1 00:00:33,339 --> 00:00:35,274 <神守幹次郎殿は➡ 2 00:00:35,274 --> 00:00:39,278 理不尽な夫から 私 汀女を救い出し➡ 3 00:00:39,278 --> 00:00:43,916 3年の逃亡の果てに 江戸に流れ着きました。➡ 4 00:00:43,916 --> 00:00:49,722 そして 吉原の女たちを 守る事になったのです> 5 00:00:49,722 --> 00:00:57,722 ♬~ 6 00:01:11,944 --> 00:01:14,781 柳里さん 聞いたわよ。 7 00:01:14,781 --> 00:01:17,116 柳里さん 身請けされるんだって? 8 00:01:17,116 --> 00:01:19,051 おめでとう! 9 00:01:19,051 --> 00:01:22,789 これで 吉原を出て 幸せになれるんだね。 10 00:01:22,789 --> 00:01:25,625 ありがとう。 お幸せに。 11 00:01:25,625 --> 00:01:30,129 …で お相手は どんな人? 12 00:01:30,129 --> 00:01:35,401 圭次さんといって 畳屋さんの2代目なの。 そう。 13 00:01:35,401 --> 00:01:38,738 あっ じゃあ 畳には 不自由しないね! 14 00:01:38,738 --> 00:01:41,073 畳ばっかあっても しょうがないだろ! 15 00:01:41,073 --> 00:01:43,910 (笑い声) 16 00:01:43,910 --> 00:01:48,080 じゃあ 稼ぎもいいんだね。 (柳里)それなりに。➡ 17 00:01:48,080 --> 00:01:50,016 真面目な人だから➡ 18 00:01:50,016 --> 00:01:54,754 大きく もうけるよりは お得意さんを大事にしたいって。 19 00:01:54,754 --> 00:01:58,424 いいねえ! 20 00:01:58,424 --> 00:02:00,760 ちょっと 何やってんの? 21 00:02:00,760 --> 00:02:05,932 あやかりたいと思ってね。 (遊女たち)あ~! 22 00:02:05,932 --> 00:02:08,434 お金持ちでなくても➡ 23 00:02:08,434 --> 00:02:15,107 自分だけを思って下さる男の人に 身請けされて 穏やかに暮らす。 24 00:02:15,107 --> 00:02:20,807 それが 一番の幸せなのかも しれませんね。 25 00:02:28,621 --> 00:02:35,895 お師さん ご苦労さまでした。 ありがとうございます。 26 00:02:35,895 --> 00:02:37,895 誰? 27 00:02:41,567 --> 00:02:44,367 柳里さん どうかしたの? 28 00:02:47,907 --> 00:02:50,943 どうしたのですか? 29 00:02:50,943 --> 00:02:53,412 (泣き声) 30 00:02:53,412 --> 00:02:57,083 泣いてちゃ分からないよ。 31 00:02:57,083 --> 00:03:01,587 (泣き声) 32 00:03:01,587 --> 00:03:09,929 ♬~ 33 00:03:09,929 --> 00:03:14,433 お代わり。 34 00:03:14,433 --> 00:03:17,770 あね様 どうかされましたか? 35 00:03:17,770 --> 00:03:23,970 あっ いえ。 ごめんなさい。 36 00:03:27,446 --> 00:03:32,285 実は 手習いに来ている 柳里さんという人が➡ 37 00:03:32,285 --> 00:03:34,720 もうすぐ身請けされるのですが…。 38 00:03:34,720 --> 00:03:40,593 ほう それは めでたい。 お相手は? 39 00:03:40,593 --> 00:03:43,729 畳屋の2代目だそうです。 40 00:03:43,729 --> 00:03:48,067 堅い仕事だ。 それはよい。 41 00:03:48,067 --> 00:03:51,737 ところが せっかくの おめでたい時に➡ 42 00:03:51,737 --> 00:03:58,411 厄介な事が舞い込んできて…。 厄介な事? 43 00:03:58,411 --> 00:04:05,284 えっ 圭次さんのほかに もう一人 約束を交わした男の人が? 44 00:04:05,284 --> 00:04:11,424 そうです。 といっても 3年前の事です。 45 00:04:11,424 --> 00:04:21,100 どういう人なの? 徹三郎といって 乱暴な人でした。 46 00:04:21,100 --> 00:04:25,271 博打好き 酒好き…➡ 47 00:04:25,271 --> 00:04:28,307 しょっちゅう ケンカ沙汰 起こして➡ 48 00:04:28,307 --> 00:04:30,943 酔っ払っては暴れて➡ 49 00:04:30,943 --> 00:04:36,215 何度も 私を殴りました。 50 00:04:36,215 --> 00:04:42,722 乱暴したあとは ウソのように おとなしくなって➡ 51 00:04:42,722 --> 00:04:49,395 優しくしてくれた事もありました。 52 00:04:49,395 --> 00:04:52,732 私も バカだったんです。 53 00:04:52,732 --> 00:04:56,569 そんな人に 惚れちまってたんですよ。 54 00:04:56,569 --> 00:05:02,742 それで 一緒になる約束を。 …で その人は 今? 55 00:05:02,742 --> 00:05:09,515 賭場で 刃傷沙汰 起こして 江戸所払いになりました。 56 00:05:09,515 --> 00:05:13,386 あの人が 目の前から いなくなって➡ 57 00:05:13,386 --> 00:05:18,090 ああ やっと縁が切れたと思って➡ 58 00:05:18,090 --> 00:05:21,761 ホッとしている自分に 気が付いたんです。 59 00:05:21,761 --> 00:05:27,633 その時 私は すっかり目が覚めました。 60 00:05:27,633 --> 00:05:35,307 そして あの人の事は 少しでも早く忘れようとしました。 61 00:05:35,307 --> 00:05:40,713 そういう事だったの。 それで 畳屋さんと…。 62 00:05:40,713 --> 00:05:45,051 はい。 圭次さんは➡ 63 00:05:45,051 --> 00:05:52,925 徹三郎とは まるで違う 真面目で優しい人です。 64 00:05:52,925 --> 00:05:57,229 「禍福は糾える縄の如し」と 言うじゃありませんか。 65 00:05:57,229 --> 00:06:02,068 悪い事のあとには いい事があるもんなんだね。 66 00:06:02,068 --> 00:06:12,712 ええ。 でも いい事のあとには また…。 67 00:06:12,712 --> 00:06:14,647 何か悪い事でも? 68 00:06:14,647 --> 00:06:22,388 人の噂で 徹三郎が もうじき 江戸に戻ってくるっていうんです。 69 00:06:22,388 --> 00:06:27,093 え? 間の悪い事があるもんだね。 70 00:06:27,093 --> 00:06:32,865 もし その徹三郎とやらが 柳里さんの身請け話を聞いたら…。 71 00:06:32,865 --> 00:06:38,738 許すはずがありません! 一体 何をされるのか…。 72 00:06:38,738 --> 00:06:43,375 きっと…➡ 73 00:06:43,375 --> 00:06:46,675 殺されます。 74 00:06:54,019 --> 00:06:56,922 いくら 乱暴だとはいえ 殺すなど…。 75 00:06:56,922 --> 00:06:59,825 カッとなると 後先 分からなくなる人で➡ 76 00:06:59,825 --> 00:07:02,762 それくらい やりかねないそうなんです。 77 00:07:02,762 --> 00:07:06,899 幸せになろうという時なのに…。 78 00:07:06,899 --> 00:07:10,402 しかし どうして また そんな乱暴な男と➡ 79 00:07:10,402 --> 00:07:17,910 約束など交わしたのでしょう? 私には 少し分かる気がします。 80 00:07:17,910 --> 00:07:22,581 吉原での暮らしが 永遠に続くようにも思えて➡ 81 00:07:22,581 --> 00:07:26,418 自分に 少しでも 思いをかけてくれる人がいたら➡ 82 00:07:26,418 --> 00:07:30,089 藁にも縋る気持ちになって…。 83 00:07:30,089 --> 00:07:36,362 なるほど。 あね様にとって 私は 藁だったのですね。 84 00:07:36,362 --> 00:07:41,700 そんな事 言ってません! 笑ってる場合じゃありませんよ。 85 00:07:41,700 --> 00:07:45,571 どうしたら 柳里さんを助ける事が できるか 知恵を出して下さい。 86 00:07:45,571 --> 00:07:48,574 そうですね。 87 00:07:48,574 --> 00:07:50,709 ≪(仙右衛門)バカ! もっと ゆっくり運べよ! 88 00:07:50,709 --> 00:07:53,409 ≪(男衆)すいません! 89 00:07:55,381 --> 00:07:58,284 ≪(仙右衛門)イタタタタッ! 90 00:07:58,284 --> 00:08:01,554 (相庵)ああ そのまま置いてくれ。 (男衆たち)はい。 91 00:08:01,554 --> 00:08:04,223 痛い痛い 痛い痛い! バカ 静かに置けよ! 92 00:08:04,223 --> 00:08:06,158 仙右衛門 どうした? ぎっくり腰だよ。 93 00:08:06,158 --> 00:08:08,894 何だ ぎっくり腰か。 何だと! 痛い痛い痛い! 94 00:08:08,894 --> 00:08:11,730 棚から 物を下ろそうとしただけ なんだよ。 そしたら 急に…。 95 00:08:11,730 --> 00:08:15,067 皆さん そちらに 下がっていて下さい。 96 00:08:15,067 --> 00:08:17,102 仙右衛門さんらしくないわねえ。 97 00:08:17,102 --> 00:08:19,738 ゆっくり ここで寝て 養生していけ。 98 00:08:19,738 --> 00:08:21,674 ケッ! こんな シケた所で…。 99 00:08:21,674 --> 00:08:24,610 お前のねぐらよりは マシだろう。 100 00:08:24,610 --> 00:08:27,613 動くと 痛みが増すわよ。 ああ 分かった。 痛い痛い痛い…。 101 00:08:27,613 --> 00:08:29,915 なかなか よい格好だな。 (仙右衛門)うるせえ!➡ 102 00:08:29,915 --> 00:08:31,851 痛い痛い痛い! 病人なんだから➡ 103 00:08:31,851 --> 00:08:33,886 いたわってあげないと。 おっしゃるとおりですよ。 104 00:08:33,886 --> 00:08:38,023 まあ しばらく休めて よいではないか。 確かに。 105 00:08:38,023 --> 00:08:42,361 ここんとこ 忙しかったからな。 会所に戻って コキ使われるより➡ 106 00:08:42,361 --> 00:08:45,264 いっそ このまま 雲隠れでもするか。 107 00:08:45,264 --> 00:08:50,703 あ! どうしました? 108 00:08:50,703 --> 00:08:52,638 いえ。 109 00:08:52,638 --> 00:08:59,411 (騒ぎ声) 110 00:08:59,411 --> 00:09:06,185 あ~あ 仙右衛門が いねえ時に限って この騒ぎだ。 111 00:09:06,185 --> 00:09:10,055 お父っつぁん! おう。 仙右衛門さんは 大丈夫なの? 112 00:09:10,055 --> 00:09:14,393 おう。 しばらく おとなしく 寝てりゃあ すぐ治るってよ。 113 00:09:14,393 --> 00:09:18,564 あっ おめえ ちょいと 見舞いに行ってこいや。 114 00:09:18,564 --> 00:09:22,401 何で 私が? ん? だって いつだったかな。 115 00:09:22,401 --> 00:09:26,238 おめえ ほら… 「仙右衛門さんって 顔に似合わず いい人よ」なんて➡ 116 00:09:26,238 --> 00:09:28,741 言ったじゃねえか。 だから 何なのよ もう。 117 00:09:28,741 --> 00:09:30,741 急に 変な事 言わないでよ! 118 00:09:32,711 --> 00:09:38,417 脈ありそうだよ。 ヘヘヘヘヘッ。 四郎兵衛様。 119 00:09:38,417 --> 00:09:42,855 おっ これは おそろいで お珍しい。 120 00:09:42,855 --> 00:09:47,855 実は あね様から お話がありまして。 121 00:09:51,363 --> 00:09:56,869 なるほど。 よく そんな事を 思いつかれましたな。 122 00:09:56,869 --> 00:10:01,206 無理でしょうか? いや できなくはありませんが…。 123 00:10:01,206 --> 00:10:04,109 よほど 入念にやらねば なりません。 124 00:10:04,109 --> 00:10:07,379 さようでございますよ。 125 00:10:07,379 --> 00:10:11,050 お願い致します。 柳里さんのためなのです。 126 00:10:11,050 --> 00:10:14,386 遊女が 身請けをされたあとは➡ 127 00:10:14,386 --> 00:10:20,086 この会所は 何の関わりも持ちませんでな。 128 00:10:25,564 --> 00:10:31,904 これはまあ 表向き。 やりましょう。 129 00:10:31,904 --> 00:10:34,239 四郎兵衛様! 130 00:10:34,239 --> 00:10:39,411 惚れた男に身請けをされて この吉原を出る。 131 00:10:39,411 --> 00:10:45,284 中の女たちにとっちゃあ これが 一番の望みなんですよ。 132 00:10:45,284 --> 00:10:47,920 それを邪魔する者は➡ 133 00:10:47,920 --> 00:10:53,120 この会所も 黙って見てはおりません。 134 00:10:56,929 --> 00:11:01,629 よろしくお願い致します。 135 00:11:06,438 --> 00:11:12,778 「走り来る女子 あまた見えつる 子どもに 似るべうもあらず」。 136 00:11:12,778 --> 00:11:18,650 その女の子が 後で 光源氏に 引き取られる若紫ですよね? 137 00:11:18,650 --> 00:11:23,489 そうです。 光源氏は この女の子を一目見て➡ 138 00:11:23,489 --> 00:11:25,491 心を奪われてしまったのです。 139 00:11:25,491 --> 00:11:31,263 うわ~! こんなに 殿方に 惚れられたら どんなに幸せか! 140 00:11:31,263 --> 00:11:36,568 そんな幸せな人が ここにいますよ。 141 00:11:36,568 --> 00:11:40,406 もうすぐですね。 はい。 142 00:11:40,406 --> 00:11:44,076 では 柳里さん この続きを読んで下さい。 143 00:11:44,076 --> 00:11:46,578 はい。 144 00:11:46,578 --> 00:11:53,352 「いみじく 生い先 見えて うつくしげなる容貌なり」。 145 00:11:53,352 --> 00:11:58,290 ううっ…。 ど… どうしたの!? 146 00:11:58,290 --> 00:12:04,430 柳里さん!? 柳里さん 柳里さん! 147 00:12:04,430 --> 00:12:06,932 どうしたの!? すぐ 相庵先生の所に! 148 00:12:06,932 --> 00:12:08,867 はい! 149 00:12:08,867 --> 00:12:12,438 (うめき声) 柳里さん! 150 00:12:12,438 --> 00:12:17,776 ♬~ 151 00:12:17,776 --> 00:12:20,813 おお て… 手伝うぜ! (清次)俺たちだけで大丈夫だ。 152 00:12:20,813 --> 00:12:23,449 そんな事 言ってる場合か! どこへ運ぶんだい? 153 00:12:23,449 --> 00:12:26,449 相庵先生の所へ。 行くぞ! 154 00:12:29,321 --> 00:12:33,892 某も参ります。 お願いします。 155 00:12:33,892 --> 00:12:46,405 ♬~ 156 00:12:46,405 --> 00:12:50,909 何やってんだ! 早くしろ! 157 00:12:50,909 --> 00:12:54,246 お芳 帯を緩めるんだ! はい! 158 00:12:54,246 --> 00:13:13,446 ♬~ 159 00:13:17,769 --> 00:13:20,769 遅かったようだな。 160 00:13:29,281 --> 00:13:33,886 ご苦労だった。 もう帰ってもらってよいぞ。 161 00:13:33,886 --> 00:13:35,921 そうですかい? 162 00:13:35,921 --> 00:13:38,390 あっ 手伝う事がありゃあ 何でも! 163 00:13:38,390 --> 00:13:44,590 いや あとは 俺たちだけで 大丈夫だ。 世話かけたな。 164 00:13:48,734 --> 00:13:51,734 すまねえ! 165 00:13:54,907 --> 00:13:59,707 投げ込み寺行きか…。 かわいそうにな。 166 00:14:01,413 --> 00:14:04,413 行きました。 167 00:14:06,084 --> 00:14:10,384 よし。 もういいぞ。 168 00:14:12,758 --> 00:14:15,093 ひえ~! 169 00:14:15,093 --> 00:14:17,930 ご苦労さまでした。 いえ。 170 00:14:17,930 --> 00:14:20,966 皆 ご苦労だった。 ど… どういう事だよ!? 171 00:14:20,966 --> 00:14:25,270 あっ しまった。 この男は知らなかったのか。 172 00:14:25,270 --> 00:14:32,377 痛い痛い 痛い痛い…。 嫌だ。 また 腰やっちゃったの? 173 00:14:32,377 --> 00:14:38,250 これで 晴れて お前は自由の身だ。 圭次が待っているぞ。 174 00:14:38,250 --> 00:14:40,252 ありがとうございます。 175 00:14:40,252 --> 00:14:44,890 知っているのは ここにいる私たちと会所の皆様。 176 00:14:44,890 --> 00:14:47,926 それから 妓楼の主の幸造さんだけです。 177 00:14:47,926 --> 00:14:50,696 ご安心下さい。 178 00:14:50,696 --> 00:14:53,599 何と お礼を言ったらいいか…。 179 00:14:53,599 --> 00:15:00,739 人が幸せになるのを手伝うのは うれしい事。 皆 同じ気持ちだ。 180 00:15:00,739 --> 00:15:06,078 たった今から お前は柳里ではない。 181 00:15:06,078 --> 00:15:11,883 おちよだ。 よいな? 182 00:15:11,883 --> 00:15:43,382 ♬~ 183 00:15:43,382 --> 00:15:45,417 おちよ! 184 00:15:45,417 --> 00:15:48,217 圭次さん…。 185 00:15:51,256 --> 00:15:56,395 幸せになるのだぞ。 186 00:15:56,395 --> 00:16:18,784 ♬~ 187 00:16:18,784 --> 00:16:23,255 しかし 人の寿命なんてものは 分からねえもんだよな。 188 00:16:23,255 --> 00:16:27,926 桜木屋の柳里さん 急な病で死んじまったよ。 189 00:16:27,926 --> 00:16:29,861 かわいそうだったぜ。 190 00:16:29,861 --> 00:16:34,733 <柳里さんが亡くなった事は 吉原中に広まり➡ 191 00:16:34,733 --> 00:16:41,039 誰もが その事を 信じて疑わない様子でした> 192 00:16:41,039 --> 00:16:45,544 そうだったのですか。 お芝居だったのですか。 193 00:16:45,544 --> 00:16:49,715 敵を欺くためには まず味方からってね。 194 00:16:49,715 --> 00:16:53,051 薄墨太夫にだけは お話ししておきたかったんで。 195 00:16:53,051 --> 00:16:56,888 ありがとうございます。 …で 首尾は? 196 00:16:56,888 --> 00:17:03,395 はい。 今のところは上々。 197 00:17:03,395 --> 00:17:09,901 皆が あの方の幸せのために…。 羨ましゅうございます。 198 00:17:09,901 --> 00:17:12,938 何を言ってますか。 199 00:17:12,938 --> 00:17:18,076 薄墨太夫は いつでも 幸せになれるじゃありませんか。 200 00:17:18,076 --> 00:17:20,412 え? 聞きましたよ。 201 00:17:20,412 --> 00:17:25,083 木曽屋さんの若旦那が あなたを身請けしたいって話。 202 00:17:25,083 --> 00:17:27,586 ああ…。 木曽屋さんといえば➡ 203 00:17:27,586 --> 00:17:32,858 今やもう 飛ぶ鳥を落とす勢いの 材木問屋だ。 204 00:17:32,858 --> 00:17:38,530 しかも 妾ではなく 本妻として迎えたいと言ってます。 205 00:17:38,530 --> 00:17:44,870 こんな いい話は またとございませんぜ。 206 00:17:44,870 --> 00:17:51,743 ん? 迷っていらっしゃるんですか? 207 00:17:51,743 --> 00:17:57,582 近頃 自分の気持ちが よく分からないのです。 208 00:17:57,582 --> 00:18:03,889 薄墨太夫らしくありませんな。 本当に。 209 00:18:03,889 --> 00:18:10,662 このような事は あのお二人が吉原に来てから。 210 00:18:10,662 --> 00:18:14,362 え… え? 211 00:18:17,068 --> 00:18:20,906 少しは よくなったようですね。 ああ おかげさまで。 212 00:18:20,906 --> 00:18:23,575 ところで あれは 一体 誰が考えたんですかい? 213 00:18:23,575 --> 00:18:25,911 おちよさんを死んだ事にして 逃がす事? 214 00:18:25,911 --> 00:18:27,946 ああ。 ご新造さんが思いついて➡ 215 00:18:27,946 --> 00:18:31,683 四郎兵衛様に相談したら やろうと言って下さったそうよ。 216 00:18:31,683 --> 00:18:35,554 しかし お前に話す事を みんな 忘れていた。 217 00:18:35,554 --> 00:18:38,857 おいおい 勘弁してくれよ。 おかげで また腰を…。 218 00:18:38,857 --> 00:18:42,727 いいじゃない。 おちよさんが 晴れて自由になれたんだから。 219 00:18:42,727 --> 00:18:47,566 まあ そうだな。 あとは 江戸に舞い戻った徹三郎が➡ 220 00:18:47,566 --> 00:18:51,566 おちよが死んだ事を 信じるかどうかだ。 221 00:18:53,371 --> 00:19:08,720 ♬~ 222 00:19:08,720 --> 00:19:12,891 お侍さん。 ちょいと。 223 00:19:12,891 --> 00:19:17,062 おにいさん 寄っていきんなんせ。 224 00:19:17,062 --> 00:19:20,062 いらっしゃいまし。 225 00:19:22,567 --> 00:19:29,567 柳里に会いたい。 柳里さんですか…。 226 00:19:32,010 --> 00:19:33,945 どうした? 227 00:19:33,945 --> 00:19:36,181 大変だ! 大変だ! 228 00:19:36,181 --> 00:19:38,216 大変です! どうした? 229 00:19:38,216 --> 00:19:44,716 桜木屋で 暴れてるやつがいます! えっ 桜木屋? 230 00:19:47,359 --> 00:19:50,262 (悲鳴) 231 00:19:50,262 --> 00:19:54,262 ちょっと お客さん! お客さん! 柳里! 232 00:19:56,868 --> 00:19:59,371 どいた どいた! 233 00:19:59,371 --> 00:20:01,306 あいつが徹三郎か。 へえ! 234 00:20:01,306 --> 00:20:04,006 なんとかして下さい! 235 00:20:05,710 --> 00:20:09,410 おとなしくしろ! うるせえ! 236 00:20:11,049 --> 00:20:13,049 ぐあ! 237 00:20:17,556 --> 00:20:21,726 くそ! 柳里が死んだって どういうこった!? 238 00:20:21,726 --> 00:20:24,396 死んだ柳里とは なじみだったのか? 239 00:20:24,396 --> 00:20:28,066 なじみも何も 3年前に 一緒になる約束をしたんだ! 240 00:20:28,066 --> 00:20:33,939 死んだものは しかたない。 きっぱり諦めろ。 241 00:20:33,939 --> 00:20:37,742 柳里は どこだ? どこに葬った! 242 00:20:37,742 --> 00:20:43,615 さて… 浄閑寺だったかな。 243 00:20:43,615 --> 00:20:49,754 くそ! かわいそうに…。 244 00:20:49,754 --> 00:20:52,657 おめえらが殺したんだ。 245 00:20:52,657 --> 00:20:56,428 どうせ ろくな看病もしねえで ほっといたんだろう! 246 00:20:56,428 --> 00:21:01,299 そうじゃない! 元気に 手習いに出かけたんだ。 247 00:21:01,299 --> 00:21:04,769 そしたら そこで 急に倒れたって聞いて➡ 248 00:21:04,769 --> 00:21:10,442 慌てて 相庵先生の所に 連れてったんだ。 249 00:21:10,442 --> 00:21:15,242 まあ 諦めるんだな。 250 00:21:33,765 --> 00:21:36,067 ありがとうございます。 251 00:21:36,067 --> 00:21:39,938 しかし これで 納得したでしょうか? 252 00:21:39,938 --> 00:21:44,409 死んだと言われりゃ 納得するしかありませんて。➡ 253 00:21:44,409 --> 00:21:47,912 旦那にも ご苦労おかけしますな。 254 00:21:47,912 --> 00:21:53,251 いや 柳里は 気立てのいい子で よく働いてくれた。 255 00:21:53,251 --> 00:21:58,751 これくらいの事はしてやっても 罰は当たりませんよ。 256 00:22:04,262 --> 00:22:07,098 (鼻歌) 257 00:22:07,098 --> 00:22:09,934 うおっ! 258 00:22:09,934 --> 00:22:12,971 な… 何だ!? 259 00:22:12,971 --> 00:22:18,109 お前 まだ用か!? 正直に言え。 260 00:22:18,109 --> 00:22:21,613 柳里の金は どこだ? 金? 261 00:22:21,613 --> 00:22:25,450 所帯を持つために金をためると あいつは言ってた。 262 00:22:25,450 --> 00:22:29,621 死んだ時 俺と一緒になるための 金が残ってただろう。 263 00:22:29,621 --> 00:22:33,821 お前 金が目当てなのか!? 264 00:22:36,394 --> 00:22:39,064 女なんて いくらだっている。 265 00:22:39,064 --> 00:22:43,401 だが 俺のために金を貢いでくれる 女は そうそう いねえからな。 266 00:22:43,401 --> 00:22:46,237 俺は 一文無しで江戸に戻ってきて 金が要るんだ。 267 00:22:46,237 --> 00:22:49,074 言え! 柳里の金は どこだ!? 268 00:22:49,074 --> 00:22:51,976 知らん! ウソつけ! わ… 分かった! 269 00:22:51,976 --> 00:22:54,879 金なら 俺が出してやる! 本当か? 270 00:22:54,879 --> 00:22:59,084 ああ。 もう二度と来ないと 約束するなら 3両やろう。 271 00:22:59,084 --> 00:23:02,754 それで どうだ? 272 00:23:02,754 --> 00:23:05,754 しょうがねえな。 273 00:23:08,426 --> 00:23:14,599 3両か…。 とんだ ご祝儀になっちまった。 274 00:23:14,599 --> 00:23:21,599 祝儀? どういう事だ。 275 00:23:23,308 --> 00:23:26,308 何か隠してるな。 276 00:23:32,383 --> 00:23:35,383 言え! 277 00:23:38,256 --> 00:23:42,093 大変だ! 桜木屋の旦那が殺された! 278 00:23:42,093 --> 00:23:44,395 殺された!? 誰に! 279 00:23:44,395 --> 00:23:47,899 分かりません。 刃物で一突きだそうです。 280 00:23:47,899 --> 00:23:50,935 あの男だ。 281 00:23:50,935 --> 00:23:53,071 頭取…。 282 00:23:53,071 --> 00:23:58,943 聞いた。 気の毒な事をしたな。 283 00:23:58,943 --> 00:24:05,083 廓内の人間が殺されたんだ。 黙ってられるか! 284 00:24:05,083 --> 00:24:09,954 やったのは まず 徹三郎に間違いねえ。 285 00:24:09,954 --> 00:24:15,727 野郎 旦那を殺す前に 何か聞き出したかな…。 286 00:24:15,727 --> 00:24:19,631 旦那は おちよの新しい住まいを 知らねえはずだが…。 287 00:24:19,631 --> 00:24:23,935 でも 相庵先生が関わってる事は 知ってますよ。 288 00:24:23,935 --> 00:24:27,435 相庵先生が危ない! 289 00:24:31,376 --> 00:24:36,247 おちよさんたら お礼の文なんていいのに。 290 00:24:36,247 --> 00:24:39,551 こんなものからバレたら つまらねえ。 291 00:24:39,551 --> 00:24:43,054 おちよには悪いが さっさと処分した方がいいぜ。 292 00:24:43,054 --> 00:24:46,354 そうするわ。 293 00:24:54,399 --> 00:24:56,734 どなた? 294 00:24:56,734 --> 00:25:00,534 柳里の知り合いの者だ。 え? 295 00:25:03,908 --> 00:25:06,744 柳里は ここで死んだそうだな。 296 00:25:06,744 --> 00:25:11,416 ああ そうらしいわね。 らしい? 297 00:25:11,416 --> 00:25:14,319 私も この人も その時 いなかったのよ。 298 00:25:14,319 --> 00:25:16,287 千住に行っていてね。 299 00:25:16,287 --> 00:25:18,923 この人ったら そこで 腰 痛めちゃって。 300 00:25:18,923 --> 00:25:20,859 それで このザマだ。 ハハハッ。 301 00:25:20,859 --> 00:25:24,859 本当か? そうよ。 302 00:25:29,434 --> 00:25:33,037 ちょいと ごめんよ。 303 00:25:33,037 --> 00:26:25,290 ♬~ 304 00:26:25,290 --> 00:26:27,292 あの男は!? 305 00:26:27,292 --> 00:26:30,762 帰った。 お芳の芝居 見せてやりたかったぜ。 306 00:26:30,762 --> 00:26:35,033 必死だったのよ。 とにかく 無事でよかった。 307 00:26:35,033 --> 00:26:38,033 腰が何ともなきゃ あんなやつ…。 308 00:26:41,205 --> 00:26:44,709 私が 浅はかな事を 言いだしたせいで…。 309 00:26:44,709 --> 00:26:47,745 いいえ。 それは違います。 310 00:26:47,745 --> 00:26:52,884 汀女様は 柳里のために 一番よい事をなさいました。 311 00:26:52,884 --> 00:26:58,056 そうでしょうか…。 某も そう思います。 312 00:26:58,056 --> 00:27:01,893 お二人は いつ追っ手がかかるか 分からないという➡ 313 00:27:01,893 --> 00:27:04,729 不安な日々を お過ごしです。 314 00:27:04,729 --> 00:27:10,068 柳里には そんな思いを させたくなかったんでしょう。 315 00:27:10,068 --> 00:27:12,904 でも 結局は…。 316 00:27:12,904 --> 00:27:15,940 誰も 悪うはございません。 317 00:27:15,940 --> 00:27:21,079 徹三郎という厄介者が いるだけです。 318 00:27:21,079 --> 00:27:26,951 柳里は 必ず守らねばなりません。 319 00:27:26,951 --> 00:27:34,525 ♬~ 320 00:27:34,525 --> 00:27:37,325 ここだ。 321 00:27:43,034 --> 00:27:47,334 怪しいやつは いねえようです。 322 00:27:50,775 --> 00:27:55,380 その節は ありがとうございました。 323 00:27:55,380 --> 00:28:00,051 すっかり おかみさんだな。 いいえ。 324 00:28:00,051 --> 00:28:04,555 汀女様に お料理や お裁縫など いろいろ教えて頂いて➡ 325 00:28:04,555 --> 00:28:07,458 やっと なんとか…。 326 00:28:07,458 --> 00:28:12,897 実は 話があって来た。 327 00:28:12,897 --> 00:28:18,703 徹三郎が戻ってきたのですね。 そうだ。 328 00:28:18,703 --> 00:28:24,909 あんたが生きてるのを知って 居場所を捜してるようだ。 329 00:28:24,909 --> 00:28:29,080 きっと 来ると思っていました。 330 00:28:29,080 --> 00:28:32,950 案ずるな。 必ず お前たちを守る。 331 00:28:32,950 --> 00:28:35,853 人の口に戸は立てられない。 332 00:28:35,853 --> 00:28:39,357 いずれ ここも やつに知られるだろう。 333 00:28:39,357 --> 00:28:42,193 そこでだ。 しばらくの間➡ 334 00:28:42,193 --> 00:28:46,531 ここから よその場所へ 移ってもらいてえんだ。 335 00:28:46,531 --> 00:28:52,336 分かりました。 あっ あんた 旦那は? 336 00:28:52,336 --> 00:28:54,272 仕事です。 337 00:28:54,272 --> 00:28:58,142 戻ってきたら すぐ出る。 用意をしろ。 338 00:28:58,142 --> 00:29:01,079 はい。 339 00:29:01,079 --> 00:29:11,756 ♬~ 340 00:29:11,756 --> 00:29:18,556 某は残ります。 お願い致しやす。 あっしは会所へ。 341 00:29:31,342 --> 00:29:34,378 いつ ここに戻ってこられるか 分かりませんから➡ 342 00:29:34,378 --> 00:29:37,378 着物は多めに持っていきましょう。 343 00:29:41,018 --> 00:29:45,890 はい できました。 344 00:29:45,890 --> 00:29:51,362 何から何まで 本当 すみません。 345 00:29:51,362 --> 00:29:54,265 長い事 吉原にいたんです。 346 00:29:54,265 --> 00:29:59,704 身の回りの事は 全て やってもらっていたんでしょ。 347 00:29:59,704 --> 00:30:05,042 本当に ありがとうございます。 348 00:30:05,042 --> 00:30:07,945 (泣き声) 349 00:30:07,945 --> 00:30:12,245 どうしたの? 350 00:30:15,386 --> 00:30:19,686 もう… ごめんなさい! 351 00:30:21,893 --> 00:30:26,093 どこに行くっていうの? 352 00:30:31,903 --> 00:30:45,416 ♬~ 353 00:30:45,416 --> 00:30:47,351 あっ これは。 354 00:30:47,351 --> 00:30:52,089 事情は 後で話します。 とにかく 中へ。 355 00:30:52,089 --> 00:30:56,928 あ! どうしました? 356 00:30:56,928 --> 00:31:04,669 おちよさんが 圭次さんと別れるって…。 357 00:31:04,669 --> 00:31:12,410 ♬~ 358 00:31:12,410 --> 00:31:17,315 どこに行くつもりだ? 359 00:31:17,315 --> 00:31:21,786 徹三郎の所へ参ります。 何だって!? 360 00:31:21,786 --> 00:31:26,123 このままじゃ あなたも危ない目に…。 361 00:31:26,123 --> 00:31:30,628 私さえ 徹三郎の所へ行けば! 362 00:31:30,628 --> 00:31:36,067 バカ! 何 言ってんだ! 363 00:31:36,067 --> 00:31:39,570 夫婦の契りを結んだのを 忘れたのか!? 364 00:31:39,570 --> 00:31:47,078 だって 私の昔の事で あんたにまで迷惑かけて…。 365 00:31:47,078 --> 00:31:50,948 夫婦で迷惑かけんのは 当たり前だろうが! え!? 366 00:31:50,948 --> 00:31:56,248 夫婦で迷惑かけ合わねえで 誰にかけるってんだ! 367 00:31:59,423 --> 00:32:04,295 やっと これからじゃないか。 え!? 368 00:32:04,295 --> 00:32:12,770 こんな事で負けてたまるか! お前を離してたまるか! 369 00:32:12,770 --> 00:32:21,279 2人で幸せになるんだ! あんた…。 370 00:32:21,279 --> 00:32:44,602 ♬~ 371 00:32:44,602 --> 00:32:49,240 おちよさん 大丈夫かしら…。 もう メソメソすんじゃねえよ。 372 00:32:49,240 --> 00:32:51,175 イタタタタタッ…! 大丈夫? 373 00:32:51,175 --> 00:32:55,746 ほら じっとしてないから。 374 00:32:55,746 --> 00:32:59,917 こんちは~! おっ 玉藻さん どうしなすった? 375 00:32:59,917 --> 00:33:03,788 ああ おちよさん夫婦が しばらく 別の所に移るっていうんで➡ 376 00:33:03,788 --> 00:33:06,424 そこで使う賄い道具を 持ってってあげようと思って。 377 00:33:06,424 --> 00:33:09,760 それは ご苦労さまです。 まあ そのついでに➡ 378 00:33:09,760 --> 00:33:12,596 仙右衛門さんのお見舞いでも してあげようと思ってね。 379 00:33:12,596 --> 00:33:15,099 ああ こりゃ どうも。 わざわざ すみません。 380 00:33:15,099 --> 00:33:22,273 ありがとうございます。 いいえ。 ついでですよ。 ついで。 381 00:33:22,273 --> 00:33:24,208 何 どうしたの? 382 00:33:24,208 --> 00:33:26,143 いや こいつに 小言 言ってたんですよ。 383 00:33:26,143 --> 00:33:28,446 小言とは何よ。 偉そうに。 384 00:33:28,446 --> 00:33:30,381 おめえが 訳の分からない事 言うからじゃねえかよ。 385 00:33:30,381 --> 00:33:32,316 悪かったわね! イ~タイタイタイ! 386 00:33:32,316 --> 00:33:35,553 痛えな この野郎! 嫌だ ごめんなさい。 大丈夫? 387 00:33:35,553 --> 00:33:38,389 イ~タイタイタイ…。 388 00:33:38,389 --> 00:33:40,891 ああ じゃあ 私は これで。 389 00:33:40,891 --> 00:33:43,227 あら もっと ゆっくりしていって下さい。 390 00:33:43,227 --> 00:33:45,162 むさ苦しいとこですが。 391 00:33:45,162 --> 00:33:48,099 私 これでも茶屋を切り盛りしてて 忙しいんですよ。 392 00:33:48,099 --> 00:33:50,899 それじゃあ お大事に~! 393 00:34:03,414 --> 00:34:06,317 頼んだぞ。 おちよと圭次に➡ 394 00:34:06,317 --> 00:34:10,287 くれぐれも 戸締まりに 気を付けるように言っといてくれ。 395 00:34:10,287 --> 00:34:12,287 分かりやした。 396 00:34:15,926 --> 00:34:32,376 ♬~ 397 00:34:32,376 --> 00:34:36,881 女の新しいねぐらを突き止めた。 根岸の寺だ。 398 00:34:36,881 --> 00:34:40,217 そこに間違いねえか? ああ。 399 00:34:40,217 --> 00:34:49,894 よし。 今夜 カタをつける。 本当に金になるんだろうな? 400 00:34:49,894 --> 00:34:56,567 ああ。 あの畳屋 きっと 小金 ため込んでるに違いねえ。 401 00:34:56,567 --> 00:35:00,404 俺をだまして いい暮らしが 続けられると思うな。 402 00:35:00,404 --> 00:35:06,744 命も金も頂いてやるから 待ってるがいい。 403 00:35:06,744 --> 00:35:17,444 ♬~ 404 00:35:27,765 --> 00:35:29,765 (徹三郎)柳里! 405 00:35:36,874 --> 00:35:38,809 はまったな。 406 00:35:38,809 --> 00:35:44,615 くそ… 謀ったな。 407 00:35:44,615 --> 00:35:48,315 柳里は どこだ? 408 00:35:50,054 --> 00:35:54,391 お前に教える筋合いはない。 409 00:35:54,391 --> 00:35:58,562 人の幸せの邪魔をするな。 410 00:35:58,562 --> 00:36:06,303 ♬~ 411 00:36:06,303 --> 00:36:13,744 おう 徹三郎! もう逃げ場はないぜ。 どうする!? 412 00:36:13,744 --> 00:36:15,679 くそ…。 413 00:36:15,679 --> 00:37:07,565 ♬~ 414 00:37:07,565 --> 00:37:09,500 野郎! 415 00:37:09,500 --> 00:37:37,000 ♬~ 416 00:37:58,716 --> 00:38:16,066 ♬~ 417 00:38:16,066 --> 00:38:18,902 もう大丈夫だ。 418 00:38:18,902 --> 00:38:24,902 よかったな。 もう心配ないぞ。 419 00:38:29,613 --> 00:38:33,550 ありがとうございました。 420 00:38:33,550 --> 00:38:36,687 何と お礼を申し上げたらいいか。 421 00:38:36,687 --> 00:38:44,687 礼は無用。 会所の務めを果たしたまでだ。 422 00:38:48,032 --> 00:38:53,370 あんた…。 ああ。 423 00:38:53,370 --> 00:39:03,714 これから 汀女様に教わって 料理の腕 もっと磨くわ。 424 00:39:03,714 --> 00:39:10,054 おいしいもの 食べさせてあげるからね。 425 00:39:10,054 --> 00:39:18,754 ああ 頼むぜ。 お前の料理だけは ひでえからな。 426 00:39:26,070 --> 00:39:30,240 <私たちにも いつか きっと➡ 427 00:39:30,240 --> 00:39:35,679 心の底から安らかな気持ちで 暮らせる日が来る。➡ 428 00:39:35,679 --> 00:39:41,979 私は そう願いました> 429 00:39:43,554 --> 00:39:46,190 いや~ ようございました。 430 00:39:46,190 --> 00:39:52,696 惚れた男と女が一緒になる。 それだけで 大変でございますな。 431 00:39:52,696 --> 00:39:59,203 あの2人は 大きな山を越えました。 はい。 432 00:39:59,203 --> 00:40:05,709 あなた方も 大きな山を越えて この吉原へいらっしゃいました。 433 00:40:05,709 --> 00:40:13,009 ここが 安住の地であれば よろしいのですがな。 434 00:40:14,718 --> 00:40:24,394 ♬~ 435 00:40:24,394 --> 00:40:28,899 あ~ やっと お許しが出た! 436 00:40:28,899 --> 00:40:33,403 よかったね。 ありがとよ。 お前のおかげだ。 437 00:40:33,403 --> 00:40:37,741 やめてよ。 気持ち悪い。 何だよ その返事は。 438 00:40:37,741 --> 00:40:40,778 いつでも おいで。 おう。 439 00:40:40,778 --> 00:40:45,249 もう一つ 夫婦ができるかもしれませんね。 440 00:40:45,249 --> 00:40:49,419 いや 恐らく もう一山 越えない事には➡ 441 00:40:49,419 --> 00:40:51,355 難しいでしょう。 え? 442 00:40:51,355 --> 00:40:54,591 痛くて泣いてた事は 黙っておいてあげるからね。 443 00:40:54,591 --> 00:40:57,094 おい 何だと? 誰が泣いたってんだよ! 444 00:40:57,094 --> 00:40:59,997 痛えよ。 助けてくれって言って➡ 445 00:40:59,997 --> 00:41:02,766 泣いてたじゃない。 ケッ! チャンチャラ おかしいや。 446 00:41:02,766 --> 00:41:04,701 お前の耳は どうかしてんじゃねえのか。 447 00:41:04,701 --> 00:41:09,106 してないわよ。 あ! あ! あ~! 448 00:41:09,106 --> 00:41:12,306 あらあら…。 449 00:41:13,944 --> 00:41:16,780 それにしても 二度と あね様を➡ 450 00:41:16,780 --> 00:41:19,116 あのような危険な目に 遭わせたくありません。 451 00:41:19,116 --> 00:41:22,019 でも 相手をだますためには➡ 452 00:41:22,019 --> 00:41:24,922 私がいなければ ならなかったではないですか。 453 00:41:24,922 --> 00:41:28,458 まさか また やりたいなどと? やれと言われれば。 454 00:41:28,458 --> 00:41:32,229 実は 思いの外… 楽しかったのです。 455 00:41:32,229 --> 00:41:37,100 冗談ではありませんよ あね様! 私も冗談など言っておりませんよ。 456 00:41:37,100 --> 00:41:41,238 とんでもないですよ あね様! 457 00:41:41,238 --> 00:41:45,108 お芳さん。 仙右衛門さんの事 好いてるのですか? 458 00:41:45,108 --> 00:41:47,578 おう。 おめえ 振られた? 459 00:41:47,578 --> 00:41:49,513 だから 私の事はいいの! 460 00:41:49,513 --> 00:41:52,249 姉ちゃんが どんな気持ちで 吉原で暮らしてたか! 461 00:41:52,249 --> 00:41:54,184 どうしても 姉の仇が討ちたかった! 462 00:41:54,184 --> 00:41:58,055 侍のマネなどするな。 真面目に生きて 幸せになれ。 463 00:41:58,055 --> 00:42:01,255 姉を喜ばせる たった一つの道だ。 464 00:42:03,427 --> 00:42:14,938 ♬「君のそばにいる」 465 00:42:14,938 --> 00:42:25,949 ♬「君を守って行く」 466 00:42:25,949 --> 00:42:37,561 ♬「悲しみを 消してあげることは 出来ないけど」 467 00:42:37,561 --> 00:42:48,272 ♬「ここからは ふたり 同じ道を行く」 468 00:42:48,272 --> 00:42:59,750 ♬「せめて ひととき」 469 00:42:59,750 --> 00:43:10,928 ♬「風よ やさしく」 470 00:43:10,928 --> 00:43:24,428 ♬「二人 包んで」