1 00:00:03,450 --> 00:00:07,320 (熊谷)どうしました? 2 00:00:07,320 --> 00:00:11,820 警察から連絡がありました。 えっ? 3 00:00:23,600 --> 00:00:27,100 (熊谷)関内。 (音)はい。 4 00:00:31,470 --> 00:00:36,270 お父さんが… 亡くなられた。 5 00:00:41,480 --> 00:00:45,780 大阪で… 事故に巻き込まれた。 6 00:00:47,360 --> 00:00:52,360 子どもを助けて 電車に はねられたらしい。 7 00:01:00,340 --> 00:01:06,140 ♬~ 8 00:01:06,140 --> 00:01:11,950 ♬「泣いて 生まれて 響く命」 9 00:01:11,950 --> 00:01:17,290 ♬「きっと嬉しくて 笑っているんだ」 10 00:01:17,290 --> 00:01:22,960 ♬「僕らはきっと 出逢うでしょう」 11 00:01:22,960 --> 00:01:29,130 ♬「手を引き 背を押し 出逢うでしょう」 12 00:01:29,130 --> 00:01:37,010 ♬「きっといつか今日の日も 意味を持って ほら」 13 00:01:37,010 --> 00:01:40,740 ♬「耳をすませば」 14 00:01:40,740 --> 00:01:46,480 ♬「星の見えない日々を 超えるたびに」 15 00:01:46,480 --> 00:01:52,150 ♬「互い照らすその意味を 知るのでしょう」 16 00:01:52,150 --> 00:01:55,190 ♬「愛する人よ」 17 00:01:55,190 --> 00:01:57,960 ♬「親愛なる友よ」 18 00:01:57,960 --> 00:02:05,960 ♬「遠くまで 響くはエール」 19 00:02:14,410 --> 00:02:18,950 お父さんの死は あまりに突然でした。 20 00:02:18,950 --> 00:02:26,750 お葬式が終わり 1週間たっても 音は全く実感がありませんでした。 21 00:02:28,960 --> 00:02:32,960 (吟)優しかったよね お父さん。 22 00:02:40,470 --> 00:02:44,770 (梅)お父さん 痛かったかな? 23 00:02:53,180 --> 00:02:55,980 (光子)痛かっただろうね…。 24 00:03:12,400 --> 00:03:17,310 それ どうするの? 25 00:03:17,310 --> 00:03:20,440 (光子)お父さん 言っとったの。➡ 26 00:03:20,440 --> 00:03:28,440 「俺は 墓みたいな狭い場所で 眠るのは嫌だ。 広い所がいい」って。 27 00:03:31,090 --> 00:04:52,090 ♬~ 28 00:05:04,910 --> 00:05:11,710 あっ… 今日は銭湯の日だ。 どうする? 29 00:05:14,090 --> 00:05:17,430 行こう。 30 00:05:17,430 --> 00:05:23,130 (吟)えっ? 行こう! ねっ? 31 00:05:42,450 --> 00:05:46,950 お父さん おだんご好きだったよね。 32 00:05:48,790 --> 00:05:56,960 若い頃なんか みたらしと よもぎを交互に刺して➡ 33 00:05:56,960 --> 00:05:59,800 「最高のぜいたくだ~!」とか。 34 00:05:59,800 --> 00:06:04,100 それ 川俣でもやっとった。 そう。 35 00:06:13,350 --> 00:06:19,650 お父さん… いないんだね。 36 00:06:26,430 --> 00:06:31,230 本当に… いないんだね。 37 00:06:34,100 --> 00:06:37,940 音…。 38 00:06:37,940 --> 00:06:43,440 もう 一緒に銭湯行くことないんだよね。 39 00:06:46,110 --> 00:06:51,610 もう 一緒に ごはん食べることないんだよね。 40 00:06:54,820 --> 00:07:00,020 ごめん… 何でだろう 何で急に…。 41 00:07:02,900 --> 00:07:05,930 音。 うん。 42 00:07:05,930 --> 00:07:08,230 泣いていいんだよ。 43 00:07:11,410 --> 00:07:20,410 お母さん… お父さんは何で あたしたちを残して 人の子を助けたの? 44 00:07:20,410 --> 00:07:25,250 あたしたちより その子のことが大切だったの? 45 00:07:25,250 --> 00:07:32,030 そんなわけないじゃない。 とっさの行動だったの。 46 00:07:32,030 --> 00:07:37,030 お父さんに会いたい… お父さんに会いたい! 47 00:07:43,270 --> 00:07:50,140 お父さんに 「高い高~い」 してもらった時のこと覚えとる? 48 00:07:50,140 --> 00:07:52,780 うん…。 49 00:07:52,780 --> 00:08:01,060 お父さんに おんぶしてもらったこと覚えとる? 50 00:08:01,060 --> 00:08:02,990 うん…。 51 00:08:02,990 --> 00:08:06,930 だったら…➡ 52 00:08:06,930 --> 00:08:12,530 お父さんは いる! ねっ? 53 00:08:12,530 --> 00:08:21,280 目には見えないけれど ずっと あなたたちのそばにいる。 54 00:08:21,280 --> 00:08:25,580 本当? 絶対 本当? 55 00:08:32,550 --> 00:08:34,550 ほら。 56 00:08:38,930 --> 00:08:40,930 フフフ…。 57 00:09:01,720 --> 00:09:09,920 あの子たちを守ります。 どうか安心して下さい。 58 00:09:17,530 --> 00:09:23,340 (打越)この度は 大変ご愁傷さまでした。 59 00:09:23,340 --> 00:09:27,910 ええ男を亡くしましたのん。 60 00:09:27,910 --> 00:09:33,250 打越さんには 生前から 大変お世話になっておりました。 61 00:09:33,250 --> 00:09:40,250 それで… 今後も変わらず ごひいきに願いたいと思いまして。 62 00:09:41,920 --> 00:09:46,260 何だん 商売を続けんさる おつもりかね? 63 00:09:46,260 --> 00:09:51,100 もちろんです。 …でないと生活できません。 64 00:09:51,100 --> 00:09:54,300 私が主人に代わって…。 65 00:09:57,770 --> 00:10:02,440 職人の世界を女が仕切れるかん? 66 00:10:02,440 --> 00:10:09,220 それに… 納品先の陸軍さんも 女なんか相手にせんだら。 67 00:10:09,220 --> 00:10:12,120 遮二無二 頑張るつもりです。 68 00:10:12,120 --> 00:10:16,120 女 子どもにできるほど 商売は甘くないに。 69 00:10:18,790 --> 00:10:25,300 どうだん… わしと一緒にやらんかん? 70 00:10:25,300 --> 00:10:29,300 わしが いろいろ面倒見たるで。 71 00:10:36,010 --> 00:10:41,850 関内さんが軍を去られて まあ はい何年になるかや? 72 00:10:41,850 --> 00:10:47,560 10年です。 ほうかん。 はい そんねんなるかん。 73 00:10:47,560 --> 00:10:52,830 そろそろ 契約を見直さないかん時期ですな。 74 00:10:52,830 --> 00:10:56,500 はっ? いやね ほかにも➡ 75 00:10:56,500 --> 00:10:59,170 元軍人の馬具屋はおるでね。 76 00:10:59,170 --> 00:11:02,770 わしが まあ なんとか抑えとるけど…。 77 00:11:02,770 --> 00:11:05,970 普通は契約終了だに。 78 00:11:09,540 --> 00:11:13,950 まんだ お子さんも ちっちゃいだら? 79 00:11:13,950 --> 00:11:21,450 まあ いっぺん わしの申し出 よ~く考えてみとくれん。 ねっ? 80 00:11:23,120 --> 00:11:28,000 それから 光子は取り引き先を回りました。 81 00:11:28,000 --> 00:11:31,600 しかし あるじが亡くなった馬具店と➡ 82 00:11:31,600 --> 00:11:36,800 商売を続けようというところは ありませんでした。 83 00:11:36,800 --> 00:11:42,300 このまま契約を切らないで下さい。 お願いいたします。 84 00:11:50,480 --> 00:11:56,820 一方 「竹取物語」の稽古は 大詰めを迎えていました。 85 00:11:56,820 --> 00:12:01,660 最後に その姿を見て帰りたいのです。 86 00:12:01,660 --> 00:12:05,430 (良子)バカみたい。 87 00:12:05,430 --> 00:12:07,430 暑い 重たい。 88 00:12:07,430 --> 00:12:09,440 神崎 どうした? 89 00:12:09,440 --> 00:12:14,140 最後 月に帰るなんて変だと思うんです。 あたしなら 帝と結婚します。 90 00:12:14,140 --> 00:12:19,450 (熊谷)「竹取物語」は そういうもんだろう。 あたしには分からんので できません! 91 00:12:19,450 --> 00:12:22,450 おい 神崎…。 92 00:12:22,450 --> 00:12:24,790 良子ちゃん やろう。 93 00:12:24,790 --> 00:12:28,460 うるさい! あんたが休んどった間も ずっと稽古しとったの。 94 00:12:28,460 --> 00:12:31,360 おじいさん2は口出さんで! 95 00:12:31,360 --> 00:12:33,330 ごめん。 96 00:12:33,330 --> 00:12:38,130 (たえ)ひどい! 音ちゃんに謝りん! (児童たち)そうだよ 謝りん! 97 00:12:38,130 --> 00:12:41,800 やだ! そもそも あんたが 「竹取物語」なんて言いだすもんで➡ 98 00:12:41,800 --> 00:12:46,970 こんなことになんのよ。 うちんとこはね 親戚中が見に来るの。 99 00:12:46,970 --> 00:12:51,480 失敗したら 何て言われるか…。 100 00:12:51,480 --> 00:12:55,480 見に来てもらえるだけいいじゃん。 101 00:12:55,480 --> 00:12:59,480 おい 関内… 待て! 102 00:13:05,990 --> 00:13:07,960 ただいま~。 103 00:13:07,960 --> 00:13:12,770 音 大変! 職人さんが辞めた みんな! えっ!? 104 00:13:12,770 --> 00:13:16,940 陸軍さんから契約切られて それで…。 105 00:13:16,940 --> 00:13:19,140 岩城も? 106 00:13:28,950 --> 00:13:31,250 逃げるんですか!? 107 00:13:38,460 --> 00:13:42,130 (岩城)女 子どもには分からん。 108 00:13:42,130 --> 00:13:45,830 お父さんの世話になってたんじゃ ないんですか!? 109 00:13:49,800 --> 00:13:53,140 職人は仕事がなきゃ食ってかれん。 110 00:13:53,140 --> 00:14:10,620 ♬~ 111 00:14:10,620 --> 00:14:13,260 ただいま。 112 00:14:13,260 --> 00:14:17,430 お帰り! 113 00:14:17,430 --> 00:14:21,770 どこ行っとったん? 心配した。 114 00:14:21,770 --> 00:14:30,480 岩城… 見つけた。 あいつも 逃げた。 115 00:14:30,480 --> 00:14:37,320 しかたないわ。 みんな それぞれ人生あるもの。 116 00:14:37,320 --> 00:14:45,790 お母さん… うち 大丈夫? 117 00:14:45,790 --> 00:14:48,600 う~ん…。 118 00:14:48,600 --> 00:14:53,400 かなり… まず… い?