あっ! 74 00:05:13,446 --> 00:05:18,251 何するんですか? ガタガタ言うんじゃない 女給の分際で。 75 00:05:18,251 --> 00:05:21,555 お前…。 (どよめき) 76 00:05:32,265 --> 00:05:34,968 ああ… ああ…。 77 00:05:37,404 --> 00:05:40,941 (ママ)全く とんでもない 跳ねっ返りだわ! 何 考えてるの!? 78 00:05:40,941 --> 00:05:44,411 すいませんでした。 でも あの人 私たちのこと バカにして…。 79 00:05:44,411 --> 00:05:47,781 流せばいいの そんなもの。 大体 あなたはね…。 80 00:05:47,781 --> 00:05:51,418 あの… あんまり 音江さんを責めないであげて下さい。 81 00:05:51,418 --> 00:05:54,287 えっ? 私たちも悪かったんです。 82 00:05:54,287 --> 00:05:59,159 機嫌の悪いお客様を まだ不慣れな彼女一人に任せてしまって。 83 00:05:59,159 --> 00:06:05,665 ごめんね 音江さん。 いえ 私こそ… すみませんでした。 84 00:06:08,735 --> 00:06:12,539 すみませんでした! すみませんでした。 85 00:06:15,609 --> 00:06:18,311 2人とも 顔を上げなさい。 86 00:06:35,829 --> 00:06:38,732 (時報) 87 00:06:38,732 --> 00:06:42,269 ⚟(戸が開く音) 88 00:06:42,269 --> 00:06:47,941 音? あっ… 音? 音…? 89 00:06:47,941 --> 00:06:51,244 た… 大将。 (鉄男)おう。 90 00:06:52,812 --> 00:06:57,117 私 感情が すぐ 表に出てしまうんですよね。 91 00:06:57,117 --> 00:07:00,353 もっと大人の対応をしなくちゃって 思うんですけど。 92 00:07:00,353 --> 00:07:05,892 でも それが 音江さんのチャームポイントかもね。 93 00:07:05,892 --> 00:07:08,361 希穂子さんは すごいな。 94 00:07:08,361 --> 00:07:12,732 私にないもん 全部持ってる。 フフフ。 95 00:07:12,732 --> 00:07:16,369 欠点だらけよ 私なんて。 96 00:07:16,369 --> 00:07:21,741 私が男だったら 希穂子さんみたいな人を 好きになりますね。 フフッ。 97 00:07:21,741 --> 00:07:25,945 光栄。 はい。 ありがとうございます。 98 00:07:28,248 --> 00:07:33,586 実は 私 恋愛の機微が勉強したくて 入店したんです。 99 00:07:33,586 --> 00:07:36,489 恋愛の機微? はい。 100 00:07:36,489 --> 00:07:42,262 希穂子さんは お客さんを 好きになったこと ありますか? 101 00:07:42,262 --> 00:07:46,266 う~ん… ここではないかな。 102 00:07:46,266 --> 00:07:50,770 ほかでは あるんですか? さあ? どうだったかしら。 103 00:07:52,772 --> 00:07:55,608 (ドアが開く音) 104 00:07:55,608 --> 00:07:58,111 音江ちゃん。 はい。指名。 105 00:07:58,111 --> 00:08:00,714 はい。 希穂子ちゃんも ついてあげて。 106 00:08:00,714 --> 00:08:03,550 はい。 107 00:08:03,550 --> 00:08:07,053 今度は ちゃんとやってよ。 はい。 108 00:08:12,726 --> 00:08:15,228 ありがとうございます。 109 00:08:17,230 --> 00:08:20,734 お待たせしました~。 110 00:08:20,734 --> 00:08:24,604 鉄男さん! お~ 本当に女給さんになってる。 111 00:08:24,604 --> 00:08:28,074 どうして? いつから東京に? さっき 着いたとこ。 112 00:08:28,074 --> 00:08:30,910 休暇の間 泊めてもらおうと思って 裕一のとこ行ったら➡ 113 00:08:30,910 --> 00:08:33,380 音さんのこと あんまりにも心配してるもんだから➡ 114 00:08:33,380 --> 00:08:35,315 代わりに様子見に来た。 115 00:08:35,315 --> 00:08:39,185 なら 一緒に来ればいいのに。 そうもいかねえだろ 男としては。 116 00:08:39,185 --> 00:08:42,589 フフフ…。 ありがとう。 117 00:08:42,589 --> 00:08:44,591 いらっしゃいませ。 118 00:08:47,460 --> 00:08:51,931 希穂子…。 119 00:08:51,931 --> 00:08:54,601 どして ここに? 120 00:08:54,601 --> 00:09:00,206 ずっと捜してたんだ。 何で 急にいなくなった? 121 00:09:00,206 --> 00:09:04,010 希穂子… ちゃんと説明してくれ。 122 00:09:07,714 --> 00:09:11,351 お話しすることはありません。 123 00:09:11,351 --> 00:09:13,286 お… おい… ちょっと待てよ。 124 00:09:13,286 --> 00:09:16,556 やめて下さい! 出よう… ここじゃ 話できねえ。 なっ? 125 00:09:16,556 --> 00:09:20,427 やめて!鉄男さん 乱暴はやめて。 (ボーイ)おい 何やってんだ! 126 00:09:20,427 --> 00:09:24,063 大丈夫だから… いや あの 少し 話しするだけですから。 127 00:09:24,063 --> 00:09:25,999 離して! 128 00:09:25,999 --> 00:09:43,183 ♬~ 129 00:09:50,190 --> 00:09:55,995 ねえ 何が どうなってんの? 私にも よく分からんくて。 130 00:09:55,995 --> 00:10:00,600 どして 急に 姿 消したんだ? 131 00:10:00,600 --> 00:10:02,936 田舎にいるのが嫌になったからです。 132 00:10:02,936 --> 00:10:08,608 うそだ。 君は福島が好きだと言ってた。 133 00:10:08,608 --> 00:10:11,411 村野さん ご結婚されるそうですね。 134 00:10:11,411 --> 00:10:13,346 け… 結婚? おめでとうございます。 135 00:10:13,346 --> 00:10:16,115 結婚なんかしねえ! あれは向こうが勝手に…。 136 00:10:16,115 --> 00:10:20,787 ご挨拶もなしに上京してしまったことは おわびします。 137 00:10:20,787 --> 00:10:25,291 でも… 私から お話しすることはありませんので。 138 00:10:29,129 --> 00:10:32,165 こっちの話は まだ終わってねえ! ちょ… 大将 大将…。 139 00:10:32,165 --> 00:10:35,802 お騒がせして申し訳ありません。 失礼します。 140 00:10:35,802 --> 00:10:40,440 希穂子 希穂子! ちょちょ… 大将 大将 大将…。 141 00:10:40,440 --> 00:10:45,278 大将… 一回 一回 落ち着いて。 はあ…。 142 00:10:45,278 --> 00:10:47,280 希穂子さん! 143 00:10:51,651 --> 00:10:55,855 コーヒー 飲みませんか? 144 00:11:06,266 --> 00:11:08,401 おいしい。 145 00:11:08,401 --> 00:11:11,304 ここのコーヒーは東京で一番だから。 146 00:11:11,304 --> 00:11:16,009 といっても ほかの店では 飲んだことないんですけどね。 フフフフ。 147 00:11:24,617 --> 00:11:31,291 村野さんとは 少しだけ おつきあいをしてたの。 148 00:11:31,291 --> 00:11:35,128 福島で? 149 00:11:35,128 --> 00:11:39,432 私が仲居をしてた料亭で知り合って…。 150 00:11:48,441 --> 00:11:51,644 あっ…。 151 00:11:51,644 --> 00:11:55,448 何か? あっ いえ…。 152 00:11:55,448 --> 00:12:00,253 お魚 すごくきれいに召し上がると思って。 153 00:12:00,253 --> 00:12:02,255 あっ… 失礼しました。 154 00:12:02,255 --> 00:12:06,926 いや… 何でも 褒められんのは うれしいもんですね。 155 00:12:06,926 --> 00:12:12,398 俺… 家が魚屋だったんです。 子どもの時は ずっと貧乏で。 156 00:12:12,398 --> 00:12:17,103 私の家も貧乏です。 一緒ですね。 157 00:12:17,103 --> 00:12:28,114 ♬~ 158 00:12:28,114 --> 00:12:31,317 希穂子。 うん? 159 00:12:33,286 --> 00:12:39,158 (希穂子)でも… 彼が 会社の社長さんと店にいらした時…。 160 00:12:39,158 --> 00:12:45,298 ⚟(堂林)村野君 君は仁美をどう思ってんのかね? 161 00:12:45,298 --> 00:12:47,967 ⚟(鉄男)それは…。 162 00:12:47,967 --> 00:12:51,838 (仁美)やめて お父様。 村野さん 困ってらっしゃるじゃない。 163 00:12:51,838 --> 00:12:56,442 (堂林)ハハハハ…。 僕はね 村野君➡ 164 00:12:56,442 --> 00:13:05,752 うちの会社を ゆくゆくは 君に任せたいと思ってんだよ。 ほら。 165 00:13:05,752 --> 00:13:09,389 縁談が進んどったってこと? 166 00:13:09,389 --> 00:13:12,592 ええ。 167 00:13:12,592 --> 00:13:16,262 縁談なんてもんじゃねえ 一方的な話なんだ。 168 00:13:16,262 --> 00:13:20,767 折を見て 断るつもりだった。 そうだったんだ。 169 00:13:20,767 --> 00:13:23,603 (ため息) 170 00:13:23,603 --> 00:13:30,376 東京さ 行ったらしいと聞いて ずっと捜してた。 171 00:13:30,376 --> 00:13:33,780 優しい女なんだ。➡ 172 00:13:33,780 --> 00:13:39,952 貧しい家に育って 今も 病気の親 抱えて苦労してんのに➡ 173 00:13:39,952 --> 00:13:43,623 けなげで 明るくて。➡ 174 00:13:43,623 --> 00:13:52,965 彼女といっと ねじくれた気持ちが す~っと消えて 素直になれる。 175 00:13:52,965 --> 00:13:55,668 こんなこと初めてだ。 176 00:13:59,739 --> 00:14:03,576 福島に連れて帰りてえ…。➡ 177 00:14:03,576 --> 00:14:07,246 希穂子と一緒になりてえんだ。 178 00:14:07,246 --> 00:14:11,918 結局 ご縁がなかったのよ。 179 00:14:11,918 --> 00:14:17,390 今は ただの知り合い。 本当に? それだけですか? 180 00:14:17,390 --> 00:14:20,593 ええ。 それだけよ。 181 00:14:33,406 --> 00:14:40,279 ⚟(物音) ⚟(鉄男)ああ~! うわ~! 182 00:14:40,279 --> 00:14:42,949 た… 大将…。 最低だ! 183 00:14:42,949 --> 00:14:46,419 俺が グズグズしてっから 希穂子に見限られたんだ! 184 00:14:46,419 --> 00:14:50,123 大将…。 俺は どうしようもねえバカだ! ああ~! 185 00:14:50,123 --> 00:14:52,058 大将 水飲もう。 水飲もう。 186 00:14:52,058 --> 00:14:55,261 ああ~ 希穂子~!