1 00:00:34,109 --> 00:00:38,814 <このゆでだこのような男 研ぎ仕事を生業としているが➡ 2 00:00:38,814 --> 00:00:43,702 実は 名うての剣豪。 江戸でも知られた顔である。➡ 3 00:00:43,702 --> 00:00:47,006 名を 赤目小籐次。 またの名を…> 4 00:00:47,006 --> 00:00:50,059 (勝五郎)おっ 酔いどれの旦那。 5 00:00:50,059 --> 00:00:53,329 酔いどれ様も 朝湯ですかい? 6 00:00:53,329 --> 00:00:55,581 (小籐次)仕事前の眠気覚ましだ。 7 00:00:55,581 --> 00:01:00,602 こっちは 徹夜明けでさぁ。 何か 大事でもあったか? 8 00:01:00,602 --> 00:01:03,772 な~に。 つまらねえ色恋ネタよ。 9 00:01:03,772 --> 00:01:06,675 それでも 読みたがるヤツが いるってんだからね。 10 00:01:06,675 --> 00:01:09,528 (空蔵)人の噂好きは 今に始まった事じゃないですから。 11 00:01:09,528 --> 00:01:13,565 自分の事は棚に上げて 好き勝手に笑ってよ。 12 00:01:13,565 --> 00:01:17,069 醜いね 人間てえのは。 13 00:01:17,069 --> 00:01:21,674 色恋といえば 久慈屋の娘さんの 婿探しも進んでましてね。 14 00:01:21,674 --> 00:01:24,643 なんでも 浩吉さんに 決まりそうだとか。 15 00:01:24,643 --> 00:01:26,745 浩吉が? ええ。 16 00:01:26,745 --> 00:01:29,598 それに合わせて 番頭に 格上げするって運びでしょうな。 17 00:01:29,598 --> 00:01:32,601 めでたい事だ。 ところがよ➡ 18 00:01:32,601 --> 00:01:37,539 古株の番頭の何人かは その話に 不満なようだぜ。 19 00:01:37,539 --> 00:01:41,643 浩吉は 水戸は 久慈屋本家の出。 20 00:01:41,643 --> 00:01:45,931 体裁を気にした昌右衛門の 下手な思いつきじゃねえかってな。 21 00:01:45,931 --> 00:01:48,500 店が終わったあと 面白くねえ番頭たちが➡ 22 00:01:48,500 --> 00:01:51,704 木挽き河岸の屋台で くだ巻いてるようですよ。 23 00:01:51,704 --> 00:01:56,709 体裁がどうであれ 浩吉は 心根のよいヤツだ。 24 00:01:56,709 --> 00:02:02,698 番頭のひがみを買おうが 親元が 許したとあらば 勝負ありだろう。 25 00:02:02,698 --> 00:02:05,150 こっちとしては 何か 事が起こってくれたほうが➡ 26 00:02:05,150 --> 00:02:07,803 うれしいんですけどね。 27 00:02:07,803 --> 00:02:10,406 空蔵も 相変わらず 人が悪いのう。 28 00:02:10,406 --> 00:02:13,642 (空蔵)あたしゃ 正直に生きてるだけですよ。➡ 29 00:02:13,642 --> 00:02:17,479 あれ? (勝五郎)おおっ 駿坊! 駿坊! 30 00:02:17,479 --> 00:02:23,168 <小籐次の周りで また 何か 一騒動起きそうだ> 31 00:02:23,168 --> 00:02:25,370 ああ のぼせてしまった。 上がる 上がる。 32 00:02:25,370 --> 00:02:34,470 ♬~(テーマ音楽) 33 00:02:36,665 --> 00:02:41,437 おい 誰か 店の奥にあった 古紙を知らんか? 34 00:02:41,437 --> 00:02:44,873 (茂吉)私は触ってませんが。 浩吉 見てないか? 35 00:02:44,873 --> 00:02:47,509 (浩吉)ああ 古紙なら もう捨てましたが。 36 00:02:47,509 --> 00:02:49,628 捨てた? はい。 37 00:02:49,628 --> 00:02:52,548 あれは 漉き返しに使う物だぞ! 38 00:02:52,548 --> 00:02:54,633 古紙問屋に渡すはずの物を! 39 00:02:54,633 --> 00:02:57,736 すみません! 今 取り返しに。 当たり前だ! 40 00:02:57,736 --> 00:02:59,772 すみません。 全く お前は➡ 41 00:02:59,772 --> 00:03:01,874 何度言ったら分かる!? すみません。 42 00:03:01,874 --> 00:03:05,177 全く 図体ばかりが でかくて…。 43 00:03:05,177 --> 00:03:08,213 うん。 まあ いい。 えっ? だって…。 44 00:03:08,213 --> 00:03:10,365 いい いい。 たかが 古紙だ。 45 00:03:10,365 --> 00:03:14,536 そう慌てる事はない。 ねえ? お嬢様。 46 00:03:14,536 --> 00:03:19,274 失礼します。 行くぞ! いい いい。 戻れ。 47 00:03:19,274 --> 00:03:21,677 (おまつ)泉蔵さんは 仕事ができる分➡ 48 00:03:21,677 --> 00:03:25,197 人にも厳しいからね。 49 00:03:25,197 --> 00:03:28,433 大丈夫。 元気をお出しよ。 50 00:03:28,433 --> 00:03:32,437 はあ。 私 あの人 どうも苦手だわ。 51 00:03:32,437 --> 00:03:36,625 何だか しつこくて。 お嬢様に 気があるのですよ。 52 00:03:36,625 --> 00:03:39,695 やめて おまつさん。 53 00:03:39,695 --> 00:03:42,014 あっ 浩吉さん。 はい。 54 00:03:42,014 --> 00:03:44,399 おじい様が呼んでますよ。 55 00:03:44,399 --> 00:03:46,802 えっ? 何でしょうか? 56 00:03:46,802 --> 00:03:52,341 ♬~ 57 00:03:52,341 --> 00:03:54,977 えい! あっ! おまつさん。 58 00:03:54,977 --> 00:03:58,577 (おまつ)やっ! ≪(女)おまつさん。 59 00:04:00,766 --> 00:04:04,866 ♬~ 60 00:04:08,106 --> 00:04:12,506 ♬~ 61 00:04:15,147 --> 00:04:18,901 ♬~ 62 00:04:18,901 --> 00:04:22,671 (浩吉)失礼します。 63 00:04:22,671 --> 00:04:26,471 そこへ お座り。 はい。 64 00:04:34,800 --> 00:04:38,303 浩吉。 はい。 65 00:04:38,303 --> 00:04:43,625 この久慈屋に来て 何年になる? 66 00:04:43,625 --> 00:04:46,612 10年になります。 67 00:04:46,612 --> 00:04:49,698 そうか。 68 00:04:49,698 --> 00:04:56,622 これまで よく 真面目に 勤めてくれた。 69 00:04:56,622 --> 00:05:01,810 そろそろ 番頭にと思うておる。 70 00:05:01,810 --> 00:05:05,697 ありがたい事でございます。 (昌右衛門)うん。 71 00:05:05,697 --> 00:05:09,434 水戸の本家から来たお前は➡ 72 00:05:09,434 --> 00:05:12,938 いずれ この久慈屋には➡ 73 00:05:12,938 --> 00:05:18,377 なくてはならぬ商人になると 見込んでおった。 74 00:05:18,377 --> 00:05:21,277 そこでだ。 75 00:05:23,465 --> 00:05:32,307 お前を おやえの婿にと 思うておる。 76 00:05:32,307 --> 00:05:38,113 はっ? お前の気持ちは どうだ? 77 00:05:38,113 --> 00:05:40,113 ≪(浩吉)私は…。 78 00:05:42,167 --> 00:05:46,471 急な話で 何と申し上げたらよいのか…。 79 00:05:46,471 --> 00:05:49,007 お嬢様のお望みどおりに致します。 80 00:05:49,007 --> 00:05:51,877 うん。 81 00:05:51,877 --> 00:05:59,101 おやえも 同じ事を申しておる。 82 00:05:59,101 --> 00:06:01,303 えっ? 83 00:06:01,303 --> 00:06:10,112 一度 2人で とくと 話し合ってみては どうか? 84 00:06:10,112 --> 00:06:12,112 はあ。 85 00:06:16,802 --> 00:06:19,002 お嬢様。 86 00:06:23,141 --> 00:06:26,812 今度 市村座へ 芝居見物に参りませんか? 87 00:06:26,812 --> 00:06:30,098 立女形の半四郎というのが 大層 評判です。 88 00:06:30,098 --> 00:06:33,201 私は 遠慮致します。 89 00:06:33,201 --> 00:06:35,303 どうして そう 私を避けるのです? 90 00:06:35,303 --> 00:06:37,739 避けてなどおりません。 91 00:06:37,739 --> 00:06:39,739 お嬢様。 92 00:06:42,177 --> 00:06:46,431 久慈屋の行く末は ひとえに この泉蔵の肩にかかっていると➡ 93 00:06:46,431 --> 00:06:50,736 考えております。 浩吉なんかに 任せておけるものですか! 94 00:06:50,736 --> 00:06:55,357 そして お嬢様を お慕いする気持ちも。 95 00:06:55,357 --> 00:07:12,290 ♬~ 96 00:07:12,290 --> 00:07:14,459 (おこう)赤目様。 おう。 97 00:07:14,459 --> 00:07:16,778 お昼が出来ましたよ。 ありがたい。 98 00:07:16,778 --> 00:07:19,498 これを 研ぎ終えてから 頂こう。 99 00:07:19,498 --> 00:07:21,967 相変わらず 繁盛しとるな。 100 00:07:21,967 --> 00:07:25,871 違いますよ。 あれは 6日後の 酒合戦で使うものでございます。 101 00:07:25,871 --> 00:07:30,008 おお そうであった。 赤目様も また 是非 おいでを。 102 00:07:30,008 --> 00:07:32,878 さて どうかな? 103 00:07:32,878 --> 00:07:37,799 久しぶりに 赤目様の大層な 飲みっぷり 見とうございます。 104 00:07:37,799 --> 00:07:40,569 見苦しいだけじゃ。 105 00:07:40,569 --> 00:07:43,271 おう 浩吉 どうした? 赤目様。 106 00:07:43,271 --> 00:07:45,924 平井村のおうづさんに ここだと聞いたもので。 107 00:07:45,924 --> 00:07:48,844 何かあったか? 108 00:07:48,844 --> 00:07:51,947 して 昌右衛門殿は 何と申しておる? 109 00:07:51,947 --> 00:07:55,784 はい。 お嬢様と 一度 2人で話し合えと。 110 00:07:55,784 --> 00:07:58,737 うん。 それが一番だ。 111 00:07:58,737 --> 00:08:03,675 しかし 本当に 私で よいのでございましょうか? 112 00:08:03,675 --> 00:08:07,429 それに…。 それに 何だ? 113 00:08:07,429 --> 00:08:10,932 久慈屋には 私より 能も才覚もある番頭さんが➡ 114 00:08:10,932 --> 00:08:15,687 大勢いらっしゃいます。 その人たちが どう思うか。 115 00:08:15,687 --> 00:08:18,907 能も才覚もある番頭とは 誰だ? 116 00:08:18,907 --> 00:08:22,811 例えば 泉蔵さんなどは 古株で➡ 117 00:08:22,811 --> 00:08:25,397 久慈屋の事を 知り尽くしていらっしゃいます。 118 00:08:25,397 --> 00:08:28,733 それに 商いに長けている。 119 00:08:28,733 --> 00:08:32,170 ならば おぬしは その泉蔵が➡ 120 00:08:32,170 --> 00:08:37,075 おやえ殿の婿にと 名乗りを 上げたら 身を引く所存か? 121 00:08:37,075 --> 00:08:41,062 いや… それは…。 122 00:08:41,062 --> 00:08:48,403 確かに 泉蔵さんには 商才があり 皆が頼っております。 123 00:08:48,403 --> 00:08:53,241 しかし 私 見たんです。 124 00:08:53,241 --> 00:08:57,796 ひと月ほど前 品川宿近くの 海徳寺へ店の御用で参った途中…。 125 00:08:57,796 --> 00:09:02,200 (泉蔵)さあさあ さあさあ 先生方 どうぞ どうぞ。➡ 126 00:09:02,200 --> 00:09:04,200 どうぞ 中へ。 127 00:09:06,771 --> 00:09:10,075 さささ どうぞ どうぞ どうぞ どうぞ。 128 00:09:10,075 --> 00:09:13,795 泉蔵様 遅いじゃないの。 129 00:09:13,795 --> 00:09:15,864 飯倉様方がお待ちですよ。 130 00:09:15,864 --> 00:09:18,964 そうか。 ちょっと待ってろ。 131 00:09:24,172 --> 00:09:27,225 浩吉 この事は 内緒だぞ。 132 00:09:27,225 --> 00:09:30,378 なに。 ちと お得意様を もてなすんでな。 133 00:09:30,378 --> 00:09:35,684 これも 久慈屋のためだ。 分かってるな? 134 00:09:35,684 --> 00:09:37,702 はあ…。 135 00:09:37,702 --> 00:09:48,430 ♬~ 136 00:09:48,430 --> 00:09:54,069 泉蔵様 あのお侍方 早々に お返しになってくださいな。➡ 137 00:09:54,069 --> 00:09:56,471 早く 2人きりに なりとうございます。 138 00:09:56,471 --> 00:09:59,558 うん 分かった。 行こう。 139 00:09:59,558 --> 00:10:04,329 ♬~ 140 00:10:04,329 --> 00:10:09,734 私には とても 普通の もてなしには見えませんでした。 141 00:10:09,734 --> 00:10:13,638 泉蔵に そんなつながりがあったとはな。 142 00:10:13,638 --> 00:10:19,711 お嬢様が よもや そのような方と 一緒になるとは思えませぬが。 143 00:10:19,711 --> 00:10:27,953 だがな 浩吉 おぬしは 一番大切な事を忘れておる。 144 00:10:27,953 --> 00:10:30,105 えっ? 145 00:10:30,105 --> 00:10:32,741 己の気持ちだ。 146 00:10:32,741 --> 00:10:37,112 おぬしは おやえ殿を どう思っておる? 147 00:10:37,112 --> 00:10:40,131 それは お嬢様と ご一緒になれるなら➡ 148 00:10:40,131 --> 00:10:42,567 こんなにうれしい事は ございません。 149 00:10:42,567 --> 00:10:45,437 もっとも 私が それに➡ 150 00:10:45,437 --> 00:10:47,472 ふさわしいかどうかは 存じませぬが。 151 00:10:47,472 --> 00:10:52,694 久慈屋の旦那様のお墨付き あるでしょうに。 152 00:10:52,694 --> 00:10:58,466 いいか? 浩吉。 今度 おやえ殿にお会いしたら➡ 153 00:10:58,466 --> 00:11:03,221 己の思いを 面と向かって はっきりと告げるんじゃ! 154 00:11:03,221 --> 00:11:05,423 いいな? 155 00:11:05,423 --> 00:11:10,211 あの… 赤目様にも 覚えがおありで? 156 00:11:10,211 --> 00:11:13,798 それがしか? 157 00:11:13,798 --> 00:11:20,972 何事も 耐え忍ぶのが 武士の道だ。 158 00:11:20,972 --> 00:11:28,563 己の思いを 面と向かって 告げるなど まことの恋ではない。 159 00:11:28,563 --> 00:11:39,007 胸の奥に ひっそりと秘め 死んでゆくのが まことの恋だ。 160 00:11:39,007 --> 00:11:44,029 主従の間も また然り。 161 00:11:44,029 --> 00:11:50,135 耐え忍ぶ事こそが まことの武士の道だ。 162 00:11:50,135 --> 00:11:53,138 なるほど。 赤目様にも➡ 163 00:11:53,138 --> 00:11:56,691 そのように思い続ける方が いらっしゃるのですね? 164 00:11:56,691 --> 00:12:01,212 ♬~ 165 00:12:01,212 --> 00:12:07,419 老いぼれ侍には それぐらいが ちょうどよい。 166 00:12:07,419 --> 00:12:14,709 ♬~ 167 00:12:14,709 --> 00:12:19,748 <そのころ おりょうは 江戸で名高い歌人たちが集まる➡ 168 00:12:19,748 --> 00:12:22,751 歌合わせに臨んでいた> 169 00:12:22,751 --> 00:12:28,751 ♬~ 170 00:12:33,011 --> 00:12:44,139 (男)「雨後に滴る…」。 171 00:12:44,139 --> 00:12:52,039 (おりょう) 「青蔦の雨後に滴る雫とて」。 172 00:13:01,172 --> 00:13:03,375 (佐々木冬嗣)いや 驚きました。 173 00:13:03,375 --> 00:13:07,645 おりょう様が 秀作5首のうち 2つまでもお取りになるとは。 174 00:13:07,645 --> 00:13:11,466 宗匠 私自身が驚いております。 175 00:13:11,466 --> 00:13:16,938 (水野)さすがに かの御歌学者 北川舜藍殿の娘だけある。 176 00:13:16,938 --> 00:13:20,542 なんの。 それだけでは 歌は 詠めません。 177 00:13:20,542 --> 00:13:24,179 全ては おりょう様の 天賦の才でございます。 178 00:13:24,179 --> 00:13:27,999 このまま 武家奉公で終わるのは 惜しい。 179 00:13:27,999 --> 00:13:31,102 おりょうの兄も また 名のある学者となり➡ 180 00:13:31,102 --> 00:13:33,905 歌人として 一家を成しておる。 181 00:13:33,905 --> 00:13:38,093 おりょう様も いっそ 水野家からお暇を頂いて➡ 182 00:13:38,093 --> 00:13:40,795 歌の道一筋に進まれては? 183 00:13:40,795 --> 00:13:44,132 (水野)宗匠! 恐ろしい事を申されるな。 184 00:13:44,132 --> 00:13:46,584 おりょうが 我が家の勤めを 辞するなど➡ 185 00:13:46,584 --> 00:13:50,939 夢にも思った事はない。 186 00:13:50,939 --> 00:13:56,639 (鈴の音) 187 00:14:10,909 --> 00:14:14,362 ≪(泉蔵)お嬢様。 188 00:14:14,362 --> 00:14:17,298 ≪(おやえ)泉蔵さん。 189 00:14:17,298 --> 00:14:21,698 お嬢様 文は 読んでいただけましたか? 190 00:14:23,738 --> 00:14:28,176 私には 泉蔵さんの気持ちには お応えする事ができません。 191 00:14:28,176 --> 00:14:30,145 なぜ! (おやえ)離してください! 192 00:14:30,145 --> 00:14:33,698 (泉蔵)怖がる事はない! 嫌! やめて! 193 00:14:33,698 --> 00:14:37,635 (泉蔵)なぜ そんなに嫌がる!? (浩吉)おやめください! 194 00:14:37,635 --> 00:14:41,239 浩吉 今 お嬢様と 大事な話をしてるんだ! 195 00:14:41,239 --> 00:14:43,842 退いてろ! 196 00:14:43,842 --> 00:14:47,512 お嬢様が 嫌がってるじゃないですか!? 197 00:14:47,512 --> 00:14:52,233 浩吉 本家から来たと 図に乗るなよ! 198 00:14:52,233 --> 00:14:54,536 旦那様が 何とお言いか知らぬが➡ 199 00:14:54,536 --> 00:14:58,339 店の者 皆が皆 お前を認めてると思うな! 200 00:14:58,339 --> 00:15:03,811 第一 お前に この久慈屋が 背負えるか? 201 00:15:03,811 --> 00:15:07,599 それは…➡ 202 00:15:07,599 --> 00:15:10,902 分かりません。 203 00:15:10,902 --> 00:15:15,206 私なぞ 泉蔵さんに 到底及ばぬ事は 承知です。 204 00:15:15,206 --> 00:15:18,176 しかし 素性の知れぬ連中と➡ 205 00:15:18,176 --> 00:15:20,211 女郎遊びに うつつを抜かしてるような人に➡ 206 00:15:20,211 --> 00:15:24,299 お嬢様の婿に なってほしくはありません! 207 00:15:24,299 --> 00:15:27,151 私は お嬢様を ずっと お慕い申しております! 208 00:15:27,151 --> 00:15:31,055 その事に 迷いはございません! 209 00:15:31,055 --> 00:15:38,530 ♬~ 210 00:15:38,530 --> 00:15:42,217 浩吉 後悔するぞ。 211 00:15:42,217 --> 00:16:09,894 ♬~ 212 00:16:09,894 --> 00:16:15,133 今日は いつにも増して 怖いお顔だこと。 213 00:16:15,133 --> 00:16:18,736 そんなに 久慈屋の娘さんが お好きなの? 214 00:16:18,736 --> 00:16:21,339 憎いね。 215 00:16:21,339 --> 00:16:26,210 おやじの紙屋が潰れたのが 俺が9つの時だ。 216 00:16:26,210 --> 00:16:28,713 食う当てもなく➡ 217 00:16:28,713 --> 00:16:35,270 下谷広小路の茶屋で働く 母親の稼ぎだけが頼りだった。 218 00:16:35,270 --> 00:16:38,773 おやじは 肺を病んでてな➡ 219 00:16:38,773 --> 00:16:45,997 寝たきりの寝床で 紙商いを教え込まれたもんだ。 220 00:16:45,997 --> 00:16:49,801 人は 望んだところに 生まれてきやしませんよ。 221 00:16:49,801 --> 00:16:56,341 私だって 好きで 女郎を選んだ訳じゃないですから。 222 00:16:56,341 --> 00:17:00,612 自分の幸せなんか とうに諦めちまった。 223 00:17:00,612 --> 00:17:03,298 俺は違う! 224 00:17:03,298 --> 00:17:14,509 ♬~ 225 00:17:14,509 --> 00:17:19,809 俺は 俺の手で 定めを変えてみせる! 226 00:17:24,402 --> 00:17:28,423 かたじけない。 赤目様 おやえさんの婿に➡ 227 00:17:28,423 --> 00:17:30,808 浩吉さんが決まりそうだよ。 聞いておる。 228 00:17:30,808 --> 00:17:33,011 おや。 知ってたの? 229 00:17:33,011 --> 00:17:37,015 古手の番頭のひがみを買わんかと 心配しておる。 230 00:17:37,015 --> 00:17:41,269 旦那様が決めた事さ。 文句のつけようもないよ。 231 00:17:41,269 --> 00:17:45,769 浩吉さんも もっと しっかりしてもらわなくっちゃ。 232 00:17:57,151 --> 00:18:04,475 ♬~ 233 00:18:04,475 --> 00:18:11,265 「ほのあかり ひとはだこひし 短夜や」。 234 00:18:11,265 --> 00:18:38,976 ♬~ 235 00:18:38,976 --> 00:18:41,012 これは また 美しい。 236 00:18:41,012 --> 00:18:44,599 (昌右衛門)はい。 おりょう様の歌をお借りして➡ 237 00:18:44,599 --> 00:18:48,603 試しに作ってみました。 238 00:18:48,603 --> 00:18:52,173 店の職人たちが このように➡ 239 00:18:52,173 --> 00:18:55,960 歌や絵を描いて 売り出してみてはどうかと。 240 00:18:55,960 --> 00:18:59,814 私の下手な歌では かえって 興ざめかと思いますが。 241 00:18:59,814 --> 00:19:01,866 めっそうもございません。 242 00:19:01,866 --> 00:19:05,269 おりょう様の歌は 世間でも 評判が高く➡ 243 00:19:05,269 --> 00:19:09,874 手前どもでは もう 高根の花でございます。 244 00:19:09,874 --> 00:19:13,628 いえ。 私のほうこそ お礼を申します。 245 00:19:13,628 --> 00:19:18,866 こうして 赤目様にも お会いする事ができたのですから。 246 00:19:18,866 --> 00:19:23,304 この小籐次 おりょう殿の命とあらば➡ 247 00:19:23,304 --> 00:19:27,692 唐天竺までも飛んでいき申す。 248 00:19:27,692 --> 00:19:32,814 ♬~ 249 00:19:32,814 --> 00:19:38,269 では 赤目様 今度の万八楼の酒合戦➡ 250 00:19:38,269 --> 00:19:41,072 みんなで 拝見せねばなりませんな。 251 00:19:41,072 --> 00:19:43,341 酒合戦? (昌右衛門)はい。➡ 252 00:19:43,341 --> 00:19:45,993 前回は 2番でございましたが➡ 253 00:19:45,993 --> 00:19:49,914 今度だけは 1番を取って いただかねば。 ねえ おりょう様。 254 00:19:49,914 --> 00:19:52,266 私も 参りとうございます。 255 00:19:52,266 --> 00:19:56,504 いや! おりょう殿に 見せられる ようなものではございません。 256 00:19:56,504 --> 00:20:01,759 いえいえ。 赤目様の飲みっぷりは 見ていて ほれぼれ致しまするぞ。 257 00:20:01,759 --> 00:20:06,330 (おりょうと昌右衛門の笑い声) 258 00:20:06,330 --> 00:20:08,499 (物音) (番頭)泉蔵さん やめてください! 259 00:20:08,499 --> 00:20:10,768 (泉蔵)離せ! 260 00:20:10,768 --> 00:20:13,671 離さんか! 飲み過ぎです。 やめてください! 261 00:20:13,671 --> 00:20:15,640 離せ! 泉蔵さん! 262 00:20:15,640 --> 00:20:19,026 何事だ!? 263 00:20:19,026 --> 00:20:22,947 旦那様! お教えください。 264 00:20:22,947 --> 00:20:26,634 おやえ様の婿になるのは 浩吉と聞いた。 265 00:20:26,634 --> 00:20:31,005 なぜです!? なぜ 私ではないのです!? 266 00:20:31,005 --> 00:20:40,598 奉公人のお前が 主筋の縁談に 口を挟むのか? 267 00:20:40,598 --> 00:20:43,618 私は…➡ 268 00:20:43,618 --> 00:20:47,438 私は 浩吉より はるかに長く➡ 269 00:20:47,438 --> 00:20:49,874 この久慈屋に お尽くししてきた!➡ 270 00:20:49,874 --> 00:20:53,477 その私が ふさわしくないと 言うのですか!? 271 00:20:53,477 --> 00:20:58,165 時が来ればな 奉公人一同にも➡ 272 00:20:58,165 --> 00:21:02,570 きっちりと 話をして聞かせるつもりであった。 273 00:21:02,570 --> 00:21:05,473 手代の浩吉が 跡継ぎになるのなら➡ 274 00:21:05,473 --> 00:21:07,441 これ以上 久慈屋の奉公は かなわぬ! 275 00:21:07,441 --> 00:21:09,493 (観右衛門)これ! 何を言う! 276 00:21:09,493 --> 00:21:11,779 離せ! 触るな! 277 00:21:11,779 --> 00:21:15,967 旦那様 はっきり おっしゃってください!➡ 278 00:21:15,967 --> 00:21:19,303 浩吉は 水戸本家の出。 婿にするのは➡ 279 00:21:19,303 --> 00:21:24,258 本家に 媚を売りたい 旦那様の下心ではないのですか!? 280 00:21:24,258 --> 00:21:30,998 ♬~ 281 00:21:30,998 --> 00:21:38,105 ハハハ… もう 話にならんな。 282 00:21:38,105 --> 00:21:43,778 お前の望みどおり 今日を限りに 暇を出してやろう。 283 00:21:43,778 --> 00:21:48,099 図星のようだな! や~っ! 284 00:21:48,099 --> 00:21:52,970 泉蔵 即刻 出ていきなさい! 285 00:21:52,970 --> 00:21:56,574 や~っ! 286 00:21:56,574 --> 00:21:58,643 ごめん! あっ! 287 00:21:58,643 --> 00:22:14,008 ♬~ 288 00:22:14,008 --> 00:22:16,060 どけ! 289 00:22:16,060 --> 00:22:19,580 ♬~ 290 00:22:19,580 --> 00:22:23,801 おやえ! 部屋に戻っていなさい! 291 00:22:23,801 --> 00:22:32,843 ♬~ 292 00:22:32,843 --> 00:22:36,564 (おうづ)おやえさんのお婿さんは 浩吉さんに決まったようね。 293 00:22:36,564 --> 00:22:38,633 おうづ殿の耳にも 届いておったか? 294 00:22:38,633 --> 00:22:42,203 大店の婿に入るのは 大変な苦労よ。 295 00:22:42,203 --> 00:22:48,175 昔から 互いに 身分を超えて 憎からず思っていたそうだ。 296 00:22:48,175 --> 00:22:50,895 それは 何より大事ね。 297 00:22:50,895 --> 00:22:53,597 浩吉さんは 幸せよ。 298 00:22:53,597 --> 00:22:57,735 おうづ殿には 好いた相手はおらんのか? 299 00:22:57,735 --> 00:23:01,205 ああ… いません。 300 00:23:01,205 --> 00:23:05,810 それは 困ったな。 赤目様が困る事じゃないでしょ? 301 00:23:05,810 --> 00:23:08,710 ハハハ… ごもっとも。 302 00:23:10,831 --> 00:23:14,068 好きな人ができたら 真っ先に 赤目様に知らせるわ。 303 00:23:14,068 --> 00:23:16,370 うれしい事 言ってくれるな。 304 00:23:16,370 --> 00:23:19,340 何の役にも立たんが 相談相手にはなる。 305 00:23:19,340 --> 00:23:22,109 (秀次)赤目の旦那! どうした? 306 00:23:22,109 --> 00:23:24,829 すぐに 久慈屋においでくだせえ。 307 00:23:24,829 --> 00:23:29,033 3百20両? 方々のお寺様やご大家など➡ 308 00:23:29,033 --> 00:23:32,770 これまで 支払いの滞った事のない お得意様ばかり。 309 00:23:32,770 --> 00:23:36,440 日頃 その金を扱っていたのは 泉蔵でございました。 310 00:23:36,440 --> 00:23:42,313 暇を出されたその足で 集金に参ったのでございましょう。 311 00:23:42,313 --> 00:23:45,599 泉蔵め 悪賢いまねしやがる。 312 00:23:45,599 --> 00:23:52,039 手代の頃から機転が利き 知恵の回る男でございましたが➡ 313 00:23:52,039 --> 00:23:59,730 その分 うぬぼれも強く 久慈屋の主にとの野心も湧き➡ 314 00:23:59,730 --> 00:24:05,636 おやえの婿にと 望むようにもなったのでしょう。 315 00:24:05,636 --> 00:24:13,677 赤目様 おやえの母は 産後の 肥立ちが悪くて亡くなりました。➡ 316 00:24:13,677 --> 00:24:18,699 跡取り息子も 病で亡くしてしまいました。 317 00:24:18,699 --> 00:24:28,375 あとに残ったおやえを 立派に育て よき婿を迎えて 幸せにする。➡ 318 00:24:28,375 --> 00:24:33,164 それが 息子夫婦への 何よりの供養。 319 00:24:33,164 --> 00:24:43,207 そして この久慈屋を守り抜くのが 己が務めと思うております。 320 00:24:43,207 --> 00:24:54,568 ♬~ 321 00:24:54,568 --> 00:24:59,974 しかし 泉蔵は このまま 黙って引き下がるであろうか? 322 00:24:59,974 --> 00:25:02,810 私には とても そうは思えません。 323 00:25:02,810 --> 00:25:06,110 どんな仕返しに出てくるか。 324 00:25:09,650 --> 00:25:39,363 ♬~ 325 00:25:39,363 --> 00:25:41,332 (男)あっ! 326 00:25:41,332 --> 00:25:44,018 (斬り合う音) 327 00:25:44,018 --> 00:25:47,037 えっ? 328 00:25:47,037 --> 00:25:49,037 あっ! 329 00:25:51,425 --> 00:26:00,301 この酔いどれ小籐次 少々 腹の虫を抑えかねておる。 330 00:26:00,301 --> 00:26:03,304 覚悟致せ。 331 00:26:03,304 --> 00:26:05,973 ああっ! 332 00:26:05,973 --> 00:26:09,059 うわっ! 泉蔵! 333 00:26:09,059 --> 00:26:17,301 ♬~ 334 00:26:17,301 --> 00:26:20,821 泉蔵! クソッ! 335 00:26:20,821 --> 00:26:28,045 ♬~ 336 00:26:28,045 --> 00:26:31,745 泉蔵! 血迷うたか! 337 00:26:38,272 --> 00:26:40,341 ああ~っ! 338 00:26:40,341 --> 00:26:54,104 ♬~ 339 00:26:54,104 --> 00:26:57,341 おぬし! それ以上 旦那様に近づくと➡ 340 00:26:57,341 --> 00:27:00,041 ただじゃおかない! 341 00:27:02,079 --> 00:27:06,400 ふん。 お前に 何ができる! 342 00:27:06,400 --> 00:27:10,704 ♬~ 343 00:27:10,704 --> 00:27:12,940 ≪(秀次)泉蔵! 344 00:27:12,940 --> 00:27:15,726 野郎! 待ちやがれ! 345 00:27:15,726 --> 00:27:29,039 ♬~ 346 00:27:29,039 --> 00:27:33,310 泉蔵の野郎 逃げ足が速くて まるで 鼠みてえなヤツでさぁ。 347 00:27:33,310 --> 00:27:37,164 今夜は 月明かりもない。 致し方あるまい。 348 00:27:37,164 --> 00:27:41,302 しかし あの野郎 久慈屋の旦那の命を狙うたあ➡ 349 00:27:41,302 --> 00:27:44,602 もう 情もかけちゃ いられやせんぜ。 350 00:28:02,973 --> 00:28:06,273 あっ ありがとうございます。 351 00:28:09,797 --> 00:28:12,766 お礼を言うのは 私のほうよ。 352 00:28:12,766 --> 00:28:15,703 浩吉さん おじい様の事 守ってくれたんですってね。 353 00:28:15,703 --> 00:28:20,107 いえ。 私は 奉公人として 当然の事をしたまでです。 354 00:28:20,107 --> 00:28:23,510 それに…➡ 355 00:28:23,510 --> 00:28:28,210 私は お嬢様の事を お慕い申しております。 356 00:28:32,403 --> 00:28:40,811 お嬢様 旦那様から 私を あなたの 婿にと お話がありました。 357 00:28:40,811 --> 00:28:44,865 お嬢様のお気持ちを聞きとう…。 浩吉さん。 358 00:28:44,865 --> 00:28:47,134 あっ はい。 359 00:28:47,134 --> 00:28:51,138 今日から 私の事を やえと呼んでください。 360 00:28:51,138 --> 00:28:57,861 ♬~ 361 00:28:57,861 --> 00:29:01,832 おやえ… 様。 362 00:29:01,832 --> 00:29:07,721 ♬~ 363 00:29:07,721 --> 00:29:11,508 フフフ…。 364 00:29:11,508 --> 00:29:15,562 ハハハ…。 365 00:29:15,562 --> 00:29:19,550 (浪人1)おい 泉蔵 それは ちと分が悪いぞ。➡ 366 00:29:19,550 --> 00:29:22,603 なにせ 相手は 名高き剣豪 酔いどれ小籐次だ。 367 00:29:22,603 --> 00:29:27,007 (浪人2)あやつがいる限り どうにもならん。 俺は下りるぜ。 368 00:29:27,007 --> 00:29:31,462 先生方 あっしも 二の舞はごめんです。 369 00:29:31,462 --> 00:29:34,765 なにも 真正面から 斬り込んでくれとは申しません。 370 00:29:34,765 --> 00:29:37,167 ちゃんと 策は練ってありやす。 371 00:29:37,167 --> 00:29:39,803 酔いどれの弱みは 酒です。 372 00:29:39,803 --> 00:29:45,476 1斗5升 飲み干したという 赤目小籐次が 酒に弱いと申すか? 373 00:29:45,476 --> 00:29:49,496 (泉蔵)3日後 万八楼で 酒合戦が開かれやす。 374 00:29:49,496 --> 00:29:53,333 飲み比べには 必ずや 赤目も参りやす。 375 00:29:53,333 --> 00:29:56,070 天下の酔いどれも 所詮は 人の子。 376 00:29:56,070 --> 00:29:59,690 しこたま飲んで 酔っ払えば さすがの剣も鈍る。 377 00:29:59,690 --> 00:30:02,393 そこを見計らって…。 378 00:30:02,393 --> 00:30:13,537 ♬~ 379 00:30:13,537 --> 00:30:17,741 このまま 終わらせて たまるかってんだ。 380 00:30:17,741 --> 00:30:27,017 ♬~ 381 00:30:27,017 --> 00:30:31,805 <そして 万八楼での酒合戦当日…> 382 00:30:31,805 --> 00:30:36,743 これぐらい序の口よ。 いなせだぜ。 383 00:30:36,743 --> 00:30:46,243 (歓声) 384 00:30:57,831 --> 00:31:12,431 (歓声) 385 00:31:20,804 --> 00:31:23,507 荒くれだぜ。 386 00:31:23,507 --> 00:32:13,207 ♬~ 387 00:32:21,098 --> 00:32:24,198 ♬~ 388 00:32:26,553 --> 00:32:28,853 ♬~ 389 00:32:31,308 --> 00:32:35,379 またもや お前さんと一騎打ちだ。 390 00:32:35,379 --> 00:32:38,579 負けねえぞ。 391 00:32:46,206 --> 00:32:50,106 (歓声) 392 00:32:52,462 --> 00:32:54,498 今だ! 393 00:32:54,498 --> 00:32:58,101 (浪人1)赤目小籐次 その命 もらった! 394 00:32:58,101 --> 00:33:00,137 赤目様! 395 00:33:00,137 --> 00:33:02,239 (喚声) 396 00:33:02,239 --> 00:33:07,611 おぬしら 人の酔いを邪魔しおって! 397 00:33:07,611 --> 00:33:35,739 ♬~ 398 00:33:35,739 --> 00:33:39,977 (笛の音) 399 00:33:39,977 --> 00:33:45,565 ♬~ 400 00:33:45,565 --> 00:33:47,565 (おこう)赤目様! 401 00:33:58,061 --> 00:34:00,061 赤目様! 402 00:34:05,135 --> 00:34:08,735 離せ! 離せ! 泉蔵! 403 00:34:11,124 --> 00:34:13,543 お恨み申します! 404 00:34:13,543 --> 00:34:17,464 何を恨んでおるのだ? 405 00:34:17,464 --> 00:34:25,272 旦那様 私は 自らの定めを 恨んでいるのでございます。 406 00:34:25,272 --> 00:34:31,078 おやえ様は 私が 初めて見初めたお方。 407 00:34:31,078 --> 00:34:36,500 ♬~ 408 00:34:36,500 --> 00:34:42,372 貧しい生まれでも 精進次第で いつか きっと認められる。 409 00:34:42,372 --> 00:34:46,560 それだけを信じて 努めてまいりました。 410 00:34:46,560 --> 00:34:53,033 なぜ… なぜ 人は 生まれながらに 運 不運の差があるのか。 411 00:34:53,033 --> 00:35:00,941 できる事なら 私も 浩吉のように 幸運に恵まれたかった。 412 00:35:00,941 --> 00:35:04,027 そうすれば…。 413 00:35:04,027 --> 00:35:11,468 思っても… 思っても かなわぬ夢があるのですね。 414 00:35:11,468 --> 00:35:15,989 変えたくても 変えられぬ定めが。 415 00:35:15,989 --> 00:35:43,033 ♬~ 416 00:35:43,033 --> 00:35:49,873 その嘘 知らぬ人が聞けば 同情をしてくれるが➡ 417 00:35:49,873 --> 00:35:57,264 お前の知恵 もそっと 他の人に生かせぬものかな。 418 00:35:57,264 --> 00:36:01,001 う~っ! (秀次)おい 行くぜ。 419 00:36:01,001 --> 00:36:08,101 ♬~ 420 00:36:11,044 --> 00:36:13,864 (一同)あっ! ああっ! 421 00:36:13,864 --> 00:36:16,833 旦那。 旦那。 422 00:36:16,833 --> 00:36:20,837 赤目様。 赤目様。 423 00:36:20,837 --> 00:36:22,937 (勝五郎)旦那。 424 00:36:44,978 --> 00:37:46,239 ♬~ 425 00:37:46,239 --> 00:37:48,239 おりょう殿。 426 00:38:07,644 --> 00:38:09,829 ≪(おきみ)おや? あんた もう起きてたのかい? 427 00:38:09,829 --> 00:38:12,332 ≪(勝五郎)あんな捕り物のあとで どうにも 目がさえちまってよ。 428 00:38:12,332 --> 00:38:14,367 (おきみ)あたしゃ 気が抜けて 駿ちゃん あやしてる間に➡ 429 00:38:14,367 --> 00:38:16,503 一緒に 眠っちまったよ。 (勝五郎)相変わらず ずぶてえ➡ 430 00:38:16,503 --> 00:38:18,703 神経してるな。 (おきみ)大きなお世話だよ! 431 00:38:20,707 --> 00:38:26,796 <こうして 手代の浩吉は 晴れて 番頭に抜擢された> 432 00:38:26,796 --> 00:38:30,166 浩吉 今日から 番頭になったのだから➡ 433 00:38:30,166 --> 00:38:34,166 名を 浩介と改めなさい。 434 00:38:39,843 --> 00:38:44,598 浩介。 (浩介)はい。 435 00:38:44,598 --> 00:38:48,835 おやえを頼むぞ。 436 00:38:48,835 --> 00:38:55,342 この浩介 おやえ様を 後悔 させる事は 決して致しません。 437 00:38:55,342 --> 00:39:01,781 しかし いまひとつの事を思うと 胸が押し潰されそうでございます。 438 00:39:01,781 --> 00:39:09,990 うむ。 8代目 久慈屋になる という事だな? 439 00:39:09,990 --> 00:39:12,208 はい。 440 00:39:12,208 --> 00:39:18,832 よいか? これからは この大番頭の観右衛門をはじめ➡ 441 00:39:18,832 --> 00:39:23,670 店の者たちが 厳しいしつけをしよう。 442 00:39:23,670 --> 00:39:32,329 それを 真面目に受け止め これまで以上に 精進をすれば➡ 443 00:39:32,329 --> 00:39:37,968 お前の事だ。 きっと うまくゆくぞ。 444 00:39:37,968 --> 00:39:42,856 ♬~ 445 00:39:42,856 --> 00:39:45,809 はい。 446 00:39:45,809 --> 00:39:49,212 (観右衛門) 本家の許しを頂いた上ですが➡ 447 00:39:49,212 --> 00:39:53,266 今年中にも 祝言となるかもしれませんね。 448 00:39:53,266 --> 00:39:55,301 そうすると 来年には➡ 449 00:39:55,301 --> 00:40:00,173 久慈屋に 赤子の泣き声が 響いてくる事でございましょう。 450 00:40:00,173 --> 00:40:02,208 おう おう おう! 451 00:40:02,208 --> 00:40:07,230 早く お前たちのややこを この腕に抱いてみたいものだ。 452 00:40:07,230 --> 00:40:10,233 おじい様 まだ 早うございます! 453 00:40:10,233 --> 00:40:15,505 (昌右衛門)ハハハ…。 454 00:40:15,505 --> 00:40:21,578 いや このたびも 赤目様には 一方ならぬお世話になったなぁ。 455 00:40:21,578 --> 00:40:23,813 ますます 頭が上がりませんね。 456 00:40:23,813 --> 00:40:27,250 赤目様には お礼の申しようがございません。 457 00:40:27,250 --> 00:40:33,239 うむ。 今頃は お目覚めかな? 458 00:40:33,239 --> 00:40:37,844 昨夜の あの飲みっぷりです。 まだ お休みでしょう。 459 00:40:37,844 --> 00:40:44,834 (一同の笑い声) 460 00:40:44,834 --> 00:40:50,156 (鐘の音) 461 00:40:50,156 --> 00:40:53,426 う~ん。 うん? うん? 462 00:40:53,426 --> 00:40:56,062 ああ いかん いかん。 ああ…。 463 00:40:56,062 --> 00:40:59,949 酒合戦で 飲み過ぎた。 ああ いかん。 464 00:40:59,949 --> 00:41:02,349 ここは? あっ! 465 00:41:04,571 --> 00:41:07,090 あっ…。 466 00:41:07,090 --> 00:41:09,375 ♬~ 467 00:41:09,375 --> 00:41:13,930 (水野)おりょう 今 何と申した? 468 00:41:13,930 --> 00:41:20,203 殿。 私 お暇を頂戴致したく存じます。 469 00:41:20,203 --> 00:41:22,639 何故じゃ? 470 00:41:22,639 --> 00:41:26,910 ♬~ 471 00:41:26,910 --> 00:41:33,800 自分の進むべき道を 見つけましてございます。 472 00:41:33,800 --> 00:41:36,770 <家を出る決意を固めた おりょう。➡ 473 00:41:36,770 --> 00:41:41,574 その思いは 小籐次のもとへと続いていた> 474 00:41:41,574 --> 00:41:44,010 (男)赤目小籐次と申す。 475 00:41:44,010 --> 00:41:46,563 それがしの名を かたっておるのは お前か? 476 00:41:46,563 --> 00:41:50,300 (浜造)御鑓拝借の赤目小籐次が 辻斬りをやりやがった! 477 00:41:50,300 --> 00:41:54,420 赤目様は おこうさんの 思い人であるはず。 478 00:41:54,420 --> 00:41:57,006 何もないか…。 479 00:41:57,006 --> 00:42:01,277 赤目小籐次は それがし ただ一人だ。 480 00:42:01,277 --> 00:42:07,250 ♬~ 481 00:42:07,250 --> 00:42:10,603 ♬「寂しくて悲しくて」 482 00:42:10,603 --> 00:42:20,013 ♬「ぽつんと 陽だまりの中に」 483 00:42:20,013 --> 00:42:26,603 ♬「前向きと ほほ笑みも忘れず」 484 00:42:26,603 --> 00:42:38,731 ♬「不器用な私に 言葉残した」 485 00:42:38,731 --> 00:42:45,121 ♬「人はいつか 何になるかを」 486 00:42:45,121 --> 00:42:55,415 ♬「求め目指し 歩いて行く」 487 00:42:55,415 --> 00:43:00,170 ♬「愛ください」 488 00:43:00,170 --> 00:43:08,278 ♬「大事な愛を 置いて来たんです」 489 00:43:08,278 --> 00:43:18,738 ♬「大きな愛を そう あの人の愛を」 490 00:43:18,738 --> 00:43:24,738 ♬「あの日に置いて来た」