1 00:00:03,170 --> 00:00:05,138 (五郎)お世話になりました! 2 00:00:05,138 --> 00:00:09,977 (華の泣き声) 3 00:00:09,977 --> 00:00:13,280 (音)もう泣かない もう泣かないよ。 もう泣かない。 4 00:00:13,280 --> 00:00:16,283 (華)五郎ちゃん…。 5 00:00:23,423 --> 00:00:26,293  回想 (五郎)ほら その顔。 子どもが怖がっちゃいます。➡ 6 00:00:26,293 --> 00:00:29,196 もっと… 自分を好きになって下さい。➡ 7 00:00:29,196 --> 00:00:32,699 居場所なんて どこにもない。 8 00:00:35,969 --> 00:00:42,309 ♬~ 9 00:00:42,309 --> 00:00:47,814 ♬「泣いて 生まれて 響く命」 10 00:00:47,814 --> 00:00:53,153 ♬「きっと嬉しくて 笑っているんだ」 11 00:00:53,153 --> 00:00:58,659 ♬「僕らはきっと 出逢うでしょう」 12 00:00:58,659 --> 00:01:04,765 ♬「手を引き 背を押し 出逢うでしょう」 13 00:01:04,765 --> 00:01:12,639 ♬「きっといつか今日の日も 意味を持って ほら」 14 00:01:12,639 --> 00:01:16,376 ♬「耳をすませば」 15 00:01:16,376 --> 00:01:22,115 ♬「星の見えない日々を 超えるたびに」 16 00:01:22,115 --> 00:01:27,788 ♬「互い照らすその意味を 知るのでしょう」 17 00:01:27,788 --> 00:01:30,824 ♬「愛する人よ」 18 00:01:30,824 --> 00:01:33,961 ♬「親愛なる友よ」 19 00:01:33,961 --> 00:01:41,668 ♬「遠くまで 響くはエール」 20 00:01:44,605 --> 00:01:49,309 梅と幸 文子の対談の日が来ました。 21 00:01:49,309 --> 00:01:52,813 分かりました。 よろしくお願いします。 22 00:01:52,813 --> 00:01:58,518 (文子)どうも。 あ~ 先生 どうぞ こちらにお掛け下さい。 23 00:02:04,091 --> 00:02:11,264 それでは 幸 文子先生と関内 梅さんの 対談を始めます。 24 00:02:11,264 --> 00:02:15,602 (梅)よろしくお願いします。 よろしく。 25 00:02:15,602 --> 00:02:21,274 幸先生は 関内さんの受賞作 どうお読みになりました? 26 00:02:21,274 --> 00:02:28,949 透明感があって 郷愁をいざなう すてきな作品だと思いました。 27 00:02:28,949 --> 00:02:31,284 ただ…➡ 28 00:02:31,284 --> 00:02:36,590 人間描写としては もう少し深くてもと感じました。 29 00:02:38,158 --> 00:02:42,996 関内さんは 先生の最新作 お読みになりました? 30 00:02:42,996 --> 00:02:48,702 読みました。 すばらしい作品です。 勉強になりました。 31 00:02:48,702 --> 00:02:52,973 フッ… 偽善者。 32 00:02:52,973 --> 00:02:58,779 あっ… え~っと… 関内さん。 はい。 33 00:02:58,779 --> 00:03:05,552 現在 2作目を執筆中と伺いましたが 今後のご展望は? 34 00:03:05,552 --> 00:03:10,457 私は 豊橋に帰ります。 えっ? 35 00:03:10,457 --> 00:03:14,261 せっかく受賞なさったのに…。 36 00:03:14,261 --> 00:03:18,932 豊橋は 私の全てが詰まった場所です。 37 00:03:18,932 --> 00:03:25,806 家族や友人との思い出 潮騒 馬の足音。 38 00:03:25,806 --> 00:03:31,812 豊橋が いかに大切な場所か 離れて初めて気付かされました。 39 00:03:35,282 --> 00:03:41,154 それから… 私には 掛けがえのない人ができました。 40 00:03:41,154 --> 00:03:44,424 彼は居場所を探しています。 41 00:03:44,424 --> 00:03:47,627 私が その居場所になりたい。 42 00:03:47,627 --> 00:03:53,500 自分らしくいられる豊橋に その人と帰ります。 43 00:03:53,500 --> 00:03:58,305 ああ… バカバカしい。 44 00:04:00,907 --> 00:04:03,744 私 帰ります。 あっ いや 先生 あの…。 45 00:04:03,744 --> 00:04:05,946 結ちゃん! 46 00:04:10,250 --> 00:04:12,586 何? 47 00:04:12,586 --> 00:04:15,789 結ちゃんは どうして本を書くの? 48 00:04:17,457 --> 00:04:23,263 くだらない… 本当にくだらない! 49 00:04:23,263 --> 00:04:25,265 何なの? あんた。 50 00:04:25,265 --> 00:04:28,401 やっと勝てたと思ったのに また追いついてきて。 51 00:04:28,401 --> 00:04:33,607 今度は勝手に逃げる? 何なの? 52 00:04:33,607 --> 00:04:38,111 私の人生に付きまとわないでよ! 目障りなのよ! 53 00:04:48,155 --> 00:04:52,993 …っていう怒りかな 書く理由は。 54 00:04:52,993 --> 00:04:59,733 うん… 分かった。 ありがとう。 55 00:04:59,733 --> 00:05:04,237 あのさ…。 56 00:05:04,237 --> 00:05:09,376 この世には 何もしなくても注目される人間がいるの。 57 00:05:09,376 --> 00:05:13,246 それが あなた。 58 00:05:13,246 --> 00:05:17,751 あなたは最初から何でも持ってる。 59 00:05:17,751 --> 00:05:20,453 不公平だと思わない? 60 00:05:26,092 --> 00:05:32,399 私は… ずっと あなたに嫉妬してた。 61 00:05:34,267 --> 00:05:37,270 私に? 62 00:05:37,270 --> 00:05:41,474 うん… あなたに。 63 00:05:47,814 --> 00:05:50,116 (裕一)えっ? 五郎君なの!? 64 00:05:50,116 --> 00:05:52,786 そう。 えっ…。そうそう! 65 00:05:52,786 --> 00:05:56,122 久志 五郎君に負けたってこと? そう! 66 00:05:56,122 --> 00:05:59,993 この世には 信じられないことが起こるもんだね! 67 00:05:59,993 --> 00:06:03,730 梅は 五郎ちゃんを 豊橋に連れて帰りたいらしいの。 68 00:06:03,730 --> 00:06:05,665 (小声で)そうなんだ! 69 00:06:05,665 --> 00:06:08,368 裕一さん 五郎ちゃんがどこに行ったか 分かる? 70 00:06:08,368 --> 00:06:10,904 いや… う~ん それは あの…。 71 00:06:10,904 --> 00:06:14,241 お父さん 頼りにならないね~。 72 00:06:14,241 --> 00:06:16,243 ごめんなさい。 73 00:06:29,589 --> 00:06:31,591 五郎さん? 74 00:06:41,935 --> 00:06:44,938 五郎さ~ん! 75 00:06:47,807 --> 00:06:49,809 (物音) 76 00:06:53,113 --> 00:06:55,115 五郎! 77 00:07:10,363 --> 00:07:15,068 あなたは 私のことが好きですか? 78 00:07:15,068 --> 00:07:17,570 好きです。 79 00:07:17,570 --> 00:07:22,876 だったら どうして あなたは逃げたんですか? 80 00:07:25,745 --> 00:07:30,583 僕は…➡ 81 00:07:30,583 --> 00:07:36,256 先生や梅さんのような才能がありません。 82 00:07:36,256 --> 00:07:39,559 何もない人間なんです。 83 00:07:42,395 --> 00:07:48,101 梅さんには… ふさわしくない。 84 00:07:52,072 --> 00:07:57,277 私は あなたを必要としています! 85 00:07:57,277 --> 00:07:59,946 信じられません。 86 00:07:59,946 --> 00:08:01,948 信じろ! 87 00:08:04,551 --> 00:08:09,422 豊橋 私と行こう。 88 00:08:09,422 --> 00:08:11,424 ねっ? 89 00:08:14,894 --> 00:08:16,896 はい。 90 00:08:18,565 --> 00:08:23,436 いや~ 本当によかったね。 心配おかけしてすみません。 91 00:08:23,436 --> 00:08:27,073 五郎ちゃん 義弟になるんだね。 92 00:08:27,073 --> 00:08:30,110 五郎叔父さんと梅叔母さん。 93 00:08:30,110 --> 00:08:33,747 …じゃなくて 梅おねえさん。 94 00:08:33,747 --> 00:08:36,249 何? 梅に言われたの? 95 00:08:36,249 --> 00:08:40,253 当たり前でしょう。 この年で「おばさん」はきついわ。 96 00:08:40,253 --> 00:08:45,759 あ~ 仕事を見つけないとね 五郎君。 僕が言うのもね… あれだけど。 97 00:08:45,759 --> 00:08:48,795 その件については…。 うん。 98 00:08:48,795 --> 00:08:52,265 帰って お母さんに話すつもりなんだけど…。 99 00:08:52,265 --> 00:08:57,137 まさか 五郎君を関内家の跡継ぎにする 計画だったとはね~。 100 00:08:57,137 --> 00:09:04,544 梅ちゃんも抜け目ない。 ねっ。 結婚の条件まで考えてるとは。 101 00:09:04,544 --> 00:09:11,217 岩城さんに 一人前の職人として 認めてもらえたら 結婚します。 102 00:09:11,217 --> 00:09:13,553 ふ~ん…。 103 00:09:13,553 --> 00:09:16,589 頑張ります! フフッ… うんうん。 104 00:09:16,589 --> 00:09:23,229 五郎ちゃん 知ってる? うちの馬具職人の岩城さん…➡ 105 00:09:23,229 --> 00:09:25,899 かなり怖いよ。 106 00:09:25,899 --> 00:09:29,369 えっ!? 怖いよ かなりね。 107 00:09:29,369 --> 00:09:31,371 ええっ!? 108 00:09:33,907 --> 00:09:38,244 何だかんだ あの子が一番しっかりしてるわ。 109 00:09:38,244 --> 00:09:40,914 まあ これで一安心。 110 00:09:40,914 --> 00:09:46,419 五郎ちゃん 梅 結婚おめでとう。 うん おめでとう。 111 00:09:48,087 --> 00:09:51,591 2人とも ちょっと気が早いんじゃない? 112 00:09:51,591 --> 00:09:55,462 まずは 一人前の馬具職人になれるように 頑張っから。 113 00:09:55,462 --> 00:09:58,465 馬 得意だもんね。 114 00:09:58,465 --> 00:10:01,101 ヒヒ~ン! いろいろありましたが➡ 115 00:10:01,101 --> 00:10:06,606 梅と五郎は 2人で 新たな道を歩んでいくことになりました。 116 00:10:06,606 --> 00:10:10,777 そして ここに 未練がましい男が一人。 117 00:10:10,777 --> 00:10:15,648 (鉄男)さあ どこの酒でしょうか? 118 00:10:15,648 --> 00:10:17,650 始め! 119 00:10:22,388 --> 00:10:24,958 (久志)越山暖梅! 120 00:10:24,958 --> 00:10:27,861 六海山! 121 00:10:27,861 --> 00:10:31,130 当たり~! 五郎の勝ち~! 122 00:10:31,130 --> 00:10:33,133 よしっ! 123 00:10:35,635 --> 00:10:40,306 梅ちゃんのことは君に任した。 124 00:10:40,306 --> 00:10:42,242 必ず幸せにしろよ。 125 00:10:42,242 --> 00:10:44,177 はい! 126 00:10:44,177 --> 00:10:47,480 よし… ほら行け! 127 00:10:53,319 --> 00:10:55,255 ありがとうございました! 128 00:10:55,255 --> 00:10:58,458 頑張れよ! はい! 129 00:11:07,267 --> 00:11:10,770 しみるな…。 130 00:11:10,770 --> 00:11:14,974 ほら飲め。 今日は とことん飲むぞ。 131 00:11:17,277 --> 00:11:24,984 五郎という よき理解者を得て 梅の執筆活動は順調に進みました。 132 00:11:26,786 --> 00:11:33,293 そして 5日後 五郎と梅は 豊橋に旅立ちました。 133 00:11:33,293 --> 00:11:53,980 ♬~ 134 00:11:53,980 --> 00:11:59,786 何か… 静かだね。 うん… ねっ。 135 00:12:03,590 --> 00:12:06,392 五郎君が置いてった。 136 00:12:09,095 --> 00:12:12,932 ふ~ん。 137 00:12:12,932 --> 00:12:16,769 いい曲だね。 うん。 よ~く書けてるよ。 138 00:12:16,769 --> 00:12:19,272 誰のまねでもない。 139 00:12:28,781 --> 00:12:33,987 才能って何だろうね~? ね~。 140 00:12:39,292 --> 00:12:44,130 あっ… お母さんに言ってるんだよね? うん。 手紙書いた。 141 00:12:44,130 --> 00:12:46,132 よかった。 142 00:12:51,638 --> 00:12:58,978 配達が遅れて 音の手紙は まだ届いていませんでした。 143 00:12:58,978 --> 00:13:02,248 (岩城)本当に梅さんまで 東京に やっちゃってもいいんですか? 144 00:13:02,248 --> 00:13:06,085 (光子) ええ。 やっと夢がかなったんですもの。 145 00:13:06,085 --> 00:13:10,923 応援するのが親の役目でしょう。 146 00:13:10,923 --> 00:13:14,727 ⚟郵便で~す! は~い! 147 00:13:17,597 --> 00:13:20,400 ご苦労さまです。 どうも~。 148 00:13:26,272 --> 00:13:28,274 音から? 149 00:13:30,276 --> 00:13:37,583 「前略 突然ですが お母さんに 報告しなければならないことがあります」。 150 00:13:40,620 --> 00:13:43,523 梅が帰ってくる! 151 00:13:43,523 --> 00:13:46,125 えっ!? 152 00:13:46,125 --> 00:13:48,628 ただいま。 えっ? 153 00:13:48,628 --> 00:13:52,131 失礼します! 154 00:13:52,131 --> 00:13:55,802 初めまして 婚約者の田ノ上五郎です! 155 00:13:55,802 --> 00:13:58,705 男連れですかん…。 156 00:13:58,705 --> 00:14:01,374 さあ どうぞ 上がって。 157 00:14:01,374 --> 00:14:03,309 失礼します。 158 00:14:03,309 --> 00:14:08,147 こうして 関内家の新しい生活が始まりました。 159 00:14:08,147 --> 00:14:11,918 荷物全部… ねえ もう…。 160 00:14:11,918 --> 00:14:18,224 梅の2作目は無事に出版され 全国に販売されました。 161 00:14:25,465 --> 00:14:29,102 (岩城)もういっぺん。 (五郎)はい! 162 00:14:29,102 --> 00:14:31,137 そいじゃ いかん。 163 00:14:31,137 --> 00:14:33,773 削った面が波打っちゃっとるだら。 164 00:14:33,773 --> 00:14:37,410 おんなじ角度と厚さで 削れるようにならんといかんわ。 165 00:14:37,410 --> 00:14:41,280 すみません。 166 00:14:41,280 --> 00:14:46,786 まさか このあと 五郎が一人前と認められるまで➡ 167 00:14:46,786 --> 00:14:52,125 う~ん年かかるとは➡ 168 00:14:52,125 --> 00:14:55,328 誰も思っていませんでした。