1 00:00:57,965 --> 00:01:00,301 あ! 2 00:01:00,301 --> 00:01:04,171 大事ありませんか! 3 00:01:04,171 --> 00:01:06,171 はい。 4 00:01:07,975 --> 00:01:12,313 痛! これでは 歩けませんね。 5 00:01:12,313 --> 00:01:14,815 申し訳ありません。 6 00:01:14,815 --> 00:01:18,986 よし。 こうなったら ちょうどいい。 7 00:01:18,986 --> 00:01:21,286 腹をくくるまで。 8 00:01:32,933 --> 00:01:37,771 ほう ついに観念したか。 9 00:01:37,771 --> 00:01:41,609 連れが けがをし これ以上 進めませぬゆえ➡ 10 00:01:41,609 --> 00:01:43,944 この場にて 尋常に勝負致します。 11 00:01:43,944 --> 00:01:46,614 盗人猛々しいとは この事だ。 12 00:01:46,614 --> 00:01:50,484 人の女房をさらって 3年も逃げ回ったあげく➡ 13 00:01:50,484 --> 00:01:53,487 尋常に勝負とは片腹痛い。 14 00:01:53,487 --> 00:01:58,125 殿様より 妻敵討ちのお許しは頂いておる。 15 00:01:58,125 --> 00:02:00,160 不義密通は死罪。 16 00:02:00,160 --> 00:02:05,466 うぬが命も 今日が最後と覚悟せよ。 17 00:02:05,466 --> 00:02:08,466 では お願い致す。 18 00:02:10,137 --> 00:02:14,808 私一人を相手に 助太刀が2人ですか。 うるさい! 19 00:02:14,808 --> 00:02:18,646 こやつ 見た目に似ず 示現流の使い手。 20 00:02:18,646 --> 00:02:21,682 お気を付け下され! 21 00:02:21,682 --> 00:02:28,656 神守幹次郎と申す。 自得ながら 薩摩示現流。 22 00:02:28,656 --> 00:02:30,591 お相手致す! 23 00:02:30,591 --> 00:02:38,265 ほう 示現流か。 拙者は脇谷勘兵衛。 小野派一刀流。 24 00:02:38,265 --> 00:02:46,465 拙者は 佐々木友之進。 飛雲心刀流。 25 00:02:50,277 --> 00:02:52,212 幹殿! 26 00:02:52,212 --> 00:03:04,792 ♬~ 27 00:03:04,792 --> 00:03:09,296 (悲鳴) 28 00:03:09,296 --> 00:03:41,929 ♬~ 29 00:03:41,929 --> 00:03:43,864 でや~! 30 00:03:43,864 --> 00:03:55,476 ♬~ 31 00:03:55,476 --> 00:04:01,615 あ… おっ おのれ! 32 00:04:01,615 --> 00:04:03,550 キエ~ッ! 33 00:04:03,550 --> 00:04:08,489 この不貞者! このまま 生きておれると思うな。 34 00:04:08,489 --> 00:04:13,127 必ず討ち果たす! 35 00:04:13,127 --> 00:04:20,627 ♬~ 36 00:04:34,248 --> 00:04:41,248 ♬~ 37 00:04:45,759 --> 00:04:48,095 ただいま戻りました。 38 00:04:48,095 --> 00:04:51,765 お帰りなさいまし。 どうですか? お仕事は。 39 00:04:51,765 --> 00:04:56,103 いや 普請場の仕事です。 なんとか やれそうです。 40 00:04:56,103 --> 00:04:59,103 それは よかった。 41 00:05:00,774 --> 00:05:07,648 ここに 腰を落ち着けて 暮らせたらよいのですが。 42 00:05:07,648 --> 00:05:11,785 苦労をかけて すいません。 43 00:05:11,785 --> 00:05:13,821 何を謝るのです。 44 00:05:13,821 --> 00:05:19,660 元はと言えば 某の向こう見ずのせいで。 45 00:05:19,660 --> 00:05:21,795 そうですね。 46 00:05:21,795 --> 00:05:26,967 あなたの向こう見ずは あのころから 筋金入りでした。 47 00:05:26,967 --> 00:05:33,740 <私 中野汀女と 2歳年下の 神守幹次郎殿の2人は➡ 48 00:05:33,740 --> 00:05:36,243 九州は豊後の岡藩で➡ 49 00:05:36,243 --> 00:05:39,913 共に 下級武士の家に生まれました。➡ 50 00:05:39,913 --> 00:05:46,420 貧しい暮らしの中 仲良く育った 幼なじみです> 51 00:05:46,420 --> 00:05:49,620 (歓声) 52 00:05:51,258 --> 00:05:53,594 そうしているのを見ると➡ 53 00:05:53,594 --> 00:05:58,432 お二人は もう すっかり 若夫婦のようですね! 54 00:05:58,432 --> 00:06:02,232 何を言うか! からかうんじゃありません! 55 00:06:03,937 --> 00:06:07,808 <いつも そばにいた私たち。➡ 56 00:06:07,808 --> 00:06:16,450 でも そんな暮らしに 終わりを告げる日が来ました。➡ 57 00:06:16,450 --> 00:06:23,624 私の父に金を貸している 納戸頭 藤村壮五郎のもとへ➡ 58 00:06:23,624 --> 00:06:29,924 借金の帳消しを条件に 嫁ぐ事になったのです> 59 00:06:40,908 --> 00:06:43,908 (壮五郎)早う! 60 00:06:49,583 --> 00:06:53,754 父親が 藤村殿に借金して 返せなくなったそうだ。➡ 61 00:06:53,754 --> 00:06:57,591 それで 娘を嫁に差し出したという訳だ。 62 00:06:57,591 --> 00:07:01,261 侍が金貸しか。 世も末だな。➡ 63 00:07:01,261 --> 00:07:07,434 もらわれていく娘は つまり 借金のカタか。 64 00:07:07,434 --> 00:07:10,938 めでたいな。 65 00:07:10,938 --> 00:07:29,122 ♬~ 66 00:07:29,122 --> 00:07:31,458 旦那様 お帰りなさいませ。 67 00:07:31,458 --> 00:07:34,361 <嫁入りから1年> 68 00:07:34,361 --> 00:07:37,731 全く ご家老の気まぐれには 腹が立つ! 69 00:07:37,731 --> 00:07:40,233 急に茶会を開くなどと➡ 70 00:07:40,233 --> 00:07:42,903 支度する者の身にも なってほしいもの…。 71 00:07:42,903 --> 00:07:44,838 直しとけと 言ったはずではないか! 72 00:07:44,838 --> 00:07:47,240 お許し下さい。 大工に申しつけたのですが➡ 73 00:07:47,240 --> 00:07:50,143 明日になると言われて…。 74 00:07:50,143 --> 00:07:56,343 30両で買われた女の分際で 口答えするな! 75 00:07:58,585 --> 00:08:04,091 <これが 私の日々の暮らしでした> 76 00:08:04,091 --> 00:08:09,896 当てつけのように アザなど作りよって! 77 00:08:09,896 --> 00:08:13,600 旦那様。 何だ? 78 00:08:13,600 --> 00:08:17,771 明日 観音寺の 俳諧の集まりに行っても➡ 79 00:08:17,771 --> 00:08:19,706 よろしゅうございますか? 80 00:08:19,706 --> 00:08:22,442 何で そんなものに? 81 00:08:22,442 --> 00:08:25,479 こちらに来る前に 通っておりました。 82 00:08:25,479 --> 00:08:31,618 久しぶりに 来ないかと 誘われておりまして。 83 00:08:31,618 --> 00:08:34,221 俳諧か…。 84 00:08:34,221 --> 00:08:42,221 金がかかる事でもあるまい。 まあ いいだろう。 85 00:08:44,231 --> 00:08:47,134 私が 手ほどきを? (先生)さよう。 86 00:08:47,134 --> 00:08:51,738 あなたは 我が門弟の中でも 特に秀でておられる。 87 00:08:51,738 --> 00:08:54,775 新しい門弟に 手ほどきをしてくれる者を➡ 88 00:08:54,775 --> 00:08:58,245 ちょうど 捜していたのです。 89 00:08:58,245 --> 00:09:01,445 でも まだ 私は…。 90 00:09:03,917 --> 00:09:07,917 新しい門弟とは…。 91 00:09:10,257 --> 00:09:14,557 よろしくお願い致します。 92 00:09:16,129 --> 00:09:20,267 あね様が嫁に行かれて もう1年もたつのに➡ 93 00:09:20,267 --> 00:09:26,606 一度も里帰りが許されぬと 聞きましたが どうしてですか? 94 00:09:26,606 --> 00:09:30,777 それは…➡ 95 00:09:30,777 --> 00:09:38,477 旦那様も いろいろと忙しくて 私が家を空ける訳にも。 96 00:09:42,422 --> 00:09:47,727 つらい暮らしを しておられるのではありませぬか。 97 00:09:47,727 --> 00:09:53,727 いえ。 私は大丈夫です。 98 00:09:56,736 --> 00:10:02,242 お元気そうで 安心しました。 99 00:10:02,242 --> 00:10:07,080 まさか 幹殿が俳諧に興味があるとは…。 100 00:10:07,080 --> 00:10:09,583 毛頭ございません。 101 00:10:09,583 --> 00:10:13,253 え? あきれた…。 102 00:10:13,253 --> 00:10:19,126 (笑い声) 103 00:10:19,126 --> 00:10:25,432 今日は 久しぶりに笑いました。 104 00:10:25,432 --> 00:10:31,238 家では 笑っていないのですか? 105 00:10:31,238 --> 00:10:37,144 アザを隠していますね。 106 00:10:37,144 --> 00:10:41,444 大丈夫と言ったのは ウソですね。 107 00:10:44,618 --> 00:10:49,789 借金のカタに嫁に行くなんて まるで 人身御供だ。 108 00:10:49,789 --> 00:10:57,531 それで 母と妹が無事ならば 私は…。 109 00:10:57,531 --> 00:10:59,531 旦那様? 110 00:11:03,803 --> 00:11:06,306 2人で何をしておる!? 111 00:11:06,306 --> 00:11:09,342 何も。 俳諧の集まりの帰りです。 112 00:11:09,342 --> 00:11:12,479 それを口実に 逢い引きしておったのだろう!? 113 00:11:12,479 --> 00:11:14,514 急に俳諧などと言うから➡ 114 00:11:14,514 --> 00:11:17,984 怪しいと思って来てみれば 案の定 これだ。 115 00:11:17,984 --> 00:11:22,656 所詮 貧乏侍の娘。 お里が知れるとは この事だ! 116 00:11:22,656 --> 00:11:24,591 聞き捨てなりません。 117 00:11:24,591 --> 00:11:26,891 こんなもの! 118 00:11:29,329 --> 00:11:33,029 行くぞ! ほら 来い! 119 00:11:34,601 --> 00:11:37,301 早う来い! 120 00:11:39,272 --> 00:11:42,943 どけ。 この厩役風情が! 121 00:11:42,943 --> 00:11:44,878 風情とは心外。 122 00:11:44,878 --> 00:11:48,815 13石とはいえ 主君より 代々拝命したる大事なお役目。 123 00:11:48,815 --> 00:11:52,285 取り消して頂きたい。 うるさい! 124 00:11:52,285 --> 00:11:54,221 でや~! 125 00:11:54,221 --> 00:12:02,021 (悲鳴) 126 00:12:03,797 --> 00:12:06,297 旦那様! 127 00:12:08,668 --> 00:12:11,168 旦那様! 128 00:12:12,973 --> 00:12:15,308 旦那様! 旦那様! 129 00:12:15,308 --> 00:12:21,181 気を失ってるだけです。 すぐに目を覚ますでしょう。 130 00:12:21,181 --> 00:12:27,320 あなたは お帰り下さい。 目を覚ましたら 何をされるか…。 131 00:12:27,320 --> 00:12:32,158 あね様を残して行けません。 でも…! 132 00:12:32,158 --> 00:12:37,597 よし。 こうなったら しかたない。 133 00:12:37,597 --> 00:12:42,269 どうなさるおつもりですか!? 134 00:12:42,269 --> 00:12:47,941 駆け落ちしましょう。 えっ 誰が? 135 00:12:47,941 --> 00:12:53,813 無論 あなたと某です。 え!? 136 00:12:53,813 --> 00:12:57,113 嫌ですか? 137 00:12:58,952 --> 00:13:02,455 あなたは 神守家の跡取りなんですよ。 138 00:13:02,455 --> 00:13:04,791 そんな軽はずみな! 家の事を考えて。 139 00:13:04,791 --> 00:13:06,826 たかが 13石の家など どうでもいい! 140 00:13:06,826 --> 00:13:11,665 さっきと 言ってる事が違います! そうですか? 141 00:13:11,665 --> 00:13:16,965 さあ 急ぎ支度をし 町を出ましょう。 142 00:13:20,807 --> 00:13:26,313 この際だから申しますが ずっと 昔から お慕いしておりました。 143 00:13:26,313 --> 00:13:30,483 この際は余計です。 申し訳ありません。 144 00:13:30,483 --> 00:13:33,086 もう一つ…。 何ですか? 145 00:13:33,086 --> 00:13:38,591 慕っていてくれたのなら もっと早く助け出して下さい! 146 00:13:38,591 --> 00:13:49,302 ♬~ 147 00:13:49,302 --> 00:13:53,139 遅くなりました。 148 00:13:53,139 --> 00:13:56,609 行きましょう。 149 00:13:56,609 --> 00:14:08,809 ♬~ 150 00:14:14,627 --> 00:14:18,465 信一郎…。 姉上! 151 00:14:18,465 --> 00:14:20,400 どうした? 152 00:14:20,400 --> 00:14:24,971 壮五郎殿が 姉上を捜して うちに来ました! 153 00:14:24,971 --> 00:14:26,906 お二人を見たかと 聞かれましたので➡ 154 00:14:26,906 --> 00:14:29,476 反対の方角を教えておきました。 155 00:14:29,476 --> 00:14:35,081 しばらくは 時が稼げましょう。 かたじけない。 156 00:14:35,081 --> 00:14:40,081 幹次郎殿 よくぞ…! 157 00:14:43,256 --> 00:14:49,129 姉上を よろしくお願い致します。 158 00:14:49,129 --> 00:14:52,129 分かった。 159 00:14:55,268 --> 00:14:57,203 そのような事! 160 00:14:57,203 --> 00:15:00,903 私は うれしいのです。 161 00:15:05,278 --> 00:15:08,181 ありがとうございます。 162 00:15:08,181 --> 00:15:15,381 では… 代わりに これを。 163 00:15:17,290 --> 00:15:19,959 はい。 164 00:15:19,959 --> 00:15:24,159 さあ 早く! 165 00:15:26,299 --> 00:15:28,968 お幸せに…。 166 00:15:28,968 --> 00:15:37,777 ♬~ 167 00:15:37,777 --> 00:15:45,251 <こうして 私たちの旅が始まりました。➡ 168 00:15:45,251 --> 00:15:49,589 私たちは 人目の多い東海道を避け➡ 169 00:15:49,589 --> 00:15:56,463 北国街道を海沿いに 北へ北へと逃げました> 170 00:15:56,463 --> 00:16:28,795 ♬~ 171 00:16:28,795 --> 00:16:35,902 <幹次郎殿は そんな中でも 剣の鍛錬を怠りませんでした。➡ 172 00:16:35,902 --> 00:16:42,408 幼い頃 旅の武芸者から 薩摩 示現流を伝授された幹次郎殿は➡ 173 00:16:42,408 --> 00:16:48,081 更に 眼志流居合を 自ら会得したのです> 174 00:16:48,081 --> 00:16:55,281 ♬~ 175 00:16:56,789 --> 00:16:58,791 もう3年…。 176 00:16:58,791 --> 00:17:05,265 出雲から丹後 越後と いろいろな所を旅してきました。 177 00:17:05,265 --> 00:17:08,768 ずっと 追っ手におびえながら 逃げる暮らし…➡ 178 00:17:08,768 --> 00:17:12,438 後悔していませんか? とんでもない! 179 00:17:12,438 --> 00:17:16,943 30両の女と言われながら 藤村の家で暮らす事に比べたら➡ 180 00:17:16,943 --> 00:17:18,878 毎日が楽しい。 181 00:17:18,878 --> 00:17:23,616 まるで 幼い頃 一緒に遊んでいた 日々が戻ってきたようです。 182 00:17:23,616 --> 00:17:27,487 天下を股に掛けた 鬼ごっこを してるようなものですな。 183 00:17:27,487 --> 00:17:30,290 (笑い声) 184 00:17:30,290 --> 00:17:36,095 あなたの笑顔を見ると 安心します。 185 00:17:36,095 --> 00:17:38,731 笑うくらい たやすい事。 186 00:17:38,731 --> 00:17:44,431 明るい気持ちでいれば この先も なんとかなるでしょう。 187 00:17:51,911 --> 00:17:55,782 帰ってたのかい! うむ。 どうしました? 188 00:17:55,782 --> 00:17:59,652 今日ね ご城下に青物を売りに行ったら➡ 189 00:17:59,652 --> 00:18:04,090 あんたたちの事を聞いてる お侍を見かけたよ。 190 00:18:04,090 --> 00:18:07,961 近頃 侍の若夫婦が 逃げるようにやって来て➡ 191 00:18:07,961 --> 00:18:10,597 この界わいで暮らし始めた ような事はないかって➡ 192 00:18:10,597 --> 00:18:13,499 聞いてたよ。 その男は 一人でしたか? 193 00:18:13,499 --> 00:18:18,338 それがね 随分と若いお侍を連れてたよ。 194 00:18:18,338 --> 00:18:24,944 えっ 若い侍? ヒョロ~ッとした ちょっと頼りなさそうな…。 195 00:18:24,944 --> 00:18:28,281 (戸を閉める音) 196 00:18:28,281 --> 00:18:31,951 どうかしましたか? 197 00:18:31,951 --> 00:18:37,223 もしや… その若侍とは 信一郎の事では。 198 00:18:37,223 --> 00:18:41,728 信一郎!? どうして 壮五郎が あなたの弟を…。 199 00:18:41,728 --> 00:18:47,228 まさか 実家に 何か 言いがかりをつけて 無理やり? 200 00:18:48,901 --> 00:18:52,405 <私たちは 信一郎を捜すため➡ 201 00:18:52,405 --> 00:18:57,577 甲州を経て 東海道へ向かったのです> 202 00:18:57,577 --> 00:19:01,914 久しぶりだな。 幹さん どうして!? シッ! 203 00:19:01,914 --> 00:19:06,252 殿様ご帰国のお行列が そろそろ通るはずだと思ってな。 204 00:19:06,252 --> 00:19:09,155 はあ。 主や お行列に先立って➡ 205 00:19:09,155 --> 00:19:11,591 各宿場の手配をする役に なりまして➡ 206 00:19:11,591 --> 00:19:13,591 そのお供で参りました。 207 00:19:15,261 --> 00:19:21,134 お久しゅうございます。 お元気そうで 何より。 208 00:19:21,134 --> 00:19:24,604 我らの身内は どうしておりますか? 209 00:19:24,604 --> 00:19:26,639 ご両家とも ご無事です。 210 00:19:26,639 --> 00:19:32,712 お役御免になりましたが なんとか 暮らしておられます。 211 00:19:32,712 --> 00:19:35,548 わしらのような下っ端の者は➡ 212 00:19:35,548 --> 00:19:39,719 幹さんたちには よくぞなさったと思ってまさあ。 213 00:19:39,719 --> 00:19:44,223 お二人のお身内を それとなく お世話する者もおります。 214 00:19:44,223 --> 00:19:51,097 そうか。 ありがたい。 それより 信一郎の事だが…。 215 00:19:51,097 --> 00:19:56,803 あっ そうなんです! 壮五郎様に 無理やり 養子縁組みさせられて➡ 216 00:19:56,803 --> 00:19:59,238 妻敵討ちに連れ出されたようです。 217 00:19:59,238 --> 00:20:02,575 いつか 信一郎殿が 一緒にいる事が分かれば➡ 218 00:20:02,575 --> 00:20:09,749 お二人が自ら姿を現す…。 そういう もくろみでしょうな。 219 00:20:09,749 --> 00:20:12,652 壮五郎たちは 今 どこにいる? 220 00:20:12,652 --> 00:20:17,256 江戸です。 江戸か…。 221 00:20:17,256 --> 00:20:19,192 江戸…。 222 00:20:19,192 --> 00:20:23,062 信一郎殿は そんな暮らしに嫌気が差して➡ 223 00:20:23,062 --> 00:20:26,599 吉原に 初音とかいう なじみの女をつくって➡ 224 00:20:26,599 --> 00:20:30,103 しきりと通っているらしいです。 吉原? 225 00:20:30,103 --> 00:20:34,273 すごい所ですぜ 吉原は。 行った事があるのか? 226 00:20:34,273 --> 00:20:37,610 そりゃまあ 江戸勤めの者にとっちゃあ➡ 227 00:20:37,610 --> 00:20:41,481 たった一つの楽しみですから。 228 00:20:41,481 --> 00:20:44,283 あっ いや…。 229 00:20:44,283 --> 00:20:46,219 よし! 230 00:20:46,219 --> 00:20:49,956 江戸に行く。 えっ そんなに 吉原が見たいですか? 231 00:20:49,956 --> 00:20:53,626 バカ! 信一郎を助けるんだよ。 232 00:20:53,626 --> 00:20:58,498 その… 初音とかいう女と会うのが 一番早いでしょう。 233 00:20:58,498 --> 00:21:02,335 あっ それでは 壮五郎様の思うつぼです。 234 00:21:02,335 --> 00:21:06,139 腕のいい助っ人を雇って 待ち構えているに違いありません。 235 00:21:06,139 --> 00:21:11,811 分かってる。 しかし 我らを あんなに案じてくれた信一郎を➡ 236 00:21:11,811 --> 00:21:16,315 助けない訳にはいきません。 237 00:21:16,315 --> 00:21:20,315 ありがとうございます。 238 00:21:22,655 --> 00:21:25,491 <こうして 私たちは➡ 239 00:21:25,491 --> 00:21:30,997 初めて 江戸に足を踏み入れたのです> 240 00:21:30,997 --> 00:21:39,605 ♬~ 241 00:21:39,605 --> 00:21:44,277 <吉原は 幕府公認の遊郭です。➡ 242 00:21:44,277 --> 00:21:50,477 ここには3,000人もの遊女がいると いわれています> 243 00:21:52,151 --> 00:21:58,457 よっ 薄墨太夫! 待ってました! 244 00:21:58,457 --> 00:22:07,800 ♬~ 245 00:22:07,800 --> 00:22:11,971 よっ 待ってました! 美しいね! 246 00:22:11,971 --> 00:22:15,308 <この人の名は薄墨太夫。➡ 247 00:22:15,308 --> 00:22:19,645 吉原3,000人ともいわれる 遊女たちの頂点に立つ➡ 248 00:22:19,645 --> 00:22:24,445 まさに 吉原の華でした> 249 00:22:26,319 --> 00:22:34,319 <幹次郎殿と薄墨太夫の 出会いでした> 250 00:22:37,763 --> 00:22:41,267 いらっしゃい。 あっ 毎度! 251 00:22:41,267 --> 00:22:45,771 初音と会いたい。 初音ですかい? 今なら もっと いい子がいますよ。 252 00:22:45,771 --> 00:22:50,643 いや 初音で。 へい。 お一人様 ご案内! 253 00:22:50,643 --> 00:22:53,143 へい どうぞ。 254 00:22:54,947 --> 00:22:57,647 いらっしゃいませ。 255 00:22:59,285 --> 00:23:01,285 へい こちら。 256 00:23:07,960 --> 00:23:14,300 わちきが 初音でござんす。 神守と申す。 257 00:23:14,300 --> 00:23:19,639 自分から名乗るお方とはまあ 初めて お目にかかりんす。 258 00:23:19,639 --> 00:23:24,510 そうか。 主は 江戸の方でござんすか? 259 00:23:24,510 --> 00:23:29,815 長く旅をしておった。 260 00:23:29,815 --> 00:23:33,252 それは 難儀な事でござんした。 261 00:23:33,252 --> 00:23:39,752 当分は 江戸で ゆるりとおしなんし。 262 00:23:42,261 --> 00:23:45,164 うぶな方におざりいすね。 263 00:23:45,164 --> 00:23:49,602 そなた 信一郎を知っているな。 264 00:23:49,602 --> 00:23:51,537 え? 265 00:23:51,537 --> 00:23:56,943 某は 信一郎の義理の兄だ。 266 00:23:56,943 --> 00:24:00,613 じゃあ もしや 幹次郎さん? 267 00:24:00,613 --> 00:24:02,949 某の事を知っているのか? 268 00:24:02,949 --> 00:24:06,452 幼い頃から 兄のように 慕っていた方がいると。 269 00:24:06,452 --> 00:24:12,325 信さんのお姉さんを助け出して 逃げたんでしょ? 命を懸けて! 270 00:24:12,325 --> 00:24:19,525 そんな事も話す仲なのか…。 271 00:24:21,300 --> 00:24:28,000 信さんにはね 私が惚れたの。 272 00:24:40,586 --> 00:24:47,259 信一郎は 今 どこにいる? 273 00:24:47,259 --> 00:24:56,435 信さん 自分の事は 何も話してくれないのよ。 274 00:24:56,435 --> 00:25:02,241 ただ いつも 悲しそうな目をして…。 275 00:25:02,241 --> 00:25:07,947 私が 身の上話をしたら 泣いてくれたわ。 276 00:25:07,947 --> 00:25:12,947 そんな人 初めてだった。 277 00:25:15,287 --> 00:25:22,587 信一郎が来たら 我らが江戸にいると伝えてくれ。 278 00:25:34,774 --> 00:25:40,246 女切手! 女切手! 279 00:25:40,246 --> 00:25:44,917 <吉原の中と外を隔てるもの…➡ 280 00:25:44,917 --> 00:25:49,789 それは 高い塀だけでは ありませんでした。➡ 281 00:25:49,789 --> 00:25:52,591 大門を通行する女たちに➡ 282 00:25:52,591 --> 00:25:56,462 女切手と呼ばれる通行証を 発行する事で➡ 283 00:25:56,462 --> 00:26:02,935 四郎兵衛会所は 遊女の足抜きを 厳しく見張っていたのです。➡ 284 00:26:02,935 --> 00:26:07,606 そして 四郎兵衛会所の向かいには➡ 285 00:26:07,606 --> 00:26:12,478 町方同心の番所が 置かれていました> 286 00:26:12,478 --> 00:26:20,953 ♬~ 287 00:26:20,953 --> 00:26:24,790 <この方は 四郎兵衛様といいます。➡ 288 00:26:24,790 --> 00:26:28,461 吉原を仕切り 廓の掟を守らせる➡ 289 00:26:28,461 --> 00:26:33,461 四郎兵衛会所の七代目頭取です> 290 00:26:35,734 --> 00:26:38,571 暴れるな! 291 00:26:38,571 --> 00:26:43,409 これは 村崎様。 随分 にぎわっているな。 292 00:26:43,409 --> 00:26:47,580 ええ。 今日は スリが2件と ケンカが1件だけでございますから。 293 00:26:47,580 --> 00:26:51,450 そうか。 万事 抜かりなきよう計らえ。 294 00:26:51,450 --> 00:26:55,454 何かあったら お奉行様ご面目に関わる。 295 00:26:55,454 --> 00:26:58,754 へい。 心得ております。 296 00:27:03,129 --> 00:27:07,266 どうぞ。 これは 日頃の お礼でございますから。 どうぞ。 297 00:27:07,266 --> 00:27:11,604 これは すまんのう。 いえいえ。 298 00:27:11,604 --> 00:27:15,941 <四郎兵衛様は 向かいにある町方同心の番所が➡ 299 00:27:15,941 --> 00:27:18,277 半ば お飾りになっているため➡ 300 00:27:18,277 --> 00:27:25,477 四郎兵衛会所のために働く 腕の立つ者を捜していました> 301 00:27:28,454 --> 00:27:32,224 それで 初音さんとは どのような人なのですか? 302 00:27:32,224 --> 00:27:34,894 まだ 純なところを残している。 303 00:27:34,894 --> 00:27:39,732 信一郎の事を 本気で好きなようです。 そう…。 304 00:27:39,732 --> 00:27:42,234 いつか 信一郎が助け出してくれて➡ 305 00:27:42,234 --> 00:27:47,234 一緒に逃げ出してくれる事を 夢みていると言っていました。 306 00:27:50,109 --> 00:27:55,581 その人… 私と同じ。 307 00:27:55,581 --> 00:27:58,083 一家のために 身を捨てて…。 308 00:27:58,083 --> 00:28:05,083 私も あなたに連れ出される事を 夢みていました。 309 00:28:10,262 --> 00:28:15,100 どうしました? いえ…。 310 00:28:15,100 --> 00:28:19,605 信一郎が 本当に その人を助け出して➡ 311 00:28:19,605 --> 00:28:25,778 逃げようとするのではないかと ふと…。 312 00:28:25,778 --> 00:28:28,681 ♬~(三味線) 313 00:28:28,681 --> 00:28:35,221 (篠崎)…で その幹次郎という男 そんなに強いか? 314 00:28:35,221 --> 00:28:41,560 貧乏侍のくせに いつの間に 覚えたのか 薩摩示現流の使い手。 315 00:28:41,560 --> 00:28:45,431 幹次郎殿は いかに貧乏暮らしでも 毎日 稽古を欠かしませんでした。 316 00:28:45,431 --> 00:28:48,901 地位にあぐらをかく 形ばかりの侍とは違います。 317 00:28:48,901 --> 00:28:52,201 偉そうな事を言うな! 318 00:28:54,240 --> 00:28:59,040 吉原で 憂さでも晴らしてこい! 319 00:29:08,587 --> 00:29:12,424 俺も 吉原へ行きたい。 ふざけるな! 320 00:29:12,424 --> 00:29:15,461 親切で吉原に行く金を やっているのではない。 321 00:29:15,461 --> 00:29:21,433 あいつが吉原に通っている噂を 家中の隅々に流しておいた。 322 00:29:21,433 --> 00:29:25,604 幹次郎が それを知れば きっと あいつに会いに来る。 323 00:29:25,604 --> 00:29:29,475 そこに 罠を張るのだ。 そういう事か。 324 00:29:29,475 --> 00:29:31,944 若造に コケにされた上に➡ 325 00:29:31,944 --> 00:29:38,550 ご家老様に 満座の中で罵倒されて 妻敵討ちを命じられ➡ 326 00:29:38,550 --> 00:29:42,888 あの2人の首を持って帰らぬ限り お家に帰参はかなわぬ! 327 00:29:42,888 --> 00:29:47,059 たかが 30両で買った女に こんな目に遭わされるとは➡ 328 00:29:47,059 --> 00:29:50,896 全く勘定に合わんわ! 329 00:29:50,896 --> 00:30:03,475 ♬~ 330 00:30:03,475 --> 00:30:08,475 幹殿! 今 初音さんの使いの方が…。 331 00:30:10,249 --> 00:30:15,421 「信様より今日参るとの知らせあり 取り急ぎ 初音」。 332 00:30:15,421 --> 00:30:19,291 今日…。 急がねば! 333 00:30:19,291 --> 00:30:23,095 えっ 今 何と? 334 00:30:23,095 --> 00:30:25,030 ここを出るんだ。 335 00:30:25,030 --> 00:30:31,770 そんな… 足抜きなんて! もし 見つかったら…。 336 00:30:31,770 --> 00:30:38,544 手引きしてくれる男がいる。 金を払って 請け負ってもらった。 337 00:30:38,544 --> 00:30:44,483 怖い…。 大丈夫だ。 338 00:30:44,483 --> 00:30:49,788 でも 幹次郎様が…。 えっ 幹次郎殿が!? 339 00:30:49,788 --> 00:30:54,960 こないだ ここへ来たわ。 私たちの力になって下さるって。 340 00:30:54,960 --> 00:30:56,895 ますます 逃げなければ! 341 00:30:56,895 --> 00:31:01,834 私たちは 姉上たちをおびき出す 罠に利用される。 342 00:31:01,834 --> 00:31:04,834 え? 343 00:31:10,309 --> 00:31:19,309 逃げよう。 逃げて 2人で どこかで幸せに…。 344 00:31:31,597 --> 00:31:39,597 ♬~(三味線) 345 00:31:44,943 --> 00:31:48,280 ♬~(三味線) 346 00:31:48,280 --> 00:31:51,780 ここで 待っていて下さい。 347 00:32:07,299 --> 00:32:09,968 イテテテテッ! 何しやがる! 348 00:32:09,968 --> 00:32:13,005 お前が 芸人たちを使って 足抜きの手引きをした事は➡ 349 00:32:13,005 --> 00:32:15,841 調べがついてんだよ! 知らねえよ! 350 00:32:15,841 --> 00:32:18,977 (清次)すいません! 芸人なら さっき通りやした! 351 00:32:18,977 --> 00:32:20,913 何だと! 352 00:32:20,913 --> 00:32:24,613 (長吉)人を集めるんだ! (一同)へい! 353 00:32:28,153 --> 00:32:32,953 遅かったようです。 え? 捜しましょう。 354 00:32:37,262 --> 00:32:40,462 この先に 舟がつないである。 もう少しだ! 355 00:32:48,273 --> 00:32:52,144 ふざけたマネを…。 356 00:32:52,144 --> 00:32:56,844 ハハ~ッ! 何をする気だ? 357 00:33:00,786 --> 00:33:02,786 あ! 358 00:33:05,290 --> 00:33:07,490 でや~! 359 00:33:22,708 --> 00:33:25,310 あ… 姉上! 信一郎! 360 00:33:25,310 --> 00:33:29,147 おあつらえ向きに現れたな。 361 00:33:29,147 --> 00:33:31,083 その2人を離せ。 362 00:33:31,083 --> 00:33:36,583 おとなしく討たれよ! そうすれば こいつらに用はない。 363 00:33:43,795 --> 00:33:48,795 よし… 分かった。 364 00:34:10,622 --> 00:34:13,622 動くな! 365 00:34:22,234 --> 00:34:25,971 うわ~! (壮五郎)おのれ! 366 00:34:25,971 --> 00:34:28,307 初音! 貴様! 367 00:34:28,307 --> 00:34:30,307 ええ~い! 368 00:34:31,977 --> 00:34:35,247 うわ~! 369 00:34:35,247 --> 00:34:37,947 信一郎! 370 00:34:39,585 --> 00:35:22,160 ♬~ 371 00:35:22,160 --> 00:35:24,162 ぐわっ! 372 00:35:24,162 --> 00:35:34,740 ♬~ 373 00:35:34,740 --> 00:35:37,576 うわ~! 待て! 374 00:35:37,576 --> 00:35:39,511 信一郎! 375 00:35:39,511 --> 00:35:42,748 信一郎 信一郎! 376 00:35:42,748 --> 00:35:45,250 信一郎!? 377 00:35:45,250 --> 00:35:49,087 あ… 姉上➡ 378 00:35:49,087 --> 00:35:52,924 お… お久しゅうございます。 379 00:35:52,924 --> 00:35:57,262 幹次郎様も…。 しっかりしろ! 380 00:35:57,262 --> 00:36:00,932 私のために こんな目に…! 381 00:36:00,932 --> 00:36:09,932 あ… 姉上のせいでは… ご… ございません。 382 00:36:12,277 --> 00:36:19,977 私が弱いばかりに… 初… 初音を。 383 00:36:25,791 --> 00:36:29,294 み… 幹次郎殿…。 何だ? 384 00:36:29,294 --> 00:36:35,567 姉上を… た… 頼みます。 385 00:36:35,567 --> 00:36:43,909 幹次郎殿は… 私のように弱くない。 だから…。 386 00:36:43,909 --> 00:36:46,244 何を言ってんだ。 387 00:36:46,244 --> 00:36:48,914 お前が あの時 勇気づけてくれた。 388 00:36:48,914 --> 00:36:53,214 だから 我らは これまで生き抜いてこられたんだ。 389 00:36:59,558 --> 00:37:05,758 お… お返しする時が 来たようです。 390 00:37:11,937 --> 00:37:14,606 バカ野郎! 391 00:37:14,606 --> 00:37:20,278 死ぬな! 生きろ! 392 00:37:20,278 --> 00:37:29,287 ♬~ 393 00:37:29,287 --> 00:37:32,891 は… 初音。 394 00:37:32,891 --> 00:38:27,145 ♬~ 395 00:38:27,145 --> 00:38:29,147 (仙右衛門)おい。 へい。 396 00:38:29,147 --> 00:38:33,218 何をする!? この女は 吉原の遊女なんでね➡ 397 00:38:33,218 --> 00:38:36,254 うちで引き取りやす。 そんな! 2人を引き離すのか!? 398 00:38:36,254 --> 00:38:39,724 そんな事 言われましてもね。 399 00:38:39,724 --> 00:38:46,398 お頼み申す! このまま 2人を一緒に! 400 00:38:46,398 --> 00:38:48,333 お願い致します! 401 00:38:48,333 --> 00:38:51,903 お願いされたって 困るんだよ! 402 00:38:51,903 --> 00:38:56,575 これだけ頼んでも 駄目だって言うのかよ。 ええ!? 403 00:38:56,575 --> 00:38:59,875 何だ この野郎! 待ちなさい。 404 00:39:06,284 --> 00:39:10,755 この2人 一緒に葬ってやんなさい。 405 00:39:10,755 --> 00:39:16,628 しかし この男は 女を 足抜けさせようとしたんですぜ。 406 00:39:16,628 --> 00:39:22,100 この人のおっしゃるとおり あの世でぐらいは➡ 407 00:39:22,100 --> 00:39:25,937 一緒にさせてやりたいじゃないか。 はい…。 408 00:39:25,937 --> 00:39:33,237 吉原の女に わしらができるのは これくらいのもんだよ。 409 00:39:38,516 --> 00:39:46,725 あとは この会所が 引き受けますから ご安心を。 410 00:39:46,725 --> 00:39:57,068 ♬~ 411 00:39:57,068 --> 00:40:17,268 (読経) 412 00:40:18,924 --> 00:40:26,798 ほう そのような いきさつが。 随分と ご苦労をなさいましたな。 413 00:40:26,798 --> 00:40:31,102 いろいろと ありがとうございました。 いえ。 414 00:40:31,102 --> 00:40:34,940 …で これから どうなさいます? 415 00:40:34,940 --> 00:40:42,240 2人の供養のためにも しばらくは 江戸に。 ほう…。 416 00:40:43,949 --> 00:40:48,820 あっ お待ち下さいませ。 はい。 417 00:40:48,820 --> 00:40:53,291 私 あなた様が 欲しゅうございます。 418 00:40:53,291 --> 00:40:55,291 え? 419 00:40:58,463 --> 00:41:00,498 欲しいとは? 420 00:41:00,498 --> 00:41:05,337 手前 七代目四郎兵衛と申します。 421 00:41:05,337 --> 00:41:09,107 廓内の掟を守る仕事を やっておりますが➡ 422 00:41:09,107 --> 00:41:13,945 これが なかなか 骨が折れる仕事でございましてな。 423 00:41:13,945 --> 00:41:19,651 あなた様の剣の腕 惚れました。 424 00:41:19,651 --> 00:41:21,586 いかがでしょうな。 425 00:41:21,586 --> 00:41:27,886 吉原のために お働き願えませぬかな。 426 00:41:32,597 --> 00:41:38,297 いわば 吉原裏同心でございます。 427 00:41:42,273 --> 00:41:45,777 吉原は嫌いかい? 好きとは言えないね。 428 00:41:45,777 --> 00:41:49,614 この暮らしを終わりにしたければ やるんだ。 429 00:41:49,614 --> 00:41:52,283 この吉原に どんな恨みがあるんだ! 430 00:41:52,283 --> 00:41:54,219 今更 やめる訳には いかないんだよ! 431 00:41:54,219 --> 00:41:56,154 梅園さん 私を信じて! 432 00:41:56,154 --> 00:41:58,623 遊女なんぞは 所詮 道具だ。 433 00:41:58,623 --> 00:42:01,323 許せん。 434 00:42:04,295 --> 00:42:15,807 ♬「君のそばにいる」 435 00:42:15,807 --> 00:42:26,818 ♬「君を守って行く」 436 00:42:26,818 --> 00:42:38,430 ♬「悲しみを 消してあげることは 出来ないけど」 437 00:42:38,430 --> 00:42:49,140 ♬「ここからは ふたり 同じ道を行く」 438 00:42:49,140 --> 00:43:00,618 ♬「せめて ひととき」 439 00:43:00,618 --> 00:43:11,796 ♬「風よ やさしく」 440 00:43:11,796 --> 00:43:25,296 ♬「二人 包んで」