1 00:00:33,875 --> 00:00:35,810 <神守幹次郎殿は➡ 2 00:00:35,810 --> 00:00:39,814 理不尽な夫から 私 汀女を救い出し➡ 3 00:00:39,814 --> 00:00:44,452 3年の逃亡の果てに 江戸に流れ着きました。➡ 4 00:00:44,452 --> 00:00:50,258 そして 吉原の女たちを 守る事になったのです> 5 00:00:50,258 --> 00:00:58,300 ♬~ 6 00:00:58,300 --> 00:01:01,100 女は切手だよ! 女は切手だよ! 7 00:01:04,973 --> 00:01:06,908 ごめんよ。 8 00:01:06,908 --> 00:01:10,845 (仙右衛門)お~ これは 相庵先生 往診 ご苦労さまでございます。 9 00:01:10,845 --> 00:01:13,648 いや~ 吉原の往診は楽しみだ。 10 00:01:13,648 --> 00:01:15,684 きれいな女子が たくさんおるでのう。 11 00:01:15,684 --> 00:01:19,321 まだまだ お若い証拠ですな。 (笑い声) 12 00:01:19,321 --> 00:01:22,157 お待たせ~! (仙右衛門)お~い お茶だ! 13 00:01:22,157 --> 00:01:24,092 (男衆)へい! 先生 お上がり下さい。 14 00:01:24,092 --> 00:01:26,027 お父っつぁんが待ってますんで 奥で一杯。 15 00:01:26,027 --> 00:01:28,663 では そうさせてもらうかな。 16 00:01:28,663 --> 00:01:32,434 ああ お芳! (せきばらい) 先に帰ってなさい。 17 00:01:32,434 --> 00:01:37,605 はい。 ご苦労さまでございます。 18 00:01:37,605 --> 00:01:42,605 おい みんな 夜食! (男衆たち)へい! 19 00:01:45,947 --> 00:01:49,818 あれから 腰はどう? ああ 別に。 ピンピンしてらあ。 20 00:01:49,818 --> 00:01:52,454 気を付けないと また 泣く事になるわよ。 21 00:01:52,454 --> 00:01:54,789 何だと? 誰が泣いたってんだよ! 22 00:01:54,789 --> 00:01:57,459 悪いんだけど うちまで送ってくれる? 23 00:01:57,459 --> 00:02:00,495 しょうがねえなあ…。 24 00:02:00,495 --> 00:02:08,169 ♬~ 25 00:02:08,169 --> 00:02:10,638 おう。 冷やっこい水 くんねえな。 26 00:02:10,638 --> 00:02:13,308 お父っつぁん。 ん? 何だい。 27 00:02:13,308 --> 00:02:17,178 仙右衛門と お芳さん このままでいいの? 28 00:02:17,178 --> 00:02:21,649 このままでいいって 何? 一緒にしてやったらどうなの? 29 00:02:21,649 --> 00:02:26,521 えっ 何を急に言いだしやがんだ。 おめえが 仙右衛門を…。 30 00:02:26,521 --> 00:02:30,992 仙右衛門は お芳さんが好きなの。 私の事は 何とも思ってないの。 31 00:02:30,992 --> 00:02:33,762 そうなのかい…。 そうなの! 32 00:02:33,762 --> 00:02:37,432 …って事は つまり おめえ 振られた? 33 00:02:37,432 --> 00:02:40,432 だから 私の事はいいの! 34 00:02:47,142 --> 00:02:53,281 玉藻さんが 仙右衛門さんを? 存じませんでした。 35 00:02:53,281 --> 00:02:56,317 玉藻が そのように 申すもんでございますから➡ 36 00:02:56,317 --> 00:02:58,953 私も 放っておく訳にも まいりません。 37 00:02:58,953 --> 00:03:02,457 なぜ 私たちに? いえ 私は こういう事➡ 38 00:03:02,457 --> 00:03:07,629 ど… どうすればいいか よく分からないのでございますよ。 39 00:03:07,629 --> 00:03:11,966 この事は お二人に お願い致します。 40 00:03:11,966 --> 00:03:15,637 え? このとおりでございます! 41 00:03:15,637 --> 00:03:19,337 あ! えっ お待ち下さい! 42 00:03:21,142 --> 00:03:25,480 押しつけられました。 43 00:03:25,480 --> 00:03:30,318 しかし仙右衛門に お芳さんの事が 好きかと尋ねても➡ 44 00:03:30,318 --> 00:03:33,221 「そうです」と 素直に答えるでしょうか? 45 00:03:33,221 --> 00:03:37,092 そうですね…。 46 00:03:37,092 --> 00:03:40,929 では 私が お芳さんに お気持ちを聞きます。 47 00:03:40,929 --> 00:03:45,433 幹殿は 仙右衛門さんに。 えっ 某が 仙右衛門に? 48 00:03:45,433 --> 00:03:50,233 男同士と女同士という事で いいでしょう。 49 00:03:51,940 --> 00:03:54,940 よいしょ。 50 00:03:56,811 --> 00:03:59,114 おうおう おうおう! 今よ➡ 51 00:03:59,114 --> 00:04:01,616 すっげえ いい女が 大門 出てったんだぜ。 52 00:04:01,616 --> 00:04:05,453 三味線 持ってたから ありゃ 新入りの芸者かもな。 53 00:04:05,453 --> 00:04:08,957 真面目に働け。 何 怒ってんだよ? 54 00:04:08,957 --> 00:04:11,957 別に…。 55 00:04:16,831 --> 00:04:23,304 人の顔 チロッチロ チロッチロ見て。 何か ついてるか? 56 00:04:23,304 --> 00:04:31,913 実はな…。 おう 何だよ? その…➡ 57 00:04:31,913 --> 00:04:38,786 こういう平穏な時こそ えてして騒ぎが起こるものだ。 58 00:04:38,786 --> 00:04:45,927 気を付けろ。 分かってらあ んな事! 59 00:04:45,927 --> 00:04:49,764 神守様 ちょいと お願いします! 60 00:04:49,764 --> 00:04:52,964 あんたの言うとおりに なっちまったな。 61 00:04:56,638 --> 00:05:00,408 (又一)こちらです。 62 00:05:00,408 --> 00:05:03,611 (儀助)とんでもない事を しでかしてくれました。 63 00:05:03,611 --> 00:05:05,547 どうした? 64 00:05:05,547 --> 00:05:07,949 心中です。 え!? 65 00:05:07,949 --> 00:05:23,798 ♬~ 66 00:05:23,798 --> 00:05:28,636 こりゃ 毒を飲んだようだな。 67 00:05:28,636 --> 00:05:31,306 (仙右衛門)女は? (又一)小春といいます。 68 00:05:31,306 --> 00:05:35,076 (仙右衛門)客の方は なじみか? (又一)ええ。 よく来る客です。➡ 69 00:05:35,076 --> 00:05:37,579 名前は… 確か 功太。 70 00:05:37,579 --> 00:05:39,514 困った事になった。 71 00:05:39,514 --> 00:05:41,749 小春が 売れっ子じゃ なかったのが➡ 72 00:05:41,749 --> 00:05:43,685 せめてもの救いですね。 73 00:05:43,685 --> 00:05:47,555 心中に 売れっ子かどうかが 関わりがあるのか? 74 00:05:47,555 --> 00:05:51,259 心中は ご法度ですよ。 75 00:05:51,259 --> 00:05:55,930 店だって お上から 不行き届きで大目玉を食らうし➡ 76 00:05:55,930 --> 00:05:59,601 もし 売れっ子に死なれたんじゃ 店は大損だ。➡ 77 00:05:59,601 --> 00:06:02,270 ねえ? 旦那。 (うめき声) 78 00:06:02,270 --> 00:06:06,140 (長吉)おっ まだ 息がある! すぐ 相庵先生を呼べ! 79 00:06:06,140 --> 00:06:09,944 しっかりしろ! 80 00:06:09,944 --> 00:06:13,244 文吉…。 81 00:06:14,816 --> 00:06:18,119 もう遅いようだ…。 82 00:06:18,119 --> 00:06:23,458 ♬~ 83 00:06:23,458 --> 00:06:27,128 ねえねえ ねえねえ! 山吹屋で心中だってよ! 84 00:06:27,128 --> 00:06:30,164 えっ 誰が!? 小春って女らしい。 85 00:06:30,164 --> 00:06:33,234 えっ 本当に? ねえ ちょっと あんた➡ 86 00:06:33,234 --> 00:06:35,169 小春ねえさんと同じ 山吹屋だったね? 87 00:06:35,169 --> 00:06:38,406 うん。 いや でも…➡ 88 00:06:38,406 --> 00:06:42,277 小春ねえさん 昔っから明るい人で。➡ 89 00:06:42,277 --> 00:06:46,281 どうして心中なんか…。 90 00:06:46,281 --> 00:06:50,581 それに ゆうべだって 小春ねえさんに会った時は…。 91 00:06:59,794 --> 00:07:05,433 いいお月さんねえ。 (若竹)ええ。 92 00:07:05,433 --> 00:07:08,933 もうじき いい事があんのよ。 93 00:07:13,107 --> 00:07:16,144 お待たせ~! 94 00:07:16,144 --> 00:07:19,881 あんなに笑顔だったのに…。 95 00:07:19,881 --> 00:07:23,451 もう そりゃ うれしそうだったんだから! 96 00:07:23,451 --> 00:07:26,120 そうだったんだ…。 97 00:07:26,120 --> 00:07:28,056 小春に弟が? 98 00:07:28,056 --> 00:07:32,560 ええ。 腕のいい 飾り職人なんだそうです。 99 00:07:32,560 --> 00:07:35,396 親方から 後継ぎにと見込まれ➡ 100 00:07:35,396 --> 00:07:38,733 もうすぐ 親方の娘さんと 婚礼だそうです。 101 00:07:38,733 --> 00:07:43,433 その弟の名前は? 文吉とか…。 102 00:07:46,240 --> 00:07:49,240 文吉…。 103 00:07:51,579 --> 00:07:55,450 めでたい事があるのに なぜ 心中など…。 104 00:07:55,450 --> 00:08:02,757 さあ…。 仲のいい姉弟で よく文のやり取りをしていたとか。 105 00:08:02,757 --> 00:08:08,629 文に書いてあった事を 小春さんは いつも 自慢していたそうです。 106 00:08:08,629 --> 00:08:14,369 小春ねえさんは いつも 楽しそうですね。 107 00:08:14,369 --> 00:08:20,308 泣いて暮らすより 笑って暮らしたいのさ。 108 00:08:20,308 --> 00:08:26,608 弟さん よかったですね。 ありがと。 109 00:08:28,883 --> 00:08:33,221 その心中の相手は どのような人なのですか? 110 00:08:33,221 --> 00:08:39,394 名前は功太。 日本橋にある 乾物屋の手代だそうです。 111 00:08:39,394 --> 00:08:41,329 あなた様は? 112 00:08:41,329 --> 00:08:45,733 信濃屋の番頭で 義左衛門といいます。 113 00:08:45,733 --> 00:08:51,239 心中の相手は そちらのお店の? 114 00:08:51,239 --> 00:08:55,576 へえ。 うちの手代の功太です。 115 00:08:55,576 --> 00:08:58,079 (村崎)この男の話によると➡ 116 00:08:58,079 --> 00:09:02,917 功太が 店の金を 度々 くすねていた事が発覚したそうだ。 117 00:09:02,917 --> 00:09:06,788 店の金を…。 いくらです? 118 00:09:06,788 --> 00:09:09,791 う~ん 1両 2両と…。 119 00:09:09,791 --> 00:09:14,429 それが度重なって 締めて 50両にはなっていたようです。 120 00:09:14,429 --> 00:09:16,364 (長吉)50両! 121 00:09:16,364 --> 00:09:19,600 それを 功太に問いただしたのが おとといの事です。 122 00:09:19,600 --> 00:09:21,536 功太は罪を認めました。 123 00:09:21,536 --> 00:09:26,774 ところが ちょっと目を離した隙に 姿を消して… このありさまです。 124 00:09:26,774 --> 00:09:31,279 なぜ すぐ お上に届けなかったのですか? 125 00:09:31,279 --> 00:09:36,717 手代に 50両 持ち逃げされたら 店にとっても外聞が悪い。➡ 126 00:09:36,717 --> 00:09:42,223 それに 功太が罪を悔いて 戻ってくるかもしれないと➡ 127 00:09:42,223 --> 00:09:46,394 主人とも話してまして 届け出を出すのを少し待とうと。 128 00:09:46,394 --> 00:09:50,731 …で その50両という金は? 129 00:09:50,731 --> 00:09:54,602 功太の部屋を捜しましたが 金はありませんでした。 130 00:09:54,602 --> 00:09:58,902 使っちまったって事か…。 131 00:10:00,908 --> 00:10:04,579 よ~し 分かった! 132 00:10:04,579 --> 00:10:06,514 功太は その金を➡ 133 00:10:06,514 --> 00:10:08,916 小春に貢いでいたんだ。 134 00:10:08,916 --> 00:10:12,787 けど 小春だって そんな金 持っちゃいませんでしたよ。 135 00:10:12,787 --> 00:10:18,593 部屋の隅から隅まで 調べましたがね。 136 00:10:18,593 --> 00:10:23,464 あの… 姉は… みよは!? みよ? 137 00:10:23,464 --> 00:10:26,767 もしかして あんた 小春の弟か? 138 00:10:26,767 --> 00:10:30,271 はい。 弟の文吉でございます。 139 00:10:30,271 --> 00:10:33,174 あの… 姉は どこですか? 140 00:10:33,174 --> 00:10:36,444 姉が死んだなんて 何かの間違いですよね? 141 00:10:36,444 --> 00:10:41,616 かわいそうだが… 本当だ。 142 00:10:41,616 --> 00:10:47,788 ウソだ~! 姉ちゃんが死んだなんて ウソだ! 143 00:10:47,788 --> 00:10:50,825 ウソでしょ!? ウソでしょ? 144 00:10:50,825 --> 00:10:58,125 姉ちゃん ウソでしょ!? あ~! 145 00:11:05,339 --> 00:11:10,044 おからもありますけど 食べますか? 146 00:11:10,044 --> 00:11:15,483 ありがとうございます。 147 00:11:15,483 --> 00:11:19,987 もうすぐ 親方のお嬢様と 婚礼だそうですね。 148 00:11:19,987 --> 00:11:23,491 え? はあ…。 149 00:11:23,491 --> 00:11:29,297 きっと お姉様も 喜ばれてる事と思います。 150 00:11:29,297 --> 00:11:34,769 姉を ご存じだったんですか? いえ 私は。 151 00:11:34,769 --> 00:11:42,769 小春は 死ぬ前に お前の名前を呼んだ。 文吉と…。 152 00:11:45,413 --> 00:11:50,952 情けねえ…。 153 00:11:50,952 --> 00:11:55,122 俺が書いた事は みんな ウソです。 154 00:11:55,122 --> 00:11:57,458 え? みんなとは? 155 00:11:57,458 --> 00:11:59,493 何もかもです。 156 00:11:59,493 --> 00:12:03,264 仕事は いつまでたっても 上達しねえし➡ 157 00:12:03,264 --> 00:12:06,133 親方にも怒られてばかりで…。 158 00:12:06,133 --> 00:12:09,170 では… 親方の娘との婚礼 というのは? 159 00:12:09,170 --> 00:12:13,307 ウソに 決まってるじゃないですか! 160 00:12:13,307 --> 00:12:18,646 どうして そんなウソを? 161 00:12:18,646 --> 00:12:25,319 姉は 一家を助けるために 吉原に入ってくれたんです。 162 00:12:25,319 --> 00:12:32,593 姉の文には いつも 俺の事を 心配する事ばかり書いてあって…。 163 00:12:32,593 --> 00:12:37,932 だから せめて 俺が ちゃんと やってるって➡ 164 00:12:37,932 --> 00:12:41,732 安心させてやろうと思って…。 165 00:12:45,606 --> 00:12:50,277 姉は とても喜んでくれました。 166 00:12:50,277 --> 00:12:56,083 私の生きる支えは お前だけだって。 167 00:12:56,083 --> 00:13:02,289 そんな事 言われたら ウソだなんて言えなくなって…。 168 00:13:02,289 --> 00:13:06,160 それで 婿入りの話を でっちあげたのか。 169 00:13:06,160 --> 00:13:08,162 はあ…。 170 00:13:08,162 --> 00:13:14,869 まあ とにかく 姉さんは お前のウソを信じたまま死んだ。 171 00:13:14,869 --> 00:13:18,839 それで よかったと思うしかないだろう。 172 00:13:18,839 --> 00:13:22,139 はあ…。 173 00:13:27,148 --> 00:13:29,083 どこへ行く? 174 00:13:29,083 --> 00:13:34,955 俺… 親方に 娘さんを下さいって 言ってきます! 175 00:13:34,955 --> 00:13:37,425 まあ 待て! 176 00:13:37,425 --> 00:13:42,725 このまんまじゃ 姉ちゃんに顔向けができない! 177 00:13:44,298 --> 00:13:49,770 お役人に 近くにいろと 言われたんでしょう? 178 00:13:49,770 --> 00:13:55,770 ♬~ 179 00:13:59,480 --> 00:14:04,180 ≪ごめん。 はい。 180 00:14:10,458 --> 00:14:15,258 お呼びだとか。 はい。 どうぞ。 181 00:14:20,134 --> 00:14:23,434 お座り下さい。 182 00:14:25,306 --> 00:14:30,478 何でしょう? 何かないと お呼びしてはいけませんか? 183 00:14:30,478 --> 00:14:32,978 いえ。 184 00:14:34,448 --> 00:14:37,918 小春さんの事なのです。 185 00:14:37,918 --> 00:14:42,218 小春を ご存じですか? はい。 186 00:14:44,792 --> 00:14:48,095 それは? 187 00:14:48,095 --> 00:14:52,795 10日ほど前 手習いに行った時…。 188 00:14:57,805 --> 00:15:01,642 僅かで お恥ずかしいのですが…➡ 189 00:15:01,642 --> 00:15:06,447 このお金を 預かって頂きたいのです。 190 00:15:06,447 --> 00:15:09,350 私に? 191 00:15:09,350 --> 00:15:17,350 いつか 弟に渡そうと思ってる お金なんです。 192 00:15:21,929 --> 00:15:25,929 弟に渡す金…。 193 00:15:31,906 --> 00:15:36,744 3両2分…。 何か? 194 00:15:36,744 --> 00:15:38,679 いえ。 195 00:15:38,679 --> 00:15:44,251 これでも 小春さんにとっては 精いっぱいなのです。 196 00:15:44,251 --> 00:15:49,551 爪に火をともすようにして ためたものでしょう。 197 00:15:51,926 --> 00:15:54,926 そうですか。 198 00:15:57,431 --> 00:16:01,602 分かりました。 え? 199 00:16:01,602 --> 00:16:06,440 小春は 50両など盗んでいません。 200 00:16:06,440 --> 00:16:10,611 そんな事をする女が たった3両2分の金を➡ 201 00:16:10,611 --> 00:16:14,481 あなたに預ける訳がありません。 202 00:16:14,481 --> 00:16:18,285 そうですね。 203 00:16:18,285 --> 00:16:23,157 では 確かに お渡し致しました。 204 00:16:23,157 --> 00:16:30,657 いえ。 この金は いま少し お持ち下さい。 205 00:16:35,569 --> 00:16:40,241 この金は… 小春にかかった嫌疑が 晴れてから➡ 206 00:16:40,241 --> 00:16:43,577 文吉に渡してやりたいと思います。 207 00:16:43,577 --> 00:16:48,916 それまで 預かって頂けませぬか? 208 00:16:48,916 --> 00:16:51,916 分かりました。 209 00:16:57,925 --> 00:17:07,268 神守様は いつも 吉原で働く 女子の幸せを考えていらっしゃる。 210 00:17:07,268 --> 00:17:11,939 そうでしょうか…。 211 00:17:11,939 --> 00:17:20,114 私の幸せが どこにあるのか 見つけて下さいませんか? 212 00:17:20,114 --> 00:17:28,622 聞くところによると さる大店の 主人から 身請けの話があるとか。 213 00:17:28,622 --> 00:17:34,422 それが 私の幸せでしょうか? 214 00:17:40,234 --> 00:17:42,903 お分かりにならないのですか? 215 00:17:42,903 --> 00:17:44,838 それとも…➡ 216 00:17:44,838 --> 00:17:48,838 わざと お分かりに ならないふりを? 217 00:17:50,577 --> 00:17:56,250 これからも あなた様の事は➡ 218 00:17:56,250 --> 00:18:00,750 命を懸けて お守りします。 219 00:18:06,427 --> 00:18:23,444 ♬~ 220 00:18:23,444 --> 00:18:26,347 では。 221 00:18:26,347 --> 00:19:08,956 ♬~ 222 00:19:08,956 --> 00:19:11,258 お水 飲んで下さい。 持てますか? 223 00:19:11,258 --> 00:19:13,927 あっ お帰りなさいまし。 ただいま戻りました。 224 00:19:13,927 --> 00:19:15,863 ちょちょ ちょちょ…! あ! ああ…。 225 00:19:15,863 --> 00:19:18,599 お侍さん! 文吉 どうした? お前。 226 00:19:18,599 --> 00:19:22,469 お帰りなさい。 随分と お酒を飲んだようです。 227 00:19:22,469 --> 00:19:24,772 お前 昼間っから酒など飲んで…。 228 00:19:24,772 --> 00:19:26,807 死んだ姉さんに 顔向けできないぞ! 229 00:19:26,807 --> 00:19:31,879 ヘヘッ 姉ちゃんが何だ! 何!? 230 00:19:31,879 --> 00:19:37,217 俺は 出来の悪い弟なんだ! 231 00:19:37,217 --> 00:19:42,056 頑張ったって 駄目なもんは駄目なんだ! 232 00:19:42,056 --> 00:19:45,926 たった一つの自慢の弟だ? 233 00:19:45,926 --> 00:19:51,765 毎回毎回 それを言われた 俺のつらさが あんたに分かるか!? 234 00:19:51,765 --> 00:19:55,235 これで終わったと思ったら せいせいすらあ! 235 00:19:55,235 --> 00:19:58,572 ハハハハハハッ ハハハハハハッ! 236 00:19:58,572 --> 00:20:03,911 こいつ… どうしようもないやつだな。 237 00:20:03,911 --> 00:20:06,747 (仙右衛門)ごめんよ! (相庵)はい ごめん。 238 00:20:06,747 --> 00:20:09,083 先生! いや 相庵先生が➡ 239 00:20:09,083 --> 00:20:11,418 あんたに話したい事があると おっしゃってな。 240 00:20:11,418 --> 00:20:17,758 吉原の帰り道 仙右衛門から 心中の話を聞いてるうちに➡ 241 00:20:17,758 --> 00:20:21,095 思い出した事があってなあ…。 242 00:20:21,095 --> 00:20:23,295 何でしょう? 243 00:20:25,599 --> 00:20:31,105 そうか。 こいつが小春の弟なのか。 244 00:20:31,105 --> 00:20:33,440 はい。 245 00:20:33,440 --> 00:20:36,477 先生は 小春を ご存じでしたか? 246 00:20:36,477 --> 00:20:40,314 ああ いつだったか 小春が風邪をひいて➡ 247 00:20:40,314 --> 00:20:45,452 長~く寝込んだ時に 往診 行った事があってなあ。 248 00:20:45,452 --> 00:20:52,126 うれしそうに弟の事を自慢してた。 そうでしたか。 249 00:20:52,126 --> 00:21:00,834 そう。 病で さぞ苦しいでしょうに 楽しげに…。 250 00:21:00,834 --> 00:21:05,639 弟は 親方に えらく 褒められたそうなんですよ。 251 00:21:05,639 --> 00:21:10,144 新しく作った かんざしの出来が 大層 いいとかで。 252 00:21:10,144 --> 00:21:13,647 (せきこみ) 今は静かにしておれ。 253 00:21:13,647 --> 00:21:16,984 それは よかったですね。 254 00:21:16,984 --> 00:21:21,321 今度 大きな仕事を 任されたそうなんです。 255 00:21:21,321 --> 00:21:24,825 (お芳)大したもんですねえ! 256 00:21:24,825 --> 00:21:32,633 それが 本当ならね…。 え? 257 00:21:32,633 --> 00:21:37,833 多分 みんな ウソなんです。 258 00:21:40,774 --> 00:21:45,612 小春は 弟がウソをついてると 知ってたんですかい? 259 00:21:45,612 --> 00:21:48,515 ああ…。 260 00:21:48,515 --> 00:21:54,121 あの子は 昔から ウソをつくのが下手なんですよ。 261 00:21:54,121 --> 00:22:00,460 私には分かるんです。 み~んな ウソだって。 262 00:22:00,460 --> 00:22:03,964 ウソと知っていて どうして? 263 00:22:03,964 --> 00:22:08,302 「嘘から出た実」なんて 言うじゃありませんか。 264 00:22:08,302 --> 00:22:17,010 あの子の文に書いてある事も いつか 本当に…。 265 00:22:17,010 --> 00:22:20,814 私にだって 好いたお人はいるんですよ。 266 00:22:20,814 --> 00:22:24,318 乾物屋に勤めてるんです。 267 00:22:24,318 --> 00:22:30,490 でも お金には 縁のない人なんです。 268 00:22:30,490 --> 00:22:35,929 身請けされる望みは? 269 00:22:35,929 --> 00:22:40,100 俺に甲斐性がないせいで すまないって…。 270 00:22:40,100 --> 00:22:44,271 私は もう諦めてます。 271 00:22:44,271 --> 00:22:51,778 でも そう言ってくれるだけで 私は幸せです。 272 00:22:51,778 --> 00:22:54,615 私は いいんです。 273 00:22:54,615 --> 00:23:07,628 だから 弟にも ウソなどつかずに 幸せになってもらいたいんです。 274 00:23:07,628 --> 00:23:13,828 それだけが望みなんです。 275 00:23:15,369 --> 00:23:22,976 小春は 自分の思いが いつか 弟に通じると信じて➡ 276 00:23:22,976 --> 00:23:26,847 書きつづっていたのか…。 277 00:23:26,847 --> 00:23:36,523 ♬~ 278 00:23:36,523 --> 00:23:43,597 小春と功太は 心中ではないと? はい。 279 00:23:43,597 --> 00:23:49,936 小春は 弟が書いてきた事は 全てウソだと知っていました。 280 00:23:49,936 --> 00:23:51,872 知っていましたが➡ 281 00:23:51,872 --> 00:23:56,610 それでも いつか 弟が 立派になってくれる事を願って➡ 282 00:23:56,610 --> 00:24:01,782 弟のために 少しずつ 金子をためていたのです。 283 00:24:01,782 --> 00:24:07,954 そんな小春が 心中など するはずがありません。 うむ…。 284 00:24:07,954 --> 00:24:13,760 恐らく 誰かが 50両を盗んだ罪を 2人に着せようとしたのです。 285 00:24:13,760 --> 00:24:18,665 ただ この一件は心中だと➡ 286 00:24:18,665 --> 00:24:22,469 村崎様は はなっから 決めておられますから。 287 00:24:22,469 --> 00:24:28,469 お向かいさんに知られないよう こっそりやりますか。 288 00:24:30,644 --> 00:24:33,944 お願いします。 289 00:24:45,292 --> 00:24:51,598 お芳さん。 はい。 少し お話が…。 290 00:24:51,598 --> 00:24:54,598 何でしょう? 291 00:24:59,106 --> 00:25:05,879 あの… お芳さんは これからの事 どうお考えですか? 292 00:25:05,879 --> 00:25:08,448 これからの事? 293 00:25:08,448 --> 00:25:11,351 ここを もっと立派にしたいと 思っています。 294 00:25:11,351 --> 00:25:15,151 いえ そういう事ではなくて…。 はあ? 295 00:25:20,961 --> 00:25:24,297 もう単刀直入に お聞きします! 296 00:25:24,297 --> 00:25:28,635 お芳さん。 仙右衛門さんの事 好いてるのですか? え? 297 00:25:28,635 --> 00:25:31,905 そうなのでしょ? 好いているのでしょ? はい。 298 00:25:31,905 --> 00:25:35,776 じゃあ…! 299 00:25:35,776 --> 00:25:39,413 好きです。 300 00:25:39,413 --> 00:25:43,250 そう! よかった…。 301 00:25:43,250 --> 00:25:46,153 じゃあ 一緒になれば よいではありませんか。 302 00:25:46,153 --> 00:25:48,588 いいえ。 だって あの人が…。 いいえ! 303 00:25:48,588 --> 00:25:51,588 あとは 幹殿が なんとかします! 304 00:25:55,362 --> 00:25:59,766 幹殿 言いました! え? 305 00:25:59,766 --> 00:26:02,803 お芳さん。 仙右衛門さんを 好いてると言いました! 306 00:26:02,803 --> 00:26:06,273 本当ですか! 仙右衛門さんには いつ? 307 00:26:06,273 --> 00:26:09,109 ああ。 まあ そのうち…。 308 00:26:09,109 --> 00:26:15,615 私は役目を果たしました。 次は幹殿の番です。 はあ…。 309 00:26:15,615 --> 00:26:18,452 あっ。 おう! 310 00:26:18,452 --> 00:26:22,289 ちょうどいいじゃないですか! え? 311 00:26:22,289 --> 00:26:25,325 大事な事です。 しっかり お願いしますよ。 312 00:26:25,325 --> 00:26:29,629 私は もう一度 お芳さんの所に。 313 00:26:29,629 --> 00:26:37,237 ♬~ 314 00:26:37,237 --> 00:26:41,107 何をしに来たんだ? 俺が来ちゃ迷惑かよ。 別に…。 315 00:26:41,107 --> 00:26:44,411 いや ちょっと 思い出した事があってな。 何だ? 316 00:26:44,411 --> 00:26:47,411 ほら 小春と功太が死んだ日…。 317 00:26:51,284 --> 00:26:53,587 あっ おうおうおう… 気を付けろよ! 318 00:26:53,587 --> 00:26:56,423 すみません。 319 00:26:56,423 --> 00:26:58,458 義左衛門が? ああ。 320 00:26:58,458 --> 00:27:02,295 どうも どっかで顔を見た気がして ずっと考えてたんだよ。 321 00:27:02,295 --> 00:27:07,934 それは確かか? あの顔は 見間違えようがねえ。 322 00:27:07,934 --> 00:27:12,772 小春と功太が死んだあと すぐ 義左衛門が大門を出ていった。 323 00:27:12,772 --> 00:27:15,609 しかも 妙に慌ててたぜ。 324 00:27:15,609 --> 00:27:18,309 何か関わるがあるとしか 思えないな。 325 00:27:19,946 --> 00:27:22,282 どうだ? 義左衛門の事を➡ 326 00:27:22,282 --> 00:27:25,619 聞いて回ったんですがね 至って真面目な男で➡ 327 00:27:25,619 --> 00:27:28,655 律儀者で通ってます。 そうか…。 328 00:27:28,655 --> 00:27:32,893 どっちみち 義左衛門が 毒を入れる事は難しいでしょう。 329 00:27:32,893 --> 00:27:37,764 誰か 手伝った人間が…。 そうだな。 330 00:27:37,764 --> 00:27:42,235 もう少し 調べてみましょう。 頼む。 331 00:27:42,235 --> 00:27:45,272 すまないな。 332 00:27:45,272 --> 00:27:48,108 えっ な… 何がですか? 333 00:27:48,108 --> 00:27:51,578 本来の仕事でもないのに こんな事ばかり頼んで…。 334 00:27:51,578 --> 00:27:57,250 いえ ほんの恩返しでさあ。 ん? 335 00:27:57,250 --> 00:28:01,755 すね者のあっしも 人様のお役に立てるって事を➡ 336 00:28:01,755 --> 00:28:06,055 神守様は教えて下さった。 337 00:28:11,932 --> 00:28:15,802 大事な事 忘れてた! 何だ? 338 00:28:15,802 --> 00:28:20,273 もう一人 義左衛門の事を 探ってる男がいますぜ。 え? 339 00:28:20,273 --> 00:28:23,777 あっしが乾物屋に行ったら 近くで 通りがかりの者に➡ 340 00:28:23,777 --> 00:28:29,477 義左衛門の事を 聞いてる男がいたんです。 え? 341 00:28:44,898 --> 00:28:49,098 あとは頼んだよ。 へえ。 分かりやした。 342 00:28:53,406 --> 00:28:55,909 あ! 343 00:28:55,909 --> 00:28:58,244 何をしている!? すみません! 344 00:28:58,244 --> 00:29:01,081 どうしても 姉の仇が討ちたかったんです! 345 00:29:01,081 --> 00:29:03,016 仇討ち? 346 00:29:03,016 --> 00:29:05,919 侍のマネなどするな。 347 00:29:05,919 --> 00:29:10,423 お願いします! お願いします! 348 00:29:10,423 --> 00:29:14,260 どうか お願いします! 349 00:29:14,260 --> 00:29:18,098 どうか お願いします! 350 00:29:18,098 --> 00:29:34,547 ♬~ 351 00:29:34,547 --> 00:29:38,847 いらっしゃいませ。 どうぞ こちらへ。 352 00:29:42,288 --> 00:29:45,288 いらっしゃいませ。 353 00:29:50,397 --> 00:29:52,899 どの部屋にいるんでしょうか…。 354 00:29:52,899 --> 00:29:59,599 分からん。 いずれにしても ここで 誰かと会うつもりだろう。 355 00:30:06,413 --> 00:30:09,315 あの男は 山吹屋の…。 356 00:30:09,315 --> 00:30:14,515 小春が売れっ子じゃなかったのが せめてもの救いですね。 357 00:30:17,590 --> 00:30:21,928 そこで待ちな。 (2人)へい。 358 00:30:21,928 --> 00:30:45,118 ♬~ 359 00:30:45,118 --> 00:30:50,818 ≪じゃあ これは 約束の10両です。 ≪ありがとうございます。 360 00:30:56,629 --> 00:31:00,133 へい 確かに。 361 00:31:00,133 --> 00:31:03,970 私は 残りの40両で借金が返せる。 362 00:31:03,970 --> 00:31:08,270 もう相場などに 手を出さない事ですな。 363 00:31:10,744 --> 00:31:14,481 肝に銘じるよ。 364 00:31:14,481 --> 00:31:20,153 それにしても あの物騒な2人は何です? 365 00:31:20,153 --> 00:31:25,658 約束どおり 金をもらえるか ちょっと心配でね。 366 00:31:25,658 --> 00:31:31,464 心外ですな。 私は堅い男で通ってるんですよ。 367 00:31:31,464 --> 00:31:34,934 ご勘弁を。 奉行所も➡ 368 00:31:34,934 --> 00:31:39,606 こたびの事は 心中という見立てで 済ませるようです。➡ 369 00:31:39,606 --> 00:31:42,509 これで 安心ですな。 370 00:31:42,509 --> 00:31:45,945 ≪(義左衛門)吉原の女は こういう時に便利だな。➡ 371 00:31:45,945 --> 00:31:49,616 役人も そう真剣に調べる訳でもなし。➡ 372 00:31:49,616 --> 00:31:55,421 死んだところで どうせ みんな すぐに忘れる。 373 00:31:55,421 --> 00:31:57,357 くそ…。 374 00:31:57,357 --> 00:31:59,557 ≪(義左衛門)誰だ!? 375 00:32:02,328 --> 00:32:04,464 お前ら 確か…。 376 00:32:04,464 --> 00:32:08,664 会所に雇われてる浪人者です。 おい! 377 00:32:15,108 --> 00:32:21,014 自分が空けた50両の穴を 小春と功太に押しつけたのか。 378 00:32:21,014 --> 00:32:24,150 ああ そうだ。 379 00:32:24,150 --> 00:32:28,655 お前は この男に頼まれて 酒に毒を入れた。 380 00:32:28,655 --> 00:32:31,324 それで 10両なら ボロいと思ってな。 381 00:32:31,324 --> 00:32:34,928 小春は どうせ 安い金で売られてきた身だ。 382 00:32:34,928 --> 00:32:39,928 10両で殺されたんなら 満足だろうぜ。 383 00:32:41,601 --> 00:32:43,937 うわ~! 384 00:32:43,937 --> 00:32:46,439 ぐあっ! やれ! 385 00:32:46,439 --> 00:33:01,454 ♬~ 386 00:33:01,454 --> 00:33:04,357 あ! おい…。 387 00:33:04,357 --> 00:33:11,798 ♬~ 388 00:33:11,798 --> 00:33:13,998 ぐあ~! 389 00:33:17,971 --> 00:33:19,906 うわ~! 390 00:33:19,906 --> 00:33:25,206 ♬~ 391 00:33:26,980 --> 00:33:30,850 この野郎! 392 00:33:30,850 --> 00:33:33,086 姉ちゃんが どんな気持ちで➡ 393 00:33:33,086 --> 00:33:35,021 吉原で暮らしてたか➡ 394 00:33:35,021 --> 00:33:38,321 お前らに分かるか!? 395 00:33:42,595 --> 00:33:46,266 姉ちゃんはな…➡ 396 00:33:46,266 --> 00:33:51,566 姉ちゃんは 俺のために! 397 00:33:54,440 --> 00:34:09,989 (泣き声) 398 00:34:09,989 --> 00:34:15,828 お前が 真面目に生きて 幸せになれ。 399 00:34:15,828 --> 00:34:22,468 それが 姉を喜ばせる たった一つの道だ。 400 00:34:22,468 --> 00:34:52,098 ♬~ 401 00:34:52,098 --> 00:34:54,133 これは? 402 00:34:54,133 --> 00:35:00,133 お前の姉さんが 必死にためた金子だ。 え? 403 00:35:01,808 --> 00:35:07,808 いつか 弟に渡そうと思ってる お金なんです。 404 00:35:18,624 --> 00:35:25,298 あの村崎様がな 上に掛け合って下すって➡ 405 00:35:25,298 --> 00:35:31,104 こたびの事 心中ではないと決まった。 406 00:35:31,104 --> 00:35:34,007 そりゃあ よかった。 407 00:35:34,007 --> 00:35:38,244 早く一人前になって 親方に認められるこったな。 408 00:35:38,244 --> 00:35:40,179 はい。 409 00:35:40,179 --> 00:35:46,753 親方が お嬢さんと一緒になるのを 許してくれるよう 頑張れ。 410 00:35:46,753 --> 00:35:53,626 はい。 でも その前に お嬢さんに 一緒になってくれって言わないと。 411 00:35:53,626 --> 00:36:00,626 そうだ。 思い切り ぶつかれ。 はい。 412 00:36:02,602 --> 00:36:07,940 ごめんなさ~い! お芳さん どうされました? 413 00:36:07,940 --> 00:36:13,746 あっ 相庵先生のお使いで 薬を届けに来た帰りです。 414 00:36:13,746 --> 00:36:15,815 あっ そうだ。 忘れてた。 415 00:36:15,815 --> 00:36:18,451 おい。 何でえ? 416 00:36:18,451 --> 00:36:22,789 この男は お嬢さんに 好きだと伝えるそうだ。 417 00:36:22,789 --> 00:36:28,989 お前は どうだ? お… 俺が何だよ? 418 00:36:30,530 --> 00:36:33,733 お芳さんに 何か言う事はないのか? 419 00:36:33,733 --> 00:36:38,404 言う事って 別によ…。 420 00:36:38,404 --> 00:36:45,078 おい 連れてけ 連れてけ! ねえ ちょっと! ちょっと! 421 00:36:45,078 --> 00:36:50,750 何でえ! お… 俺はよ あの… 何だあ…。 422 00:36:50,750 --> 00:36:54,420 いや その… まあ あの… あれだ。 あの…。 423 00:36:54,420 --> 00:36:58,925 だからよ あ… あの…➡ 424 00:36:58,925 --> 00:37:02,625 あの… お芳 一緒になってくれ! 425 00:37:06,265 --> 00:37:09,168 いいの? 何 言ってんだよ。 426 00:37:09,168 --> 00:37:13,168 いいから言ってんだろ。 427 00:37:17,276 --> 00:37:20,179 こいつの姉さんは いまわの際で➡ 428 00:37:20,179 --> 00:37:23,449 一番大切に思ってた こいつの名前を呼んでたよ。 429 00:37:23,449 --> 00:37:25,485 生きてる俺がよ➡ 430 00:37:25,485 --> 00:37:29,255 おめえの事を大切に思ってるって 言えないんじゃ➡ 431 00:37:29,255 --> 00:37:33,255 あんまり情けねえってもんだろう。 432 00:37:35,394 --> 00:37:41,267 仙右衛門 おめえ いいタンカ 切りやがるなあ。 433 00:37:41,267 --> 00:37:44,403 いや~ おめでとうございます! おめでとうございます! 434 00:37:44,403 --> 00:37:47,907 おめでとうございます! うるせえよ。 435 00:37:47,907 --> 00:37:54,413 ♬~ 436 00:37:54,413 --> 00:38:01,287 お役目 ご苦労さまにございます。 いえ。 437 00:38:01,287 --> 00:38:19,939 ♬~ 438 00:38:19,939 --> 00:38:24,810 欲しくばあげましょ 熨斗 付けて。 439 00:38:24,810 --> 00:38:31,884 ♬~ 440 00:38:31,884 --> 00:38:34,720 さあ 仕事 仕事! 441 00:38:34,720 --> 00:38:41,520 花屋でござ~い! 花! 花屋でござ~い! 442 00:38:43,229 --> 00:38:49,569 どういう事かな。 怖いお顔。 443 00:38:49,569 --> 00:38:52,071 この間は木曽屋さん。 444 00:38:52,071 --> 00:38:58,411 今度は 近江屋さんの身請け話まで 断ったそうじゃないか。 はい。 445 00:38:58,411 --> 00:39:05,751 何が気に入らないんですか? これ以上の話はありませんよ。 446 00:39:05,751 --> 00:39:12,258 近江屋さんに身請けされれば 大金が三浦屋に入ります。 447 00:39:12,258 --> 00:39:18,764 会所にも分け前が…。 それが 惜しゅうございますか? 448 00:39:18,764 --> 00:39:23,564 太夫 それは違う。 449 00:39:26,105 --> 00:39:32,912 私はね お前さんに 幸せになってもらいたい。 450 00:39:32,912 --> 00:39:37,750 それだけなんだ。 451 00:39:37,750 --> 00:39:41,387 ありがとう存じます。 452 00:39:41,387 --> 00:39:47,087 それなら なぜ? 453 00:39:50,563 --> 00:39:59,238 私の本当の望みは…➡ 454 00:39:59,238 --> 00:40:04,038 四郎兵衛様だけに 申し上げましょう。 455 00:40:06,412 --> 00:40:10,112 聞きましょう。 456 00:40:19,125 --> 00:40:21,260 (せきばらい) 457 00:40:21,260 --> 00:40:26,932 会所が 婚礼の一切の世話すると 言ってるのに 何で断ったんだ? 458 00:40:26,932 --> 00:40:29,602 そんな大層な事 てれくさくていけませんや。 459 00:40:29,602 --> 00:40:32,638 お墓参りをして 日光で 少しゆっくりしてきます。 460 00:40:32,638 --> 00:40:35,838 気を付けて 行ってらっしゃい。 461 00:40:37,476 --> 00:40:41,113 幹殿。 462 00:40:41,113 --> 00:40:44,950 いや 別に…。 463 00:40:44,950 --> 00:40:47,453 ありがとよ。 礼など要らん。 464 00:40:47,453 --> 00:40:51,624 ハハハハッ おかしな2人だな。 465 00:40:51,624 --> 00:40:56,824 では 行ってまいります。 (相庵)気を付けてな。 466 00:41:02,268 --> 00:41:05,638 お似合いだねえ。 467 00:41:05,638 --> 00:41:10,142 これからのお二人は 仙右衛門と お芳に➡ 468 00:41:10,142 --> 00:41:14,980 仲の良い夫婦の手本 見せてやって下さい。 469 00:41:14,980 --> 00:41:18,651 さあ 務まりますかどうか…。 470 00:41:18,651 --> 00:41:20,951 (笑い声) 471 00:41:24,156 --> 00:41:27,493 <「仲の良い夫婦」。➡ 472 00:41:27,493 --> 00:41:31,664 その言葉が 私には 何ともうれしく➡ 473 00:41:31,664 --> 00:41:38,664 この暮らしが いつまでも続く事を 願わずにはおられませんでした> 474 00:41:42,274 --> 00:41:46,946 仇討ち騒ぎがあったんだってね。 父の敵。 覚悟致せ! 475 00:41:46,946 --> 00:41:50,282 どこかで終わりにせねばならぬ事。 476 00:41:50,282 --> 00:41:53,119 どうして 命を懸けなければ ならないのです!? 477 00:41:53,119 --> 00:41:55,454 武士の妻ですから。 478 00:41:55,454 --> 00:41:58,357 待たれよ! 479 00:41:58,357 --> 00:42:01,657 義によって 中林与五郎殿の助太刀を致す! 480 00:42:03,963 --> 00:42:15,474 ♬「君のそばにいる」 481 00:42:15,474 --> 00:42:26,485 ♬「君を守って行く」 482 00:42:26,485 --> 00:42:38,097 ♬「悲しみを 消してあげることは 出来ないけど」 483 00:42:38,097 --> 00:42:48,808 ♬「ここからは ふたり 同じ道を行く」 484 00:42:48,808 --> 00:43:00,286 ♬「せめて ひととき」 485 00:43:00,286 --> 00:43:11,464 ♬「風よ やさしく」 486 00:43:11,464 --> 00:43:24,964 ♬「二人 包んで」