1 00:00:01,890 --> 00:00:06,100 (環)あなたは 何を伝えたいの? 2 00:00:06,100 --> 00:00:08,970 どこまで役を理解している? 3 00:00:08,970 --> 00:00:11,470 (音)そうか 分かった! 4 00:00:11,470 --> 00:00:14,300 本を読むより 実践で学ばんと。 5 00:00:14,300 --> 00:00:17,640 「椿姫」のヴィオレッタも 社交場の華だった。 6 00:00:17,640 --> 00:00:22,510 初めまして 新人の音江です。 7 00:00:22,510 --> 00:00:26,320 (希穂子)ここは夢を売る場所だからね。 8 00:00:26,320 --> 00:00:28,350 勉強になります。 9 00:00:28,350 --> 00:00:31,990 (裕一) あっ 音! 音… えっ えっ えっ えっ? 10 00:00:31,990 --> 00:00:34,990 ただいま。 うん…。 11 00:00:34,990 --> 00:00:37,130 臭っ。 12 00:00:37,130 --> 00:00:43,330 ♬~ 13 00:00:43,330 --> 00:00:48,840 ♬「泣いて 生まれて 響く命」 14 00:00:48,840 --> 00:00:54,866 ♬「きっと嬉しくて 笑っているんだ」 15 00:00:54,893 --> 00:00:59,850 ♬「僕らはきっと 出逢うでしょう」 16 00:00:59,850 --> 00:01:05,960 ♬「手を引き 背を押し 出逢うでしょう」 17 00:01:05,960 --> 00:01:14,520 ♬「きっといつか今日の日も 意味を持って ほら」 18 00:01:14,520 --> 00:01:18,240 ♬「耳をすませば」 19 00:01:18,266 --> 00:01:24,000 ♬「星の見えない日々を 超えるたびに」 20 00:01:24,026 --> 00:01:29,613 ♬「互い照らすその意味を 知るのでしょう」 21 00:01:29,626 --> 00:01:32,600 ♬「愛する人よ」 22 00:01:32,600 --> 00:01:35,400 ♬「親愛なる友よ」 23 00:01:35,400 --> 00:01:43,600 ♬「遠くまで 響くはエール」 24 00:01:45,650 --> 00:01:50,120 (潔子)女給さん!? (和子)カフェーで働いてるの? 音さんが? 25 00:01:50,120 --> 00:01:54,790 うん。 一週間の臨時雇いだけどね。 26 00:01:54,790 --> 00:01:57,130 (あくび) 27 00:01:57,130 --> 00:02:01,130 眠い。 先生来たら 起こして。 28 00:02:11,210 --> 00:02:13,740 (廿日市)う~ん… 駄目だね~。 29 00:02:13,740 --> 00:02:16,410 いや…。 せっかく チャンスあげたのに これじゃあね…。 30 00:02:16,410 --> 00:02:18,910 いや… すいません えっと…。 まあ いいよ うん。 31 00:02:18,910 --> 00:02:22,590 これは ほかの作曲家にも頼んでたのよ。 そっちで なんとかなりそうだから。 32 00:02:22,590 --> 00:02:25,090 いや… 廿日市さん…。 33 00:02:28,220 --> 00:02:32,090 (木枯)チャンスなんかじゃねえよ。 あいつ 本当に適当だな…。 34 00:02:32,090 --> 00:02:34,100 えっ? な な… 何? それ。 35 00:02:34,100 --> 00:02:39,840 いや あれ 作詞した磯貝ってやつ 重役の息子だってさ。 えっ? 36 00:02:39,840 --> 00:02:43,810 親の七光りで作詞家になろうとしてる ボンクラだよ。 37 00:02:43,810 --> 00:02:46,940 廿日市も ババ引かされたって ぼやいてたらしい。 38 00:02:46,940 --> 00:02:51,610 えっ… そのババ 僕に あてがったってこと? 39 00:02:51,610 --> 00:02:56,790 うん まあ…。 へえ~ そうか… なんだ。 40 00:02:56,790 --> 00:03:00,060 君の才能をあんなとこで 無駄遣いする必要ないよ。 41 00:03:00,060 --> 00:03:04,890 まあ… どっちみち あの歌詞には 乗れなかったんだけどね 全然。 42 00:03:04,890 --> 00:03:06,930 切り替えてこう 次 次。 43 00:03:06,930 --> 00:03:09,400 次 あんのかな~? 44 00:03:09,400 --> 00:03:13,570 泣き言 言うなよ。 嫁さんだって カフェーで頑張ってんだろ? 45 00:03:13,570 --> 00:03:18,770 が… 頑張ってんのかな… どうなのか…。 46 00:03:21,080 --> 00:03:25,080 昨日 ちょっと様子見てきた。 えっ!? 47 00:03:25,080 --> 00:03:29,590 彼女 なかなかやるね~。 なっ… やる やる やる? 48 00:03:29,590 --> 00:03:31,920 何… 何をやるの!? 何を? 何…? 49 00:03:31,920 --> 00:03:35,760 男を喜ばせるコツを よ~く知ってる。 50 00:03:35,760 --> 00:03:40,560 お… 男を喜ばせる~!? 51 00:03:48,340 --> 00:03:51,940 あれは天性の素質だな。 お~…。 52 00:03:51,940 --> 00:03:54,840 そんな弱気になって どうするの? 53 00:03:54,840 --> 00:03:59,110 上司でも何でも ビシッと言ってやればいいでしょう。 54 00:03:59,110 --> 00:04:02,990 ほら 自信持って。 はい どうぞ。 55 00:04:02,990 --> 00:04:06,920 ありがとう。 元気出てきた! おっ! 56 00:04:06,920 --> 00:04:09,760 音江ちゃん! 57 00:04:09,760 --> 00:04:13,560 俺の話も聞いてよ~。 どうしたの? フクさんは。 58 00:04:13,560 --> 00:04:15,600 そのまま? そのまま。 割らなくて…? 59 00:04:15,600 --> 00:04:19,580 音江ちゃ~ん。 こっちも来て 音江ちゃん。 60 00:04:19,586 --> 00:04:22,100 ちょっと フクちゃん 終わってからね。 あっ フクちゃんって言っちゃった…。 61 00:04:22,100 --> 00:04:26,910 指名も ひっきりなしだった。 うわ~ 指名も ひっきりなし…。 62 00:04:26,910 --> 00:04:28,940 え~? 63 00:04:28,940 --> 00:04:31,410 頑張れ。 え~? じゃあね。 64 00:04:31,410 --> 00:04:35,280 木枯君! 悪いんだけどさ 今日も 様子見に行ってきてよ。 65 00:04:35,280 --> 00:04:39,150 やだよ 自分で行けよ。 何で… お願いだ。 友達だろう? 66 00:04:39,150 --> 00:04:42,760 自分の嫁だろ? 何で… お願いだから…。 67 00:04:42,760 --> 00:04:46,430 お願い…。 自分で行ってこい。 友達でしょ…。 68 00:04:46,430 --> 00:04:52,770 木枯君! お~い 木枯正人~! 69 00:04:52,770 --> 00:04:57,440 はあ…。 70 00:04:57,440 --> 00:05:01,310 おい 何 もたもたしてんだ。 早くしろよ。 71 00:05:01,310 --> 00:05:05,610 すいません お待たせしました。 どうぞ。 72 00:05:08,380 --> 00:05:11,290 何だ この酒は。 こんな薄い酒が飲めるか! 73 00:05:11,290 --> 00:05:13,260 あっ! 74 00:05:13,260 --> 00:05:18,060 何するんですか? ガタガタ言うんじゃない 女給の分際で。 75 00:05:18,060 --> 00:05:21,360 お前…。 (どよめき) 76 00:05:32,070 --> 00:05:34,770 ああ… ああ…。 77 00:05:37,210 --> 00:05:40,750 (ママ)全く とんでもない 跳ねっ返りだわ! 何 考えてるの!? 78 00:05:40,750 --> 00:05:44,613 すいませんでした。 でも あの人 私たちのこと バカにして…。 79 00:05:44,626 --> 00:05:47,773 流せばいいの そんなもの。 大体 あなたはね…。 80 00:05:47,786 --> 00:05:51,230 あの… あんまり 音江さんを責めないであげて下さい。 81 00:05:51,230 --> 00:05:54,100 えっ? 私たちも悪かったんです。 82 00:05:54,100 --> 00:05:58,970 機嫌の悪いお客様を まだ不慣れな彼女一人に任せてしまって。 83 00:05:58,970 --> 00:06:05,470 ごめんね 音江さん。 いえ 私こそ… すみませんでした。 84 00:06:08,540 --> 00:06:12,340 すみませんでした! すみませんでした。 85 00:06:15,420 --> 00:06:18,120 2人とも 顔を上げなさい。 86 00:06:35,640 --> 00:06:38,540 (時報) 87 00:06:38,540 --> 00:06:42,080 ≪(戸が開く音) 88 00:06:42,080 --> 00:06:47,750 音? あっ… 音? 音…? 89 00:06:47,750 --> 00:06:51,050 た… 大将。 (鉄男)おう。 90 00:06:52,620 --> 00:06:56,930 私 感情が すぐ 表に出てしまうんですよね。 91 00:06:56,930 --> 00:07:00,160 もっと大人の対応をしなくちゃって 思うんですけど。 92 00:07:00,160 --> 00:07:05,700 でも それが 音江さんのチャームポイントかもね。 93 00:07:05,700 --> 00:07:08,170 希穂子さんは すごいな。 94 00:07:08,170 --> 00:07:12,540 私にないもん 全部持ってる。 フフフ。 95 00:07:12,540 --> 00:07:16,180 欠点だらけよ 私なんて。 96 00:07:16,180 --> 00:07:21,550 私が男だったら 希穂子さんみたいな人を 好きになりますね。 フフッ。 97 00:07:21,550 --> 00:07:25,750 光栄。 はい。 ありがとうございます。 98 00:07:28,060 --> 00:07:33,400 実は 私 恋愛の機微が勉強したくて 入店したんです。 99 00:07:33,400 --> 00:07:36,300 恋愛の機微? はい。 100 00:07:36,300 --> 00:07:42,070 希穂子さんは お客さんを 好きになったこと ありますか? 101 00:07:42,070 --> 00:07:46,070 う~ん… ここではないかな。 102 00:07:46,070 --> 00:07:50,570 ほかでは あるんですか? さあ? どうだったかしら。 103 00:07:52,580 --> 00:07:55,420 (ドアが開く音) 104 00:07:55,420 --> 00:07:57,920 音江ちゃん。 はい。 指名。 105 00:07:57,920 --> 00:08:00,520 はい。 希穂子ちゃんも ついてあげて。 106 00:08:00,520 --> 00:08:03,360 はい。 107 00:08:03,360 --> 00:08:06,860 今度は ちゃんとやってよ。 はい。 108 00:08:12,530 --> 00:08:15,030 ありがとうございます。 109 00:08:17,040 --> 00:08:20,540 お待たせしました~。 110 00:08:20,540 --> 00:08:24,906 鉄男さん! お~ 本当に女給さんになってる。 111 00:08:24,910 --> 00:08:28,106 どうして? いつから東京に? さっき 着いたとこ。 112 00:08:28,100 --> 00:08:30,940 休暇の間 泊めてもらおうと思って 裕一のとこ行ったら➡ 113 00:08:30,940 --> 00:08:33,580 音さんのこと あんまりにも心配してるもんだから➡ 114 00:08:33,586 --> 00:08:35,340 代わりに様子見に来た。 115 00:08:35,340 --> 00:08:39,210 なら 一緒に来ればいいのに。 そうもいかねえだろ 男としては。 116 00:08:39,210 --> 00:08:42,620 フフフ…。 ありがとう。 117 00:08:42,620 --> 00:08:44,620 いらっしゃいませ。 118 00:08:47,490 --> 00:08:51,960 希穂子…。 119 00:08:51,960 --> 00:08:54,630 どして ここに? 120 00:08:54,630 --> 00:09:00,240 ずっと捜してたんだ。 何で 急にいなくなった? 121 00:09:00,240 --> 00:09:04,040 希穂子… ちゃんと説明してくれ。 122 00:09:07,740 --> 00:09:11,380 お話しすることはありません。 123 00:09:11,380 --> 00:09:13,320 お… おい… ちょっと待てよ。 124 00:09:13,320 --> 00:09:16,590 やめて下さい! 出よう… ここじゃ 話できねえ。 なっ? 125 00:09:16,590 --> 00:09:20,460 やめて! 鉄男さん 乱暴はやめて。 (ボーイ)おい 何やってんだ! 126 00:09:20,460 --> 00:09:24,090 大丈夫だから… いや あの 少し 話しするだけですから。 127 00:09:24,090 --> 00:09:26,030 離して! 128 00:09:26,030 --> 00:09:43,230 ♬~ 129 00:09:50,220 --> 00:09:56,020 ねえ 何が どうなってんの? 私にも よく分からんくて。 130 00:09:56,020 --> 00:10:00,630 どして 急に 姿 消したんだ? 131 00:10:00,630 --> 00:10:02,960 田舎にいるのが嫌になったからです。 132 00:10:02,960 --> 00:10:08,640 うそだ。 君は福島が好きだと言ってた。 133 00:10:08,940 --> 00:10:11,740 村野さん ご結婚されるそうですね。 134 00:10:11,740 --> 00:10:13,120 け… 結婚? おめでとうございます。 135 00:10:13,160 --> 00:10:16,213 結婚なんかしねえ! あれは向こうが勝手に…。 136 00:10:16,250 --> 00:10:20,880 ご挨拶もなしに上京してしまったことは おわびします。 137 00:10:21,120 --> 00:10:25,620 でも… 私から お話しすることはありませんので。 138 00:10:29,200 --> 00:10:32,490 こっちの話は まだ終わってねえ! ちょ… 大将 大将…。 139 00:10:32,490 --> 00:10:35,733 お騒がせして申し訳ありません。 失礼します。 140 00:10:35,773 --> 00:10:40,770 希穂子 希穂子! ちょちょ… 大将 大将 大将…。 141 00:10:40,770 --> 00:10:45,213 大将… 一回 一回 落ち着いて。 はあ…。 142 00:10:45,410 --> 00:10:47,410 希穂子さん! 143 00:10:51,780 --> 00:10:55,980 コーヒー 飲みませんか? 144 00:11:06,390 --> 00:11:08,530 おいしい。 145 00:11:08,530 --> 00:11:11,430 ここのコーヒーは東京で一番だから。 146 00:11:11,430 --> 00:11:16,130 といっても ほかの店では 飲んだことないんですけどね。 フフフフ。 147 00:11:24,750 --> 00:11:31,420 村野さんとは 少しだけ おつきあいをしてたの。 148 00:11:31,420 --> 00:11:35,260 福島で? 149 00:11:35,260 --> 00:11:39,560 私が仲居をしてた料亭で知り合って…。 150 00:11:48,570 --> 00:11:51,770 あっ…。 151 00:11:51,770 --> 00:11:55,580 何か? あっ いえ…。 152 00:11:55,580 --> 00:12:00,380 お魚 すごくきれいに召し上がると思って。 153 00:12:00,380 --> 00:12:02,380 あっ… 失礼しました。 154 00:12:02,380 --> 00:12:07,060 いや… 何でも 褒められんのは うれしいもんですね。 155 00:12:07,060 --> 00:12:12,530 俺… 家が魚屋だったんです。 子どもの時は ずっと貧乏で。 156 00:12:12,530 --> 00:12:17,230 私の家も貧乏です。 一緒ですね。 157 00:12:17,230 --> 00:12:28,240 ♬~ 158 00:12:28,240 --> 00:12:31,440 希穂子。 うん? 159 00:12:33,410 --> 00:12:39,290 (希穂子)でも… 彼が 会社の社長さんと店にいらした時…。 160 00:12:39,290 --> 00:12:45,430 ≪(堂林)村野君 君は仁美をどう思ってんのかね? 161 00:12:45,430 --> 00:12:48,100 ≪(鉄男)それは…。 162 00:12:48,100 --> 00:12:51,970 (仁美)やめて お父様。 村野さん 困ってらっしゃるじゃない。 163 00:12:51,970 --> 00:12:56,570 (堂林)ハハハハ…。 僕はね 村野君➡ 164 00:12:56,570 --> 00:13:05,880 うちの会社を ゆくゆくは 君に任せたいと思ってんだよ。 ほら。 165 00:13:05,880 --> 00:13:09,520 縁談が進んどったってこと? 166 00:13:09,520 --> 00:13:12,720 ええ。 167 00:13:12,720 --> 00:13:16,390 縁談なんてもんじゃねえ 一方的な話なんだ。 168 00:13:16,390 --> 00:13:20,900 折を見て 断るつもりだった。 そうだったんだ。 169 00:13:20,900 --> 00:13:23,730 (ため息) 170 00:13:23,730 --> 00:13:30,510 東京さ 行ったらしいと聞いて ずっと捜してた。 171 00:13:30,510 --> 00:13:33,910 優しい女なんだ。➡ 172 00:13:33,910 --> 00:13:40,080 貧しい家に育って 今も 病気の親 抱えて苦労してんのに➡ 173 00:13:40,080 --> 00:13:43,750 けなげで 明るくて。➡ 174 00:13:43,750 --> 00:13:53,090 彼女といっと ねじくれた気持ちが す~っと消えて 素直になれる。 175 00:13:53,090 --> 00:13:55,790 こんなこと初めてだ。 176 00:13:59,870 --> 00:14:03,710 福島に連れて帰りてえ…。➡ 177 00:14:03,710 --> 00:14:07,380 希穂子と一緒になりてえんだ。 178 00:14:07,380 --> 00:14:12,050 結局 ご縁がなかったのよ。 179 00:14:12,050 --> 00:14:17,520 今は ただの知り合い。 本当に? それだけですか? 180 00:14:17,520 --> 00:14:20,720 ええ。 それだけよ。 181 00:14:33,530 --> 00:14:40,410 ≪(物音) ≪(鉄男)ああ~! うわ~! 182 00:14:40,410 --> 00:14:43,080 た… 大将…。 最低だ! 183 00:14:43,080 --> 00:14:46,550 俺が グズグズしてっから 希穂子に見限られたんだ! 184 00:14:46,550 --> 00:14:50,250 大将…。 俺は どうしようもねえバカだ! ああ~! 185 00:14:50,250 --> 00:14:52,190 大将 水飲もう。 水飲もう。 186 00:14:52,190 --> 00:14:55,390 ああ~ 希穂子~!