1 00:00:02,390 --> 00:00:04,666 (三郎)「あなたに このような手紙を 書くことは➡ 2 00:00:04,693 --> 00:00:09,866 筋が違うのかもしれませんが 知らせずにはおれませんでした。➡ 3 00:00:10,100 --> 00:00:13,800 裕一の留学が取り消しになりました。➡ 4 00:00:13,800 --> 00:00:19,110 世界的な不況による 経済状況の悪化が原因です。➡ 5 00:00:19,110 --> 00:00:21,980 裕一は打ちのめされています。➡ 6 00:00:21,980 --> 00:00:29,720 情けない話ですが 私には見守ることしかできません」。 7 00:00:29,720 --> 00:00:32,690 (音)あたし 福島に行ってくる! 8 00:00:32,690 --> 00:00:39,130 ♬~ 9 00:00:39,130 --> 00:00:44,500 ♬「泣いて 生まれて 響く命」 10 00:00:44,700 --> 00:00:50,210 ♬「きっと嬉しくて 笑っているんだ」 11 00:00:50,210 --> 00:00:55,710 ♬「僕らはきっと 出逢うでしょう」 12 00:00:55,710 --> 00:01:01,820 ♬「手を引き 背を押し 出逢うでしょう」 13 00:01:01,820 --> 00:01:09,690 ♬「きっといつか今日の日も 意味を持って ほら」 14 00:01:09,690 --> 00:01:13,430 ♬「耳をすませば」 15 00:01:13,430 --> 00:01:19,230 ♬「星の見えない日々を 超えるたびに」 16 00:01:19,230 --> 00:01:24,840 ♬「互い照らすその意味を 知るのでしょう」 17 00:01:24,840 --> 00:01:27,880 ♬「愛する人よ」 18 00:01:27,880 --> 00:01:31,266 ♬「親愛なる友よ」 19 00:01:31,306 --> 00:01:38,850 ♬「遠くまで 響くはエール」 20 00:01:40,860 --> 00:01:46,530 (浩二)目が詰まってんです。 ほ~う。 ひとつき…。 21 00:01:46,530 --> 00:01:50,330 兄さん どこ行くの? 22 00:01:50,330 --> 00:01:54,040 (裕一)仕事。 川俣に戻んなきゃ。 23 00:01:54,040 --> 00:01:57,340 (浩二)すいません。 24 00:01:57,340 --> 00:02:01,210 仕事はいいって。 うちにいろよ。 25 00:02:01,210 --> 00:02:03,980 ここにいても やることねえし。 26 00:02:03,980 --> 00:02:07,850 喜多一は お前に懸かってる。 頼むな。 27 00:02:07,850 --> 00:02:11,490 ちょ…。 28 00:02:11,490 --> 00:02:13,690 兄ちゃん。 29 00:02:15,290 --> 00:02:22,500 つらいだろうけど… 実際は 賞をもらう前に戻っただけだ。 30 00:02:22,500 --> 00:02:26,670 兄ちゃんは 茂兵衛伯父さんの子どもになる。 31 00:02:26,670 --> 00:02:30,510 俺は 古山家を継ぐ。 32 00:02:30,510 --> 00:02:34,680 これが 家族にとって 一番幸せなことなんだ。 33 00:02:34,680 --> 00:02:37,710 なっ 兄ちゃん? 34 00:02:37,710 --> 00:02:41,320 お前の言うとおりだ。 35 00:02:41,320 --> 00:02:45,820 お前 子どもの頃から いつも間違ってない。 36 00:02:53,860 --> 00:02:56,660 (大河原)目が もう詰まってますからね ちゃんと…。 37 00:02:59,530 --> 00:03:03,140 お父さん! (三郎)音さん…。 38 00:03:03,140 --> 00:03:08,010 家は まずい! 息子をたぶらかす 怪しい女と思われてる。 はあ? 39 00:03:08,010 --> 00:03:10,810 (三郎)待て待て… 今は それどころじゃねえだろう。 40 00:03:10,810 --> 00:03:13,110 そうだ 裕一さんは? 41 00:03:15,650 --> 00:03:17,690 すいません あの…。 (鈴木)申し訳ありません。 42 00:03:17,690 --> 00:03:21,290 本日の営業は終了しました。 裕一さんは いますか? 43 00:03:21,290 --> 00:03:23,990 失礼ですが どちら様ですか? 44 00:03:23,990 --> 00:03:26,900 音です。 関内 音です。 45 00:03:26,900 --> 00:03:29,500 関内… 音!? 46 00:03:29,500 --> 00:03:35,370 (昌子)えっ!? ちょっと… えっ えっ… もしかして 文通相手の人? 47 00:03:35,370 --> 00:03:38,510 はい! こっちに向かうバスには 乗っとったらしいんです。 48 00:03:38,510 --> 00:03:42,310 (落合)松坂 ちょっと問い合わせてみろ! 行け 行け 行け。 49 00:03:42,310 --> 00:03:44,250 入って 入って 入って! 50 00:03:44,250 --> 00:03:50,050 なるほど。 古山君は あなたの一本前のバスに乗った。 51 00:03:50,050 --> 00:03:53,690 とすっと 1時間前には… いてっ。 52 00:03:53,690 --> 00:03:57,330 (松坂)川俣で降りたそうです。 降りたはずです。 53 00:03:57,330 --> 00:04:03,130 どこさ行ったんだべ? 松坂君 何か心当たりない? 54 00:04:03,130 --> 00:04:07,140 何にも。 バスの運転手は 教会の方さ 歩いていったと言っていました。 55 00:04:07,140 --> 00:04:09,270 いつもと違う方向に行くから変だなと…。 56 00:04:09,270 --> 00:04:11,210 バカ! 何で早く言わねえの。 57 00:04:11,210 --> 00:04:13,910 (落合)鈴木君 地図描いてやって。 (鈴木)はい。 58 00:04:29,690 --> 00:04:35,000 ♬~(歌声) 59 00:04:35,000 --> 00:04:36,930 あたしも歌いたい。 60 00:04:36,930 --> 00:04:40,630 (安隆)よし 行っといで。 61 00:04:48,540 --> 00:04:50,540 (物音) 62 00:04:54,680 --> 00:04:57,180 裕一さん。 63 00:05:00,120 --> 00:05:07,860 音さん…。 裕一さん 私 ここ来たことある。 64 00:05:07,860 --> 00:05:12,660 子どもの頃 お父さんに連れられてきた。 65 00:05:18,140 --> 00:05:21,480 歌った… ここで。 66 00:05:21,480 --> 00:05:37,660 ♬~ 67 00:05:37,660 --> 00:05:45,160 あの時… あの時 出会ってたんだ。 68 00:05:51,510 --> 00:05:59,680 そこで… 歌う君 見てた。 69 00:05:59,680 --> 00:06:02,120 はっきり覚えてる。 70 00:06:02,120 --> 00:06:13,630 ♬~ 71 00:06:13,630 --> 00:06:15,830 裕一さん…。 72 00:06:19,970 --> 00:06:24,810 きっと道はある。 諦めないで。 73 00:06:24,810 --> 00:06:29,980 僕は ひどい男です。 74 00:06:29,980 --> 00:06:37,150 あなた捨てて 留学すること選んだ。 75 00:06:37,150 --> 00:06:40,820 あなたに会う資格はありません。 76 00:06:40,820 --> 00:06:43,160 勝手に決めんで。 77 00:06:43,160 --> 00:06:45,090 私のこと 嫌いですか? 78 00:06:45,090 --> 00:06:48,590 あなたが期待するような 人間じゃないんです。 79 00:06:53,170 --> 00:06:59,940 あなたには もっと ふさわしい人がいる。 80 00:06:59,940 --> 00:07:06,140 僕を忘れて… 一流の歌手になって下さい。 81 00:07:07,680 --> 00:07:09,650 運命だよ! 82 00:07:09,650 --> 00:07:15,120 こんなちっちゃい時に出会って また出会って 今 また出会って! 83 00:07:15,120 --> 00:07:18,130 音楽だって そうだよ。 きっと出会うよ。 84 00:07:18,130 --> 00:07:24,130 音楽が 裕一さんをほっとくはずがない。 85 00:07:24,130 --> 00:07:28,470 音さん…。 86 00:07:28,470 --> 00:07:31,670 何もかも忘れたいんです。 87 00:07:35,640 --> 00:07:38,340 もう ほっといて下さい。 88 00:07:41,150 --> 00:07:43,150 すいません。 89 00:07:46,820 --> 00:07:50,690 裕一さん! 90 00:07:50,690 --> 00:07:54,560 私 絶対諦めんから。 91 00:07:54,560 --> 00:07:57,830 なんとかするから 待っとって! 92 00:07:57,830 --> 00:08:01,630 絶対 絶対 絶対 諦めんから! 93 00:08:08,440 --> 00:08:12,950 (茂兵衛) 貴族院議員であられる渋谷さんの次女だ。 94 00:08:12,950 --> 00:08:17,790 もってえねえぐれえの女性だが どうだ? 裕一。 95 00:08:17,790 --> 00:08:20,120 伯父さんがよければ いいです。 96 00:08:20,120 --> 00:08:25,460 おい… 嫁さんだぞ? 一生のことだぞ。 そだに あっさり決めていいのか!? 97 00:08:25,460 --> 00:08:30,630 父さん… 家族の幸せが一番なんだ。 進めて下さい。 98 00:08:30,630 --> 00:08:33,670 (茂兵衛)よし! 早速 先方に知らせる。 99 00:08:33,670 --> 00:08:39,810 三郎から 裕一の近況を伝える手紙が届きました。 100 00:08:39,810 --> 00:08:43,980 裕一の縁談が進んでいるようでした。 101 00:08:43,980 --> 00:08:51,850 結婚が決まれば 養子として 権藤家の跡を継ぐと書いてありました。 102 00:08:51,850 --> 00:08:57,830 一方 音は 裕一が音楽の道に戻る 手だてを考えていましたが➡ 103 00:08:57,830 --> 00:09:02,660 思いつくはずもなく 時間だけが過ぎていきました。 104 00:09:02,660 --> 00:09:07,500 (吟)ねえ あさって 空けときんよ。 覚えとる? 105 00:09:07,500 --> 00:09:09,470 えっ? 106 00:09:09,470 --> 00:09:14,310 吟のお見合いは 東京に来て5回目でした。 107 00:09:14,310 --> 00:09:17,950 (鏑木)そうでしたか…。 108 00:09:17,950 --> 00:09:24,820 音は 歌手志望なんです! ゆくゆくは レコードを出すのが夢なんです。 109 00:09:24,820 --> 00:09:28,460 レコードじゃなくて 舞台に立つこと。 間違わんでよ。 110 00:09:28,460 --> 00:09:32,630 あっ… そうですか。 残念ですな~。 111 00:09:32,630 --> 00:09:36,260 興味があったらコロンブスレコードで働く 叔父を紹介したのですが。 112 00:09:36,260 --> 00:09:40,130 フフフフ…。 113 00:09:40,130 --> 00:09:42,140 (鏑木)うん? 114 00:09:42,140 --> 00:09:46,270 それだ! 音 失礼でしょ。 115 00:09:46,270 --> 00:09:49,980 すいません その方 紹介して頂けますか? 116 00:09:49,980 --> 00:09:52,480 本当にすばらしい才能なんです。 117 00:09:52,480 --> 00:09:57,680 国際作曲コンクールで二等ですよ! 最新の楽譜もあります。 118 00:10:07,500 --> 00:10:10,830 どうです? すごいでしょう。 119 00:10:10,830 --> 00:10:13,170 (廿日市)すごいね~。 ありがとうございます。 120 00:10:13,170 --> 00:10:15,100 うちは要らないな。 はあ? 121 00:10:15,100 --> 00:10:18,510 金になんないもん。 もっと分かりやすくないと。 122 00:10:18,510 --> 00:10:25,010 それに さっき 雇っちゃったんだよね。 新人の作曲家 一人。 123 00:10:25,010 --> 00:10:28,050 (杉山)失礼します。 木枯さん 来訪です。 124 00:10:28,050 --> 00:10:32,320 (木枯)遅くなりました。 お~ ちょうど 今 君の話 してたんだよ。 125 00:10:32,320 --> 00:10:37,690 彼ね 大学のマンドリン部を率いていた 期待の新人。 126 00:10:37,690 --> 00:10:42,030 じゃあ 悪いけど… そんなこんなで 今から 彼と打ち合わせだから。 127 00:10:42,030 --> 00:10:44,030 もういい? 128 00:10:47,200 --> 00:10:50,000 じゃあ あっち。 あっ… はい。 129 00:10:55,710 --> 00:10:58,210 (ため息) 130 00:10:58,210 --> 00:11:04,210 その後も レコード会社を 片っ端から回りましたが…。 131 00:11:12,860 --> 00:11:18,300 甘くないな…。 132 00:11:18,300 --> 00:11:25,000 そんな中 音の音楽学校の合格通知が届きました。 133 00:11:37,020 --> 00:11:40,690 (光子)お帰り。 また来とるの? うち 大丈夫? 134 00:11:40,690 --> 00:11:45,030 岩城さんも梅も しっかりしとるから。 135 00:11:45,030 --> 00:11:52,770 フフッ… それに 吟が この前 お見合いの… え~っと 名前…。 136 00:11:52,770 --> 00:11:56,340 鏑木さんね。 あっ そう。 フフフ。 137 00:11:56,340 --> 00:12:00,540 会ってほしいって。 今度は いけるかもよ。 138 00:12:05,980 --> 00:12:13,680 えっ? しかし この雷おこし… かたいわね。 139 00:12:17,990 --> 00:12:21,030 諦めるの? 140 00:12:21,030 --> 00:12:25,300 だって… もう レコード会社ないもん。 141 00:12:25,300 --> 00:12:27,370 ほかに手は? 思いつかん! 142 00:12:27,370 --> 00:12:33,040 だったら もう一回 最初から回りなさい。 143 00:12:33,040 --> 00:12:37,840 裕一さんの人生を救えるのは あなたしかいないのよ。 144 00:12:39,880 --> 00:12:44,650 でも どうせまた 金にならんとか 難しすぎるとか…。 145 00:12:44,650 --> 00:12:47,190 ぐだぐだ言っとらんで➡ 146 00:12:47,190 --> 00:12:51,860 お願いするんじゃない 契約してやるくらいの勢いで行くの! 147 00:12:51,860 --> 00:12:56,530 金の亡者に 頭なんか下げるな! 148 00:12:56,530 --> 00:13:01,370 はあ~ あなた このままじゃ 一生後悔する! 149 00:13:01,370 --> 00:13:04,370 そんな音 見たくない! 150 00:13:08,140 --> 00:13:13,640 ねえ 音… いい? これだって…。 151 00:13:18,290 --> 00:13:20,990 くっ…。 152 00:13:20,990 --> 00:13:23,490 あっ…。 歯 折れちゃう! 153 00:13:23,490 --> 00:13:27,660 折れん! かっ… くっ…。 154 00:13:27,660 --> 00:13:31,500 うん? いや…。 155 00:13:31,500 --> 00:13:35,840 んっ! 156 00:13:35,840 --> 00:13:42,310 ねっ? 割れなきゃ 何べんでも噛むの! 157 00:13:42,310 --> 00:13:47,010 大事な人のためなら 向こうがあきれるほど やるの! 158 00:13:47,010 --> 00:13:49,810 諦めちゃいかん 音! 159 00:13:55,190 --> 00:14:00,960 黒蜜…。 160 00:14:00,960 --> 00:14:03,800 ありがとう。 161 00:14:03,800 --> 00:14:07,670 フフッ… うん。 162 00:14:07,670 --> 00:14:14,970 ちょうど そのころ コロンブスレコードの 廿日市を呼び寄せた人物がいました。 163 00:14:17,980 --> 00:14:20,280 (小山田)忙しいのを 悪かったね。 いえ…。 164 00:14:20,280 --> 00:14:24,990 日本作曲界の重鎮 小山田耕三。 165 00:14:24,990 --> 00:14:28,660 どうした? 汗かいて。 暑いか? うん? 166 00:14:28,660 --> 00:14:33,960 君… 君 この男を知ってるか? 167 00:14:37,300 --> 00:14:40,670 [ 回想 ] 国際作曲コンクールで二等ですよ! 168 00:14:40,670 --> 00:14:44,170 すごいでしょう。 169 00:14:44,170 --> 00:14:50,680 知ってるのか? あっ いえ… あの この男が何か? 170 00:14:50,680 --> 00:14:55,180 君のところでな 契約してほしいんだよ。